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元スレ上条「恋人って具体的に何すんだ?」 五和「さ、さぁ...」
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五和が可愛すぎて生きるのが辛い
巨乳&大人しくまじめ&家庭的とか最強すぎる
巨乳&大人しくまじめ&家庭的とか最強すぎる
>>252
待て
待て
>>253
んだよこのスレねーちん派居ないっぽいから貰うんだよ
んだよこのスレねーちん派居ないっぽいから貰うんだよ
語彙豊富で表現豊かだし、つい読み入ってしまう。
自分もこんな上手な文章書きたいな
自分もこんな上手な文章書きたいな
>ヴェントとかねーちんとかシェリー
このチョイスができる書き手はよく訓練された書き手だ
このチョイスができる書き手はよく訓練された書き手だ
いつも感想ありがとうございます。
魔術サイドはまだまだ供給が少ない感じがありますね。
基本的に学園都市外の連中だからやっぱり書きにくいんですよね…。
ところで明日って鯖落ちしたりするんですかね。
あ、今日も投下させてください
魔術サイドはまだまだ供給が少ない感じがありますね。
基本的に学園都市外の連中だからやっぱり書きにくいんですよね…。
ところで明日って鯖落ちしたりするんですかね。
あ、今日も投下させてください
―――――
「上条さん、朝ですよ。起きてください、学校に遅刻しちゃいますよ?」
五和から年上のお姉さんのような優しい声で理想的な台詞が投げかけられ、上条の意識は現実へと回帰した。
今が朝で、起きなければならない時間だということはかろうじて分かる。
だが寝不足と疲れで痛む頭のせいでうまく体が動かず、「うーん…」と唸ってゴロリと声とは逆の方向に体を向けた。
もう少しだけ、あと五分でいいから寝たい。
そう伝えるのも億劫な程の眠気を感じながら、背中越しにまだ起きたくないのだと態度で表してみる。
すると
「起きてくれないと…――しちゃいますよ…」
最後の方はあまりにも小さな声だったのでよく聞こえなかったが、それはとても恥ずかしそうな声だった。
一体何をされてしまうんだろうと少しだけ眠気が消えていく。
五和は常識人だからそんな酷いことはされないだろう。きっと可愛らしくデコピンでもしてくれるんじゃないだろうかと
淡い期待をしつつ、上条は布団をかぶりなおして起床を拒否する。
「ほ、ほんとに…するんですからね…」
五和の細くしなやかな指先が優しく布団の裾を掴んでゆっくりとめくり上げた。
ギュッと目を閉じて眠ったフリをする。
心臓が内側から誰かにノックされるように脈打っている。
五和が両手を伸ばし、浴槽内に手突いて顔を近づけてきた。
(こ…これはもしかして…!)
アレですか?アレなのですか!?
五和の呼吸は少し荒い。彼女も緊張しているのだろう。
だがその音が聴こえないくらい、自分の拍動がやかましく音を鳴らしていた。
数瞬。
ドサリと顔の上にもっさりとした感触。
「きゃっ!」
五和の小さな悲鳴。
意外と毛深い。そっと毛玉に手を添える上条。
温かな体温。ざらつく毛髪。
そこはかとなく漂う獣臭は二人の理性が飛んだ証だろうか。
「ってんなわけあるかぁあああああっっ!!」
そう叫んだ瞬間だった。
バリバリッという効果音が頭の中に鳴り響いた。
体を起こすと膝の上に「ニャッ!」っと転がり落ちた猫。我が家の愛猫スフィンクスである。
遅れてやってくる激痛。どうやら叫んだときに思い切りひっかかれたようだ。
加害者たる彼は上条に興味を無くしたのか、こちらをチラッと一瞥して再び主であるインデックスが待つリビングへと戻っていった。
残された五和は目を丸くしていたが、すぐにその綺麗な肌が青ざめていった。
「た、大変!すぐ消毒しないと!」
遅れて数秒、五和もバタバタとリビングに戻って救急箱を持ってすぐ帰ってきた。
ひりひりとするその傷を抑えながら、上条は思いがけぬ制裁を加えてくれた五和を恨めしげに見つめる。
「いてぇ…。まさか五和にこんな残酷極まりない起こされ方をされるとは夢にも思ってませんでしたよ?」
消毒薬をガーゼに染み込ませてペタペタしてくれている彼女に拗ねたようにそう告げる。
すると、五和は手を顔の前で横に振って全力でそれを否定した。
「ち、違いますっ!猫ちゃんが突然入ってきて…私は…その、もっと別の起こし方をしようと…」
涙目になる五和。
どうやらスフィンクスが勝手に入ってきて勝手に顔の上に乗って勝手に引っかいてくれたらしい。
沸々とやり場のない怒りが湧いてくるも、五和に濡れ衣を着せてしまったことが後ろめたい。
「そうだったのか。ま、もともと最初に起きなかった俺が悪いし、疑ってごめんな」
「いえ、分かってもらえたならいいんです」
「…で、どんな起こし方する予定だったの?」
「っ! そ、それは…」
視線をあちこちに彷徨わせながら言葉に詰まっている五和。
その様子を見ていて、上条の中にあるわずかな嗜虐心に火が点いた。
「それは?上条さんに正直に話してごらんなさい」
「え、えと…言わなくちゃ駄目なんですか…?」
「駄目ですとも。ええ駄目ですとも。五和さんがどんな悪いことをしようとしていたのか話してくれなきゃ許してあげません」
「わ、悪いことなんてそんな…。上条さんいじわるです…」
(うぉぉおおおおおおッ!五和、お前には悪いが最高に可愛いぞその視線ッ!)
