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    元スレ上条「二人で一緒に逃げよう」 美琴「………うん」

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    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - 銀時 + - インデックス + - ブラインド・エスケープ読んでみ + - ヤンデレ + - 上条「二人で一緒に逃げよう」 + - 上琴 + - 上琴二人で一緒に逃げよう + - 御坂美琴 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    551 = 549 :

    インデックス「………私のせいなんだよ……」

    と、その時だった。一瞬、インデックスの表情が歪んだと思ったら、数秒後には彼女の両目から涙が零れ落ちていた。

    インデックス「………私の……せいなんだよ……」

    土御門ステイル神裂「!」

    インデックス「………この町に入ってから……『孤絶術式』の臭いは微妙に感じ取ってたのに……もしもっと早く……その正体にはっきりと……気付いてたら……ううっ……間に合ったかも……しれないのに……」

    遂にインデックスの涙腺が崩壊したようだった。彼女は子供のようにワンワンと泣き始めた。

    インデックス「………うああああ……私が……私がもっど……もっど早ぐに……」

    ステイル「……な、何を言っているんだいインデックス? き、君のせいじゃないよ!」

    泣き始めたインデックスにオロオロとし、ステイルは必死に慰める。

    神裂「その通りですよインデックス。貴女が泣く必要も責を負う必要もありません。真に悪いのは、魔術師なんですから」

    インデックス「……でも……私には……短髪の『孤絶術式』を解く……知識も無い……10万3000冊の…魔導書が頭の中に……入ってるくせに……」

    ステイル「い、インデックス!」

    インデックス「うるさいんだよ! 悪いのは私なんだよ! 慰めなんていらないんだよ!」

    泣きながらインデックスはそこら辺に落ちてあった、クシャクシャに丸められた紙をステイルに向かって投げ始めた。

    ステイル「わっ……ちょっ……インデ……やめ……いたっ!」

    土御門「……やれやれ」

    そんな中、土御門は溜息を吐く。

    神裂「如何ともしがたいですね」

    土御門「全くだな。動けない、ってのが一番もどかしい」

    神裂「どうしますか?」

    土御門「元に戻すことは不可能。だが……」

    神裂「………………」

    土御門「最悪の結末を回避する手助けなら、俺たちにも出来る」

    言って、土御門はステイルを泣きながらポカポカ叩いているインデックスに顔を向けた。

    土御門「やるしかないだろ」

    552 = 549 :

    学園都市――。

    黄泉川「何か有力な情報は見つかったか?」

    警備員「いえ、残念ながら……」

    黄泉川「分かったじゃん」

    報告してきた部下の警備員にそう告げ、黄泉川は正面に立っていた学生たちに顔を戻した。

    黄泉川「どう思う?」

    今、黄泉川たちがいるのは某学区にある郊外だ。昨夜、美琴が街中で暴れているとの通報を受け、事態を重く見たアンチスキルは、隷下の部隊に捜査範囲を広げるよう厳命。目撃談から、黄泉川の部隊はこの学区の街の外れにまで捜査の手を広げていた。本当は、管轄区域を越えていたが、黄泉川は特に気にする素振りも見せなかった。

    黄泉川「私としては、この辺りに“奴”の臭いを感じるじゃん」

    周囲に、アンチスキルの隊員や車両が展開される中、黄泉川は車体に背中を預け目の前の学生たちにそう言う。

    黄泉川「奴が簡単に諦めるとは思えない。恐らくまだ遠くにも行ってないはずじゃん」

    腕組をしながら推測を述べ、黄泉川は学生たちの意見を聞いてみることにした。

    黄泉川「お前らは奴と親しかった身。御坂美琴はどこへ行ったと思う?  白  井  」





    黒子「私も大体同じ意見ですわ」





    訊ねられ、黒子は真剣な顔で答えた。

    553 = 549 :

    黒子「いくら学園都市第3位の超能力者とはいえ、所詮は私たちと同じでまだ子供。出来ることは限られてきます。貴女がたもそう思うでしょう?」

    黒子が視線を向けた先……2人の少女が同時に頷く。



    初春「私もそう思います。更に、御坂美琴は財布も携帯電話も持っていないはず。交通手段を使えるとは到底思えないです」


    佐天「あたしは2人みたいにプロじゃないし、一般人だから犯罪者の行動心理とかはよく分からないけど、あたしも御坂美琴がそう遠くまで行ってるとは思えないです」



    黒子の側にいた初春と佐天が自分なりに立ててみた推測を口にしてみる。

    黄泉川「お前らは奴と親しかったからな」

    黒子「冗談でもお止めになって下さいまし。あの御坂美琴と親しかったなどと、私たちにとったら消しても消せない過去なのです。この先一生、その過去を背負っていかなければならないと考えると、ゾッとしますの……」

