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元スレ春香「あれ、なんですかこの『弓と矢』?」
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「乙する」と心の中で思ったならッ!その時スデに乙は終わっているんだッ!
ドドドドド
伊織「あっ、あっ…!」ドクドクドク
ドドドドド
伊織(社長を殺した『矢』が! 私の指に…!!)
伊織「し、『死ぬ』…!!」
春香「死なない死なない。大丈夫だって」
パチパチ
伊織「!?」クル
パチパチパチ
春香「おめでとう。伊織も選ばれたんだよ、『弓と矢』に」
春香「でも…ま、当然と言えば当然か…言われてみれば確かに『ある』方だからね、伊織は」
春香「うん、当然。当たり前のこと」
伊織「は…春香…?」
伊織「あっ、あっ…!」ドクドクドク
ドドドドド
伊織(社長を殺した『矢』が! 私の指に…!!)
伊織「し、『死ぬ』…!!」
春香「死なない死なない。大丈夫だって」
パチパチ
伊織「!?」クル
パチパチパチ
春香「おめでとう。伊織も選ばれたんだよ、『弓と矢』に」
春香「でも…ま、当然と言えば当然か…言われてみれば確かに『ある』方だからね、伊織は」
春香「うん、当然。当たり前のこと」
伊織「は…春香…?」
伊織「この『矢』…社長を殺したあの『矢』よね…」
春香「うん」
伊織「あんたが仕掛けたの!? こうやって、冷蔵庫を開けようとすると刺さるように…」
伊織「この人殺しッ!!」
春香「大丈夫だよ」
春香「その『矢』、才能のない人には反応しないから」
伊織「は…?」
春香「社長は本当に偶然触っちゃったみたいだけど」
伊織(何を言ってるの、こいつは…?)
春香「伊織は才能あるから、刺さっても大丈夫。むしろ、だから矢が引き寄せられて刺さったんだよ」
伊織(会話が全然噛み合わない…!)
春香「伊織は選ばれたの。よかったね、伊織!」ニコ…
伊織「…っ」ゾワッ
伊織「あ、あんた…そんな気持ち悪い笑顔浮かべるヤツだったのね…」
春香「へ? そんな顔してた?」
春香「うん」
伊織「あんたが仕掛けたの!? こうやって、冷蔵庫を開けようとすると刺さるように…」
伊織「この人殺しッ!!」
春香「大丈夫だよ」
春香「その『矢』、才能のない人には反応しないから」
伊織「は…?」
春香「社長は本当に偶然触っちゃったみたいだけど」
伊織(何を言ってるの、こいつは…?)
春香「伊織は才能あるから、刺さっても大丈夫。むしろ、だから矢が引き寄せられて刺さったんだよ」
伊織(会話が全然噛み合わない…!)
春香「伊織は選ばれたの。よかったね、伊織!」ニコ…
伊織「…っ」ゾワッ
伊織「あ、あんた…そんな気持ち悪い笑顔浮かべるヤツだったのね…」
春香「へ? そんな顔してた?」
伊織「第一、死なないって…この出血見なさいよ! 信じられるわけ…」
春香「出血? 何言ってるの?」
伊織「はっ!」
ピタ…
伊織(傷が…傷跡すら、残ってない…)
春香「まぁ、私の時もそうだったから。とりあえず、死ぬことは絶対にないから安心していいよ」
伊織「は、はぁ…」
春香「さて…これで伊織も『スタンド使い』になったわけだけど」
伊織「………」
伊織「え、何? スタンド…?」
春香「出血? 何言ってるの?」
伊織「はっ!」
ピタ…
伊織(傷が…傷跡すら、残ってない…)
春香「まぁ、私の時もそうだったから。とりあえず、死ぬことは絶対にないから安心していいよ」
伊織「は、はぁ…」
春香「さて…これで伊織も『スタンド使い』になったわけだけど」
伊織「………」
伊織「え、何? スタンド…?」
春香「まぁ…念のため確かめておこっか…」ズ…
ゴゴゴ
春香「伊織…」
ゴゴゴゴゴ
春香「『これ』が、見える…?」
伊織「なに…それ…」
春香「うん、ちゃんと見えてるね。よしよし」
伊織「その春香の後ろにいるのは…」
春香「これが『スタンド』。精神力のエネルギー」
春香「そして、私の才能」
伊織「『スタンド』…才能ですって…?」
ゴゴゴ
春香「伊織…」
ゴゴゴゴゴ
春香「『これ』が、見える…?」
伊織「なに…それ…」
春香「うん、ちゃんと見えてるね。よしよし」
伊織「その春香の後ろにいるのは…」
春香「これが『スタンド』。精神力のエネルギー」
春香「そして、私の才能」
伊織「『スタンド』…才能ですって…?」
春香「『弓と矢』に貫かれた人は、この『スタンド』能力に目覚めるんだよ」
春香「人によって、スタンドのそれぞれ姿かたちは違ってくる…」
春香「私としては、見せてくれると…嬉しいんだけどなぁ、伊織のスタンドも」
伊織「わ、私のスタンド!?」
伊織「見せろとか言われても…出せないわよ、そんなもの!」
春香「出せるよ。私の『アイ・ウォント』が『見える』ってことは、もう間違いなく『スタンド使いになった』ってことだから」
伊織「そんなの知らないわ! あんたさっきから…」
春香「!」
春香「なんだ…やっぱり出せるんじゃあない…」
伊織「意味のわからないこと…」
春香「それが伊織のスタンドかぁ」
伊織「ばっかり…」チラ…
モクモクモク
伊織「…!?」
ドドドド
春香「『煙』のスタンド…かぁ…なんか『意外』というか」
伊織「きゃあああああああああああああ」
ドドドドドド
春香「人によって、スタンドのそれぞれ姿かたちは違ってくる…」
春香「私としては、見せてくれると…嬉しいんだけどなぁ、伊織のスタンドも」
伊織「わ、私のスタンド!?」
伊織「見せろとか言われても…出せないわよ、そんなもの!」
春香「出せるよ。私の『アイ・ウォント』が『見える』ってことは、もう間違いなく『スタンド使いになった』ってことだから」
伊織「そんなの知らないわ! あんたさっきから…」
春香「!」
春香「なんだ…やっぱり出せるんじゃあない…」
伊織「意味のわからないこと…」
春香「それが伊織のスタンドかぁ」
伊織「ばっかり…」チラ…
モクモクモク
伊織「…!?」
ドドドド
春香「『煙』のスタンド…かぁ…なんか『意外』というか」
伊織「きゃあああああああああああああ」
ドドドドドド
伊織「な、何よこれっ!(私の体から煙が出ているッ)」
春香「それが伊織の『スタンド』だよ」
春香「あ、ちょっと動かしてみてくれない!?」
伊織「う、動かす…?」
伊織(動かすったって…どうやって…?)