涙目に上目遣い、恨めしげな視線と少し拗ねたような言葉が加わり、その余りの破壊力に上条は心の中で小躍りしていた。
そんな可愛い表情が見れただけでスフィンクスに引っかかれた甲斐があったとすら言える。
すっかりご機嫌に戻った上条は、五和の頭にポンポンと掌を乗せて笑顔を浮かべた。
「悪い悪い、冗談だよ。今日も起こしてくれてありがとな五和」
「あ…はい、そんなことくらい…いくらでも…」
なんだか朝から良い雰囲気だ。
狭苦しいユニットバスの中だというのに、二人きりの空間だと思えばその息苦しさがむしろ心地よい。
無言で消毒を終えて、少しだけ照れくさい雰囲気の中二人は見つめあって薄く微笑みあった。
「消毒ありがとな。じゃあ目も覚めたところで着替えるとしますかね」
そう呟きながら立ち上がる。
そのとき、「あっ」という五和の言葉を上条は聞き逃していた。
彼女が何を見てしまったのか、それに気付くのはたっぷり10秒もの時間が経ってからのことである。
五和はババッと勢いよく俯き、チラチラと上条のその部分に視線を送りながら顔を赤らめていた。
「ん?どした五和?」
「ひゃぁっ!な、なんでも…!」
その視線の先を追って辿り着いた先は脚の付け根付近。
男の朝である。
つまりは、生理現象によってそそり立つジュニアがそこにいるわけで。
柔らかいジャージ生地を押し上げる愚息が、五和の眼前に突き出されてしまったわけで。
「ぎゃぁぁあああああっっ! ち、違うんです! わたくし上条当麻は紳士であって女性の目の前にこんなものを
突きつける趣味があるわけじゃないんですのことよっ!」
「わ、分かってますから! 男の人がそういう風になってしまうっていうのは分かってますからっ!
これ制服です!シャツはアイロンかけてありますからねっ! そ、それではまたあとでっ!」
二人して朝からバタバタと大声をあげて、五和はハンガーにかけられた上条の制服をバスタブ内に放り込んで
顔を両手で覆ったまま出て行った。
昨日に引き続き恥ずかしいところを見られてしまったと、上条は残されたバスルーム内で大きなため息をついて
身支度に取り掛かることにした。
―――――
「とうまっ!いつまで寝てるの?!もう朝ごはんはとっくに出来てるんだよ!」
開口一番。インデックスのぷりぷりと怒った声がワンルームに響き渡る。
いつもの制服姿に着替え、髪を整え浴室から出ると、インデックスが五和のピンクのエプロンを着けて腰に手を当て仁王立ちしていた。
手にはおたまなんぞを持って、まるで自分が朝ごはんを作ったとでも言わんばかりのドヤ顔だ。
「今日のおみそしるはインデックス特製なんだから、心して食べるといいんだよっ!」
満面の笑顔で、天変地異の前触れのような言葉を口にした。
その後ろでは白いニットにスカート姿の五和が微笑ましい笑顔でインデックスを見ている。
上条は思わずこんな言葉を零した。
「誰だお前は」
「まだ寝ぼけてるのとうま?インデックスはインデックスなんだよ」
いつもなら朝のこの時間はお祈りかテレビかスフィンクスじゃないかと付け加える。
「ふふん、とうまにはそろそろ私の本気を見せてあげなくちゃいけないと思っただけ。
少しは私のこと見直したかな?」
「この子朝五時に起きて作り始めたんですよ?一生懸命作ってたんだから、残しちゃ駄目ですからね」
くすくすと笑みを零す五和。
「よ、余計なことは言わなくていいかもっ!ちょっと早く目が覚めちゃっただけなんだもん!」
昨日のお掃除お手伝い事件から一夜明けて、今度はお味噌汁事件が発生していた。
何だというのだこのお手伝いレベルの上がり方は。
呆然と立ち尽くす上条に呆れたようにため息をついて、彼女はあろうことか五和と共に朝食をテーブルに配膳し始めたではないか。
ゴシゴシと目蓋をこする上条。
先ほどスフィンクスにひっかかれた傷に学ランの袖口が当たって痛い。
腕をどけても眼前の光景には変わりなく、3人分の豪華な朝食が並んでいた。
「生きててよかった…」
席について天井を仰いでほろりと涙を零す。
こんな感動を味わうことができるなんてと上条はしみじみ思った。
全員席についたところで手を合わせ「いただきます」をして食事を開始する。
