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    元スレ女妖怪「わ、私を呼び出した代償が“童貞”だと・・・!?」

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    みんなの評価 : ★★★
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    301 = 7 :

    それは小さなお墓であった。
    駅からは少し遠く、まるで都会の喧騒から隠れるようにしてそれはあった。

    仮面妖怪「ああ、ここは……」

    仮面妖怪「あの方の、お庭です……」

    妖怪「あの方?」

    仮面妖怪「あの方――この家の娘は、私のことをとてもとても可愛がってくださった」

    仮面妖怪「共に遊び、大人になっても大層大事にしていただいた」

    仮面妖怪「いつまでもいつまでも丁寧に私たちを扱ってくださっていたが」

    仮面妖怪「最期はこの場所で家とともに燃え、朽ちてしまわれた」

    ひゅう、と夜風が妖怪の長い髪を流した。

    302 = 7 :

    仮面妖怪「妖怪になりかけていた私に最後まで気づきはしなかったけれど」

    仮面妖怪「どこかで分かっていたのじゃろうな」

    仮面妖怪「手鞠にこの紙を貼り付けて、私を遠くへ投げ捨てた」

    仮面妖怪「その鞠は流れるようにして世を巡り」

    仮面妖怪「いつしか妖怪なった」

    仮面妖怪「……墓にこれて、よかった」

    仮面妖怪「また、遊びましょうか」

    もう一度風が吹くと、そこには妖怪などおらず。
    とん、と墓の前に手鞠が転がったのだった。

    304 :

    いいぞいいぞ

    305 = 250 :

    あれだな、徹夜で涙腺が脆くなってる的なあれだな


    ………泣いた(;_;)

    306 = 7 :

    「ただいま」

    妖怪「ただいま」

    「一緒に帰ってくるの、初めてだな」

    妖怪「うむ」

    「……あの妖怪、どうなったんだ」

    妖怪「元に戻ったよ」

    「……そうか」

    妖怪「もうよみがえることもあるまい。目的をはたしたのならば」

    妖怪「最期の目的が人間とは、珍しいものよ」

    「やさしい妖怪だったな」

    妖怪「妖怪もまた、千差万別よな」

    307 :

    今から吉野家来る奴、少々牛丼がしょっぱいかもしれないが気にするなよ

    308 :

    で、なんで鞠が仮面してんの

    311 :

    良い話援

    312 = 250 :

    >>309
    不快な思いをさせてすみません
    最後のお疲れ様コメだけする事にする。

    313 = 7 :

    妖怪「妖怪はな、自身の思い描く姿そのままに形をあらわす」

    「ん?」

    妖怪「矮小だと自覚しているものは小さくなったり」

    妖怪「人と混ざりたければ、人と同じ服装を真似てみたり」

    妖怪「たとえば自身が分からないのであれば仮面をつけてみたり」

    妖怪「あの妖怪はきっと、遠くにいるときからずっと」

    妖怪「あの紙を見ながら、分からない、分からないといっていたのじゃろうな」

    「やっぱり、手伝ってよかったよ」

    妖怪「そういう場合もある、というだけじゃ」

    「そっか」

    妖怪「飯にするかー」

    「おう」

    314 = 91 :

    これはいいな

    315 = 7 :

    ――それから数日後

    「あ、あの、男さん」

    「はい?」

    「秋葉原とか、詳しいですか?」

    「え……、まあ、多少」

    「こんどその、秋葉原のメイド喫茶とかいってみませんか……!」

    「……は?」

    「あの、すごく興味あるんですけど、行ったことなくて……」

    「あ、デデデデートに誘いたかったとかそういうのじゃなくて!!!」

    「だ、だめでしょうか……?」

    「んー……、まあ、いいけど」

    316 :

    おのれリア充
    今回ばかりはもっとやることを許してやる

    317 = 7 :

    ――仕事帰りの秋葉原

    「わ、はじめておりました!」

    「あ、そ、そうなんですか」

    「男さんのいうところならどこでもいいです!」

    「まあ無難なところにします」

    (やっぱこないほうがよかったかなあ)

