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元スレ男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
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猫又「300年も前のことですからね。私も詳しくは覚えていませんが」
女妖怪「覚えている範囲でよい」
猫又「では」
今から300年前、大きな飢饉があった。
飢饉は人里に近づくことを退けられ、山で木の実や獣を食らっていた妖怪にも影響があった。
妖怪は人里に下り、人間を食うことにした。
その途中、強力な退魔師との戦いになり、多くの妖怪が死に、敗れた女妖怪は封印された。
頭である女妖怪の封印は周囲の妖怪にも影響を与え、妖怪は日に日に姿を消した。
飢饉でのたれ死んだ者、自ら命を絶った者、人間に敗れた者、多くいた。
やがて飢饉は終わり、文明も発達し、山々は切り崩される。
山に隠れていた妖怪の多くも駆逐された。
猫又は女妖怪が封印された後、すぐに逃げ、各地を転々としていた。
猫又「今では生き残っている妖怪なんてほとんどいませんよ。
退魔師の生き残りとか結構いますからね。そういうやつはまだ私たちを駆逐したがってます」
女妖怪「そういえばそんなこともあったな・・・。
しかし猫又よ、お主よく生き延びられたな」
猫又「私は見た目で得をしましたね。妖気を感じられない人間の下、猫の姿で長い月日を生きました。
その屈辱たるや・・・」
女妖怪「屈辱か・・・」
猫又「女妖怪様?」
女妖怪「猫又よ・・・。今でも人間が憎いか」
猫又「当然でしょう! 奴らは私たちを追いやりました。
今でも殺したいほど憎いですよ。まあ、変な事は出来ませんから、町に出てたまに思い切り人間に噛み付くくらいですけど」
男(もしかしてさっきテレビでやってた通り魔事件ってこいつ?)
ギロリ。
猫又「おい人間。お前は何故女妖怪様の妖力を吸い取る退魔具を持っていた」
男「え、いや。これは先祖代々のお守りで・・・」
猫又「ふん。貴様からは全く力を感じんが、貴様の先祖が退魔師のようだな。今すぐ殺してやりたいぞ」
男「」ブルッ
女妖怪「そう熱くなるな、猫又よ。とりあえず、色々聞くことが出来て助かった」
猫又「いえ、女妖怪様のためなら」
女妖怪「すまんな、私はお主を覚えていなかった」
猫又「多くの部下を抱えていたから当然ですよ。まあ、あの時代の生き残りはもう私くらいでしょうが」
女妖怪「しかし既に人化できるとなるとかなりの妖力だな。あまり目立つ行動はするなよ」
猫又「当然です。でもまあ、隠した私の妖気を追って来る事が出来るのも、女妖怪様くらいのものでしょう」
男「あの・・・」
猫又「なんだ人間」
男「結構力あるみたいだけど・・・悪さ・・・しないの?」
猫又「私一人で何が出来る。いくら妖気を隠そうとも、人間を殺せばすぐに退魔師に感づかれる。何もしないのではなく、できないのだ」
女妖怪「もはや人間は我らを遥かに超えたらしいな。ハハハ・・・妖怪も堕ちたものよの」
猫又「女妖怪様・・・」
女妖怪「男よ、帰るぞ」スクッ
男「え、ああ・・・いいの?」
女妖怪「まさか目覚めたその日に仲間と会えるとは思わんかった。今日は満足じゃ」
女妖怪「猫又よ。お主も来るか?」
猫又「どこへです?」」