本日のメニューは卵焼き、納豆、海苔とほうれんそうのおひたし、そしてインデックス手製の味噌汁だ。
卵焼きとおひたしは五和作らしく、見た目、味共に申し分無い完璧な出来栄え。
やがて上条は本日の主役である味噌汁のお椀を手に取り、一口啜ってみる。
「ど、どうかな?」
自分の食事の手も止めて、インデックスが不安げに尋ねてくる。
上条は笑顔を浮かべ、迷わず答えた。
「うまいよ。よく頑張ったな」
正直塩辛いし、具材の豆腐の大きさもバラバラだ。
だがそんなことは些細なことであり、そもそもはじめから上手くいくはずなんてないのだ。
インデックスが早朝に起きて食事の支度をしようなどと思いついてくれたことが嬉しかった。
「えへへ…」
「よかったですね。朝から頑張った甲斐がありましたね」
「う、うん。明日も、がんばろうかな…」
彼女の頭を撫でてやりながら、五和と笑みを交し合う。
昨日からやけに幸せに見舞われているなと上条は思った。
それがまるで何かの前触れであるかのように思えて、素直に喜べない自分の不幸体質が恨めしい。
そもそも現在は敵に命を狙われている最中であり、そんな状況下でこのような微笑ましい光景を目の当たりに出来たこと自体が奇跡なのだ。
24時間気を張っているわけにもいかないので、こうした何気ない日常が無駄な緊張を取り払ってくれることには感謝しなければいけないだろう。
「ごちそうさま。よし、んじゃ片付けて学校行くか」
「とうま、片付けは私たちがやっておくから、たまには早く学校に行くといいんだよ」
「え?いや何から何までお前らに任せちまうわけにはいかねえだろ」
「とうま、あの小さなキッチンで三人で片づけをするなんてできっこないんだよ」
「そりゃまあそうだけど…」
やけに張り切っているインデックス。褒められて伸びるタイプの子だったようだ。
インデックスにいつも口うるさく手伝えと言っている手前、今度は自分が何もしない側なのが後ろめたい。
「この子の言うとおりです。ここは私たちに任せてください」
「そうか?そこまで言うなら…」
たまにはいいかとお言葉に甘えることにした。
いそいそと食器を流しに運んでいくインデックスを横目に、歯磨きをして鞄を携え、玄関口で靴を穿いていると
背中に五和の声が掛けられた。
「今日はお昼で終わりですよね?お昼ごはん何か食べたいものありますか?」
本日は土曜日。授業は午前で終わりということで、昼食は家で摂ることになる。
「うーん、別にこれといってリクエストは無いけど…。
あ、そういや夏終わりに安くなってて大量買いしたそうめんがまだ残ってたはずだから消費しちまうか」
「分かりました。ではいってらっしゃい」
「ん、いってきます」
笑顔で挨拶を交わして家を出る。
まるで新婚夫婦のような会話だなと思い、となるとインデックスは二人の子供かというところまで考えたところで、
自分は何を想像してるんだと慌てて首を振ってその妄想を吹き飛ばした。
不幸な少年、上条当麻に似つかわしくない日常風景に、普段意識しないようなことまで考えてしまう。
そんな平和な朝だった。
―――――
少女、五和は洗濯機の前で戸惑っていた。
その手に握られているのは昨日彼が半日着ていたTシャツ。
先ほどからそれを両手で広げて見つめたままかれこれ10分は微動だにできずにいた。
彼が登校しに部屋を出てからすぐ、洗濯をしようと洗濯籠に手を突っ込んだところ、何故かそれがやけに目に付いたのだ。
赤いスポーティなデザインのTシャツを眺める五和の顔は仄かに紅潮している。
現在お手伝いに目覚めた愛らしいシスターは部屋の隅っこの埃取りに夢中でこちらの様子に気付く様子は無い。
(…上条さんのTシャツ…だ、だめですっ! 何考えてるの私っ! …そんな変態みたいなこと…でも…)
ゴクリと唾を飲み込む。
昨日一日で彼と結構距離が縮まった気がして、五和は悶々としていた。
昨夜は彼の勘違いで一緒の布団で寝るように誘ったと思われてしまい、恥ずかしい思いをした。
人のことは全く言えない奥手な五和としては、かなり積極的にアピールしないと何も気付いてくれないことはよく分かっていた。
自分で慣れないことをしているものだから段々と妙な気分になってきている。
それが今朝の行動にも顕著に現れていた。
(あのとき、起きてたのかな…?)
