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元スレ女友「アンタの体質って何なの?」男「…」
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男「どうした、男に抱きつかれるのは初めてか」
女友「っ…離しなさいよっ!」ぐいっ
男「…駄目だな。離したら攻撃してくるだろう」
女友「あったりまえじゃない! アンタ一体何をしたのよっ! 目にも止まらない早で立ち上がって…!!」
女友「──急にアタシを拘束してる!! もしかして……そ、それがアンタの〝体質〟ってワケ!?」
男「………」
女友「な、なにか言いなさいよ…!」
男「…そうだ、これが俺の体質だ」
女友「や、やっぱり…だけどねぇ…!? アタシも負けてないわよ!?」
男「抵抗は無意味だぞ。既にお前は、俺のシチュエーションに入ってる」
女友「…は?」
女友「っ…離しなさいよっ!」ぐいっ
男「…駄目だな。離したら攻撃してくるだろう」
女友「あったりまえじゃない! アンタ一体何をしたのよっ! 目にも止まらない早で立ち上がって…!!」
女友「──急にアタシを拘束してる!! もしかして……そ、それがアンタの〝体質〟ってワケ!?」
男「………」
女友「な、なにか言いなさいよ…!」
男「…そうだ、これが俺の体質だ」
女友「や、やっぱり…だけどねぇ…!? アタシも負けてないわよ!?」
男「抵抗は無意味だぞ。既にお前は、俺のシチュエーションに入ってる」
女友「…は?」
男「……」すっ
女友「…何いってんのよ…?」
男「ほら。攻撃してくればいい」
女友「な、なに余裕ぶっこいてるわけ…? や、やるわよ!? こっちは本気よ!?」
男「いいぞ。こっちも本気だ」
女友「ッ…死んで後悔しろ!」だっ!
男「………」
ふわり
女友「え」
男「…そう何度も見たくないんだがな、お前の下着なんて」
女友「きゃあああ!?」ばばっ
男「──スカートめくりだ。ついでにお前の攻撃も当たらん」
女友「…何いってんのよ…?」
男「ほら。攻撃してくればいい」
女友「な、なに余裕ぶっこいてるわけ…? や、やるわよ!? こっちは本気よ!?」
男「いいぞ。こっちも本気だ」
女友「ッ…死んで後悔しろ!」だっ!
男「………」
ふわり
女友「え」
男「…そう何度も見たくないんだがな、お前の下着なんて」
女友「きゃあああ!?」ばばっ
男「──スカートめくりだ。ついでにお前の攻撃も当たらん」
女友「なっ…なんでなんで!? なにが起こってんのよ!?」バッ!
男「…懲りないやつだな」
ふわり!
女友「ぎゃああああー!!」
男「ほら、もう見飽きたぞパンツ」
女友「へ、へへへへ変態! なによそれ! なんなのよ!!」
男「………」
女友「アンタは何者なのよっ!? 一体、そんな体質なんて想像も……!?」
男「…気にしなくていい」
男「これでもだいぶ抑えてる方だ。もし仮に、本気を出したら───」
男「──お前はもう既に、丸裸だぞ」
女友「っ…」ぞくぅ
男「…懲りないやつだな」
ふわり!
女友「ぎゃああああー!!」
男「ほら、もう見飽きたぞパンツ」
女友「へ、へへへへ変態! なによそれ! なんなのよ!!」
男「………」
女友「アンタは何者なのよっ!? 一体、そんな体質なんて想像も……!?」
男「…気にしなくていい」
男「これでもだいぶ抑えてる方だ。もし仮に、本気を出したら───」
男「──お前はもう既に、丸裸だぞ」
女友「っ…」ぞくぅ
女友(…やばい、これ本気で言ってる…! じょ、冗談じゃないわ!)
