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元スレ佐天「時を止める能力……」
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時止めで棒立ちの相手に攻撃って優しい性格ならけっこう覚悟必要だな
>>1まだかな
PiPiPiPi
佐天「ん?誰からだろう……『もしもし?』」
土御門『あー土御門だにゃーそっちがオリアナと一緒にいたって事について聞きたくて』
佐天「は、はぁ……あまり悪そうな人には見えなかったんですけども……」
土御門『●●学校で先ほど急病人が出たって事は知ってるかにゃー?』
佐天「は、はぁ……一応(それ、以上は……)」
土御門『──オリアナの迎撃魔術に触れた所為だにゃー』
土御門『いいか、良く聞くんだ』
土御門『オリアナも自分なりの正義を持っている。悪気があるとかないとか、そういう次元じゃないんだにゃー』
佐天「…………」
土御門『オリアナだって出来る限り一般人は巻き込まないようにする筈だが、それでも限界はある』
土御門『だからといって邪魔をする一般人を傷つけないとは限らない、分かるよな?』
佐天「……はい」
土御門『……それで、オリアナは何処に居るのか分かるかにゃー?』
佐天「それは──」
────
土御門『成る程、事情は分かった』
土御門『色々思うことがあるかも知れないけど、当初の通り俺達からの連絡を待つにゃー』
佐天「はい……分かりました」
土御門『──辛いだろうけど、気を確かにな。──じゃっ……』ピッ
佐天「はぁ……お姉さんの正義か……」
佐天「でも、さっきのお姉さんの顔は──」
佐天「(本当に目的のためなら一般人を傷つけることを厭わないのかな?)」
佐天「確かめたい、電光掲示板を見ていた“あの”お姉さんが本当に悪い人なのか」
佐天「すこし、休憩してからお姉さんを探そう」
──喫茶店にて──
佐天「でも、確かめるったって見つけることできるのかしら…」
佐天「当麻さん達が必死に探しても見つからないのに、あたしがどうすれば」
佐天「結局のところ、あたしが足を棒にして捜すしかない訳ね」
佐天「よしっ!行こう!!会って、本当にお姉さんが悪いことしようとしているのか確かめなきゃ」
佐天「ってうん?」PiPiPi
佐天「はい?どなたですか?」
土御門『土御門、だにゃー……オリアナと、ちょっとした戦闘があった……』
土御門『それで、まぁ……オリアナには逃げられた形にはなるが……』
佐天「戦闘?大丈夫なんですか?(声が随分と弱弱しい……)」
土御門『はは、大丈夫だにゃー……。それで、オリアナは佐天さんの居る学区の方に向かっているにゃー』
土御門『ステイルや、カミやんも向かっているが……佐天さんも適当に探してくれないか……』
土御門『オリアナはまだ佐天さんを一般人だと思い込んでるにゃー、会ったら時間を少しでも稼いでくれ……』
佐天「はい、分かりました……といってもこの学区はちょっと広いんですけど」
土御門『無理に探さなくていいにゃー、あくまでオリアナと出会ったら時間を稼ぐ、でいいにゃー』
佐天「そうですか、わかりました。出来る限りのことはしますね」
土御門『危なくなったら、もしオリアナが単語帳のようなモノを口に咥えたら逃げるにゃー』
土御門『魔術を使って攻撃してくることはまず無いだろうが、一応注意だけは頼む』
土御門『それじゃ、切るにゃー。気を付けてくれ』ピッ
佐天「さて、と。お姉さんを探すにしてもこんな喫茶店にいちゃしょうがないよね」
佐天「少し、歩きながら探してみますか」
─────・・・
佐天「っと、結構な時間お姉さんを探してるけど──」キョロキョロ
佐天「大覇星祭期間中だし、やっぱり凄い人の多さだなぁ」キョロキョロ
佐天「って……アレは──」
──道路を挟んだ向こう側の歩道にオリアナ=トムソンは歩いていた。
すこし焦っているようにも見え、その所為で若干周囲から浮いていた。
佐天「お姉さん!!見つけた……、とりあえず向こう側に行かなきゃ!!」ダッ
佐天「っと、お姉さんは何処行ったのかな……」キョロキョロ
佐天「いた!少し先の路地裏に入ったわね──」
オリアナ「(カンザキカオリか、聖人対策を練るためにちょっとゆっくり考える場所が必要ね)」スタスタ
オリアナ「(基本的には、聖人並のスピードが必要よね)」ブツブツ
オリアナ「……(勝つというのは何も敵を葬るだけじゃないわけだし、逃げ切れることさえできれば──)」
──ドン!
