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元スレマミ「もう何も怖く……」ほむら「勇気とは怖さを知ること!」
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さやか「ねぇ、あたしの仲間が今魔女と戦ってると思うんだけどさ、それ終わったら一緒に何か食べに行こうよ」
杏子「必要以上に馴れ合うつもりはないね」
杏子(見滝原で師と言ったら……どうせあいつがいる)
さやか「つれないねぇ……」
杏子「……で、あんたの師は結局誰だなんだ。大体想像はつくが、答えろよ」
「その必要はないです」
杏子「!」
さやか「!」
さやか「ほむら! それにまどか!」
ほむら「こんなところで……」
まどか「ハァ……ハァ……さ、最初から……はぐれてたんだね……さやかちゃん……この子は……?」
杏子「…………」
ほむら「……佐倉さん」
まどか「ハァ……ハァ……え? ……ハァ、知って、……るの? ハフゥ……疲れた」
杏子「……何であたしの名を知ってるんだ? 一応は初対面だろ。……まあ、どうでもいいな」
杏子「そこのちっこいのも魔法少女か?」
まどか「わ、わたしは……」
さやか「魔法少女ではないけど、ムードメーカーみたいなもんだと思ってよ。まどかって言うんだよ。可愛いでしょ」
杏子「いや知らんけど」
さやか「あたしの嫁です」
杏子「いや知らんけど」
ほむら(何故美樹さんと争っているってのはさておき……ここで佐倉さんと遭遇か。ちょっと、タイミングが悪い……『前』より早い)
ほむら(ところで、佐倉さんは今、美樹さんと戦い方が似ていると言った……聞き間違いではない)
ほむら(それは私が、美樹さんに戦い方を教えるのが初めてで戸惑ったから、どの時間軸でも美樹さんとなんだかんだで仲良くなる佐倉さんの戦い方を基準に、美樹さんにそれを教えたからだ)
ほむら(それに加えて、佐倉さんの師である巴さんの指導……佐倉さんと酷似もするだろう。そして、結果的に美樹さんは佐倉さんに共鳴を感じたっぽい。……今回も、まぁ、二人は仲良くなりそう)
杏子「それはそうと、あんた。まどか、あるいはほむら。どっちの方だ」
ほむら「私は、暁美ほむらといいます」
杏子「そうかい。……そんで、さやかのお仲間、と」
さやか「今言ったじゃん……こっちがまどかだって」
杏子「興味をなくしたあんたの言葉は耳から耳へ抜けるのさ」
さやか「ひどい」
ほむら「……私は冷静な人の味方で無駄な争いをするお馬鹿さんの敵です」
ほむら「あなたはどっちですか? 美樹さん」チラッ
さやか「いやいやいやいやいや! 向こうが喧嘩売ってきたんだよ!」
まどか「え……? 何で……?」
さやか「あたしィィ? そんなの知らないよ」
杏子「喧嘩っていうか決闘だ」
ほむら「……決闘、ですか?」
杏子「ああ、キュゥべえからイレギュラーな奴って聞いて、興味が沸いてね。戦った感想としては、それはもうド素人だった」
さやか「おぉい!」
杏子「なぁ、ほむらと言ったな。一つ聞いていいかい?」
ほむら「……?」
杏子「そこのちっこいのはゼーゼー息切れしている。つまり、走ってここに来たという解釈でいいよなぁ……それもかなり急いで、だ」
まどか(ふぅ……喉乾いちゃった)
ほむら「……それがなにか」
杏子「何であんたは息切れをしていないんだ?」
ほむら「……」
