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    元スレQB「シャワーでも浴びておいで」さやか「な、何…?」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×6
    タグ : - QB + - 五和 + - 佐倉杏子 + - 巴マミ + - 恭さや + - 暁美ほむら + - 美樹さやか + - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    151 :

    ほむヤムクン

    152 = 1 :

    QB「…1つだけ、頼んでもいいかな。さやかのことなんだけど…」

    ほむら「……?」

    QB「さっきも言ったように、さやかは未熟だ。それに、魔法少女には向いてない気がする…
       できる限りでいいから、彼女を守ってあげてくれないかな…」

    ほむら「…こうなってしまった以上、美樹さやかの運命は既に決定付けられたも同然
        契約したのはあなたよ。もう私には、彼女をどうすることもできない」

    QB「…言い訳はしないよ」

    ほむら「ええ。聞いてあげるつもりもないわ」

    ほむらは立ち去った
    今度は引き止めなかった

    QB「……」

    153 = 1 :

    QB(情報を整理しよう…。彼女は妙に事情に詳しかった
       一通り調べるだけではあんな風にはなれないだろう…
       何かを一方的に感知する能力があるんだろうか…テレパシーを傍受するような…
       あるいは未来予知のようなもの…?

       いや、それならさっきの魔女の攻撃も事前に予知してかわせたはず――
       だけど無いとも言い切れないな…魔力の消耗を抑える為に
       普段は能力を封印しているとしたら…)

    ふと、連れ去られる前のことを思い出す

    QB(そうだ…ほむらはあの時、瞬間移動のような技を使った…
       あれがほむらの能力なのか…? 『神出鬼没にどこにでも現れる能力』…?
       そうしていつもどこかから僕を見ているのか…?)

    154 = 1 :

    ―――――――――――
    ――翌日、展望台

    杏子「遅かったじゃん。せっかく来たんだから出迎えぐらいしろっつーの」

    QB「ごめんね。ゆうべはちょっと忙しくて」

    QB(まさか君が来るとは…)

    杏子「ふーん」
    ワッフルを食べながら双眼鏡を覗いている

    杏子「で、1つ聞きたいんだけどさー。あの子は一体何なんだよ?」

    QB「…青い髪の子かい?」

    杏子「マミの奴がくたばったって聞いたからわざわざ出向いてやったのに、
       なんで既に他の魔法少女がいるんだよ」

    QB「あの子とは契約するつもりはなかったんだけど…泣き落としされちゃって」

    杏子「しかし、こんな絶好の縄張り、あんなぽっと出のひよっこに
       あっさり明け渡しちまうってのは気に入らないなー」

    QB「…どうする気だい?」

    杏子「決まってんじゃん。要するに、ぶっ潰しちゃえばいいんでしょ? その子」

    156 :

    QB「本気かい?」

    杏子「だってチョロそうじゃん。瞬殺っしょ、あんな奴。それとも何?
       文句あるってんだ? あんた」

    QB「…それだけは勘弁してくれないかな…」

    杏子「ああ?」

    QB「実は訳あって、彼女に死なれると非常に困るんだ…
       無理を承知でお願いすると、君にはむしろ、さやかを守ってほしいんだ…」

    杏子「……」

    QB「駄目、だよね…」

    杏子「バーッカじゃないの? そんなことしてあたしに何の得があるってのさ」

    QB(どうしよう…杏子と本気でぶつかったら、さやかに勝ち目はない…
       マミがいない今、杏子を止められる人がいるとしたら、まどかか…)

    杏子「…? 何難しい顔してんのさ」

    QB(…暁美ほむら…)

    QB「…全て君の思い通りに行くとは限らない。この町にはもう1人魔法少女がいる…」

    157 = 1 :

    QB(昨日はああ言っていたけど、意外と情に厚い所があるように見えた…
       さやかが危なくなったら、僕に借りを返しに来るかもしれない…)