    黒子と佐天と初春が一斉に黙り込む。

    黄泉川「まあ気に病むことはないじゃん。誰にだって消したい過去・記憶はある。私は別にお前らが御坂美琴と親しかったって言われても特に何も思わないしな。だが、お前ら自身がそのことに対して何か後ろめたい物があると言うのなら、それはお前らが自分で解決すべきじゃん。だからここに来たんだろ?」

    黒子「ま、否定はいたしませんわ。ところで……」

    不意に、黒子がジャッジメントらしい鋭い視線を見せた。

    黒子「昨晩の御坂美琴について、不可解な点があるらしいですが?」

    初春「ああ、何でも学生たちが御坂美琴を追い詰めたのに、逃げられたって件ですか?」

    佐天「確かあと一歩で仕留められるところだったんですよね?」

    3人の質問に、黄泉川は頷く。

    黄泉川「なんでも……目撃談では、突然現れた1人の男が奴を連れて逃げ出したとか……」

    黒子「…………………」

    黄泉川「…………………」

    黄泉川と黒子の視線が交わる。

    554 = 549 :

    黄泉川「どうやらお前は何か心当たりがありそうだな」

    初春「えっ? そうなんですか?」

    佐天「その男が誰か知ってるんですか白井さん?」

    横目で初春と佐天を見ると、黒子は静かに呟いた。

    黒子「ま、心当たりが無いと言えば嘘になりますわね……」

    佐天「でも、あんな犯罪者を助けるなんて……どういう神経してるんでしょう」

    初春「仲間でもいたんでしょうか」

    黒子はその男の顔を思い浮かべる。

    黒子「(まあ、現状ではまだ何とも言えませんが……)」

    その時だった。

    警備員「黄泉川隊長!」

    突然、横合いから1人の警備員が割り込んできた。

    黄泉川「どうした?」

    警備員「近くにあった倉庫で不審なものを見つけました」

    黄泉川黒子佐天初春「!」

    驚き、黒子たち3人が顔を見合わせる。
    真剣な表情を浮かべ、黄泉川が言った。

    黄泉川「よし、そこまで案内するじゃん」

    555 = 549 :

    その頃――。

    外に出てから1時間と少しが経過した。今、上条と美琴の2人は、学園都市の境界近くまで歩いてきていた。

    上条「俺たちがいた場所が幸いしたな。こんな早く『外』との境界まで辿り着くとは」

    上条は後ろを歩く美琴に声を掛ける。
    帽子を目深に被り、マフラーで口元を覆った美琴はそう言われ、視線の先に聳える学園都市と『外』の境界の象徴である大きな壁に目を向けた。

    美琴「でも、どうやって突破するの?」

    上条「うっ…それは考えてなかったな」

    美琴「もう……」

    上条「ならいっそのこと、出入り口を警備してるアンチスキルを全員吹っ飛ばすってのはどうだ?」

    美琴「私の電撃で? まさか殺すの?」

    上条「いや、そんなことする必要は無い。ただ、痺れさせてしまえばいい。まあバレるのは必至だが、『外』に逃げ出しちまえばこっちのもんだ。あいつらも『外』までは追ってこないだろう」

    美琴「でも……そんな上手くいくかな?」

    美琴が不安を口にする。
    その時だった。

    上条「っと、待て。こっちだ」ギュッ

    美琴「え? あ……」

    突然、上条が慌てるように美琴の手を握り近くにあった公園の茂みまで連れていった。

    美琴「ど、どうしたのよ急に?」

    上条「検問所だよ」

    美琴「え?」

    上条が指差した先……距離にして100mから150mぐらいはあるだろうか。そこに、アンチスキルの検問所が見えた。

    美琴「何だか、警備が厳重じゃない?」

    見てすぐ美琴が思ったことを口にした。

    上条「ああ。『外』との境界とは言え、あれじゃあまるで暴動に備えてるみたいだ」

    確かに、検問所は物々しい雰囲気にあった。
    警備員は全員完全武装で、三重のバリケードが張られ、検問体制が敷かれている。周りには装甲車が数台目を光らせ、不審者がいればすぐにでも対処出来るようになっていた。『外』に出て行く自動車も、1台1台念入りに調べているのか、検問所付近は軽い渋滞状態が起こっていた。今も、苛立ったドライバーたちの罵り声が聞こえてくる。

    556 = 549 :

    上条「何でこんな厳重に……」

    美琴「もしかしたら、私を逃がさないためかも……」

    上条「え?」

    上条が横を向く。美琴が俯き加減で喋り始めた。

    美琴「きっと、私が学園都市から逃げ出さないようにするためだわ。私はレベル5の超能力者だし、あれぐらいの対策とっても不思議じゃない……」

    上条「で、でも、あれぐらいならまだ、お前が超電磁砲でもぶっ飛ばせば、壁を破壊するぐらいは……」

    美琴「ダメよ。あれを見て」

    上条「ん?」

    美琴「あれが何だか分かる?」

    目を凝らすと、お互い50mぐらいの距離を開けて停められていたアンチスキルの装甲車の側に、大きなトラック型の車がそれぞれ1台ずつ停まっていた。見た限り、アンチスキルの黒い装甲車とはまた違うようである。