今朝、彼の寝顔を見ていて感極まって零れてしまった言葉が思い起こされる。
『起きてくれないと…キスしちゃいますよ…』
カァッと顔が熱くなっていく。
無防備な彼の寝顔が悪いのだと自分を納得させようと試みるが、上手くいかなかった。
もしかしたら彼は、あのとき起きていたのではないだろうかと不安がこみ上げてくる。
変な子だと思われていないだろうか。
軽い女だと思われていたら死にたくなる。
彼の部屋での生活に、自分はどうやらひどく舞い上がっているようだった。
彼の過ごす空間に入り込み、彼が入るお風呂に入って、彼が眠るベッド(実際はインデックス用だが)で眠った。
そう考えるだけで、体が熱を帯びて耐え難いほどに鼓動は加速する。
だから、目の前にあるTシャツに欲望を向けてしまう。
震える唇。力の篭る指先。五和は目蓋をギュッと閉じてそれにゆっくりと鼻先を近づけていった。
(ちょ、ちょっとだけ…。ほんのちょっとだけなら…いいですよね)
誰にともなく言い訳をして鼻から息を吸い込む。
彼の良い匂いがした。洗剤と、石鹸と、そしてわずかな汗の香り。
背徳感で背中がゾクゾクと震え、足はガクガクと小刻みに揺れる。
そして同時に自己嫌悪。
こんなことをしにここまで来たんじゃないのに、自分は一体何をやっているんだろうと涙が溢れそうになった。
もう一度Tシャツを顔に押し付けたまま深呼吸をする。
肺一杯に溢れる彼の匂いに、心地よさで頭がクラクラとする。
彼に抱きしめられたら、きっとこんな感じなのだろうなと妄想が頭の中を幾度と無く駆け巡った。
「いつわー。拭き掃除は終わったんだよー」
「うひゃぁぁあっ!」
その声と共にこちらに近づいてくる足音に、すぐさまTシャツから顔を離して勢いよく洗濯機に放り込む。
次の瞬間、インデックスが無垢な笑顔でこちらにぴょこりと顔を出した。
チクリと胸が痛む。そんな純真そうな顔を見せられたら、まるで自分がとても汚い人間であるように思えてならなかった。
冷や汗を流し、顔が真っ赤なまま、五和は薄く笑顔を浮かべて彼女を褒めてやる。
「どうしたのいつわ?」
「な、なんでもありませんよ。ご苦労様です。洗濯機が終わるまで特にすることは無いので少しゆっくりしましょうか」
「わかった。たまにはスフィンクスを洗ってあげようかな」
パタパタと去っていく背中が可愛らしい。
ふと部屋の時計を見ると時刻はまだ朝の九時前。彼が帰ってくるまでまだ四時間近くもある。
しかし五和は昨日もそうだが、こうして彼の帰りを待つ時間は嫌いではなかった。
心地の良い心臓のドキドキを抱えて、部屋の扉を開けて彼が帰ってきてくれたとき、
その嬉しさは待った時間に比例して跳ね上がるものだと思うから。
無論、予定していた時間から大幅に遅れたりすると心配で取り乱したりもしそうになるが、
約束の時刻を決めて待ち人を焦がれるのは、そんなに悪いものではない。
(…旦那さんの帰りを待つお嫁さんの気分みたい…なんて)
彼が夫で自分が妻。インデックスが娘。
そんな風に昨日の夕食あたりから妄想を働かせていたことは誰にも内緒だ。
今日もあと約四時間。
トクトクと優しい鼓動を刻む心臓を抱えて、五和は想い人の帰りを粛々と待ち焦がれるのだった。
―――――
そんなこんなで本日の授業は終了。
どことなく級友達の視線は冷たかったが、これといって特に語るべきこともなく、平和な日常を謳歌するようにいつも通りの学校生活を終え、
上条は同じ寮のしかも隣の部屋に住む土御門と共に家路を歩いていた。
本来ならば急いで家に帰って昼食を作り、ごろごろするインデックスを尻目に片付けや洗濯、掃除をしなくてはいけないのだが、
五和とお手伝いレベル絶賛上昇中のインデックスがほとんど終わらせてくれているので、自分の仕事はあまり残ってはいないだろう。
