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元スレ春香「アイドルマスター!(物理)」
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P『貴音のあの長いスカートに間合いを誤魔化されましたね。袴みたいな物です。
貴音は間合いでの勝負で勝ってから打って出ましたよ。これは……早々に勝負が決まるか?』
響は上段からの攻撃をトンファーで真っ向から受け止めた。
小鳥『受けが強い!』
響「トンファーの一撃はまさに無双。
トンファー……」
上からの衝撃を膝を曲げて吸収した響の脚は莫大な力を蓄えていた。
響「キック!!」ドゴォ
貴音「っ!?」
鳩尾に前蹴りを食らった貴音が後ろへと吹き飛ぶ。
小鳥『トンファー関係ない!?』
P『いえ、トンファーに意識を集中させることが出来た時点でトンファーの持っている可能性を引き出したと言えます』
トンファーを回しながら響が一気に間合いを詰める。
P『一気に決めるつもりか!』
響「トンファーが全てを貫く!
トンファー抜き手!」ボッ
貴音「むっ!」
貴音は間一髪で抜き手の軌道を刀で逸らしたが、洋服の肩の部分が弾け飛んだ。
小鳥『トンファーなのに抜き手?』
P『凄い! 今、抜き手を放つ為に一瞬トンファーから手を離した!』
小鳥『それってトンファーの意味あるんですか!?』
P『えぇ、手を離したトンファーを地面に落とさないために、抜き手をして再度トンファーを掴まないといけませんから。
精神的な要素が加わってスピードは段違いですよ』
貴音「面妖なっ!」
貴音の小手から面への連続技が響を捕らえた。
面を受け損ねた響が崩れ落ちる。
と、思われた。
響「トンファーが作り出す幻影は達人の目すら誤魔化す。
トンファー肩すかし!」
P『残像だ!』
小鳥『残像って……』
P『貴音の上段からの攻撃をトンファーで受けると見せかけて素早く躱していたんです。
これは並の努力では出来ない芸当ですよ』
小鳥『すでに人間の動きを越えてきてません?』
唐手なら唐手刀とかサイとか使えばいいのに何故カラテの武器である手を殺す拐なんてつかってるんだ響……
響「トンファーのトンファーによるトンファーのためのトンファー!
トンファーマストクラッシュ!」
高速回転するトンファーが貴音の肩に叩きつけられる。
同時に、貴音の胴への攻撃が響に決まった。
響「がっ!?」
P『トンファーの攻撃は意外と軽い。捨て身で来る相手には弱いんです』
小鳥『トンファーって一体……』
貴音「手の内は読めました。
終わりにしましょう。響っ!」
貴音は刀を鞘へと戻したが、威圧は数倍増した。
その威圧に押された響が後ろへと下がる。
響「うっ……。
す、全ての道はトンファーへと通ずる!
トンファーブーメラン!」
P『馬鹿!』
貴音は右足を僅かに出した状態で両足を揃え、膝と腰を曲げた。
頭上を唸るトンファーが通りすぎる。
それを見た響が拳を脇に構えて間合いを素早く詰め始めた。
響「躱しても無駄さー!
