私的良スレ書庫
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元スレ男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
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男「単刀直入に聞く」
男「どこまで気づいてる?」
友「・・・・・・・・」
友「あの二人が妖怪だということには気づいている。それも、かなりの力を持っている」
友「そして、お前からも強い妖力を感じる。まあ、お前というよりはそのネックレスからだが」
男「友、お前の家は寺だったよな」
友「ああ。寺だ。もちろん退魔もする。俺も今までしてきた」
男「退魔・・・妖怪を払うのか」
友「いや。殺す」
男「・・・・・・あ?」
友「殺すんだ。妖怪は人間を襲い、食う。それが本能だ」
男「女妖怪と猫又も殺すつもり・・・か?」
友「・・・わからん。猫又はともかく、女妖怪は人間に対して砕けている」
男「そういえば、最近尾行してたんだったな」
友「殺すべきかどうか、見極めるためだ」
――ミス研部室
男は、全てを話した。
登山中に棺おけに入った女妖怪を見つけたこと、猫又と会ったこと。
付喪神に襲われたこと、人間と共存しようとしていること、友が女妖怪を封印した退魔師の子孫だということ。
女「それ、マジ・・・?」
男「嘘じゃない」
女「ほ、本当に大丈夫なの? 私たち殺されない?」
女妖怪「・・・そういえばお主にはスイカといわれたな」ケタケタ
女「」フルフル
女妖怪「安心せい。殺しはせん。人間に復讐するなら、とっくにしとる・・・」
猫又「そうだぞ人間。女妖怪様に失礼な」
女妖怪「よさんか、猫又」
友「女妖怪」
女妖怪「なんじゃ」
友「俺はここ数日お前たちを見ていたが・・・どうにも悪くは思えない。
人間と親しく接するだけでなく、付喪神の件の後、人間に復讐しようとする憑依妖怪をなぎ倒していた・・・」
猫又「あの時もつけてやがったか!!」
友「俺は妖怪を悪と思うように育てられた。妖怪は絶対的な悪で、人間の敵」
友「だから俺は、妖怪を殺すために修行を積んだ。実際、昔から生き残っていた妖怪を何匹か殺した」
友「俺が殺した妖怪は全部、人間に復讐をしようとしていた。それを見て、俺は寺の教えが正しいと思っていた」
友「だが・・・お前は何だ。書物で読むお前は、人間を一番憎んでいた妖怪だと聞いた。それがなんなんだ、お前は・・・」
女妖怪「書物? 私は書物に載っておるのか」
友「お前は俺の祖先が戦った中で一番強力だったという妖怪だ」
友「しかも殺したのではなく、封印した・・・。封印が解けた際のために、語り継がれてきたんだ」
友「女妖怪・・・お前はソウヒメだろ?」
女妖怪「その名で呼ばれるのは・・・実に300年ぶりじゃな」ケタケタ
猫又「ソウヒメ・・・それが女妖怪様の真名ですか」
女「まな? どういうこと? 女妖怪さんは女妖怪さんじゃないの?」
女妖怪「妖怪にとって、真の名を知られることは色々と都合が悪いのじゃ。名というものは、それ自体が自身を縛るモノ」
女妖怪「猫又というのも種族名じゃ。猫又もまた、何か真名をもっておろう」
猫又「ええ」
男「じゃあ、猫又は猫又だけど猫又じゃない・・・?」
女妖怪「まあ、深く考えなくてよい」
女妖怪「友よ」
友「なんだ?」
女妖怪「私の記憶はおぼろげじゃ・・・。お主の知るソウヒメのことを教えろ」
友「・・・お前が何故今人間と親しくしようとしてるかは知らんが・・・・覚えてないなら聞いても気持ちのいいことじゃないぞ」
女妖怪「構わん。聞かせろ」
友「わかった。俺の知ってることでよければ」
ソウヒメ。爪姫。爪を操る妖怪。
だが、いつしか強大な妖力を身に付け、様々な妖術を扱うようになる。
誰よりも人間を憎み、九州地方の妖怪を掌握していた。
今までに殺した人間は数知れず、多くの退魔師が挑んだが返り討ちにされた。
いつしか「爪」姫は「葬」姫と異名をとるようになった。
しかしある時、強大な力を持つ退魔師が本州から九州に渡り、葬姫の力を押さえ込む。
その力は互角であったが、葬姫を山に追いやり、大人しくさせることに成功した。
ある年、大飢饉が起こる。
食料が消え、飢えた妖怪が人里へ姿を現した。
その折、もちろん葬姫も現れた。
葬姫の強大な力の下、多くの人間が犠牲になった。
