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元スレ上条「恋人って具体的に何すんだ?」 五和「さ、さぁ...」
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確定的に明らかwwww
麦恋の人×五和=強靭無敵最強。
でも個人的には姫神さんで来ると思ってた(勝手に)
麦恋の人×五和=強靭無敵最強。
でも個人的には姫神さんで来ると思ってた(勝手に)
このスレで訊いていいのかわからないけど、気になってるのは俺だけじゃないと思うし質問させてくれ。
麦恋の続きはあるの?
麦恋の続きはあるの?
ああん、五和ぅぅぅううう、ぺろぺろ
みなさんこんばんは。
今日もちょろっと投下していきます
>208
結論から言えばあります。
実はもう結構前から8割くらいは完成しているのですが、投下するか迷っている現状です。
というのも、自分でこんなことを言うのもアレなんですけど、「これ面白くないかも」と
書きながら思ってしまったんです。
量的には前回と同じくらいなのですがいささか冗長というか、百合エロ暴力表現も有り放題で
話のテンポも前回に比べると悪いかもしれないということで、割と綺麗に着地できた感のある前作を
楽しんでくれた方に申し訳ないかなという気持ちが拭えないので。
まあとにかくこのSS終わってから考えますw
五和を出したくて仕方なかったので思う存分書けるのは楽しい
みなさんこんばんは。
今日もちょろっと投下していきます
>208
結論から言えばあります。
実はもう結構前から8割くらいは完成しているのですが、投下するか迷っている現状です。
というのも、自分でこんなことを言うのもアレなんですけど、「これ面白くないかも」と
書きながら思ってしまったんです。
量的には前回と同じくらいなのですがいささか冗長というか、百合エロ暴力表現も有り放題で
話のテンポも前回に比べると悪いかもしれないということで、割と綺麗に着地できた感のある前作を
楽しんでくれた方に申し訳ないかなという気持ちが拭えないので。
まあとにかくこのSS終わってから考えますw
五和を出したくて仕方なかったので思う存分書けるのは楽しい
―――――
「友達…かぁ…」
五和は校門の前で一つ深いため息をついた。
時刻は4時半。
彼、上条当麻にお弁当を届けてから部屋に戻り、洗濯と掃除を終え、
昼食を片付けた後彼を迎えにもう一度学校に戻ってきたところだ。
ついでに夕食の買出しを彼としようと思っていたのだ。
同居人のインデックスは思いの他大食だったので、彼女を満足させるだけの量となると
買い物だけでも結構大変だ。
家事はいくらでもやるつもりだが、力仕事には限度があるので彼に荷物を持つのを手伝ってもらおうと考えていた。
終礼のチャイムが鳴り、校門からちらほらと下校してくる学生の姿が見える。
自分も彼とこうして一緒に制服で下校できたらなと、五和はもう一度ため息をついた。
先ほど、彼の級友に友達だと紹介されたことを思い出す。
もちろん知り合いで、友達ではあるのだが、五和としてはもう一歩だけ彼に踏み込んでいきたいわけである。
こうして泊り込みで彼の傍にいられるチャンスを生かして、女として意識されたいわけである。
しかし彼は相変わらず奥手で自分のこんな想いにもきっと気がついていない。
今朝方彼の寝顔を見つめていたら突然胸を触られた時は、少々あらぬ期待もしてしまった。
まるで自分だけがふしだらな女で、いけない妄想に身をやつす悪い人間になってしまった気がして今更ながらに恥ずかしくなってくる。
(ううん、まだまだ時間はあります!少しでもあの人と仲良くなるためにがんばらなきゃ…!)