男「……」
女友「…そ、そうなのね。アンタはアタシに手加減してるってワケね」
男「ああ、してる。俺はお前ととりあえず、会話がしたい」
女友「…なるほどね、じゃあお互いにまず自己紹介しましょうよ、ね?」
男「自己紹介?」
女友「そう、今までは確かに啀み合ってた…だけど、会話するならまずはそれからでしょ?」
男「…確かにな」
女友「わかってくれて、ありがたいわ。えっと、あたしの名前は女友よ、南火校の二年生」
男「東風校の男だ。学年はお前と同じ二年」
女友「同年代なんだ、へぇ~。それで、その」
女友「…アンタの体質ってのはなんなのかしら?」
男「……」
女友「…そ、そうなのね。アンタはアタシに手加減してるってワケね」
男「ああ、してる。俺はお前ととりあえず、会話がしたい」
女友「…なるほどね、じゃあお互いにまず自己紹介しましょうよ、ね?」
男「自己紹介?」
女友「そう、今までは確かに啀み合ってた…だけど、会話するならまずはそれからでしょ?」
男「…確かにな」
女友「わかってくれて、ありがたいわ。えっと、あたしの名前は女友よ、南火校の二年生」
男「東風校の男だ。学年はお前と同じ二年」
女友「同年代なんだ、へぇ~。それで、その」
女友「…アンタの体質ってのはなんなのかしら?」
男「随分と直球だな」
女友「い、いいじゃない! 自分の手札を曝け出すのは、潤滑に進む手助けになるでしょっ?」
男「…じゃあまずは、お前から言え」
女友「あ、あたし? あたしはそのー……えっと、あの…」
男「どうした」ずい
女友「っ! わ、わかったわよ! 言うわよ! いえば良いんでしょ?!」
男「ああ」
女友「……く、くず…体質よ…」
男「なんだって?」
女友「っ…く、クズ! クズ体質だって言ってんの!」
男「…なんだそれは? 本気で言ってるのか?」
女友「ほ、本気に決まってるでしょ? 黄泉市総合病院から診断書ももらってるわよ!!」
女友「い、いいじゃない! 自分の手札を曝け出すのは、潤滑に進む手助けになるでしょっ?」
男「…じゃあまずは、お前から言え」
女友「あ、あたし? あたしはそのー……えっと、あの…」
男「どうした」ずい
女友「っ! わ、わかったわよ! 言うわよ! いえば良いんでしょ?!」
男「ああ」
女友「……く、くず…体質よ…」
男「なんだって?」
女友「っ…く、クズ! クズ体質だって言ってんの!」
男「…なんだそれは? 本気で言ってるのか?」
女友「ほ、本気に決まってるでしょ? 黄泉市総合病院から診断書ももらってるわよ!!」
男「クズ体質……」
女友「な、なによ…」
男「うむ。確かにぴったりな体質だな」
女友「うるさいッ」
女友「ったく……それでっ!? アンタの体質はなんだっていうのよっ!?」
男「………」
女友「アタシも言ったんだから、アンタも言いなさいよ!」
男「…そうだな、きちんと会話するためには言わなければならないな」
男「俺の体質は──」
「ふわぁ」
男&女友「っ……!!?」がくん
女友「な、なによ…」
男「うむ。確かにぴったりな体質だな」
女友「うるさいッ」
女友「ったく……それでっ!? アンタの体質はなんだっていうのよっ!?」
男「………」
女友「アタシも言ったんだから、アンタも言いなさいよ!」
男「…そうだな、きちんと会話するためには言わなければならないな」
男「俺の体質は──」
「ふわぁ」
男&女友「っ……!!?」がくん
男「なん、だっ…急に瞼が…!?」
女友「んっ…!? い、いけない…!」
女「…ふあ~」
女友「だ、ダメ! そんなに〝シンクロ〟させちゃダメよ女!!」
男「ッ…?」
女友「いけない…ッ…薬の効果が切れかけてる…! 早く飲ませてあげなきゃ…!!」ぐら…
男「お、おい……!」
女友「だ、だめ…女……それ以上…」
ドタリ
男「だ、大丈夫か…!? うぐ、駄目だ…視界が暗く…!」
女「むにゃむにゃ」
男(やはり…これは…アイツの体質か…っ!?)
女友「んっ…!? い、いけない…!」
女「…ふあ~」
女友「だ、ダメ! そんなに〝シンクロ〟させちゃダメよ女!!」
男「ッ…?」
女友「いけない…ッ…薬の効果が切れかけてる…! 早く飲ませてあげなきゃ…!!」ぐら…
男「お、おい……!」
女友「だ、だめ…女……それ以上…」
ドタリ
男「だ、大丈夫か…!? うぐ、駄目だ…視界が暗く…!」
女「むにゃむにゃ」
男(やはり…これは…アイツの体質か…っ!?)
男「薬、とか言っていたなっ…!」ぐぐっ…
男(スマンが少し漁らせて貰うぞ…)ゴソゴソ
男「あった…これか…ぐっ…!」
女「ぐぅー…ぐぅー…」
男「…〝安定剤〟かっ…俺もしばらく重宝させてもらった奴じゃあないか…」ずり…ずり…
男「……」ずりっ
女「すぅー…すぅ…」
男「お前は……」
男「……すまん、ちょっと乱暴に扱うぞ」ぐいっ
女「むぐ…むぐぅ!?」
~~~
男「ぐぅ…」
男「……ハッ!?」ババ!
男(スマンが少し漁らせて貰うぞ…)ゴソゴソ
男「あった…これか…ぐっ…!」
女「ぐぅー…ぐぅー…」
男「…〝安定剤〟かっ…俺もしばらく重宝させてもらった奴じゃあないか…」ずり…ずり…
男「……」ずりっ
女「すぅー…すぅ…」
男「お前は……」
男「……すまん、ちょっと乱暴に扱うぞ」ぐいっ
女「むぐ…むぐぅ!?」
~~~
男「ぐぅ…」
男「……ハッ!?」ババ!