そう思うと自然に足取りも軽やかになり、普段通り過ぎるだけの通学路の景色も華やいで見えてくる。
本当に五和さまさまだなと思いながら、のんびりと秋の風を感じる余裕すら心に生まれてきていた。
「で、カミやん五和とはどうなんだにゃー?」
「あ?どうって何が?」
「にゃー。とぼけるんじゃねえぜい。年頃の男女が一つ屋根の下にいて何も無かったなんてことないだろうよ。
着替え見ちゃったり手握っちゃったりの嬉し恥ずかしイベントがあったはずだにゃー」
「んなことあるわけねえだろ」
ニヤニヤと口元に笑みを滲ませながら、土御門のサングラスがキラリと秋の日差しに反射する。
五和のおっぱいに掌を押し付けてしまうハプニングはあったが、それは不可抗力だし話すようなことでもない。
まあ良い感じの雰囲気になることは何度かあったし、五和がいてくれると気分が落ち着くし良いことが起こるような気もしているが、
話してしまうとなんとなく効果が薄れそうだったので胸のうちに留めておくことにした。
「え、ないの?」
「ないって。大体五和は俺の護衛で来てくれてるんだぞ?
そんなもんを期待するのは五和に悪いだろ」
そうだ。
いくら五和が家庭的で優しくて気が利く癒し系常識人の美少女だからといって、それに甘えてしまうのはよくない。
すっかり五和の好意にもたれかかってしまったが、やはり自分のことは自分でしっかりやらなくてはと上条はぐっと拳を握って改めて決意した。
ちょっとこの五和貰っていっていい?
可愛すぎて俺の股間が唯閃しそう
可愛すぎて俺の股間が唯閃しそう
「は、護衛?」
どういうわけか土御門が訊き返してくる。アックアという前例があるのだから、そんなに驚くようなことでもないだろうに。
「なんだ、お前知らなかったのか?また『神の右席』の連中が来るかもしれねえらしいぞ」
「な、なんだと!?」
土御門は驚き、眉間に皴を寄せる。
『必要悪の教会』から学園都市暗部までを行き来するエージェントたる土御門が知らないということは、
余程の極秘情報だったのだろうか。
しかし、現在『天草式十字凄教』は『イギリス清教』の傘下にいる組織のはずだ。
一応上層組織である『イギリス清教』の土御門が知らないということは、これは天草式による独自行動ということになるが。
そんなことあるのか?と疑問が浮かぶが、敵の情報の真偽が定かでないから天草式に仕事が回ってきたと考えれば
まあ納得できないこともない。
上条はそんな風に考えながら、一応彼に説明をしてやることにした。
「えーと、なんつったっけ。下方の…ヤミテタ?そんな名前の奴らしいぞ。
次から次へとご苦労なこった。こんないたいけな高校生の命を狙わなきゃいけないくらい連中は暇なんですかねぇ」
「ヤミ…テタ?……あー、なるほどにゃー」
何かに納得したように掌をポンと打つ土御門。
すぐにその口元には再び笑みが滲んだ。
「そうかそういうことなんだにゃー。くくっ、カミやんも大変だにゃー」
ぽんぽんと肩を叩き、人事のような笑顔でそう言う。
一応命を狙われてるんだからもう少し深刻な顔しろよとツッコミながらも、
来るかどうか分からないのに肩肘張っても仕方ねえかと自己完結した。
>>278
俺の嫁だ
俺の嫁だ
「まったくだ。上条さんの平穏な日常はいつになったら戻ってくるんだかね」
「いやー、そいつは恐ろしい奴ですたい。カミやんの命だけじゃなく色々と狙ってくるからにゃー」
「色々?なんだよ」
「そうだにゃー。例えば下半身とか?」
土御門が上条の股間を指差してとんでもないことを言ってのけた。
「なにぃっ!?敵は男じゃねえのか!?もしかして綺麗な巨乳の管理人さん系年上美人が次の刺客なのか!?