男「俺の家・・・だけど」
猫又「女妖怪様・・・人間と居住を共に?」
女妖怪「こんな世の中じゃ。人間のことを知るのも悪くなかろう」ケタケタ
猫又「女妖怪様・・・。私は、遠慮します。何かあればお呼び下さい」
女妖怪「そうか、わかった。では行くぞ、男」
男「あ、ああ・・・」
タゥタッタ・・・・
猫又「女妖怪様」
女妖怪「なんじゃ」
振り返らずに答える。
猫又「貴女は、300年前・・・誰よりも人間を嫌っておりました。何かあったのですか?」
しばらく、間をおいて
女妖怪「・・・何もありゃせんよ。妖怪は弱くなった。だから、環境に順応するだけじゃ」
――男の家
男「ふうー食った食った」
女妖怪「すごいのぉ。今はこんなに豪華な飯が食えるんじゃな」
男「豪華かな? お米に、タイムセールで買った牛肉に、お惣菜の野菜だよ?」
女妖怪「米を食うのも困難じゃった時代じゃ。人間はすごいのぅ・・・」
男「なあ女妖怪。お前は・・・人間をどう思ってるの?」
女妖怪「・・・わからん。目覚めたばかりで、あまり記憶がないもんでな。
だが何故か・・・そこまで憎くは感じんのじゃ。何故じゃろうなあ・・・」
男「そっか・・・」
女妖怪「では逆に、お前は妖怪をどう思う」
男「そりゃあ・・・そんなもん本当にいるとはおもわなかったから、ビックリ。
それに、人間を憎んでるのも多いみたいだし、お前も強いし・・・ちょっと怖い」
女妖怪「そりゃそうじゃな。やっぱり、怖いよなぁ・・・・」
男「・・・女妖怪?」
女妖怪「それより、寝床はどこじゃ。眠いぞ」
男「あ、いや。でもその前に風呂に入らないと」
女妖怪「風呂? そんなもの、明日山で川にでも入ってくるわ」
男「いやいや、今はちゃんとした風呂が・・・。あ、でも俺と一緒に入るのはまずいよな・・・えっと・・・」
女妖怪「何がまずいのじゃ」
男「俺は男、お前は女だろ。その、裸になるのはまずいだろ・・・」
女妖怪「何じゃお前、恥ずかしがっておるのか?」
男「当たり前だろ!! それに服もないし・・・。あ、そうだ」
ピポパポ
男「あー、女か? 悪いんだけど、ちょっと服と下着もって来てくんね?
え? いや、ちげえよ! 俺が欲しいわけじゃねえし!! ほら、今日家にいた・・・。
いや、恋人じゃねーから!! 誘拐もしてねえよ!! いいからはやくきてくれって!! んじゃ!」
女妖怪「けいたいでんわか。本当にそんな板に話しかけて人がやってくるのか?」
男「きますよ!! ってちょ、ここで服脱ぐなって!! おい!!」
――風呂
女「えーと、女妖怪さんでしたっけ」
女妖怪「そうじゃが」
女「男とはどんな関係なんですか」
女妖怪「どうって・・・僕と言ったじゃろ」
女「だ・か・ら!! 僕とか意味不明なこと言ってないで本当のこと言ってください!」
女妖怪「何にも嘘いってないんじゃがな・・・」
ゴシゴシ
――――
男『いいか、女にはお前が妖怪だってこと言うなよ!』
女妖怪『何故じゃ?』
男『怖がるだろうし、信じてくれないだろうし、面倒なことになるだろうからだよ!』
――――
女妖怪(めんどくさいのう・・・)
女妖怪「しかしお主、ひんそーな体じゃのう」
女「なっ!!」
女妖怪「この時代は食べ物は豊富なのに、栄養が不足しておるのか?」サワサワ
女「どこ触ってんのよ!! 大体あんたみたいなスイカつけてる方がムカつくのよ!!」ゴシゴシ
