私的良スレ書庫
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元スレ佐天「直死の魔眼? 」
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まず目の前に映った色は、赤だった
「―――、」
意識がハッキリとしない
そればかりかどんどん遠ざかっていくような気がする。
一体何なんだろうと頭を働かせようとするが、全然頭は言うことを聞いてくれない。
「――んさん!し――だ―い!さ――ん!」
声が聞こえる、必死に私に呼び掛ける声
なんだろうと耳を傾けるも、やはり聞こえず。
やがて意識は遠退いていった。
映るのは赤のままで、聞こえる音は聞き取れない。
この日私は――――死んだのだ
少女――初春飾利は病院のベンチに、死んだような表情を浮かべて腰を掛けていた。
原因は一つ、先程救急車に運ばれ、今も生死の狭間で戦っている佐天涙子の事だ。
「(一体、何が……)」
何時ものように学校にやってきて、気だるそうに授業を受けてから鬱憤を晴らす勢いで佐天は初春を弄る。
そんな普通の1日だったのだ
それから買い物に行くことになり、色々と学区を回っていたのだが気付けば佐天がいなくなっていたのに初春は気付いた。
どうせ私を驚かすために隠れているんだろうと思った彼女が佐天を探して見ると
血塗れで倒れた佐天の姿を発見したのだ
これが、今までの経緯である
黒子「初春!」
そう呼ばれて横を向くと、風紀委員で同僚の白井黒子と学園都市で7人しかいないレベル5――その3位の実力を持つ御坂美琴がこちらに走ってきていた。
表情はどこか慌てた様子だ。
初春「白井さん、御坂さん…」
黒子「初春!大丈夫ですの!?先程固法先輩から連絡があったので急いでこちらに向かってきたのですが……!」
初春「白井さん、もう私何が何だかわからなくて…」
美琴「ちょっと黒子!いきなりそうまくし立てられても答えづらいでしょうが!」
白井「しかし…佐天さんが…いえ、すみません取り乱しましたわ」
美琴「ごめんね初春さん、私たちまだ佐天さんが事故にあったとしか聞いてないからさ、話せるなら詳しく聞いてもいいかな?」
初春はまた思い出して少し涙が出そうになるが、それを堪え、なんとか美琴と黒子に自分の知る限りを二人に伝えた――
―――――
美琴「ってことは、初春さんも佐天さんが事故に巻き込まれたのを見ていない訳か…」
初春「すみません…お役に立てなくて…」
あ、いやそういう意味じゃなくてと少し慌てる美琴
彼女はどうも人の気持ちの機微に疎い所があると知ったのは初春にとってごく最近の事だった。
なのでそういう意味で言っている訳ではないのを知っているので初春は気にしなかった。
初春「でも御坂さん、佐天さんは事故に合うまでずっと私といたんですよ、それが少し目を離しただけでこんな…。一体何が……」
美琴「落ち着いて初春さん、とりあえず今は佐天さんの無事を祈ることにしましょ?追求はそれからでも遅くないわ」
その言葉に初春は頷き、再び顔をうつむけてしまった。
黒子も友人の突然の事故にまだ動揺が隠せないのか、何も言葉を発することはなかった。
美琴はそんな空気に少し気まずさを感じてしまい、ちょっと席外すわね
と言い少し外の空気に当たることにした。
とはいえいつまでもこの状態の彼女らを放っとく訳にもいかないので少しの間だけだが。
なんてことのない1日になるはずだったものが、音を立てて崩れ去ろうとしていた―――。
――事の始まりは、なんてことなかった。
「はぁ、はぁ……!!」
何時ものように学校に行き、正直受けたくもない授業を受け
そのあと鬱憤晴らしに初春をからかうようなそんな1日だった。
「な、んで……!」
だと言うのに、非日常はごく当たり前かのように私に振りかかった。
望んでもないのにそれはやってきたのだ
走る、逃げるように
走る、アレが追ってこれないぐらいに
路地裏に走り込み、そのまま突き進むと行き止まりに当たった
運すらも今日の私にはないのかと少し自嘲気味に笑いながら、その場にへたれこんだ。
