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    元スレ小鳥「あははは!あはははは!独身サイコー!」

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    51 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:29:56.07 ID:3jYAkFeB0 (+13,+28,-1)
    つづけたまえ
    53 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:33:16.91 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-152)

    変化はすぐに起きた。

    事務所で一番の稼ぎ頭だった美希が、
    家に引きこもりがちになったのだ。

    「えっ。美希は今日も休みなのか?」

    「はい。Pさんと会いたくないって。
     Pさんのこと裏切り者とか言ってましたよ?」

    「はぁ。ほんとあいつは子供だな。
     覚醒してからようやく大人になったと思ってたのに。
     なあ小鳥。どうすればいいと思う?」

    Pは椅子にもたれかかってかったるそうな顔をした。

    職場で小鳥と話すときはできるだけいつも通りを
    心がけていたが、それでも二人の仲睦まじそうな様子は
    他の人に知られてしまう。

    遠目に小鳥とPの会話を眺めていた雪歩は、
    かつてのようにお茶を用意することはなくなった。
    54 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:33:18.42 ID:wtN/2e7M0 (+30,+29,-15)
    >>27
    律子はプロデューサー(同僚)
    55 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:33:44.57 ID:kQGph7xP0 (+24,+29,-6)
    付き合いたいのはピヨ子
    嫁に欲しいのはりっちゃん
    56 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:37:52.44 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-161)

    春香は転ぶ回数が減った。

    いつもだったらPの斜め前くらいの角度で
    よくつまづき、めくれあがったスカートの中身を
    披露してくれるのだが。

    「くそ。携帯に連絡しても出ないぞ。困ったな」

    「美希ちゃんにも心の整理の時間が必要なんですよきっと」

    小鳥は美希の心境をよく理解していて、
    今はそっとしておきたかった。

    「そんなわけにはいきませんよ。
     俺がどれだけ苦労して営業活動したと思ってるんですか。
     来週にはライブだって控えてるってのに」

    いきりたったPは、ついに美希の自宅にまで連絡を入れようとした。
    社会人としては正しい行為だろうが、乙女心を
    全く理解してないという点では愚かだった。

    この鈍感男の愚行を見てられなかった春香がついに口をはさむ。
    57 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:39:36.88 ID:+T+wSSiuO (+22,+29,-2)
    暗くなりそうでいいね
    58 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:41:01.96 ID:R3+vphJB0 (+24,+29,-6)
    春香の転倒は計算だったのかよw
    59 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:41:55.84 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-119)

    「プロデューサーさんには女心が分からないんですね」

    Pはぎょっとした。

    春香に非難するような口調で言われてしまい、言葉を失う。
    何か自分に落ち度があったのかと悩み始めた。

    「どうして美希が休んでるか本当に分からないんですか?」

    雪歩がやめなよと春香となだめようとするが、
    勢いは止まらない。春香だってPに恋心を寄せていた
    乙女の一人。

    Pの愚かさが許せなかったのだ。

    「急になんで怒ってるんだ春香? 
     まさか美希が俺のこと好きだった
     とか言いたいんじゃないだろうな?」

    「気づかなかったんですか?
     あれだけハニーハニーって呼ばれてたのに」
    60 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:46:23.86 ID:BygQtY+B0 (+51,+30,-127)

    「ははっ。あれは冗談だったんだろ?
     まさか俺と小鳥さんの結婚について落ち込むほど……」

    「冗談なわけないじゃないですか!!」

    春香の怒声が響く。

    「美希は本気でプロデューサーさんのことが好きだったんですよ?
     トップアイドルを目指して本気で頑張ったのだって、
     本当にあなたに認めてもらいたかったからなんです」

    「も、もうよしなよぉ春香ちゃん。喧嘩は良くないよぉ」

    場の空気をなんとかしようとする雪歩だが、
    激昂してる春香特急はまだ止まらない。

    「バカです。プロデューサーさんは大バカです!!」

    「なっ。そこまで言われるのは心外だな。
     ……ううむ。だが良く考えてみると
     俺に褒められるたびに成績が上がってたもんなあいつ」
    61 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:47:44.30 ID:R3+vphJB0 (-25,-15,+0)
    62 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:51:53.02 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-159)