春香「それを出したみたいに、『自分の手足』を動かすようにやればいいんだよ」
伊織「そ、そんなこと言われても…自分の意志で出したわけじゃあないわよ…」
春香「へ? そうなの?」
春香「まぁ、『スタンド使い』として目覚めたばっかりだし、仕方ないのかなぁ」
伊織「………」
春香「それが伊織の『スタンド』だよ」
春香「あ、ちょっと動かしてみてくれない!?」
伊織「う、動かす…?」
伊織(動かすったって…どうやって…?)
春香「それを出したみたいに、『自分の手足』を動かすようにやればいいんだよ」
伊織「そ、そんなこと言われても…自分の意志で出したわけじゃあないわよ…」
春香「へ? そうなの?」
春香「まぁ、『スタンド使い』として目覚めたばっかりだし、仕方ないのかなぁ」
伊織「………」
伊織「って言うか…」
春香「?」
伊織「春香、あんたの目的は何?」
春香「目的?」
伊織「この…『スタンド』だっけ? 人をこんなもの出せるようにして何がしたいわけ…?」
伊織「こんな『煙』が出るようになったら、人前に出られないし商売上がったりなんだけど」
春香「自分で制御すれば大丈夫。すぐ慣れるよ。それに、スタンドはスタンド使いにしか見えないから」
伊織「…スタンド使いってのは、あんたや…認めたくないけど、私のようにその『スタンド』ってのが出せる人のことよね」
伊織「だから、さっき確認するようにあんたの『スタンド』を見せてきたのね?」
春香「そうそう。さっすが伊織!」
春香「そして、目的だっけ? 色々あるんだけどまずは…うん!」
春香「?」
伊織「春香、あんたの目的は何?」
春香「目的?」
伊織「この…『スタンド』だっけ? 人をこんなもの出せるようにして何がしたいわけ…?」
伊織「こんな『煙』が出るようになったら、人前に出られないし商売上がったりなんだけど」
春香「自分で制御すれば大丈夫。すぐ慣れるよ。それに、スタンドはスタンド使いにしか見えないから」
伊織「…スタンド使いってのは、あんたや…認めたくないけど、私のようにその『スタンド』ってのが出せる人のことよね」
伊織「だから、さっき確認するようにあんたの『スタンド』を見せてきたのね?」
春香「そうそう。さっすが伊織!」
春香「そして、目的だっけ? 色々あるんだけどまずは…うん!」
春香「伊織はアイドルをやる上で大切なことってなんだと思う?」
伊織「…は? なにそれ。あんたの言う『目的』と何か関係あるわけ?」
春香「うん。結構大事なこと」
伊織「…アイドルに大切なことって、そりゃ…色々あるんじゃないの? 才能とか、テクニックとか…」
春香「うん、そうだね。それも大事。伊織らしい答えだね」
春香「でもさ…私は『自信』。自信を持つことが一番大切なことだと思う」
伊織「自信?」
春香「『歌には自信がある』とかそんなんじゃあない…どんなことがあっても揺らぐことのない、『絶対の自信』」
春香「以前の私は、この『自信』がなかった。『アイドルになりたい』『皆の前で歌いたい』とかそういう気持ちがあっても、『本当になれるのか?』『私の歌は通用するのか?』…不安で仕方がなかった」
伊織「………」
伊織(春香も色々抱えてたのね…何も考えてないと思ってたけど)
伊織「…は? なにそれ。あんたの言う『目的』と何か関係あるわけ?」
春香「うん。結構大事なこと」
伊織「…アイドルに大切なことって、そりゃ…色々あるんじゃないの? 才能とか、テクニックとか…」
春香「うん、そうだね。それも大事。伊織らしい答えだね」
春香「でもさ…私は『自信』。自信を持つことが一番大切なことだと思う」
伊織「自信?」
春香「『歌には自信がある』とかそんなんじゃあない…どんなことがあっても揺らぐことのない、『絶対の自信』」
春香「以前の私は、この『自信』がなかった。『アイドルになりたい』『皆の前で歌いたい』とかそういう気持ちがあっても、『本当になれるのか?』『私の歌は通用するのか?』…不安で仕方がなかった」
伊織「………」
伊織(春香も色々抱えてたのね…何も考えてないと思ってたけど)
春香「でも、余計な心配だったんだね…私には、ちゃんと才能があった!」
伊織「『才能』… ……」
伊織「あんたさっきから、その言葉よく使うわね」
春香「だって、こんな素晴らしい力が、私達には使えるんだよ? そうでなければ社長みたいに死ぬ…私達は選ばれたの!」
春香「これが才能でなくて、何だって言うの?」
伊織「………」
春香「スタンドは才能。『アイドルとしての才能』が明確に目に見えれば、それは『絶対の自信』に繋がる」
伊織「だから…私をスタンド使いにしたの…? その『絶対の自信』とやらを持たせるために」
春香「うん! だって私達みんな、仲間だもんね!」
伊織「『才能』… ……」
伊織「あんたさっきから、その言葉よく使うわね」
春香「だって、こんな素晴らしい力が、私達には使えるんだよ? そうでなければ社長みたいに死ぬ…私達は選ばれたの!」
春香「これが才能でなくて、何だって言うの?」
伊織「………」
春香「スタンドは才能。『アイドルとしての才能』が明確に目に見えれば、それは『絶対の自信』に繋がる」
伊織「だから…私をスタンド使いにしたの…? その『絶対の自信』とやらを持たせるために」
春香「うん! だって私達みんな、仲間だもんね!」
伊織「なるほどね…でも、それであんたが自信を持つのは勝手だけど…」
伊織「生憎、伊織ちゃんはこんな『スタンド』なんかに縋らなくたって、『自信』くらい持ってるのよ」
伊織「だから…」
春香「『嘘』」
伊織「…っ!」
春香「今は成功してるからいい。だけど、いつ『勢いが止まるか』? いずれ『誰かに追い抜かれやしないか』? いつもビクビクしている」
伊織「あんた…」
春香「図星かなぁ…その反応…」
春香「気にしなくていいよ、誰だってそうだから。私だって、伊織だけがそうだと思って言ったわけじゃあない」
春香「それに、伊織にも紛れもなく才能がある。もうそんな心配しなくていいんだよ」
伊織「生憎、伊織ちゃんはこんな『スタンド』なんかに縋らなくたって、『自信』くらい持ってるのよ」
伊織「だから…」
春香「『嘘』」
伊織「…っ!」
