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元スレ男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
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意識が完全に消える間際、女妖怪はその唇に何か暖かいものを感じた。
―――
――
―
男「・・・今のは?」
女妖怪「私の記憶じゃ」
女妖怪「意識を失い・・・気がつくと、私はあの棺の中におった」
女妖怪「目覚めた私は記憶がおぼろげで・・・・。でも、大切な何かを忘れているような気がして」
女妖怪「すぐ横にいたお主に、時間を尋ねた」
男「2011年9月6日・・・・俺とお前が出会った日、か」
女妖怪「驚いたよ。まる300年も眠っておったとはな」
女妖怪「それから妖怪の本能でお主を襲ってしまったが・・・あの首飾りを見て、大体を思い出した」
男「そういえば・・・この首飾りを持ってるってことは、俺の先祖ってもしかして・・・」
女妖怪「老人かもしれんな・・・。じゃがわからん。あやつが子を残していたとは考えにくい」
女妖怪「お主はもしかすると、勘違いしておるかもしれんが」
男「ん?」
女妖怪「お主に会った時、首飾りに妖力を吸い取られたが・・・・あれは、実際は私が自分で戻したんじゃ」
男「え、何それ。じゃああの光ってたのは自演乙ってこと?」
女妖怪「いや、首飾りが反応したのは偶然じゃ」
女妖怪「その時どうしてか・・・私は老人の妖力移動の術を使う事が出来た」
女妖怪「何故かは分からぬが・・・・本能がそうしろと語りかけてきたような気がしたんじゃ」
女妖怪「もしかしたら、封印の間に蓄えたこの妖力で、また人間を殺してしまう事を恐れておったのかもしれん・・・」
男「女妖怪・・・・」
女妖怪「じゃが、もう制御する必要もなかろう。記憶はハッキリしておる」
女妖怪「その首飾りは、一応東京に持って行け。いざという時、何かの役に立つかもしれん」
男「そうだね。それに・・・何で俺の手にあるかは分からないけど老人さんの遺品だもんね」
男「・・・・っていうか、元々お前のものだろ? 返すよ」
女妖怪「いや、良い。お主がもっておれ」
男「・・・・・わかった」
男「あ、あとひとつ気になったんだけど」
女妖怪「なんじゃ?」
男「友の話ではお前は封印された事になってた。でも、老人さんはお前の姿で死ぬと言ってた」
女妖怪「・・・・・・む!」
男「猫又とか付喪神が、お前の封印を知ってるなら合点は行くけど・・・」
男「人間サイドの伝承でもお前が封印された事になってるのって、なんか変じゃね?」
女妖怪「確かに・・・。いや、もしかしたらただ失敗しただけかも知らんが・・・」
男「でも、もし封印されてるなら。老人さんは生きてるんじゃ?」
女妖怪「・・・・・・まさか。そんなうまい話があるわけなかろうに」
男「いや、仮定の話だけどさ・・・可能性は捨てきれないでしょ?」
女妖怪「・・・・よせ」
女妖怪「期待しすぎると、後での喪失感が大きい」
男「・・・・すまん」
女妖怪「良い。それより今日は寝るぞ。2日後に備えて体を休めねばいかん」
男「そうだな。しっかし、300年前に老人さんが関東の妖怪は駆逐されたって言ってたけど、実際は結構残ってたんだね」
女妖怪「この300年に、私の山におった妖怪がひっそりと力をつけ、各地を転々としたんじゃろ」
女妖怪「人間を憎み、殺し、食う事は、妖怪の本能じゃ」
女妖怪「じゃが・・・私は、そうは思わん」
女妖怪「私も・・・はぁふじゃったが、老人とわかりあうことは出来た」
女妖怪「話す機会もなく、頭ごなしに本能だからと決め付けて人間を襲うていたのは・・・間違いじゃったと最近は思っておる」
女妖怪「私は老人の遺志を継ぐ。今はただ、それだけじゃな」
男「・・・・・女妖怪」
女妖怪「なんじゃ?