やがて現れた一人の退魔師により、葬姫は辛くも山奥に封印されることとなる。
以降、葬姫を封印した退魔師はその地に留まり、妖怪を駆逐していった。
いつかまた葬姫の封印が解かれる時、また人と妖の戦いが起こるであろう。
友「これが俺の知っているソウヒメだ」
女妖怪「なるほど・・・そのように語り継がれておるのか」ケタケタ
男「俺は実はとんでもないものを復活させていたんだな・・・」ブルブル
女「ちょっと、マジで大丈夫なのこれ・・・」
猫又「なんだお前らは!! せっかく女妖怪様が人間と歩み寄ろうとしているというのに・・・!!」
女妖怪「よい。恐れられるのは慣れておる」
男「・・・でも」
男「今の女妖怪が人間と歩み寄ろうとしてるのも事実だ・・・」
女「うん・・・」
友「ああ。俺も、女妖怪なら人間と妖怪をつなぐ架け橋になれると思う」
友「その上で、聞いて欲しいことがある」
女妖怪「・・・なんじゃ? 神妙な顔をしおって」
友「俺は本州や四国の寺とも連絡を取り合っているんだが・・・」
友「三日前か。女妖怪が目覚めてから、間もない頃、本州の寺から連絡があった」
友「目に見えるほどの妖気があふれ出し始めたと」
猫又「・・・・なっ!? 生き残りの妖怪がそんなにいたのか!!」
友「ソウヒメは九州にいながら、本州の妖怪にも恐れられる存在だ。
おそらく、ソウヒメの復活にあわせて、一気に人間を駆逐しようとしているんだろう」
女妖怪「本州にいながら私の復活に気づくとは・・・。相当強い妖怪が生き残っているんじゃな」
男「ちょ、おい・・・・! せっかく女妖怪が人間と和解しようってのにそりゃないだろ!!」
女「そうだよ!! そんなのって・・・」
友「普通妖怪は人間を憎むもんだ。仕方ないことだ。俺も2日後、親父と東京に経つ予定さ」
猫又「狙いは東京・・・。なるほど、首都を襲撃して、日本を一気に牛耳ろうと」
女妖怪「なるほど、私が協力することを前提に動いているようじゃが・・・。それは見過ごせんの」
友「どうする、女妖怪。あなたほどの力の持ち主が俺たちと共に戦ってくれるなら、これほど心強いことはない・・・」
女妖怪「無論。私も東京へ行こう」
男「女妖怪・・・」
女妖怪「男、お前にも来てもらうぞ。お前は私の主じゃからな」
男「え、俺・・・? でも、俺が行っても足手まといに」
女妖怪「・・・・良いのじゃ。・・・お前に来てもらわねばならぬ理由がある」
男「女妖怪・・・?」
猫又「私も行きますよ」
女妖怪「猫又。良いのか? 全ての妖怪を裏切ることになるぞ」
猫又「まあ、正直共存をしようとしたら、いつかは妖怪たちとぶつかり合うことになるとは思ってました。覚悟の上です」
女妖怪「・・・良い部下をもったの」ケタケタ
女「みんながいくなら、私も・・・」
男「いや、女。お前はここに残れ」
女「え・・・でも・・・」
男「俺は妖怪の力を見たことがある。凄まじかった。巻き込まれたらただじゃすまない」
男「お前を、危険な目にはあわせたくない」
女「ドキッ」
女「わかった・・・。でも、絶対帰ってきてね。約束だよ・・・」
男「絶対帰ってくる。約束するさ」
友「チッ」
友「俺は親父や東京の連中に女妖怪の事を伝える。少し時間はかかるかもしれんが・・・」
女妖怪「そんな簡単に信じてくれるかの」ケタケタ
友「どうにかしてみせるさ。俺はお前を、信頼してるからな」
友「出発は2日後の朝の予定だ。正直、いつ妖怪が現れるかわからないが・・・それまでに、準備をしていてくれ」
それから、そのまま家に帰った。
岐路の途中、男も女妖怪も猫又も何もしゃべらなかった。
そして、その日の夜。
女妖怪「男よ」
男「・・・なんだ?」
女妖怪「お前に見せておかねばならんものがある」
男「?」
女妖怪「私が・・・人間を憎まなくなった原因じゃ」
男「!!!」
女妖怪「私に妖力を全て戻せ」
男「え・・・」
女妖怪「信用できんか?」
男「いや。そんなことはないよ」
ホワァ
女妖怪「知らないほうが良かったと・・・後悔しておらんか?」
男「してないさ」
女妖怪「本当か?」
男「本当だって。言ったろ、俺はミステリーが好きなの」
男「そりゃあ、スケールの大きすぎる事に巻き込まれてるとは思ったけど・・・」
男「女妖怪と過ごした日々は」
男「・・・楽しかったからな。今も楽しい」
女妖怪「楽しい・・・か。不思議な人間もいるものじゃ」ケタケタ
男「不思議でもなんでもねえよ」