    杏子「へぇ。何者なの? そいつ」

    QB「僕にもよくわからない…」

    杏子「はぁ? どーいうことさ。そいつだってあんたと契約して魔法少女になったんでしょ?」

    QB「そう考えるしかないのは確かだけど…不思議なことに、僕にはその記憶がないんだ」

    杏子「……」

    QB「あの子は極めつけのイレギュラーだ…どういう行動に出るか、僕にも予想ができない」

    杏子「フン、上等じゃない。退屈すぎても何だしさ。ちっとは面白みもないとねぇ」
    ワッフルの最後の一口を口に放り込み、歩き出す

    QB「…13日だけでいい」

    杏子「…?」

    QB「13日の間だけ、待ってほしい…守ってくれとは言わない
       ただ、手を出さないであげてほしい…」

    杏子「…あんた、キュゥべえだよね」

    QB「え…?」

    158 = 1 :

    杏子「なんか、性格変わりすぎじゃない? ちょっと見ない間にさー」

    QB「そうかな…」

    杏子「そのさやかって奴に惚れてんじゃねーの?」

    QB「それは違う…」

    杏子「13日後に何がある訳?」

    QB「悪いけど、今は言えない…だけど、その後は君の好きなようにしていい…
       もう、口出しはしない」

    杏子「……」

    QB「……」

    杏子「あんたもそんな顔するんだなー」

    QB「…?」

    杏子「まぁ、そこまで言うなら考えてやってもいいけど。あたしも鬼じゃねーし」

    QB「本当かい?」

    杏子「ああ。ただし、もし向こうから喧嘩吹っかけて来たら、そん時は知らねーよ」

    159 = 1 :

    QB「それなら大丈夫だ。僕からも釘を刺しておく」

    杏子「あたしは例の『イレギュラー』って奴と遊んでるとするか。別にいいでしょ?」

    QB「…構わない。けど、気をつけて」

    杏子は後ろ向きに手を振って歩いていった

    QB(よかった…)





    ―――――――――
    その後

    さやかがまどかとキュゥべえを連れてパトロールをしている

    さやか「――あたし馬鹿だから、1人だと無茶なデタラメやらかし兼ねないし、
        まどかもいるんだって肝に銘じてれば、それだけ慎重になれると思う」

    QB「…そっか。うん、考えがあってのことならいいんだ」

    160 = 1 :

    QB(まどかがさやかに付き添うことは、チャンスにもピンチにもなり得る…
       マミがやられた時、まどかは完全に震え上がってしまった

       まして親友であるさやかがああなったら、きっと僕の声なんて聞こえないだろう…
       チャンスが来るとしたら、それはほんの一瞬だ…
       だから躊躇するな…! さやかを想うまどかの気持ちを、『利用』することを…!)

    QB「…ところでさやか、君に1つ言っておきたいことがある」

    さやか「え? 何?」

    QB「この町に、君達の知らない魔法少女が来た。ベテランだけど、マミと違って好戦的な子だ」

    さやか「ん…」

    QB「というか、ちょっと事情があって、グリーフシードを集めることに必死なんだ
       それで、ライバルである君の存在をあまり快く思ってくれていない…」

    さやか「それってつまり…」

    QB「ああ…ここに来た時、君をやっつける気でいた」

    さやか「…!」

    まどか「え…!?」

    162 = 1 :

    QB「だけど安心してくれ。さっき彼女と会って、君に手を出さないようにお願いしておいた
       君から仕掛けない限り、特に問題ないだろう」

    さやか「ほっ…」

    QB「そんな訳だから、くれぐれも噛み付いたりしないでくれよ」

    さやか「なーんだ、脅かさないでよ。大丈夫大丈夫、あたしがそんなことする訳ないでしょう?」

    QB「ははは。わかってはいるけど、君にもちゃんと言っておくって約束したからね」

    まどか「よかった…」

    さやかのソウルジェムが反応する

    さやか「ここだ…」


    ――景色が変わった

    QB「この結界は、多分魔女じゃなくて使い魔のものだろう」

    さやか「楽に越したことないよね。こちとらまだ初心者なんだし」

    QB「なんだか君は本当に頼りないな。油断は禁物だよ」

    さやか「わかってる」

    163 = 1 :