先ほど彼の教室に乗り込んだのは、五和的にはかなり大胆な行動だった。
目立つことを好しとせず、周囲に溶け込むことを信条とする天草式の人間としては、あのような衆目を集める方法は基本的にはとらない。
しかし、今回の五和にはどうしても確かめなくてはならないことがあったのだ。
それは、
(でもよかった…彼女さんはいないみたい…)
もちろん前情報としては知っていたが、教室内に彼を取り巻く多くの女子生徒がいたらどうしようととても心配だったのだ。
一人黒髪の美人の女生徒が傍にいたが、彼の態度は恋人に対するそれとは違っていたはず。
自分の努力が徒労に終わることは無さそうだとほっと胸を撫で下ろす五和。
もっとも、安心してばかりはいられない。
彼は情報によればそこかしこでフラグを乱立させまくる無自覚フラグメイカーだ。
俗にカミジョー属性とか言うらしいが、名称はどうでもいい。
重要なのは、彼に対して好意を持つ女性陣は少なからずいるということ。
天草式の女教皇たる神裂火織もその一人であると思われる。
胸は自分より大きく、見た目も非常に美しい。髪も肌も信じられないくらい綺麗で、おまけに世界に20人といない『聖人』だ。
彼女を思い出す度魔術師としても女としても敗北を突きつけられているようで、五和は胸が痛んだ。
尊敬する女教皇だからこそなおさらに。
だけど、この恋は負けられない。相手が誰であっても負けたくは無い。
勝ち目の無い部分が多くても、それを補うだけの技能を身に付けて彼の傍にいたかった。
(はぁ…今日の夕食どうしようかな…)
「上条くん。あの人」
「あれ、五和。何してんだ?」
(男の人は肉じゃがが好きって言うけど…あの人も好きなのかな)
「おーい。聴こえてますかー?」
「考え事してるみたい。肩叩いてみたら?」
「そだな」
と、そのときポンポンと誰かに肩を叩かれる。
今の今まで想像していた彼の顔が目の前にあった。
飛び上がって驚き、変な声をあげてしまう。おかしな子だと思われたりしないだろうか。
「ひぁっ!な、なんですか!」
「そりゃこっちの台詞だ。こんなとこで何してるんだよ?」
「あ、実は夕食の買い物を手伝って頂けないかと…」
チラリと彼の隣を見る。
彼以外にもう一人いたのだ。一緒に校門から出てきたのは先ほどの黒髪の美少女。
セーラー服姿が清楚な彼女にはよく似合っている。
確か姫神と言っただろうか。
五和は自分の胸がチクチクと痛むのを感じていた。
「そういうことか。携帯に連絡してくれりゃいいのに」
「そ、そうですよね。次からそうします…ごめんなさい、この後予定がありましたか?」
もしかすると姫神と二人でどこかへ出かける予定があったのかもしれない。
自分はお邪魔虫なんじゃないかとハラハラしながら問いかけると、上条と姫神は視線を合わせて首を傾げる。
なんとなく通じ合っているように見えて、五和はなんだか泣きたい気分になってきた。
「いや全然。一緒に出てきただけだけど。何か用事あったっけ、姫神?」
「ない。何も気にせず買い物に行くといいと思う」
だが返ってきた言葉は意外に淡白なものだった。
変に勘繰ってしまった自分の醜い嫉妬心に少し嫌気が指す。
彼女らのその言葉を聴いて、安心してしまうような自分が嫌だった。
「また明日」
「じゃあな姫神。行こうぜ五和、知ってると思うけどインデックスはめちゃくちゃ食うぞ」
淡々と別れを告げた姫神と逆方向に二人で歩き出す。
夕暮れの帰り道を特に会話も無く歩く。
先ほどまで彼について考えていたから妙に意識してしまい、何も話せずにいた。
「晩飯何にする?」
川沿いの土手を歩きながら彼がポツリと問いかけてきた。
河川敷で遊ぶ子供の声や、部活動でランニングをする少年少女の声が遠くに聴こえてくる。
何か答えなければと五和は考えを巡らせた。
「…えと、肉じゃがとかどうですか?」
彼を待っているときからなんとなく想像していたメニューを告げてみる。
すると彼はニコリと白い歯を見せて笑った。
「五和の肉じゃがか。そいつは美味そうだな。
けど上条さんの男料理もなかなかのもんなんですよ」
夕日に輝く彼の表情はどこか幻想的で、五和はトクトクと心臓の血管が脈動する音を聞きながら薄く微笑んだ。
こうして毎日彼と並んで歩けたら、それはとても素敵なことだと思った。
笑顔の彼を見て、五和もいつしか不安な気持ちがどこかへ吹き飛んでいるのに気付くのだった。