トンファーはどこまでも追いかけて――」
貴音「一の太刀・虎乱」
膝を曲げ、腰を曲げた状態から貴音は爆発的な勢いで響へと間合いを詰めていた。
いきなり目の前に現われた貴音に響の目が丸まった。
鞘から抜き放たれた白刃が一閃される。
その体捌きは獰猛な虎、白刃は強靱な爪のようであった。
響「うがぁぁ!?」
響はそれを断末魔に床へと崩れる。
P『なんて馬鹿な子なんだ』
貴音「……トンファー……なんと恐ろしい武器だったのでしょうか」
貴音は背後から迫ってきたトンファーを刀で払い落とした。
P『……トンファーの力に溺れた者の末路だな。
あそこでトンファーを手放さなければ響にも可能性は――』
貴音「……あなた様」
P『なんだ?』
貴音「少し響贔屓が過ぎるのではないでしょうか」
P『え? そ、そうか?』
貴音「実況がずっと響よりでした」
P『貴音の方が強そうだったからなぁ。刀持ってるし』
貴音「左様ですか」パラ
P『ブッ!?』
貴音「あなた様?」
小鳥『貴音ちゃん。服が両肩とも破れて見えてますよ!』
P『おまえ、なんでブラジャーしてないんだ!?』
貴音「それはトップシークレットです」
貴音は片腕で胸を隠しながら人差し指を唇に当てた。
――小鳥退場
----------------------------------------
一方その頃。
社長「びゃあああああブン!」
社長の叫びと共に振り下ろされた箱の角が、黒服の脳天を捕らえる。
黒服1「ぐあわぁ!?」
黒服2「!? なにをする!」
黒服1「痛い! 以外に堅いぞ!」
社長「こっちだ! 来たまえ!」
社長は美女の腕を引っ張り道路へと走り出した。
そこへ計ったようにタクシーが滑り込んでくる。
社長「早くのって!」
後ろを確認すれば、黒服の三人も黒塗りの車に乗り込んでいる所であった。
社長「後ろから追いかけてくる男達から逃げたいんだ。
早く出してくれ!」
美女「馬力が違う! 絶対に追いつかれるわ!」
運転手「おっとお嬢さん。そいつは心外だねぇ」
社長「良いから早く出したまえ!」
運転手「やれやれ、せっかちなお客さんだ。
しかし、俺の運転は――もっとせっかちだがな」
運転手がそう言うとタクシーは飛ぶように進み始めた。
運転手「お客様。シートベルトの着用をお願いします。
あと、万が一の紙袋はご用意していませんのでご了承下さい」
黒服とタクシー運転手の壮絶なカーチェイスの火ぶたが切って落とされた。
社長「びゃああああああああああ!」
美女「きゃああああああああああ!」
----------------------------------------
大広間
響「」ガラ
P「お帰り」
響「トンファーの力を過信しすぎたぞ」
P「あの貴音相手に良くやったと思うけどな。
二人とも化け物みたいな動きしてたし」
響「自分、トップアイドルになるためにもっと鍛錬するね」
小鳥「響ちゃん。なにかお料理食べる?」
響「食べたい! もう腹ぺこだぞ」
P「さて……次は……」
----------------------------------------
ビルの屋上に近い階でこの戦いは繰り広げられていた。
真「このぉ!」ブン
亜美「双海亜美!」
真美「双海真美!」
亜美&真美「どぅえ→す!」
真は双子の動きに翻弄されてどうにも手が出せない状態であった。
真「二人がかりって卑怯じゃ無いか!」
亜美「ルール違反ではありませ→ん!!」
真美「屋上近くで待ってれば間抜けが引っ掛かると思っていましたが、その通りでしたな→」
真「ぜあッ!」
真の正拳突きが亜美を襲う。
亜美は軽やかに身を翻してそれを躱した。
真美の蹴りが後ろから真に叩き込まれる。
真「っ!?」
P『おぉーやってるなー』
真「ぷ、プロデューサー! 二人がかりってありなんですか!」
P「別にルール違反でも何でも無いが。そもそもサバイバルマッチだし」
真「くそー!」
真美「にょほほほほほ」
亜美「頭脳戦勝ちですな→」
亜美と真美の動きは左右にリズムを取るゲームでも見慣れた同じ地味のアレだった。
P『カポエイラか』
真美「ダンスをやっている人間の嗜みですな」
真「僕もダンスやってるけどカポエイラなんてやってないぞ!」
ビルでの闘いだから床とかって剥き出しのコンクリートなのかな。だとしたら柔道ヤバい
カポエラは足場がしっかりしてるところだと受けも捌きもできないからヘタすりゃ死ぬ
そもそも両手を拘束された囚人が看守から逃げ切る為に編み出した技術で、『出会ったら必ず殺す』ために“手加減のできない足技”を極めたものだから。
ただ亜美真美は体格的に『重量』が必要なカポエラに向いていない……どうなる!?