春香「今は成功してるからいい。だけど、いつ『勢いが止まるか』? いずれ『誰かに追い抜かれやしないか』? いつもビクビクしている」
伊織「あんた…」
春香「図星かなぁ…その反応…」
春香「気にしなくていいよ、誰だってそうだから。私だって、伊織だけがそうだと思って言ったわけじゃあない」
春香「それに、伊織にも紛れもなく才能がある。もうそんな心配しなくていいんだよ」
伊織「『スタンドがあるということは、アイドルとしての才能があるということ』…つまり、あんたはそう言いたいわけ?」
春香「そう。何かおかしかった?」
伊織「…そもそも」
伊織「数学者としての才能と野球選手としての才能が関係がないように、アイドルとしての才能はその『スタンド』ってやつの才能は関係ないでしょ」
春香「関係あるよ~」
伊織「ないわよッ!! さっきから意味不明なことばっか、変な能力に目覚めて頭がおかしくなったんじゃあないの、あんた!?」
春香「………」ジ…
伊織「!」ビクゥ
春香「えー…?」グリッ
伊織「……」ゾワワッ
伊織(こ………)
伊織(『怖い』…)
伊織(なんて冷たい目で人を見るの、こいつ…)
春香「そう。何かおかしかった?」
伊織「…そもそも」
伊織「数学者としての才能と野球選手としての才能が関係がないように、アイドルとしての才能はその『スタンド』ってやつの才能は関係ないでしょ」
春香「関係あるよ~」
伊織「ないわよッ!! さっきから意味不明なことばっか、変な能力に目覚めて頭がおかしくなったんじゃあないの、あんた!?」
春香「………」ジ…
伊織「!」ビクゥ
春香「えー…?」グリッ
伊織「……」ゾワワッ
伊織(こ………)
伊織(『怖い』…)
伊織(なんて冷たい目で人を見るの、こいつ…)
春香「フゥゥ~…」
伊織「!」ビクッ
春香「なんでわかってくれないのかなぁ~っ…」
伊織「わ…わかりたくもないわよ」ジリ…
春香「だって、これさえあれば何でもできるんだよ?」
春香「例えば…」
ドォ
伊織「!」バッ
ガチャ…
伊織(春香の『スタンド』が…)
伊織(冷蔵庫を開けて、飲み物を…?)
春香「ほら、こんな風に離れたものを取りにいくのなんて簡単だし」ス…
春香「壁も抜けられる。冷蔵庫と壁の隙間に矢を仕掛けたのもこれだし」パシッ
伊織「そ、そう…」
春香「それに…」プシュ
春香「嫌な相手を事故に見せかけて殺すことだって…できる」グビッ
伊織「なっ…!」ゾクッ
伊織「!」ビクッ
春香「なんでわかってくれないのかなぁ~っ…」
伊織「わ…わかりたくもないわよ」ジリ…
春香「だって、これさえあれば何でもできるんだよ?」
春香「例えば…」
ドォ
伊織「!」バッ
ガチャ…
伊織(春香の『スタンド』が…)
伊織(冷蔵庫を開けて、飲み物を…?)
春香「ほら、こんな風に離れたものを取りにいくのなんて簡単だし」ス…
春香「壁も抜けられる。冷蔵庫と壁の隙間に矢を仕掛けたのもこれだし」パシッ
伊織「そ、そう…」
春香「それに…」プシュ
春香「嫌な相手を事故に見せかけて殺すことだって…できる」グビッ
伊織「なっ…!」ゾクッ
春香「ま…もちろん、そんなことはやらないけど」プハァ
春香「『できる』っていうのが大事なの」
春香「どんな嫌なことがあっても…『絶対の自信』…『絶対の精神的優位』…それがあれば、何も気にならない。どんなことにだって耐えられる」
伊織「人殺しさえ『できる』能力ですって…」
伊織「そんな危険なものを増やしてるの、あんたは!? 戻しなさい!!」
春香「戻せないよ」
春香「一度スタンド使いになったら…『戻す』スタンドでもなければ、戻すことはできないんじゃないかな」
伊織「なんですって…!」
春香「『できる』っていうのが大事なの」
春香「どんな嫌なことがあっても…『絶対の自信』…『絶対の精神的優位』…それがあれば、何も気にならない。どんなことにだって耐えられる」
伊織「人殺しさえ『できる』能力ですって…」
伊織「そんな危険なものを増やしてるの、あんたは!? 戻しなさい!!」
春香「戻せないよ」
春香「一度スタンド使いになったら…『戻す』スタンドでもなければ、戻すことはできないんじゃないかな」
伊織「なんですって…!」
春香「もう、伊織は深刻に考えすぎだよ」
伊織「あんたが軽く考えすぎなのよ!」
春香「伊織は誰かを殺そうだなんて、考えたりしないでしょ?」
伊織「…は?」
春香「え…もしかして、伊織…」
伊織「い、いえ…そうだけど…」
春香「だ、だよね~! よかったよかった」
春香「さっきは、殺すだとか変なこと言っちゃったけど…」
春香「『スタンド』はハサミとか包丁と同じなんだよ」
春香「危険だけど、使いこなせば便利なんだから」
伊織「あんたにとって…これって、そういう認識なのね…」
春香「あはは…例え、変だったかな?」
伊織(な、なんだ…いつもの春香じゃない…)
伊織(あの冷たい視線は…少し、気になるけど)
伊織「あんたが軽く考えすぎなのよ!」
春香「伊織は誰かを殺そうだなんて、考えたりしないでしょ?」
伊織「…は?」
春香「え…もしかして、伊織…」
伊織「い、いえ…そうだけど…」
春香「だ、だよね~! よかったよかった」
春香「さっきは、殺すだとか変なこと言っちゃったけど…」
春香「『スタンド』はハサミとか包丁と同じなんだよ」
春香「危険だけど、使いこなせば便利なんだから」
伊織「あんたにとって…これって、そういう認識なのね…」
春香「あはは…例え、変だったかな?」
伊織(な、なんだ…いつもの春香じゃない…)
伊織(あの冷たい視線は…少し、気になるけど)
伊織「はぁ…わかったわよ」
春香「!」
伊織「『スタンド』のことよく知らないのに、騒ぎすぎたわ」
伊織「もしも『殺人鬼』とかが持ったら大変だけど、普通の人なら何の問題もない。そういうもんなのね」
春香「わかってくれたんだ、伊織!」
伊織(最初は得体が知れなくて不気味だったけど…持ってるだけなら、別に問題はなさそう)
伊織(むしろ、春香がさっきやったみたいに、遠くのものを取りに行ったりできるなら便利かもしれないわ)
伊織「ただあんた、何の説明もせず『矢』を仕掛けんのやめなさいよ? 心臓止まるかと思ったわ」