「じゃあどっちの方があの子に美味しいって言ってもらえるか競争ですね。
言っておきますけど、私、強いですよ?」
「知ってるよ。インデックスの好みを知ってる分が俺のハンデだな。
つってもあいつなんでも美味い美味いって食うか…」
呆れたように笑うその顔も魅力的だった。
つられて自分まで笑顔になる。彼と毎日一緒にいられるインデックスが少しだけ羨ましい。
毎朝彼と一緒に起きて、彼に行ってらっしゃいと告げて、こうして彼と帰り道を一緒に歩ける。
そんな毎日が、自分にも訪れたらと五和は願った。
「か、上条さん…っ!」
立ち止まり、彼の背中に声をかける。
今なら言えるかもしれない。自分の素直な気持ちを。自分がここに来た本当の理由を。
胸が高鳴り、逸る鼓動が苦しくて心地いい。
きっと何も気付いていない彼は、案の定きょとんとした顔でこちらを振り返って首を傾げていた。
その仕草に、またも鼓動は加速する。
ぱくぱくと口を動かし、喉から声を絞り出そうとギュッと目を瞑ったそのときだった。
「あ!見つけたわよ!あんた今帰り?だったらちょっと付き合っ…」
向こう側から、快活そうな少女が走ってやってきた。
そう言えば先日アックア戦に備えて彼の家にお邪魔したときにも、どこかで出会った気がする。
肩くらいの茶色い髪を花びらをあしらった可愛らしいヘアピンで留めた、スレンダーな中学生くらいの少女だ。
ベージュのブレザーとチェックのプリーツスカートを可憐に揺らして駆け寄ってくる姿は、
女の自分から見ても可愛らしい。
彼女は上条の傍まで寄ってくると、こちらの姿を確認して怪訝そうに眉を寄せた。
「あんたどっかで見たわね…。ま、まさか彼女だったりするわけー?」
パチパチと大きな瞳を瞬きして、少女は上条に問いかける。
一瞬で分かった。この少女も彼のことが好きなんだ。
言外に動揺の色が見て取れる。五和は彼女の言葉にドキリとなった。
こんな可愛い子まで、彼に想いを寄せているんだなと胸が苦しくなる。
「はぁ?何言ってんだよ御坂。五和は今ちょっと旅行みたいなもんでウチにいるんだ。
お前こそ俺なんか構ってないで彼氏でも作って楽しく青春してろ。
お前だったら告白とかしょっちゅうじゃねえのか?」
そんなことを言っている上条。五和は御坂と呼ばれた少女に少し同情した。
好きな人にこんなことを言われたら、自分だったらもしかすると泣いてしまうかもしれない。
だが御坂はその言葉に口元引きつらせたが、凹んでいる様子は無い。
このくらいの言動は日常茶飯事ということだ。
自分は今からこの砦に挑むのかと息を呑む五和だった。
「か、彼氏なんか…いらないわよ!
告白は女の子からばっかりだし…それに私が好きなのは…ゴニョゴニョ」
デジャヴを感じる五和。
一挙一動がどうにも自分にも身に覚えがあって見ていると気恥ずかしい。
こんな分かりやすい行動をいつも自分はしているのかと思い、もう少し気をつけようと思うのだった。
「さすがお嬢様学校、ってとこか?白井みたいな奴がいっぱいいるんだな。
まあ今日はパスだ。今から夕食の買出しに行かなきゃなんでな。
そういうわけなんでまた今度…って、何だよその手は」
御坂は上条の制服の袖を引っ張っている。
五和はまたも胸がチクリと痛んだ。
そんな可愛い仕草をして、彼がドキドキしてしまったらどうしようと嫉妬心が首をもたげる。
「も、もう少しいいでしょ!せっかく会えたんだし…」
最後の方は声が小さすぎてよく聴こえなかったが、きっと精一杯の想いを込めて出した言葉だったことは、真っ赤になった表情を
見ていればよく分かる。
お願いだからそんな表情をしないでほしい。そんな綺麗な顔で、彼を翻弄しないでほしい。
五和は唇を噛んで拳を強く握った。
「っていうか!あんたはどうなのよ!人に彼氏作れとか言っておいて!」
「はぁ?何がだよ」
「だ、だから…好きな人とか…いないの?」
もじもじと尋ねるその言葉に、五和の肩がビクンッと跳ねた。
その質問は確かに自分としても気になるところ。彼らに悟られないようにもう一歩近寄り、
彼の答えを聞き逃すことのないように聞き耳を立てる。
「な!好きな人ってお前…上条さんは毎日を生きるのに精一杯で今そんな余裕は無いんですよ」
「どんなギリギリの毎日を送ってんのよ…。じゃ、じゃあ私が何かしてあげようか…?
