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    元スレ幼馴染「来ちゃった」

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    51 = 1 :

    「……帰りたくない?」

    「……変な意味じゃなくてね、その」

    「甘えたかったんだ、誰かに」

    「……」

    「プライベートに遊べる友人なんて、本当に友と男ぐらいしかいなくて、」

    「でも仕事だらけの毎日だから、何だかんだで遊べなくて、休日は家で寝てばかりいて……」

    「それで、気付いたら……寂しい気持ちが募りまくって、泣いちゃってた」

    「……」

    「本当はね、ここに来る時は、こんなつもりじゃなかったの」

    「適当に遊んで憂さを晴らし終えたら帰るつもりだったんだけど、」

    「……男と一緒にいるのが楽しいから、もっと寂しくなっちゃって」

    「……」

    「わ、わがままでごめんね」

    「だけど、男と一緒にいるの……大好きだから、帰りたくないんだ」

    「だから男の側に居させて……」

    53 = 1 :

    「チェンジ」

    「……はい?」

    「今のセリフは頂けないな」

    「あ、あの、なに? どういうこと?」

    「ただでさえ告白じみた浮いたセリフだったが、はっきり言わなかったところが気に入らない」

    「何だよ、俺と一緒にいるのが大好きって」

    「べべ、別にっ、告白じゃないもん! 大体、それ事実だし! 男が好きなんじゃなくて男と一緒にいるのが好きなんだから、仕方ないし!!」

    「『俺が好き』に言い直さなかったら無理矢理帰らせる」

    「すすす好きじゃないからっ!」

    「制限時間は十秒な」

    「ま、待ってよ!」

    「9、8、7、」

    (……でも逆に、言えば帰らなくてもいいってこと?)

    「……、…………好、」

    「好き、です……。男が、好き……」

    54 :

    シエンの影武者

    55 = 40 :

    壁殴り代行頼んだ

    56 = 1 :

    「よーし」

    「嘘だから!! 本心じゃないからね!?」

    「知ってるよ。声に出して言わせたことが大きいんだ」

    「約束は約束だよ! 今日は帰らないんだから!」

    「あ、無理矢理帰らせはしないけど、帰れとは言い続けるからな」

    「そんなっ!?」

    「あと俺は別にお前が好きじゃない」

    「残酷な二段オチ!? ていうか、こっちから願い下げだよっ! バカ! アホ!」

    「つか、いつまで俺の胸に寄りかかってんだよ。この甘えたがりが」

    「うるさいなぁ。おとなしく抱き枕になってろ、でなきゃ自殺するぞ」

    「ぼっちでメンヘラで構ってちゃんかよ……引くわー」

    「くそぅ、わたしに力があればこのままベアハッグ出来るのにぃ!」

    「大人の小指を握る赤ん坊程度の力しかないお前には無理な話だな。というか離れ──」

    「……お前、下着付けてる?」

    「……あ」

    57 = 23 :

    ガスッ ガスッ ガスッ

    59 :

    ゴンッ ゴンッ ゴンッ

    60 = 1 :

    (──やっぱりお風呂場に置いてあった)

    (いつもお風呂の後に外してたから、無意識の内に置いたままにしちゃってたのか)

    「よいしょっと」

       ごそごそ

    (……大丈夫かな。顔の赤み、引いてるといいけど)

    (くっ、くそー、男のヤツ、変な所で気付くなよぉ!)

    (もー、どうやって気付いたんだよ! くそくそっ、恥ずかしくて聞けない自分が腹立たしい!)



    「あー……ハイ、付けてきました」

    「お前が普段どれだけだらしない生活を送ってるのか理解した」

    「これが普通なの! 男と女は違うんです!」

    「わかったわかった。普通な、ノーマルタイプな」

    「雑っ!」

    「俺も風呂入りたいから、お前との茶番をさっさと切り上げたいんだよ」

    「え、まだ入ってなかったの?」

    61 = 1 :

    「入ろうとしたらお前がやってきたんだよ!」

    「……えーと。お風呂入るのにも、アポイントメントくらいしっかり取らなきゃ社会人として失格だよねー」

    「下手くそなブーメラン投げんな!」

    「ってか、お風呂? シャワーじゃなくて?」

    「ああ」

    「ちょっと、それ差別じゃん! わたしだってお風呂入りたかったのに!」

    「シャワー貸せとしか言ってねーだろお前は」

    「それに、浴槽にお湯も張ってなかったよ?」

    「シャワー浴びながら沸かすから無問題」

    「ルール違反だ! ルール違反!」

    「意味わかんねぇ。あ、そういや」

       かたっ

    「冷蔵庫? ……と言えば食べ物? なるほど、わたしに何かくれるんだね。くふふ、ちょーだいっ」

    「条件反射でその思考に行き着くパブロフのメス犬にやるエサなんかねーよ」

    「猫とか犬とかうるさいなあ。キメラみたいな合成生物じゃなくて、歴とした人間なんですけど」

    62 = 1 :