    ポコッ

    後方から飛んで来た小さなボールが地面で跳ねた

    さやか「!?」

    無数のボールを引き連れた使い魔がラジコン飛行機に跨って頭上を通り過ぎた

    まどか「来てるよ!」

    さやか「任せて」

    ――変身

    さやかが数本の剣を召還し、次々と使い魔に投げつける

    キンッ キンッ

    唐突に現れた魔法少女が空中の剣を叩き落した

    さやか「!?」

    QB(杏子…)

    使い魔が逃げていく

    杏子「ちょっとちょっと、何やってんのさ。あんた達」

    164 = 1 :

    まどか「逃がしちゃう!」

    使い魔を追いかけるさやか

    杏子がさやかの喉元に槍を突きつけた

    さやか「…!」

    QB「杏子!」

    杏子「見てわかんないの? あれ魔女じゃなくて使い魔だよ
       グリーフシードを持ってる訳ないじゃん」

    さやか「だって、あれほっといたら、誰かが殺されるのよ!?」

    杏子はたいやきを食べ始めた

    杏子「だからさ…4~5人ばかり食って魔女になるまで待てっての
       そうすりゃあちゃんとグリーフシードを孕むんだからさ
       あんた、卵を産む前の鶏絞めてどうすんのさ?」

    さやか「魔女に襲われる人達を…あんたは、見殺しにするって言うの!?」

    QB「よすんだ、さやか! 彼女が例の魔法少女だ。落ち着いて、ここは引き下がるんだ!」

    さやか「! …あんたなのね、あたしを狙ってたってのは…」

    165 = 1 :

    杏子「…キュゥべえ。どういうことさ? ちょっと話が違うんじゃねーの?」

    QB「さ、さやか…お願いだから手向かわないで…!」

    杏子「キュゥべえは何て言ったのかな? あたしと会ったらどうしろって言われた?」
    さやかに詰め寄る杏子

    さやか「うっ…」

    杏子「ま、身の程わきまえろってこった。遊んでほしくなったらいつでもかかっておいで」

    杏子が背を向ける

    QB(ふぅ…。全く肝が冷えるよ…)

    さやか(…あの転校生といい、こいつといい…魔法少女ってこういうもんなの?
        グリーフシードの為に平気で人を見殺しにするような奴らなの…!?
        許せない…こういう奴のせいで、マミさんは…!!)

    さやか「だあああああああああ!!」

    さやかが杏子に後ろから斬りかかる

    QB「なっ…!!」

    まどか「!?」

    166 = 155 :

    さやさやあんあん!

    167 = 1 :

    杏子は後ろ向きのまま槍で受け止めた

    さやか「くっ…!」

    杏子「はーあ。あんたさ、ひょっとして…」
    たいやきの最後の一口を食べて中途半端に振り返る

    杏子「…馬鹿?」

    さやか「…あんたみたいな奴がいるから、マミさんは!」

    QB「さやか! もういい、帰ろう! 不意打ちなんてどうかしてるよ!」

    杏子がまどかとキュゥべえの前にバリケードを張った

    杏子「うぜぇ…超うぜぇ! せっかくアドバイスしてやったっつーのに
       あんたは人としての礼儀もわかんねーのか?」

    さやか「黙れ!!」

    杏子「キュゥべえには悪いけどさー。やっちゃっていい? この子
       よっぽど殴られたいみたいだし、あたしも我慢の限界なんだわ」

    QB「まずい…!」

    さやか「うああああああ!!」

    先に仕掛けたのはさやかだった

    168 :

    これだからさやかは…

    169 :

    さやかキチ○イじゃねーか…

    170 :

    チョッカイ出してきた杏子も悪い

    171 :

    いや、杏子は悪くない

    172 :

    まあこの時点の杏子はさやかからしたら一般人を犠牲にして甘い蜜を吸うクズってイメージだろうしな
    マミさんと会って、マミさんの意思を継ごうって考えてるから尚更