杏子「あんたが噂のイレギュラーだったんだな。相手しろよ。さやかの先輩さんよぉ」
さやか「……あたし、勘違いで喧嘩売られてたの?」
まどか「どんまいさやかちゃん」
ほむら「……わかりました。お相手しましょう」
まどか「へ?」
ほむら「グリーフシードを賭けます」
杏子「あん?」
ほむら「あなたが勝ったら、グリーフシード3つ……差し上げましょう。ということです」
杏子「……へー、見かけによらず威勢のいいことを言ってくれるな。いいだろう。3つだな。その賭け乗っ……」
ほむら「いえ、私が負けてもグリーフシードは不要です。その代わり、あなたに協力を要請する」
杏子「協力……?」
ほむら「この街にワルプルギスの夜が現れる。私はそいつを倒したい。だから協力してもらいたいんです」
杏子「……何故現れるとわかる」
ほむら「私に勝ってそれを望むなら……あるいは私に負けて共闘するというなら教えましょう」
さやか「わるぷ……?」
まどか「……魔女? 魔女の名前かな?」
杏子「波紋という力があれば、ワルプルギスを倒せると言うのか? あのワルプルギスを?」
ほむら「……わからない」
杏子「まあいいだろう。負けたら共闘してやる。言い出されたからには後には退けない。乗らないなんて言ったらあたしがワルプルギスから逃げてるみたいになるからな」
ほむら(グッド……乗ってきた。争うのは嫌だけど……佐倉さんの手は既に知っている。今の私なら、彼女に勝てる)
ド ドド ド ド
ほむら「……」
杏子(……この構え……素手で戦うのか? いや、何か秘密があるはずだ。見当はつかないがあたしには経験がある)
ほむら「コォォォ……」
杏子「おい、緊張してんのか? 深呼吸なんかしちゃってよォ~……」
ほむら「これが……波紋という能力です。魔法ではありません……人間には未知の部分がある」
ほむら「波紋とは! 呼吸から生じる生命のエネルギー!」
杏子「ほう……。それが波紋……。それにしても魔法じゃないだと? 確かにそりゃイレギュラーだ。ますます興味が沸いた。お手並み拝見だ」
杏子「オラァッ!」
ドッヒャァッ
ほむら「……ッ!」
ガッシィィィ
杏子「ムッ!」
さやか「柄を掴んだ!」
まどか「すごい反射神経……! ……時を止めたのかな?」
杏子「へぇ……あたしの攻撃を見切るとは、なかなかやるじゃん。さやかとは大違い。見た目によらないな」ググッ
ほむら「……オリーブオイルは好きですか?」
杏子「あ?」
ほむら「オリーブオイルは好きか、と聞いているのです」
杏子「何言ってんだよ」
ほむら「今から『これ』をぶっかけます」
杏子「お、おいバカ! やめろ! そんなもんかけようとすんな!」
ほむら「残念。既に……かかってますよ。あなたの槍に……」
杏子「はっ!」
ヌルリ
さやか「うわぁ……杏子のヤリ、スゴイヌルヌルしてる……」
杏子「何だよその地味な嫌がらせは! っていうかいつの間に……」ベチョォ
杏子(あの盾に一瞬触れたよな……やはりあの盾に秘密があるのか……?)
杏子「つーか食い物を粗末にするな!」
杏子「……オリーブオイルって食い物か? 食い物……だよな? うん。ってことでふざけんな!」
まどか「オリーブからとれるし、食べ物だよね」
さやか「調味料も食べ物と言えるのかな?」
ほむら(時を止めて矛先を見極め、オイルを塗りたくった)
ほむら(物体に油を塗れば……その物体は波紋を100%通す!)