    上条「何だよあれ」

    美琴「最新式のキャパシティダウンよ」

    上条「きゃぱしてぃだうん?」

    上条は聞き慣れない言葉を耳にし、眉をひそめる。

    美琴「つい最近配備された、能力者用の対抗装置よ」

    上条「どういうことだ?」

    美琴「一種の音波を使って、能力者の演算を乱して能力をまともに使えないようにするのよ」

    上条「!」

    美琴の説明に、上条が驚きの表情を浮かべる。

    美琴「能力者が『外』に脱走しないように作られたものよ。もし、検問所の付近で能力者が能力を使おうとしても、その兆候をあの車に搭載されたレーダーが探知して、即座に能力使用を遮断する音波を流す代物。おまけに最新式で以前のバージョンより改善されてるから、たとえレベル5クラスの能力でも簡単に止められてしまうわね」

    上条「じゃ、じゃあ……お前が能力を使おうとしても……」

    美琴「ええ、無駄でしょうね。それどころか取り押さえられちゃうかも……」

    上条「そんな……」

    上条は呆然と、キャパシティダウンを積んだ車両を見つめる。
    しかし、彼は何かを思いついたようで再び美琴に顔を戻した。

    557 = 549 :

    上条「待て。何も検問所にこだわる必要は無いんじゃないか? つまりだ、検問所が無い場所まで歩いていってそこの壁を破壊すれば……」

    しかし、美琴は首を横に振る。

    美琴「あのキャパシティダウンを搭載した車はね、何も検問所だけにあるんじゃないの」

    上条「え……」

    美琴「検問所が無い場所も含めて、学園都市を円状に囲む壁の東西南北を均等に分けられた8ヶ所に2台ずつ……合計16台が設置されてるの……。もちろん、完全武装したアンチスキルの警備の下でね」

    上条「ど、どうして?」

    美琴「あの車はね、互いにリアルタイムで独特の電気信号を発し合いながら、足りない部分を埋めてるの。つまりね、あのキャパシティダウンを搭載した車は1台あたり、半径何kmにも及ぶセンサーみたいなのを備えてるの。そしてそのセンサーは、学園都市を円状に囲む壁に沿って設置されてる」

    上条「じゃあ……」

    美琴「例え検問所が無い場所を突破しようとしても無理よ。そこには、キャパシティダウンを搭載した車と車の間で交わされてるレーダーが作動してるんだから。例え車が無くても能力を使えば、すぐにそのレーダーに引っ掛かって、使用不能にされるわ」

    上条「何てことだよ」

    美琴から説明され、上条は絶望したように頭を抱える。美琴の方はただ黙っているだけだった。

    上条「それじゃあ逃げれないじゃねぇか!」

    美琴「ご、ごめん……」

    苛立ちを見せた上条がつい怒鳴ってしまったため、美琴は申し訳無さそうな顔で謝った。

    上条「あ、いや……別にお前を叱ったわけじゃない……」

    美琴「…………………」

    上条「…………………」

    気まずい空気が流れる。
    だが、すぐに上条が口を開いた。

    上条「だーもう! ここで待ってても埒があかねぇ。何かそのキャパシティダウンを突破する方法とか無いのか?」

    美琴「今は試験的に配備されてるだけだけど、多分無いと思う……」

    上条「じゃあ一体どうしたら」

    美琴「あ、待って」

    上条「?」

    そこで、何かに気付いたのか美琴が顔を上げた。

    558 = 549 :

    上条「何だ?」

    美琴「あのキャパシティダウンを搭載した車は開発されたものから、順にああやって配備されてるの」

    上条「? それで?」

    美琴「でも、あの車はどれも配備されてから間もない。……確か、まだ完成されてない車両があったはず」

    美琴は明るい顔でそう言うが、上条にはいまいちその真意が掴めない。

    上条「どういうことだ?」

    美琴「つまりはまだ、全ての車両が配備されてないってことよ」

    上条「……えーっと」

    美琴「さっき言ったでしょ? あの車は、学園都市を囲む壁を東西南北8ヶ所に均等に分けられて2台ずつ配備されてるって。でもそれはあくまで予定であって、まだ今は配備自体は完全に終了していない」

