元スレQB「シャワーでも浴びておいで」さやか「な、何…?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×6
652 = 1 :
―――――――――
恭介がバイオリンを弾き終える
さやか「…ありがとう」
上条「ううん…」
さやか「…恭介」
バイオリンをケースにしまってさやかに寄り添った
上条「何?」
さやか「…別れよう?」
上条「…!?」
さやか「ごめん…」
上条「…どうして!」
さやか「あたし、死ななきゃいけなくなっちゃった…」
上条「嘘だ…。さやかを死なせるもんか!」
さやか「ごめん……」
さやかは事情を説明した
653 = 376 :
>>650はい、おまえの負けー
先生が黙って喋れって言ってたじゃん
しずかにねー
654 = 577 :
>>650
>>1の投下ペースが早過ぎて即猿が出る
まぁ無駄口が多かったのは反省するが
お前等も支援ぐらい書きこんでくれよ
猿はマジでモチベーションが落ちるんだからな
655 = 1 :
――――――――
――魔女結界
サングラスをかけた杏子が槍で魔女を切り裂いた
杏子「はぁ、はぁ…チッ」
結界が消滅。グリーフシードは落ちて来ない
杏子(また無駄骨かよ…。魔女のくせにグリーフシードを持ってないなんて…
クッソ…さやかはとっくに限界だってのに…!)
次の獲物を探す為にソウルジェムを取り出す
杏子「…!」
予想以上に穢れが溜まっていた
656 = 514 :
生かして生かして、虚淵の真似なんてしなくていいから
657 = 1 :
――――――――
上条「そんな…こんなのって…!」
さやかは持っていたソウルジェムを恭介の手に握らせた
さやか「本当はもっと一緒にいたかったけど…」
上条「そうだ…さやか、教えてくれ…! 君が僕の手を治した『契約』について…!
どこへ行けば叶うんだ…! それで奇跡を起こせるんだろう…? 僕が助けるから…!」
さやか「ううん…。『契約』はキュゥべえに選ばれた女の子じゃないとできないんだよ…
恭介は男の子だから駄目」
上条「くっ…!」
さやか「あたしの最後のワガママ、聞いてくれない…?」
上条「今日は初めからそのつもりで…?」
さやか「ごめんね…」
上条「できる訳ないだろ…さやかを殺すなんて…!」
さやか「このままだと、あたしも先月の化け物になっちゃうんだよ…
あたし、恭介にこんな怪我させたくないから…」
上条「僕は…それでもいい…!」
658 = 236 :
猿避けって結構必要なのな。支援支援
659 = 1 :
さやか(あたしとキュゥべえみたい)
さやか「わかって…。恭介にしかお願いできないんだ…」
上条「さやか…」
さやかにしがみついて泣きじゃくる恭介
上条「お願いだ、死なないで、さやか…! 置いて行かないで…!」
僕を独りにしないでくれ…!」
さやか「…恭介には、仁美がいるよ…」
上条「さやかの代わりなんていない…! さやかじゃなきゃ駄目なんだ!」
さやか「……嬉しい」
上条「…さやか」
さやか「恭介にそこまで想ってもらえて…」
ベッドに座ったまま変身するさやか
上条「…!」
さやかは泣きながら笑っている
660 = 1 :
さやか「もう逃げて…ソウルジェムがグリーフシードに変わりそう…
あたしは未練なんかないよ…。人生最後に、最高の贅沢しちゃったから…」
さやかが剣を恭介に向けた
ピキッ
ソウルジェムにヒビが入る
さやか「早く……」
上条(そうかい、さやか…)
恭介が切っ先を素手で掴んだ
さやか「!?」
さやかは思わず手を放す
恭介は剣を捨てると、ケースに入ったバイオリンをさやかに押し付けた
上条「それを僕だと思って、持っていてくれ…」
ケースに鮮血がついている
661 = 481 :
どうしたらさやかは幸せになるんですか
663 = 514 :
俺はこの上條さんを最後まで信じる
664 = 1 :
さやか「恭介…」
恭介はさやかに少し強引なキスをすると、すぐにドアの前に立った
上条「さやかを独りにはしないから…!」
部屋を出ていく恭介
さやか「……」
―――――――――
泣きながら走っていく
上条(さやか…)
時折ソウルジェムを見つめながら
上条(それが君の望みなんだね…。いいよ…今の僕にできることがこれしかないなら…)
665 = 236 :
確かに「好きだ」とも「愛してる」とも言ってないけどそれ以上の言葉は言ってるよなこれ
666 :
その幻想をぶち殺す!!