ほむら「武器に伝わる波紋疾走!」チョイ
バチィッ
杏子「ビリっときたあああああああ!」
カシャンッ
杏子「ハッ! 思わず手を離しちまった……。何があったんだ……? 電気が走ったかのような……」
ほむら「武器を離しましたね……。あの、私の勝ちでいいですか?」
杏子「ぐ、ぐぬぬ……ちょいと油断しちまったぜ。これが波紋……」
まどか「ほむらちゃんすごい!」
さやか「やったー! かっこいー!」
グニャァ……
杏子「むっ」
まどか「あ、結界が……」
さやか「と、いうことは……魔女を倒したんだ!」
杏子「チッ、何か茶々入れられた気分だが……まあいい。続けっぞ」
杏子「言っておくが、あたしは負けを認めたわけじゃない! 覚えたぞ! 波紋ってのは全身スタンガンみたいなもんだ。水は電気通すって言うし。油は知らんけど!」
ほむら「……」
杏子「ちょいと本気出させてもらう!」
まどか「本気……?」
杏子「あたしの能力を説明せずにこれからあんたを攻撃するのは騎士道に恥じる闇討ちにも等しい行為……」
杏子「ゆえに秘密を明かしてから次の攻撃に移ろう」
ほむら「……畏れいります」
杏子「実はあたしは幻影・幻覚の固有魔法を持っている。それを利用してあたし自身が複数になることが可能!」
ズゥラララァ
さやか「な!? なんだ……!? やつの姿が6…いや…7人にもふえたぞッーっ!」
まどか「ぶ、分身の術! いくらほむらちゃんでも複数は……!」
杏子s「「「ロッソ・ファンタズマかわせるかッー!!」」」
ほむら「……時を止め――」
「待ちなさいッ!」
ほむら「!?」
杏子「?!」
さやか「?!」
まどか「!?」
ザッ
マミ「何をしているの? 佐倉さん……」
杏子「マミ……それとなんだこのオッサン」
ツェペリ「…………」
ほむら「ツェペリさん……」
杏子「知り合いか」
さやか「え……? マミさん。杏子と知り合いなんですか?」
杏子「マミは……あたしの元師匠だ」
さやか「え!?」
杏子「あたしはマミから戦い方を学んだ。だが、方向性の違いから仲違いして、あたしは独立した」
まどか「そ、そうだったんだ……」
マミ「佐倉さん! 何をしているのかと聞いているのよッ!」
まどか「ま、マミさん!?」ビクッ
杏子「チッ、うるせぇな……決闘だよ」
マミ「決闘……? 何でよ」
杏子「あたしはいずれこの見滝原を乗っ取るつもりでいる。そのためにはここに住む魔法少女以上の力が必要だ」
杏子「キュゥべえからそこの眼鏡っ子のことを聞いて、ハモだかカモだかの能力と手合わせしたんだ。ちょいと勘違いはしたが」
杏子「おい、オッサン。あんたが波紋の師か何かか?」
ツェペリ「……いかにも。わしが波紋を教えたのだ」
杏子「なぜこんなオッサンが魔法紛いの能力があるのかとか疑問は残るが……なかなか興味深い能力だった」
杏子「だが、こんな力で、あのワルプルギスに対抗できるのか? 師のあんたの意見はどうなんだよ」
マミ(ワルプルギス……!?)
ツェペリ「わしはそのワルプルギスを実際に見ていないからわからん。だが、希望だと、ほむらは言った。今度こそ……と」
まどか(今度……? その……多分ものスゴク強いんであろう魔女に、ほむらちゃんは何度か戦っていた……?)
さやか(ギスギスしてるなぁ……折角魔女倒したのに……お腹空いた)
マミ(何故ワルプルギスが話題に上がるの……? まさか、近い将来、現れると言うの? 暁美さん……不思議な子だとは思っていたけど……いったい、過去に何があったの?)