春香「えへへ…」
伊織「笑ってんじゃあないわよ。本ッ当に、やめなさいよ…」
春香「ご、ごめんごめん…」
伊織(春香はおかしいけど、別に『悪意』を持ってやってるわけじゃあないみたいだし…)
伊織(不意打ちみたいなことをやられなければ、これ以上『スタンド使い』とやらが増えることもないでしょ)
伊織(説明された上で受け入れるんなら自己責任。伊織ちゃんの知ったことじゃあないわ)
春香「!」
伊織「『スタンド』のことよく知らないのに、騒ぎすぎたわ」
伊織「もしも『殺人鬼』とかが持ったら大変だけど、普通の人なら何の問題もない。そういうもんなのね」
春香「わかってくれたんだ、伊織!」
伊織(最初は得体が知れなくて不気味だったけど…持ってるだけなら、別に問題はなさそう)
伊織(むしろ、春香がさっきやったみたいに、遠くのものを取りに行ったりできるなら便利かもしれないわ)
伊織「ただあんた、何の説明もせず『矢』を仕掛けんのやめなさいよ? 心臓止まるかと思ったわ」
春香「えへへ…」
伊織「笑ってんじゃあないわよ。本ッ当に、やめなさいよ…」
春香「ご、ごめんごめん…」
伊織(春香はおかしいけど、別に『悪意』を持ってやってるわけじゃあないみたいだし…)
伊織(不意打ちみたいなことをやられなければ、これ以上『スタンド使い』とやらが増えることもないでしょ)
伊織(説明された上で受け入れるんなら自己責任。伊織ちゃんの知ったことじゃあないわ)
春香「でもさ…」
伊織「ん?」
春香「他に何人か、伊織に話したことと同じことを言ったんだけど…」
伊織(………)
伊織(は?)
伊織(この話をしたのは、私一人じゃあない…?)
伊織(いえ、この『矢』が事務所に来てからもう一ヶ月も経ってる…むしろそっちの方が自然…)
春香「『この矢を壊せ』だなんて言い出してきた子がいたの。しかも、2人も!」
伊織「…そう」
伊織(当然よね。なんだかんだで危険なものには変わりないもの)
春香「確かに、この矢のせいで社長は死んじゃった…けど…!」ギュゥゥゥ
伊織(「けどって何よ! 私も同じ意見、そんなもんすぐに壊しなさい!」)
伊織(正直そう言いたいわ。でも春香のことは… ………)
伊織(あまり、刺激しない方がいい気がする…)
伊織「ん?」
春香「他に何人か、伊織に話したことと同じことを言ったんだけど…」
伊織(………)
伊織(は?)
伊織(この話をしたのは、私一人じゃあない…?)
伊織(いえ、この『矢』が事務所に来てからもう一ヶ月も経ってる…むしろそっちの方が自然…)
春香「『この矢を壊せ』だなんて言い出してきた子がいたの。しかも、2人も!」
伊織「…そう」
伊織(当然よね。なんだかんだで危険なものには変わりないもの)
春香「確かに、この矢のせいで社長は死んじゃった…けど…!」ギュゥゥゥ
伊織(「けどって何よ! 私も同じ意見、そんなもんすぐに壊しなさい!」)
伊織(正直そう言いたいわ。でも春香のことは… ………)
伊織(あまり、刺激しない方がいい気がする…)
伊織「まぁ、私は死んではいないわけだし…」
伊織「この『スタンド』も…よくわからないけど、あんたの話によると悪いものではないみたいね」
春香「そうだよね!」パァッ
伊織(この嬉しそうな顔…)
春香「それなのに、壊そうだなんて言ってくるんだよ…ひどいよね?」
伊織「はいはい、そうね」
春香「伊織がわかってくれてよかったー」
伊織(『スタンド使い』になったから。それで意識が変わって、春香達は急成長したのね)
伊織(となると、事務所の空気が変わったのも同じ理由ね。ここ数日の違和感はそれが原因かしら)
伊織(はっきり言って『矢』とか『スタンド』が不気味なことには変わりないけど…)
伊織(春香はそれを使って誰かを『殺そう』だとか、そんなことは考えてはいない。なら危険はないわ)
伊織(『矢』を壊そうと言っている2人のことは気になるけど…伊織ちゃんには関係ないことだし)
伊織(…長引くようならその時は考えなきゃいけないかもしれないけど…)
伊織「この『スタンド』も…よくわからないけど、あんたの話によると悪いものではないみたいね」
春香「そうだよね!」パァッ
伊織(この嬉しそうな顔…)
春香「それなのに、壊そうだなんて言ってくるんだよ…ひどいよね?」
伊織「はいはい、そうね」
春香「伊織がわかってくれてよかったー」
伊織(『スタンド使い』になったから。それで意識が変わって、春香達は急成長したのね)
伊織(となると、事務所の空気が変わったのも同じ理由ね。ここ数日の違和感はそれが原因かしら)
伊織(はっきり言って『矢』とか『スタンド』が不気味なことには変わりないけど…)
伊織(春香はそれを使って誰かを『殺そう』だとか、そんなことは考えてはいない。なら危険はないわ)
伊織(『矢』を壊そうと言っている2人のことは気になるけど…伊織ちゃんには関係ないことだし)
伊織(…長引くようならその時は考えなきゃいけないかもしれないけど…)
伊織「ところで春香、そろそろ帰らない? もう遅いわ」
春香「あ! ちょっと待って伊織!」
伊織「何よ。まだ何かあるの?」
春香「さっき言った『2人』なんだけど」
ドドド
伊織「………」
伊織(空気が変わった…)
春香「なんか、2人ともすっごく強い『スタンド』持ってて…私の『アイ・ウォント』でも結構手こずりそうなんだよね…」
伊織「………」
ドドドドド
春香「だから、協力してほしいんだ! 伊織みたいに、この『矢』のこと、ちゃんとわかってもらうために!」
伊織「…その、『スタンド』でわからせるってこと?」
春香「できるだけ、そういうことはしたくないつもりだけど…」
春香「でも、あっちも『矢』を壊すためにスタンドを使ってくるから」
伊織「ふーん…」
春香「それで、伊織は手伝ってくれるよね?」
伊織「それは嫌。一人でやってちょうだい」
春香「…え」
伊織「話はいい? もう帰るわよ」
春香「あ! ちょっと待って伊織!」
伊織「何よ。まだ何かあるの?」
春香「さっき言った『2人』なんだけど」
ドドド
伊織「………」
伊織(空気が変わった…)
