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    元スレ勇者「感情が無い」

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    1 :

    国王「行け! 勇者の末裔よ!」

    国王「魔王は既に復活している! その証拠に各地で魔物の被害が広がっている!」

    国王「だが魔王の復活は完全ではない! 今こそ、数百年前の戦いに終止符を打つのだ!!」バン


    勇者A「おーお前も来てたか」

    勇者B「当たり前だろっ」

    勇者C「俺、剣術とか向いてないんだけどな」

    勇者D「お前魔法上手いんだいいじゃねーか」

    勇者「……」

    2 :

    長いから産業

    4 = 1 :

    勇者A「おぉい……見ろよ、あいつもいるぞ」

    勇者D「うわっマジだっウケる」

    勇者C「あいつPTどうするつもりなんだ?」

    勇者B「あいつと組む奴なんかいないだろ? ゴーレムだぜ?」

    勇者A「向こうじゃそう呼ばれてるのか。こっちは鉄仮面だぜ」

    勇者D「何があっても眉一つ動かさねーもんな。目も死んでるみたいでまんまカラクリだぜ」

    勇者「……」チラ

    勇者A「!」ゾクッ

    勇者C「うぉっ……」

    勇者D「い、行こうぜ」

    5 = 1 :

    勇者「……魔王」

    勇者「……」

    勇者A「でさー」

    勇者B「マジウケルー!」

    勇者C「ないわー」

    勇者D「冗談じゃなかったら引くわー……ぉっ」

    6 = 1 :

    勇者「……」

    勇者「……」フィ

    勇者D「あーごめん、先行ってて」

    勇者A「どしたの?」

    勇者D「ちょーっと忘れ物。すぐ戻るからさー」

    勇者B「置いてっちゃうぞー」

    勇者C「三分間待ってやる」キリッ

    勇者D「待ち合わせは中央の噴水でー」フリフリ

    7 :

    溢れた感情はwwwwwwwwwwwwwwww

    8 = 1 :

    勇者D「久しぶり。元気そうで何よりだわー」

    勇者「D姉さんこそ」

    勇者D「全く、あたしなんかの事気にせず話しかけてくれれば良いのに」

    勇者「楽しい事にはならないよ」

    勇者D「いやー皆が驚く様は見物だと思うけどなー」

    勇者D「それにしても勇者は大丈夫? 一人なんでしょ?」

    勇者D「何ならあたしの所に来る? ハーレムよぉ」

    勇者「……」フルフル

    9 :

    勇者ばっかや

    10 :

    勇者だけのパーティーって
    おかしくね?

    11 = 1 :

    勇者「D姉さんは友達と楽しんできなよ」

    勇者D「っぷ、何それ。遠足じゃないんだからさー」

    勇者「それもそうか」

    勇者D「……」

    勇者「……」

    勇者D「……ねえ勇者。辛かったら本当の事を言ってくれていいんだよ?」

    勇者「……どうでもいい。良いも悪いも……感情の無い俺には分からない」

    12 :

    魔王は絶対ゆうなまみたいな魔王だろ

    13 = 12 :

    これは名前に『ああああ』とか入れられた勇者だわ

    14 :

    脳男かと

    15 = 1 :

    勇者D「……そう。でもさ、何時も言っている事だけど」

    勇者D「勇者には絶対感情があるよ。それが分かってないだけ」

    勇者「……」

    勇者「……そんなもの、どうでもいい」

    勇者D「はあ……ま、そーよねー」

    勇者D「……旅には出るの?」

    勇者「ああ」

    勇者D「じゃー死ぬんじゃないわよ。従姉弟とは言えあんたは大切な弟だし」

    勇者D「大切な家族なんだから。少なくともあたしはそう思っている」

    勇者「D姉さんも気をつけて」

    勇者D「……うん! どっかで会ったらそん時はよろしくねー!」フリフリ

    16 :

    お昼の感情を、ない奴、かと、思った

    17 = 1 :