その、料理とか…」
もうやめてくれと五和は耳を塞ぎたくなった。
彼のために家事をするのは自分の得意分野で、領分だ。
そこに踏み込んでこられるのは、正直に言えば嫌だった。
彼に対して自分をアピールできる数少ない場所なのに、もし彼がそれを受け入れてしまったら、
自分はいらない子なんじゃないかと思い知らされるようで。
五和はギュッと目を閉じて、それに対する彼の答えを拒絶するように大地に視線を落とした。
「いや、それは大丈夫だ」
「え?」
ハッとなって顔をあげる。
「大丈夫って、どういうこと?」
「上条さんは別に嫌々やってるんじゃないってことですよ。
ま、めんどくせえって思うときもしょっちゅうだけどな。それに今は五和も手伝ってくれるし」
「そ、そう…なんだ」
五和は、自分が途轍もなく単純な人間なんだと気付かされた。
彼のそんな何気ない言葉一つで、心は晴れ渡っていく。
彼に必要とされていると分かっただけで、重苦しいもやもやした気分が散っていく。
同時に、顔がとんでもない速度で熱を帯びていくのが分かった。
彼のわずかな言動でこんなにも心をかき乱される。
自分で思っていた以上に、自分は彼のことが大好きなんだなと突きつけられて、ドキドキと爆音をならす胸を抑えて五和は彼の横顔を見つめた。
いつから自分は彼のことが好きだったんだろう。
女教皇様(プリエステス)を拳一つで殴り飛ばしたと聞いたときから?
200人のシスターを相手どって戦う彼の姿を見たときから?
初めて会ったときから、淡い想いを抱いていたのは事実だ。それをはっきりと恋愛感情なんだと認識したのはいつからだったか。
彼にお絞りを渡したりしていくうちに?
一緒に戦っていくうちに?
今はもう分からない。
ただ一つ確実に言えることは。
自分は間違いなく彼に恋をしていて。
彼が自分の名前を呼んでくれるただそれだけで、聖人だろうと天使だろうと相手どって戦える力が湧いてくる。
それは大げさな言いまわしでも何でもなくて、本当に自分は、彼のためなら何だってしたいと思えるんだ。
「上条さん…」
「ん?」
もどかしい ドキドキする 興奮する 欲情して発情する
(σ´∀`)σイッツワ!!
(σ´∀`)σイッツワ!!