    「案の定プレモル切れてたから。俺が風呂入ってる間に買ってきてくれないか?」

    「ぷれもる、って何?」

    「……付かぬ事をお伺いしますが、幼さんは未だに氷結などと言う缶ジュースを愛飲しておられるのでしょうか」

    「き、気持ち悪い口調。最近はほろよいなんかも飲んでるけど……なによ、子供だって言いたいの?」

    「ストロングゼロとかは」

    「甘いけど、辛味がちょっとあって苦手な感じかな」

    「じゃあ相変わらずスーパードライも飲めないな」

    「ムリ、あんなの二度と飲みたくもないよ。お酒の話ばかりして、急にどうしたの?」

    「プレモル、もうわかっただろ」

    「ん……あっ、プレミアムモルツのこと? アレ飲んだことないんだよね。辛そうだし、飲む気もないけど」

    「で、返答は?」

    「え、何が?」

    「この鳥頭。つーか命令、プレモル買ってこい」

    「ええー……わたしが飲めないヤツ買ったって」

    「異論は受け付けない。じゃ」

    63 :

    男がキモいんだが

    65 = 1 :

    「あ」

    「?」

    「覗くなよ」

    「逆でしょ普通! 覗く訳ないだろバカ!」

    「逆の立場だとしても、俺もお前の入浴姿なんて興味ないから覗かないけどな!」

       すたすた

    「なにこの言い負かされた感。……プラチナむかつくぅっ!」

    (……でも、男性のハダカか。お父さんのしか見たことないなー)

    (それって結構ダサいよね、この年にして……)

    (覗き……──!)

    「のっ、覗かないよ! バカじゃないの!? 男のバカ、わたしのバカ!」

    (なんで一人になった途端に無駄な妄想が広がっていくんだろ)

    (……いっつもそうして時間を潰してきたからか、あはは)

    (はあ、また一人の時間だよ)

    67 = 41 :

    幼=月火ちゃん確定












    祭りだ

    68 = 1 :

    (わたしって、自分で思ってる以上に、)

    (……男を、)

    (なんだろ、意識、とかじゃなくて、信頼……いやそれとも、依存?)

    (……心の拠り所にしちゃってるんだな)

    (だから男の側にいるのが好き、ってことなんだよね、きっと)

    (……)

    (友は、なんて言ってたっけ)

    (「彼氏を愛し過ぎて側にいるのが辛い」か)

    (あの言葉の意味が、まだ……よくわからないや)

    (わたしだったら好きな人の側にずっといたいけどなぁ)

    (……)

    (なんか、脳内を覗かれてるような感じがする)

    (そんでもって「どうせ男のことが好きなくせに」とか噂されてるような気がする)

    (……わたしは男が好きな訳じゃありません、勘違いしないでください。わたしがペットだとするとアイツはエサ、ただそれだけです)

    (よし、お祓い完了。……あれ、そしたら主人はどこだろう)

    69 = 1 :

    (バカらし。とにかく男はただの幼馴染、以上)

    (じゃ、買い物に出掛けよっかな──?)

    (何か忘れてる? うーん、何か……)

    (……あ!)

    (男がバスタオル持ってかなかったんだ。ま、どうでもいいよね、お風呂場にわたしが使ったバスタオルが)

    「わたしの身体とか諸々拭いたバスタオルじゃん!!」

    (いや、そ、それを使われるのは別に……や、ヤだっ! なんかイヤだー!)

    (言葉で表せられないけど、とりあえずあのバスタオルだけは絶対に使用させちゃダメだ!)

    (その為には────)

       がた

    (……ぁ、こ、これってトランクス? へえ、これが男性のパンツ……)

    (じゃなくって! 男さんっ! バスタオルですよ、バスタオル!)

    (もお、どうしてこんなにパンツだらけなんだよっ! 集めるのが趣味か! 趣味なのか!?)

    (……こういう時に限って何故か鼻が敏感だし! パンツのくせに凄く良い匂いするの腹立つ!)