男「ここは…そうだ、俺はたしか南火校と……」
男「居ない…二人共帰ったのか…?」
男「…む」くんくん
男「最悪だ…制服になんて匂いを…」
男「………」
男(しかし、あの女は──……まあ、いい)むくり
男「眼鏡を直しに行くか」
~~~~
女「ん…」
女友「起きた?」
女「…わたし」
女友「ううん、良いの。気にしないで、大丈夫だから」
男「居ない…二人共帰ったのか…?」
男「…む」くんくん
男「最悪だ…制服になんて匂いを…」
男「………」
男(しかし、あの女は──……まあ、いい)むくり
男「眼鏡を直しに行くか」
~~~~
女「ん…」
女友「起きた?」
女「…わたし」
女友「ううん、良いの。気にしないで、大丈夫だから」
女「…ごめんなさい。また体質を…」
女友「気にしないでいいから。そうでしょ? それがアンタとアタシの約束じゃない」
女「……」コク
女友「ともかく、そうね。あの東風校の奴…男だったかしら」
女「彼がどうかしたの?」
女友「…これも運命ってやつなのかしらね。アタシたちが求めてるその答えに近づくための」
女「……」
女友「二十年前に起こった大地震。それからずっと続くこの運命とやらは…」
女友「…あたしたちに、ちゃんと奇跡は起こしてくれるのかしら」
女「…」
女友「ほら、行くわよ。寮の門限過ぎちゃうしね」
女友「気にしないでいいから。そうでしょ? それがアンタとアタシの約束じゃない」
女「……」コク
女友「ともかく、そうね。あの東風校の奴…男だったかしら」
女「彼がどうかしたの?」
女友「…これも運命ってやつなのかしらね。アタシたちが求めてるその答えに近づくための」
女「……」
女友「二十年前に起こった大地震。それからずっと続くこの運命とやらは…」
女友「…あたしたちに、ちゃんと奇跡は起こしてくれるのかしら」
女「…」
女友「ほら、行くわよ。寮の門限過ぎちゃうしね」
女「…うん」
女友「絶対にアンタには、危険な目には合わせないから」
女友「…そのためにも」
女「……」
女友「四年前、絶対に収まることのないと言われた〝四校戦争〟を…」
女友「たった一人で止めたという───」
女友「──【東の吸血鬼】には会わなくちゃね」
~~~~
友「やあ、おはよう」
男「ああ」
友「今日もいい天気だねー、あれ? なにかテンション低め?」
男「何故そう思う」
女友「絶対にアンタには、危険な目には合わせないから」
女友「…そのためにも」
女「……」
女友「四年前、絶対に収まることのないと言われた〝四校戦争〟を…」
女友「たった一人で止めたという───」
女友「──【東の吸血鬼】には会わなくちゃね」
~~~~
友「やあ、おはよう」
男「ああ」
友「今日もいい天気だねー、あれ? なにかテンション低め?」
男「何故そう思う」
友「何を言ってるのさ。ボクと君との仲じゃないか、顔色を見れば一発だよ」
男「…そうか」
友「なにか悩み事かい」
男「いや、そうじゃあない。気にするな」
友「それは無理な相談だよ。君のことだから、また抱え込むじゃないかって心配するよ」
男「……」
友「男は気にするなって言うかもしれないけれど、ボクはね」
友「凄く感謝しているんだ。君という存在にさ」
男「…気持ち悪い言い方をするんじゃあない」
友「良いから言わせてよ、ね? ボクは君のためにならなんだってするつもりだよ」
友「…それぐらいのことをしてもらったんだ。その過去はなくならないんだよ」
男「…そうか」
友「なにか悩み事かい」
男「いや、そうじゃあない。気にするな」
友「それは無理な相談だよ。君のことだから、また抱え込むじゃないかって心配するよ」
男「……」
友「男は気にするなって言うかもしれないけれど、ボクはね」
友「凄く感謝しているんだ。君という存在にさ」
男「…気持ち悪い言い方をするんじゃあない」
友「良いから言わせてよ、ね? ボクは君のためにならなんだってするつもりだよ」
友「…それぐらいのことをしてもらったんだ。その過去はなくならないんだよ」
男「忘れろといったはずだ」
友「君はそういうけれど、四年前の四校戦争は…」
友「…なにがあってもなくすことはできないさ」
男「……」
友「ボクだけじゃない、他の人達だって、君の存在を知っている人間ならば──」
友「──誰だって感謝をするはずだよ」
男「………」