女妖怪「スイカとな・・・。面白い表現じゃな」ケタケタ
女「なんなのよこいつ。ムカつく・・・私から男を寝取ろうとしてるのかしらブツブツ・・・・」
湯船につかる二人。
女妖怪「しかしのう。そのしゃわぁというものやしゃんぷぅというものは凄いのう」
女「はぁ?」
女妖怪「ん・・・ああ、いや。なんでもない。独り言じゃ。
では、そろそろあがるかのう」ザバァ
女「・・・変な人」
その後、女の下着が女妖怪はきつくて入らないとかなんやかんやあった。
結局、男が近くのデパートに女妖怪を連れて色々買って来た。
―――男の家
女妖怪「でぱぁとは凄いのう!! 見たことのないものがいっぱいじゃった!」
男「そうですか・・・。俺はもう疲れたよ・・・。女には散々怒鳴られるし、女性下着とか服とか買わされるし・・・」
女妖怪「しかしあの女とやら。何か私に対して怒っておったようだが・・・」
男「あんま気にしないで。普通男の家に女がいたらそういう反応するもんですから」
女妖怪「私はお前の家におらんほうがいいんじゃないのか?」
男「いや、そんなことは断じてない」
女妖怪「それは・・・下心か?」
男「え?」
女妖怪「お主が私を家におくのは、下心かと問うておるのじゃ」
男「やだなぁ・・・下心なんてこれっぽっちも・・・」
女妖怪「寝ている私の顔に精液をかけていたではないか」
男「それは・・・シンジ君だってそうしてたし・・・」
女妖怪「・・・私が怖いのではなかったのか」
男「え?」
女妖怪「・・・」
男「そんなこと気にしてたのか・・・」
女妖怪に近づき、肩をポンと叩く。
男「今日一日お前といて分かったけど、お前悪い奴じゃないし。
猫又も何だかんだ人間と一緒に暮らしてきてたみたいじゃん?
まあ確かに最初は怖かったけどさ、今ではそうでもないっつーか・・・。
はは、俺順応性高いからさ」
女妖怪「・・・単純なやつめ」ケタケタ
男「それに俺はお前の主(仮)なんだろ?
なら、僕の面倒見るのが当然だろ?」(えっちなこともしたいです)
女妖怪「そうであったな。うむ、その仮をとれ。今日からお前は私の主じゃ」
男「へへ、了解しました」(猫又ちゃんの俺の僕、こいつも俺の僕、フヒヒwwww)
その日は、それから深い眠りに落ちた。
なんとなく、首飾りをしたまま寝た。
不思議な夢を見た。
そこは昔の日本のようで。
俺は空の上からそこを眺めてるみたいだった。
「――まッ!!」
「――ぃ!!!」
誰かが言い争うような声が聞こえた。
姿は見えない。
家が燃えている。煙が立ち込めている。人々が逃げ戸惑っている。
何が起こっているのか。まったくわからない。わかるはずもない。
ただ何故か、凄く懐かしかった。
――1、了
2
男「ふわぁ・・・」
日がさんさんと部屋に差し込んでいた。
男「女妖怪ー・・・」
横の布団を見る。
そこには誰もいなかった。
男「えっ!?」
眠い目をこするまもなく、男は飛び上がった。
男「女妖怪!?」
慌てて家の中を探し回るが、女妖怪の姿はなかった。
男「おいおい冗談だろ・・・!?
せっかくこれから俺のハーレm・・・じゃなくて・・・」
キョロキョロ
男「昨日女妖怪のこと怖いって言っちゃたこと・・・気にしてたのかなあ」
男「どうすっかな・・・夏休みだし、探す時間はあるし・・・探すよな」
テレビのリモコンに手をやる。
ピッ。
テレビ「昨夜午後4時ごろ、熊本県××市で男性3人が重症で発見された模様です!!