うむぅ、確かにヴェントは年上だし姉属性だったがエロスが足りなかった。
となると今度はどんな組織にも一人はいらっしゃるはずのお色気お姉様だというわけかぁぁああっ!」
余計な妄想が膨らむ膨らむ。
テッラは論外として、アックアのような屈強な男は敵ながらに男としてカッコイイとは思うが華は無い。
ついでにあれに襲われるシーンが未だに夢に出てくるのも勘弁願いたかった。
どうせ襲われるならオリアナやヴェントのような相手の方が後々思い返したときに精神的ダメージは少ないというものだ。
巨乳のお姉様魔術師にいやらしく攻め立てられるのはなかなか悪くないかもしれない。
だが土御門は、そんな上条の幻想をあっさりとブチ殺してくれた。
「いいや、ヤミテタは男だぜい」
「くそっ!な、なんでわかるんだよ」
「勘」
「勘で俺の幻想をブチ壊すんじゃねえっ!っつかじゃあなんで俺の下半身が狙われるんだ!
アレか!?アレなのか!?上条さんは敵がいくらいい男でもホイホイ着いてったりはしないんですよ!?」
学生寮の入り口で自分の想像上の敵を相手にのた打ち回る上条。
アックアのような頑強で筋骨隆々とした大男にサバ折りされる図が思い浮かんだ。
「にゃー。まあそのうち分かるぜよ。しかし、ねーちんがどうでるのか楽しみだにゃー」
「何で神裂?まさか敵はまた聖人なのか?」
まるで聖人のバーゲンセールだぜと呟いてみる。
だが相変わらず土御門の様子にはシリアスさの欠片も無く、むしろこの状況を楽しんでいるようにさえ見えた。
エレベータに乗り込み、首を傾げると、彼はひらひらと手を振ってくつくつと笑った。
「いやいやこっちの話。とにかく五和とは仲良くやるんだにゃー。CG回収イベントが発生したらオレも呼んでくれい。
ベランダからでもすぐ覗きに行くからにゃー」
自室のある7階にたどり着き、廊下を歩きながら軽口を叩く土御門。
人事だと思って呑気なものだ。
そんなサービスイベントが発生してしまったらインデックスに噛みつかれる身にもなってほしいと言うのに。
「んなもんあるわけねえっつの」
部屋の前に辿り着き、土御門は隣で自室の扉のノブを握っている。
上条もそれにならって自分の部屋のノブを回して扉を開けた。
「いくら上条さんでも毎度毎度そんな目には……」
扉を開ければ、当然そこに広がるのは部屋の景色である。
「目には…」
「カミやん?どうした?」
なんということのない1Kの室内。だが今日は、いつもと違う箇所が一点だけあった。
どういうわけか。
―――裸の五和がそこにいた。
「い…つわさん…?」
「か、上条さんっ…!?」
シャワーでも浴びたのか、仄かに上気した肌から湯気が立ち上り、体に巻いてたバスタオルがふぁさりとフローリングの床に落とされる。
こちらの視線に気付くと、見る見るうちに全身が真っ赤になり、あわあわと口元を震わせてぶわっと涙目になっていく。
「きっ…!」
「ま、待てこれは決してわざとなんかじゃない! むしろ鍵開けっ放しでそんな格好しちゃ駄目でしょう!」
「どしたのいつわー」
さらに話をややこしくする存在投入。
同じく一糸纏わぬ姿のインデックスが現れた。
いつわの視線に気付き、インデックスがこちらを向いた瞬間、絹を裂くような五和の悲鳴が学生寮に木霊した。
「きゃぁぁぁぁぁぁああああああああああぁあああぁああああッッッッッッ!!!!!!!!」
「とうまぁあああああああぁぁぁああああッッッッ!!!!」
バタンッ!と勢いよく扉を閉める。数瞬後にインデックスだろうか、扉に巨大な鉄球でもぶつけるような轟音が鳴り響いた。
あとワンアクション行動が遅れていたら、その鋼鉄の歯で体ごと噛み千切られていたかもしれない。