    勇者「……」

    勇者「……」ザッザッ

    「おい、見ろよ……」
    「あいつも王様の謁見に?」
    「まー確かに魔王も機械的に殺してくれそうだよな」

    勇者「……」ザッザッ

    「これでやっとこの町から魔物がいなくなるのか」
    「安心して眠れるな」
    「疫病神が……とっとと出て行け」

    勇者「……」ザッザッ

    18 = 1 :

    勇者の家
    勇者「……」ザッ

    「……られない」

    勇者「……」

    「もう耐えられないわ! なんで今になって魔王なの!」
    「あんな……人とも思えない子を抱えた今……」
    「アレが一体、何の活躍をすると言うの!?」

    「落ち着け。もうしばらく、もうしばらくすればあいつも旅に出るだろう」
    「そうしたら……静かな場所に移り住もう。あんな化け物と、一緒にいる必要も無くなる」

    勇者「……」ガチャ

    「ゆ、勇者! お、おかえりなさい……」

    「お、おお、帰ったか。どうだった、王様のお話は」

    勇者「どうでもいい」フィ

    19 = 1 :

    深夜
    勇者「……」ガサガサガチャガチャ

    勇者「……行くか」

    勇者「……」

    勇者「西の果てに魔王……とりあえずは西でいいか」

    勇者「……」ザッザッ


    遥か昔、悪事の限りを尽くした魔王がいたという。
    それを討った者を勇者と呼び、永く語り継がれた。

    20 = 1 :

    魔物の群れの死骸
    勇者「……」ザクッグシュブジュ

    勇者(これだけあれば材料として金になるだろう)

    勇者「……」ポタポタ

    勇者(川ぐらいは入っておくか)


    隣の町
    勇者「……」ザッザッ

    「お、おい……あれ」
    「な、なんでここに」

    21 = 1 :

    道具屋「ひぃっ! あ、あの……」

    勇者「これらを買い取ってもらいたい」ドザ

    道具屋(魔物の牙や骨? そ、そりゃ素材になるだろうが)

    道具屋(異臭にこの袋の血……こいつ、今正に剥ぎ取ってきたのか?!)

    勇者「駄目か?」ジッ

    道具屋「かか買い取らせて頂きます! 代金はこちら! こちらです!」ドジャ

    勇者「助かる」ジャラ

    道具屋(二度と来るな、このキチガイが!!)

    22 = 1 :

    勇者(路銀は心許無いし、何か依頼を受けたいが)チラ

    「いやー残念だなぁ! 出ていた依頼全部終わってしまったんだよなーははははは!」バリバリ

    勇者「わざわざ剥がさなくても断ってくれて構わないが」ジッ

    「は、ははは……」


    宿屋「え、ええと……その」

    勇者「そこの札通りの金はあるぞ」ジャラ

    宿屋「あ……あぁぅ……よ、ようこそ……」

    23 = 1 :

    翌日
    勇者(せめてもっと遠くへ行かないとまともに買い物もできないか)ザッザッ

    勇者(大規模な魔物の群れ……)スラァン

    勇者(依頼が受けられなかった分の路銀稼ぎには十分だ)ザッ


    勇者「……」ザクッグシャ

    勇者(稼ぎにはなるが……今からこの量で町まで運べるだろうか)フゥ

    24 = 1 :

    ……
    勇者(この町だったらどうだろうか……?)

    勇者「これを売却したい」

    道具屋「……」ジロリ

    道具屋「あんた、本当に勇者か? 盗賊や山賊じゃあないだろうな」

    勇者「ああ、これが勇者の証だ」チャラ

    道具屋「それだって盗品だったら……ちっしゃあねえな」ボリボリ

    道具屋「ったく……なんだってこんな人形みてぇな奴が」ブツブツ

    25 :

    しえん

    26 = 1 :

    依頼所
    勇者(やはり俺は何処に行っても変わらないな)

    勇者(いや、対応されるだけでまだましか)

    勇者(魔物の巣討伐の依頼か……)

