元スレ勇者「感情が無い」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
国王「行け! 勇者の末裔よ!」
国王「魔王は既に復活している! その証拠に各地で魔物の被害が広がっている!」
国王「だが魔王の復活は完全ではない! 今こそ、数百年前の戦いに終止符を打つのだ!!」バン
勇者A「おーお前も来てたか」
勇者B「当たり前だろっ」
勇者C「俺、剣術とか向いてないんだけどな」
勇者D「お前魔法上手いんだいいじゃねーか」
勇者「……」
2 :
長いから産業
4 = 1 :
勇者A「おぉい……見ろよ、あいつもいるぞ」
勇者D「うわっマジだっウケる」
勇者C「あいつPTどうするつもりなんだ?」
勇者B「あいつと組む奴なんかいないだろ? ゴーレムだぜ?」
勇者A「向こうじゃそう呼ばれてるのか。こっちは鉄仮面だぜ」
勇者D「何があっても眉一つ動かさねーもんな。目も死んでるみたいでまんまカラクリだぜ」
勇者「……」チラ
勇者A「!」ゾクッ
勇者C「うぉっ……」
勇者D「い、行こうぜ」
5 = 1 :
勇者「……魔王」
勇者「……」
女勇者A「でさー」
女勇者B「マジウケルー!」
女勇者C「ないわー」
女勇者D「冗談じゃなかったら引くわー……ぉっ」
6 = 1 :
勇者「……」
勇者「……」フィ
女勇者D「あーごめん、先行ってて」
女勇者A「どしたの?」
女勇者D「ちょーっと忘れ物。すぐ戻るからさー」
女勇者B「置いてっちゃうぞー」
女勇者C「三分間待ってやる」キリッ
女勇者D「待ち合わせは中央の噴水でー」フリフリ
7 :
溢れた感情はwwwwwwwwwwwwwwww
8 = 1 :
女勇者D「久しぶり。元気そうで何よりだわー」
勇者「D姉さんこそ」
女勇者D「全く、あたしなんかの事気にせず話しかけてくれれば良いのに」
勇者「楽しい事にはならないよ」
女勇者D「いやー皆が驚く様は見物だと思うけどなー」
女勇者D「それにしても勇者は大丈夫? 一人なんでしょ?」
女勇者D「何ならあたしの所に来る? ハーレムよぉ」
勇者「……」フルフル
9 :
勇者ばっかや
10 :
勇者だけのパーティーって
おかしくね?
11 = 1 :
勇者「D姉さんは友達と楽しんできなよ」
女勇者D「っぷ、何それ。遠足じゃないんだからさー」
勇者「それもそうか」
女勇者D「……」
勇者「……」
女勇者D「……ねえ勇者。辛かったら本当の事を言ってくれていいんだよ?」
勇者「……どうでもいい。良いも悪いも……感情の無い俺には分からない」
12 :
魔王は絶対ゆうなまみたいな魔王だろ
13 = 12 :
これは名前に『ああああ』とか入れられた勇者だわ
14 :
脳男かと
15 = 1 :
女勇者D「……そう。でもさ、何時も言っている事だけど」
女勇者D「勇者には絶対感情があるよ。それが分かってないだけ」
勇者「……」
勇者「……そんなもの、どうでもいい」
女勇者D「はあ……ま、そーよねー」
女勇者D「……旅には出るの?」
勇者「ああ」
女勇者D「じゃー死ぬんじゃないわよ。従姉弟とは言えあんたは大切な弟だし」
女勇者D「大切な家族なんだから。少なくともあたしはそう思っている」
勇者「D姉さんも気をつけて」
女勇者D「……うん! どっかで会ったらそん時はよろしくねー!」フリフリ
16 :
お昼の感情を、ない奴、かと、思った
17 = 1 :
勇者「……」
勇者「……」ザッザッ
「おい、見ろよ……」
「あいつも王様の謁見に?」
「まー確かに魔王も機械的に殺してくれそうだよな」
勇者「……」ザッザッ
「これでやっとこの町から魔物がいなくなるのか」
「安心して眠れるな」
「疫病神が……とっとと出て行け」
勇者「……」ザッザッ
18 = 1 :
勇者の家
勇者「……」ザッ
「……られない」
勇者「……」
「もう耐えられないわ! なんで今になって魔王なの!」
「あんな……人とも思えない子を抱えた今……」
「アレが一体、何の活躍をすると言うの!?」
「落ち着け。もうしばらく、もうしばらくすればあいつも旅に出るだろう」
「そうしたら……静かな場所に移り住もう。あんな化け物と、一緒にいる必要も無くなる」
勇者「……」ガチャ
母「ゆ、勇者! お、おかえりなさい……」
父「お、おお、帰ったか。どうだった、王様のお話は」
勇者「どうでもいい」フィ
19 = 1 :
深夜
勇者「……」ガサガサガチャガチャ
勇者「……行くか」
勇者「……」
勇者「西の果てに魔王……とりあえずは西でいいか」
勇者「……」ザッザッ
遥か昔、悪事の限りを尽くした魔王がいたという。
それを討った者を勇者と呼び、永く語り継がれた。
20 = 1 :
魔物の群れの死骸
勇者「……」ザクッグシュブジュ
勇者(これだけあれば材料として金になるだろう)
勇者「……」ポタポタ
勇者(川ぐらいは入っておくか)
隣の町
勇者「……」ザッザッ
「お、おい……あれ」
「な、なんでここに」
21 = 1 :
道具屋「ひぃっ! あ、あの……」
勇者「これらを買い取ってもらいたい」ドザ
道具屋(魔物の牙や骨? そ、そりゃ素材になるだろうが)
道具屋(異臭にこの袋の血……こいつ、今正に剥ぎ取ってきたのか?!)
