私的良スレ書庫
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元スレ佐天「時を止める能力……」
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明日とか言いつつかなり久しぶりです、ヘタレ作者です。
身内の不幸で実家へ帰省し、そのまま年越しとなりまして、報告ができずに申し訳ありませんでした。
身内の不幸で実家へ帰省し、そのまま年越しとなりまして、報告ができずに申し訳ありませんでした。
途中送信orz
今から書き溜めをしてくるので今日の深夜くらいに投下いたします。
今から書き溜めをしてくるので今日の深夜くらいに投下いたします。
きょうはじめてよんだけどものすごい期待してます!
頑張ってください!!
頑張ってください!!
佐天「で、具体的にあたしは何をすればいいんですか?」
フロリス「佐天さんにはしばらくはレッサーと一緒に行動してもらいます」
レッサー「えー!?一人で十分だぜー?」
佐天「酷いこと言わないでくださいよぉーレッサーちゃん」ワキワキ
レッサー「わかった!分かりましたからくすぐるのだけはやめてー!」
フロリス「具体的な作戦なんですけれども──」
キャーリサ「それは私から説明するし」
フロリス「キャーリサ様!?」
キャーリサ「……(計画については私から説明するからお前たちは席をはずせ)」
キャーリサ「……(佐天涙子にはカーテナ=オリジナルの事は言うな)」
フロリス「!!……、分かりました。私達は席をはずしますね」
フロリス「行きますよレッサー」
レッサー「あ、あぁ……」
キャーリサ「それで今回の作戦の前に、涙子ちゃんには少し辛い情報が入った」
佐天「辛い情報……?何ですか?」
キャーリサ「先ほど母上と姉上と妹との会合があったのだが」
キャーリサ「どうやら学園都市から禁書目録とその保護者である上条当麻を使うらしい」
佐天「当麻さん!?」
キャーリサ「禁書目録についてはユーロトンネルの調査に行くようだがそっちの男は違うようだし」
キャーリサ「先手を取られた」
佐天「先手……?」
キャーリサ「フランス側に、さ」
キャーリサ「【新たなる光】は全員北欧系の魔術を使う。そこを逆手に取られたわけだし」
佐天「すいません、魔術については詳しくないんで……」
キャーリサ「──、今日飛行機がハイジャックされたんだけども」
キャーリサ「どうやらそのハイジャック犯人が北欧系の魔術の痕跡を残した」
佐天「つ、つまり……?」
キャーリサ「つまり、その北欧系魔術を使った“出所”がイギリスのスコットランド地方でね」
キャーリサ「北欧系魔術を扱う魔術師はイギリスに沢山居るが、出所からして“新たなる光”へ辿り着く可能性が高い」
キャーリサ「うっとーしー事に母上達はまず国内の魔術結社の排除をご所望だし」
佐天「って事は……」
キャーリサ「秘密裏に動こうと思っていた新たなる光のメンバーは清教派から追われる事になる」
キャーリサ「上条当麻は新たなる光を追うために行動するそうだし」
佐天「そう……ですか……」
キャーリサ「辛ければ……この城で待っていてもいーし」
キャーリサ「だが、私達はイギリスの為に動く。新たなる光もそうだし」
佐天「だ、大丈夫です!!あたし……やります」
キャーリサ「清教派の奴らの行動も理解できないわけじゃない」
キャーリサ「でもこのままフランスと戦争すれば甚大な被害がでるの」
キャーリサ「私から言いたいことはもう無い。後は涙子ちゃんに任せるし」
◆
『新たなる光』の二人、レッサーと佐天涙子は場末の酒場にいた。
ロンドン北部にある酒場なのだが、10代の少女である二人は浮いていた。