    勇者「この依頼受諾を」

    受付「はい、ではこち……」ビク

    勇者「……?」

    受付「ゆ、勇者の方、ですか?」

    勇者「ああ。これが国から渡された証だ」チャラ

    受付「で、ではこちらに氏名と判を」

    27 = 1 :

    勇者「……」ザンズバン

    勇者「こんなところか」キョロキョロ

    勇者「折角だし収集物も回収しておくか」

    依頼所
    勇者「……」

    勇者E「よ、よお」

    勇者F「おう、後片付けご苦労だったな」

    勇者G「じゃあな!」バッ

    受付「……え? 仲間の方では?」

    勇者「……いえ、そうです」クル

    28 = 1 :

    勇者(収集物を回収しておいて良かった)

    勇者(それにしてもそうか……他は複数人で戦うから俺よりも進むペースは速くなる)

    勇者(これなら全員が旅立ってから……いや、どの道あそこに居場所なんて無かったら変わらないか)

    勇者(朝一で発つか……俺は何処に行きたいんだろう)


    しかしそれは一時的に封じたに過ぎず、
    その後の世、魔王が再び目を覚ましたのだった。
    彼の子孫達は勇者として、再び魔王を討つべく旅立った。

    29 :

    嫌いじゃない

    30 = 1 :

    勇者「……」ザッザッ

    勇者「ふぅ……」

    勇者(道は険しいがこの山間の町を抜ければ後は一気に越えられる)

    勇者(そろそろ装備を買い換えないと……駄目になってきたな)

    ザワザワ
    勇者(?)

    「何という事だ……」
    「どうにかならないのか……」
    「先日の襲撃で多くの衛兵を失った今……どうする事も」

    31 = 1 :

    勇者「……」

    「うん? おお、君は勇……なんだ、君は?」
    「死人のような顔……おぞましい」ヒソヒソ
    「しかしこの時世に旅? 勇者に違いない」ヒソヒソ
    「いっそ頼んでみるか?」ヒソヒソ

    勇者「内容次第ですが依頼という事なら引き受けますよ」

    「依頼? なんて現金な」ヒソヒソ
    「いや、しかしこれほどの事、正式に依頼として出すべきだ」ヒソヒソ
    「うむ……先日、魔物の襲撃を受け、子供が一人攫われてしまったんだ」
    「この際、君の素性を暴きたてようとはしない。頼む! あの子を助けてくれ!」

    33 = 1 :

    『魔物達は南西の方に向かった。あそこは切り立った崖がある。恐らく洞窟を住処にしているのだろう』

    勇者「あれか……」ザッ

    勇者(道中の敵は大した事が無かったが、この中はどうだろうか?)


    勇者「……」ザシュザンッ

    勇者(これなら何とでもなりそうだな)ズジャ

    勇者(そろそろ最奥か?)シュパッ

    35 = 1 :

    大熊「ほぉぅ」

    の子「た、助けて下さい!」

    大熊「人間がここまでくるたぁー大したもんだ」

    大熊「が、運が悪かったな。俺様が相手じゃあ数秒でミンチだぜぇ!」ガハハ

    勇者「……」ザッ

    大熊「飽くまでやるってか。なら……死にな!!」グォ

    勇者(体躯に似合わず速……)ゴッ

    36 = 1 :

    勇者「……つ」ドガッ

    の子「あ……」

    大熊「っち、一撃ぐらい避けてくれなきゃつまらねーだろぉ。ったく、良い玩具かと思ったが」

    勇者「……」ムクリ

    大熊「お……おお、俺様の一撃に耐えられるたぁー見上げたもんだ。ここまで来たのは伊達じゃねえってか」

    大熊「なぁら、次はどうだぁ!」ゴゥッ

    勇者「……」ユラリ

    37 = 1 :

    勇者「……ぐ」ドゥッ

    大熊「……」

    大熊「立ち上がった根性は褒めてやるが……結局避けもせず二発目も直撃か」

    大熊「がっかりだぜ」

    勇者「……」ムクリ

    の子「……に、逃げて下さい!」

    大熊「!? なんでだ? なんで死んでねぇ!」

    勇者「……」フラ ザッ

    大熊(しかもなんで向かってくるんだ?! 勝てねぇって分かりきってるだろう?!)