    上条「あ、ああ……。………ん? それって……」

    ようやく上条も美琴が言いたいことに気付いたようだった。

    美琴「ええ!」

    上条「キャパシティダウンがまだ配備されてない場所がまだどっかにあるってことか!」

    美琴「そういうことよ!」

    美琴が笑顔で言う。なるほど確かに、キャパシティダウンを搭載した車がまだ配備し切っていないなら、どこかにその影響を受けない『穴』があるということだ。

    上条「でも、その場所は一体どこに?」

    美琴「3日前に見たニュースだと、北、北東、北西、東、西、南東、南西部分はもう配備が終了されてるって話だった」

    上条「北に、北東、北西、東、西、南東、南西……か。となると残りは……」

    美琴「南になるわね」

    上条「南だと?」

    それを聞き、上条は昨晩コンビニで買いポケットにしまっていた地図を取り出した。学園都市全域を詳細に書いた地図だった。広げたそれを、2人は覗き込む。

    上条「ちょっと待てお前……俺たちが今いる場所は……ここだぞ」

    上条は地図の一点を指差す。

    上条「で、恐らくそのキャパシティダウンの影響を受けない『穴』の部分はこの辺り」

    言いながら、彼は地図の下の方を指で囲む。

    559 = 549 :

    上条「唯一の突破口はこの南の部分。だが俺たちは今、北にいる。真反対じゃねぇか」

    美琴「うん……そうなるかな」

    上条「………っ」

    地図を、次いで正面の検問所を順に見る上条。

    上条「その南にキャパシティダウンを搭載した車が配備されるのはいつだ?」

    美琴「分からない。でも、今はまだ配備されてないと思う……」

    上条「…………………」

    上条は地図を眺めながら考えを巡らす。
    学園都市の総面積は、東京の3分の1を占めるほどだ。端から端までならおよそ数十㎞はあるだろう。無理をすれば、1日か2日で辿り着けるだろうが、それはあくまで直線的な距離で考えた場合だ。実際の道程は学区や街などの複雑な地形で変わってくるはず。おまけに追われの身であることを考えると、普通の道を避けて通らなければならなくなることも無きにしもあらずだ。

    上条「……………」ジッ

    美琴「?」

    上条は美琴の顔を見る。
    恐らく、辛い道中になるだろう。自分1人だけで彼女を無事、学園都市の『外』まで逃がすことが出来るのか。何しろ学園都市230万全ての住民が彼女を憎み、殺意を抱いている。そんな状況で彼女と2人で追っ手から逃げ切るなど至難の業に近い。敵地からひたすら逃亡を図るといった映画があった気がするが、現実はフィクションのように都合良くはいかない。そう考えた上条は、一瞬、顔に陰りを灯した。

    美琴「どうしたの?」

    上条「………いや、大丈夫だ。……取り敢えずこの街を出るのが先だ。街を出た後は、どこか人目のつかないルートから南に向かうしかない」

    地図をポケットにしまい立ち上がると、上条は検問所とは逆の方向を見つめた。

    上条「御坂、行こう」

    美琴「………うん」

    差し出された手を掴み、美琴も立ち上がった。

    美琴「………………」

    上条「心配するな。2人でなら、きっと辿り着けるさ」

    不安そうな顔の美琴を、上条は元気付ける。

    美琴「………うん」

    美琴は僅かにだが、笑顔を浮かべた。

    上条「(とは口で言ってみたものの、正直確証は無いんだよな……)」

    これからどんなことが待ち受けているのか。それを考えると、気が遠くなるのだった。

    560 = 549 :

    黄泉川「これは……」

    郊外にあるとある倉庫。その中に、黄泉川をはじめとするアンチスキルが大勢集まっていた。彼女たちは、倉庫の奥に捨てられてあった、ある物を凝視する。

    黄泉川「どうじゃん? 見覚えがあるじゃん?」

    黒子「…………………」

    黄泉川が隣に立っていた黒子にそう聞くと、彼女は腰を屈め捨てられてあったそれを手に取った。

    黒子「ええ。間違いなく。御坂美琴の寝巻きですわね」

    振り向き、黒子は答えた。彼女の両手の中には、キャラクターものの柄が描かれたパジャマが握られていた。

    黄泉川「本当か?」

    黒子「私は彼奴のルームメイトだったのですわよ? 毎晩見ていたのだから確かなはず。この柄、このサイズ、間違いなく御坂美琴のもの……」

    そう言って黒子は、側に捨てられていたパジャマのズボンを横目で窺った。

    黒子「どうやら逃げるのに目立つので捨てたようですわね」

    黄泉川も黒子の側に座り込み、彼女からパジャマを受け取るとそれを観察するように凝視した。

    黄泉川「だが、奴に予備の服を手に入れる暇があったと思うか?」

    黒子「財布も持っていませんし、口座も使えませんからそれは難しいでしょうね。仮説としては、倉庫の中にあった作業員のツナギでも見つけた、というのも有りでしょうけど、彼奴のような子供がそんな大人の服を着れるとも思いませんし。それだと逆に目立ってしまいます。……そうですわね………」

