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    元スレ美琴「ちょっとアンタ!」 禁書「なぁに?」

    SS+覧 / PC版 /
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    851 = 847 :



    (さぁ、覚悟を………………あれ?)


    なんだか、空気がおかしい。

    あの2人しかいない休憩室全体の空気が、なんだか『重み』のようなものを孕んでいるような気がする。

    磨りガラスすら はめこまれていない、薄い木製のドア。

    それを薄っすらと開き中を伺うも、2人いる席は見えない。

    もう少し開かなければならないようだが、なんだか、開いてはいけないような、そんな感じがする。

    本当に漠然とした、言うなれば『女のカン』。

    それがドアを開けることを阻害していた。

    852 = 847 :


    (なんだろう………?)


    恐る恐るドアを、少しずつだが開いていく。

    キィィという音。

    それと共に、見える2人の姿。


    「ーーーー!」


    さっき見た、映画を思い出した。

    同性愛者のA子、ノーマルのB子。

    私はもちろん後者で、前者は異端だと思う。

    おそらく日本国の大体数の人間が前者であろう。

    そう思うのは、私が、私が所属する環境が、『A子的性癖』とはあまり関係の無いところにいるからなのだろうか。

    まぁとにかく、前者は異端である。


    が、

    853 = 847 :



    (……え?なんで?)


    見えるのは、泣きながら抱き合う2人。

    さっきの映画で聞いたレズビアンを指す言葉、『百合』という言葉がポップアップしてきた。


    (え………?みことってもしかして……)


    ざわり。

    胸の奥、心の隙間、そこに釘が打ち込まれた様に身動きが取れなくなる。


    (い、いやいや、わたしだって、さいあいを抱きしめたんだよ。そうだよ。あれは、みこと なりの慈悲なんだよ)


    必死に自身を洗脳するも、なかなか上手くいかない。

    『友達がレズビアンかもしれない』。

    そんな疑念が浮かんでは消え、大きくなってまた浮かぶ。

    854 = 847 :


    『泣いている絹旗最愛を慰めていた』という理由なら、美琴が抱きつき、泣く必要は無い。

    『絹旗がせがんできた』という理由なら、応じた美琴も同類だ。


    (違うよね?そうだよ、違う違う。みことがレズビアンなワケが)


    そこまで思考した時、御坂美琴が絹旗最愛を強く、深く抱きしめた。

    絹旗最愛もそれに応じる。

    その姿はまさに思い人同士だった。


    (みことは………)

    (みことは、レズビアンなのかな?)

    (だったら、ちょっと汚らわしいかも………)


    踵を返し、もう一度、トイレへ向かう。

    寒い個室の中、考えることは一つ。

    友人、御坂美琴のことだ。

    855 = 847 :


    (ねぇみこと、どうして?)


    返答は、返ってこない。


    (どうして?)


    胸の中、頭の中、音が反響し、私の孤独を浮き彫りにする。


    (どうして?)


    冷えた身体に鞭を打つような洋式便器の非情さが、私を凍えさせた。


    (どうして?)


    ねぇ、みこと、


    「どうして…………どうして、わたしじゃないの?」


    不意に、頬を冷たい液体が撫でた。

    インデックスには、その正体が分からなかった。

    856 = 847 :

    ここまで

    今日のコンセプトは、『THE すれ違い』です

    では

    857 :

    ついに来ましたね!乙

    858 :


    インデックスうううぅぅぅ

    860 :

    ここの上条さんだと、どうやってどうにかするかが想像出来ない。不思議!

    861 :

    いつも完結してから読むのに、追いついちまった…
    なんだろ?お預け食らった犬みたいな気分だ


    とりあえず誰か>>109のタイトル知りませんか?

    862 :

    >>861
    べ、別にあんたのために探してあげたわけじゃないんだからねっ!
    たまたまブックマークしてあっただけなんだから!http://asagikk.blog113.fc2.com/blog-entry-1000.html

    863 = 861 :

    >>862

    美琴さんマジツンデレ
    マジありがとう

    864 :

    この感じだとこのスレじゃ終わりそうに無いけど無理して終わらそうとしないで
    何スレ使ってもいいからこの2人をじっくり百合百合させてください

    865 = 847 :

    >>864
    出会って3日目の夕方でスレが終わるなんて思ってなかったさ
    引っ張りすぎたわ

    866 :