    38 = 1 :

    勇者「……」フラ ザッ

    大熊(あんなおぼつかねぇ足取りで何ができるってんだ)

    勇者「……」フラ ザッ

    大熊(何より、気に食わねぇ……気に食わねぇよ)

    勇者「……」フラ ザッ

    大熊「俺様の攻撃を二度も受けて生きているなんてよぉ!!」ガアァ

    大熊「くだばりやがれぇ!!」ゴゥ

    勇者「……」ザッ

    40 = 1 :

    勇者「……」ヒラリ

    大熊「?!」ブォン

    大熊(避けた?! じゃあ今までのは俺の動きを見切)ドッ

    勇者「……ぅぅ」ギリギリ

    勇者「ふっ!」ズバン

    大熊「あっ! がぁ! ごほっ! ぁっ!」カヒューカヒュー

    勇者「はぁ……はぁ……」ドサ

    41 = 1 :

    大熊「」

    勇者「死んだ、か……」ムクリ

    勇者「……」ユラ ユラ

    の子「ひぃ!」

    勇者「……」ガチャガチャ ガチャン

    の子「……」ガタガタ

    勇者「俺が……恐ろしいか」

    の子「……」ブルブル

    勇者「距離を取ってでも付いて来い……この洞窟は入り組んでいる」

    勇者「迷えば飢えて死ぬぞ……」フラ フラ

    42 = 1 :

    勇者「……」ザッ ザッ

    の子「外の光……!」

    勇者「後はここ真っ直ぐ……」フラ フラ

    勇者A「お前は……!」
    勇者B「その女の子は……」
    勇者D「き、君……こちらに来るんだ!」

    の子「!」パタタ

    の子「……」ギュゥ

    勇者A「おおっと……もう、大丈夫だからな」ナデナデ

    勇者「……」クルリ

    勇者「……」フラ ザ

    43 = 29 :

    報われないな

    44 = 1 :

    勇者A「は、早く町に連れて行ってあげよう」
    勇者D「だな」
    勇者B「もう心配ないからな。お兄ちゃん達が町に送っていってあげるから」
    勇者C「……」

    勇者「……」ザ ザ

    勇者C「おい」

    勇者「……? 口止めされなくても……多言したりなど」

    勇者C「んな事じゃねーよ。お前……一人であそこの洞窟の魔物を倒したのか?」

    勇者「見ての、通りだ……」フゥ

    勇者C「……俺は人としてお前を気色悪く思う。だが戦う者としては尊敬を禁じ得ない」

    勇者「……どうでもいい話だ」

    46 = 1 :

    勇者C「だろうな……。お前の手柄を横取りする形になった。せめてこれくらいは使ってくれ」パサ

    勇者「薬草の束……使わせてもらう」

    勇者C「本当ならば、お前は激昂して襲い掛かってきても文句を言われないだろうに」

    勇者「……」

    勇者C「自分を押さえつけているのか、何も感じないのか……何れにしても本当に気持ちの悪い奴だ」

    勇者「……どうでもいい」

    勇者C「ふん、そういうところが嫌いだよ」クル

    勇者「……」

    勇者(怒るとは……どんな気持ちなのだろうか)

    47 = 32 :

    48 = 1 :

    勇者(装備を買い換えてから臨んで良かった)ペタペタ

    勇者(危うく古い装備で次の町まで進まなければならないところだった)

    勇者(中級品の薬草か……かなり効くもんだな)シュゥゥ

    勇者(この分だと俺が魔王城までの旅路を半分進む頃には)

    勇者(殆どの勇者達が魔王の近くまで到達していそうだな)

    勇者(適当に旅をして……何処かで根を下ろす事を考えるべきか)

    勇者(根を下ろす、か。俺にそんな場所があるのだろうか)

    49 :

    いいね


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