もう足は一歩も動かない
そこへ
「やあ、もう鬼ごっこは終わりかな?そろそろ幕を引きたいんだが」
「―――ッ!」
声がした方向に近くにあった石を投げつける。
しかし声の主はまるで気にしないかのようにそれを無視する。
とある商店街の路地裏
小さな少女の悲鳴が上がる
「やあ、もう鬼ごっこは終わりかな?そろそろ幕を引きたいんだが」
「―――ッ!」
声がした方向に近くにあった石を投げつける。
しかし声の主はまるで気にしないかのようにそれを無視する。
とある商店街の路地裏
小さな少女の悲鳴が上がる
――――
美琴は病院の中にある少し広めの中央広場に出た。
ここからなら何かあればすぐ戻れるし、何より風も通っていて涼しいので少し休むにはうってつけの場所だ。
自販機で飲み物を買い、ベンチに腰かける。
美琴「佐天さん……」
初春にはああ言ったものの、美琴自身友達が事故にあってショックを隠しきれないのは彼女と同じだった。
美琴がかろうじて平静を保っていられたのは、単に場数の違いからだったのだ。
絶対能力進化計画――。
数々の自身のクローンの死を見てきたからこそ、彼女は他の人間よりは正気でいられた。
無論、何度経験しようが慣れないのは当たり前だが。
美琴「(でも、だからこそ――!)」
唇を噛み締める。
美琴は今回の事は事故なんて思っていなかった。
むしろ初春の話を聞いてより真実味が出てきたとさえ思う。
これは、誰かが起こした歴とした事件だと。
誰かが、佐天さんを襲ったのだと。
美琴は誓った。
美琴「(佐天さん、待ってて。私が貴女を襲った犯人を見つけ出して必ず、やっつけてみせるから)」
そう意気込む彼女の目は、かつての実験を一人で中止させようとしたそれと、同じものだった―――――。
そしてそこから、完全下校時間もとうに過ぎたので一旦帰ろうと言う話になった。
初春は最後まで嫌がったのだが、黒子の「初春が倒れたら佐天さんが喜ばない」という一言により、それも渋々了承したのだった。
そして、夜
学生の多いこの街は、消灯時間も自然と早くなる。
日を跨ぐ頃にはほとんどの人間は寝静まっているようなそんな時間に、
彼女はいた。
「ここが、学園都市ですか…」
風に打たれながら、それでも凛とした表情を崩さない彼女は、普通から見れば何もかもがおかしかった。
まず居る場所。
彼女は地面には足をつけておらず人のいない殺風景とした景色のなか、そこに立っている電柱に足をつけているのだ。
更に彼女は、この科学技術の最先端――学園都市において最も異端なものであるはずのオカルト、その象徴であるシスターの衣装を身に纏っている。
学園都市において異端中の異端。
それがこの女性だった。
「…………」
依然として、無言。
街を見下ろせるようなこの場所で、彼女は静かに視線を下に向けている。
と、それもしばらく不意に彼女は言った。
「――もうすぐ」
その声が表す感情は、無感情。
彼女は言葉を続けた。
「もうすぐ、この街も死徒に侵される…」
「そうなる前に早めに見つけ出し、始末せねば……」
無感情から、やがて焦りの感情が漏れだしてくる。
それだけ言うと彼女は、夜の闇へ飛んでいった―――。
少しずつ、物語は展開されていく
型月の設定なんてさっぱり忘れちまったな
直死の魔眼ってどんくらい強いんだっけ
直死の魔眼ってどんくらい強いんだっけ
>>21
サンクス、頼んだよww
佐天の目が覚めたのは、それから1週間が経ってからだった。
「ん……」
目を覚まして、最初に目にしたのは落書きのような黒が書かれた天井だった。
「ここ、どこ…?」
私は起きて辺りを見回した。
酷く身体が重かったりするがなんとか動かす。
見たところ、病院みたいだ。
私が寝ている白いベッドを始め、白い天井に殺風景な部屋
そして私に付けられている器具やこの病院独特の匂いからして、間違いはないだろう。
ただ
「(なに…ここ、普通の病室じゃない…)」
おかしいのだ。
普通の病室に比べ余りにも黒が多すぎる。
天井にも、私のいるベッドにも、果ては窓や扉まで黒の線のようなものが、描かれている。