勇者「駄目か?」ジッ
道具屋「かか買い取らせて頂きます! 代金はこちら! こちらです!」ドジャ
勇者「助かる」ジャラ
道具屋(二度と来るな、このキチガイが!!)
22 = 1 :
勇者(路銀は心許無いし、何か依頼を受けたいが)チラ
「いやー残念だなぁ! 出ていた依頼全部終わってしまったんだよなーははははは!」バリバリ
勇者「わざわざ剥がさなくても断ってくれて構わないが」ジッ
「は、ははは……」
宿屋「え、ええと……その」
勇者「そこの札通りの金はあるぞ」ジャラ
宿屋「あ……あぁぅ……よ、ようこそ……」
23 = 1 :
翌日
勇者(せめてもっと遠くへ行かないとまともに買い物もできないか)ザッザッ
勇者(大規模な魔物の群れ……)スラァン
勇者(依頼が受けられなかった分の路銀稼ぎには十分だ)ザッ
勇者「……」ザクッグシャ
勇者(稼ぎにはなるが……今からこの量で町まで運べるだろうか)フゥ
24 = 1 :
……
勇者(この町だったらどうだろうか……?)
勇者「これを売却したい」
道具屋「……」ジロリ
道具屋「あんた、本当に勇者か? 盗賊や山賊じゃあないだろうな」
勇者「ああ、これが勇者の証だ」チャラ
道具屋「それだって盗品だったら……ちっしゃあねえな」ボリボリ
道具屋「ったく……なんだってこんな人形みてぇな奴が」ブツブツ
25 :
しえん
26 = 1 :
依頼所
勇者(やはり俺は何処に行っても変わらないな)
勇者(いや、対応されるだけでまだましか)
勇者(魔物の巣討伐の依頼か……)
勇者「この依頼受諾を」
受付「はい、ではこち……」ビク
勇者「……?」
受付「ゆ、勇者の方、ですか?」
勇者「ああ。これが国から渡された証だ」チャラ
受付「で、ではこちらに氏名と判を」
27 = 1 :
勇者「……」ザンズバン
勇者「こんなところか」キョロキョロ
勇者「折角だし収集物も回収しておくか」
依頼所
勇者「……」
勇者E「よ、よお」
勇者F「おう、後片付けご苦労だったな」
勇者G「じゃあな!」バッ
受付「……え? 仲間の方では?」
勇者「……いえ、そうです」クル
28 = 1 :
勇者(収集物を回収しておいて良かった)
勇者(それにしてもそうか……他は複数人で戦うから俺よりも進むペースは速くなる)
勇者(これなら全員が旅立ってから……いや、どの道あそこに居場所なんて無かったら変わらないか)
勇者(朝一で発つか……俺は何処に行きたいんだろう)
しかしそれは一時的に封じたに過ぎず、
その後の世、魔王が再び目を覚ましたのだった。
彼の子孫達は勇者として、再び魔王を討つべく旅立った。
29 :
嫌いじゃない
30 = 1 :
勇者「……」ザッザッ
勇者「ふぅ……」
勇者(道は険しいがこの山間の町を抜ければ後は一気に越えられる)
勇者(そろそろ装備を買い換えないと……駄目になってきたな)
ザワザワ
勇者(?)
「何という事だ……」
「どうにかならないのか……」
「先日の襲撃で多くの衛兵を失った今……どうする事も」
31 = 1 :
勇者「……」
「うん? おお、君は勇……なんだ、君は?」
「死人のような顔……おぞましい」ヒソヒソ
「しかしこの時世に旅? 勇者に違いない」ヒソヒソ
「いっそ頼んでみるか?」ヒソヒソ
勇者「内容次第ですが依頼という事なら引き受けますよ」
「依頼? なんて現金な」ヒソヒソ
「いや、しかしこれほどの事、正式に依頼として出すべきだ」ヒソヒソ
「うむ……先日、魔物の襲撃を受け、子供が一人攫われてしまったんだ」
「この際、君の素性を暴きたてようとはしない。頼む! あの子を助けてくれ!」
33 = 1 :
『魔物達は南西の方に向かった。あそこは切り立った崖がある。恐らく洞窟を住処にしているのだろう』
勇者「あれか……」ザッ
勇者(道中の敵は大した事が無かったが、この中はどうだろうか?)