マミ(でも、今は……目の前の問題を片付けないと……)
マミ「私は何故決闘していたのかと聞いているッ!」
杏子「話の腰を折りやがって……。あのな、あたしはただ手合わせしたかっただけだ。何故もへったくれもねぇ」
マミ「本当にそれだけ? 今の結界で使い魔退治の邪魔をしたとか、どうせしたんじゃなくって?」
さやか「あ……」
杏子「あぁ。したなぁ……」
ツェペリ「……」
マミ「あなた……! 人のテリトリーで……ッ!」
マミ「使い魔は、一般人を襲い、魔女へと成長する! あなたの行為は、灰色熊の入った檻の鍵を故意にあけたような行為!」
マミ「あなたは人の命を餌に魔女を育てている!」
まどか「えぇっ! そ、そんな……!」
杏子「食物連鎖ってあるだろ? ちっさい昆虫をカエルが食って、カエルをヘビが食って、ヘビを鳥が食べる」
杏子「使い魔を一般人が食って、使い魔は魔女になって、魔法少女がそれを食う。これは自然の形に則った、自然に敬意を表した形だぜ」
杏子「魔法少女同士は自然界で言うとこの競争の関係だ。学校で習うもんだろ? これがあたしのやり方さ」
さやか「こ、こいつ……!」
ツェペリ「何が食物連鎖か。くだらん」
杏子「オッサンは黙ってろよ」
マミ「私は、そんなことのためにロッソ・ファンタズマという名を与えたんじゃない!」
杏子「へっ、あたしの能力なんだからどう呼ぼう関係ないね。便宜上その名を使ってるに過ぎんがな」
マミ「そんなことしてると知ったらあなたの家族が悲しむわ!」
杏子「ッ!」
杏子「おい、テメーッ! 家族は関係ないだろ! マミと言えど聞き捨てならんッ! あたしの家族と食い物と決闘への侮辱は許さんッ!」
マミ「あなたの家族は侮辱はしていない! けど……あなたは命を侮辱した! 私の心も裏切った!」
マミ「とにもかくにも! 今後私達の後輩に手を出したら、例えあなたでも容赦しないわよ……!」チャキッ
まどか「あわわわ……」
マミ「私とて、あなたと違って人に攻撃はしたくない。撃たれたくないなら……」
杏子「……フン! 勝手にしやがれッ!」プイッ
杏子「いいかほむら! あたしは負けてないからな! ワルプルギスに関しては、勝ち負け関係なく共闘は考えてやるッ!」ザッ
ほむら「……」
ツェペリ「威勢がいいやつだ……」
まどか「……行っちゃった」
さやか「……ま、待ってよ杏子!」タッ
マミ「美樹さん!」
さやか「すいませんマミさん! でもほっとけないんで! それじゃあまたよろしくおねがいしますっ!」ノシ
マミ「……もうっ!」
まどか「マミさん……その……杏子ちゃんと何かあったんですか……?」
マミ「…………」
マミ「……佐倉さんは、美樹さんの姉弟子にあたる子よ。彼女とは、色々あってね……ほんと、色々とね……」
まどか「色々……」
マミ「それよりも、暁美さん。ワルプルギスに関して……ってどういうこと? ツェペリさんも存在は知ってた風よね」
ほむら「……はい」
ツェペリ「そいつが現れるのだ。……近い内に、な」
マミ「……詳しく聞かせて」
まどか「ど、どうして黙っていたの?」
ほむら「隠してたつもりは……」
さやか「杏子ってばさぁ!」トコトコ
杏子「……うるせぇ。馴れ合うつもりはない」
さやか「まぁまぁ……。……ねぇ、マミさんと何があったの?」
杏子「…………」
さやか「ノックしてもしもォ~し。ねーねー、何があったのよぉ~」
杏子「……あんたには関係ない」
さやか「またまた~。マミさんに久しぶりに会えたってのに怒られて傷心してるって感じなんでしょ?」
杏子「違っ……!」
さやか「あたしはあんたと一戦交えたからわかる。あんたは多分いいヤツだ」
杏子「知った風なことを抜かすなよ。あたしはマミの言うとおり、グリーフシードのために使い魔を見逃しにして一般人を襲わせてるわけだ。いいヤツなんかじゃない」
さやか「うーん……そりゃアレだけどさ……」
杏子「わかったらさっさと帰りな。正義の味方さん」
さやか「そうはいかないよ。杏子はあたし基準では確かに悪者になるけど『ほっとけねー』タイプって感じなんだよね」
さやか「これから暇? 何か食べよーよ。おごってあげる」
杏子「ほっといてくれよ」
さやか「そこのカフェーの『山形県天童市の菅原さんが愛情たっぷりの放し飼いニワトリのフンを使った有機栽培で育てた完熟さくらんぼをふんだんに使った星空の下での初キスの味チェリーパイ580円そして幸せが訪れる』を食べようよ」
杏子「…………」
さやか「ねーねー、いいでしょー? CD買ってお金があんまないのにおごってやるって言ってんだよ? それってすごいことだよ?」
杏子「わかったよ……付き合えばいいんだろ」
さやか「よっし! じゃあ行こう!」
――数日後
さやか(……マミさんから)
さやか(ワルプルギスのことを聞いて、ちょっとだけ魔法少女になったことを後悔した)
さやか(あたしは魔法少女になって日が浅いのに、伝説級の魔女が現れるなんて……)
さやか(……なァーんてね! むしろ闘志がわき上がる! あたし達の街はあたし達が守るんだ!)
