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    元スレまゆり「トゥットゥルー!」岡部「・・・え?」

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    451 :

    再開

    453 = 451 :

    岡部「・・・」


    まゆり「・・・」



    右手にナイフを持つまゆりを見て、なんだか緩やかな衝動が体の中を駆けめぐった。


    ここは本当に、シュタインズゲートではないんだな。


    でなければまゆりが俺にナイフを向ける訳がない。




    まゆり「オカリン」

    岡部「なんだ?まゆり」


    まゆり「まゆしぃ、いろいろ考えたんだけど・・・」






    まゆり「やっぱり死んでくれないかな」



    まゆりは自分の首元にナイフを向けた。






    まゆり「いっしょに。」

    454 = 451 :

    岡部「フゥーハッハッハッハッ!!なーかなか言うようになったではないかまゆりぃ。この鳳凰院凶真に、共に死んでくれと」


    まゆり「うん・・・もうたえられないの。ねたくっても、ねむれないの」


    岡部「ほう。何故眠れない?」


    まゆり「寝たら死ぬからだよ。なんかいもなんかいも・・・オカリンにも見せてあげたでしょ。もう、ほんとにいやなの。くるしいの」


    岡部「だから、死ぬのか。だが俺を[ピーーー]理由はなんだ?」



    まゆり「ひとりで死ぬのはこわいけど、オカリンがいたらこわくないの。それどころか・・・すっごくしあわせ。それにやっぱり紅莉栖ちゃんにオカリンをとられるのはいやなの」


    岡部「だだっこめ」


    まゆり「えへへ」

    455 = 451 :

    岡部「だがまゆりよ、この鳳凰院凶真の命は決して安くないぞ。代償に何を支払う?」



    まゆり「え、と、まゆしぃにできることならなんでもするよ。オカリンのやってほしいことなーーんでも」


    岡部「え、何でも?」



    まゆり「・・・オカリン、えっちなこと考えたでしょ」


    岡部「考えとらんわっ!マッドサイエンティストに淫らな気持ちなど・・・」


    まゆり「ウッソだぁー」


    岡部「か、からかうのはよせっ!」



    まゆり「あっははっ!」


    岡部「まったく・・・フフ」




    まゆり「・・・ずっと、こうやってたいな」



    岡部「ん・・・?」

    456 = 451 :

    まゆり「ふたりで、ずっとこうしてたいな。朝も夜もこないでほしい。オカリンが冗談言って、まゆしぃが笑って、今度はまゆしぃが冗談言って、オカリンが呆れた顔して仕方ないなって・・・」


    まゆり「・・・ううん、思ってたの。心のどこかでずっとふたりでこうしていられるって、思ってたの。でもダメだったね。オカリンは紅莉栖ちゃんを好きになっちゃったんだもん」


    岡部「まゆり・・・」


    まゆり「まゆしぃは・・・、あの日の報告を聞いて、もうオカリンといっしょにいれないんだって分かってすっごく悲しくなって、そしたらちがう世界のことが一気に頭にながれてきて・・・」



    まゆり「・・・それがいけなかったのかな? まゆしぃはオカリンとずっといっしょにいたいって思っちゃいけなかったのかな?」



    まゆり「泣いちゃ・・・ダメだったのかなぁ・・・?」

    457 = 451 :

    岡部「バカなやつめ・・・」


    まゆり「・・・バカじゃないよー」


    岡部「俺などといっしょになったところで、お前にいいことはひとつもあるまいに」


    まゆり「だってオカリンの横が一番安心するんだもん・・・」


    岡部「それはお前が無知だからだ。世界は・・・本当はもっと広いのだ」


    岡部「事実、お前が俺と全く関係をもたない世界線も存在したぞ」


    まゆり「ないよぉ、そんなの」



    岡部「・・・あったのだ」



    まゆり「うーん・・・?」

    459 = 451 :

    岡部「まゆりよ。お前の痛みは、想像を絶するものだ。だから俺はもはや、お前が死ぬのを止めはしない。むろん俺を殺すこともな」


    岡部「だが、ひとつだけ頼みがある。聞いてくれるか?」


    まゆり「・・・うーん」



    まゆり「・・・いいよ。いっこだけなら」




    岡部「フッ・・・」



    岡部「ならば聴け!!椎名まゆりよッ!!!」


    岡部「俺は必ずお前を救う!! お前が今苦しんでいる全てを、跡形も無く消し去ってやることを約束しよう!! 悪夢も何もかも、俺が絶ち切ってやる・・・」


    何故か、鼻の奥がツンとした。



    岡部「俺は今からある場所へ行く!!! そして帰ってきたら、殺すなりなんなりすればいい!!あまりの己の幸せに、そんなことをする気も起こらんだろうがな!!だから、だからっ・・・」



    岡部「少しだけ、待っていてくれ・・・。必ずお前を救うから・・・」


    最後の方は、かすれた声しか出なかった。



    悪いのは全て俺だ。

    だがもう謝らない。それに何の意味も無い。



    皆を幸せにすることこそが、俺に許された唯一の謝罪なのだ。

    460 = 451 :

    まゆり「あっはははは!」


    まゆり「そんなの、いまさら信じろっていうのオカリン?まゆしぃに?あっはははは!」


    まゆり「あっはははは」





    まゆり「ふ・・・ふ・・・」







    まゆり「・・・・・・」








    まゆり「・・・」













    まゆり「・・・早く帰ってきてくれなきゃ・・・殺すから」

    461 = 451 :

    今日は以上です。



    ありがとうございました。

    462 :

    乙でした

    463 :

    乙。楽しみ。

    464 :

    なんか凄く感動した
    なぜか

    465 :

    まゆしぃ悲しすぎだろオイ。。。

    466 :

    乙です!相変わらず面白い!