そんな二人はカウンターでオレンジジュースを飲んでいた。
レッサーの足元には古ぼけた四角い鞄が置いてある。
レッサーは魚のフライに夢中になっていると、佐天涙子が話しかける。
佐天「それでですけど、あの四角い鞄を持って所定の位置まで行けば良いんですよね」
レッサー「ふごふご……、そー。所定の位置に持っていった後は指示待ちだな──」
レッサー「ぶっ!!ちょっ、ちょっ!!ちょっと待って!!」
佐天「はい?どうかしました?」
佐天「って、ちょっ!!鞄が──鞄が二つ!?」
お互いの特徴がほとんど同じ、見分けが付かない四角い鞄が二つ。
隣のおじさんがビールをぐびぐび飲んでいるが、きっとこの鞄は彼のものだろう。
レッサー「(やっべー、やばいやばいやばいやばい)」
レッサー「涙子、どっちが私達のものか分かる?」
佐天「…………」
レッサー「(うおおおお、予想以上にやばい……)」
鞄の中には霊装である『大船の鞄』が入っているが、こんな所で発動するわけにも行かない。
佐天涙子の左手で触ってしまえば霊装が壊れてしまうだろう。
もしこんな所で霊装発動してしまえば必要悪の教会に見つかってしまうだろう。
そうなってしまえば計画が崩れかねない。
レッサー「(そうだ……多分右にある鞄が私の鞄だ、そうだそうに決まって──)」
──ゴトリ、と音を立てて3つ目の見た目ソックリな鞄が手元に舞い込んだ。
レッサー「(もうだめだ……どれが……どれがあああああ)」
「ぜっ、全員動くなァァあああああああああああああああああ」
◆
オリアナ「連絡が入ったわ。ヤツらの一人がヘマしたみたい!!」
上条「何だ!?必要悪の教会からか?」
オリアナ「いえ、今のは王室派から干渉を受けているロンドン市警よ」
オリアナ「何か近くの酒場でトラブった馬鹿がいるようね」
上条「ここから近いのか?」
オリアナ「もう着くわ!」
オープンカーに乗っている二人は視界に変なものを捕らえる。
煉瓦の歩道を突っ走っている小柄な女の子が一人。
突っ走っているだけでも少々目を引くものがあるのだが、もっとも目を引くものがある
槍。
小柄な少女がビジネスマンのように肩と頬に挟んでいる。
上条「何だぁ?ありゃ」
オリアナ「恐らく何らかの霊装でしょうね」
オリアナ「全く、魔術師というのは自分が変な格好をしているって自覚がないのかしら?」
上条「………(突っ込まないでおこう)」
オリアナは胸元から単語帳のようなものを取り出し、二枚引きちぎる。
一枚は『人払い』
もう一枚は
ボゴッ、という爆炎が歩道で炸裂した。
辺りのシャッターや窓がビリビリと震え、夜の闇が赤く照らし出される。
上条「おいおい、やりすぎじゃないのか?」
オリアナ「いいえ、むしろまずそうよ」
叫び返しながらオリアナは転がるように車から降りていく。
首をひねる上条当麻だったが──
レッサー「文句は無いですよね?」
先ほどの少女が顔と頬に挟んでいた槍の先端を車に突きつけていた。
槍は車を貫通し上条当麻をも突き刺そうと──
上条「オッ、ォォォォォォォオオオオオオオ!!」
咄嗟に上条当麻は車を飛ぶようにして下車する。
上条当麻がその中で見ていたのは、大事そうに抱えている四角い鞄。
上条「おいオリアナ、何だかよくわからんがあの四角い鞄が最重要アイテムらしい」
上条「女の子をぶっ飛ばすとか気が進まなかったんだが、あの四角い鞄を集中砲火でボコボコにしよう」
オリアナ「そうね。あれが霊装の一種というのなら貴方の右手で殴ってみるというのも面白そうね」
レッサー「よっ、よくぞこの短時間で私の弱点を見破りましたねっ!!」
レッサー「しかしここでやられる訳にはいかないのです!!」
レッサー「ここは戦略的撤退をさせていただきましょう」
