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元スレ男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
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少し高い山の中腹。
男「ひーっ、ひーっ、はっ、はっ」
一人の男が登山していた。
息は絶え絶えである。
男「もう駄目だ・・・ちょっと休憩しよう」
キョロキョロ
男「どっかに日陰ねーかな・・・あちい・・・」
キョロキョロ
暑さで意識が朦朧とし、注意力がなくなっていた男。
男「ん・・・?」グラッ
その足は気づけば、地面を踏み外していた。
男「のあああああああああああ!!!!!!」
崖から真っ逆さまに落ちていく。
男「痛ってええええええええ」
男「って、ん・・・? 俺、生きてるの・・・」
辺りを見回すと、崖の下の斜面になった岩肌から、舌のように突き出た地面に落ちたようだった。
男「こりゃあ運が良かったな。この狭い足場に偶然乗ったから下まで落ちずにすんだか」
男「しっかし、そういったところでどうやって降りたらいいんだこれ」
斜面から突き出した足場は狭く、麓までの距離はまだかなりあり、降りる手段は見つからない。
男「ちくしょー・・・。携帯電話の充電も切れたし、誰かが助けに来てくれるの待つしかないのか?」
キョロキョロ
男「ん? なんだこれ・・・洞窟?」
足場が出ている斜面を見ると、そこに穴が開いていた。
先は真っ暗で、何も見えない。
男「外は暑いし・・・とりあえず中に入ってみるか」
ト ←突き出た足場って言うのはこんな感じのイメージ
洞窟は奥に行くほど日差しが差し込まなくなり、真っ暗だった。
男は携帯ランタンをつけて進んでいた。
男「なんなんだろ、この洞窟。生き物の気配がなんにもしねえ」
テクテク
男「っていうか物音が何にもしねえし。俺の足音しかしないとか不気味なんだけど」
テクテク
男「俺・・・かえれんのかな」
テクテク
男「この洞窟どっかにつながってんのかな・・・」
テクテク
男「はぁ・・・・・・ん!?」
どれくらい歩いたか、男がふと気づくと、目の前にわずかだが光が漏れていた。
男「お・・・おぉおお!! やっぱりこの洞窟はどっかに繋がっていたんだ。出口ktkr」
ダダダッ
男「なんぞこれ・・・」
その場所は、出口ではなく洞窟に作られた狭い部屋だった。
天井の部分に穴が開いており、そこから差し込む光が部屋を照らしていた。
部屋の中心にある四角い物体の周りに、様々な物体が置かれている。
男「このでっかい四角は何だ・・・棺おけか? それにこの周りにある変なものは何なんだろう」
ガサゴソ
男「駄目だ・・・全然分からんね。とりあえず持って帰ってミス研で調べてみるか」
男が棺おけを取り囲む物体の一つ・・・埴輪のようなものに触れた瞬間。
バチィッ!
男「いって!! 何今の!? 電流走ったんだけど!!」
・・・
男「触っちゃまずかったのかな・・・俺祟られる?」
男「しかし俺もミステリー研究会の一員として、何も持ち帰らずには行くまい」
ミステリー研究会とは男が大学で所属するサークルである。
男「持ち帰るのは無理そうだが・・・この棺おけだけなら開けられるんじゃないかね」
よく見ると、天井の穴は棺おけの真上に開いている。
まるで、棺おけに日の光を浴びさせるかのように。
男「ふむ・・・棺おけは触ってもバチッとこないな。やっぱこれあけるだけなら平気なのかな」
ギィィィッ
バチイィィイッッッ!!!