    顎に手を添え、黒子は少し思案する。しばらくして、彼女は頭の中で導き出した推測を口にした。

    黒子「……ある程度の金を所持していた誰かが、パジャマのまま外に出られない御坂美琴の代わりに街で新しい服を買ってきた、という説はどうでしょう?」

    黄泉川「………例の目撃談に出た協力者の男のことか」

    黒子「…………………」

    2人は視線を交わす。と、その時だった。周辺の捜査に出ていた警備員の1人が報告のために戻ってきた。

    警備員「黄泉川隊長! ここより近い場所にあったゴミ箱の中に、空のコンビニ弁当と2人分のペットボトルが捨てられているのを見つけました!」

    黄泉川黒子「………!!」

    黄泉川と黒子は顔を見合わせる。

    黄泉川「なるほど。これはますます仮説の信憑性が高まってきたじゃん。……よし、早速そのゴミを証拠物件として押収。唾液を採取し、DNA鑑定に回せ」

    立ち上がった黄泉川は不適な笑みを見せる。

    黄泉川「あの御坂美琴を抱き込んだ物好きな男。その化けの皮、徹底的に剥いでやろうじゃん……っ!!」

    561 = 549 :

    終わりです。
    今日も来れるかどうかはまだ分かりません。
    ではまた次の機会に。

    562 :

    なん、だと…?

    毎回の如く生殺しじゃないか…気になるぅ!!

    564 :

    こんな深夜になんてことを…
    乙なんだよ!

    565 :

    乙!
    続きがめちゃくちゃ気になる…

    566 :

    鬼ー!悪魔ー!もっと投下してよー!!

    567 :

    みんなに嫌われる魔術があるならみんなから好かれる魔術もあるはず。
    両方を使うことによって相[ピーーー]れば問題ない。

    568 :

    でもあれだよな。みんなから好かれるってことは、使いようによっちゃ
    かなり信仰をあつめることもできるわけだし、かなり高度かつ貴重な魔術だと思われ
    美琴ひとりのためにつかえるほど簡単じゃない気が
    いってみりゃ使徒十字みたいなやつ。すくなくともだれか死ななきゃだめだろ

    569 :

    >>568
    それフラグじゃね・・・?

    570 :

    ヒロインを失いヒロインを得る

    571 :

    何げにインデックスが可愛いな

    572 :

    インさんが食事に手をつけないあたり、事態の深刻さを物語っているな

    573 :

    >>567,568
    下手な予想合戦止めようぜ。
    それが原因でずっと荒れぎみだったのもう忘れたのか?

    とりあえず>>1乙です。

    574 :

    黄泉川先生は更生させる

    みたいなキャラだったら嬉しかったな

    575 = 566 :

    みんな予想とか批判はやめようよ!俺みたいに全裸になって>>1マダー?って叫ぼうよ!全裸いいよ涼しいよ!!全裸サイコー!!そして>>1は至高ォォオオォォ!!!!

    576 :

    >>575
    スレの流れみような
    既に批判や予想はなくなってるから

    577 :

    予想じゃなくて妄想、批判じゃなくて感想だと思うけどな

    578 = 562 :

    こまけぇこたぁ(ry)

    結局、俺らは静かに待ってればいい訳よ!

    579 = 564 :

    >>578
    静かに大人しくしてると全裸だからちょっと冷えるんだ…
    >>1マダー!?

    581 = 562 :

    >>580
    やめるな

    582 :

    >>1です。
    昨日と言うか今日は深夜に来てすんませんでした。
    ではまた今から投下していきます。

    583 = 582 :

    それから数時間後。
    上条と美琴は、街の中にある大き目の公園にいた。区民の憩いの場になっているためか、公園内は綺麗に整備されていて、アスレチックなど子供たちの遊び場もたくさん提供されていた。今も、平日の午後だと言うのに、公園には学生だけでなく、親子連れ、カップルなど多くの人々が訪れていた。

    上条「あまり移動出来てないな」

    上条はベンチの上で地図を広げ嘆いた。
    彼の背後には大きな噴水があり、その周囲に沿って設置されたベンチには、公園を訪れた人々が腰掛け、会話に花を咲かせている。