春香「なんか、2人ともすっごく強い『スタンド』持ってて…私の『アイ・ウォント』でも結構手こずりそうなんだよね…」
伊織「………」
ドドドドド
春香「だから、協力してほしいんだ! 伊織みたいに、この『矢』のこと、ちゃんとわかってもらうために!」
伊織「…その、『スタンド』でわからせるってこと?」
春香「できるだけ、そういうことはしたくないつもりだけど…」
春香「でも、あっちも『矢』を壊すためにスタンドを使ってくるから」
伊織「ふーん…」
春香「それで、伊織は手伝ってくれるよね?」
伊織「それは嫌。一人でやってちょうだい」
春香「…え」
伊織「話はいい? もう帰るわよ」
春香「…手伝ってくれないの?」
伊織「ええ」
伊織(どっちかと言えば私もその2人と同意見だし)
伊織「あんたがそれを大事なものだと思ってるんなら、別に折ることはないと思うけど」スタ
春香「仲間なのに?」
伊織「『アイドル』としては同じ事務所の仲間だと思ってるけどね」
伊織「どうしても、って言うならそいつらと話し合いくらいしてあげるけど、『スタンド』を使えっていうならお断りよ」スタスタ
春香「ふーん…」
伊織「だいたい、複数人で…」
春香「じゃあ、伊織は敵だ」
・ ・ ・ ・ ・
伊織「………」ピタ
伊織「は…」クル
伊織「ええ」
伊織(どっちかと言えば私もその2人と同意見だし)
伊織「あんたがそれを大事なものだと思ってるんなら、別に折ることはないと思うけど」スタ
春香「仲間なのに?」
伊織「『アイドル』としては同じ事務所の仲間だと思ってるけどね」
伊織「どうしても、って言うならそいつらと話し合いくらいしてあげるけど、『スタンド』を使えっていうならお断りよ」スタスタ
春香「ふーん…」
伊織「だいたい、複数人で…」
春香「じゃあ、伊織は敵だ」
・ ・ ・ ・ ・
伊織「………」ピタ
伊織「は…」クル
ゴゴゴゴゴ
春香「『アイ・ウォント』」
ゴゴゴゴゴ
伊織「ちょっ…」
春香「ねぇ、伊織…」
伊織「……」タラ…
伊織(矢を壊す…)
伊織(その理由がわかった。やっぱり春香はおかしい…!)
伊織(『危険はない』…今はまだそうかもしれない。でも、こいつに矢を持たせ、野放しにしていたらいずれ大変なことになる…!)
春香「早めに考え直してくれると…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
伊織(『スタンド』…殺人さえできる『能力』! それを向けてきている…私に!)
春香「ありがたいんだけどなぁ」
伊織(春香の目は本気だ…マジにやる気なの!?)
春香「『アイ・ウォント』」
ゴゴゴゴゴ
伊織「ちょっ…」
春香「ねぇ、伊織…」
伊織「……」タラ…
伊織(矢を壊す…)
伊織(その理由がわかった。やっぱり春香はおかしい…!)
伊織(『危険はない』…今はまだそうかもしれない。でも、こいつに矢を持たせ、野放しにしていたらいずれ大変なことになる…!)
春香「早めに考え直してくれると…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
伊織(『スタンド』…殺人さえできる『能力』! それを向けてきている…私に!)
春香「ありがたいんだけどなぁ」
伊織(春香の目は本気だ…マジにやる気なの!?)
綺麗に四部くらいの荒木の絵柄で描かれた春香が頭の中に浮かんできた
弓と矢を春香が確保してるなら安心だな、と思ったらこれかよww
伊織が目覚めたのは結構後の方みたいだが、他アイドルの動向も気になるな。
『2人』は脳筋タイプと知性派タイプの組み合わせと見た。
伊織が目覚めたのは結構後の方みたいだが、他アイドルの動向も気になるな。
『2人』は脳筋タイプと知性派タイプの組み合わせと見た。
すぐノリノリで予想始めるやつ出てくるから、叩いといたほうがいいよ
ドドドドドドド
伊織「ほ…」
伊織「本気なの…?」
伊織「頼みを断ったくらいで『敵』だなんて…おかしいわよ、あんた」
春香「むしろ、なんで断るかなぁ…仲間なら、仲間である私の手伝いくらいしてくれていいよね?」
春香「嫌ってことは、つまり私とは仲間になるつもりがないってこと…でしょう?」
伊織「それは…」
春香「伊織、正直に話してくれていいよ。何かあったら今のうちに聞いておこうかなって」
春香「どうせ、最終的に考えを改めてもらうことになるから」
伊織「なにそれ。脅しのつもり…?」
春香「別にそういうつもりはないんだけど」
伊織「ほ…」
伊織「本気なの…?」
伊織「頼みを断ったくらいで『敵』だなんて…おかしいわよ、あんた」
春香「むしろ、なんで断るかなぁ…仲間なら、仲間である私の手伝いくらいしてくれていいよね?」
春香「嫌ってことは、つまり私とは仲間になるつもりがないってこと…でしょう?」
伊織「それは…」
春香「伊織、正直に話してくれていいよ。何かあったら今のうちに聞いておこうかなって」
春香「どうせ、最終的に考えを改めてもらうことになるから」
伊織「なにそれ。脅しのつもり…?」
春香「別にそういうつもりはないんだけど」
伊織「私をどうする気…?」
春香「どうもしないよ。私だって仲間相手に手荒な真似はしたくないし」
伊織「仲間相手に、ね…」
春香「そう。伊織が仲間になってくれるなら、だね」
伊織「嫌って…言ってんでしょ」
春香「ふーん…まぁ、そう簡単に考え直してはくれないよね伊織は…」
春香「じゃあ、いいよ。その気になるまで追いつめるだけだから」
伊織「人を『スタンド使い』にしておいて、協力しなければ消す…」
伊織「随分勝手な言い草ね…」
伊織「嫌なら、最初から『矢』なんて使わなければいいのに」
春香「ええ? だって…私達がみんな持ってるのに、伊織が一人だけ『スタンド』を持ってない…なんて『不公平』だよね?」
伊織「は…」
春香「ちゃんと事務所のみんなで共有しなきゃ」
伊織(こいつ…『善意』だ…)
伊織(善意でこんな得体の知れないものを使って、『スタンド使い』を増やしている…)
伊織(『スタンド』はこいつの中では『ステキなもの』でしかなく、相手を『スタンド使い』にすることを、自宅で作ってきたクッキーをみんなに振る舞うようのような感覚で考えている…!)