支援
カポエラは足場がしっかりしてるところだと受けも捌きもできないからヘタすりゃ死ぬ
そもそも両手を拘束された囚人が看守から逃げ切る為に編み出した技術で、『出会ったら必ず殺す』ために“手加減のできない足技”を極めたものだから。
ただ亜美真美は体格的に『重量』が必要なカポエラに向いていない……どうなる!?
支援
真の上段突きのフェイントから中段突きへの連続技が亜美に迫る。
亜美「うわっ! あぶな!」
それを回避に専念して亜美は避けた。
P『真は空手か』
響『自分の空手とはなんか違うぞ。間合いが広いね』
P『伝統空手だな』
響『寸止めのやつか?』
P『まあ、寸止めと称して競技者を増やそうとしてるだけで、本当は結構ガチで当ててるって聞くけどな。
勢いのある攻撃が特徴的だな。体ごと突きに行ってるって感じだ』
響『自分のは居座って仕留めることが多いからなー』
小鳥『真ちゃん押されてますね』
P『真美も亜美もそうとうのやり手ですからね。二対一だとやっぱりきついでしょう』
この調子だと雪歩が螺旋の力に目覚めてそう、いや、目覚めている
雪歩「真ちゃん!」
P『あれは!』
亜美&真美「むむ?」
階段を登ってきた雪歩は涙ぐみながら真美に迫った。
スコップを持って。
雪歩「ひーん。二対一なんて卑怯ですぅ!」ザク
真美「あぶなぁ! ちょ、洒落になってないっしょ→!」
雪歩「だ、大丈夫です。大人しくやられて下さい!」ジリ…
真美「ちょっ!?」
亜美「真美!」
真「亜美の相手は……僕だぁ!」
真の上段への攻撃が喉元に二発決まった。
亜美「ぐふぅ!?」
小鳥『……プロデューサーさん。もはやアイドルの戦いじゃありませんよ』
P『そんなこと、最初に小鳥さんと美希の戦いを見たときから気付いてましたけど』
真の中段への蹴りが亜美に決まり後ろへと吹き飛ぶ。
亜美「ぐっ!!」
真「へへっ、やりぃ!」
真美「亜美!」
雪歩「行かせませんよぉ」ジリ
真美「どけてよぉ!」
焦ったのか真美は無造作に間合いを詰めた。
スコップが横へとなぎ払われる。
真美「メーアルーアジコンパッソ!」
真美は低くなってそれを躱すと同時に片手を地面に付け、踵での蹴りを雪歩に放った。
雪歩「危ないですぅ!」ガキン
P『うそん』
小鳥『どうしたんです?』
P『なぎ払ってからスコップでガードするまでの時間を考えてみて下さいよ。
どう考えても雪歩は――』
雪歩はスコップの足を掛ける部分で床に突いて真美の手を引っ掛け転ばせた。
雪歩「本当はここで刺し殺すんだけど……エイッ!」
盛大に床に転げたところにスコップの面が振り下ろされる。
真美「うわぁ!?」
真美は腕で地面を押してそれを避ける。
P『素人じゃ無いですよ。雪歩は。
何かスコップの技術に精通した……そんな格闘技。いや、殺人術を修めている気がします』
雪歩「は、はい。お父さんの社員に国を追われたって言う人がいるんですけど。
その人が護身にって教えてくれたんですぅ。
今ではすっかりお父さんのお気に入りで、片腕です。
確か名前は……システム?」
P『……たぶんシステマだな。
ロシアの軍格闘術だ』
雪歩「ひーん。それです。間違ってごめんなさい。私本当に駄目駄目で――。
と、とにかく、システマのスコップ応用技術を特化させたのが私のシステマなんですぅ!」
真美「なんだか良く分からないけど勝つのは真美だよ!」