男「ぬおあおおあおあおあ!!!!」
蓋を開ける瞬間だけ、男にまた電流が走った。
男「いつつ・・・さっきのより強かったが開けることに成功したぜ」
男「しかし・・・これは・・・」ゴクリ
棺おけの中には、女性が横たわっていた。
着物を着ており、その顔は安らかに死んでいるかのようだった。
男「死んでるのか?」ペチペチ
頬を撫でてみると、氷のように冷たかった。
男「お墓か何かだったのか・・・。やっべ、俺祟られる?」
女性はまったく動く様子はなかった。
男「しかしこの女子・・・いい体をしておる」
男「おっぱい触ってもばれないかな」ムニュムニュ
男「うほっ・・・やわらけえ」
男「・・・・・・・・・・いいよな、ちょっとくらい」
男は女性の着物をはだけさせる。
カチャッ
シコシコシコ
男「はぁ、俺って最低だな・・・」ドピュ
男「あ、やべ。俺の右手こえて顔にかかちゃった。拭かなきゃ」
女「・・・・・・んん?」
男「!?」
棺おけの中の女性が体をむっくりと起こし、伸びをする。
女「ふああ・・・。なんじゃ私は・・・寝ておったのか」
男(なんぞあれ。やばいだろ。普通じゃない。俺のホワイトサンが顔にかかってるって知ったら祟られるだろ。逃げよう)
逃げ出そうとする男。
女「おい、そこの男よ」
男「ヒッ!」
振り返ると、女性が男のほうを物凄い形相で見ていた。
明らかに怒っている。
女「今は西暦何年のいつじゃ。教えろ」
男「い、今ですか? 今は西暦2011年9月16日でございますが・・・」
女「2011年じゃと!?」
ズカズカと棺おけを離れ、男に近づく女性。
そして男の胸倉をつかみ、簡単に持ち上げる。
女「本当に今は2011年なのじゃな!? 間違いないのか!!」
その顔は男の体液つきである。
男「まままちがいありましぇん!! ゆるしてくだしあ!! 呪わないで!!」
女性は男を放り投げると、そのままブツブツ何か一人でつぶやきだした。
男(好機!!)
男はそれを見るとすばやくズボンを上げ、一物をしまい、洞窟の出口を目指して走り出そうとした。
しかし、体が動かなかった。
女「ふむ・・・。眠っている間に少しは回復したようじゃな」
男(なんだ・・・体が動かない)
男は一物をしまおうとする体制のまま固まってしまった。
女「ところでお主は何故そんなお粗末なものを露出しているのじゃ? ここで何をしておった? 答えてみい」
男の口が動くようになった。
男「え、いや、それは・・・」
女「正直に答えろよ。返答によってはお前を殺す」
男「すいません。あなたが美しかったので我慢できませんでした」
その瞬間、男の体が見えない力で壁に放り投げられる。
女「よし、決めた。久々に目覚めた私の食事一号になってもらおう」
男「は、はぁ!? 食事!?」
女「そうじゃ。見れば中々お主、良い体つきをしておる。うまそうじゃの」ケタケタ
男「え、いや、え、食う? どういうこと? 俺、死ぬの?」
女「冥土の土産に教えてやろう。私は妖怪じゃ。あまりにも強大な力ゆえ、ここに封印されておった。
それをお主がわざわざ解いてくれたのじゃ。その礼と体液をかけた失礼をあわせ、お主を苦しめて殺し、食らってやろう」
男「妖怪!? なにそれ! そんなのいるわけないでしょ!! 都市伝説乙! 見逃してくだしあ;;」
妖怪女「往生際の悪いやつめが」
妖怪女の爪が伸び、男の両肩を刺し、壁に貼り付けにする。