上条「俺たち二人から逃げられるとでも?」
オリアナ「だとしたらお姉さんも随分舐められたものね」
オリアナ「『新たなる光』のメンバーの他の“三人”の居場所と目的を吐いてもらおうかしら」
レッサー「………、ふっ──」チラ
レッサー「新たなる光が、私を含めて“4人”というのは少々情報が古いですね」
上条「あぁ?人数が増えようが減ろうがどうでもいいだろ」
オリアナ「5人だろうが6人だろうがお嬢ちゃんに吐いてもらえば済むことよ」
レッサー「ふ、ふふ……。確かに魔術師が増えたところで専門家の貴方達を撒くことは出来ないかもしれませんね」
上条「何……?」
レッサー「ねぇ?────佐天涙子ちゃん」
先ほどオリアナが放ったレッサーを攻撃しようとした爆炎が
炎の動きがおかしい。
あれはまるで──
──止まっているようじゃ
佐天「お久しぶりですね、当麻さんとお姉さん」
上条「う、嘘だろ……?どうして──」
オリアナ「なっ……お嬢ちゃんがどうしてイギリスに──」
佐天「二人がイギリスの為に動いているだなんて幻想を抱いているのなら」
佐天「そんな幻想、あたしがここで止めてあげます!!」
◆
佐天「レッサーちゃんは男の方を頼みます」
レッサー「オッケー、向こうの二人とは知り合い?」
佐天「はい、男のほうは右手に『幻想殺し』という異能の力を打ち消す能力を有してます」
レッサー「……、じゃ女のほうは任せたよ」
オリアナ「作戦会議は終わりかしら?」
佐天「えぇ、まぁ」
オリアナ「お姉さん吃驚しちゃったわ、どうして貴方がここにいるか聞いてもいいかしら?」
佐天「お姉さん達と一緒ですよ」
オリアナ「ふぅん……それで、お姉さんと戦おうというの?その、“右手”で」
佐天「いえ、右手で戦いませんよ。今は“左手”です」
佐天「ですが、時を遅くしたり止めたりはしません」
佐天「当麻さんのサポートになってしまいますからね」
オリアナ「そう……」ブチッ
単語帳から引きちぎった枚数は5枚。
多種多様な魔術による攻撃が佐天涙子を襲うが
佐天「……(範囲指定の時止め)」
佐天涙子に当たる直前に全て消える。
オリアナ「ふふ、相変わらずねお嬢ちゃんは」
オリアナ「メチャクチャな力。あっちの坊やもそうだけれども」
オリアナ「あの日からお嬢ちゃんにまた相対したときの為に実は対策を取っていたのよ」
佐天「スピードで勝負しようということですか?」
佐天「これは決して驕りではないですけれども、無駄だと思います」
オリアナ「ふふ、言ってくれるわね──」ブチッ
オリアナが単語帳の一枚を引きちぎると
バスケットボール大ほどの炎の球が出現し、佐天涙子目掛け飛んでいく。
佐天「……?こんなの一つでどうしようと言うんですか」サッ
佐天涙子は炎の球を左手でガードし────
オリアナ「ばぁーん」カチャ
オリアナ「本当は魔術でケリを付けたいところだけども、ちょっと骨が折れそうだからね」
オリアナ「貴方が左手でガードする隙に、足に目掛けて拳銃を撃って……それでオシマイよ」
オリアナ「さて、あっちの坊やは大丈夫かし──」
「その程度で、勝った気にならないでくださいよ」
オリアナ「うそっ……手でガードする暇なんて無かったはずなのに」
佐天涙子はオリアナの目の前に立っていた。
先ほどと変わらぬ姿で──
一つだけ、おかしいところが一つだけあった。
オリアナ「ど、どうして銃弾が────」
佐天「別に、あたしが止められるのは魔術や物体だけじゃありませんよ──」
佐天「見えませんか?“止まった空気”が見えませんか?」
オリアナ「なっ────」
オリアナは単語帳を引きちぎろうとしたが──
佐天「遅い!!」ピト
走っていた。
佐天涙子は走っていた。
レッサーは何処へ行ったのかは戦闘の後を見れば一目瞭然といったところか。