春香「どうもしないよ。私だって仲間相手に手荒な真似はしたくないし」
伊織「仲間相手に、ね…」
春香「そう。伊織が仲間になってくれるなら、だね」
伊織「嫌って…言ってんでしょ」
春香「ふーん…まぁ、そう簡単に考え直してはくれないよね伊織は…」
春香「じゃあ、いいよ。その気になるまで追いつめるだけだから」
伊織「人を『スタンド使い』にしておいて、協力しなければ消す…」
伊織「随分勝手な言い草ね…」
伊織「嫌なら、最初から『矢』なんて使わなければいいのに」
春香「ええ? だって…私達がみんな持ってるのに、伊織が一人だけ『スタンド』を持ってない…なんて『不公平』だよね?」
伊織「は…」
春香「ちゃんと事務所のみんなで共有しなきゃ」
伊織(こいつ…『善意』だ…)
伊織(善意でこんな得体の知れないものを使って、『スタンド使い』を増やしている…)
伊織(『スタンド』はこいつの中では『ステキなもの』でしかなく、相手を『スタンド使い』にすることを、自宅で作ってきたクッキーをみんなに振る舞うようのような感覚で考えている…!)
春香「まぁ、だからスタンドは関係ない」
春香「だけど、伊織が私に協力しないというなら、それはもう『仲間』じゃあない…『敵』でしょう?」
伊織「…それで…敵ならどうするってのよ?」
伊織「私を殺すの…?」
春香「うーん…とりあえず、二つ約束するね」
伊織「?」
春香「まず一つ、伊織を殺したりは絶対にしない」
春香「だから安心していいよ。伊織の言う通り、一応アイドルとしては今まで通り仲間だしね」
伊織「………」
春香「それともう一つ、伊織の気が変わって『仲間』になるっていうならすぐにでも攻撃をやめる」
春香「だけど、それ以外のことと…もしも伊織が『仲間になる』といいつつ裏切るようなことがあれば…」
伊織「しないわよ、そんなこと…」
春香「今言ったことは、何も保証できないかなぁ」
ドドドドドド
春香「だけど、伊織が私に協力しないというなら、それはもう『仲間』じゃあない…『敵』でしょう?」
伊織「…それで…敵ならどうするってのよ?」
伊織「私を殺すの…?」
春香「うーん…とりあえず、二つ約束するね」
伊織「?」
春香「まず一つ、伊織を殺したりは絶対にしない」
春香「だから安心していいよ。伊織の言う通り、一応アイドルとしては今まで通り仲間だしね」
伊織「………」
春香「それともう一つ、伊織の気が変わって『仲間』になるっていうならすぐにでも攻撃をやめる」
春香「だけど、それ以外のことと…もしも伊織が『仲間になる』といいつつ裏切るようなことがあれば…」
伊織「しないわよ、そんなこと…」
春香「今言ったことは、何も保証できないかなぁ」
ドドドドドド
伊織(…給湯室の冷蔵庫の前…)
伊織(壁と仕切りに囲まれ、出られる通路は一カ所)
伊織(とりあえず…考える時間が欲しいわ)
伊織「殺さないと言ったけど…」
春香「うん」
伊織「それって、『殺すより酷い目に遭ってもらう』とか…そういう意味かしら…?」
伊織(その通路は春香に塞がれている)
伊織(出口はすぐそこにあるのに…)
春香「さぁ…どうだろうね」
春香「私もスタンドを完璧に使いこなせるわけじゃないから、手加減とかはあんまりできないし」
伊織(! 『スタンド』…)
伊織(そうよ、スタンドなら私にも使えるはず…だったら、これでどうにか…!)
モクモク…
伊織(ああ、もうっ! やっぱり煙が出てくるだけじゃない! これでどうしろって言うのよ!)
春香「伊織、そろそろいい?」
伊織「!」
春香「考えたところでどうにかできるとは思わないけど…伊織に思惑通り長引かせるのも…ね」
伊織「…!!」
伊織(壁と仕切りに囲まれ、出られる通路は一カ所)
伊織(とりあえず…考える時間が欲しいわ)
伊織「殺さないと言ったけど…」
春香「うん」
伊織「それって、『殺すより酷い目に遭ってもらう』とか…そういう意味かしら…?」
伊織(その通路は春香に塞がれている)
伊織(出口はすぐそこにあるのに…)
春香「さぁ…どうだろうね」
春香「私もスタンドを完璧に使いこなせるわけじゃないから、手加減とかはあんまりできないし」
伊織(! 『スタンド』…)
伊織(そうよ、スタンドなら私にも使えるはず…だったら、これでどうにか…!)
モクモク…
伊織(ああ、もうっ! やっぱり煙が出てくるだけじゃない! これでどうしろって言うのよ!)
春香「伊織、そろそろいい?」
伊織「!」
春香「考えたところでどうにかできるとは思わないけど…伊織に思惑通り長引かせるのも…ね」
伊織「…!!」
春香「『アイ・ウォ…」
伊織「ちっ…」スッ
ドシュゥゥ
春香「んっ!?」シュッ!
バキャッ!!