友「だって、そうだろう? 君はそういった意味でも英雄と語られていい存在なんだ……」
友「……【東の吸血鬼】と呼ばれた男なんだもの」
男「……」
友「君はそういうけれど、四年前の四校戦争は…」
友「…なにがあってもなくすことはできないさ」
男「……」
友「ボクだけじゃない、他の人達だって、君の存在を知っている人間ならば──」
友「──誰だって感謝をするはずだよ」
男「………」
友「だって、そうだろう? 君はそういった意味でも英雄と語られていい存在なんだ……」
友「……【東の吸血鬼】と呼ばれた男なんだもの」
男「……」
友「まあ、なんにせよ」
男「…ああ、そうだな」
友「こっ恥ずかしい名前だよね、これ」
男「本当に忘れてほしいな。なぜ、そう呼ばれてるのかさっぱりだ」
友「かっこいいけど、字面的にセンスが飛び抜けてるよ」
男「はじめにこいつを呼んだ奴を殴りたい」
友「あはは。もしそれがボクと言ったらどうするかい?」
男「…問答無用で殴る」
友「おー怖い怖い。安心してよ、ボクが作ったわけじゃないからね」
男「それは安心した」
友(まあ広めたのはボクなんだけどね)
男「…ああ、そうだな」
友「こっ恥ずかしい名前だよね、これ」
男「本当に忘れてほしいな。なぜ、そう呼ばれてるのかさっぱりだ」
友「かっこいいけど、字面的にセンスが飛び抜けてるよ」
男「はじめにこいつを呼んだ奴を殴りたい」
友「あはは。もしそれがボクと言ったらどうするかい?」
男「…問答無用で殴る」
友「おー怖い怖い。安心してよ、ボクが作ったわけじゃないからね」
男「それは安心した」
友(まあ広めたのはボクなんだけどね)
男「…それにしても」
友「うん?」
男「どうして急に昔話を持ちだしたんだ」
友「……」
男「…次からは本気で怒るぞ。俺はもうその名前を捨てたつもりだ」
男「変わったんだ。あの頃の俺はもう居ない、過去の俺とは踏ん切りをつけた」
男「──この体質で全てを牛耳ろうとした、四年前の馬鹿な俺は存在しない」
友「…そうだね」
男「お前ならわかるだろう。だから、」
友「うんわかってるさ。これからはもう、昔の話はしないよ」
男「…そうか」
友「君は変わったんだ。昔とは違う、新しい男だ」
友「ボクはそんな君にも満足しているし。ずっと親友で居たいと思ってる」
友「うん?」
男「どうして急に昔話を持ちだしたんだ」
友「……」
男「…次からは本気で怒るぞ。俺はもうその名前を捨てたつもりだ」
男「変わったんだ。あの頃の俺はもう居ない、過去の俺とは踏ん切りをつけた」
男「──この体質で全てを牛耳ろうとした、四年前の馬鹿な俺は存在しない」
友「…そうだね」
男「お前ならわかるだろう。だから、」
友「うんわかってるさ。これからはもう、昔の話はしないよ」
男「…そうか」
友「君は変わったんだ。昔とは違う、新しい男だ」
友「ボクはそんな君にも満足しているし。ずっと親友で居たいと思ってる」
友「だからこそ、この話を持ちだした。もうしないって約束するためにね」
男「……」
友「でもね、きっとまた何か起こると思うんだ」
男「なにがだ」
友「君のチカラ──体質が必要となるような運命ってのがさ」
友「ボクはそう予感してる。あはは、君は信用してくれないと思うけれど」
男「…ああ、信用しない」
男「この体質はもう、俺の勝手な都合で使えないものなんだからな」
放課後
男「……」がた
「おーい、男~」
男「む。どうした」
男「……」
友「でもね、きっとまた何か起こると思うんだ」
男「なにがだ」
友「君のチカラ──体質が必要となるような運命ってのがさ」
友「ボクはそう予感してる。あはは、君は信用してくれないと思うけれど」
男「…ああ、信用しない」
男「この体質はもう、俺の勝手な都合で使えないものなんだからな」
放課後
男「……」がた
「おーい、男~」
男「む。どうした」
「いやなによ、とにかくこっち来てくれないか」
男「…急にどうした」
東風校裏庭
男「ここまで連れてきてどうするつもり……」
女友「……」
男「だ…なんでここにいる!?」
女友「秘密。とにかくソイツに連れてきてってお願いしたの」
男「お、おい…お前…なんで南火校の生徒の…!」
「うぇっへっっへぇ~! もっと罵ってくださぁ~~~~いい!!!」
男「……」
女友「なんか知らないけれど、こいつ『ドM体質』らいいのよねッ」ゲシ!