内二人はわき腹を鋭利な刃物のようなもので刺され、一人は右腕を複雑骨折しているそうです。
警察はこの前の通り魔事件と何か関連があると見て云々・・・」
男「げーっ・・・、これ昨日の女妖怪がやったあれじゃねえか・・・」
テレビ「では現場と中継が繋がっています。現場のアナさーん?」
アナ「はい、現場のアナです。私は事件があった路地の手前にいます」
男「あー、そうそう。丁度ここで・・・・ん?」
現場中継のカメラ。
アナウンサーの後ろを通り過ぎる人々。
そこに、立ち入り禁止のテープで閉鎖された路地を超えて進入していく一人の女性の姿。
男「お・・・女妖怪!!?」
男は慌てて家を飛び出した。
電車に乗り込む男。
男「アイツ一人で電車に乗れるとは思わないし・・・歩いていったのか」
「次は~隣町」
タタタッ
男が路地に着くと、やはり立ち入り禁止のテープが張られていた。
まだ報道陣もいて、中に入るのは無理そうであった。
男「どうすりゃいいんだ・・・」
悩んでいる男の背後に、影。
??「おい」
男「!?」
振り返ると、そこにいたのは一人の女性。
男「猫・・・又?」
猫又「何しに来た。ってか、女妖怪様はどうした」
男「いや、それが・・・」
―――
――
―
猫又「女妖怪様がこの辺りに?」
男「そうなんだよ。てっきり、お前のところに行ったんだと思ってたんだが」
猫又「ふーん。私も散歩して今帰りだからね。家行こうか」
男「え? でもほらさ、規制が・・・って女妖怪はなんで入れたんだろ」
猫又「女妖怪様ほどの方にかかれば、気配を消すなんて造作もないことだろ。
たぶん、主のお前じゃなきゃ気づけないよ」
男「あ、そうなの・・・。で、俺たちはどう入るの?」
猫又「ここを抜けなくても道はある。ついてこい」
――猫又ハウス
男「いない・・・な」
猫又「本当にこっちに来たのか?」
男「そのはずだけど・・・。ってか、お前は女妖怪の妖気とかたどれないの?」
猫又「あの方は凄いって言っただろ。私みたいな400年くらいしか生きてない妖怪じゃとても追えない」
男「え、お前って400年生きてんだ・・・」
猫又「女妖怪様は1000年以上生きておられるぞ:
男「まじぱねぇわ」
猫又「とりあえずここにいても埒があかん。
お前と行動するのは気に食わんが、この辺りを探してみるぞ」
男「わかった。あとさ、一応俺お前の主なんだから男様ってよんでほしいなぁ・・・」
猫又「あ? チンポ噛み切られてえのか?」
男「すいませんでした」
>>81
一瞬でも咥えてくれるのなら…
一瞬でも咥えてくれるのなら…
それから二人はいろいろな所を捜し歩いた。
狭い路地、繁華街、池とかまあ色々。
でも、女は見つからなかった。
時刻は既に、正午になろうとしていた。
男「いねえなあ・・・。ってかアチィ・・・」
猫又「っつーか、妖気全く感じないし。私が鈍いのかもしれないけど、本当にこの町にいんのかね」
男「間違いなくテレビで見たんだって。報道カメラの後ろスーッて」
猫又「お前が嘘ついてるようにも思えないし・・・・・・・ん?」
突然、鼻をヒクヒクさせる猫又。
男「どうした?」
猫又「本当に微かだが臭う・・・妖気だ。だが、女妖怪様のものじゃない」
男「え? 女妖怪じゃない?」
猫又「熊本にもう妖怪はいないと思っていたが・・・行ってみるか」
たどり着いたのは、古い空き家だった。
郊外にひっそりと佇んでいる。
猫又「ここから臭うな」
男「おいおい・・・。大丈夫なの?」
猫又「妖気は弱い。しかも隠したわけじゃなさそうだ。雑魚だろう」
男「そんな雑魚が良く生き残ってたな」
猫又「全くだな。弱すぎて追うのが大変だったが、その内感づいた退魔師が来るかもしれん」
男「ええー。じゃあ早く女がここにいるか確かめないと」
空き家に入ろうとする男。