春香「何か投げてきたようだけど…」
春香「全然意味ないよ~。これくらいのものを叩き落とすなんて簡単なことなんだから」
伊織「あんたが今叩き落としたそれ…よく見なさいよ」
春香「え?」
春香「コーラの…缶?」ギギギ…
伊織「炭酸でも喰らってなさい!」
ブシュゥゥゥ!!
春香「きゃっ!」バシャァァァ
伊織(今よ!)ダッ!!
伊織「ちっ…」スッ
ドシュゥゥ
春香「んっ!?」シュッ!
バキャッ!!
春香「何か投げてきたようだけど…」
春香「全然意味ないよ~。これくらいのものを叩き落とすなんて簡単なことなんだから」
伊織「あんたが今叩き落としたそれ…よく見なさいよ」
春香「え?」
春香「コーラの…缶?」ギギギ…
伊織「炭酸でも喰らってなさい!」
ブシュゥゥゥ!!
春香「きゃっ!」バシャァァァ
伊織(今よ!)ダッ!!
伊織(この給湯室は仕切りに囲まれ、出口も春香に塞がれている…でも!)グググ…グイッ
ガシャァァァン
春香「え、何?」ゴシゴシ
伊織(この仕切りを倒せば、関係ない! 事務所の入り口はすぐそこにあるわ!)バッ
春香「うぇ、服がベトベトだぁ…」
伊織(今の春香とはまともに話し合える気がしないわ、相手にしない方がいい)ガチャ
伊織「………え?」
ドドドド
伊織(扉の外は…)
ドドドドドド
伊織(また、『事務所の中』…!?)
伊織(何かがおかしい、『奇妙』…!)
ガシャァァァン
春香「え、何?」ゴシゴシ
伊織(この仕切りを倒せば、関係ない! 事務所の入り口はすぐそこにあるわ!)バッ
春香「うぇ、服がベトベトだぁ…」
伊織(今の春香とはまともに話し合える気がしないわ、相手にしない方がいい)ガチャ
伊織「………え?」
ドドドド
伊織(扉の外は…)
ドドドドドド
伊織(また、『事務所の中』…!?)
伊織(何かがおかしい、『奇妙』…!)
春香「伊織ぃ~っ」
伊織「!!」ビクゥ!
春香「まさか伊織があんなことしてくるとは思わなかったけど…」
春香「逃がさないよ?」ガシッ
伊織「ひっ…」
ズリズリズリズリ
伊織「きゃあああああああああああ」
伊織(春香の『スタンド』に引っ張られる…ッ!!)
ポイ!
伊織「きゃっ!」ドサ!
伊織「く…」
伊織(事務所のソファ…出口が遠のいてしまった)
伊織「!!」ビクゥ!
春香「まさか伊織があんなことしてくるとは思わなかったけど…」
春香「逃がさないよ?」ガシッ
伊織「ひっ…」
ズリズリズリズリ
伊織「きゃあああああああああああ」
伊織(春香の『スタンド』に引っ張られる…ッ!!)
ポイ!
伊織「きゃっ!」ドサ!
伊織「く…」
伊織(事務所のソファ…出口が遠のいてしまった)
春香「はぁ…ビチャビチャだよ、もう…」
伊織「そ、そんなことより春香…」
春香「ん?」
伊織「さっきのは何…?」
春香「さっきのって?」
伊織「私が事務所を出ようとしたら、また事務所が…」
春香「ああ…」
春香「それって、こういうこと…?」グニャァーッ
伊織「!?」
デロデロデロデロ
伊織「な、何よこれッ!!」
ドロドロ
伊織(天井は溶け…足場は真っ暗…事務所の壁には目が…)
春香「これが…」ズル…
ゴロン
伊織「ひっ!?」
伊織「あ、あんた…頭が…」
春香「これが私の『アイ・ウォント』の能力」ギョロ
伊織「能力…?」
春香「うん、スタンドにはそれぞれ特別な力があるの。ただ動いたり飲み物を取ったりするだけが能じゃあない」ゴロゴロ
伊織(で、でも…まさか、首が取れるのが能力とか…そんなわけないわよねぇ~っ…?)
伊織「そ、そんなことより春香…」
春香「ん?」
伊織「さっきのは何…?」
春香「さっきのって?」
伊織「私が事務所を出ようとしたら、また事務所が…」
春香「ああ…」
春香「それって、こういうこと…?」グニャァーッ
伊織「!?」
デロデロデロデロ
伊織「な、何よこれッ!!」
ドロドロ
伊織(天井は溶け…足場は真っ暗…事務所の壁には目が…)
春香「これが…」ズル…
ゴロン
伊織「ひっ!?」
伊織「あ、あんた…頭が…」
春香「これが私の『アイ・ウォント』の能力」ギョロ
伊織「能力…?」
春香「うん、スタンドにはそれぞれ特別な力があるの。ただ動いたり飲み物を取ったりするだけが能じゃあない」ゴロゴロ
伊織(で、でも…まさか、首が取れるのが能力とか…そんなわけないわよねぇ~っ…?)