「あっひいいいいいいい!!!」
女友「罵ってあげるって言ったら、なんでもいうこと聞いてくれるって言ったわ」
男「…急にどうした」
東風校裏庭
男「ここまで連れてきてどうするつもり……」
女友「……」
男「だ…なんでここにいる!?」
女友「秘密。とにかくソイツに連れてきてってお願いしたの」
男「お、おい…お前…なんで南火校の生徒の…!」
「うぇっへっっへぇ~! もっと罵ってくださぁ~~~~いい!!!」
男「……」
女友「なんか知らないけれど、こいつ『ドM体質』らいいのよねッ」ゲシ!
「あっひいいいいいいい!!!」
女友「罵ってあげるって言ったら、なんでもいうこと聞いてくれるって言ったわ」
男「…そうか、確かそういえばそうだったな」
「あへあへっ」
女友「ほら、あんたはもう用済みよ。ハウス!」
「きゃいーん!」だだだ
男(なにも四足歩行で行かなくとも…)
女友「…それで、アンタ」
男「な、なんだ」
女友「これから暇でしょ。ていうか、暇っていいなさいよ」
男「おい、なんだその言い草は…」
女友「……お願いがあるのよ」
男「は? お願い?」
~~~~
「あへあへっ」
女友「ほら、あんたはもう用済みよ。ハウス!」
「きゃいーん!」だだだ
男(なにも四足歩行で行かなくとも…)
女友「…それで、アンタ」
男「な、なんだ」
女友「これから暇でしょ。ていうか、暇っていいなさいよ」
男「おい、なんだその言い草は…」
女友「……お願いがあるのよ」
男「は? お願い?」
~~~~
北地区・喫茶店
カランカラーン
男「…この店を知ってるのか」
女友「有名じゃない。そもそも北地区にはこういった店多いし」
男「俺もよく使わせてもらってる、だが、南地区からは遠いだろう」
女友「アタシを舐めないでくれる? アタシの体質にかかれば、ひと目につかず行動できるわよ」
男「…クズ体質か」
女友「い、いちいち声に出さないでよ!」
男「む。アイツは…」
女友「ったく、ごめんね。待たせちゃった?」
「…大丈夫」
女「時間通りだったから。平気」
カランカラーン
男「…この店を知ってるのか」
女友「有名じゃない。そもそも北地区にはこういった店多いし」
男「俺もよく使わせてもらってる、だが、南地区からは遠いだろう」
女友「アタシを舐めないでくれる? アタシの体質にかかれば、ひと目につかず行動できるわよ」
男「…クズ体質か」
女友「い、いちいち声に出さないでよ!」
男「む。アイツは…」
女友「ったく、ごめんね。待たせちゃった?」
「…大丈夫」
女「時間通りだったから。平気」
女友「そっか」
男「………」
女「………」
女友「なに棒立ちなのよ。早く座りなさいってば」
男「…今日は平気なのか」
女「…この前はごめんなさい。私、薬が切れかけると」
女「…制御ができなくて」
男「………」
女友「…大丈夫よ、今日は薬飲んでるから。心配しないで」
男「…わかった」がた…
女友「……」がた…
男「それで、お願いとはなんだ」
男「………」
女「………」
女友「なに棒立ちなのよ。早く座りなさいってば」
男「…今日は平気なのか」
女「…この前はごめんなさい。私、薬が切れかけると」
女「…制御ができなくて」
男「………」
女友「…大丈夫よ、今日は薬飲んでるから。心配しないで」
男「…わかった」がた…
女友「……」がた…
男「それで、お願いとはなんだ」
女友「…そのまえに」
男「?」
女友「ごめんなさい。アンタには昨日と、一昨日…迷惑をかけたわ」
男「…随分と下手に出るな」
女友「あたしだって、謝るときは謝るわよ…この体質でもね」
男「……」
女友「これが最善だって思うのよ。アンタには色々と、謝らなくちゃって」
男「…そうか、ならいい。許そう」
女友「本当に?」
男「謝ることは大切だ。出来る人間と出来ない人間、俺は出来る人間のほうが好きだ」
男「だから許す。それだけだ」
女友「…そ、ならイイケド」
男「?」
女友「ごめんなさい。アンタには昨日と、一昨日…迷惑をかけたわ」
男「…随分と下手に出るな」
女友「あたしだって、謝るときは謝るわよ…この体質でもね」
男「……」
女友「これが最善だって思うのよ。アンタには色々と、謝らなくちゃって」
男「…そうか、ならいい。許そう」
女友「本当に?」
男「謝ることは大切だ。出来る人間と出来ない人間、俺は出来る人間のほうが好きだ」
男「だから許す。それだけだ」
女友「…そ、ならイイケド」
女友「…じゃあ本題に映らせてもらうわね」
男「ああ」
女友「アンタ、四校戦争っては知ってる?」
男「…この街に住む奴らは知らないはずは無いだろ」