さやか「――と、いうことで結界に来ています。一人です」
使い魔「ワタシの名はペイジ」
使い魔「ジョーンズ」ビン
使い魔「プラント」ビン
使い魔「ボーンナム」ビビン
使い魔「「「「血管針攻撃!」」」」パバァ――ッ
さやか「うおぉぉぉッ! まずい! 囲まれ――」
ザクッ、グサァッ
さやか「グハッ……!」
使い魔「ヤッタッ! 勝ッタッ! 仕留メタッ!」
使い魔「勝ッタ! 『マミ「もう何も怖く……」ほむら「勇気とは怖さを知ること!」』完!」
さやか「……その気になれば本当に痛みって消せちゃうんだァ」
使い魔「!」
さやか「ダンス・マカブル!」
ズビズバァッ
使い魔「オゴーッ」ボシュン
さやか「はっはっは! マカブルの意味は知らないけどどうだこのダンスっぽい剣捌き! 思い知ったか!」
さやか「さぁーて、治癒治癒」パァ…
「無茶すんなあんた」
さやか「新手の敵か! ……って何だ。杏子か」
杏子「何だってなんだよ」
杏子「あんたのやり方は見てらんねーわ。ここの魔女はあたしに任せろよ」
さやか「助けはいらないよ。あたし一人でやれるんだから」キリッ
杏子「違うんだよ。この前、あたしがあんたの邪魔して逃げた使い魔が成長した奴なんだよ。ここの魔女は」
さやか「え? そうなの? 何でわかるの?」
杏子「どうでもいいだろ。とにかくそうなんだ。経験でわかるってことにしろ。とにかくあたしに任せろ」
さやか「邪魔しないで……一人でやれる……」
杏子「元々はあたしの獲物だ。あたしだけが処理する権利がある。この前さやかにおごってもらった借りってことでグリーフシードちょっと使っていーよ」
さやか「やだー! 邪魔しちゃやだー! あたしがやるんだい!」
杏子「…………ああもう……わかったよ。ただ、さっさと片付けてくれ。あたしはあんたを見守ってやっから」
さやか「ほほう……あたしの戦いっぷりをとくと見たいんだね! 素直じゃないな~」
杏子「馬鹿いってねーぜさっさとやれ」
さやか「……ちぇー、つまんない。ちょっとはノッてくれてもいいじゃん」
杏子「早くしないとマミが来やがるぜ」
さやか「…………」
さやか「ねぇ。マミさんに言われたこと気にしてる?」
杏子「バッカ、ちげーよ」
さやか「……仲直りしようよ。ね?」
さやか「その……使い魔を逃がしてどうこうってのは、許せないことだよ。でも、真剣に謝ればマミさんなら許してくれるって……」
杏子「ふーんだ。あんな奴知らねー。ほら、このあたしに踊って見せろよ。スロー・ダンサー・さやか」
さやか「やれやれだわ。……おい、今、遠回しにノロマって言わなかったか?」
杏子「べっつにー」
――
――――
さやか「と、いうことで魔女を倒しました」
杏子「あ、終わった? おつかれさん」
さやか「クラゲの傘の部分が脳になったかのようなグロテスクな魔女だった……。強敵だったよ」
さやか(当然あたし程じゃないがねという確固たる自信の気持ちはあるがね)
杏子「どう見ても苦戦する相手じゃないぜ。……全く、こういうチョロい奴ばっかりだから使い魔の放牧はやめられねー」
さやか「おいこら」
杏子「冗談だよ。たまーに苦戦する」
さやか「そういうことじゃあないんだよ」
杏子「……で、グリーフシードは?」
さやか「あれ? そういや無いなぁ……。ねえ、あたし、確かにぶった切ったよねぇ?」
杏子「そうだな。死に様は見てないがな。グリーフシードがないってことは、逃がしたのかも」
さやか「えー……がっかり」
杏子「ガムかむかい?」
さやか「お、くれるの? 何のガム? 何味?」
杏子「サ・キッスミント。ジューシーグレープ味」