    にしてもバカだとは思うけど

    173 :

    あそこでちゃんと弁解しなかったほむほむの責任は重いですよ
    まあさやかちゃんは馬鹿だけど

    174 = 170 :

    確かにさやかが馬鹿なのは変わらない

    175 :

    後ろから刃物で斬りかかるってのは殺人未遂だって理解してるんだろうかさやかちゃん

    176 :

    まぁ退くか殴るかで殴りにいくのはさやかの性格だけど、
    この時点でさやかの他魔法症状への心証が最悪なのは仕方ないと思う。

    177 :

    >>175
    魔法少女は人間じゃないから殺人ではないな

    178 = 171 :

    自分だって魔法少女なのに図々しい

    179 :

    全員コミュ障

    180 :

    さやかってほんと馬鹿

    181 = 1 :

    杏子は造作もなく打ち返し、本格的に攻撃を始める

    キン キン バチッ

    防ぐのがやっとのさやか

    杏子「チャラチャラ踊ってんじゃねーよウスノロ!」

    さやか「くっ…負けるもんか!!」

    まどか「どうして…。ねぇ、どうして? 魔女じゃないのに…
        どうして味方同士で戦わなきゃならないの…?」

    QB「……」

    まどか「お願い、キュゥべえ…止めさせて…! こんなのってないよ…!」

    QB(どうしてこうなるんだ…杏子は戦う気なんてなかったのに…
       こっちから絡んだりしないって約束したじゃないか…!)

    QB「…さやか! いい加減にしてくれ! 杏子に謝るんだ!」

    キン キン ドゴッ

    さやか「うっ…! …あんたはどっちの味方なのさ! キュゥべえ!!
        こんな最低な奴に頭下げろっていうの!?」

    182 = 1 :

    杏子「口が減らないね。しょうがないから二度と喋れないようにしてやるよ!」

    さやか「!!」

    バキッ

    QB(さやかの回復力は抜群だ…。だけど、杏子の攻撃力はそれを凌駕している…
       お互いここまで熱くなってしまった以上、どっちかが倒れるまでやめてくれないだろう…
       下手をすると、さやかは魔力が尽きて――!)

    QB「まどか…」

    まどか「何…?」

    QB「これまでだ…。もう、君がやらなきゃ、さやかは殺されてしまう…」

    まどか「……!」

    QB「僕を赦してくれとは言わない…僕のせいなのに、僕には2人を止めることはできない…!」

    まどか「……」
    涙目になるまどか

    QBは強く目を閉じた

    QB「だから――!」

    出かかった言葉が喉に詰まる

    183 :

    朝までよろしく

    184 = 1 :

    QB(…!? ――なぜ言い出せない…! 絶好のチャンスが来てるじゃないか…!
       まどかがかわいそうか? そう思わない為に深入りは避けて来ただろう
       卑怯? それが何だ…気にしてる場合か…! まどかは最高のエネルギーだ
       それ以外の何だというんだ! 契約する…これで全て終わる…! これで楽になれる…!)

    QB「け…」

    バキッ ドカッ

    QB「契約してくれ…! まどか、君が今ここで魔法少女になって、2人の仲裁に入るんだ…!
       彼女達を止められるのは、強い魔法少女だけだ…!」

    まどか(…そうだ…。私が契約すれば…!)

    杏子がさやかの足を薙ぎ払う

    さやか「うわ!」

    ドサッ

    杏子「終わりだよ」

    杏子が渾身の攻撃に入った

    まどか(さやかちゃん…!)

    まどか「私…!」

    185 = 1 :

    ほむら「それには及ばないわ」
    ほむらがどこからともなく現れる

    まどか「…!?」

    QB「ほむら…!」

    ドゴーン

    杏子の一撃でコンクリートの地面が砕けた

    杏子(消えた…!?)