男「ぐああああああああああああ」
男(え、俺死ぬの? 死ぬのか。ああ・・・母さん。俺も今そっちにいくわ・・・)
妖怪女「そうじゃな、まずはお主の目玉を抉り取ってやろうかの」
妖怪女の手が、男の顔に伸びる。
妖怪女「むぅっ!?」
途端に、男の首が光る。
男「これは・・・」
それは男のしていたネックレスだった。
妖怪女「お主、それを一体どこで!?」
男「え、これ? これは俺の家に代々伝わるお守りで・・・」
妖怪女はしばらく考え込んだ顔をした後、男から離れた。
男の肩の痛みがすぐに消える。妖怪女が治療したようだ。
男「なに? 俺助かったの?」
妖怪女「助けたわけではない。その首飾りに私の妖力をほとんど吸い取られたのだ」
男「吸い取った?」
妖怪女「それは退魔具じゃ。そして私と相性が悪かった。
私はお主がその首飾りを通して妖力を供給してくれねば何も出来なくなった」
男「退魔具? 俺の先祖別に寺の人とかでもないのに?」
妖怪女「どうやら私はお前の先祖とも何か因縁があったのかもしれんな」
妖怪女「まあよい。私はもう貴様に逆らうことが出来ん。どうする」
先ほどの強気な態度とはうってかわった態度。
男「そうだなぁ。それじゃあとりあえず俺を家に帰してほしいんだけど・・・」
妖怪女「ほう?」
先ほどの足場まで戻る二人。
妖怪女「なるほどのう。私が封印されたときとは随分地形が変わっておる。
この洞窟もこんな断崖絶壁になっておるとは」
男「どうにか降りられませんかね」
妖怪女「造作はない。その首飾りに念じ、私に妖力を送るがいい」
男「え、どうやんの?」
妖怪女「少し私に力を戻すイメージを持つだけで良い。
全て戻してくれてもかまわんぞ。そうしたら、お主を食らってやるのじゃがな」
男「」ビクッ
男がなんとなく念じてみると、薄緑の光が妖怪女に降り注いだ。
女「うむ、これくらいあれば十分じゃろ」
妖怪女が目を閉じて念じると、男と妖怪女をシャボン玉のような幕が包んだ。
そのまま、ふわふわと二人は麓に降り立った。
男「すげえええ!!! 魔法使いなん?」
妖怪女「妖怪じゃ」
男「妖怪ってこんな魔法みたいなことも出来るんだな! すっげええええ」
妖怪女「ふん。私は妖怪の中でも大きな力を持っておったからな。
それに好きでやっておるわけではない。お主が退魔具で私の妖力を持っているので死なれると困るだけじゃ」
男(ツンデレ?)
サー。
風が二人の頬を撫ぜる。
妖怪女「この山から全く妖気を感じんな。私が封印された頃は、多くの妖怪がいたものだが」
男「妖怪なんて都市伝説だろjk。今の科学世界にはそんなもんいませんよ」
妖怪女「お主の目の前におるじゃろが」
男「確かに。ミステリーだわ」
妖怪女「今は2011年じゃったな」
男「さいですね」
妖怪女「私が封印されたのは1700年くらいじゃった。
実にあれから300年たっておるわけじゃが・・・世の中はどう変わったのじゃ?」
男「ええと、そうですね。科学が発達して便利な物が増えましたよ」
妖怪女「さっきからそのかがくというのはなんじゃ」
男「見たほうが早いんじゃないかなあ。俺の家にきますか?」
妖怪女「不埒なことをする気ではなかろうな」
男「しt・・・しませんよ。それにそろそろお昼ですからね。ご飯食べないと」
妖怪女「私は妖怪じゃ。人しか食わんぞ」
男「え、人食うの」