勇者「……」ザシュザンッ
勇者(これなら何とでもなりそうだな)ズジャ
勇者(そろそろ最奥か?)シュパッ
35 = 1 :
大熊「ほぉぅ」
女の子「た、助けて下さい!」
大熊「人間がここまでくるたぁー大したもんだ」
大熊「が、運が悪かったな。俺様が相手じゃあ数秒でミンチだぜぇ!」ガハハ
勇者「……」ザッ
大熊「飽くまでやるってか。なら……死にな!!」グォ
勇者(体躯に似合わず速……)ゴッ
36 = 1 :
勇者「……つ」ドガッ
女の子「あ……」
大熊「っち、一撃ぐらい避けてくれなきゃつまらねーだろぉ。ったく、良い玩具かと思ったが」
勇者「……」ムクリ
大熊「お……おお、俺様の一撃に耐えられるたぁー見上げたもんだ。ここまで来たのは伊達じゃねえってか」
大熊「なぁら、次はどうだぁ!」ゴゥッ
勇者「……」ユラリ
37 = 1 :
勇者「……ぐ」ドゥッ
大熊「……」
大熊「立ち上がった根性は褒めてやるが……結局避けもせず二発目も直撃か」
大熊「がっかりだぜ」
勇者「……」ムクリ
女の子「……に、逃げて下さい!」
大熊「!? なんでだ? なんで死んでねぇ!」
勇者「……」フラ ザッ
大熊(しかもなんで向かってくるんだ?! 勝てねぇって分かりきってるだろう?!)
38 = 1 :
勇者「……」フラ ザッ
大熊(あんなおぼつかねぇ足取りで何ができるってんだ)
勇者「……」フラ ザッ
大熊(何より、気に食わねぇ……気に食わねぇよ)
勇者「……」フラ ザッ
大熊「俺様の攻撃を二度も受けて生きているなんてよぉ!!」ガアァ
大熊「くだばりやがれぇ!!」ゴゥ
勇者「……」ザッ
40 = 1 :
勇者「……」ヒラリ
大熊「?!」ブォン
大熊(避けた?! じゃあ今までのは俺の動きを見切)ドッ
勇者「……ぅぅ」ギリギリ
勇者「ふっ!」ズバン
大熊「あっ! がぁ! ごほっ! ぁっ!」カヒューカヒュー
勇者「はぁ……はぁ……」ドサ
41 = 1 :
大熊「」
勇者「死んだ、か……」ムクリ
勇者「……」ユラ ユラ
女の子「ひぃ!」
勇者「……」ガチャガチャ ガチャン
女の子「……」ガタガタ
勇者「俺が……恐ろしいか」
女の子「……」ブルブル
勇者「距離を取ってでも付いて来い……この洞窟は入り組んでいる」
勇者「迷えば飢えて死ぬぞ……」フラ フラ
42 = 1 :
勇者「……」ザッ ザッ
女の子「外の光……!」
勇者「後はここ真っ直ぐ……」フラ フラ
勇者A「お前は……!」
勇者B「その女の子は……」
勇者D「き、君……こちらに来るんだ!」
女の子「!」パタタ
女の子「……」ギュゥ
勇者A「おおっと……もう、大丈夫だからな」ナデナデ
勇者「……」クルリ
勇者「……」フラ ザ
43 = 29 :
報われないな
44 = 1 :
勇者A「は、早く町に連れて行ってあげよう」
勇者D「だな」
勇者B「もう心配ないからな。お兄ちゃん達が町に送っていってあげるから」
勇者C「……」
勇者「……」ザ ザ
勇者C「おい」
勇者「……? 口止めされなくても……多言したりなど」
勇者C「んな事じゃねーよ。お前……一人であそこの洞窟の魔物を倒したのか?」
勇者「見ての、通りだ……」フゥ
勇者C「……俺は人としてお前を気色悪く思う。だが戦う者としては尊敬を禁じ得ない」
勇者「……どうでもいい話だ」
46 = 1 :
勇者C「だろうな……。お前の手柄を横取りする形になった。せめてこれくらいは使ってくれ」パサ
勇者「薬草の束……使わせてもらう」
勇者C「本当ならば、お前は激昂して襲い掛かってきても文句を言われないだろうに」
勇者「……」
勇者C「自分を押さえつけているのか、何も感じないのか……何れにしても本当に気持ちの悪い奴だ」
勇者「……どうでもいい」
勇者C「ふん、そういうところが嫌いだよ」クル
勇者「……」
勇者(怒るとは……どんな気持ちなのだろうか)
47 = 32 :
え
48 = 1 :
勇者(装備を買い換えてから臨んで良かった)ペタペタ
勇者(危うく古い装備で次の町まで進まなければならないところだった)
勇者(中級品の薬草か……かなり効くもんだな)シュゥゥ
勇者(この分だと俺が魔王城までの旅路を半分進む頃には)
勇者(殆どの勇者達が魔王の近くまで到達していそうだな)
勇者(適当に旅をして……何処かで根を下ろす事を考えるべきか)
勇者(根を下ろす、か。俺にそんな場所があるのだろうか)
49 :
いいね
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