男「俺に出来る事があったら、何でも言ってくれな」
女妖怪「・・・・フフ」
女妖怪「頼もしい限りじゃな・・・男」
――4、了
次の5で終わります。
あと3~4時間で終えたいです。
休憩します。
あと3~4時間で終えたいです。
休憩します。
余談ですが>>51の猫又の情報は、老人の嘘と人間の伝承がごっちゃになっています。
女が封印されたあとすぐに山を下りたので、猫又は本当のことを何も知りません。
女が封印されたあとすぐに山を下りたので、猫又は本当のことを何も知りません。
5
女妖怪の記憶を見た翌日。
テレビのニュースには、異様な光景が映されていた。
ニュース「たった今入ったニュースです!!
各地の電波等、アンテナなどを黒い物体が取り巻いています!!
専門家はこれについt」
そこで、テレビの画面が切れた。
男「なんぞ・・・これ・・・」
女妖怪「妖術じゃな。しかし、各地のでんぱたわぁやあんてなを制圧するなぞ、どれだけの妖怪がおるのじゃ・・・」
猫又「通信するものを全て遮断したってわけか。こりゃあまずいね、東京陥落は時間の問題だ」
プルルル
男「もしもし」
友「男! 事態が悪いほうに転がった!! 電車はもう全部止まってる。ヘリで東京に行くぞ!!」
男「ヘリだぁ!?誰が運転するんだよ!?」
友「俺の親父が運転できる!! この先何か障害を与えられるかもしれん!! 今すぐ俺の寺に来い!」
―――ヘリの中
友「親父、大丈夫そうか?」
親父「問題ない。妨害される前には到着してやるさ」
男「ありがとうございます、わざわざ」
親父「いや・・・礼には及ばんよ。それより」
親父「近くにいると物凄い妖気だな。お主がソウヒメ・・・」
女妖怪「いかにも」
親父「人間と共存とは、本気か?」
女妖怪「私に二言はない」
親父「うむ・・・。今の時代ならできるやもしれんな」
親父「しかし。東京が妖怪に制圧されたとあっては、どうにもならんだろう」
親父「なるべく早急に、終わらせるとしよう」
女妖怪「心得ておる。なに、心配する事はないぞ」
女妖怪「必ずや、東京を救って見せよう」ケタケタ
―――東京、上空
男「雲が真っ黒だ・・・」
女妖怪「・・・非常に強力な妖気を感じる。相手、只者ではないぞ」
友「親父、降りられるか?」
親父「問題ない。東京には何回もきてるからな」
猫又「友の親父は凄い人だな・・・」
―――東京、陸地
親父「どうにか着陸できたか・・・」
友「でもよ・・・通信機器が全部遮断されてんだ。状況が全然分からんぞ・・・」
女妖怪「うむ。やつらはどうにもでんぱとうを遮断したがっておるようじゃな」
女妖怪「じゃがおそらく、それは陽動と通信妨害をかねておるのじゃろ」
女妖怪「何か、真の狙いがあるはずじゃ」
男「わかるのか、女妖怪」
女妖怪「隠しきれない強烈な妖気が、漂っておるのじゃ・・・」
女妖怪「友、親父。お主らはでんぱとうに巣食う妖怪たちを倒すんじゃ」
友「女妖怪、お前は?」
女妖怪「私は・・・。うむ、どうやらこの強大な妖気は、私がケリをつけなければならんようじゃからな」
親父「・・・お前たちだけで大丈夫なのか」
女妖怪「何を心配しておるか」
女妖怪「私は九州最強の妖怪・・・・・・葬姫ぞ」ゾクゾク
女妖怪「男、猫又!! いざ行くぞ!!」
男「おう!!」
猫又「合点!!」
タッタッタ・・・
友「親父・・・。あんな妖怪も、いるんだな」
親父「そうだな。妖怪と人間が手を取り合う・・・そんな未来を考えるのも、本当に悪くないかもしれん」
タッタッタ
猫又「・・・・・・」
男「どうした、猫又。さっきからボーっとして」
猫又「この妖気・・・。心なしか、女妖怪さまのものに似ている」
女妖怪「・・・・・・・」
男「・・・・・!!」
猫又「女妖怪様・・・・」
女妖怪「後でお主にも説明する。黙ってついて参れ!!」
猫又「!! 了解です、女妖怪様!!」
やがて3人がたどり着いたのは、東京の郊外に佇むビップ山であった。
そのビップ山に、真っ黒な巨人がいた。