だから五和は、この想いを心のうちに留めておくことをもう少しだけ己に許した。
彼に対する想いを言葉に正しく乗せて伝えられる時が来るまで、この心地よい胸の痛みを抱きしめて
自分は彼の隣を歩いていたいから。
「お買い物に行かないと…スーパー閉まっちゃいますよ?」
嫌な女だって、御坂には思われたかもしれない。
彼を独り占めしたいっていう気持ちを見透かされたかもしれない。
だけど、これ以上彼が自分ではない誰かと楽しくお喋りをしている姿なんて見たくなかった。
「っと、そうだな。俺たち二人もいるのに飯無いなんていったらインデックスに骨まで食われそうだ」
冗談めかして笑う彼の表情に止め処無い想いが溢れてくる。
つられて自分まで笑顔になってしまう。
彼の傍らに寄り添って、自分たちの距離感のようにほんの少しだけ間を空けて。
「じゃあな御坂。気をつけて帰れよ」
「誰に言ってんのよ。あんたこそ暗くなった途端にその子に変なことするんじゃないわよ?」
「ばっ!す、するか!」
優しくしてくれるならされてもいいけどと、考えたところで首を振る。
駄目だ駄目だそんなはしたないことを考えているようでは。
「じゃあ、失礼します」
「う、うん」
先ほどとはまた別の種類の恥ずかしさがこみあげてきたところで、
五和はおずおずと御坂にペコリと礼をして上条と共に歩き始める。
背後で御坂がポツリと呟いた「まだまだこんなもんじゃ諦めないんだからね」という言葉は、
その耳に届くことなく夕日の中に消えていった。
―――――
「わーい、いつわが来てから何だかご飯が豪華なんだよ!」
満面の笑みを浮かべてご機嫌なインデックスがいる。
食事を始めてまだ数分なのに既にご飯はお茶碗大盛り三杯目。
まあ無理もない。
五和の作る肉じゃがはやはり絶品だった。
彼女と話していたように二人で別々に作るというのはさすがにもったいなかったので、
メインのおかずは彼女に任せ、上条は付け合せの大根サラダや味噌汁を作ることにした。
インデックスとの二人暮らしではなかなか味わえない豪華な食卓がそこにある。
というのも、食材の費用は全て五和が持ってくれているのだ。
いくらなんでもそれはさすがにと戸惑った上条だったが、軍資金が天草式から出ているし、代わりに宿やお風呂を提供してもらえれば
それでいいということだったのでその案で着地した。
そんな彼女のおかげで、今夜も素晴らしい食事にありつけたというわけである。
「今日一日三食とも最高の食事だったな。もう今日で上条さん死ぬんじゃないかな」
「ええ!?し、死んじゃ駄目ですよ!ど、どうしよう、もう少し手を抜いたほうがよかったんでしょうか…」
一筋の涙を零す上条に五和が本気で慌てている。
その初々しいリアクションがとても微笑ましい。
「ははっ、冗談だって。しかし本当に掃除までしてくれたんだなあ。
休みの日にまとめてやってるからこんなに埃一つ無い我が家は久しぶりだ」
「ふふっ、それは実はですね」
くすっと小さく笑った五和が、インデックスのほうに視線をやる。
何だ何だとそちらを見ると、彼女はその薄い胸板を張って得意げな顔をしていた。
「とうま、お部屋のお掃除は私も手伝ったんだよ!ほらほら、部屋の隅まで拭いたんだからもっとよく見るといいかも!」
「なん…だと…?」
インデックスが。お手伝い。
インデックスが。あのインデックスが。お掃除のお手伝い?
思わず箸を落とす上条少年。
苦節数ヶ月。叱れども叱れどもお手伝いなんて片手の指で数えるほどしかしたことのないインデックスが、
ついに何一つ壊すことなく人並みに掃除などという高等技術を完遂してくれた。
ほろりと涙をちょちょぎらせる上条。その愕然とする様子に、五和が苦笑している。
「本当にがんばってましたよ?二人でやるとすごくはかどったのですぐ終わっちゃいました」
「えっへん。もっと褒めるといいかも!おふろを洗ったのだって私なんだよ!」
なんということでしょう。
こんなにも上条当麻に優しい世界が、未だかつてあっただろうか。
自らのほっぺたに右拳をぶち込んだら幻想が崩れ果ててしまうかもしれない。
微笑ましく娘を見守るような笑顔を浮かべる五和と、どこかやり切った達成感に満ち溢れた表情を見せるインデックス。
上条は真っ直ぐにインデックスを見つめた。
「インデックス…お前…」
「な、何かなとうま?顔が怖いんだよ?」
右手をゆっくりとインデックスに向けて伸ばす。
「えらいぞ、インデックス。やればできるんだな」
表情を緩ませて、上条の右手はインデックスをわしゃわしゃと撫でてやるべく彼女の頭頂部に乗せられたのだった。
感激の余り表情の固まっていた上条を心配そうに覗き込んでいた彼女だったが、
自分が褒められているのだと分かると頬を緩ませてえへへと照れくさそうに笑顔を浮かべている。
「ふふん、ようやく気付いたんだねとうま。私はやればできる子なんだよ!