??「きゃっ」
オリアナ「!!!!」
オリアナ「(追手!?いや……ただの通行人ね)」
オリアナと衝突した身長一三十五センチ程度のチアガール服を着た少女は
その衝撃で後ろを歩いていた黒髪の少女にぶつかった。
──バシャッ!!っとチアガール服を着ていた少女が持っていたジュースが黒髪の少女の胸元に降り注いだ。
「……小萌先生、よくもやってくれた」
「ご、ごめんなさいなのですよ!!でも先生もびしょ濡れだからおあいこなのです!」
「あ、そっちの人は大丈夫なのですか?」
オリアナ「ええ、お姉さんは平気よ。それより、そちらの方のほうが心配かな?」ニコッ
オリアナ「そのまま表通りを歩くには少し扇情的な格好よ?」
「あぁっ!姫神ちゃんが濡れ濡れの透け透けになっているのです!」
「小萌先生も。胸の辺りが尖ってるけど」
「なっ!!見ちゃダメなのです!!」ババッ
オリアナ「(さて、と……そろそろ先に行かないと──)」
オリアナは黒髪の少女の胸元にあるモノを見てしまった。
それはジュースを浴びてピンク地に緑色のリボンで飾り付けられた少女の下着ではなく、その横の
オリアナ「(なっ!!!英国側の魔術師!?しかもそんな!!)」
オリアナ「(『歩く教会』!?あの禁書目録の保護に使われているモノと同じ霊装を携えてるなんて──)」
オリアナ「(この怪物は──!!)」バッ
黒髪の少女の十字架を見て、その重要度を知った瞬間、オリアナの手は動いていた。
細い金属の輪に束ねられた単語帳の一部を口に運び。
一気に引きちぎる。
そして、その表面に流れるような筆記体で文字が浮かび上がり──。
────────────
S o i l _ S y m b o l
────────────
佐天「はぁはぁ、やっぱお姉さん歩くの早すぎって──」
──黒髪の少女に炸裂した。
佐天涙子の目の前で、黒髪の少女が爆ぜるように倒れていった。
一瞬で路地裏は血の海になる。
佐天「なん、で……お姉さん……?」
オリアナ「!!お嬢ちゃん──っ!?」ダッ
佐天「待って!!どういうことか──説明してくれないんですか?」
オリアナ「っ!!そんな暇ないの!!」タッタッタ
佐天「──ない……──るさない!!」
佐天「許さない!!許されない!!オリアナ=トムソン!!!!」
佐天「魔術とか、そんな事以前に──!!人間として──許すわけにはいけない!!」
佐天「オリアナ=トムソン、聞こえていますか?
人の命で遊ぶような真似をするなんて……。
──絶対に許さない!!」
佐天「その魔術の計画ごと絶対に!!あたしが直接止めてやるッ!!」
────・・・・・・
上条「こ、これは……る、涙子ちゃん!?」
小萌「か、上条ちゃぁぁん!!」
ステイル「こ、れは……」
上条「な、なぁ……あそこに倒れてるのって──」
上条「なんで姫神が?……先生、涙子ちゃんここで何が」
小萌「わ、わからないんです、ここで先生は女の人とぶつかって……」
小萌「ごめんなさいっって謝って、その女の人は笑って許してくれたと思ったんですけど──」
小萌「姫神ちゃんを見て怖い顔になって──それで、いきなり姫神ちゃんに──!!」
上条「なんで……どうして姫神が」
ステイル「アレだろう、その子の『歩く教会』だ」
ステイル「……随分と舐めた真似をしてくれるね、十中八九この子を追手の魔術師、それもかなりの手練と勘違いして攻撃したんだろう」
上条「間違えて……?そんな事……」
佐天「──すいません、当麻さんステイルさん」
ステイル「うん?どうした?状況的に君が思い悩むことは──」
佐天「この人をお願いできますか?私の能力じゃ『生命活動をも静止』させちゃうかもしれませんし」
佐天「あたしはオリアナを追います、では……」ダッ
ステイル「!?待つんだ!!危険すぎ──」
佐天涙子は走っていた、ただオリアナ=トムソンを追って。
オリアナ=トムソンが何処へ行ったのか分からない、しかしそんな事はどうでも良かった。
佐天「(オリアナ=トムソン!!絶対に──絶対に止めてみせる!!)」
佐天「(あたしが甘かった、あたしがオリアナの名前を聞いたときに当麻さん達に連絡しておけば)」
佐天「(そうすれば、あの女の人は──!!)」
佐天涙子は走っていた。しかし、がむしゃらには走っていない。
金色の髪の毛をした人を一人も見逃さずに、観察しながら走っていたが──。