妖怪女「妖怪とはそういうものじゃ。私も今まで何人食ろうたことか」
男「」ブルブルブル
妖怪女「しかし、もうどこからもほとんど妖気を感じぬ。妖怪が消えたというのは本当なのじゃろ。
安心せい、妖力もほとんど残ってはおらんし、何も人間の迷惑になるようなことはせんよ」
――熊本県、とある町
妖怪女「こ、これは・・・」
男「そんなもの珍しそうに歩かないでくださいよ・・・恥ずかしい」
妖怪女「あれは、あれはなんじゃ!? 何故鉄が動いておる!!」
男「あれは車ですよ。車。早く移動できる乗り物」
妖怪女「ではあれはなんじゃ!? 鳥以外に空を飛ぶものなぞ・・・!」
男「あれは飛行機。人間は空を飛べるようにもなったんですよ」
妖怪女「これは凄いな・・・。なるほど、これでは妖怪は生きられぬわけだ・・・」
男「う~ん、食材買うのも大変そう。俺の家にあるものだけで足りるかなあ」
妖怪女「キョロキョロキョロ」
――男の家
男「カップメンでいいかな」
コンロに火をつける。
妖怪女「なんじゃ! 火がでおったぞ!? まさかお主私の妖力で・・・」
男「そういう機械なんですよ。便利でしょ。あ、テレビでも見ましょうか」
ピッ
妖怪女「な、なんじゃ!! 箱の中に人が!!」
男「テレビですよ。電波をキャッチして映像を受信してるの」
妖怪女「なんとも奇天烈な・・・人間は凄いのう」
テレビ「えーここで次のニュースです。
先ほど熊本県××市で通り魔事件が起きました」
男「うおー、これ隣町じゃん。近いなーこええ」
妖怪女「とおりま?」
男「まあ犯罪ですよ。噛まれたらしいですね。変な犯人だ」
妖怪女「ふーん」
男「ズルルルル」
妖怪女「このカップメンというもの、美味しくないのう。私はもっと肉が食べたいんじゃが」
男「俺は金欠なんです」
妖怪女「ケチじゃの・・・」
男「はー食った食った。で、これからどうすんですか?」
妖怪女「どうすると言われてもな・・・。なんせ300年ぶりに目覚めたのじゃ。
どこかに残っておるかもしれん仲間を探し、山でひっそりと暮らすとするさ。
こんなに人間の力が発達しているのでは、私も適わないかもしれんし、大人しくするさ」
男「でも、妖力は俺が持ってるんですよ?」
妖怪女「むっ・・・何が言いたい」
男「俺と一緒に暮らしませんか?」(フヒヒ、おにゃのこと二人暮らしktkr)
妖怪女「寝ている私の顔に精液をつけた男と共に寝ろというのか」
男「あ、あれは出来心で・・・もうしません」
妖怪女「じーっ」
男「ドキッ」
妖怪女「まあいいじゃろ。妖力がなくとも、人間には負ける気はせんしな。
私に夜這いしようとしたらその一物切り取ってやろう」
男「」ゾクゾクッ
ピンポーン
男「ん? 誰かきたみたいだ」
ガチャ
女「やっほー男。遊びにきたよ」
男「女か。まああがれよ」
女「ういーっす」
男「ハッ・・・」
見詰め合う妖怪女と女。
女「男・・・誰この人」
妖怪女「ん? そういうお主こそたれぞ? 私は男の・・・いまは僕と言ったほうがいいのやもしれぬな」
女「しっ、しもべ・・・!?」
男「あああああ誤解をうむようなことをおおおおおお」
男「女! とりあえず今日は来てもらってすぐ悪いけど帰れ! な!」
目に涙をためる女。
女「もう二度と来ない! あんた最低!! 死ね!!」
バタン!!
・・・・
妖怪女「私は何かまずいことを言ったかの」
男「まずすぎるわ!!!