女妖怪「うむ・・・。では、今からお主だけに見せて進ぜよう」
女妖怪「300年前・・・私の体験したことを」
――3、了
4
300年前。小さな村。
その裏に、大きな山があった。
「・・・」
人影が、一つ。その山を登っていく。
「待て、そこを行く者よ」
声が、人影を呼び止める。
女妖怪であった。
女妖怪「ククク・・・獲物が自ら山に来るとはの。食っていいのじゃな?」
「よくない」
女妖怪「貴様の答えなぞきいとらんわ!!!」
カン、と乾いた音がした。
女妖怪「・・・!!!」
女妖怪の爪が、その人の杖に防がれていた。
杖の持ち主は、男性の老人であった。
300年前。小さな村。
その裏に、大きな山があった。
「・・・」
人影が、一つ。その山を登っていく。
「待て、そこを行く者よ」
声が、人影を呼び止める。
女妖怪であった。
女妖怪「ククク・・・獲物が自ら山に来るとはの。食っていいのじゃな?」
「よくない」
女妖怪「貴様の答えなぞきいとらんわ!!!」
カン、と乾いた音がした。
女妖怪「・・・!!!」
女妖怪の爪が、その人の杖に防がれていた。
杖の持ち主は、男性の老人であった。
女妖怪「なんじゃと・・・! 何故お主の様な老いぼれが私の攻撃を防げる!!」
老人「なんでだと思いますか」
女妖怪「小癪な!!」
それから女妖怪は様々な攻撃を仕掛けたが、全て防がれた。
当時最強といわれていた女妖怪には、屈辱であり、恐怖であった。
女妖怪「何者だお主・・・。私の攻撃を防ぐなど、強すぎる・・・!!」
老人「ただの旅人ですよ」
女妖怪「そんなわけがあるか・・!! そうか、私を退治しに来たのだな!?」
老人「いや」
老人は、顔を女妖怪に近づける。
女妖怪「な、なんじゃ」
老人「今日は、あなたと話をしにきたんです」
女妖怪「話・・・じゃと?」
老人「あ、そのまえに」
老人は女妖怪が首に下げていた首飾りをいつの間にか外すと、それを女妖怪の額につけた。
女妖怪「な、何をする!!」
老人「あなたの力を吸い取らせていただきます」
次の瞬間、緑色の光が首飾りを包んだかと思うと、女妖怪はその場に力なくうなだれた。
女妖怪「な・・・何を・・・」
老人「ですから。あなたの妖力を吸い取らせていただきました」
女妖怪「そんな奇天烈な・・・。お主、何者じゃ・・・」
老人「そうですね・・・。まあ、老人と名乗っておきましょう」
女妖怪「ぐうう・・・目的は何だ!!!」
老人「ですから」ズイッ
老人「お話をしに来たんですよ」ニコッ
女妖怪(なんなんじゃ・・・コイツは・・・)ゾクゾクッ
保守ありがとう
意外と人がいて驚いた
長くとも2時までには完結させます
もう20分ほど保守お願いします
意外と人がいて驚いた
長くとも2時までには完結させます
もう20分ほど保守お願いします
同一IDの人がVIPにいる&日付をまたぎそうなので、一回だけ鳥をつけます
ご了承を
ご了承を
女妖怪「話とは何じゃ・・・」
老人「別に難しい事じゃありません」
老人「他愛もないお喋りをしましょう」ニコッ
女妖怪「おのれ・・・人間風情が舐めおって・・・!!」
老人「おっと! あなたにはもう、妖力はありませんよww」
女妖怪「クソが・・・!!!」
空を見上げる老人。
老人「いい天気ですね」
女妖怪「・・・・・・」
老人「それに風も気持ちいい。ここは、良い所ですね」
女妖怪「・・・・」
老人「何とか答えてくれませんかね」
女妖怪「・・・・・けっ」
老人「では話を変えましょう」
老人「あなた方妖怪は何故、人を食らうのでしょう」
女妖怪「愚問だな。本能だからじゃ」
老人「本能・・・ですか」
女妖怪「そうだ。記憶にそう刻まれておる」
女妖怪「そして貴様ら人間は、我々の居場所を追いやっていく。紛れもなく、憎むべき相手じゃ」
老人「それは、悲しい事ですねぇ・・・」
女妖怪「はぁ? 悲しいじゃと?」
老人「人と妖と、手を取り合う事は出来ないものでしょうか・・・」
女妖怪「ハッハッハ!!! 笑止!! そんなことは無理じゃな!!!」
老人「・・・なぜです?」
女妖怪「妖怪を憎まぬ人間、人間を憎まぬ妖怪・・・どちらも、おったとしても豆粒ほどじゃろう!!」
老人「そうでしょうか」
女妖怪「少なくとも、この山には人間と共存しようという妖怪なぞおらんな」
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