    こんばんは

    867 = 866 :


    ----------

    晩秋の正午過ぎは釣瓶落とし。

    16時を表示するデジタル時計を、まだ明るい斜陽が煌々と照らしていた。

    性看護師が「日光も大事ですよ?」と言って開けて行ったカーテンから容赦無く差し込む光線。

    それが動けない少年の網膜、視神経をチクチクと攻撃していた。


    「看護婦さん、早く来てくれよ………」


    右手で遮光するがあまり意味は無く、毛布を被ろうにも日光で暑いので被りたくない。


    「あーもー!ちくしょう」


    緩やかな八方塞がりの最中、少年は


    「不幸だ…………」


    彼の代名詞とも言える言葉を吐き出した。

    868 = 866 :



    「何が『釣瓶落とし』だよ。落ちねぇじゃないですか。ずっと止まっているじゃないですか」


    ぶちぶちと不満を漏らす少年。

    『自分でカーテンを閉められない』。

    それはある種拷問以上の辛さだった。

    吊り上げられた左脚を恨めしそうに睨むも、状況は不変だ。


    「だれかー………だれかいませんかー………」


    そんな都合良く誰かが来てくれるワケがない。

    そんなこと分かっている。

    分かっているが、『すがってもいいじゃないか』というのが不幸な彼の切実な叫びだった。


    コンコン


    そんな叫びが通じたのか、


    「おーっす!かーみやーん!」


    金髪にサングラスの友人、土御門元春が、何か袋をぶら下げて入って来た。

    返事も待たずに。

    869 = 866 :


    上条「うおっ!土御門!お前ノックしたなら返事くらい待てよ!」ビクッ

    土御門「いいじゃないか かみやん。俺と かみやんの仲ぜよ?」

    上条「いや、だから上条さんにだってプライベートやプライバシーはあるわけで

    土御門「知る権利だにゃー」ケラケラ

    上条「微妙に使い方間違ってんだよ!」

    土御門「ま、そんなことはどうでもいいんですたい」

    上条「良くねぇよ。上条さんには権利無しですか。No Rightsですか」

    土御門「おお!かみやんが英語使ったぜよ!」

    上条「バカにしてるのかバカにしてるなバカにしやがって」

    土御門「ま、そんなことはどうでもいいんですにゃー」

    上条「お前どうでもいいこと多すぎだろ」

    870 = 866 :


    土御門「ちょっと近くに用事があるから、見舞いに来てやったんだぜい」

    上条「用事?なんだよ用事って」

    土御門「余計な詮索は賢くないにゃー、かみやん」

    上条「はいはいそうですかー」

    土御門「…………ところで、かみやん」

    上条「なんだよ?」

    土御門「コレ、なにか分かるかにゃー?」

    上条「ん?袋の中身を当てろってか?」

    土御門「シュレディンガーじゃ無いぜよ?」

    上条「わかってるよ。う~ん、形からして、雑誌?」

    土御門「何の?」

    上条「う~~~~ん………幸せになれる10の方法とか……」

    土御門「切実だにゃー」

    上条「ほっとけ」

    871 = 866 :


    土御門「ヒント!エロ本だにゃー」グフフフフ

    上条「何っ!?エロ本だとっ!?」

    土御門「そうだにゃー。買うのに苦労したぜい」

    上条「ジャンルは…………メイドか?」

    土御門「不正解」

    上条「なんでそんな冷たく言い放つんだよ………」

    土御門「こんな薄っぺらい紙ごときでメイドさんの真の良さが伝わるワケが無いだろう」

    上条「なんで仕事モード入ってんだよ。てか早く くれよ」

    土御門「欲しがり屋さんだにゃー」ガサゴソ

    上条「うるせぇよ」

    土御門「じゃじゃーん!!」バッ!

    上条「うぉぉぉぉ!!それは………っ!」

    土御門「『オクサマ24時』シリーズ最新刊だぜい!」

    上条「くれっ!!早く!それをくれっ!」ウヒョー!