    上条「思ったより警邏の警備員が多すぎる。本当にテロか暴動に備えているみたいだ」

    美琴「………………」

    上条「怪しまれて声を掛けられたらそれで終わり。奴らの目をいちいち盗んで移動していたら、いつまで経っても目的地に着けない……」

    初っ端から上手く事が進まないため苛立っているのか、上条は地図を見ながら愚痴っている。隣では、美琴が何も喋らずに、視線だけを公園の景色に向けていた。

    上条「落ち着いたらインデックスや土御門たちと連絡を取りたいけど、このご時世、公衆電話なんて滅多に見かけないからな……。何でこう上手くいかないんだよ」

    美琴「あ、あの……本当にごめんね!」

    上条「え?」

    美琴「……その……こんなことに付き合わせちゃって」

    横で聞いていた美琴が不意に口を開いた。上条は地図を下ろし、彼女を見る。

    美琴「……だって……私と一緒にいなかったら、こんな面倒なことに巻き込まれなかったから……」

    上条「やめろよ。俺はそんなこと思ってない。俺は自らの意志でここにいるんだから。自分を責めるのはよせ」

    言って、上条は再び地図に目をやる。

    584 = 582 :

    美琴「だ、だよね……。ごめん、変なこと言っちゃって。ほら、私こういうこと慣れてないから……」

    上条「………………」

    美琴「慣れてないから、どうすればいいのかよく分かんなくて……」

    明るく努めているようだが、彼女は俯いており、声も元気が無かった。

    上条「誰だって慣れるわけねぇよこんな状況」

    美琴「…………そ、そうよね。慣れるわけないわよね。って私さっきから言ってることバラバラだ、はは」

    上条「…………………」

    美琴「…………………」

    2人は同時に黙り込む。
    美琴の隣のベンチで世間話をしていた主婦たちが子供と帰るべく、席を立つ。より一層上条と美琴は静かで気まずい雰囲気に包まれた。
    新たにやって来た、女子学生2人が隣のベンチに座っても、彼らはまだ無言のままでいた。
    が、その時だった。





    「にしても白井さん、学校まで休んでアンチスキルに協力して大丈夫でしょうか?」


    「さあどうだろ? あたしたちは今日だけだったけどさ」





    上条美琴「!!!!!!!!」

    585 = 582 :

    今、隣のベンチに座った2人の女子学生からそんな会話が聞こえ、上条と美琴は思わずそちらに顔を向けた。

    初春「白井さん、倒れなきゃいいですけど」

    佐天「ま、あの人のことだから大丈夫でしょ」

    美琴「(佐天さん! 初春さん!)」

    咄嗟に美琴は顔を戻し、帽子を目深に被った。

    初春「多分白井さん、御坂美琴のことで相当責任感を負っているんだと思います」

    美琴「!!」

    初春「一番近くにいたのが白井さんですから。きっと御坂美琴を止められなかった自分に無力感を感じているんだと思います。だから、学校休んでまで黄泉川先生たちに協力してるんじゃないでしょうか」

    美琴「……………、」

    膝に伸ばした美琴の腕が震える。上条は地図をなるべく顔に近付けながら、美琴の頭越しに見える隣のベンチの佐天と初春の方を横目で窺っている。

    上条「………………」

    佐天「にしてもなかなか捕まらないね、御坂美琴」

    初春「憎まれっ子世に憚るとはこういうことですね」

    上条は音を立てないよう静かに地図を畳む。そして一瞬横の美琴に目をやると、今度は正面を向いた。

    上条「(……さて、どうするか。ここで不用意に逃げようとしたら、勘付かれる可能性があるな……)」

    美琴「………………」ブルブル

    上条「………………」

    と、その時だった。

    586 = 582 :

    「ママー!! 見てー!!」

    上条美琴「!!!???」

    佐天初春「!」

    上条から見て右隣のベンチ。1人の子供がベンチに座っていた母親らしき人物に叫んでいた。

    上条「(まずいっ)」

    突如子供が大声を上げたためか、佐天と初春がこちらに振り向こうとする。そしてそのまま振り向けば、彼女たちの視線の先には当然美琴がいるわけで、気付かれるのは必至だった。

    美琴「…………っ」

    上条「(クソッ!)」

    この間、1秒――。
    そして、佐天と初春がこちらを振り向く。





    ガバッ!!!!





    美琴「!!!!!!!!!!」

    佐天初春「「………………え」」

    587 = 582 :

    「ほらママー!! 昆虫キングのゴールドカード拾ったー!!」

    上条「…………………」

    美琴「わっ…ちょ……え……あ……や……/////////」

    「まあ汚い! すぐに捨ててらっしゃい!!」

    佐天初春「………………わぁ…」

    佐天と初春が同時に目を丸くしたのには訳があった。と言うのも、彼女たちの視線の先……つまり、右隣のベンチに座っていた若い男と女がこんな真っ昼間から大胆にも抱き合っていたからだ。

    美琴「なっ……あんた……ちょ……////////」

    明らかに動揺する美琴に、上条は彼女の耳元で「静かに」と呟く。

    佐天「すっご……」

    初春「ぬふぇぬふぇ」

    上条が咄嗟に考えた策は、美琴を抱き締めることだった。そうすることによって、佐天と初春には彼女の背中しか見えない。これなら、気付かれる可能性も低いと判断し、彼は賭けに出たのだった。