    つーか随分とマユリ様が大量発生してるスレだなwwwwwwwwwwwwww

    467 :

    泣けた

    468 :

    乙です。
    ひぐらし思い出した(笑)これは泣ける予感!

    469 :

    >>468
    俺も思い出したww

    ますます続きが楽しみになってきたぜ…!

    470 :

    再開

    471 = 470 :

    岡部「ああ。必ず帰ってくる」


    まゆり「・・・」


    岡部「・・・では、もう行くぞ」


    まゆり「待ってオカリン」


    岡部「・・・なんだ?」


    まゆり「白衣。汚れてるよ?」



    言われて見ると、骨の折れた左腕が出血し、俺の白衣は血まみれだった。

    さらに泥などが真っ白な生地に色濃くこびりつき、とても見れたものではない。



    岡部「あぁ・・・まぁ仕方あるまい。用事が全て済んだら、新調するとしよう」


    まゆり「・・・はい」



    まゆりが自分のバッグを探り、取り出したのは、なんと俺のまっさらの白衣だった。

    472 = 470 :

    岡部「なっ・・・なぜお前が俺の白衣を持っている!?」


    まゆり「ラボにあったの、ナイショでもってかえっちゃったのです。ごめんね、オカリン?」


    岡部「むぅ・・・ま、まぁ一枚減っているのに気づいていなかった訳ではないがなぁぁー、フハ、フハハハ」



    まゆり「・・・・・・それがあるとね、ちょっとだけ安心してねむれるの。」


    岡部「・・・?」


    まゆり「夜になるとこわくて、ほんとにこわくって・・・がまんしてても、どうしてもねむたくなっちゃうのです。 でもそれをだきしめてると、オカリンが横にいてくれる気がしてちょっとだけ安心するんだよ」


    まゆり「結局夢はみちゃうんだけど・・・泣きながら起きたときにそれをだきしめると、オカリンが守ってくれる気がして、ちょっとだけ、安心、するんだよ・・・」



    まゆり「・・・オカリン、ぜったい帰ってくるよね・・・・・・?」

    473 = 470 :

    岡部「心配か?ならば何度でも言ってやる。・・・俺は、必ず帰ってくる。絶対にお前を救ってやる。」


    まゆり「・・・うん。わかった。じゃあこれは、オカリンに返すね。オカリンがぜったい帰ってきて、まゆしぃをたすけてくれるって、信じてるから・・・」



    俺は血まみれの白衣を脱ぎ、まゆりから真っ白な白衣を受け取った。










    まゆり「・・・いってらっしゃい。」





    岡部「・・・いってきます。」

    474 = 470 :

    秋葉原某所――――

    鈴羽「おじさん!」


    岡部「鈴羽・・・」


    鈴羽「大丈夫だったの!? どこも刺されたりとかしてない!?」


    岡部「問題無い。それより奴らの動きは?」


    鈴羽「大丈夫だよ。アイツら、ぜーんぜん違うところ探してるから。やっぱり着地場所、変えといて正解だったね」


    岡部「そうか。ならば急ぐぞ。問題は、未来に到着してからだ」


    鈴羽「うん。未来では時間が無いから、ポイントから離れすぎた場所には着地できない。奴らと近距離に着地せざるをえないからね」


    岡部「そうなると、ハチ合う可能性が高い・・・いや、必ず接触するだろう。厄介だな・・・」



    鈴羽「だいじょーぶ!それはあたしがどうにかするよ!」


    475 = 470 :

    岡部「お前が一手に引き受けるのは、リスクが高すぎる・・・別の方法を考えよう」


    鈴羽「・・・っはぁー」


    岡部「な、なんだ」


    鈴羽「ガッカリだよ、おじさん。」


    岡部「どうしたというのだ鈴羽、急に・・・」


    鈴羽「おじさんが言ってるリスクっていうのは、あたしのリスクでしょ?」


    岡部「ああ。もちろんだ」



    鈴羽「じゃあ、そんなことは考えなくていいよ。あたしに全部リスクが来て、おじさんにノーリスクなら、こんなにいい作戦はないんだから」


    岡部「しかしそれではお前が!」


    鈴羽「おじさん!!」

    476 = 470 :