猫又「いや、中じゃない。こっちだ」
庭へ行く猫又。
着いたのは古ぼけた倉庫の前。
女妖怪「お?」
女妖怪が、いた。
男「探したぞー。何やってたんだ?」
女妖怪「いやの。微かだがまた妖気を感じたので来てみたのじゃ」
猫又「町一つ離れててもこの妖気を追えるとは・・・さすが女妖怪様」
女妖怪「猫又も一緒じゃったか」
男「で・・・何かいたの?」
女妖怪「ああ。これがおったぞ」
女妖怪の手にはほうきがあった。
男の目にはただのほうきにしか見えない。
男「ほうき?」
猫又「なるほど、付喪神ですか」
男「なにそれ?」
女妖怪「付喪神とは、長年人に忘れられ放置された物が妖怪化したものじゃ」
男「え、じゃあそのほうき妖怪なの?」
女妖怪「まあの。しかし、生まれたばかりじゃ。害はなかろうに」
猫又「妙です」
女妖怪「どうした、猫又?」
猫又「私はこの町で長く暮らしましたが、100年ほど前から付喪神がでたことはありません」
男「よく考えたら、古いものがその・・・つくねがみ?になっちゃったら世の中つくねがみだらけだもんね」
女妖怪「つくもがみな」
猫又「妖怪が廃れていったので付喪神も出現しなくなったと思っていましたが・・・。
女妖怪様が復活なさった翌日に、付喪神・・・ふむ・・・」
女妖怪「私のせいか?」
猫又「女妖怪様の妖力は強大です。そこの男に吸い取られてもなお、あなたの威厳はすさまじい。
もしかすると、貴女様が目覚めたことで、この辺りの妖怪が次第に目を覚まそうとしているのでは・・・」
女妖怪「私はそんなに偉大だったかのう。どれ、男よ。私に少し妖力を戻せ」
男「え?」
女妖怪「そこの付喪神に話を聞くのじゃ。ただし、ここに留まるのは危険じゃ。場所を移すぞ」
とりあえず昨日女妖怪に会った山にいくことにした。
その途中のこと。
??「あれ、男じゃん」
男「おお、友! そういやお前隣町に住んでたんだったな。こんなところで何してるん?」
友「散歩だよ散歩。天気もいいし、夏休みだしな。ところで男・・・お前は何してるの?」
男「え?」
後ろには女性二人。
男の手には、ほうき。
男「あ・・ああ~。実はいとこの姉さんと妹がきてね。
それでこれから、ボランティアで山の掃除に・・・な、二人とも」
女妖怪「あ、ああ・・・。そうzy・・・そうね。男のいとこの姉です」
猫又「男のいとこの妹です」
友「へ、へえ・・・。わざわざ隣町までごくろうなこったねwwwんじゃまたな」
そのまま、海のほうへ歩いていく友。その顔が、一瞬こちらを向いた。
女妖怪「む・・・?」
猫又「誰が妹だコラ」ボカッ
男「いてえ。仕方ねえだろ俺にもリアルってもんが」
女妖怪「・・・・・・・」
猫又「女妖怪様?」
女妖怪「ん。なんでもない。お、ついたようじゃな」
山の麓に到着した。
人気はない。
女妖怪「では男、妖力を戻せ」
男「どのくらい?」
女妖怪「少しで良い」
ホワァ
女妖怪「では、この付喪神に口をつける」
ほうきが光って、口がついた。
ほうき「なんすか。俺どうなるんすか」
女妖怪「心配せずとも少し話を聞くだけじゃ」
ほうき「まじっすか・・・。まあいいっすよ、なんすか」
猫又「おい貴様、口を慎まんか!! この方を女妖怪様と知っての態度か!!」
ほうき「ちょ、おこんないでくださいよ、俺女妖怪様とかしらねっすマジパネェ!!」
女妖怪「落ち着かんか猫又。さて、まず貴様・・・何故生まれた?」
ほうき「なぜといわれましても・・・・」
女妖怪「妖怪となって生まれたのじゃ。記憶はあるじゃろ」
ほうき「うーん。俺はあの家で昔使われてたんす。
でも・・・100年くらい前かなあ。使われなくなって、ずっと倉庫にいたっす」
男「それでそれで」
ほうき「今朝、誰かが外を歩く音がしたっす。あ、そこの女妖怪様の2時間くらい前っすかね。