    美琴「(あわわわわわわわわわわわわ//////////)」

    上条「(ごめん御坂)」

    上条はこのままやり過ごそうとするが、今時の女子中学生2人は滅多に見れないものを間近で見ているためか、なかなか視線を外そうとしてくれない。寧ろ、じっくりと観察しているようだった。

    上条「(チッ……面倒くせぇな)」

    上条が佐天と初春に顔を向ける。

    佐天初春「!」

    上条「おら、何見てんだよ!! 見せもんじゃねぇぞ!!!」

    588 = 582 :

    佐天初春「「あ、ご、ごめんなさい!!」」

    怒鳴られ、2人は慌てて顔を戻した。
    しかし………

    佐天初春「………………」

    それでも興味が尽かないのか、彼女たちはちゃっかりと横目でまだ見てきた。

    上条「(あああああああ面倒くせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!)」
    上条「おい御坂、ここから去るぞ。なるべく彼女たちに顔を見せないように立て」ボソボソ

    美琴「え?////// あ、わ、分かった……」

    上条が美琴の耳元で小声で呟く。そして、2人は同時に立ち上がった。

    佐天初春「あ」

    上条「ここにいてもゆっくり出来ないからあっち行って続きしようぜ、マイハニーちゃん♪」

    佐天と初春に背中を見せながら、美琴は黙ったまま頷く。

    上条「こっちだ」ボソッ

    そのまま上条は美琴の肩に腕を回し、2人は身体をくっつけながら歩き始めた。

    佐天初春「………………」

    上条「(頼む……。気付いてくれるな……。ここで気付かれたら一巻の終わりだ……)」ドキドキドキドキ

    美琴「……………////////」ドキドキドキドキ

    背後に2人分の視線を感じながら、上条は冷や汗を流す。

    佐天初春「……………………」

    重い足取りでようやく上条と美琴はその場から離れることに成功した。佐天と初春は、ずっと2人の背中をまじまじと見つめていた。

    589 = 582 :

    美琴「バカぁ!!!///////」



    パァン!!!



    上条「ぷおっ!!」

    上条の右頬に美琴の渾身の平手が食らわされた。

    美琴「きゅ、急に何してんのよあんたは!!!////// お、驚かせないでよ!!!//////」

    上条「い、いやごめんって。あの時はあれしか策が思いつかなかったんだ」

    顔を真っ赤にして怒る美琴に、頬を撫でながら言い訳をする上条。彼らは今、公園の出口近くのトイレの裏にいた。

    美琴「そ、それにしたって……も、もっとマシな策があ…あったでしょ!!!//////」

    上条「無事気付かれずに済んだんだからそれでいいじゃねぇか」

    美琴「そ、そうだけど……へ、変なこと考えてないでしょうねあんた!?//////」

    上条「はあ!? ん、んな訳ねーだろ!!」

    美琴「ホントに?」ジロリ

    上条「うっ……(いやでも確かに女の子なんて抱き締めたの初めてだし……何か全体的に柔らかい感触だったなぁ……。良い匂いもしたし)」

    美琴「……っ」ギロリ!!

    上条「ひっ」

    美琴「変態」

    上条「………………」タラー

    美琴「ふん」

    590 = 574 :

    ありがとうございます
    ありがとうございます

    591 = 582 :

    上条「で、でも万事OKだったじゃねぇか。あそこで気付かれたらヤバかった」

    美琴「………ま、そうだけど……」

    美琴の顔が曇る。
    彼女にとってもあそこで佐天と初春に会うのは想定外だったようで、改めて現実を思い知らされた形になってしまった。

    上条「あの2人、お前の友達なのか?」

    美琴「………友達  だ  っ  た  の  。佐天さんと初春さんって言う子」

    上条「そうか……」

    美琴「どうせ、もういいわよ。前みたいに一緒に遊べるわけじゃなし……」

    上条「御坂……(また強がって……)」

    美琴「終わったことはどうでもいいわ。それで、これからどうするの?」

    上条「行くしかないだろ」

    美琴「………そうね」

    2人は公園の出口を見る。
    ゴールはまだ、遠かった――。

    592 = 582 :

    アンチスキル・黄泉川部隊本部――。

    黒子「DNA鑑定は出ましたの?」

    黄泉川「いや、まだじゃん」

    トレーラー型の装甲車の中に設けられた臨時の司令部。そこに、黄泉川や複数の警備員たちがいた。そんな中、1人学生の身分である黒子は、デスクで出されたお茶を飲みながら黄泉川に訊ねた。