今まではとうまが怠けないようにあえてやらなかっただけなんだから!」
「そうかそうか。何だっていいよ。とにかくこれからはその調子で一緒に家事がんばろうな!」
「あ、あれ?う…うん…。なんだかとうまがご機嫌過ぎて怖いんだよいつわ」
期待していたリアクションと違ったのだろうか、奇妙なものでも見るようにインデックスが五和に擦り寄る。
「きっと嬉しいんですよ。明日はお洗濯を教えてあげますからね」
「よ、よし!私の本気をとうまに見せ付けてあげるんだよ!」
五和は五和で苦笑しながらこちらの様子を見守っているが、上条にはどちらもまるで気にならない。
五和が来てくれたことによってインデックスはいい子への階段を一歩上ったし、自分の負担も大きく減った。いいことずくめである。
こういうことが起こるなら、敵に命を狙われるのも悪いことばかりじゃないなとしみじみ思う上条だった
「五和が来てくれてほんとよかった。このままずっと居てくれりゃいいのになあ」
「ぶふっ!」
何気なく呟いた一言に、突然咽て涙目になる五和。
「どうしたんだ五和?ほら、お茶」
「げふっげふっ!…んぐ…んぐ…ぷはっ、死ぬかと思いました…」
ご飯でも喉につまらせたのだろうか。
慌ててお茶を差し出してやると、ごくごくと勢いよく飲み干してから、顔を赤くしてチラチラとこちらを見てきた。
「あの、ず、ずっとですか…?」
二重目蓋のパッチリとした瞳から繰り出される上目遣いはかなりの破壊力。
上条はその視線にドキリとなりながらも、なんとなく照れくさくて誤魔化すように笑い声をあげた。
「あーなんつーか…冗談だよ。あははは、ほら冷めちまうぞ、食おう食おう」
「…そうですか。そうですよね…」
どことなく残念そうに見えるのは気のせいだ。気のせいに違いない。
五和だって天草式の活動の一環でここに来ているのだ。
いくら五和が優しいから家事をしてくれるといっても、それに甘えすぎてしまうのはよくないことだろう。
自分もインデックスを見習ってもっと五和の負担分も軽減してやらなくては。
インデックスを見習う、などという言葉が自分の脳内に存在していたことに驚くも、何事も持ちつ持たれつであることは正論。
護衛があくまで主任務である五和が家事をする必要など本来は無いはずなので、自分も積極的に彼女をサポートしてやるのだと意気込む上条だった。
―――――
その後楽しく3人で食事を満喫し、インデックスが洗ってくれたお風呂に入った上条。
前回はものの見事に風呂を破壊して銭湯に行く羽目になったが、今回はそのようなミスも無いようだ。
入浴後は五和が剥いてくれた林檎を食べながらテレビを見て過ごした。
大して面白くもないバラエティ番組だが、そんなまったりと流れていく時間は悪いものではない。
それから夜も更け、間も無く日付も変わろうかという頃、全員風呂に入り終えて水を抜き、水気をしっかりとふき取っていつもの
ユニットバス内に寝床を作り上げていたときのことだ。
やや湿気の篭った浴室内には五和のものだろうか、普段インデックスが使っているものとは違ったシャンプーの香りが漂っており、
上条は同世代の女の子が家の風呂に入ったのかと妙に意識してドキドキしていた折、突然五和が浴室内にぴょっこりと顔を出した。
水玉模様のピンクのパジャマを着用して、しっとりとした髪の毛と仄かに上気した肌がやけに色っぽい。
「上条さん、もしよかったらこっちで寝ませんか?」
「は?」
おずおずと五和がそんなことを言ったものだから、上条の脳内にあらぬ妄想が駆け抜ける。
着やせしているがそこに存在することを確実に主張する彼女の双丘に嫌が応でも視線がいってしまい、慌てて目を逸らす。
上条当麻は健全な男子高校生である。一緒に寝ようと言われて冷静でいられるわけがないのである。
「い、いや五和。それは駄目だろ! 一応上条さんは男の子なわけでありましてですね、
女の子と同じ布団で寝るなんてことは社会通念上許されることではないのですよー!?」
「お、同じふとっ…! ち、ちちちち!ちがっ違いますっ!