気づいたら、俺は何故か動けるようになってたっす」
猫又「む・・・? 自然発生の付喪神ではないのか?」
ほうき「よくわかんないっす」
猫又「どうやら女妖怪様の影響とかではないようですね」
女妖怪「しかし、自然発生以外で物が妖怪になるのか?」
猫又「聞いたことありませんね」
男「100年たってれば例外もあるんじゃない?」
女妖怪「そうかのう。それに、外を歩いてた誰かというのが気になるのう」
猫又「おいほうき。何か覚えてないのか」
ほうき「えええ。あーでも、そういえば」
女妖怪「なんぞ?」
ほうき「ビップ森が云々言ってたっす」
女妖怪「ビップ森?」
男「ここからすぐ近くの森だ」
猫又「行ってみますか?」
女妖怪「そうじゃな・・・。ほうきよ、お主も来るのじゃ」
ほうき「足ないっすから持って行ってくださいね」
――ビップ森
男「結構深く入ったけど、何もないね」
猫又「本当にここなのか?」
ほうき「って言ってた気がするんすよねぇ」
女妖怪「む・・・」
突然、振り返る女妖怪。
猫又「どうしました、女妖怪様?」
女妖怪「まて・・・。何か妙な力を感じる」
女妖怪がそういった瞬間、空気が張り詰める。
次の瞬間、視界がモノクロになり、キーンという耳鳴りのような音を男は感じた。
男「お、おい・・・なんだこれは・・・」
猫又「ぐっ・・・頭が・・・」
女妖怪「はめおったか!!! 男、今すぐ私に妖力を全て戻すのじゃ!!!」
ほうき「ケケケケ。全く、まんまとかかってくれるとは思わなかったっすよwww」
猫又「ほうき、貴様いったい!?」
ほうき「ほうき様、だろうがよぉ!!」
近くの木の枝が伸び、猫又わき腹を突き刺す。
鮮血が飛び散り、猫又が絶叫する。
女妖怪「お主、憑依妖怪じゃな!?」
ほうき「さすがは女妖怪。知ってますよねwww」
女妖怪「ぬかしおって・・・。私らはまんまとお主のふぃいるどに釣られたわけか」
男「で、でも・・・妖怪はほとんど駆逐されたんじゃ・・・」
ほうき「駆逐された? ハッ、そんなことないっすよwww
確かに多くの同胞は死にました。でも、みんな息を潜めてるだけっす。復讐の機会を狙ってるんすよwww」
猫又「なんだと・・・ぐっ!」
ほうき「300年前にあんたが封印され、俺はこの森に逃げ延びました。
それからひっそりと力をつけ、いつか人間に復讐してやろうと思った・・・。
だが、強い妖怪がいれば強い退魔師がつく。この町には、今も強力な退魔師がいる。
低位の憑依妖怪がいくら力をつけようとも、そいつにゃかなわねえっす。
そんな折、昨日・・・凄まじい妖力が放出されるのを感じた。あんたが復活したとすぐわかったっす」
ほうき「だが、あんたは人間に妖力を吸われ、主にしている。気に食わねえんすよ。
だから俺があんたの体を乗っ取って、人間に復讐してやることにしたんだ」
猫又「私とてそれは気に食わん・・・だが、お前で女妖怪様に適うとでも?」
ほうき「俺だけじゃないっすよ?www」
周りを見ると、木々がざわめいている。
モノクロの世界で揺れ動く木々は不気味でだった。
男「こんなことをすれば、すぐに退魔師が来るだろう!」
ほうき「へっ、だから俺はお前たちをここにおびき寄せて、結界をはったんすよwww
この結界がある限り、おそらく俺たちの気配に誰も気づくことはないっす。
それに・・・俺以外にも、力をつけて潜んでいた妖怪がたくさんきてるんだ・・・あんたなんかイチコロだぜ!!」
揺れ動く木々がいっせいに伸び始める。
その矛先は、間違いなく結界の中にとらわれた三人を狙っていた。
女妖怪「!!」
次の瞬間、女妖怪が猫又と男を抱え、跳躍した。
迫る木々を全て肘と足で切り払い、ほうきと距離をとる。
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