元スレ勇者「感情が無い」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
101 = 93 :
>>99
鏡見てみろそこに写った顔がこの勇者だ
102 = 61 :
>>101
なんとなくイラっとする顔ではあった
103 = 1 :
勇者「それでも、D姉さんにとっては妥協の中の納得なんだね」
女勇者D「……なんであんたはこうも鋭いのかなぁ」
女勇者D「そんでもってあたしは何を求めてんのかなぁー」
女勇者D「……あんたはどう思う?」
勇者「俺は心理学者でも超能力者でもないよ」
女勇者D「はは、そうだね……あんたはどうするの? 今すぐもそうだけどさ……あたし王妃になっちゃうんだよ」
女勇者D「寂しいとか、さ。なんかない?」
勇者「……会えなくなる……これが最後になるかも、か……」ブツブツ
勇者「やっぱりよく分からないな。D姉さんが幸せになるのなら、俺は特に思う事は無い」
女勇者D「あー……そうよねーあんたって奴は」
105 :
唯一の理解者が……
106 = 1 :
女勇者D「何が妥協だと思っているんだろ……それが分かれば、納得できれば」
女勇者D「あんたはあたしを無理矢理でもここから引っ張り出していくのかなぁ」ハァ
勇者「それが本当に、D姉さんにとって幸せであるなら」
女勇者D「そーかいそーかい」
勇者「何にせよ、皆とは一度会うべきだよ。できれば自分の気持ちも伝えるべきだ」
女勇者D「そーする。ま、王子様も今日の明日になんて思ってないし、魔王が討伐されてからだっていいんだしさ」
女勇者D「ありがとね。わざわざこんな事の為に」
勇者「……」
107 = 1 :
勇者「これがどういった好きなのか分からないけど、やはり俺はD姉さんを良く思っているらしい」
女勇者D「あんだけ落としていきなり持ち上げるぅ?」
勇者「いや……王宮にいるという状態が俺の両親だったら、絶対に会おうとは思わなかったから」
女勇者D「あー……そういう事ね」
勇者「用件も済んだし俺はそろそろ行くよ」
女勇者D「一人で大丈夫? もしあれならさ、あたしここに残って皆と行く?」
勇者「……多分、俺が共に過ごせるのはD姉さんだけなんだろうね」
女勇者D「それが分かっていて、何でなびいてくれないのかなぁ」
109 = 76 :
100歩譲って感情がないとしても優先順位や行動理念はあるんだよな
まあ、それがあるだけならプログラムも同じか
110 = 91 :
どこまで合理的でいられるかな
111 = 105 :
相手が魔族だとしても報酬とかちゃんとしてれば依頼受けそうだな
目的は魔王討伐で魔族の抹殺じゃないし
113 = 1 :
勇者「……」ザッザッ
女勇者D『それじゃあ一応言っておく。これが今生の別れになったら嫌だしね』
女勇者D『さようなら……勇者』
勇者『さようならD姉さん。それと幸せに』
勇者(D姉さんの事は好いていた。好いていたが)ザッザッ
勇者(あの時、特別感じる事は無かった。俺は唯一の理解者さえも……)ザッザッ
勇者(やはり感情が無い俺にとっては恋慕というものは生まれないのか)ザッザッ
114 :
しえん
115 = 1 :
勇者(もうあの大国は見えないか)ザッ
勇者(誰か来る……行商にしては馬車が見えないな)バッ
勇者(兵士達だと濡れ衣で国送りにされそうだし隠れておくか)ガササ
勇者(……あれは本当に人か? とてもじゃないがあれは動物の形……いやあの大きさ)
大鰐「グアアァァ! ガアァァァ!」
大獅子「この先に人間の国があるのか」
大狼「全く、端から攻めて行けばいいものを……」
大蜥蜴「だが成功すれば人間どもの士気を挫く事ができましょう」
117 = 1 :
大獅子「いくら大国と言えど、兵士程度では我らを倒せぬ」
大狼「勇者がいようと数人でやっと我々レベルを一体と戦えるのだろう?」
大蜥蜴「私達四体を相手にどれだけ戦えるものでしょうかねぇ」
大狼「全くだ……これで骨が無かったらガッカリだな!」
勇者(ボスクラスが四匹……あの大国を落とすつもりか)
勇者(あそこにいるのはD姉さん達のPTのみ……兵士達も大量にいるがとてもじゃないが勝算など)
勇者(ならばやる事はただ一つ)ガザッ
119 = 1 :
蜥蜴首「」ゴトッ
大狼「!?」
大獅子「大蜥蜴!」
大鰐「グウゥゥ! グアァァァ!」
勇者(できれば鈍足そうな蜥蜴と鰐を残したかったが仕方が無い)ヒュヒュン
大狼「ちぃ!」バッ
大獅子「ぬぅ……奇襲とはやってくれる!」バッ
大狼「一撃で仕留めたことは褒めてやるが一人で何が出来る!!」バッ
大獅子「待て!」
勇者「……」ドンッ
大狼「押し倒して喉ぉ食い千切る!!」グァ
121 = 1 :
大狼「」ガチガチン
勇者「……」ズル シュバッ
大獅子(覆い被さる力を利用して串刺しに……この男、普通じゃない!)