    「一度みてみたかったんですよねーメイド喫茶!」

    「う、うん」

    (このはしゃぎよう、さすがに断れんか、前のこともあるし……)

    318 = 7 :

    メイドさん「おかえりなさいませご主人様、お嬢様!」

    「わっわっ、メイドさんですよ!」

    「そうですね。ここはディナーもいけるのでいいですよ」

    「ご帰宅料とか入国料もないですし」

    「おお! そうですか!」

    「わくわくしますね!」

    「そうですね」

    (うーん、なんかあれ以降、明るくなったような)

    (まあ憑き物とれればそうなるか)

    320 = 45 :

    何故か女が坂本真綾で再生されるな…

    321 :

    おいついてしまった

    322 = 7 :

    「ちゅーちゅーごっくん、すごくよかったですね!」

    「ふーふーあーんはさすがに恥かしかったですけど……」

    「えー、面白かったですよー!」

    「そ、そですか」

    (……む)

    背広妖怪「おや?」

    (いる。超いる。めっちゃこっちみてる」

    背広妖怪「おやおや! これは先日の同士ではありませんか!」

    「……」

    324 :

    またおまえか

    325 :

    この背広は、実は危険な妖怪だという気がする

    326 = 245 :

    紳士妖怪に決まってるだろ!

    327 = 235 :

    >>325
    それ面白いな。

    328 = 316 :

    新手の淫魔だな
    精気を出させて吸わない

    329 = 106 :

    >>325
    こんないいやつがラスボスとかだったら辛過ぎる

    330 :

    オナホを交わした仲だもんな
    辛すぎる

    331 = 321 :

    ネタバレやめろ

    332 = 7 :

    背広妖怪「今日は彼女連れですか、いいですねえ」

    「彼女じゃないです」ぼそ

    「どうしたんですか?」

    「あ、いや」

    背広妖怪「そうですか。それは失礼」

    背広妖怪「ところで先日のあれ、いかがでした? むふふ」

    「ちょ、ちょっと、彼女一般の人なんで、後にしてもらえますか……」ぼそぼそ

    背広妖怪「おやおや、そうでしたね。申し訳ない」

    背広妖怪「では耳寄りな情報をひとつだけお伝えしておきます」

    334 :

    こんな素敵な紳士が危険な妖怪なわけないじゃないか…

    335 :

    まだ読み始めだけど…
    夏目友人帳の女妖怪(ヒノエだったはず)が頭に浮かんだ
    落ちるまでに追い付く

    336 = 167 :

    紳士妖怪か

    337 :

    あれだろ悪い奴と見せかけてってやつだろ…

    やつだろ……?

    338 = 7 :

    背広妖怪「最近このあたりで、といっても東京全域みたいですが」

    背広妖怪「妖怪狩りをしているものがいるみたいです」

    背広妖怪「どうやら捕食の類のようですから、気をつけてくださいね」

    背広妖怪「とくにあなたは、良い匂いがする」

    ぞわっ

    「そ、そうか、わかった」

    背広妖怪「ああ私はノンケですよ。そもそもそっちの食うではなく」

    「わかってるってっ」

    背広妖怪「ああでも、うわさによればどうやら東洋の妖怪らしいですから」

    背広妖怪「東洋ではゲイポルノも盛んなようですしもしかしたらそれも……」

    「……」

    「だ、大丈夫ですか……?」

    「だ、大丈夫だ」

    344 = 7 :

    妖怪「東洋の妖怪?」

    「ああ、そう聞いた」

    妖怪「悪魔か。あれはタチが悪いぞ」

    「そうなのか?」

    妖怪「あいつらの方が契約だのなんだのは盛んだが」

    妖怪「そのえげつなさと言ったらもう、私達の比じゃあない」

    妖怪「関わらないが吉じゃ」

    「そうか、わかった」

    妖怪「うむ」

    345 :

    おいついた支援

    346 = 7 :

    ――深夜

    コンコン

    「……ん……?」

    コンコン

    「ん……?」

    コンコン

    「な、なんだ? 窓?」

    ガラッ

    「ん、誰かい――わっ」

    348 :

    東洋? 西洋?

    349 :

    やっぱりたんたんと投下する>>1はいいな

    350 :

    気になる


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