さやか「ぐらっちぇぐらっちぇ」モグモグ
杏子「何語だよ。まあいいや」
さやか「……杏子ってやっぱ、いい子だよね」
杏子「あ?」
さやか「うん。いい子だよ。とにかくいい子」
杏子「うざったいな」
さやか「頭なでなでしたい」
杏子「くたばれ」
さやか「杏子ってさ、マミさんの弟子だったわけだよね」
杏子「過去のことだ」
さやか「やっぱり……妹弟子のことが気になるの?」チラッ
杏子「……アホ抜かせ」プイ
さやか「またまた~そう言いながらあたしを気遣ってくれるじゃない」
杏子「そんなんじゃねぇよ」
さやか「あははっ。あたし、あんたみたいなの嫌いじゃあないよ」
杏子「嫌いだったらこうして馴れ馴れしくしてないわな」
さやか「根は優しいんだもんね。ツンデレってやつだね」
杏子「何だそれ」
さやか「なんだろね? ははは」
杏子(…………あたしがいい子、ねぇ)
杏子「おい、さやか」
さやか「ん? 何?」
杏子「こないだの能書きがやたらに長いメニューのサ店で話したよな……。あんたの願いのこと」
杏子「確か……幼なじみの動かなくなった腕を治す、だったか」
さやか「うん。……やっぱ脚も一緒に治すべきだったなぁ……」
杏子「そんときあたしは他人のために願いを使うのは馬鹿だと言ったよな」
さやか「そうだね。カチンときたね」
杏子「今思えば、実にあんたらしい願いだ。その幼なじみの坊ちゃんのことは知らないけどさ」
さやか「そ、そうかな? あたしらしい?」
杏子「馬鹿そのもの」
さやか「何だとコラァ!」
杏子「へへ、そう騒ぐと尚更馬鹿っぽいぞ」
さやか「もう! ……でも、まあいっか。ねぇ、これから暇?」
杏子「なんでよ」
さやか「また何か食べてこうよ。おごったげるから」
杏子「ほんっと馴れ馴れしいよなさやかは」
さやか「そういいながら誘ったら必ず付き合ってくれる杏子ちゃんまじプリティ」
杏子「殴られたいか?」
杏子「まあいい。で……腕治した奴との仲はどうなんだ?」
さやか「え? いや、別に……」
杏子「別にって何だよ。願いを使ったからには、好きなんだろ?」
さやか「やっ! そ、そーゆーわけじゃないよ! あ、あ、あたしはただ……」
杏子「好きなんだろ? 付き合ってくれって言えばいいじゃん」
さやか「……あのねぇ」
杏子「いいじゃん」
さやか「…………」
さやか「あたしの願いは……恭介の腕を治すこと……」
さやか「もし、もしだよ。仮に、あたしが恭介と付き合うとすれば……」
さやか「あたし、何か卑怯っぽいんだよね。治してやったから、みたいで。あたしの心が許せないっつーか」
さやか「とにかく、恭介がまたバイオリンを弾けることが、あたしの幸せで本心なんだよ」
杏子「……何だそれ」
杏子「そんな中途半端に自己解決して、ただの自己満足じゃん」
さやか「そ、それに、魔法少女とだなんて……いつ死ぬかわからない危険な仕事をしてるようなもんじゃん。中学生なのに」
さやか「いつ死ぬかわからない人と付き合ってもさ、もし死んじゃったら無駄に悲しませるだけじゃん」
さやか「ほむらが危険だからやめてって言ってくれたのにそれを無視してさ……あたし」
杏子「ほむらがねぇ……甘いやつだな」
さやか「……」
杏子「ま、あんたがそれで納得するならいいけどさ。あたしには関係ない」
杏子「ほれ、とっとと行くぞ。おごってくれんだろ?」
さやか「う、うん」
杏子「…………まあ、なんだ」ポリポリ
杏子「あたしに相談したいことでもあれば……聞いてやらんこともない」
さやか「杏子……」
杏子「ま、ほむら達に聞けないようなことをあたしに聞いて貰おうってのも変な話だが」