真美はカポエイラ独特のジンガのリズムをとり始めた。
雪歩はスコップを前にジリジリと間合いを詰める。
雪歩「いきますよ」ボソ
スコップの先端が鬼のような勢いで突き出される。
雪歩「安心して下さいぃ! 先は潰してありますから!」
真美「そんな心配してないよ! そもそも当たらないし!」
真美は低い姿勢から更に低くなった。
真美「ハステーラ!」
地面を這うような蹴りが低空をなぎ払う。
雪歩「っ!?」
それにバランスをクズされた雪歩に真美は更に追い打ちを掛ける。
真美「ボンテイラ!」
前蹴りが雪歩の鳩尾を捕らえる。
雪歩「うっ!」
頭が下がったところに――。
真美「クイシャーダ!」
真美の内側から回すような蹴りが雪歩の側頭部に叩き込まれた。
雪歩「あうぅ!」
よろけた雪歩のスコップが頼りなく真美の足に引っ掛かった。
それは一見ひ弱に見えたが、真美の体が宙に踊ったことでそうではないことが証明された。
真美「!?」
雪歩「いきますよぉ」
振るわれたスコップを真美は宙に舞いながらも間一髪両腕でガードした。
叩きつけられた部分がスコップの端であればここで勝負は決まっていたかも知れないが、雪歩が叩きつけたのはスコップの面の部分であった。
真美「いつぅ!」ドサ
雪歩「こ、これ以上は残虐ファイトになります! 降参して下さい!」
真美「い、嫌だYO!」
雪歩「わ、分からずやぁ!」
雪歩はスコップを振り上げて真美に迫る。
そこに真美の前蹴りが喉元に突き刺さる。
P『うわぁ……』
真美「シャーパ!」
更に雪歩の腹に側頭部が。
真美「クイシャーダ! ボンテイラ!」
P『激しい!』
小鳥『だ、大丈夫かな。雪歩ちゃん』
真美「アルマーダぁ!」
真美は体を回転させるとその勢いで薙ぎ払うような蹴りを雪歩の側頭部に叩き込んだ。
P『き、決まったか!?』
響『まだだぞ!』
響の行った通り、雪歩は確りとした踏み込みで真美へと距離を詰めた。
スコップの柄を真美の喉元に差し込みそのまま押し倒す。
雪歩「絞め技は危ないから使いたくなかったんだけど……。
ごめんね」
P『なんてタフネスだ!』
真美「ぐ、うぁあ!
ま、真美はトップアイドル……に。
そして――」
雪歩「……」グッ
P『これは終わったな。
頸動脈にがっちり決まってる。
あと、数秒で落ちるわ』
小鳥『ちょ!?
スーパーお漏らしタイムに入ってません!?』
真美は足を震わせながら失禁していた。
P『くそぉ! ベストアングルはどこだ!?』
響『やめろぉプロデューサー!』
小鳥『そうですよ。真美ちゃんが可哀想です!』
P『何が可哀想なものか! これは勝負なんだ!』
響『一体プロデューサーは何と戦っているんだ!?』
真美の体からガクリと力が抜けた。
雪歩「……ほっ」
P『……ちっ』
小鳥『なに舌打ちしてるんですか』
雪歩「さてと、真ちゃんの加勢に……」
雪歩は真美を置いて真と亜美が戦っている方へと歩みを進めた。
真「雪歩ぉ! 後ろ!」
亜美と壮絶なバトルを繰り広げていた真が叫ぶ。
雪歩「へっ?」
振り返った瞬間に、またもや雪歩の側頭部に蹴りが叩き込まれた。
雪歩「ひーん。痛いですぅ!」
響『そんな! 真美は落ちたはず!』
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