    (ヘンタイじゃない、わたしはヘンタイじゃない……!)

    70 :

    さよけ

    72 :

    >>66
    どうしようお願いしようかな…。

    74 = 1 :

    「──おい」

    「んひゃあ!?」

    「そんな所で何こそこそやってんだよ。マジで覗きに来たのか?」

    「ちちち違う! 男が! 男がバスタオル忘れたのがいけないの!」

    「バスタオル? ん、ああ、そういえば持ってこなかったけど」

    「だからわたしが持ってきてあげたの! 勘違いしないでよね!?」

    「いや、お前に使わせたタオル、アレ新品だったからそのまま続けて使おうと思ってたんだけど、もったいないし」

    「……──そっ、」

    「それがダメだから持ってきたのおぉ!!!」

    「うるさ!? な、何がダメって言うんだよ」

    「わかんないけどダメなモノはダメなんだよ! ヘンタイ! ヘンタイ! ヘンタイ!!」

    「ヘンタイって。別にお前の使ったバスタオルに毛だか何だかが付いてても俺は気にしないから」

    「────ッ!?」

       バンッ

    (……扉を思いっきり蹴られた)

    75 = 1 :

    「上がったぞー」

    「……」

    「結局お前バスタオル交換しないまま戻っただろ、勿体ないからお前が使ったヤツで拭いたけど。なんで怒ってたんだ」

    「……縮れ毛とか付いてて悪うございましたね!!」

    「は? 縮れ毛?」

    「拭くんだから付くよ! 当たり前じゃん! 仕方ないじゃんか!」

    「ま、待て待て落ち着け。なんだ、何の話……」

    「でもさ、それをさ、わざわざ言わなくたっていいでしょ!?」

    「わかってても、あえてその部分だけスルーしてたのに……男が気にしなくてもわたしが気にするんだよ!」

    「女だから! 男と違ってわたしは女だから! メンドクサい生き物なんだよ、思い知ったか! ばぁぁぁかっ!!」

    (……あれっ、泣いてる? 何故か俺が悪者確定? おかしくね?)

    「ふ、くっ、うぅ……独り身なんだし、処理だって怠るに決まってるじゃんかっ……」

    「ぐすっ、なのに、それなのにっ……!」

    (……謝らなきゃいけない雰囲気なんだろうけど)

    (何が悪かったのかまるでわからんし、まずどういう話だコレ)

    76 = 70 :

    男が全部剃ってあげちゃえばいいよね

    77 = 1 :

    「……まあ、なんだ」

    「ひぐっ、ぅ……」

    「アレだな、俺が悪かったよ」

    「覗きだって疑い掛けてごめん」

    「そっ……それじゃ、なぃ……」

    「……俺がバスタオル持ってかなかったのが原因か」

    「そうだ。お前がバスタオル持ってきてくれたのに、素直に受け取らなくてごめん」

    「それも……違う」

    「……ええと。もしかして、毛がどうたらの部分が悪かったのか?」

    「……」

       こく

    「そ、そうか。ああ、いや、あの発言はな」

    「お前の髪の毛長くないから、仮にタオルに付着しててもすぐに取れるし、気にしないぞって意味だったんだが」

    「その短い髪のこと、お前は気にしてたんだな。ごめん、全然気が付いてやれなかった」

    「でもその髪型、俺は撫でやすいから嫌いじゃないぞ。なんというか、お前らしいし」

    78 = 1 :

    「……」

    「……お、男?」

    「ん?」

    「髪の毛?」

    「ああ、髪の毛」

    「……」

    「……」

       ぽむ

    「どうした?」

    「……頭、撫でてよ、落ち着くまで」

    「あ、ああ」

    (また勘違いした……もうやだ、恥ずかしい……死にたい)

    (ヤケクソ気味に何か色々バラしちゃったし……あああ)

    (プレモル、買ってないな……たぶん)

    79 = 1 :

    「なあ、プレモルは?」

    「……買ってない」

    「……だと思った」

    「そもそもお金渡されてないもん。わたしのお金はあるけど……」

    「バカ、それくらい後で返すっつーの。そんなケチくさいか俺」

    「あと、他にも理由はあるよ。普段、氷結とか缶チューハイを買う時は何もないのに」

    「友の代わりに淡麗とか、缶ビールを買う時はいつもしつこく年齢確認されるんだよ!」

    (……とても心地良く納得できるのに、非常に説明がし辛い)