667 = 1 :
―――――――――
さやか(未練がないなんて嘘だよ…でも他にどうしようもないんだもん…!
別れたくないよ…死にたくないよ…!)
バイオリンを強く抱いている
さやか(ねぇキュゥべえ…あたし、間違ってたかな…
そもそもあたしは契約しちゃいけなかったのかな…)
恭介の笑顔がよぎる
さやか(…ううん。こうでもしなきゃ、恭介は一生あのままだったんだから、
これでよかったんだ…他になかったから…。それに…あたしの願い、全部叶ったもん…
恭介のバイオリンがまた聴けたんだし…何より恭介にあんなに愛されたから…)
体に微かに残った恭介の感触と匂いを感じ取った
さやか(仁美なら安心だよね…? 恭介、幸せになってくれるよね…?)
バイオリンを包むように体を丸めた
さやか(大好きだよ…恭介)
さやか「――!」
さやかの心臓が止まった
669 = 1 :
―――――――――
杏子(大丈夫だ…よっぽど手ごわい奴に当たらなきゃ魔力は大して使わない)
ソウルジェムが反応している
杏子(…駄目だね。こりゃ使い魔だ。…どこかへ向かってるみたいだな…
獲物でも見つけたのか? 魔女になった時すぐ見つけられるように、
魔力のパターンを下見しておくか…)
使い魔の気配を追っていく杏子
――廃ビルの屋上
恭介がさやかのソウルジェムを握り締めたままヘリに立っている
上条(上から見るとすごい高さだ…)
ソウルジェムのヒビを軽く引っ掻いた
上条(…さすがにこの高さから落ちれば壊れるだろう…)
670 = 592 :
少なくとも自分が猿食らうほど支援する必要はないから……
スレ埋める気かよ馬鹿が
672 = 1 :
杏子が廃ビルに到着
杏子(向かってるのは多分この辺りだな…。目標がこのビルだとしたら、
弱った人間が近くにいるか、誰かに憑いて自殺でもかますように誘導してる最中だ)
上条(…ずっと一緒だ)
杏子が屋上を見上げた
杏子「…!」
使い魔が忍び寄っている
恭介がソウルジェムを抱いて飛び降りた
杏子(あいつは…!)
変身して跳び上がる杏子
槍を4階の外壁に突き刺して恭介に腕を伸ばす
ガシ
ジャラジャラジャラ
落ちて来た恭介に引きずられて仕込み多節棍の鎖が伸びていく
673 = 1 :
バンッ
槍を捨て、恭介を抱き抱えたまま着地
杏子がかけていたサングラスと恭介が持っていたソウルジェムが砕けた
上条「…?」
たどり着いた使い魔が2人に襲いかかる
――結界
上条(この人は確か……)
杏子(まさか上条の坊やが狙いだったとは…)
結界内は七色に光る宝石が散乱している
杏子(サングラスがないとこの程度の光でも目がチカチカしやがる…)
タキシードを着た首のないマネキンが恭介の手を掴む
杏子は手のひらから槍を出して使い魔の腕を切り落とした
杏子「お前なんかに用はない。他を当たれ。でなきゃここで殺すぞ」
674 = 514 :
クライマックスすげーな
675 = 1 :
使い魔は両足を引きずりながら浮遊して去っていった
結界が消える
上条「……」
恭介が膝をついてうなだれている
杏子「おい」
上条「…?」
杏子「お前、自分でここに上ったんだよな
さっきの使い魔はまだお前を操ったりも何もしてなかった」
上条「……」
杏子「くっ」
変身を解く杏子
恭介の胸倉を掴んで勢いよく壁に押し付けた
杏子「シカトか?」
上条「……」
恭介は下を向いたまま泣いた
676 = 1 :
杏子「……?」
青い破片に気がつく
杏子「…まさかお前…!」
上条「…さやかを殺した…」
杏子「…!」
上条「どうして助けたりしたの…。さやかを一人ぼっちにするなんてあんまりじゃないか…」
杏子「こ…いつ…!」
壁に押し付けたまま顔面を思い切り殴った
恭介の唇が切れる
杏子「テメェ頭おかしいんじゃねーのか!?」
腹に膝蹴りを入れて投げ落とす
杏子「何やってんだお前!!」
馬乗りになって頬を引っぱたいた
杏子「何やってんだよ! おい!!」
678 = 155 :
あんあん……
679 = 1 :
上条「…さやかに頼まれたんだ…」
杏子「はぁ!?」
上条「『もう助からない』…『魔女になる前に殺して』って…さやかに言われたんだ…」
杏子(あの馬鹿…! こっちがどれだけ苦労して世話してやってたかわかんねーのかよ…!)