    Pは考える人の姿勢を取り、
    過去の出来事を振り返ることにした。

    椅子の上で考える人である。

    それほど彼は思い悩んでいたのだ。

    「美貴君が辞めるようなことがあれば首だよ君」

    後ろを通りかかった社長がさりげなくそう言い、
    Pの顔がガリガリ君のように真っ青になる。

    「しゃ、社長……そんな殺生な……」

    「春香君の言うとおり君は女心が分かってないようだ。
     美希君だけでなく、他のアイドル諸君らからどう思われたか
     知らんのだろう。なあ雪歩君。彼をどう思う?」

    いきなり話を振られ、少し戸惑った雪歩だが、

    「んー。そうですねぇ。
     穴掘って埋まった方がいいんじゃないでしょうか?」
    63 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:52:45.98 ID:irT1yZHw0 (+29,+29,-5)
    戸惑ったわりにずばっと言ってんなwwwww
    64 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:55:48.94 ID:3nOw/Epw0 (+19,+29,-19)
    お姫ちんが美希を喰った…?
    65 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 13:56:52.97 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-160)

    ついに雪歩からも非難され、がっくりとうなだれるP。

    穴掘って埋まってろとは分かりにくい表現だが、
    ようはよく反省しろと言われてるのだろうと理解した。

    「ううむ。雪歩からもそう言われては返す言葉もないよ。
     さあ困ったぞ。俺はなんとかして美希を復活させな
     ければならん」

    「どうするんですかプロデューサーさん。
     明日も明後日もスケジュールが
     お正月の福袋みたいにいっぱい詰まってますよ」

    旦那が早くも離職しそうな事態に小鳥もあわてる。

    軽いジョークを入れたのは旦那を想うゆえの行動だ。

    結婚してくれると言ってくれた時から何かしらの
    トラブルにはなるだろうと予想してたが、
    いざ起きてみると、どうしたらいいか分からない。
    66 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:02:05.99 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-217)
    つまることろ小鳥の悩みの種はPが無自覚の女たらし
    だったということだ。

    小鳥の見積もりでは、彼はほぼ全てのアイドルから
    興味を持たれており、妻となった小鳥は大なり小なり嫉妬されてる。

    最悪の場合は辞められたり刺されたりすることすら
    想定の範囲内。小鳥の知ってるゲームでそういう展開の
    シナリオがあったのだ。

    「まず俺が直接美希に会わねばならん。スケジュールなんて
     犬にでも食わせておけ。取引先には俺から謝罪しておく。
     ジャンピング土下座でな☆」

    「キミィ。本当に大丈夫なんだろうね?
     美希君が辞めるようなことがあれば、
     また貧乏事務所に逆戻りだよ」

    社長に念を押されてもPは屈しない。

    「大丈夫ですよ社長。俺を誰だと思ってるんですか?
     ここまで美希を成長させたのは俺の力量です。
     これからだってもっと頑張って見せます!!」
    67 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:03:57.14 ID:irT1yZHw0 (+11,+21,+0)
    これはアカン
    68 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:06:49.30 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-242)

    根拠はあるのかと言われても答えられなかった。

    ただ信じたいだけなのだ。自らの才能と、美希の可能性を。

    このPの思わぬ自信家ぶりに社長も驚いてしまい、
    これ以上小言を言う気にはなれなかった。

    「さっそく美希に会いに行ってきます。
     アポならもう取りましたからご心配なく」

    ネクタイをきゅっと絞めてイケメンになった彼は、
    まるでできる社会人のような足取りで
    事務所を去っていくのだった。

    彼の担当アイドルは美希だけではない。

    春香や雪歩は今日偶然事務所で待機してたのだが、
    一人でPを行かせるのは不安だと思い、こっそり
    尾行することにした。

    提案したのは春香。雪歩は無理やりつき合わされる
    形での動向になった。万が一の事態を考えると、
    スコップを持つ手に力が入る。
    69 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:12:14.81 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-137)

    Pはネクタイを外し、ワイシャツのボタンを外していく。
    クールビズだ。

    世間はどこでもクールビズ。765プロも同様だった。

    本当ならネクタイなしで出社してよかったのだが、
    彼なりの信念で夏でもネクタイをする。

    なぜなのか?