    「恥ずかしい思い、もうしたくないもん」

    「チューハイと一緒に買えばいいだろ」

    「エッチな雑誌に紛れてついでにファミ通やジャンプも買っておく、みたいな、そんな男が昔やってたようなことしたくないよ!」

    「似て非なるものだろそれ。というか、な、なんで知ってんだ!」

    「とにかく。どうせ買うんだったら一緒に行こうよ」

    (一人は……イヤだし)

    「湯冷めしそうだから外には出たくないんだが……」

    80 = 40 :

    これはなかなか長くなりそうでいいな

    81 = 1 :

    「──上着、着てくれば良かったかも……」

    「……こんだけ着込んでる俺でさえ寒がってるんだぞ。それに比べてお前大丈夫か、その格好で」

    「スカートめくりとか寒い行為すら一切されなかったわたしの寒い青春白書に比べたら全然」

    「フォローできないこと言うのやめろ」

    「んーっ。どうしよ、寒い……」

    「ほら、言わんこっちゃない。──おっと」

    「……なんで避けるのさ」

    「上手いグレイズだったろ」

    「腕くらい組ませてくれてもいいじゃん!」

    「行き過ぎたスキンシップはノーセンキューです」

    「昔から良く頭は撫でるくせに、腕組みはダメって、そんなの絶対おかしいよ」

    「何ならお前だけ帰ってもいいんだぞ、俺の為の買い物だし」

    「……風邪引いたら絶対移してやる」

    「やめろよ、風邪の病原菌と一緒に幼馴染菌が移るだろ」

    「小学生かっ!」

    82 = 1 :

    「らっしゃいませー」

    「はあ、あったかい。遠かったねえ」

    「うちのすぐ近くにコンビニあったけど。なんでお前スルーしてここまで来た?」

    「ほら、さっきあそこでお弁当買ったし。短い間隔で同じコンビニ利用するのって、ちょっと恥ずかしいでしょ?」

    「んなくだらない理由かよ……どうせ買うのは俺なのに」

    「あっ、今回はあのアニメのコラボ品かー」

    「聞いてねーし。何だそれ、お前ってアニメとか詳しかったっけ」

    「大学の頃から嗜み程度に深夜のアニメを鑑賞しておりますわ」

    「上品っぽく言ってもアニメ鑑賞は上品とは言えないと思うぞ」

    「あーバカにしたな? ほら見てよこの女の子、上品で可愛らしいよ?」

    「いやそのキャラの話じゃなくて、お前が下品で可愛らしくないって話をしてたんだけど」

    「な、なんだよっ! 最近はオタク系女子がモテるんだぞ!」

    「それでも大人かお前」

    「子供心を忘れない大人、と言ってくれたまえ」

    「……痛い痛い」

    83 :

    「プレモル、プレモル……あった」

    「そんなに美味しいかなぁ、ビールって」

    「あ、カゴ取ってきてくれないか?」

    「ん、今更? まあ了解」



    「はい」

    「悪いけど持っててくれな──何か余計な物が入ってるぞ」

    「おつまみだよっ。買うでしょ?」

    「買うけど……いやいや、さきいかや枝豆はともかく、チョコはいらん。ブランデーのつまみじゃあるまいし、ビールに合わんだろ」

    「ええー、でも友はよく飲みながら食べてるよ?」

    「俺は邪道だと思ってるから却下」

    「お口直しにさー」

    「素直に言え、お前が欲しいだけだろ」

    「ふひひ、乙女の間食に糖分は必須なのだ」

    「何が乙女だよ、全く」

    84 :

    プレモルはタンブラーに注いで明治のカマンベールをつまみに飲むのが最高に美味い

    85 = 83 :

    「ちょ、こんなに買うの? 急に重たくなったんですけど」

    「買い溜めって奴だ」

    「ホント、結構飲むね……あ、ねえねえ男」

    「ん」

    「氷結が欲しいかなーって」

    「言うと思った」

    「自分の財布持ってきてないし、あとで返すからさ! ついでに飲みに付き合うよ! ね、ね?」

    「……仮にも来客だしな。一本くらいサービスしてやるよ」

    「え、ホント!? 男優しいっ、ありがと!」

    「身体で返してくれるならな」

    「かっ」

    「冗談だよ」

    「……も、もう、バカ。もー、もおっ」

    「もーもー鳴いて牛みたい──でもないか、小さいし」

    「一言二言余計なの! ヘンタイ男! セクハラ男!」

    88 = 83 :