恭介の首を掴んで爪を立てる杏子
杏子「で? なんでお前まで死のうとしてんだよ…!」
上条「うっ…うぅ…」
杏子「テメェはさやかの犠牲の上で生きてんだろーが!
誰のおかげで病院から出られたと思ってんだ!!」
上条「さやかのいない世界に意味なんてないんだよ…!」
杏子「それはテメェの勝手な意見だろ! …これだから男ってやつは…!」
恭介が横目でソウルジェムの破片を見た
上条「…どいてくれ」
杏子「……」
杏子が立ち上がると、恭介は這いつくばって破片を集めた
680 = 1 :
杏子「チッ…」
手伝おうとする杏子の手を恭介が弾いた
上条「…さやかに触るな」
杏子「……」
上条(さやか……)
杏子はしばらくの間黙って見届けると、髪をまとめ直し、フードを目深くかぶって歩き出した
杏子(坊やはぶっ壊れちまったよ。お父さんがそうだったように
他人の為に魔法なんか使うとロクなことにならねーよ)
歩きながら、パーカーのポケットに両手を突っ込んだ
杏子(なんでいつもこうなんだろうな。一度魔法少女の世界に入ると
大事な人がバタバタ死んで逝きやがる。どいつもこいつも)
杏子は唇を噛んで、少しずつ加速した
杏子(あー…ムカつく)
涙がこぼれた
杏子「畜生…!」
がむしゃらに走り始める
682 = 1 :
―――――――――
――ドイツのホテル
恭介が洗面所で鏡と睨み合っている
カーテンの向こうからシャワーの音
上条(生きていたら今頃どんな大人になっていたろう
夢の中でもいい。もう一度ちゃんと話したい
君がどんなに大切だったか。君が何をもたらしてくれたか
そして聞かせてほしい。今、君がどう思ってくれているのか)
洗面台に置かれた錠剤の小瓶を手に取る
上条(…こんなものに頼るからいけない。さやかの決意を思い起こせ。僕も大人になろう)
蓋を開けて薬をトイレに捨てた
シャワーの音が止まる
濡れたままの仁美が出て来た
仁美「あ……」
上条「……」
仁美「…いいの?」
上条「…もっと高価で、害のない薬がある」
686 = 1 :
仁美「……」
恭介は仁美を抱き締めた
上条「君だ」
仁美「…ええ」
仁美は目を閉じて笑った
恭介のバイオリンの弓には青い宝石が埋め込まれている
上条「…君に悪いような気がしてた」
仁美「…とんでもないわ」
上条「これからは誇りに思う…」
仁美「うん…それでいいの」
上条「愛してる」
仁美「私もよ」
687 = 465 :
猿って何かと思ったら規制かよ
そうならそうと言ってくれ
ただの荒らしかと思った
688 = 1 :
―――――――――
――オフィス
まどかがパソコンに向かって穂村あけみについて調べている
まどか「『インキュベーターは『希望から絶望への転位』を超えるエネルギー生成技術を
未だに開発できずにいる。ソウルジェムが生む魔力そのものを
物理的に回収する方法も見つかってはいるが、従来の手法を核エネルギーに例えるなら、
こちらは差し詰め石油であるという』…うーん、難しいなぁ」
内線が鳴った
まどか「はい、開発部です」
詢子「まどかか」
まどか「あ、ママ」
詢子「ここでは社長と呼べ」
まどか「はい…」
詢子「昼は済んでるか?」
まどか「いえ、まだです…」
詢子「ちょっと来い。話がある」
まどか「わかりました…」
690 = 1 :
――社長室
まどか「失礼します」
詢子が両腕を肘掛けに置いてまどかを睨んでいる
まどか「えーと…話って何でしょうか? しゃ、社長…」
詢子「座れ」
まどか「はい…」
対面の椅子に腰掛ける
詢子「お前、ヤクザとツルんでるのか?」
まどか「え…!?」