オリアナの姿は無く……。
ただ時間だけが過ぎていく。
佐天「くっ!!あの人も違う……あの人も……、一体何処に!!」
──午後5時半──
佐天「ぜっ……ハァハァ……違う……オリアナじゃない…」
佐天「くっ、もうこんな時間……オリアナは何処に──」
PiPiPiPi
佐天「土御門さん?──いや、非通知?『はい、もしもし』」
??『こんばんは、土御門から番号を聞いた。佐天涙子さん』
??『私は──そうだな、今は名乗るほどのものではない、ただ土御門達は君に情報を連絡するのを渋っていたようなのでね』
佐天「??どういうことですか?あたしがオリアナを追っているのを知っているんですか?」
??『ふふ、そうさ。そう、オリアナ=トムソンは今第二三学区のとある場所にいる』
佐天「その情報を簡単に信じるとでも?」
??『ふふ、そうだね君は冷静で頭が良いのだな。しかし当ても無く探すつもりか?』
佐天「……、貴方が本当のことを言っているという証拠はあるのですか?」
??『そうだな、第二三学区の鉄身航空技術研究所付属実験空港の敷地に行けばあるさ』
佐天「そうですか、つまり今すぐに出せる証拠なんて無いって事ですよね?」
??『冷静に分析するのはいいが、考えてばかりでは何も始まりはしない』
??『冷静とは言ったが沈着とは言えないな。ここでどうすべきなのかは明白だろう?』
??『──なぜなら私は答えを言っているのだから』
──第二三学区を佐天涙子は走っていた。
佐天「くっ……腑に落ちないけど行動しなきゃ意味が無いわよね!!」タッタッタ
佐天「『鉄身航空技術研究所付属実験空港』ここね──」
佐天「フェンスに挟まってる紙、あれは……」
佐天「罠よね、でも──右手で罠自体を止めれば問題ない」ピッ
フェンスの先、距離はおよそ五百メートル強。
小さな滑走路を挟んだ向かいの建物の壁に寄りかかっている金髪の女が見えた。
佐天涙子が来たのが意外だったのか、フェンスに手をかけた瞬間に何かをしようと思ったのだろうか、少しあわてていたが
佐天涙子が『平然』とフェンスをよじ登ったのを見て、悟ったのだろう。
──あぁ、自分を止めに着た敵なのか、と。
佐天「……見つけた」
距離が遠い。30秒ほど時間をスローにしても近づくには遠すぎる距離。
──だが
佐天「近づかないことには、オリアナを止められないわよ、ねっ!!」ダッ
オリアナ「(……お馬鹿さん!!)」バッ
オリアナは単語帳の一つを噛み千切ると
ドッ!!という轟音と共に巨大な火の玉が真っ直ぐこちらに向かってくる。
──しかし、佐天涙子は怯んだりはしなかった。
佐天「こんなもの!!邪魔よっ!!」
佐天涙子の右手で巨大な火の玉を受け止めるとピタリと火の玉は静止した。
──カチリ
佐天「!?──なっ!!」
最初からあったのか、それとも火の玉に隠してたのか
佐天涙子の足元に単語帳の一つが落ちている。
それは淡い光を帯びて──爆発した。
佐天「ぐっ!!(右手でっ!!)」
佐天「(爆発の規模は分からない、時間を止めて避けても衝撃波でやられるかも知れない──なら!!)」
佐天「(単語帳を中心とした半径数十センチの空間の静止!!間に合え)」
オリアナ「唖然ってカンジね──どんな超能力を使ったのかしら」
オリアナ「でも、本当にお馬鹿さん……!!あの爆発はお嬢ちゃんの気を失わせる程度の威力しかなかったのに」
オリアナ「用意してある魔術で一番弱いのはもう、ない。ここからはお姉さん少し本気よ?」
佐天「上等ッ!!範囲指定の空間静止はどうやら成功したようね!!」
オリアナまでの距離はおよそ三五〇。
佐天「直ぐに貴女の幻想を止めてやるから、覚悟しなさい!!」
オリアナ「うふふ、女の子同士でヤりあうのも面白いわね!!てっきりあの聖人が来るのかと思ったけどね!!」
オリアナ「止められるのなら止めて見せなさい!!」
出社時間キタァァァ。
ということで今回はここまで。稚拙な地の文が多くて申し訳ないー。
次回は土日のどっちかに。
ということで今回はここまで。稚拙な地の文が多くて申し訳ないー。
次回は土日のどっちかに。
>>1おつ
時間を止められる佐天さん・・・周りが止まっても佐天さんの時間が進んでいくということは・・・
人より老けるのが早いと言うことか!なんてこった!