猫又「なんだあれは・・・ダイダラボッチ・・・ではないな・・・」
女妖怪「あれは・・・巨大な妖気の塊じゃ・・・。激しい憎悪を感じるぞ・・・」
黒い巨人の周りを、囲むように、戦車やヘリが飛んでいる。
やがて発射される銃弾、爆撃。
しかし、それは黒い巨人に何の効果も示していなかった。
やがて黒い巨人の腕が伸び、一つのヘリを粉々にした。
男「!!! あれ、まずいだろ・・・!!」
女妖怪「チッ!! おい猫又、お主はあの人間どもをここから遠ざけさせろ!」
猫又「え、女妖怪様!?」
女妖怪「あのままでは全員死ぬのがオチじゃ!! 殺さなければ手段は問わぬ!! やってくれるな、猫又!!」
猫又「!!! ・・・もちろんです、女妖怪・・・いえ、葬姫様!!!」
タッタッタ
男「女妖怪、俺たちは!?」
女妖怪「私らはあの巨人をどうにかしにいくぞ!! はやくせんと、東京を踏み潰してしまうわ!!」
駆け出す女妖怪。
男も、それを追う。
―――山のふもと
女妖怪「猫又が上手くやってくれたようじゃな・・・! 人間がほとんどおらん!!」
男「しかし近くで見ると・・・でけえ」
巨人はすぐ目前にいた。
その体長は、標高500メートルほどもあるビップ山に匹敵する。
巨人と女妖怪の、目があった。
女妖怪「私らはあの巨人をどうにかしにいくぞ!! はやくせんと、東京を踏み潰してしまうわ!!」
駆け出す女妖怪。
男も、それを追う。
―――山のふもと
女妖怪「猫又が上手くやってくれたようじゃな・・・! 人間がほとんどおらん!!」
男「しかし近くで見ると・・・でけえ」
巨人はすぐ目前にいた。
その体長は、標高500メートルほどもあるビップ山に匹敵する。
巨人と女妖怪の、目があった。
女妖怪「この妖気は覚えておるぞ・・・!! 鬼、貴様じゃな!?」
女妖怪の言葉に呼応するかのように、巨人の黒い体の中から、何かが姿を現す。
慎重は、黒い巨人の足の指にも満たない。女妖怪と同等ほど。
その容姿は、一昔前の世代にいたような、着物を着た男だった。
ガッチリした筋肉が、衣服の間からのぞく。
鬼「女妖怪様・・・久しいですね」クク
女妖怪「貴様、老人をどうした」ギリギリ
鬼「食いました」ニコ
女妖怪「貴様・・・・貴様・・・!!!」
鬼「フハハハハ。知らないと思ってましたか、アンタが人間に現を抜かしてる事」
鬼「気に食わなかったんだよ、俺は!!」
鬼「老人がアンタを封印した後・・・。アイツはアンタに化けて俺たちに告げた」
鬼「私が退魔師に封印される事により、山の妖怪どもを逃すと」
鬼「俺はもちろん反対した。そして、老人と共に人里に攻め込む事になった」
女妖怪「・・・・・」
鬼「人里に降り、手当たり次第に家を燃やした」
鬼「女、子供・・・。誰彼構わず殺し、食らった」
鬼「老人は食いはしなかったものの、人間を殺しまくっていた・・・あの覇気は、まるで本物のアンタのようだった」クック
女妖怪「・・・・・」
鬼の目を見つめたまま、女妖怪は何も言わない
鬼「やがて、退魔師が現れた」
鬼「一目見て、強いと分かった。ここにいる妖怪が全て束になっても、勝つことは出来ないと悟った」
鬼「老人は退魔師にその身をゆだね、殺されようとした」
男「死ななかった・・・のか」
鬼「そうだとも! 早計な人間は、女妖怪の妖力を吸い、さらに自分の強力な妖力をも併せ持った老人に端から適わないと踏んだのだ!!」
鬼「そして哀れにも、人間どもは殺されようとしていた老人を殺さず、封印してしまったのだ!!」
鬼「俺は逃げた。他の妖怪どもは皆戦って死んだが、俺はおめおめと逃げた」
鬼「そして、老人が封印されるところを目撃した。封印された場所はアンタのいた山ではなく・・・ここ、ビップ山であった」
鬼「その当時、東京に強力な退魔師が多くいたかたらであろう」
鬼「アンタの姿をした老人の妖力は本当に強く・・・俺のような中位妖怪では、触れる事すら出来なかった」
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