あーもう、家にいて誰か来たら困るしこの辺ブラブラして誰かに見つかっても嫌だし・・・」
ピコーン
男「そうだ! 隣町に行こう!」
妖怪女「おお、外に出られるのか!」
男「ええ。でも、あんま不用意に発言しないでくださいよ。
あんまりはしゃいでると、俺が不審な目で見られるんですから・・・」
妖怪女「なんじゃ、心が狭いのう」
――駅
男「これは電車といって、移動するための乗り物です」
妖怪女「すごいのう・・・。鉄の塊がこんなに早く動いておるし、人もいっぱいじゃ」
男「文明は発達したんですよ。凄いスピードでね」
ガタンゴトンガタンゴトン
妖怪女「町の風景もすっかり変わったのう・・・。あんな高い建物がいっぱいじゃ・・・」
男「東京に行くともっと凄いですよ」
妖怪女「とうきょう?」
男「日本の首都です。車とビルと人ばっかりらしいですよ」
妖怪女「私の性にはあわんな。妖怪は静かに暮らしたいものなんじゃ」
アナウンス「次は~隣町。隣町~」
男「お、つきましたよ」
妖怪女「先ほどのまちより大きいのう」
男「まあ熊本県じゃ一番大きいですからね」
妖怪女「ふむ。私も結構まちというものに慣れてきたぞ。
あれがくるまで、あるがびる、あれはひこうきで・・・」
男「おお、よく覚えましたね」
妖怪女「あの人間のもっているのがけいたいでんわ、そしてあれは・・・」
男「ん・・・? ああ、アレは電波塔ですよ」
妖怪女「でんぱとう?」
男「俺も詳しいことは知りませんが、電波を受信して飛ばす施設? なのかな?
とにかく高くて、東京には東京タワーとかそういうのがあります」
妖怪女「でんぱとかたわーとかようわからんのう・・・。
しかし、人間は高くて大きいものを作りたがるんじゃな」
男「そうですね。最近ではスカイツリーっていう634メートルの云々かんぬん」
妖怪女「こいつの話はまったくわからんわ」
妖怪女「むっ・・・」
男「あれがこーでこれがこーでペチャクチャ」
妖怪女「おい、男」
男「どうしました?」
妖怪女「さっきから言おうと思っておったんだが、その敬語やめんか。仮にも私の主ぞ」
男「あ、そう? じゃあ・・・どうした、女妖怪」
妖怪女「かすかじゃが・・・妖の気配を感じた。この近くに何かおるぞ」
男「鬼太郎乙。って、え!? 街中に妖怪がいるの?」
妖怪女「うむ・・・。しかし山に妖気が全くなかったというに、街中に妖気があるとは不思議なものよ。
どれ、ちょいと妖気を追ってみんか」
男「そうしたら、お前の仲間に会えるのかもしれないんだよな」
妖怪女「そうじゃな。しかし、妖怪は人といがみ合う生き物・・・襲ってくるかもしれん」
男「えー・・。でも、その割にはお前は俺を襲わないね」
妖怪女「その首飾りさえなければな」
男「おーこわい。まあ、とにかくいってみましょうか」
タッタッタッタ
男「こんな裏路地はいるの?」
女「仕方なかろう。妖気はこちらの方向へ消えておるのじゃ。
しかしなんなんじゃ! びるが多すぎて追跡しにくいぞ!!」
男「んなこと言われても・・・。ってか、こんな裏路地入ったら何がいるかブツブツ」
男「あ」
男たちが路地を抜けると、そこは吹き溜まりになっていた。
そして3人のDQN。
DQN1「お? なんだおめー」
DQN2「ここが俺たちの溜り場だって知ってる?」
DQN3「ちょうどいいや。金置いてけよ」
男「イヤソノアノソノ・・・・すぐ帰りますんで・・・」
DQN1「あぁ!? ここに入ったんだから通行料くらいおいてけよなぁ!?」
DQN2「あんまなめてっと殺すぞテメェ・・・」
男「ブッブヒッ!! やめて!! 」
DQN3「んぁ!? そっちの姉ちゃんはお前の連れか? 中々ベッピンじゃねえか・・・」ジュルリ
妖怪女「なんぞこいつらは。私らは急いでおるのじゃ。邪魔をするでない」
DQN1「急いでおるのじゃ。だっておwwwwいつの時代の人間だよwwww」
妖怪女「宝永じゃ」
DQN2「は?」
妖怪女「じゃから宝永といっておろうが」
DQN3「おいおい・・・宝永っつったら1704年じゃねーか。頭イカれてんじゃねえのか?」
DQN1「さ、さすがはDQN3! 博識だなwwwまあたまには不思議ちゃんを犯すのも楽しいんじゃね?ww」
DQN2「だなだなwww」
妖怪女「何じゃこいつらは。おい、男。行くぞ」
男「いやそのあのその・・・・」
DQN1「じゃあ俺はこの男シメるからwwwお前ら女ヨロシコwwww」
DQN23「ういういーwww」
妖怪女「男よ、こいつらは・・・」
男「うう・・・DQNだよ。不良だよ。俺たちボコボコにされちゃうよ・・・」
DQN1「っるせーんだよ!!」
ドゴォ!