    鈴羽「おじさんはあたしのこと、信じてくれてる・・・?」


    岡部「も・・・もちろんだ。俺はお前に全幅の信頼を置いて」


    鈴羽「じゃあ、あたしは何のために過去に来たんだと思う?皆の悲しむ顔を笑顔に変えるために、何をしに来たんだと思う?」


    岡部「お前は、ディストピアのある未来を変えに――――」


    鈴羽「ちがうっ!!」


    鈴羽「あたしは、未来を変えに来たんじゃない!そんなこと、あたしにはできない!悔しいけど、悔しいけど・・・あたしにそんな力は無い!!」



    鈴羽「助けに来たんだよ!! オカリンおじさん! 君を助けに来たんだよ!!」


    鈴羽「未来変革の鍵が椎名まゆりである以上、未来を変えることができるのは君しかいないんだよ!!」



    鈴羽「それが何!?たかが付き添いのあたしなんかのリスクを気にして!!本当に大事なことを、見落として!!」



    鈴羽「はぁ、はぁ、・・・覚悟をして、おじさん。」


    鈴羽「戦士の顔で、過去へ跳ぶために。」

    477 = 470 :

    岡部「ッ・・・」



    俺の心の中に、寂しい色の渦巻が回る。



    つまり鈴羽の意味するところは――――局面において、自分を見捨てろ。


    こういうことだ。




    だができるのか。俺に。


    鈴羽を見捨てて、新たな世界線に到達して、それで俺は満足できるのか。


    いや・・・?良く考えたら、それは今までずっとやってきたことではないか。


    他人を散々辛い目に合わせて、俺はこの世界線にたどり着いたのではないか――――。



    478 = 470 :

    休憩

    480 :

    乙リン

    481 :

    乙!悩む所がオカリンらしいww

    482 = 481 :

    >>469
    もうすぐひぐらしの季節か…
    この気持ちのままやるか!

    486 :

    再開

    487 = 486 :

    まゆりを助ける。


    そのためだけに俺は、幾多の人々の願いを断ち切った。


    だが、そのためMr.ブラウンや萌郁にまゆり、そして紅莉栖の命が助かったのも事実・・・



    それも事実なのだ。



    岡部「・・・ッ・・・」




    もう俺には、何が正しいのか分からなかった。



    鈴羽「おじさん」



    鈴羽は車を止めて、小さく震える俺の右手を手にとった。



    岡部「な、何をしている・・・。俺たちには時間が・・・」


    鈴羽「聴いて。おじさん」

    488 = 486 :

    鈴羽「オカリンおじさん。おじさんが気に病むことなんか、何にもないんだよ」

    岡部「・・・俺は、多くの願いを失わせた。夢を持たせるだけ持たせておいて、最後には奪ったんだ・・・」



    ますます自責の念を深める俺とは対照的に、鈴羽は平然としていた。



    鈴羽「そうだよ。今自分で言ったじゃん!」


    岡部「え・・・?」








    鈴羽「『夢』なんだよ。『願い』なんだよ。本来は、無かった・・・無くて当然のものだったんだよ」



    鈴羽「秋葉留未穂の父親は、飛行機事故で死亡している。漆原るかは、仕草は女のコにしか見えない」


    岡部「だが、男だ・・・」


    鈴羽「そう。そして椎名まゆりは、17歳の時点で死亡することは無い。牧瀬紅莉栖も、18歳の時点で死亡することは無い。それら全てを狂わせているのは・・・」



    岡部「タイムマシン・・・」



    鈴羽「・・・そう。」

    489 = 486 :

    鈴羽「わかるよね、おじさん。」


    岡部「・・・」



    鈴羽「今ここにいる・・・こうしてあなたと話しているあたしも、『夢』なんだよ。本来あってはならないもの」


    鈴羽「だって橋田鈴羽は、今から7年後に生まれてくるはずなんだからさ。それが正常な未来。SG世界線。あたしたちはそこにいかなきゃならない」


    岡部「わかってるッ・・・」


    鈴羽「じゃあ、あたしを見捨てて。何があっても、振り返らないで。まゆりさんの心を変えるまでは。」



    岡部「!・・・」



    鈴羽「おじさん」



    岡部「・・・ッた」


    鈴羽「おじさん?」



    岡部「わかッた!わかった、わかったよ、わかった・・・!」



    岡部「未来だけ見る・・・それでいいんだろう・・・!」

    490 = 486 :

    短いですが今日はここまでです。


    ありがとうございました。

    491 :

    男なんだろ!

    492 :

    乙乙

    493 :

    乙!待ってるからマイペースにドゾ

    495 :

    おっつ。相変わらずギャグでもないかぎりオカリンは
    苦渋の選択を強いられますな

    496 :

    新作やってる?>>1

    497 :

    >>496
    新作ってどこや?

    498 :

    続き待ってる

    499 :

    再開。

    500 = 499 :

    その後、俺たちは山中に着地させたタイムマシンへ向けて三十分ほど車を走らせた。


    その間はお互い、全く口をきかなかった。


    俺は夢のように流れていく夜景を、ただ眺めることしかできなかった。


    この景色を見るのも、これが最後になるかも――――ふとよぎったそんな考えを、すぐに振り払う。


    すぐに、戻ってこれる。


    その時は皆笑顔だ。





    そうやって俺は、独り戦士の顔した鈴羽から、逃げていた。


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