そ、そそうではなくて! 私はあの子とベッドで寝るのでもしよかったら上条さんもこちらにお布団を敷いてはいかがかとそういう
お伺いをですねっああああでもあなたが同じお布団で私に寝ろとおっしゃるなら私はっいいいえいえ! なんでもありませぬよ!
湿気がお布団にはあまり良くないのではというそういう意味であって、決してあなたと同じお部屋で寝たいとかそんなふしだらな
関係を望んでいるわけではなくっ、家主であるあなたを差し置いてお世話になっている身の私がベッドだなんてそんなこと、だからそのつまり…!」
「落ち着くんだ五和っ! 正直何を言っているかわからない!」
二人して異様なテンパり具合を見せ合うことになってしまった。
目をグルグル回して顔を真っ赤にさせている五和だが、きっと自分だって似たようなものだろうと上条は頭を抱えて考えを整理する。
つまるところこういうことだ。
風呂上りのユニットバスに布団を敷くと、湿気でそのうち布団がカビて駄目になってしまうかもしれない。
本日はインデックスと二人きりというわけでもなく、万に一つの間違いが起こるはずもないので、
よかったらリビングに布団を敷いて一緒の部屋で寝てはどうかと五和が誘ってくれている。
こんな感じのことを伝えたいのかと五和に尋ねると、幾分か落ち着きを取り戻したらしい彼女もコクコクと首肯してそれに同意した。
「お見事。そ、そういうことなんです。あの子も構わないと言っているので大丈夫ですけど…」
「うーん…」
実は先ほど五和に伝えた内容には少しだけ間違いがある。
インデックスと二人ではないから、間違いが起こるはずなどない。
この点だけは、素直に頷くことは出来ない。
何故なら、インデックスに対して間違いを犯すようなことはあるはずもないと確信している上条だが、
だからといって五和に対して何の情動も湧いてこないかと言うと、決してそんなことはないからである。
パッチリ二重の可愛い顔と女の子らしい体つきで、こうして傍にいるだけで良い匂いが香ってくる五和の寝息を聞いて朝まで冷静でいられる自信がなかったのだ。
「でもなぁ。やっぱりやめといたほうがよくないか?」」
「? どうしてですか?」
もちろん彼女を傷つけるようなことはしないと誓えるし、インデックスのいる部屋でナニかが起こるようなことはまず無いが、
それでも仕事で護衛に来てくれている五和に対してそんな感情を少しでも持ってしまうことが嫌だった。
悩ましい寝言やうめき声でも聞いてしまったら、朝までドキドキして眠れないことは必至。
何かの拍子に五和がベッドから落ちてこちらの布団まで転がってくるようなことがあれば、朝一発目からインデックスに頭蓋骨を噛み砕かれる程度の
制裁には合いそうだ。
無いとは言い切れないのが上条当麻の不幸体質。思い描ける不幸は大体実現可能というあたりが恐ろしい。
「何て言えばいいんだろうな。やっぱり一緒の部屋っては今更落ち着かないというか…胸がバクバクして眠れないというか」
「バクバク…」
「い、いや変な意味じゃなくて、うちにインデックス以外の女の子が泊まったことなんて無いもんだから
上条さんもちょっとは緊張するわけですよ」
「泊まったことがない…」
「五和? どうした?」
ブツブツと口の中でこちらの言葉を反復している。
やがて何故かガッツポーズをとって「よし」と頷いた五和は満足げな笑顔を浮かべていた。
「いえいえなんでもないんです。そういうことなら仕方ないですよね!
ふふっ、そうですか、緊張しますか。他に女の子が泊まったことないんですもんね!