    理由は単純。

    小鳥に買ってもらったネクタイだったからだ。

    彼にとって楽しみは二つ。

    一つは小鳥の手料理。

    もう一つは夜の生活///

    だった。
    70 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:12:16.28 ID:Vzw7CoyE0 (+27,+29,-17)
    ラストでスレタイ回収なんてしたら怒るぞ
    71 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:12:17.91 ID:EJ4VzWGN0 (+19,+29,-3)
    アカン、アカンでェこの状況
    72 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:12:39.50 ID:Zlw43bel0 (+19,+29,-1)
    社長ゲス
    73 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:14:56.31 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-163)

    彼もまだまだ若い。ずっと憧れていたお姉さんキャラ?
    だった小鳥と結婚で来てうかれないわけがない。

    結婚してから何もかもうまくいくと信じてただけに、
    美希の引きこもりはショックだった。だが、不可能を
    可能にしてきた自分ならできないことはないと信じていた。

    「ここが美希の家だな」

    けっこうな豪邸だった。親が公務員というのは伊達ではない。

    公務員というのは現代の特権階級であり
    フランス革命時で例えると第一、もしくは第二身分に近い。

    Pは断頭台に立たせられたロベスピエールの心境を理解しながら
    裏口へ回る。空いてる扉から勝手に侵入し、美希の部屋を目指した。
    74 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:16:33.62 ID:sU0p1vqE0 (+24,+29,-14)
    なぜ不法侵入したし
    75 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:20:50.89 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-134)

    美希の部屋はすぐ見つかった。

    こっそり扉らを開けると騒がしい音楽が耳に入る。
    曲はリレーションズであった。

    美希はベッドで寝てる。
    おそらく音楽を流しっぱなしにして寝てしまったのだろう。

    『私のモノにならなくていい ただそばに居るだけでいい』

    曲そう歌っていたのでそばに居ることにした。

    美希は泣きじゃくった顔で寝てる。
    こうしてみると天使みたいだった。

    Pは個人的にも髪を切った美希は好きだった。
    思わずクールビズを解除し、ネクタイを締めてしまう。

    「美希。俺だ。起きてくれ」
    76 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:25:21.80 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-204)
    そっと声をかけると、夢の中の美希はうぅんと
    言いながら寝返りを打った。

    昼夜が逆転してるのか、相当眠そうだった。

    「お前の気持ちを無視しちまって悪いと思ってる。
     だから今日は謝りに来たんだ。さあ美希。
     おまえのハニーは目の前にいるんだぞ。
     そろそろ起きてくれないか?」

    不法侵入者が言う。

    「は……ニィ……? そこにいるの?」

    「そうだ。おまえのハニーだ。
     おまえが大好きだったらしいハニーだぞ。
     早く現実世界に戻ってくるんだ」

    「……んあ?」

    「千早の真似か? ははっ。美希も物真似がうまくなったもんだ」

    星井美希はついに目を開き、ベッドの横に立ってる人物を
    視界にとらえたのだった。会いたくないと思っていた男だった。

    彼を見ると、どうしても小鳥の者になってしまったという辛い
    現実を思い出してしまうからだ。
    77 : 忍法帖【Lv= - 2012/07/28(土) 14:27:37.52 ID:gIN88+M80 (+19,+29,-5)
    もうクビでいいだろこれ
    78 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:28:27.53 ID:BAcVgFJ/0 (+19,+29,-1)
    ソ連が出てくるまで待て
    79 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:31:19.62 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-137)

    そんな彼女の気持ちを知らないのか、
    Pはあいまいな笑みを浮かべてる。

    本当は大好きなのに会いたくないなんて
    こんな気持ちになるの初めてだった。

    どうしてここにいるのと美希が訊く。

    「美希が心配になって様子を見に来たんだよ。
     最近すっかり会社に来なくなったじゃないか。
     春香や雪歩も美希に会えなくて寂しがってたぞ?」

    「……美希はもうお仕事頑張りたくないの」

    「あともう少しでトップアイドルになれるのに」

    「でも嫌なの。事務所に行きたくない」

    どうしてだと訊いてしまえば、自分だけでなく小鳥までも
    傷つけてしまうだろうと思ったPは堪える。
    80 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:37:09.45 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-145)

    美希は宙を見つめてぼーっと顔をしてる。
    もし適当なことを言ったら泣かせてしまいそうだった。

    だから言葉は慎重に選ばないといけない。

    彼女のメンタルの面を管理しなければ、
    小鳥との結婚生活すら崩壊してしまう。

    平成大不況と言われる昨今で仕事を失うということは、
    革命時のフランスにおいて王党派を堂々と宣言するのと
    同じくらいの重みをもっていた。

    「なあ美希。どうしたらお仕事頑張れる?」

    「ハニーが美希のとだけ見てくれれば頑張れるの」

    Pは何よりも自分の身に不幸が起きるのを恐れていた。
    今彼が守るべきなのは革命の続行などではなく、
    小鳥との結婚生活だった。

    口にはしてないが、いずれは小鳥との間で
    子供を作ろうとすら思っていた。
    81 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:38:07.46 ID:rRIb3XLLO (-10,+4,-2)
    しえ
    82 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:38:11.02 ID:Zlw43bel0 (+24,+29,-15)
    いや結婚したらなら子作りしたれよ
    83 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:42:00.85 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-189)