なんだかその黒を見ていると変に頭が痛くなってくる
サンクス、頼んだよww
佐天の目が覚めたのは、それから1週間が経ってからだった。
「ん……」
目を覚まして、最初に目にしたのは落書きのような黒が書かれた天井だった。
「ここ、どこ…?」
私は起きて辺りを見回した。
酷く身体が重かったりするがなんとか動かす。
見たところ、病院みたいだ。
私が寝ている白いベッドを始め、白い天井に殺風景な部屋
そして私に付けられている器具やこの病院独特の匂いからして、間違いはないだろう。
ただ
「(なに…ここ、普通の病室じゃない…)」
おかしいのだ。
普通の病室に比べ余りにも黒が多すぎる。
天井にも、私のいるベッドにも、果ては窓や扉まで黒の線のようなものが、描かれている。
なんだかその黒を見ていると変に頭が痛くなってくる
そして私はふと目に移った鏡を見た。
「(う、そ……?)」
鏡に映った私を見て言葉を失った。
何故ならおかしいのは部屋だけではなく、私自身もだったからだ
全身くまなく黒い線が見えて―――
「い、いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
そして暴れ狂う私が落ち着いたのは、その後入ってきたお医者さんに注射を打たれたしばらく後の事だった。
覚えてくれてただなんて感動した
また立ててくれてありがとう
支援
また立ててくれてありがとう
支援
「大分、落ち着いたね?」
「……はい、すいませんでした」
お医者さんに訪ねられ、私は謝った。
私は暴れ疲れ、今はなんだか眠気に襲われながら再びベッドについて横で椅子に座るお医者さんと話をしていた。
「それにしても驚きだね?ただでさえ生死をさ迷う怪我をして今も絶対安静間違いないのにあんな風に暴れられるなんて」
「はぁ…」
「僕も長い間医者をやってるけどこんな元気な子はそうそう――いや、一人いたかな。ツンツン頭の少年なんだけど。幸い今はここに居ないけどね?」
何やらその少年を思い出して苦い笑いを浮かべるお医者さん。
余程手を焼いているのだろうかその表情はどこか息子を心配する父親のようだった。
なんだかそれに私も釣られて笑ってしまう。
と、そこへ
「ところで、君のさっき言っていた黒い線の事なんだけど――よかったら詳しく話してみてくれないかな?」
不意に、お医者さんは思い出したくない事を私にさらりと言ってきた。
>>24
魔眼自体は強いんだがあくまで死が見えるだけであってそれを動いてる獲物の線をきるにはその人の技量がうんぬん
魔眼自体は強いんだがあくまで死が見えるだけであってそれを動いてる獲物の線をきるにはその人の技量がうんぬん
待ってた
このあいだのやつだよな
黒子がネロに襲われたあたりで中断したやつ
このあいだのやつだよな
黒子がネロに襲われたあたりで中断したやつ
>>36
ortはもはや論外だろwwww
ortはもはや論外だろwwww
「えっと、あの…」
不意をくらったのか、なかなか言葉が出ない。
そもそも、言ったところでこのお医者さんは信じてくれるのだろうか。
どうやらそんな言い回しをするということはこの人には見えてないみたいだ。
キチガイだと思われるかもしれない。
なんていうことを私が考えていると。
「大丈夫話してごらん、私もにわかには信じがたい話だけど…患者は僕の子供達でもある。君の力になりたんだ」
私の気持ちを察してか、そんな事をお医者さんは言ってくれた。
これでカエルのような顔をしていなければ、私は確実に惚れていたに違いない。
私は少し気持ちが楽になったので、思いきって言ってみることにした。
―――――――
「なるほどね…黒い線か…」
説明を終え一息つく。
しどろもどろだったがなんとか伝わったようだ、なにせ自分ですらよくわからない状態なのだ
説明できた時点でよくやれたと思う。
「はい、そうなんです。実は今も見えていて…私、視覚障害なんですか…?」
おそるおそる訪ねてみる。
これで肯定されたらどうしよう…。
が、お医者さんは私の問いにすぐには答えず、唸って黙ってしまった。
そ、そんな重症なの私!?