詢子「佐倉って奴がお前の名前を口にしてたって、その筋の奴が言ってたんだけど」
まどか「…『佐倉』…杏子ちゃん…?」
詢子「知ってんのか」
まどか「え? えーと…杏子ちゃんは、中学校の時からの友達で…」
詢子「……」
692 = 465 :
しししえんん
693 = 1 :
まどか「はい…」
(まどか『どうしよ…どうしよう…! キュゥべえが言ってたこと、本当だったんだ…!』)
(杏子『何お前が慌ててんだよ』)
(まどか『私がさやかちゃんを助けなかったから…キュゥべえに『助けて』って言われたのに…』)
(杏子『はぁ? なんでそこでお前が出て来るんだよ。あんなの一般人の出る幕じゃなかったよ
さやかは魔法少女だ。それで進んで戦いに来た。負けるってわかっててな』)
まどか(私…)
(ほむら『あなたは美樹さやか1人を助けた後、世界中を滅ぼして回ることになる』)
まどか(私、やっぱりずるいよね…)
吐き気がした
詢子「…まぁ、縁切れとまでは言わないけどさ。くれぐれも危ない話には首突っ込むなよ?」
まどか「う、うん…わかってる」
詢子「ならよろしい」
まどか「……」
694 = 1 :
詢子「…今夜、飲みに行くか?」
まどか「……?」
詢子「たまには付き合いな。ここんとこ忙しかったからな
腹割って話したいことも色々ある」
まどか「…うん」
まどか(あの時、ママならどうしたのかな…)
本棚の一番下に、『絶対に契約してはいけない』の背表紙が見えた
まどか「!」
698 = 465 :
魔法少女親バレってどうなんだろうな
699 = 1 :
―――――――――
――路地裏
杏子がベンツのトランクを閉めた
杏子「用心しろよな。お前はもう日本中に顔見られてる
フットワークのしょぼい魔法少女はお前を目の敵にしてるぞ」
『不死身のお杏』は過去に拳銃で頭を2回撃たれたが、それでも死ななかった
今は組の用心棒をやりながら、ほむらと結託して魔女の撲滅に向けて活動している
ほむらは最後の銃を盾にしまった
ほむら「ここまで来てしまった以上、後戻りはできないわ
目の前に敵が現れたら、魔女だろうと人間だろうと容赦はしない」
ほむらはさやかの遺族に了承を得て、半自叙伝『絶対に契約してはいけない』を自費出版した
キュゥべえの新たな目撃者(契約を迫られた少女達)の存在によって、
『実話ではないか』との噂が絶えないが、世間では専ら都市伝説とされている
杏子「生きてる間毎日毎日魔女狩りして、魔女がいなくなったらこっちが魔女になって…
マジでクソッタレな人生だ…」
ベンツの助手席の窓が開いた
男「お杏さん…すんませんけど、また事件です」
杏子「ああ?」
700 = 1 :
男「ちょっと前にグリーフシードに目つけた組がありまして…
何でも、使い物にならなくなったグリーフシードを高値で売りつけてる連中がいるそうです
そっちの筋の奴が言うには、えーと、魔女が出て来てどうたらこうたら…」
杏子「ああまどろっこしい」
杏子は後部座席に乗り込んだ
杏子「悪い、急用できちまった。もう行くよ」
ほむら「ええ。ありがとう」
杏子「出せ」
ベンツが走り去った
ほむらは大型のバイクに跨り、フルフェイスをかぶった
エンジンをかけると、盾の中からキュゥべえが顔を出した
QB「ふぅ…。君にはお手上げだよ。大した執念だ」
ほむら「あなたは早く代わりのエネルギーでも探しなさい」
QB「そう簡単にできたらいいんだけどね…」
ほむら「……」
みんなの評価 : ★★★×6
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