    「俺は皆のことを大切に思ってるんだよ?
     美希のことももちろん大事だ。でも一人だけ
     えこひいきするわけにはいかないだろう?」

    「そういう大人の理屈はもうたくさん。
     職場でも小鳥のことばっかり気にしてるし、
     仲良さそうに話してると思うな」

    「ぐぬぬ……でも小鳥さんと俺は夫婦なんだから……」

    「美希は見てて辛いの。小鳥にデレデレしてるハニーなんて
     見たくないの。くやしいよ」

    美希君をどうにかしないと首だよ君。
    社長の言葉が脳裏をよぎり、ぞっとする。

    悲しげな美希の大きな瞳。歌って踊るだけじゃなく、
    グラビアとしても見栄えのする大人のプロポーション。

    そういった要素が今は失われていた。
    宝石が輝きを失ったのと同じだ。
    84 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:43:37.68 ID:qN+s/3hs0 (+19,+29,-6)
    小鳥と春香って顔いっしょだよな
    85 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:48:18.64 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-176)
    「ハニー。話はもう終わりなの。
     不法侵入したことは見逃してあげるから早く帰って」

    また社長が頭に浮かんだ。全長五メートルくらいに
    巨大化した社長が、今まさにハンマーを振り下ろそうとしていた。

    振り下ろす先には床に敷き詰められたサファイヤや
    オパールやルビーがある。今すぐ彼の暴挙を止めないと
    大切な原石が粉々になってしまう。

    「待ってくれ美希。まだ話は終わってないぞ」

    「嫌なの。もうハニーの顔なんて見たくないの!!」

    「美希!! いい加減にしろ!!」

    「いやあああ!! はやくでてって!!」

    舌たらずな声で物を投げまくる美希。

    第一次大戦のフランス軍の砲撃みたいに
    雨あられと本やラジオや目覚まし時計(なぜか五種類もあった)
    が飛んできてPを退散せせる。
    86 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:48:49.11 ID:sU0p1vqE0 (+74,+29,-1)
    似てはいるけど一緒じゃねえよ

    87 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:53:16.52 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-210)

    フランス軍の陣地から撤退を余儀なくされ、
    憔悴しきった顔で廊下で佇むドイツ兵(Pのこと)

    勇敢だった彼の帰りを待っていたのは春香さんだった。

    「やっぱりダメだったんですね、プロデューサーさん」

    「おう春香か。それに雪歩もいるようだな。
     どうやら俺のアイドルたちは不法侵入に関しても
     プロ並みらしい」

    「冗談言ってる場合じゃないですよぉ。
     本当にどうしましょう? 社長に知られたら
     首にされちゃいますよ」

    なぜかスコップを手にしてる雪歩が言う。

    子犬のような目でPを見ており、最悪の場合は
    社長をいないものにしちゃいましょうかと
    身の毛もよだつような提案をしてきた。

    「それはいけないよ雪歩」

    「そ、そうですよね。ごめんなさい……。言ってみただけですぅ」
    88 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:55:53.81 ID:NF+ou1+Z0 (+0,+14,-12)
    しえん
    89 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 14:58:08.75 ID:i7Y4CneY0 (+75,+29,-1)
    プロデューサーさん!私ですよ、私!
    90 : 忍法帖【Lv= - 2012/07/28(土) 15:00:06.11 ID:llE7stP90 (+19,+29,-1)
    Pヘッド狩りに行くか
    91 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 15:00:40.84 ID:euR05D6N0 (+17,+29,-1)
    ドイツ兵Pか。
    92 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 15:00:50.78 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-156)

    Pは社長なら穴掘りした方が効果的なんじゃないかと言った。

    「穴掘りですか? 事務所ならもう穴だらけですよ?」

    雪歩は意味が分からず首をかしげるが、
    春香が容赦なくつっこんだ。

    「プロデューサーさんはそっち方面にも興味があったんですか?
     すごく……下品ですよ」

    「なあに。言って見ただけだ。いつものジョークだよ。
     俺には小鳥さんという大切な人がいるからな……はっ?」

    言い終わったところで、春香と雪歩の表情が沈んだのが分かった。
    Pはこの時になって初めて自分の鈍感さに気づいた。

    この子たちもまた、自分と小鳥の結婚をよく思ってないのだと、
    ようやく気づくことができたのだ。あまりにも遅すぎた。
    93 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 15:01:45.33 ID:odX44yKH0 (+40,+29,-11)
    >>89
    小鳥と入れ替わった春香にPが間違って告白しちゃうSS思い出したわ
    94 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 15:04:13.29 ID:NbYFkGBz0 (+4,+14,-12)
    しえん
    95 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 15:07:18.54 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-194)