ではではおやすみなさい。寝苦しかったら無理せずにこちらにお布団もってきてくださいねっ。
女の子が泊まったことがなくて私が初めていうことなら仕方ありませんうふふ」
やけに上機嫌になった五和はそう言い残して軽快に浴室の扉を閉めた。
何だかよく分からないが、笑顔の五和を見ているとこっちまで気分がよくなってくる。
今日はいい夢でも見られるかも知れないなと上条は電気を消し、布団をかぶって瞳を閉じた。
まだ湿気の残っている浴室内は少々蒸し暑く、寝苦しく感じて体をよじる。
ふと耳を澄ますと、リビングの方からはまだお喋りをしているのか、五和とインデックスの話し声が聴こえてきた。
『おー、これは丁度いい枕なんだよ』
『きゃっ、ちょ、ちょっと駄目ですよそんな…』
何やら悩ましい五和の声とインデックスの無邪気な声が交互に届けられてくる。
上条はゴクリと生唾を飲み込んだ。
『むぅ、温かいんだよ。この触り心地…まるで肉まんのような…お腹が減ってきたかも…』
『そ…そんなに触っちゃ駄目です…んぅ…っ!』
『なんだか美味しそうに見えてきた…。いつわぁ、一口齧ってもいい?』
『い、いいわけないじゃないですk…ぁっ!…だ、駄目ですって…それは食べ物じゃ…』
『あむあむ。味は無いけど良い匂いなんだよ。何だか眠くなってきたかも…』
(ナニが行われているんだ…)
少女たちの黄色い声が少年の脳髄に直撃する。
上条はやっぱりそっちに布団持っていけばよかったと後悔するも、間近であの会話を聞かされたら眠れなくなることは間違いない。
しかし結局のところ、扉一枚挟んだ向こうから聞こえてくるゴソゴソという寝返りの音と五和の切なげな寝息で
その後2時間ほどもやもやして眠れず、上条はめでたく次の朝を寝不足で迎えることになったのであった。
本日は以上です。
ヴェントとかねーちんとかシェリーとか、魔術サイドの女キャラも好きなのになかなか書けないのが辛いところ。
ではまた近いうちに
ヴェントとかねーちんとかシェリーとか、魔術サイドの女キャラも好きなのになかなか書けないのが辛いところ。
ではまた近いうちに
お疲れ様でしたー
書き込み多くなったけど五和の為なんです
本当ありがとう
オルソラと五和は俺の嫁なんだからね!
書き込み多くなったけど五和の為なんです
本当ありがとう
オルソラと五和は俺の嫁なんだからね!
>>237
代わりにウチのインデックスあげるよ
代わりにウチのインデックスあげるよ
>>238
俺にくれ
俺にくれ
/ / ./ /| \ \
/ / / / │ { ヽ ヽ
/ / / / l ハ l ', ,
,′ / / / l | | l ',
,′ :l /_/-─‐‐- , | ', | l l
l :| :/./ ' │ '. | l | l
| :| {/ ヽ │ -‐-| :、 | |
| :j/ ,.z=≠=ミ、 \| \| :{\ :|: | : |
| .:.:| ` ヽトハヽ|: リ .:. |
| :. .:.:.:.| /// =ミx、 V|: /.:. .:.:.:. l 今夜は寝かさないぞ
,. -─‐| :. .:.:.:.:.| ゙ヾy リ/ .:.:.:.:.:.:.:.:.,
{ : : : r‐从 :.:.:.:.:.| ' /// 八 .:.:.,'.:.:.:.:.,′
,. ‐'" ̄| : : :'l,:.:.:.:.:.|', 、 /.:.:.:.:.:/.:.:.:.:/
/ l-‐=='| : : : l,:.:.:.:.:.| :、 ` ー-- ,〆/,'.:.:.:/.:.:/:/
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. / |. { : : : : : :\ハ > - -‐ ´ // :/.://\ \
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/ / / / l ハ l ', ,
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変な言い方になるが今の作者はのっとりであって>>1じゃないぞ
だろう?
そこまで五和を可愛がってるのは俺なんだぜ?
オルソラに甘えるのも俺の日常
そこまで五和を可愛がってるのは俺なんだぜ?
オルソラに甘えるのも俺の日常
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