    さやか「……?」

    まどか「ほむら…ちゃん…」

    杏子「…! な、何しやがったテメェ!!」

    ほむらに槍を向ける杏子。そこにほむらはいない

    杏子「!?」

    ほむら「……」

    ほむらが背後から杏子を見つめている

    186 = 1 :

    杏子「!!」

    向き直って警戒する杏子

    杏子「そうか…あんたが噂の『イレギュラー』って奴か
       探してたんだよね。退屈しのぎの相手にさ。それにしても、妙な技を使いやがる…」

    さやか「くっ…邪魔するな!」

    ほむらはさやかの後ろに出現し、首に手刀を入れた

    さやか「ッ……!」

    バタ

    杏子がバリケードを解く

    まどか「さやかちゃん!」

    倒れたさやかに駆け寄るまどか

    QB「…大丈夫、気絶しているだけだ」

    杏子「…何なんだあんた? 一体誰の味方だ」

    ほむら「私は冷静な人の味方で、無駄な争いをする馬鹿の敵
        あなたはどっちなの? 佐倉杏子」

    187 = 155 :

    ほむぅ……

    188 = 1 :

    杏子「な…! …どこかで会ったか?」

    ほむら「さぁ。どうかしら」

    杏子(こいつ…タダモンじゃなさそうだ。今んとこ、全てが未知数…
       手品の種なんてのは蓋を開けてみりゃあくだらないもんだけど…
       何もわからないまま突っ込んで行ったら一杯食わされるかもしれない…)

    QB(杏子のことまで知っている…!? 杏子はこの町に来たばかりなのに…
       一体いつ、どうやって調べたっていうんだ…?
       こんなこと、特殊能力を複数持ってでもいない限り、できるはずない…!)

    睨み合う杏子とほむら

    杏子「……」

    ほむら「…」

    杏子「…手札がまるで見えないとあっちゃねぇ。今日のところは降りさせてもらうよ」

    ほむら「賢明ね」

    杏子はビルの上に飛び去った

    ほむら「…」

    QB「…ありがとう…ほむら」

    189 = 1 :

    ほむら「お礼を言われる覚えはないわ。頼みを聞き入れた訳でもない
        まどかと契約する口実を、あなたに与えたくなかっただけ」

    QB「……」

    ほむら「鹿目まどか。一体何度忠告させるの? どこまであなたは愚かなの?」

    まどか「! ……」

    ほむら「あなたは関わり合いを持つべきじゃないと、もう散々言って聞かせたわよね」

    まどか「…私は」

    ほむら「愚か者の相手なら、私は手段を選ばない」

    まどか「…!」

    QB「…まどかを怖がらせないであげて」

    ほむら「脅しのつもりはないわ。あなたには、それが伝わったはずよ。キュゥべえ」

    去っていくほむら

    まどか「ほむらちゃん…どうして…」

    190 = 1 :

    ――――――――――――
    ――夜。さやかの部屋

    ソウルジェムを浄化するさやか

    QB「これでまたしばらくは大丈夫だ」

    さやか「うわぁ…真っ黒」
    グリーフシードを眺めながら

    QB「もう危険だね。これ以上の穢れを吸ったら、魔女が孵化するかもしれない」

    さやか「え…!?」

    QB「大丈夫。貸して」

    受け取ったグリーフシードを体に取り込むキュゥべえ

    QB「キュップイ…これでもう安全だ」

    さやか「食べちゃったの?」

    QB「あはは、ちょっと違うかな…。それより、また次にソウルジェムを浄化する為には
       早く新しいグリーフシードを手に入れないと」

    さやか「これを綺麗にしておくのって、そんなにも大切なことなの?」

    QB「…うん…すごくね…。あ、ほら。佐倉杏子は強かっただろう?」

    191 = 1 :