    一つ疑問に思った。

    小鳥と婚約する前にこの娘たちの気持ちに気づいていたら、
    どうなっていたのだろうと。もしかして小鳥以外の女の子と
    相思相愛の関係になり、いずれ結婚することになっていただろうか。

    それはもしもの話である。

    歴史と同じで、過去のことをいくら振り返っても
    時計の針は戻せないし、意味のない仮定だ。

    「俺はまだ諦めないぞ」

    「え」

    「雪歩も春香も俺を見くびらないでくれ。
     俺はアイドルのマネジメントも含めて全てが一流なんだ。
     この程度の苦境で諦めてられっかよ」

    雪歩がおずおずと口をはさむ。

    「でもでも。美希ちゃんすっごく怒ってましたよぉ?
     プロデューサーは小鳥さんと結婚しちゃったし、
     どうやったら関係が修復できるのか見当もつかないですぅ」

    ――でもまだ終わっちゃいねえってんだよ!!

    Pの声が廊下に響いた。
    96 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 15:07:58.27 ID:oArWVJ5a0 (+24,+29,+0)
    まだ家にいたのか
    97 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 15:12:52.85 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-192)

    あまりに大きな声を出したので家の人に見つかってしまった。

    「まあ、誰ですかあなた達は!!」

    美希の母を名乗る女性だった。

    妙齢なのに妙に色っぽさがあり、
    目元などがまさしく美希の母なのだと訴えてる。

    「ども、僕は美希さんのプロデューサーです。
     こっちは僕の担当アイドルの天海春香と萩原雪歩で……」

    Pは淡々と状況説明をし、美希の今後の
    活動について相談することにした。

    美希母は、娘がこのメガネ男に好意を抱いてることをよく
    知っていた。Pの人柄を十分に観察しながら話を訊く。

    「美希が復活しなければ首になるですって?」

    「そうなんです。進退きわまるとはこのことです。
     どうかお母さまからも美希さんを説得してあげてください」
    98 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 15:17:43.48 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-158)

    「ですがあの子は人の言うことを聞かない子で……。
     一度家に引きこもると決めたら三年くらいは
     出てきません」

    「いやいや、さすがにそれは嘘でしょう。
     変な子芝居挟まないでください」

    「あら? 冗談は受けませんでしたか。
     あとはあの子の気持ち次第でしょうね。
     初の失恋です。もう少し気持ちの整理が必要なのでしょう」

    小鳥と似たようなことを言われてしまった。

    女同士の方がよく分かることなのだろうとPは理解し、
    これ以上ここにいても問題は解決できない事を悟った。

    美希母に別れを告げ、春香と雪歩と三人で星井邸を跡にする。

    敗残兵三人は事務所に戻り、社長に結果を報告する。
    事務所には仕事終わりの竜宮組もいた。
    99 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 15:19:27.74 ID:jXjKeu6aO (+24,+29,-11)
    仕方ない…重婚可能な国で重婚しよう…Sランクアイドルになれたら!
    100 : 以下、名無しにか - 2012/07/28(土) 15:24:42.51 ID:BygQtY+B0 (+55,+30,-202)

    帰ってさっそく説教タイムが始まる。
    社長は口調には抑揚がなく、相当怒ってるようだった。

    「ほう? 美希君は君の説得に応じなかったのかね?」

    「はぁ……。お母さまとも話したんですけど、どうも
     まだ気持ちの整理がついてないようでダメでした」

    「私が今日言った約束を覚えているかね?
     我が社の利益に貢献しない者には罰を与える必要がある。
     君は……今までは優れたPだったといえる。
     だが今となっては話は別だ」

    社長は小鳥に指示し、今日受けた苦情電話や
    メールの数々を見せてくれた。美希が休んでる間に
    多方面で被害が発生してたのだ。

    「一度失った信用を取り戻すのは難しい。
     あと一歩で最上を目指せるはずだったのに、
     君が音無君と結婚してから全て水の泡だ。
     君は……そうだな。もしかしたら961のスパイだった可能性もある」
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