    土御門「…………さすがにキモいにゃー」

    上条「けっこう頑張ってテンション上げたんだよ」

    872 = 866 :


    土御門「ほれ」パサッ

    上条「おお!ありがとな!土御門」

    土御門「いいんだにゃー。じゃ」

    上条「えっ、もう帰るのか?」

    土御門「ああ、用事があるからにゃー」

    上条「そっか……あ、帰る前にさ、カーテン閉めてってくれないか?」

    土御門「……………かみやん、俺にその気は無いぜよ?」

    上条「俺もお前には劣情を抱かねーよバカヤロウ」

    土御門「安心したぜよ」シャーッ

    上条「お前の眼に上条さんはどう映ってるんですか………」

    土御門「ハハハッ、じゃーな、かみやん」ガラッ

    上条「おー、さんきゅーなー」

    873 :

    レイニー止めして上条さんサイドとかマジ鬼畜

    874 :

    いや、これは男の同性愛もあるんだという>>1の教えなのさ

    875 :

    上条「俺もお前には劣情を抱かねーよバカヤロウ」

    つまり土御門以外には劣情を・・・?!

    876 = 866 :


    ピシャリ

    とドアが閉まり、部屋には静寂が舞い戻った。

    手元には友が差し入れてくれたアダルト雑誌、『オクサマ24時』がある。

    以前青髮から貰った月刊誌の最新刊。

    歳上好きの上条に合わせた友人のチョイスである。

    そう、


    『名目上』歳上好きの上条の。



    「……………」

    「………土御門、ごめんな」


    そう言って上条は、まだ開いてもいない『オクサマ24時』をゴミ箱に放りこんだ。

    877 :

    何…………だと……………!?

    878 = 866 :


    ----------

    美琴「ぐすっ……ぐすっ………」ギュー

    絹旗「泣き止みましたか?御坂」ギュー

    美琴「ゔん。もう大丈夫」ズズーッ

    絹旗「良かった………それと、」ギュー

    美琴「ん?」ギュー

    絹旗「………超酸欠寸前なんですけど」ギュー

    美琴「えっ?ご、ごめん!」パッ

    絹旗「ふぅー……いいんですよ。元気になってくれて超何よりです」

    美琴「…………いつの間にか、立場逆転してたわね」

    絹旗「御坂が超錯乱したんじゃないですか」

    美琴「し、してないわよ!」

    絹旗「いや、いきなり『キモチワルイ、キモチワルイ』って」

    美琴「そんな外人みたいな言い方してないわよ」

    絹旗「正直、超ビビりました」

    美琴「でしょうね」アハハ…

    879 = 866 :


    絹旗「それにしても、超遅いですね」

    美琴「インデックスのこと?」

    絹旗「はい。普通トイレぐらいでこんなに超時間かかるワケないでしょう?」

    美琴「そうよねぇ………うん、ちょっと探してくるわ」ガタッ

    絹旗「あ、じゃあ私も一緒に」ガタッ

    美琴「あ、絹旗さんは席とっといて」

    絹旗「む………まぁ、いいですよ」

    美琴「ごめんねー、じゃっ」タタタッ

    絹旗「…………」

    「……………フレンダ、」

    「私、超吹っ切れましたよ」

    「だから、超心配しないでくださいね」

    「たまに泣いちゃうかもしれませんが、」

    「私は、もう大丈夫です」

    「…………独り言なんて、超らしくないですね」フフッ

    「フレンダ…………」

    881 :

    俺はそんなお茶目なお前のこと愛してるぜ!>>1

    883 = 875 :

    >>1超乙

    絹旗超かわいい

    884 :

    冥土還しとかいるし実はフレンダ超生きてるとかもありだと思うんだ
    思うんだ

    885 :

    なるほど…上条×一方じゃなくて上条×土御門だったか

    886 = 877 :

    >>885
    いや待て、そう決めつけるのは早計だ。
    まだ、実は「年上好きでは無い」ことが明らかになっただけなんだぜ?
    まあ、可能性は確かにあるけどw

    887 :

    まさか冥途返しじゃなかろうなww>相手
    舞夏だったら修羅場

    888 :

    俺男だけど上条通行だったら超俺得

    889 :

    やっぱ絹旗は超可愛いですね

    890 :

    舞夏でもツッチーでも一方さんでも冥土帰しでも、こう、┣¨┣¨┣¨┣¨ドな感じに……

    891 :

    あの>>1が報告も無しに書かないとは…
    どうしたんでせう?