道なりに建物や、街頭が破壊されていれば佐天涙子でもレッサー達を追うのは簡単だ。
雑居ビル、だろうか
町並みの戦闘の跡はここで途切れている。
佐天「ここにレッサーちゃん達がいるのね」タッ
オリアナ「全く、試合にも勝負にも負けたって感じね」ダッ
煉瓦造りの洒落た建物の中に典型的な業務用のスチールデスクや業務用コピー機がある。
階段をのぼっていると、話し声が聞こえた。
レッサー「……目的は達成したけど、試合に負けたのも事実」
レッサー「こんなつまらない結果で、同盟を組んでいる貴方達やフォワードに迷惑をかけるのもアレですし──」
レッサー「受け入れましょう、口封じするなら今がベストです」
窓の外に広がる風景の一点がチカッっと光るのを見た。
咄嗟に前に出て、レッサーを突き飛ばそうとしたが、レッサーの後ろにあった窓が粉々に砕け散り
そして真っ赤な鮮血が噴出した。
佐天「レッサーちゃん!!」
オリアナ「馬鹿ッ!!伏せなさい!!」
佐天「きゃぁっ!!」
佐天涙子の頭上スレスレを何かが通過する。
それは30センチほどの棒に、その半分まで流線型の鏃をつけたような特殊な飛翔体だった。
オリアナ「こ、これは……『ロビンフッド』……」
レッサー「ふ、ふふ……涙子ちゃんを……騙していたのが心残りでしたけど……」
佐天「レッサーちゃん!!しっかりしてよ!!どうして……どうして……」
レッサー「……私達が輸送していたのは、カーテナ=オリジナル……」
佐天涙子へ向けているのか、にっこりと血まみれの顔に笑みを浮かべながら。
◆
騎士団長「──届きました」
キャーリサ「なるほど」
騎士団長「電子、魔術の双方の通信を傍受した限り……『清教派』の連中は新たなる光が王女を暗殺することで」
騎士団長「イギリス全土に仕掛けられた対ヨーロッパ用の大規模攻撃術式を自動発動させようとしている、と勘違いしていたようです」
キャーリサ「ふん。そんな胡散臭い伝説など実在しないというのに」
騎士団長「そこまでの高威力の魔術が用意できるならもっと簡単に交渉を進められたでしょうし」
騎士団長「なにより容易に民を死なせないための『計画』ですからね」
キャーリサ「ふん。このカーテナ=オリジナルさえあればもう計画は完了したといってもいーし」
騎士団長「──、これは報告すべきか迷いましたが」
キャーリサ「何だ?」
騎士団長「佐天涙子を狙撃し、殺害することに失敗したようです」
騎士団長「そして目の前で新たなる光の一人レッサーを狙撃されたのを目撃したようです」
騎士団長「恐らく彼女は今度、私達の敵となって向かってくるでしょう」
キャーリサ「ふん。どうせ計画が終わったら殺すつもりだったし」
キャーリサ「あの程度の小娘程度なんの障害にもならん」
キャーリサ「イギリス全土に潜ませた『騎士派』の全軍に伝えよ」
「侵攻を開始せよ。
王を選ぶ剣、カーテナ=オリジナルはわが手中にあり。
これより英国の国家元首はこの私、キャーリサが務める。
平和主義の『前女王』と共にイギリスを腐らせたくない者は、自らの意思で立ち上がるといい。
新たなる英国の軌道に必要な分だけ地均しを行い、必要な分だけ破壊を行え、とな」
今回はここで一旦区切ります。
明日投下すると言ったのにもかかわらず長い間放置して本当に申し訳ありませんでした。
次回から早めに投下してこのスレ内で完結しないと新約が出ちゃいそうなんで頑張ります。
明日投下すると言ったのにもかかわらず長い間放置して本当に申し訳ありませんでした。
次回から早めに投下してこのスレ内で完結しないと新約が出ちゃいそうなんで頑張ります。
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