さやか「やっぱあんたいい子だね!」
杏子「うっせー。そんなことより何食わせてくれるんだい?」
杏子(あたしは必要以上に馴れ合うのは嫌いだが……)
杏子(こいつ、ほっとけねー)
ほむら「………………」
ほむら「巴さんへ……美樹さんと佐倉さんは……っと」メルメル
ツェペリ「こんな小さいもんで文通ができるのか。このツェペリが生まれた時代にはイギリスに郵便制度ができたかできないかくらいじゃった」
ほむら「時代は常に変わるんです。変わらないものもありますけどね。人の心とか、何か、そーゆーのが……送信、っと」メルメル
ツェペリ「いいこと言うじゃあないか」
――マミ宅
ティロッ♪
マミ「暁美さんからのメール……」
まどか「ほむらちゃんは何て?」
マミ「…………」
マミ「明日、みんなで話し合いましょう」
まどか「え?」
昼休み
――屋上
ほむら「お腹空いたね」
まどか「うん。今日は体育があったからねー」
さやか「ねぇほむら。走った後に一切息切れしてないってのは正直気味悪いんだけど、何とかならない?」
ほむら「え……」
マミ「気味悪いって……美樹さん……デリカシーのないことを」
まどか「は、波紋の影響だね。無意識だから仕方ないよ」
ほむら「き、気味悪い……」
ほむら「……」クー
まどか「あ」
ほむら「///」
マミ「あらあら」
さやか「腹ぺこほむらもいるし、さっさといただきますしよう」
波紋て生命エネルギーだから、ある意味負のエネルギーを使う魔女に対して相性抜群か
もし魔女の中にカーズみたいのがいたらウケるなww
もし魔女の中にカーズみたいのがいたらウケるなww
まどか「ほむらちゃんのお弁当箱って大きいよね」
ほむら「波紋の修行をしてるからか……お腹が減るの」モグモグ
まどか「一人暮らしなんだよね? 手作り?」
ほむら「う、うん……でも私、手際が悪いからこの通り見栄えは……量ばっかりは多いけど」
さやか「格闘技(?)をやってるのに体が華奢で……お弁当が大きくって腹ぺこキャラ」
マミ「守ってあげたくなるようなその性格。そして眼鏡っ子」
まどか「萌えってやつだよね?」
ほむら「………あ、あの、もしかして腹ぺこキャラって」
さやか「クラス公認」
ほむら「…………ほ、ホントに? ねえ……ホントですか?」
さやか「…………」
ほむら「な、なんで黙ってるんですか?! ねえってばっ!」
マミ「ギャップ萌えって素晴らしいと思うの」
ほむら「!?」
まどか「ほっぺにご飯粒つけちゃう食いしん坊さんのほむらちゃんなまら可愛い」ヒョイパク
ほむら「あっ///」
さやか「食べる割には脂肪が付かないよね。主に胸――」
マミ「それ以上はいけない」
ほむら「ほむほむ」
まどか「まどまど」
マミ「ねぇ、美樹さん。お話があるのだけど」
さやか「な、何すかマミさん改まって……」
マミ「佐倉さんと仲よさそうよね」
さやか「うぐっ……!」
さやか「す、すいません……敵対してるのに、杏子と遊んで……でも、ほっとけなくて……」
マミ「……私は別に佐倉さんと敵対はしているつもりはないわ」
さやか「そうでしたっけ?」
マミ「あのね……美樹さん。佐倉さんを、何とか私達に引き入れてほしいの」
さやか「え?」
マミ「あの子、乱暴者で一匹狼なんだけど、……何というか、丸くなってるようなの。あなたのおかげで」
まどか「まどまど」
マミ「ねぇ、美樹さん。お話があるのだけど」
さやか「な、何すかマミさん改まって……」
マミ「佐倉さんと仲よさそうよね」
さやか「うぐっ……!」