人より老けるのが早いと言うことか!なんてこった!
オリアナまでの距離は三五〇──まだ遠い。
佐天「(時間を遅くして近づくにしても、最低でも一五〇メートル前後まで近づかないとダメ)」
佐天「それでもっ!!前進するしかないわよね!!」ダッ
オリアナ「うふふ、緩急を付けて攻めるなんてお嬢ちゃんテクニシャンね!!」ブチッ
オリアナが単語帳を口に運び噛み千切った枚数は3枚。
真っ直ぐに佐天涙子を目掛けて飛ぶバスケットボール大の氷の塊が一つ。
視界の端から彼女を引き裂こうとする風の刃が一つ。
──そして地面を這う影の刃が一つ。
三種三様の魔術による攻撃が佐天涙子に襲い掛かる。
佐天「三つ!!少し多いけど──対応できないほどの数じゃない!!」
佐天「(右手で氷を止めて、後は時間を遅くして避ければ、いい!!)」バッ
オリアナ「うふふお嬢ちゃんの能力が少し分かった気がするわ」
オリアナ「(第一候補としては……この能力であって欲しいというお姉さんの願望だけど、身体能力向上系かな)」ピッ
オリアナは単語帳の一つを噛み千切ると、野球の球ほどの炎の玉が佐天涙子を目掛けて真っ直ぐ飛んでいく。
佐天涙子はそれを右手で静止させると、炎の玉は役目を終えたかのごとく音も無く消えた。
オリアナ「炎の玉を消したところを見るとあの坊やを思い出すけれど、ちょっと違うわね」
オリアナ「炎の玉が消える直前に静止していた。やっぱりあの右手は──」ゾクッ
オリアナ「『時間の神クロノス』の力を持つ右手ってトコロかしら……うふふ、うふふふ……」
オリアナ「聖人なんか目じゃないわね……だってあのお嬢ちゃんは神の力を持っているのようふふふ、けど!!」ブチッ
不敵な笑みを浮かべるオリアナが単語帳から引きちぎった枚数は9枚。
佐天涙子を倒そうと様々な角度から魔術による攻撃が迫る。
佐天「!?これは避けきれない……ッ!!──なら!!!」
佐天「範囲指定の時間静止!!対象は『あたしの周囲』半径1メートル!!」ビタッ
9つの魔術による様々な攻撃は、佐天涙子の半径1メートルに到着すると音も無く静止し、消えた。
佐天「……、はぁはぁ、能力の連続使用は体力が……でも!!」
佐天「お姉さんの魔術の攻撃は防げた」
佐天「御坂さんの超電磁砲なんかは静止させたところで消えないんだろうけど……」
佐天「どうやら魔術は静止させると消えちゃうみたいね」
オリアナ「どうやらその“右手”の力は完全じゃないようね、うふふ」
オリアナ「完全に神の力を行使できるならお姉さんなんてとっくに殺されてるもの」
オリアナ「なら、勝機は必ずあるわ」
──距離は後二百。
佐天「ここからならあたしの声が聞こえるでしょう!!お姉さん、一つ質問があります!!」
オリアナ「何かしら?あまりプライベートな質問はお姉さん答えかねるんだけど、うふふ」
佐天「一つ、たった一つです!どうして関係の無い人を巻き込んだんですか!!質問はそれだけです」
佐天「目的のために関係の無い人を傷つけても構わないのがお姉さんの正義なんですか!!」
オリアナ「お姉さんだって傷つけたくて傷つけてるわけじゃないわよ!!」
オリアナ「お姉さんの正義ねぇ……。お嬢ちゃんこの世の中にどれだけの数の主義主張信仰思想善悪好悪があると思う?」
オリアナ「答えはね、いっぱいなの。全世界の人類の数だけあるといってもいいわ」
オリアナ「ねぇお嬢ちゃん、想像もつかない出来事なんてね、いっぱいあるのよ。
例えば迷子の女の子を教会に預けたらその子はイギリス清教から逃げてきた子で髪を掴まれて処刑塔に引きずられていったとか」
オリアナ「そういう落とし穴がいっぱいあるのが世の中ってやつなの」