女友「まあそうよね。じゃあ、その時に──その四校の〝トップ〟の存在は知ってるかしら」
女友「東風、西林、南火、北山」
女「その四校には四年前、【王】と呼ばれる強力な体質持ちが居たことを」
男「…知ってる」
男「北山校には【不動の北】…西林校には【静寂の西】…南火校には【情熱の南】」
男「そして東風には──【東の吸血鬼】」
女友「詳しいわね。知ってるなら話は早いわ」
女友「その四人の【王】によって、四年前──四校戦争が起こりそうになった」
男「ああ」
女友「アンタ、四校戦争っては知ってる?」
男「…この街に住む奴らは知らないはずは無いだろ」
女友「まあそうよね。じゃあ、その時に──その四校の〝トップ〟の存在は知ってるかしら」
女友「東風、西林、南火、北山」
女「その四校には四年前、【王】と呼ばれる強力な体質持ちが居たことを」
男「…知ってる」
男「北山校には【不動の北】…西林校には【静寂の西】…南火校には【情熱の南】」
男「そして東風には──【東の吸血鬼】」
女友「詳しいわね。知ってるなら話は早いわ」
女友「その四人の【王】によって、四年前──四校戦争が起こりそうになった」
女友「争いの理由──その渦中の原因はただひとつ、〝最強〟は誰か」
女友「そんなくだらない理由で、この街は、黄泉市は、争いの場所になりかけた」
男「…そうだな」
女友「だけど、そうはならなかった。寸前まで行った前線は、たった一人の【王】の存在で…」
女友「…休戦することになる」
男「……」
女友「それを行ったのは当時、中学生と思われる東風校の生徒──」
女友「──【東の吸血鬼】」
男「それが、どうした。なぜその話を急に持ち出す?」
女友「アンタは知ってるかしら。その【東の吸血鬼】の伝説を」
女友「…その存在に出会ったものは〝体質を消される〟って奴」
女友「そんなくだらない理由で、この街は、黄泉市は、争いの場所になりかけた」
男「…そうだな」
女友「だけど、そうはならなかった。寸前まで行った前線は、たった一人の【王】の存在で…」
女友「…休戦することになる」
男「……」
女友「それを行ったのは当時、中学生と思われる東風校の生徒──」
女友「──【東の吸血鬼】」
男「それが、どうした。なぜその話を急に持ち出す?」
女友「アンタは知ってるかしら。その【東の吸血鬼】の伝説を」
女友「…その存在に出会ったものは〝体質を消される〟って奴」
男「…ただの噂だ」
女友「そうよ噂よ。けれど、何人も見たという証言が在る」
男「信ぴょう性がないだろう。この街にどれほどの馬鹿げた噂があるのか知ってるだろうに」
女友「っ…だけど! 信じるしか無いのよ!」
男「……どうした、急に」
女友「っ…東の吸血鬼…その名前の由来は〝相手の存在意義〟を消し去るって聞いたわ…」
女友「だからこそ…四校の中で最強と恐れられた…東風校の…元の【王】の座を奪ったって…!」
男「………」
女友「そうしなければ、勝てないほどの体質持ちを…倒したんだって…」ぎゅっ
男「…それで、願いとはそのことか?」
女友「そう、そうよ! 四年前に突如、四校戦争を食い止め! そして、一瞬で姿をくらました…!」
女友「東の吸血鬼…ソイツに会わせてほしいのっ」
女友「そうよ噂よ。けれど、何人も見たという証言が在る」
男「信ぴょう性がないだろう。この街にどれほどの馬鹿げた噂があるのか知ってるだろうに」
女友「っ…だけど! 信じるしか無いのよ!」
男「……どうした、急に」
女友「っ…東の吸血鬼…その名前の由来は〝相手の存在意義〟を消し去るって聞いたわ…」
女友「だからこそ…四校の中で最強と恐れられた…東風校の…元の【王】の座を奪ったって…!」
男「………」
女友「そうしなければ、勝てないほどの体質持ちを…倒したんだって…」ぎゅっ
男「…それで、願いとはそのことか?」
女友「そう、そうよ! 四年前に突如、四校戦争を食い止め! そして、一瞬で姿をくらました…!」
女友「東の吸血鬼…ソイツに会わせてほしいのっ」
男「…なぜ俺に訊くんだ。俺にわかるわけがない」
女友「色々と情報を調べたけれど、やっぱり違う学校だと限界があるのよ…!」
男「だからって俺に手助けは無理だ」
女友「調べるだけでいいの! ただ、そんな人物が居なかったか…それだけで…」
男「……無理だ、俺も長くあの学校にいるが」
男「東の吸血鬼と名乗る生徒に──……出会ったことはない」
女友「……」
男「ましてや四年前の話だろう。そもそも本当かどうかもわからん噂だ」
男「…四校戦争も勝手に休戦しただけだ、大人たちもそう言っているだろう」
女友「ち、違う! 絶対に吸血鬼は居るはずよ!」バン!