伊織「あ、あんたの能力…」
伊織「『幻覚』を見せる能力ね!? こんな悪夢のような光景が、現実のはずが…」
ピタ…
春香「まぁ、確かに…」ヒョイ
春香「今、伊織が見ているのは幻覚。だけど、『アイ・ウォント』はそれだけじゃあない」トス
伊織「それだけじゃないって…」
春香「スタンドは精神力のエネルギー」
ス…
伊織(景色が戻った…)
春香「だから、卑怯な手を使ったり…自分の手中を隠すような人のスタンドは『弱い』」
春香「『公正さ』は力。フェアであること、それはすなわち自分の手を明かしても負けるはずがないと確信できる心」
伊織「一体何の話…?」
伊織「『幻覚』を見せる能力ね!? こんな悪夢のような光景が、現実のはずが…」
ピタ…
春香「まぁ、確かに…」ヒョイ
春香「今、伊織が見ているのは幻覚。だけど、『アイ・ウォント』はそれだけじゃあない」トス
伊織「それだけじゃないって…」
春香「スタンドは精神力のエネルギー」
ス…
伊織(景色が戻った…)
春香「だから、卑怯な手を使ったり…自分の手中を隠すような人のスタンドは『弱い』」
春香「『公正さ』は力。フェアであること、それはすなわち自分の手を明かしても負けるはずがないと確信できる心」
伊織「一体何の話…?」
春香「だから、言うね」
春香「私のスタンド『アイ・ウォント』の能力は『五感支配』」
ドドドドド
伊織「は…」
ドドドドドドド
伊織「五感支配…ですって…?」
春香「そう、『支配』。『剥奪』じゃあない…まぁ、やろうと思えばそれもできるけど」
春香「『視覚』、『聴覚』、『嗅覚』、『味覚』、そして『触覚』」
春香「ゲームのコントローラで画面の中のキャラクターを動かすように…私は人の五感を自由に操ることができる」
ドドドドドドドド
伊織「…………」
春香「私のスタンド『アイ・ウォント』の能力は『五感支配』」
ドドドドド
伊織「は…」
ドドドドドドド
伊織「五感支配…ですって…?」
春香「そう、『支配』。『剥奪』じゃあない…まぁ、やろうと思えばそれもできるけど」
春香「『視覚』、『聴覚』、『嗅覚』、『味覚』、そして『触覚』」
春香「ゲームのコントローラで画面の中のキャラクターを動かすように…私は人の五感を自由に操ることができる」
ドドドドドドドド
伊織「…………」
伊織「じゃあ、今のは…」
春香「伊織の『視覚』を奪って見えないものを映したの。実際は今見てる通り、いつも通りの事務所」
伊織「さっきの出口も…」
春香「伊織の目には事務所の中に見えたけど、廊下と階段があっただろうね」
伊織(…っ! なんてこと、あのまま外に出てれば…)
春香「構わず外に出てたら逃げられた…そう思ってる?」
伊織「!」
春香「違うんだなぁ。伊織があそこで足を止めたのは、伊織の意志でしょ?」
伊織「あんたの能力がわからず躊躇しただけで…」
春香「そうだね。でも、あの時点ではそんなこと知りようがなかった」
春香「いや、知ってても伊織の目からは事務所の中にしか見えない。階段を踏み外すかもしれない。踏み出す勇気はある?」
伊織「それは…」
春香「伊織の『視覚』を奪って見えないものを映したの。実際は今見てる通り、いつも通りの事務所」
伊織「さっきの出口も…」
春香「伊織の目には事務所の中に見えたけど、廊下と階段があっただろうね」
伊織(…っ! なんてこと、あのまま外に出てれば…)
春香「構わず外に出てたら逃げられた…そう思ってる?」
伊織「!」
春香「違うんだなぁ。伊織があそこで足を止めたのは、伊織の意志でしょ?」
伊織「あんたの能力がわからず躊躇しただけで…」
春香「そうだね。でも、あの時点ではそんなこと知りようがなかった」
春香「いや、知ってても伊織の目からは事務所の中にしか見えない。階段を踏み外すかもしれない。踏み出す勇気はある?」
伊織「それは…」
春香「人はよく『運が悪かった』とか『あそこでああしてればよかった』とか言って後悔するけど…」
春香「物事は全て必然なんだよ。偶然だと思ったことも、自分の意志で決めたと思っていることもすべてなるべくしてなっている」
伊織「物事の結果はすべて決まってる…だから逆らっても無駄だって…そう言いたいわけ?」
春香「違うよ伊織、私が言ってるのはそういうことじゃあない」
春香「例えば、オーディションでランクが上のアイドルと対決することってあるよね?」
伊織「な、なによいきなり…」
春香「そういう時、私は気合いを入れて臨み…レッスンで身につけたことを生かし…そして、勝つ」
春香「周りは番狂わせとか何とか言うけど…私はそうは思わない。だって努力してるんだもん。オーディションの時点でどっちが上だなんて、誰もわからない」
春香「そして、私の方が上だったから…あるいは、審査員の贔屓もあるかもしれない…でも、勝利したのならそれは偶然ではなく必然…でしょう?」
伊織「………」
春香「大事なのは成功を必然に変えようとする『意志』なんだよ、伊織」
伊織「…なんとなく、わかったわ…」
春香「物事は全て必然なんだよ。偶然だと思ったことも、自分の意志で決めたと思っていることもすべてなるべくしてなっている」
伊織「物事の結果はすべて決まってる…だから逆らっても無駄だって…そう言いたいわけ?」
春香「違うよ伊織、私が言ってるのはそういうことじゃあない」
春香「例えば、オーディションでランクが上のアイドルと対決することってあるよね?」
伊織「な、なによいきなり…」
春香「そういう時、私は気合いを入れて臨み…レッスンで身につけたことを生かし…そして、勝つ」
春香「周りは番狂わせとか何とか言うけど…私はそうは思わない。だって努力してるんだもん。オーディションの時点でどっちが上だなんて、誰もわからない」
春香「そして、私の方が上だったから…あるいは、審査員の贔屓もあるかもしれない…でも、勝利したのならそれは偶然ではなく必然…でしょう?」
伊織「………」
春香「大事なのは成功を必然に変えようとする『意志』なんだよ、伊織」
伊織「…なんとなく、わかったわ…」
伊織「どの道…あの時点では私は逃げることなんて出来なかった」
伊織「だけど、これからはわからない。だから、私は自分にとってよい方向に行けるようにするべきだって、そういうこと…?」
春香「イエス!」
春香「…と言いたいところだけど、少し違うかな」
春香「伊織がどれだけ抵抗しようが、どれだけ逃げようとしようが」
春香「最終的に私の『アイ・ウォント』に屈することになる。これも…」
春香「必然だよ、伊織」
伊織(得意気にペラペラ喋ってるけど…)
伊織(無防備極まりないわ、自分のスタンドにそれだけの自信を持っていると言うことなんでしょうけど)
伊織(自信は慢心…だったら、春香の弱点はきっとそこにある…これも『必然』よッ!)
伊織(だけど、こっちはスタンドすらまともに操れない…どうする…?)
伊織「だけど、これからはわからない。だから、私は自分にとってよい方向に行けるようにするべきだって、そういうこと…?」
春香「イエス!」
春香「…と言いたいところだけど、少し違うかな」
春香「伊織がどれだけ抵抗しようが、どれだけ逃げようとしようが」
春香「最終的に私の『アイ・ウォント』に屈することになる。これも…」
春香「必然だよ、伊織」
伊織(得意気にペラペラ喋ってるけど…)
伊織(無防備極まりないわ、自分のスタンドにそれだけの自信を持っていると言うことなんでしょうけど)
伊織(自信は慢心…だったら、春香の弱点はきっとそこにある…これも『必然』よッ!)
伊織(だけど、こっちはスタンドすらまともに操れない…どうする…?)
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