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元スレグラハム「私の妹がこんなに可愛いわけがないっ!」
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彼の乗る蒼いMSは既に金属異性体に侵食されつつあった。
もはや長い時間戦うことは出来ないだろう。それでも彼は阿修羅ように戦場を舞う。
この戦いの先に未来があることを信じて……
「少年!!」
巨大な球体状の金属異性体の本体を前にして、切り札の超大型ビームサーベルを拡散され
次の一手を思案している青と白の機体に届くように彼は言った。
「未来への水先案内人は、この私グラハム・エーカーが引き受けた!」
赤い流星となった彼――グラハム・エーカーと愛機ブレイヴは巨大な球体状の金属異性体の
裂傷に向かって、血反吐を吐きながら、しかし、その顔には笑みを浮かべながら一直線に駆け抜ける。
「これは死ではない!!人類が生き残るための…!!」
そうこれは犬死などでは無い。
きっと少年は彼の押し開けた最後の扉を進み
その手に未来を掴むだろう。
この世界においてのグラハム・エーカーはその人生を一分の後悔無く全うした。
しかし、生と死の交わる狭間、彼の意識はまだ消えてはなかった。
幸か不幸かグラハム・エーカーの物語はまだ終わってはいなかったのである。
『私の妹がこんなに可愛いわけがないっ!』
もはや長い時間戦うことは出来ないだろう。それでも彼は阿修羅ように戦場を舞う。
この戦いの先に未来があることを信じて……
「少年!!」
巨大な球体状の金属異性体の本体を前にして、切り札の超大型ビームサーベルを拡散され
次の一手を思案している青と白の機体に届くように彼は言った。
「未来への水先案内人は、この私グラハム・エーカーが引き受けた!」
赤い流星となった彼――グラハム・エーカーと愛機ブレイヴは巨大な球体状の金属異性体の
裂傷に向かって、血反吐を吐きながら、しかし、その顔には笑みを浮かべながら一直線に駆け抜ける。
「これは死ではない!!人類が生き残るための…!!」
そうこれは犬死などでは無い。
きっと少年は彼の押し開けた最後の扉を進み
その手に未来を掴むだろう。
この世界においてのグラハム・エーカーはその人生を一分の後悔無く全うした。
しかし、生と死の交わる狭間、彼の意識はまだ消えてはなかった。
幸か不幸かグラハム・エーカーの物語はまだ終わってはいなかったのである。
『私の妹がこんなに可愛いわけがないっ!』
>>1乙
感動した!
感動した!
学校からの帰り道。青空が眩しい。
かつての私はあの空を飛び回るフラッグファイターだった。
敢えて言わせて貰おう、私の名は高坂京介……かつてグラハム・エーカーと呼ばれた男であり、ごらんの通り学生だ。
自分で言うのも何だが、こことは違う世界での戦いの記憶を持つ事以外はごく平凡な男子高校生であると断言しよう。
興が乗らなかったため所属している部活は無いし、趣味も特筆する程では無いだろう。
今の私は空を奪われてしまったのだから。我が愛機に匹敵する機体が生まれるのは果たしてこの世界では何時になるか。
だが、そんな日が来るのを待ちながらも、普通の学生とやらの平凡で無難な日々という物も私は謳歌している。
かつては孤児であった私だが、今、この世界においては父と母……そして妹に囲まれて暮らしている。
それなりに裕福で不自由の無い暮らし、物足りなくないと言えばウソになるが、人は順応していくものだ。
「えー!うっそー!?何それキャハハハ!」
学校から帰宅し喉を潤すためリビングに向かった私を出迎えたのは
ソファーに寝転がり電話に夢中になっている我が妹の姿であった。
妹の名は高坂桐乃。年は14になり近所の中学に通っている。
ライトブラウンの顔にピアス、今時の少女とでも言うのか。
「帰宅の挨拶!ただいまという言葉を送らせて貰おう!」
私は礼儀にならい帰宅の挨拶を述べたが、妹からの返事がないどころか一向にこちらを見る気もないようだ。
「ただいまと言った!!」
言っておくが私は挨拶をしている!!
「あーもう……うっさいなぁ……うん、うん、ごめんね。ウチのバカがさ。
落ち着いて話せないし…うん、これから行くね――」
「何度でも言おう!!ただいまであると」
「……チッ……おかえり……」
妹は3度目の挨拶にしてようやく口を開いた。
フッ、気難しいお姫様だ。
かつての私はあの空を飛び回るフラッグファイターだった。
敢えて言わせて貰おう、私の名は高坂京介……かつてグラハム・エーカーと呼ばれた男であり、ごらんの通り学生だ。
自分で言うのも何だが、こことは違う世界での戦いの記憶を持つ事以外はごく平凡な男子高校生であると断言しよう。
興が乗らなかったため所属している部活は無いし、趣味も特筆する程では無いだろう。
今の私は空を奪われてしまったのだから。我が愛機に匹敵する機体が生まれるのは果たしてこの世界では何時になるか。
だが、そんな日が来るのを待ちながらも、普通の学生とやらの平凡で無難な日々という物も私は謳歌している。
かつては孤児であった私だが、今、この世界においては父と母……そして妹に囲まれて暮らしている。
それなりに裕福で不自由の無い暮らし、物足りなくないと言えばウソになるが、人は順応していくものだ。
「えー!うっそー!?何それキャハハハ!」
学校から帰宅し喉を潤すためリビングに向かった私を出迎えたのは
ソファーに寝転がり電話に夢中になっている我が妹の姿であった。
妹の名は高坂桐乃。年は14になり近所の中学に通っている。
ライトブラウンの顔にピアス、今時の少女とでも言うのか。
「帰宅の挨拶!ただいまという言葉を送らせて貰おう!」
私は礼儀にならい帰宅の挨拶を述べたが、妹からの返事がないどころか一向にこちらを見る気もないようだ。
「ただいまと言った!!」
言っておくが私は挨拶をしている!!