オリアナ「困ってる人が居ても、行動しても結果その人を傷つけるだけなんて、お姉さんはどうしたらいいのかしらね」
オリアナ「おかしいと思わない?隣人を愛する人々が、その実、隣に立つ人すら守れずにいるだなんて」
オリアナ「だからお姉さんは求めるのよ、お姉さんの上に立つ誰かに」
オリアナ「──この世界に散らばる主義主張を上手に支配してくださいって」
オリアナ「それがお姉さんの、オリアナ=トムソンの正義なのよ」
佐天「そんなの、そんなのただの詭弁じゃないですか!!お姉さんは間違ってる!」
佐天「そんなので関係の無い人が傷ついてもいい理由になんてならない!!そんな幻想あたしが止めてみせる!!」
──距離は一五〇メートル。オリアナ=トムソンに届く距離まで来た。
佐天「そんな幻想、止めてあげます。今すぐに!!」
佐天「(時間遅延の射程距離範囲!!今だ!!)」ダッ
時間を遅くし、全力でオリアナ=トムソンに駆け出す佐天涙子。
15秒ほど全力疾走し、オリアナとの距離は数十メートルまで来た。
佐天「一気に!!オリアナまで届くまで時間を遅くッ!!」
一気に距離をつめ、オリアナ=トムソンに手を伸ばす──
佐天「──これでお姉さんを静止させて終わりよっ!!」
オリアナ「ざぁんねぇーん!!お嬢ちゃんの手はバレバレよ♪」ヒュッ
右手でオリアナに掴みかかろうとした瞬間、時間が遅れているのにもかかわらず
──オリアナは佐天涙子と同じ速度で動いていた。
オリアナ「本来は!!お嬢ちゃん用じゃないんだけど、例のカンザキカオリ対策の魔法を用意してて良かったわ!!」バキッ
佐天「うぐっ……、がっ……は……」
時間が遅れている中であるにも関わらず、目にも留まらぬ速度の蹴りを佐天涙子の腹部に放つ。
──冗談みたいな衝撃。佐天涙子は十数メートル弧を描き吹っ飛ぶ。
オリアナ「あらあら?一発で終わりかしら?お姉さんはまだまだイケるわよ?」
オリアナ「一人だけで満足するなんてダメよ、ちゃんと相手も満足させなきゃ」
佐天「……、ぐぅ……(どうして……あの時間の遅さの中……)」
オリアナ「うふふ、不思議かしら?あなたのその右手の力はとても凄いとは思うわ──でもね」
オリアナ「まだ未完成、まだまだ未熟な蕾なのよ……。時間を遅くするのも甘い、とぉっても甘いわ」
オリアナ「そう、このお姉さんの聖人対策用の速度強化の魔術で追いつける程度にね!!」
佐天「そ、そん……な……」
オリアナ「うふふ、お嬢ちゃんの相手はお姉さん一人だけだろうけどね、お姉さんは後3人かもうプラス一人相手にしなきゃいけないからね」
オリアナ「悪いんだけどお嬢ちゃんはここで寝ててちょうだいね♪」スタスタ
佐天「……(そんな……また……?また負けるの?嫌……!!もう負けて何も出来ないのは──嫌!!)」
オリアナまで後数十センチまで迫った。
あともう少しだった。
──もうすこし、もう少しだったんだ。
佐天「待ちな……さいよ……。待ちなさい!!オリアナ=トムソン!!」
立っているのも辛い、目がかすんでオリアナの姿がぼやける。
オリアナに蹴られた箇所を触ると激痛が走る。どうやら肋骨が数本折れているようだ。
激痛に身を任せ倒れてしまいたかった。
負けて、負けて楽になりたかった。
でも、絶対に負けたくない。
負けて、また何も出来ずに惨めな気持ちになるのは絶対に嫌だった。
佐天「待ちなさいよ……待ちなさい!!まだ勝負はついてないわ!!」
オリアナ「!?……、お嬢ちゃんそこで寝ていてって聞こえなかったのかしら?」
オリアナ「お嬢ちゃんがそこで寝て居てくればお姉さんは殺しはしないわ」
佐天「それでも!!負けられないのよ!!」