    「らっしゃいませー。はい商品をお預かり致しますー」

    「肉まんを一個。袋は別で、会計を一緒にお願いします」

    「ちょ」

    「畏まりましたー」

    「サービスは氷結一本だけのつもりだったんだが」

    「くふふ、寒いから仕方ないもん」



    「ありがとござっしたー」

    「ひえぇ、寒い。肉まん食べながら帰ろーっと」

    「……悪い、トイレ借りてくる。代わりに袋持っててくれ」

    「あ、え、え!? 重っ!」

    「すぐ戻るから」

       すたすた

    「は、はやく戻ってきてよぉ」

    (片手じゃ持てない。あっ、両手が塞がっちゃう。寒いし、肉まん食べられないしぃぃ……!)

    91 = 83 :

    「悪い悪い、待たせた」

    「うううっ、寒い! はいこれっ、返すよ!」

    「じゃあ帰るとするか」

    「持ってってば!」

    「肉まん一個分くらい働いてみせろよ」

    「だ、騙したな! その肝心の肉まんが食べられないんだよ、両手が塞がってて!」

    「帰ってから食えばいいだろ」

    「冷めちゃうじゃん!」

    「肉まんが冷めるのと同時に肉まんへの熱も冷める訳だ」

    「あーもーっ! わかったよ、持つよ!」

    「その代わり、男がわたしに肉まん食べさせてよね!」

    「……は?」

    「も、重っ……ほら、肉まんが入ってる袋、はやく受け取ってよ」

    「……」

    「あーん! はい、あーん!」

    93 :

    かわいいなあ

    94 = 83 :

    「お前バカだろ、まあいいか。ほれ」

    「……あむ!?」

    「どうだ、食いやすいように千切ってやったぞ」

    「ほおひい! ほおひいほ!」

    「大きい? 知るか、お前の口が小さいんだ。ずっとアホ面曝してろ」

    「へんはい……~~!」

    「むぐむぐさせて、ハムスターみたいだな」

    「……おいひい」



    「ただいまーっと」

    「ああああ重い! 持ってられるかこんなモノ!」

    「放り投げたらお前を放り投げるぞ」

    「……お姫様抱っこから?」

    「槍投げの要領でだよ」

    「もはや放り投げるっていうか、何らかの目標に向けて投げようとしてるよね、それ」

    96 :

    驚くほどに展開が遅いな

    97 = 89 :

    >>96
    だがそれがいい
    SS速報でゆっくり読みたいわ

    98 = 83 :

    「あれっ、飲まないの?」

    「身体が冷えちゃってるからな。ひとまず冷蔵庫に置いといて、もう少し経ったら飲むと思う」

    「じゃあ氷結も入れといて。わたしも後で飲むよ」

    「ああ、わかった」



    「──で、飲むのは構わないけど、結局のところ今日はどうするんだ?」

    「どうする、って?」

    「適当に満足したら帰るのか、朝まで騒いでるのか」

    「どっちかっていうと、朝まで──が、いいかなー。終電になったらアウトだし」

    「そうか。じゃお前だけ近所迷惑にならない程度に騒いでてくれ、俺はたぶん飲んだ後に寝るから」

    「えっ、ちょ、そんな! き、聞いてないよ!?」

    「お前はどうだか知らんが、俺は仕事疲れで流石に起きてられないんだ」

    「うーん、そっかぁ、そうだよね……──!」

    「ふっふっふ、良いこと思いついちゃった!」

    (……お前の思いつきは十中八九悪巧みだろ)

    100 = 83 :

    「──どうして俺はテレビの前のソファに座らせられてて、」

    「お前は変な顔して俺の後ろにいるんですかね」

    「変な顔とは失礼な! ささっ、ほらほら、好きな番組観なよ」

    「絶対何かしてくるだろこれ。あと観たい番組なんて無いぞ」

    「や、やだなぁ、何もしないよ。最近はねー、新しいドラマが始まったんだよ。一緒に観てみよ?」

    (どうせお前が観たいドラマだろ……もう声に出してツッコむのも疲れた)

    「あーこれこれ、刑事ドラマ! 専らネットで面白いって評判でさ、初回視聴率なんか──」

    (眠たくなりそうなドラマだな、つか既に眠い……)

    「──はっ。わ、忘れてた! ……あのねっ、か、肩、揉んであげるね!」

    (やべ、寝そう……)

    「って聞いてる? 始めるよ?」

    「よぉし、えいっ」

       ぐり

    「い……てぇぇぇぇぇぇ!?」

    「!?」


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