勇者(あの獅子は一筋縄ではいかないだろう……それにこの場で二対一だ)
勇者(せめて引き離して一対一に持ち込まなければ)バッ
大獅子(逃げる? いや、これは誘い込まれている……)
大獅子(面白い……乗ってやろう)
123 = 1 :
山
勇者(ここまで来ればいいか……)
勇者(獅子と鰐の位置はだいぶ離れているな)
勇者(立ち位置を誤れば挟撃される事になるが……)
勇者(早期決戦に徹しなければならないな)バッ
大獅子「出てきたか人間。奇襲でなくて良」バッ
勇者「……」ブォン
大獅子「ふん、問答無用か……だが」ジリ
大獅子「正面切って戦い我に勝てると思うてか!」バッ
124 = 91 :
敵も出来る・・・っ
125 = 60 :
大獅子かっけえな
126 = 1 :
勇者(低姿勢からの突撃……)バッ
勇者(大狼の一戦で飛び掛りは避けてきたか)ジリ
勇者(しかもあの突撃、勢いが足りない……)
勇者(こちらが攻撃に打って出たら回避して攻撃……カウンターのつもりだ。キレる奴か……やり辛いな)ヒュン
大獅子(今の一撃で向こうはより慎重になるだろう……)バッ
大獅子(向こうもこちらも決定打を出し辛くなる、が……)ザザッ
大獅子(観察にのめり込めば隙が大きくなるぞ……人間)ジリ
127 = 1 :
勇者(少し危険な賭けだが……)ザザザ
勇者(何の音……なっ)
大鰐「ゥゥゥゥ!」ザザザザ
勇者(鰐とはこんなに速く動け)
大鰐「グゥァアア!」ガバァ
大獅子「若き人間よ、己の知識を過信しすぎたな」ニタァ
128 = 91 :
熱い展開
129 = 1 :
ガガメキメシィ
勇者「ぐぅ……がはっ!」ビチャビチャ
大鰐「グゥゥゥ!」メキメキ
勇者(鎧ごと噛み砕かれる……)
大獅子「最早逃げられんよ!」ダダダ
勇者「うっ……ぐ、はぁっはぁっ」スッ
大獅子「!」ズザザ
大獅子(あの状況になって尚、戦意が失われていない?!)
大獅子(いや、それ以上にこちらに剣を? 突進する私の首でも狙おうというのか!?)
130 = 90 :
戦ってる最中が一番人間らしいな
131 = 1 :
勇者(カウンターが決まればと思ったが……思わぬ牽制になったか)ドッ
大鰐「ガアアァァァ!!」ガパァ
勇者(右腕が自由になった時点で)ドサッ
勇者「ふぅっ!」シュパン
大鰐「ガアアアアア!! グウゥゥ!」ブシュァ
勇者「!」
勇者(両断できなかった……読みが外れた)スッ
132 = 1 :
勇者「ぐっ!」バッ
大獅子「かわしたかっ!」ドザァ
勇者(鰐に手傷を負わせたとは言え、こちらは致命傷だ)ドクドク
勇者(せめて今ので首を落とせていれば……)
大獅子「貴様の存在は魔王様を脅かすだろう……我々の命果ててでもここで食い殺してくれる!!」ドド
大鰐「グゥゥ! ガアアァァァ!」ザザザッ
勇者「……く」フラ ザッ
大獅子「それで逃げられると思うたか!」バッ
134 :
わりとおもしろい
135 = 1 :
獅子首「」
鰐首「」
勇者「……はぁっ……はぁっ」ザ ザ
勇者(手持ちの薬草では出血すら止められない)ザ
勇者(ここから……町まではとても……せめて近くに村でもあれば……)ザ
勇者(木しか……無いか……眠く……もう、いいか……)ドザ
勇者(……)
多くの者はその者の事を話すのを嫌った。
それどころか、その者がいかにして旅したか。
それを知っている者がまるでいなかった。
136 = 90 :
なん・・だと・・
137 = 34 :
これで終わりじゃ無いよな
138 = 91 :
感情を一時的に無くした幼女がまだ出てきてないから続くはず
139 = 1 :
……ン ァン
勇者「!」カァン
勇者「ここは……屋内? 何が」カァン カァン
勇者「それにこの金属音は……?」カァン カァン
勇者(傷は手当されている……出血も止まっている)
勇者(何がどうなっているんだ……)
勇者(? 音が止んでいる?)