    892 :

    こんばんは
    昨日は報告できなくてごめんなさいね
    何があったとは言いませんが、家庭教師っていいですね
    人妻って素晴らしいですね

    ちょっとしたら書き始めます

    893 :

    @CAUTION
    なんだか暗くて陰鬱なお話になっちゃった

    では、始めます

    894 = 893 :


    ----------

    「うっ……ひぐっ……」


    トイレで一人、泣く女が一人。


    「ぐすっ………うぅ………」


    私はB子だ。

    B子やおばさんと、同じ目線を持っている。

    持っているはずなのだ。

    A子のように、女性に焦がれることはありえないはずのだ。

    なのに、


    「ふぇぇ………うくっ………」


    痛い。

    痛いのだ。

    存在すら不確かな『こころ』が。

    確かに、痛いのだ。

    895 = 893 :



    「……わた、しなら………」


    私なら。

    私なら、もっと優しくできるのに。

    私なら、もっとぎゅってできるのに。

    私なら、もっと上手く慰められるのに。

    私なら、私ならもっと絹旗よりも………

    そんな思考と共に、じわじわと傷口を広げるような痛みを伴って理解した。



    私は、最低な人間に成り下がった。



    絹旗最愛に向けられた、醜い、ドロドロとドス黒い羨望。

    御坂美琴に向けられた、醜い、ぐらぐら判然としない感情。

    それらが混ざり、ぐちゃぐちゃな心と脳をぐちゃぐちゃと揺さぶる。

    催した吐き気は心労か、嫌悪か。

    涙を拭う袖口は、非情なまでの冷たさに支配されていた。

    896 = 893 :


    その時、


    キィ………


    という古臭い木製のドアが、気圧の変化を伴い、鼓膜を揺さぶった。

    誰かが、入ってきた。

    誰かは分からない。

    分からないが、


    「……みこと…………?」


    名前を、呼んでみる。

    今一番会いたい人で今一番会いたくない人の名前を。

    「来ないで」という感情と「来て」という願望を込めた小さな、本当に小さな叫びに乗せて。

    それから一呼吸おいて、


    「インデックス?」


    「コンコン」という乾いたノックと共に、返事が返ってきた。

    それだけで、たったそれだけで私の心は臆病者のように怯え、跳ね上がった。

    897 = 893 :



    「インデックス? お腹、いたいの?」


    いつもと変わらない声。

    その普通さが普通では無いように感じる私は病気なのだろうか。

    何かを隠して『普通』を作っていると思う心は忌むべきものなのだろうか。


    「う、うん。ちょっと、食べすぎちゃったかも」


    声よ、震えるな。

    涙よ、流れるな。

    そう思えば思うほど、私の中の奥、『ココロ』と言われるものは、ぎゅうぎゅうと締め付けられる。

    痛みを伴う会話。

    それを続けなければならない苦痛。

    今、私の顔は醜く歪んでいるだろう。


    「もう。だから『やめときなさい』って言ったのに………」

    898 = 893 :


    「えへへ、ごめんねみこと」


    ごめんね、みこと。

    わたしは、わたしはそんなにキレイな人間じゃなかったみたいなんだよ。


    「早く済ませなさいよ。絹旗さんも心配してるし」


    その証拠に今、キヌハタサンに嫉妬してるもん。

    『みことが取られた』って。

    わたしのものでもないのに。

    ごめんね、みこと。

    でも、


    「ねぇ、みこと」


    これだけは、


    「ん?なに?」


    これだけは、聞かせて。


    「………みことは、」

    899 = 893 :




    「みことは、………………『A子』、なの?」



    「ーーーーーー!!」


    閑散とした狭苦しい女子トイレが、二人を呑み込んだ。

    900 = 893 :


    ----------

    「みことは、………………『A子』、なの?」


    絶句。

    全身から嫌な汗が噴き出す。


    「…………いきなり、どうしたのよ?そんなこと聞いて」


    インデックスは知っていたのか。

    インデックスに知られていたのか。

    その現実が、私の頭をぶん殴る。

    ぐらり、と空間が歪んだ気がした。

    そんなことお構いなしに、


    「みことは、『A子』なの?」


    彼女は問うことをやめなかった。

    まるで機械のように、淡々と、ただただ無表情に感じられたそれは、私の思考をえぐり取った。

    真っ白な思考の原野を手探りで歩く。

    惨めに腰を曲げ、目を見開いて、ぱたぱたと両手を動かしながら、びくびくと。


    「…………質問の意味がわからないわ」


    必死の解答。

    やめてくれ。

    これ以上はやめてくれ。

    そう思えば思うほど、私は追い詰められてゆく。


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