「現時点じゃ何も言えないね?とりあえず知り合いのカウンセラーでも呼んでみるから、しばらく入院していなさい。あ、あと入院中は面会謝絶だからそこのところよろしくね?」
と、流されると同時にさらりと面会謝絶等と言われ、ぎょっとする私。
初春や御坂さん達に会いたかったのになあ…残念。
そして話も終わったようで、お医者さんは椅子から立ち上がり扉に向かう。
しばらくは大人しくしていようと、布団を被る。このまま少し…
「君のそれは、ここ学園都市じゃ説明できない…オカルト的なものなのかもしれないね」
眠れるはずもなく、去り際に言われたお医者さんの言葉を考えながら、私は目を瞑っていた―――――。
病院。夜
「あぁ、ああ。そういう話なんだ、だから近日中にこっち来てくれると助かるんだがね?」
「……君の性質は充分知っている。だからこそ頼んでいるんだ、あいにく僕は科学側の人間だからね?こういう話は魔術側である君に向いてると思うんだね」
先程の医者は何やら真剣な表情で電話の向こうの相手と会話をしていた。
この科学の街、学園都市で魔術なんて言葉を平然と使っている辺り、この男の特異性が知れる。
やがて、電話も一段落ついたのか、彼は携帯電話閉じ椅子に腰かけた。
「(あの少女の目…どうなっているんだろうね)」
別に視覚障害が珍しいというわけではない。
ただあの少女の目は普通のそれとはどこか違う気がした。
何がそう思わせるかはわからない。
ただあの目を見ていると、どこか恐怖を覚えるのだ。
――次の瞬間。殺されそうな恐怖を
――何もかも、あの目に奪われてしまうような恐怖を
「…………」
その異常性を感じたからこそ、彼は彼女を呼んだのだ。
自分のように科学の人間ではなく、こういうオカルトに詳しい"青崎橙子"を
少女の非日常は、終わることを知らない―――――。
「はあい、元気ー?…あら、意外と元気そうねえ、もっと暗いものを想像していたんだけども」
入院してから数日が経ち、そろそろ一日中呆けているのにも飽きを感じていた頃
面会謝絶の私の元に奇妙な女の人がやってきた。
後ろで束ねた燃えるような赤い髪と、豊満なボディが印象的な彼女は、私の姿をまじまじと見て初対面ながらそんな失礼な事を言って述べた。掛けている眼鏡がより豊満さを強調している気がする。
「…悪かったですね。思ったよりも元気そうで」
毒を吐く。
「あーいやいやそういう意味で言ったんじゃないのよ。気を悪くしたらごめんなさいね」
と、悪びれた様子もなく謝る女性。
つい悪態を、ついたけどこの人誰なんだろう…。
と、私のそんな気持ちを察したのか
「あぁ、はじめまして。
私は青崎燈子という者よ。
ここの医者の指名であなたのカウンセリングに来たカウンセラーってわけ。よろしくね?」
青崎燈子、彼女はそう名乗ると大人の余裕のような柔らかい笑顔を浮かべた。
みんなの評価 : ★★
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