    黒子「一刻でも早く御坂美琴を見つけないと気が済みませんの。出来うるなら科学部隊の方に伝えてくれません? 早くしてくれ、と」

    黄泉川「そう焦るな。焦ったら捕まえられる犯人も逃してしまう」

    黒子「でも……っ!」

    黄泉川「本来ならこれは我々アンチスキルの仕事じゃん。お前は“奴”に詳しいから学生顧問として協力してもらってる。何か不満でもあるじゃん?」

    黒子は苦虫を噛み潰したような顔をする。

    黄泉川「奴を捕まえるのは私に任せろ。何があっても、アンチスキルの誇りにかけて御坂美琴を捕まえる。お前はとにかく冷静になるじゃん」

    黒子「………………」ブツブツブツブツ…

    そうアドバイスした黄泉川だったが、黒子は俯いてブツブツと唱えていて聞いていなかった。

    黄泉川「………………」

    そんな黒子を横目で窺い、黄泉川は手元にあった資料を眺めた。そこには、美琴の写真と共に『殺害優先』という文字が添えられていた。

    黄泉川「(ふん、御坂美琴……今まで幾人もの極悪犯罪者を捕まえてきた私の手から逃れられるとでも思っているのか? ならお前に、現実を知らしめてやるじゃん)」

    黄泉川は、この状況を面白がるように笑みを浮かべた。

    593 :

    それにしてもこの黄泉川、鬼畜である

    594 = 582 :

    学生たちが下校のためにパラパラと街に現れ始める頃、上条と美琴は今までいた学区の端の方まで来ていた。

    上条「このまま街を抜けて郊外を突っ切って、次の学区に行こう」

    上条は後ろを振り返り言う。

    上条「ん? あれ? 御坂?」

    背後にいたはずの美琴がいない。

    上条「おい、御坂!?」

    上条は、焦るように辺りを見回す。

    上条「あ、あんな所に……」

    すぐに美琴は見つかったが、彼女は上条から後方10m辺りをトボトボと歩いていた。
    急いで上条は美琴の元に駆け寄る。

    上条「何やってんだよお前。見失ったら大変だろうが」

    美琴「………………」

    が、彼女は顔を上げようとしない。

    上条「とにかく、このまま街を抜けて郊外を突っ切ろう。夜までには次の学区に行けるだろう」

    そう言って上条が前に向き直した時だった。

    美琴「………やだ」

    上条「は?」

    上条は思わず振り返る。

    595 = 582 :

    美琴「………………やだ」

    美琴が呟く。

    美琴「………やだ」

    上条「お前何言って……」

    美琴「疲れた」

    上条「え?」

    美琴「疲れたの! もう歩けないの!」

    上条「な……ぁ!?」

    美琴「もうクタクタ……。朝からずっと歩きっぱなしなんだもん……」

    まるで親に拗ねる子供のように美琴は愚痴を吐く。

    上条「それは、仕方ないだろ?」

    美琴「仕方なくない!! あっちの道に行ったらアンチスキルがいるから遠回り。こっちの道へ行ってもアンチスキルがいるから遠回り。そんなんばっかりで全然進めてないし、もう疲れたの!!」

    上条「お前、自分の置かれている状況ぐらい分かるだろ? 俺たちは一刻でも早く先に行かなきゃならねぇんだ」

    美琴「やだ! 休みたい!!」

    上条「おい、わがまま言ってんじゃねぇよ!!」

    美琴「………!」

    上条「!」

    少し苛立ちを覚えた上条が怒鳴ってしまったためか、美琴は驚くように彼の顔を凝視した。

    596 = 582 :

    美琴「………」ウルッ

    美琴の目が涙目になる。

    上条「………いや、だから……とにかく今は急がなきゃならないんだよ。そこだけは分かってくれよ……」

    美琴「………ごめんなさい」

    上条「………………」

    元気を無くした美琴が謝る。そんな彼女を上条は気まずそうに片目で窺う。

    美琴「…………でも、もう歩けないのは本当なの。足が……棒みたいになっちゃって………」

    上条「(参ったな)」

    上条は地図を広げる。

    上条「………あ」

    美琴「?」

    上条「こっから先、500mぐらい行ったところにモーテルがある。そこで、休んでくか?」

    美琴「……! うん!!」パァァ

    美琴の顔が明るくなった。

    上条「(やれやれ……)」

    美琴「さ、早く行こうよ!!」

    上条の裾をグイグイ引っ張る美琴。

    上条「あ、ああ………」

    そんな彼女を見て上条は胸中で溜息を吐く。

    上条「(御坂の奴、まるで幼児退行してるみたいだな……。まあ色々あったから仕方ねぇけど。先が思いやられるな……)」

    それからしばらくして、2人は郊外のモーテルに辿り着いた。

    597 = 582 :

    今日はここまでです。
    多分明日も来れるかな?
    では本日はこれで。

    599 = 572 :


    さすが上条さんモテる男は違うな

    600 :

    乙!
    厳しい状況ながら、しっかりいちゃいちゃしているから顔が2828ww


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