男「いてええええええ」
DQN1「へっ、弱ええwwww死ねやwww」
ガッシボカッ!
デュクシ!
男は顔面ぐちゃぐちゃ。
男「わかったわかった!! 金なら出すよ! だから女妖怪には手を出さないでくれええええ!!!」
DQN1「だーめww」
DQN1が更に男を殴ろうと振りかぶったその右手は、何かにつかまれる。
振り返ると、女妖怪がその腕をがっちりつかんでいた。
DQN1「え・・・?」
ゴキリ。
鈍い音がして、DQN1の腕が妙な方向に折れ曲がる。
DQN1「ぐあああああああああああ!!!!!!!!!!」
女妖怪「脆いのぉ・・・。それに全然反応もできんとは。昼寝していても勝ててしまうわ」フワァ
男「女・・・妖怪?」
見れば、DQN2も3も地に伏せっていた。
・・・しかも、血だまりの中に。
女妖怪「運動にもなりゃせんわ。ここなら人目につかんし、食ってもええかえ?」
男「だ、駄目だ食うのは! ってか、殺しちゃったの?」
女妖怪「殺してはおらんよ。まあ、もう普通の生活は送れぬだろうがな」ケタケタ
男「」ゾクゾクッ
男(なんだよこいつ妖力なしでも強すぎじゃねえかうわいつか俺殺されるのかやばいやばいやばい)
女妖怪「まあ良い。さっさとゆくぞ。追っている妖気が薄いから、道草食ってると消えてしまう」
男「ま、まってくれよ!!」
それからいくつも路地を抜けると、古いお屋敷に着いた。
ビル群の中には似合わないむき出しの木造建築物で、あちこちの木が腐っている。
男「路地裏にこんな建物があるとは・・・」
女妖怪「この中じゃな。入ってみるぞ」
男「大丈夫なの? なんか凄い物々しいけど・・・
それに人住んでるかもしれないよ? 法律で不法侵入が云々」
女妖怪「心配ないじゃろ。人間の気配は感じぬ。
まあお主はわしにいつでも妖力を供給できるようにしておけよ」
男「うん・・・」
女妖怪が屋敷のドアを開き、中に入る。
誇りっぽいにおいが舞い、男は咳き込んだ。
女妖怪「おい。誰かおるのか」
返事はない。屋敷の中は電気もなく、真っ暗だった。
静寂が続く。
女妖怪「奥へ行くぞ」
男「まじか・・・」
玄関から大広間を抜ける。
たくさんのドアに目もくれず、女妖怪はそのうちの一つを開き、どんどん進んでいく。
男は携帯カンテラを手に持ち、その後をびくびくしながら進んでいった。
男「前見えるの?」
女妖怪「私は鳥ではないぞ。それに、気配だけあれば十分じゃ」
男「へえ・・・」
しばし、静寂。
女妖怪「なあ」
男「はい?」
女妖怪「お主、私が怖いか」
振り返らず、どんどん足を進めながら問いかける女妖怪。
男「そりゃあね・・・妖力なしでもあんなに強いし。
暗闇でもすいすい進んでいけるし、すげえけどちょっと怖いわ」
女妖怪「そうじゃな・・・。すまぬ、今のは忘れてくれ」
男「ん・・・?」
やがて足を進めると、地下にたどり着いた。
階段からは一本の通路が伸びており、先は見えない。
女妖怪「ここに下りてから妖気が一段と強くなりおったな。
男よ、私に妖気を戻せ」
男「ど、どのくらい?」
女妖怪「全てじゃ」
男「え、全部!? それはちょっと・・・」
女妖怪「安心せい。お主の意思でいつでも私の妖力は首飾りに戻せる」
男「そうなの? っていうかそんな事わざわざ教えてくれるんだ」
女妖怪「仮にも私の主じゃからな」
男「仮なのね・・・」
女妖怪「私の言うことが信じられんか?」
男「いや・・・それは・・・。ってか、戻った瞬間俺殺したりしない? 大丈夫?」
女妖怪「ごちゃごちゃうるさい奴じゃ! そんなに不安なら4分の1程度でいいわ!!