さやか「す、すいません……敵対してるのに、杏子と遊んで……でも、ほっとけなくて……」
マミ「……私は別に佐倉さんと敵対はしているつもりはないわ」
さやか「そうでしたっけ?」
マミ「あのね……美樹さん。佐倉さんを、何とか私達に引き入れてほしいの」
さやか「え?」
マミ「あの子、乱暴者で一匹狼なんだけど、……何というか、丸くなってるようなの。あなたのおかげで」
マミ「暁美さんと再決闘して勝ってもらうというのが一番てっとりばやいけど、それが嫌なのはわかるわよね?」
さやか「はい」
マミ「美樹さんは、佐倉さんの心の錠前を解いている」
さやか「…………」
マミ「私には……それができないから。あなたなら、佐倉さんは心を開いてくれるわ」
さやか「……わかりました」
マミ「お願いね」
さやか(やれやれ、さやかちゃんは忙しいね。杏子を任されるわ……)
さやか(仁美に呼び出されるわ……)
さやか(仁美があたしを呼び出すなんて何のようかね)
――放課後
仁美「……ずっと前から私、上条くんのこと、お慕いしておりました」
さやか「…………」
仁美「抜け駆けや横取りをするようなことは、したくありません」
仁美「私にはわかっています。上条くんの事、好きなんでしょう?」
さやか「そ、そんな……!」
仁美「丸一日だけお待ちしますわ。さやかさんは後悔なさらないよう決めてください……」
さやか「う……な、何だよ……何なんだよぉ……」
仁美「…………」
杏子「オッス、さやか」
仁美「!?」
さやか「!?」
さやか「きょ、杏子……」
杏子「おい、さやか。今日もあたしと付き合えよ」
仁美「へ?」
仁美(つ、付き……?)
杏子「うん? あんたは……さやかの友達?」
仁美「わ、私は……」
杏子「まあいいか。悪いね割り込んで。すぐ済むから待ってくれよ」
さやか「おい杏子……」
杏子「なぁいいだろ。さやか~。あ、そうだ、今夜ホテル行こうぜホテル」
仁美「!?」
さやか「あんたねぇ……雰囲気ブチ壊しだよ!」
さやか「ホテルつってもどうせアレでしょ?」
杏子「まぁね」
さやか(仁美の前で忍び込んでるだなんて言えまい)
仁美「……!」
仁美(アレということは……や、やはり……! ラ、ラブ――)
さやか「パス」
杏子「何だよぅ。あんたはいつもあたしを見かけ次第ベタついてくるのに、あたしが見かけたらダメなのか?」
仁美「ベ、ベタつ……!?」
さやか「そうじゃあない。空気を読めと言っているんだよ」
杏子「空気は吸う物だ。ほれ、何か食いに行こうぜ。今度こそあたしがおごってやっからな」
さやか「そういうことじゃあないんだよ……」
杏子「空気で腹が膨れるか? 同じ釜の飯食った仲じゃあねぇか」
仁美「……」
さやか「こないだうちに来てカレー食べた話をしているの? 妙な表現すんなよ」
仁美(お泊まり!?)
さやか「ねぇ、杏子。悪いけど、今は仁美と二人にしてよ? 今大事な話をしてるんだ」
杏子「大事な話? あたしよりもか」
さやか「そりゃそうだよ」
仁美「……既に、だったんですね」
さやか「は?」
仁美「美樹さんは、既にそこの方を誑かしていたんですね……」
さやか「た、たぶっ!?」
仁美「いけませんわ! 禁断の恋の形ですわ!」
仁美「まさか美樹さんがバイセクシャルだったなんて……」
さやか「あんたは何かとんでもない勘違いをしている」
仁美「美樹さん。ずるいです。上条くんとそこの方を同時に……」
杏子「こいつ、何言ってるの?」
さやか「ちょっと百合を拗らせておりまして」
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