巨大ホオジロザメのテーマを頭の中で流しながら、上条は学生寮の通路の壁にもたれかかってぜぇぜぇと息を荒げて呼吸を整えた。
「すげぇぜカミやん。まさかここまでの会話全てが死亡フラグだったとはな。
生きてたらまた会おうぜい」
吹っ飛ばされるように壁に後ずさった上条を見て、土御門が感心したように言う。
そう言い残し、自室に入り、ガチャリと鍵までかける土御門。
片手を伸ばしてそれを呆然と見送った上条の傍で、今度は自分の部屋のドアがカチャッと小さな音を立てて回される音が聴こえた。
ロボットのようなぎこちない動きでそちらを見ると、扉の隙間からどんよりとしたオーラを放つ五和がこちらに視線を送っていた。
「……どうぞ、入ってください」
「ひっ!」
背中から立ち上るドス黒いオーラ。
じめっとしたその雰囲気は怒っているというよりは落ち込んでいるといった方が正しい。
彼女を刺激しないように、上条は愛想笑いを浮かべながら室内に入り込んだ。
部屋では今にも飛び掛ってきそうなインデックスと俯いて唇を引き結んでいる五和が待っている。
当然のことだが二人は既に服を着ていた。
上条は二人の前に座ると、すぐに五和が切り出した。
「あの…さっきのは、忘れてください」
半泣きで五和がチラリとこちらを一瞥する。
上条は引きつった笑顔を浮かべて頭をかいた。
「い、いや…一瞬だったから何が何だか分からなかったし…」
「それならいいんですけど…」
嘘だ。
頭の天辺からつま先まで、生まれたままの姿の五和を余すことなく拝んで脳裏に刻み付けてしまった。
それはもうスベスベのツヤツヤで、白かったりピンクだったりむちむちだったりふわふわだったりと思い出すだけで鼻血でも出てきそうだ。
だがそれを告げたらインデックスがギラつく牙をむき出して全身を食いちぎろうとしてくることだろう。
よもや身内に殺されたくなどない上条は死んでもそのことは言うまいと堅く誓いを立てるのだった。
「とにかくすまなかった!悪気があったんじゃないんですこのとーり!」
深々と頭を下げる。二人の全裸を見てしまったことは事実なので素直に謝っておく。
「鍵をかけなかった私たちが悪いですから、気にしないで下さいね。お見苦しいものをお見せして…その…」
いえ最高でしたと心の中で合掌する。
「とうま、次は無いんだよ!今度やったら大変な目にあうんだからっ!」
もう一度五和の悩ましい肢体を拝めるならもう一回くらいいいかもと少し思ってしまう悲しい男の性。
しかし五和は俯き、本当に落ち込んでいるようなので、反省しなければいけない。
(彼氏でもない男に裸見られるなんて嫌だよな…悪いことしちまった…)
「ところで二人は何してたの?」
と、上条はピリピリしている場の空気に耐え切れず、ふと湧いた疑問を投げかけてみる。
顔をあげた五和が口を開く前に、インデックスがぶすっくれたまま答えた。
「スフィンクスを洗ってあげてたらびしょぬれになっちゃったからついでにシャワーを浴びたんだよ」
「二人で?」
「何か問題あるの?」
「あ…本当にびちゃびちゃだったから二人で入るしかなかったんです。外に出ると部屋が水浸しになってしまうので」
と付け足す五和。
あの狭いユニットバスで女の子が二人密着してシャワーを浴びていたわけか。
上条は美麗な楽園を想像して思わず唸った。
女の子二人のやわらかい手でもみくちゃにされた幸せもののスフィンクスはというと、
今は部屋の隅っこで毛づくろいに夢中なようだ。
「はぁなるほどな」
「と、とにかく。この件はもう無かったことにしましょうっ!そうしましょう!