オリアナ「時間を遅くしてもね、お姉さんには届きやしないの!!どうして分からないの!!」
佐天「……」ダッ
オリアナ「お馬鹿さん!!ホントに──!!」
佐天「な、にも……時間を遅くするだけじゃないんだから……」
──佐天涙子の右手がオリアナ=トムソンに届く。
佐天「これで……止まる……。お姉さんの計画も……お姉さん、も」バタッ
──それから
オリアナ=トムソンを止めた後すぐに当麻さんたちが来て、静止したオリアナとあたしを見つけたそうだ。
オリアナは直ぐに当麻さんの右手で時間静止を解き、計画の全貌を話させたそうで──。
佐天「しかし、『使徒十字』かぁ……、そんなものを使おうとしてたんだ」
佐天「でも、結果的に止めることが出来たんだねぇよかったよかった」
トントン
佐天「はーい、どうぞー?」
ステイル「失礼するよ、佐天涙子さん」
佐天「あ、ステイルさん……、まだ学園都市にいらしたんですね」
ステイル「そうだねもう帰国する予定なんだが君に挨拶をしておこうと思ってね」
佐天「あー別にいいのに、あたしが勝手に行動しただけなんで──」
ステイル「いや、結果オリアナを捕まえることが出来た。ありがとう」
佐天「うーなんだかお礼を言われると恥ずかしいな……」
ステイル「それに、今回の件で少々うちのボスが君に少し興味を持ったようなんでね」
佐天「え?」
ステイル「また近いうちに会うことになるかもしれないね、じゃ」バタン
コンコン
佐天「ど、どうぞー……」
医者「どうしたんだい?どうやら随分と元気がないようだけれど」
佐天「いや、ちょっと肩透かしというか……」
医者「そうかい、まぁ暫くは安静にしていることだね?何せ肋骨4本に折れた肋骨が肺に穴を開けていたんだからね」
医者「怪我に関してはこんな所だけど何か質問はあるかな?」
佐天「えーっとあたしの事じゃないんですけれど、ここに運び込まれた長い黒髪の女の人が来たと思うんですけど」
佐天「どう、なりましたか?」
医者「僕を誰だと思っているんだい?酷い怪我だったけれど安心していい、応急手当がよくてね命に別条は無いさ」
佐天「……、よかったぁ~」
医者「あっちのほうは大丈夫さ直ぐに退院できるさ、じゃっ僕は他の患者を見てくるから安静にね?」
こうしてあたしの大覇星祭は幕を閉じた。
──次に学園都市に降りかかる未曾有の大混乱が幕を開けることを知らずに。
勝ったッ!!第三部完!!
佐天涙子の暫定的能力解説。
時間遅延→40秒くらい可
時間静止→5秒ほど可
範囲指定の時間静止
指定できる所は佐天涙子を中心として5メートル程度まで。
時間静止の壁にぶつかった魔法は基本的に当たったとみなされて消える。
しかし、御坂美琴の超電磁砲のような物質的な攻撃はただ止まるだけで、範囲指定の時間静止を解いたら動き出す。
何かと矛盾点あるかと思いますが細けぇ事は以下略。
次回から神の右席編始まる(?)よ!しかし次回の投下は未定ッ!
佐天涙子の暫定的能力解説。
時間遅延→40秒くらい可
時間静止→5秒ほど可
範囲指定の時間静止
指定できる所は佐天涙子を中心として5メートル程度まで。
時間静止の壁にぶつかった魔法は基本的に当たったとみなされて消える。
しかし、御坂美琴の超電磁砲のような物質的な攻撃はただ止まるだけで、範囲指定の時間静止を解いたら動き出す。
何かと矛盾点あるかと思いますが細けぇ事は以下略。
次回から神の右席編始まる(?)よ!しかし次回の投下は未定ッ!
もうポルポルを階段から引きずり降ろした辺りのDIO様に追いついたのか
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