女「っ…!」びく
女友「あ…ごめんね…びっくりしたわよね…」
女友「色々と情報を調べたけれど、やっぱり違う学校だと限界があるのよ…!」
男「だからって俺に手助けは無理だ」
女友「調べるだけでいいの! ただ、そんな人物が居なかったか…それだけで…」
男「……無理だ、俺も長くあの学校にいるが」
男「東の吸血鬼と名乗る生徒に──……出会ったことはない」
女友「……」
男「ましてや四年前の話だろう。そもそも本当かどうかもわからん噂だ」
男「…四校戦争も勝手に休戦しただけだ、大人たちもそう言っているだろう」
女友「ち、違う! 絶対に吸血鬼は居るはずよ!」バン!
女「っ…!」びく
女友「あ…ごめんね…びっくりしたわよね…」
男「……」
女「……」
男「…こいつの体質を、消したいのか」
女友「っ……」
男「だからお前は情報を集めているってワケか」
女友「…わかるでしょ、この子の体質はすっごく危険なの…」
男「そうだな。身を持って経験した」
女友「……」
男「…だか薬で抑えられるだろう。安定剤、あれさえあれば───」
女「──効果が短いの」
男「なにっ?」
女「私の〝体質〟に適応する薬が存在しない」
男「…馬鹿な。そんな話など聞いたことも」
女「……」
男「…こいつの体質を、消したいのか」
女友「っ……」
男「だからお前は情報を集めているってワケか」
女友「…わかるでしょ、この子の体質はすっごく危険なの…」
男「そうだな。身を持って経験した」
女友「……」
男「…だか薬で抑えられるだろう。安定剤、あれさえあれば───」
女「──効果が短いの」
男「なにっ?」
女「私の〝体質〟に適応する薬が存在しない」
男「…馬鹿な。そんな話など聞いたことも」
女「現在──数千種類の〝体質〟が確認されている」
女「けれど、私の体質は〝UNKNOWN〟…と診断された」
男「なんだと…?」
女「だけどなんとなく理解できる。私の体質はきっと──」
女「──〝シンクロ体質〟」
女「私の感情と体感を、他人に共感させる」
女「この人が泣いたら自分も泣きたくなった───」
女「この人が怒っていると自分も怒りたくなった───」
女「この人が喜ぶと自分も嬉しくなった───」
女「私はそんな人物に成り代わることが出来る」
女「発信源として、他人の心を動かすことが出来る」
男「…ば、馬鹿げている。そんな規格外の体質など…しかし…っ」
女「けれど、私の体質は〝UNKNOWN〟…と診断された」
男「なんだと…?」
女「だけどなんとなく理解できる。私の体質はきっと──」
女「──〝シンクロ体質〟」
女「私の感情と体感を、他人に共感させる」
女「この人が泣いたら自分も泣きたくなった───」
女「この人が怒っていると自分も怒りたくなった───」
女「この人が喜ぶと自分も嬉しくなった───」
女「私はそんな人物に成り代わることが出来る」
女「発信源として、他人の心を動かすことが出来る」
男「…ば、馬鹿げている。そんな規格外の体質など…しかし…っ」
女友「…出来るのよ、できちゃうのよこの子には」
男「……」
女「それに薬も効果が短く、それに性格がブレることもある」
女「今は安定してる、けれど、いつまた体質を発症させるか…わからない」
男「…初めて聞いた、そのような体質など」
女友「そうよね。アタシもこの子出会って、すっごく驚いた」
女友「けど、どうしようもないほどに…この子は危険に晒されてる」
女友「…今、南火校でトップ争いが在るのは知ってる?」
男「ああ知っているぞ」
女友「元々、南火校には派閥ってのがあって、それぞれのボスが居るのよ」
女友「…それもここ最近では、一人の強力な体質持ちが牛耳ろうとしているのだけれど」
女友「だけど、一つの派閥が対抗してて───それが通称〝黒猫組〟」
男「……」
女「それに薬も効果が短く、それに性格がブレることもある」
女「今は安定してる、けれど、いつまた体質を発症させるか…わからない」
男「…初めて聞いた、そのような体質など」
女友「そうよね。アタシもこの子出会って、すっごく驚いた」
女友「けど、どうしようもないほどに…この子は危険に晒されてる」
女友「…今、南火校でトップ争いが在るのは知ってる?」
男「ああ知っているぞ」
女友「元々、南火校には派閥ってのがあって、それぞれのボスが居るのよ」
女友「…それもここ最近では、一人の強力な体質持ちが牛耳ろうとしているのだけれど」
女友「だけど、一つの派閥が対抗してて───それが通称〝黒猫組〟」
男「ああ、あの西地区にあった倉庫での…」
女友「そう、あの黒猫組のボス…黒猫と呼ばれる生徒」