気を取り直してお昼ご飯にしませんか?」
「そ、そうだなそうしよう! あー!腹減ったなー」
わざとらしく五和の言葉に乗っかる。
何はともあれこの話題を早々に切り上げて終わらせてしまいたい。
このとき、上条の心中は五和のものと完全に一致したようだった。
二人はぎこちない様子で立ち上がると、妙な雰囲気を漂わせながら食事の準備に取り掛かった。
と言っても、今朝二人で話していた通り昼食はそうめんであり、五和が上条が帰宅する少し前に
既に茹でて調理してくれていたので器の準備をするだけであった。
そのころインデックスはまだしばらく頬を膨らませて拗ねているようだったが、
大きな透明の器の中で氷水に晒されたそうめんがテーブルの上に並んだのを確認すると腹の虫でも疼いたのか
ケロリと機嫌を良くしてちょこんと自分のいつもの席に座っていた。
「あっ、いけない!猫ちゃんの餌がこれで最後です」
昼食の準備を滞りなく終え、上条が座ったところでスフィンクスの餌を用意してやっていた五和が
キッチンのほうから顔を出して苦笑した。
手に持った買い置きの猫缶を一つだけ持っているが、それで彼の食料の備蓄は尽きてしまうらしい。
「スフィンクスのご飯が!?それは一大事なんだよ!とうま!スフィンクスが死んでしまうかもしれない!」
既にそうめんをずるずると啜っているインデックスがカッと目を見開き、この世の終わりのような顔をして叫んだ。
深刻そうな表情ではあるが、口からそうめんが伸びているので上条は思わず噴出しそうになってインデックスに睨まれる。
「大げさだな。飯食ったら買いに行ってくるよ」
「あ、いいですよ。私行きますから」
皿に乗せられた餌にがぶがぶとかぶりつくスフィンクスをキッチンに残し、五和も座る。
いつものように「いただきます」をして二人も昼食を開始する。
「じゃあ一緒に行くか。今日は卵お一人様一パックの特売日だし」
そうめんを食べながら上条。
季節外れながら久しぶりに食べると喉越しも爽やかで美味い。
「分かりました。他に何か買うものありましたっけ?」
「どうだったかな。昨日結構たくさん買ったから大丈夫だと思うけど」
二人でビニール袋を両手に抱えるほどの買い物をしても、食欲旺盛なインデックスの前では一週間も持たない。
上条家の冷蔵庫は一人暮らし用でさほど大きなサイズでもないため、こまめに買出しに行かないと
あっという間に中身が空になってしまうのだった。
チラリとそうめんを全身で楽しんでいるインデックスを一瞥すると、彼女はジトッとした目つきでこちらの様子を伺っていた。
「な、なんだよ」
「随分と仲がいいんだね。さっきあんなことがあったのに」
ムスッと頬を膨らませる。だがそれでも食事の手が止まらないあたりが彼女らしい。
しかし先ほどの一件に関してはもう機嫌も直ったと思っていたが、そうでもなかったのだろうか?
五和と仲良く話していることの何が気に障ったのかは分からず、女の子って難しいなとため息をつく上条。
「それはもう謝っただろ」
「ふんだ、いいもん。私はスフィンクスと楽しくお留守番してるんだから」
「何怒ってんだ?そろそろ機嫌直せよ。プリンでも買ってきてやるからさ」
ぷいっとそうめんを啜ったままそっぽを向いていたインデックスがその誘惑にピクリと反応した。
いつも安い駄菓子やアイスしか食べさせてもらえない身としては、プリンなどという至宝とめぐり合う機会は早々無い。
案の定、ぶすっくれていたインデックスはチラッとこちらに視線を向けてもごもごと唇を動かす。
「…ジャンボプリンなら考えてあげてもいいんだよ」
「はいはい。わかったよ。今日は夕方から雨らしいし、さっさと行ってくるか」
窓の外を見ると、先ほどまで快晴だった空には雲がかかっている。
一雨来る前に買出しを終わらせなくてはと、上条はインデックスによって食い尽くされようとしている
そうめんをかきこむ作業に戻った。
本日はこの辺で。
ところで俺がヴェントに弟として無条件に甘やかされまくって溺愛されて
俺は姉に恋をする状態のSSを誰か書いてくれないかな。
ヴェントのキスは舌ピがジャラジャラ絡み付いてちょっと鉄の味がして、
硬い鎖に反して唇は冗談みたいに柔らかくて、攻撃的な見た目と裏腹に優しいキスをしてくれる
大人のお姉さんヴェントは男臭い神の右席の一服の清涼剤かつアイドルかわいい。
ではまた近いうちに
ところで俺がヴェントに弟として無条件に甘やかされまくって溺愛されて
俺は姉に恋をする状態のSSを誰か書いてくれないかな。
ヴェントのキスは舌ピがジャラジャラ絡み付いてちょっと鉄の味がして、
硬い鎖に反して唇は冗談みたいに柔らかくて、攻撃的な見た目と裏腹に優しいキスをしてくれる
大人のお姉さんヴェントは男臭い神の右席の一服の清涼剤かつアイドルかわいい。
ではまた近いうちに
乙!
ヴェントが俺の上に馬乗りになって強引にだ液飲ませてくるのもいいと思う
ヴェントが俺の上に馬乗りになって強引にだ液飲ませてくるのもいいと思う
>295
はい、ねーちん出ますよ
はい、ねーちん出ますよ
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