男「そうしとく・・・」
ホワァァァ。
女妖怪「うーむ。まあ、この時世に私の半分にも及ぶものもおらんだろうし、問題ないじゃろ。よし、行くぞ」
男「うん・・・」
男(ひょっとして俺、とんでもないものを復活させてしまったんじゃ。
これって下手したら人類滅亡の危機だよね・・・あーどうしよどうしよこれから先)
タッタッタ。
足を進めると、やがて一つのドアがあった。
女妖怪は躊躇せずにそのドアに手を伸ばし、開く。
その向こうは電気のついた明るい部屋になっていた。
やはり腐った木がむき出しの部屋で、家具などはほとんどない。
ただ椅子が一つおいてあり、その上に猫がいた。
その尻尾は、二本。
男「普通の猫じゃない・・・」
空気がぴりぴりと張り詰めるのが、男にも分かった。
女妖怪「猫又か」
猫又とよばれた猫が女妖怪に近づいていく。
男「何が始まるんです?」
男が目を話した瞬間、猫又が人に化けていた。
その姿は、そこらへんにいそうな大学生みたいだった。
ちなみに女妖怪は着物きた長髪クーデレみたいな感じ。
猫又「あなたは・・・」
女妖怪「ほう、私を知っているのか。
どこかで会ったことがあったかの?」
猫又「会ったも何も・・・あなた、確か300年前に封印された女妖怪様じゃないですか・・・」
女妖怪「んん? 封印される前の私を知っておるのか?
今日目覚めたんじゃが記憶がおぼろげでの」
猫又「私はあなたの僕・・・っていうか、ここら一体にいた妖怪はみんな貴女の僕だったじゃないですか」
男「女妖怪ってそんなに凄かったんだ・・・」
猫又「ムッ・・・ところで女妖怪様、こやつは一体・・・」
女妖怪「ああ、私の主(仮)じゃ」
猫又「冗談ですよね・・・? 人間が主・・・!?」
女妖怪「冗談ではない。私の力を奴の持つ退魔具に吸い取られた」
猫又「女妖怪様ほどの力を吸う退魔具!? そんなものが、まだこの世の中にあったとは・・・」
男(そんなにすげえんだ、この首飾り・・・。確かに先祖代々のものだったけどさ)
猫又が男の体をじろじろ見る。
男「な、なんすか?」
猫又「ふむ・・・。信じがたいが、お前が女妖怪様の主だというなら、私も貴様の僕となろう」
男「え」
猫又「ただし。私が従うのは貴様でなく女妖怪様だ。覚えておけ」
女妖怪「良いのか、猫又」
猫又「妖怪とはそういうものでしょう」
女妖怪「ふむ・・・。ならばよい。
ところで猫又よ、お主はこの300年ずっと生きて過ごしたのだな」
猫又「ええ。ずっと生きておりましたよ」
女妖怪「私が封印されてからのことを詳しく聞かせろ」
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