女友「他校に忌み嫌われてる南火校でも、更に南火校の生徒の中で恐れられてる存在…」
女友「その黒猫が、どうやら強力な体質持ちを探しているのよ」
男「…対向するためにか」
女友「その通り。その黒猫組は酷い噂が絶えなくて…もし仮に…この子の…」
女「……」
女友「この子の体質が彼女にバレてしまったら…」
男「…酷いことになりそうだな。争いがの火種が、更にまた酷くなる」
女友「その通りよ…だから守らなきゃいけないのっ…! この子を、あいつらから…!」
女友「だから、だから…東の吸血鬼をアタシたちは探してる…この子の…体質を消すために…」
女友「そう、あの黒猫組のボス…黒猫と呼ばれる生徒」
女友「他校に忌み嫌われてる南火校でも、更に南火校の生徒の中で恐れられてる存在…」
女友「その黒猫が、どうやら強力な体質持ちを探しているのよ」
男「…対向するためにか」
女友「その通り。その黒猫組は酷い噂が絶えなくて…もし仮に…この子の…」
女「……」
女友「この子の体質が彼女にバレてしまったら…」
男「…酷いことになりそうだな。争いがの火種が、更にまた酷くなる」
女友「その通りよ…だから守らなきゃいけないのっ…! この子を、あいつらから…!」
女友「だから、だから…東の吸血鬼をアタシたちは探してる…この子の…体質を消すために…」
男「…なるほどな」
女友「…出来ればアンタに手助けをしてもらいたいの、
何を都合のいいこと言ってるのかって…それはわかってるつもりよ…」
女友「けど…頼れるのは…アンタだけで…」
男「……」
女友「黒猫組の活動も活発になってる…最近は西林校と争いで、だんだんとチカラもつけてるみたいなの…」
女友「もう時間の問題…この子の体質がバレてしまうのも、残り僅かのはず…」
女友「だから…! お願い、この通り…! この子のためを思って、いや、アタシもなんだってするつもりよっ!」
女友「……手助けをして欲しいの」ぐぐっ
男「……」
男「お前はどう思ってるんだ」
女「……」
男「こいつは、お前の為を思って頼んでる。けれど、お前の意思はどうなんだ」
女「…私は」
女友「…出来ればアンタに手助けをしてもらいたいの、
何を都合のいいこと言ってるのかって…それはわかってるつもりよ…」
女友「けど…頼れるのは…アンタだけで…」
男「……」
女友「黒猫組の活動も活発になってる…最近は西林校と争いで、だんだんとチカラもつけてるみたいなの…」
女友「もう時間の問題…この子の体質がバレてしまうのも、残り僅かのはず…」
女友「だから…! お願い、この通り…! この子のためを思って、いや、アタシもなんだってするつもりよっ!」
女友「……手助けをして欲しいの」ぐぐっ
男「……」
男「お前はどう思ってるんだ」
女「……」
男「こいつは、お前の為を思って頼んでる。けれど、お前の意思はどうなんだ」
女「…私は」
女「私は…彼女に迷惑はかけたく、ない」
女友「っ…」
女「この体質で…人が傷付く所も…悲しむ所も見たくない…」
女「だから、そのためにできることがあるのなら」
女「──貴方にお願いしたい、です」ぺこ
男「……」
男「…そうか」
男「お前らの気持ちは分かった。どういう状況なのか、どういった理由なのかも分かった」
男「だが、承諾は出来ない」
女友「そんなっ…! 酷いじゃない!こんなにお願いしてるのに…ッ!」
男「無理なものは無理だ。手助けをしたい気持ちはある、だが、ものごとはそう簡単じゃあない」
男「…いいか、体質によって苦しめられてる人間など──この街では沢山いる」
男「やりたくないことも、体質のせいでやってしまう」
男「苦しくて大変でも、それでも人は乗り越えて生きている」
女友「っ…」
女「この体質で…人が傷付く所も…悲しむ所も見たくない…」
女「だから、そのためにできることがあるのなら」
女「──貴方にお願いしたい、です」ぺこ
男「……」
男「…そうか」
男「お前らの気持ちは分かった。どういう状況なのか、どういった理由なのかも分かった」
男「だが、承諾は出来ない」
女友「そんなっ…! 酷いじゃない!こんなにお願いしてるのに…ッ!」
男「無理なものは無理だ。手助けをしたい気持ちはある、だが、ものごとはそう簡単じゃあない」
男「…いいか、体質によって苦しめられてる人間など──この街では沢山いる」
男「やりたくないことも、体質のせいでやってしまう」
男「苦しくて大変でも、それでも人は乗り越えて生きている」
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