***「ほう、目覚めたか。正直助からないと思ったが、タフな奴だ」ガラ
140 = 29 :
遂に報われる時か
141 = 1 :
鍛冶師「よくもまぁ大型の魔物を一人で倒したもんだ」
勇者「自分なんてまだまだ……それよりも助けて頂き本当にありがとうございます」
鍛冶師「剣を造る者としてはな、あれだけ綺麗な断面を残す腕の者を死なす訳にはいかんからな」
勇者「……ありがとうございます。それにしても、こんな山奥でお一人で?」
鍛冶師「町中の人々の声はな……私みたいな弱い者には心の毒だ」
鍛冶師「こうして一線を引いていなくては、すぐに都合の良い言葉に溺れてしまう」
勇者「とても、そのような方とはお見受けしませんが……」
鍛冶師「はは、死人のような顔をして一丁前のお世辞を言う」
勇者(事実死人のようなものだから、違和感無く接せられているのか)ペタ
142 = 1 :
鍛冶師「魔王討伐の勇者、ね。なんでもかんでも下らない話にこじ付け」
鍛冶師「こんな若者に負わせるなど、国のお偉いさんの考えは分からんよ」
鍛冶師「使命の事なんぞ忘れて、しばらくはここでゆっくりして行くと良い」
勇者「はい……どの道、この傷では自力で下山する事も叶いませんので」
鍛冶師「だろうな」
鍛冶師「なに、この辺りは魔物も少なく、私が全滅させて以来滅多に見る事も無い」
鍛冶師「安心して休むと良い」
143 :
おっさん強ぇ
144 = 90 :
鍛冶師つえーなおい
145 = 1 :
……
勇者「……」ガゴォン ガゴン
勇者「……こんな所か」ガゴォン
工房
勇者「薪割り終わりました」ゴォォォ
鍛冶師「そうか」ゴォォォ
勇者「……見学をしていてもよろしいでしょうか?」ゴォォォ
鍛冶師「構わんがあまり無理をするなよ」ゴォォォ
146 = 1 :
鍛冶師「……」ガァンガァン
勇者「……ふぅ……ふぅ」ガァンガァン
鍛冶師「……」ガァンガァン
勇者「……はぁ……ぐ」クラッ
勇者「失礼、します」ノロノロ
鍛冶師「ああ、切りがついたら私も上がる」ガァンガァン
勇者「は、い……」ガチャ
148 = 1 :
鍛冶師「いただきます」
勇者「いただきます」
鍛冶師「それにしても、だいぶ工房に篭っていられるようになったな」
勇者「あれでだいぶ、でしょうか?」
鍛冶師「あそこはな、特殊な金属でも鍛造できるよう、かなりの高温にできる炉なのだよ」
鍛冶師「初めて入った時にせよ、あそこまで居続けて自力で出て行く者は見た事が無いな」
勇者「しかし、貴方には遠く及びません。自分はいるだけですら、貴方があそこにいる時間の半分も耐えられない」
鍛冶師「年季が違うからな。だが逆を言えばそれだけの差があるにも関わらず、お前もそれなりの時間居られるという事だ」
勇者(それは何か違う気もするが……)
150 = 1 :
鍛冶師「よくよく考えたら……お前は一人であの魔物四体を倒したんだったな」
勇者「ええ、まあ……四体? 麓まで行かれたのですか?」
鍛冶師「二体については行商から聞いたのだよ」
鍛冶師「並程度では一人で一体を相手にする事も敵わんと聞く。よく生きていたな」
鍛冶師「どうすればそうも勝てるのだ?」
勇者「……とにかく急所を狙う事でしょうか? 早ければ早いほどこちらの傷も浅く済みますし」
鍛冶師「大概は首を切り落とされていたようだからなぁ……しかしそれだけでは済むまい」
勇者「後はそうですね……とにかく立ち上がる事ですか」
鍛冶師「立ち上がる?」
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