    さやか「…」

    QB「余力が沢山ある分、魔力を出し惜しみせずに攻めることができる。それが杏子の強みだ」

    さやか「だからって…グリーフシードの為に他の人を犠牲にするなんて…」

    QB「杏子にも、彼女なりの事情がある。君は初対面であんな風になってしまったけど
       あの子を悪く思わないでほしい…」

    さやか「事情ねぇ…ううん。あいつに何があったか知らないけど
        他人を食い物にしていい理由なんてある訳ない!」

    QB(あの子は、普通の生き方はできなかったんだよ…
       他にもやりようはいくらでもあったに違いないけど、
       僕にもさやかにも、杏子を非難する資格はないと思う…)

    QB「いずれにしろ、魔法少女とグリーフシードは切っても切れない関係にある
       君がこれを集められない限り、杏子と戦っても勝ち目はないだろう」

    さやか「はぁ…なんだかなー…
        …マミさんだって、充分なグリーフシードを持ってた訳じゃないんでしょう?
        でも、ちゃんと戦えてたよね。やっぱあれ? 才能の違いとかあるの…?」

    QB「そうだね。それだけじゃなく、君は能力の特性上、普通に戦っているだけで
       他の子達より多くの魔力を消耗する傾向がある
       君の傷は放っておいてもすぐに治るだろう? それが原因の1つとなってしまっている」

    さやか「うぅ…。ずるーい! 不公平だー!」

    192 = 1 :

    QB「こればっかりは仕方ないよ。何にでも個人差はある。杏子は素質がある上にベテランだし…
       逆に、まどかは契約した時点で杏子くらいでは太刀打ちできない魔法少女になるだろう」

    さやか「前にも言ってたね…。あのまどかがねぇ…」

    QB(何度もチャンスはあったのに、僕はまだこんなことをやっている…
       後回しにしたって何の意味もないのに…
       …そうだ。さやかに後押ししてもらおう…僕1人では、荷が重い…)

    QB「そこでなんだけど…こういうのはどうかな
       君が単独でグリーフシードを集めるのは難しいし、杏子やほむらといった難敵もいる
       それでも、まどかの協力があれば、どんな戦いもずいぶん楽になるはずだ
       だから、僕と契約してくれるように、君から頼んでみてもらえないかな…」

    さやか「ううん、駄目! …これは、あたしの戦いなんだ。あの子を巻き込む訳にはいかない…」

    QB(…甘かったか…。逃げてばかりじゃ駄目なんだよなぁ…)

    QB「…そっか。ごめんね。汚い仕事押し付けようとして…」

    さやか「え? 何よそれ」

    QB「……。大した意味はないよ。まどかと契約したいのはやまやまだけど、
       魔法少女の苦悩を沢山見て来たから、自分で頼むのは気が進まなくて」

    さやか「へぇー」

    193 :

    まどかが魔女化すれば地球終わるじゃん
    QB的にそれは別にいいのかね

    194 :

    女の子に殺し合いやらせるより何がなんだかわからないうちに死ぬ方がいいってことじゃね

    195 :

    ノルマとかそういうのがあるんだよきっと

    196 :

    追いついちまった……
    朝まであるよ、な?

    197 = 196 :

    199 = 172 :

    実際ほむほむはQBに「まどかが魔女化したら地球終わるけどいいの?」って言えば良かったんじゃね

    まあ地球がぶっ壊れるほどの魔女の絶望エネルギーだったら宇宙のエネルギー事情は一発で解決するって設定だろうけど

    200 = 1 :

    さやかが急にキュゥべえを抱き上げる

    QB「うわ!」

    さやか「やっぱあんたっていい子だよねー! ちっちゃい体して憎いなーこのこのー!」

    QB「……」

    QB(…どうして…?こんな風に誤解されるのが嫌で…
       友達と思われるのが嫌で、仲良くならないように気をつけてたのに…
       君には冷たいことだって沢山言ったじゃないか…なのにどうして…?)

    QB「……」グスン

    さやか「って、あれ…? あぁ、ご、ごめん、痛かった!?」

    QB(…いいさ。笑うよ)

    QB「ひどいよー! さやかは限度ってものがわかってないんだから!」

    さやか「あはは、ごめんって」

    QB「あはは」

    QB(もう取り返しはつかない…。これはせめてもの罪滅ぼしだ…)


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