「あーもう……うっさいなぁ……うん、うん、ごめんね。ウチのバカがさ。
落ち着いて話せないし…うん、これから行くね――」
「何度でも言おう!!ただいまであると」
「……チッ……おかえり……」
妹は3度目の挨拶にしてようやく口を開いた。
フッ、気難しいお姫様だ。
妹と爽やかな挨拶を交わした事に満足した私は自室のある2階へと歩を進めるべくリビングを出た。
しかし、そこで私はそもそもリビングに行った目的は、妹との対話のためでは無く
この喉を潤すための麦茶を手に入れるためだと言う事を思い出し、再度リビングに戻ろうとした刹那……
「なんとっ!」
「きゃっ!!」
出かけようとリビングから出て来た妹と接触した。
不意をつかれた私と桐乃はその場に倒れ込んだ。
その拍子に桐乃の持っていたバッグから荷物が散らかる。
「あっ……」
「すまなかった。」
私は素直に謝罪の意を述べ、散らかった荷物を拾おうとした。
「さわんないでっ!」
「断るっ!!!」
私は全力で妹の申し出を無視すると
荷物を拾いバッグに詰めていった。
「な、何のよ……」
恨めしそうな目で私を桐乃が見ている。
だが、そんな事は私の知った事ではない!
「………いってきます」
私の手からバッグを奪い取ると桐乃は忌々しげに義務を果たすかのように呟くと
バタンと強く扉を閉めた。
「怖い顔だ」
しかし、そこで私はそもそもリビングに行った目的は、妹との対話のためでは無く
この喉を潤すための麦茶を手に入れるためだと言う事を思い出し、再度リビングに戻ろうとした刹那……
「なんとっ!」
「きゃっ!!」
出かけようとリビングから出て来た妹と接触した。
不意をつかれた私と桐乃はその場に倒れ込んだ。
その拍子に桐乃の持っていたバッグから荷物が散らかる。
「あっ……」
「すまなかった。」
私は素直に謝罪の意を述べ、散らかった荷物を拾おうとした。
「さわんないでっ!」
「断るっ!!!」
私は全力で妹の申し出を無視すると
荷物を拾いバッグに詰めていった。
「な、何のよ……」
恨めしそうな目で私を桐乃が見ている。
だが、そんな事は私の知った事ではない!
「………いってきます」
私の手からバッグを奪い取ると桐乃は忌々しげに義務を果たすかのように呟くと
バタンと強く扉を閉めた。
「怖い顔だ」
このようなスレを見つけるとは…乙女座ではないが
センチメンタリズムな運命を感じずにはいられない
センチメンタリズムな運命を感じずにはいられない
ご覧のとおりこれが私と妹との関係だ。
私が『高坂京介』である以上はガンダム以上の難敵と言えるだろう。
直接戦闘が出来ない以上は、私に分が悪いかもしれないな。
自嘲じみた嗤いしか出てこない。
「ん?」
そんな事を考えている私の目に1つの物体が飛び込んだ。
それが落ちていたのは玄関の隅っこ。先ほどは気付かなかったが…
「これはっ!?」
それは恐らくDVD……アニメのパッケージと私は認識した。
しかし、この家には似つかないものだな。
私はこの家には不似合いなパッケージを拾い上げる。
「ほしくずウィッチメルル。破廉恥だな。」
やたらと扇情的な衣装に身を包んだ桃色の少女に対して私が持った感想はその程度であった。
しかし…我が家で発見されたこの異物……果たして所有者は誰なのか?
私とて人の子だ。謎の異物を目の前にすれば興味も沸こうというものだ。
ガンダムを始めて見た時の高揚感に近いと言えば判って貰えるだろうか
私が『高坂京介』である以上はガンダム以上の難敵と言えるだろう。
直接戦闘が出来ない以上は、私に分が悪いかもしれないな。
自嘲じみた嗤いしか出てこない。
「ん?」
そんな事を考えている私の目に1つの物体が飛び込んだ。
それが落ちていたのは玄関の隅っこ。先ほどは気付かなかったが…
「これはっ!?」
それは恐らくDVD……アニメのパッケージと私は認識した。
しかし、この家には似つかないものだな。
私はこの家には不似合いなパッケージを拾い上げる。
「ほしくずウィッチメルル。破廉恥だな。」
やたらと扇情的な衣装に身を包んだ桃色の少女に対して私が持った感想はその程度であった。
しかし…我が家で発見されたこの異物……果たして所有者は誰なのか?
私とて人の子だ。謎の異物を目の前にすれば興味も沸こうというものだ。
ガンダムを始めて見た時の高揚感に近いと言えば判って貰えるだろうか
高校性のハムって・・・まぁ、ホーマーの所にいた白シャツハムは高校性にしか見えなかったかw
しばし、私は思案にふける。
父上……いや、彼がこういった物を所有する事は有り得ないだろう。
まさに堅物である父がこういった物を購入するとは思えない。
声だけで言えば持っていてもおかしくないマダオなのだがね。
では母か!……これもまた有り得ない妄想だと言わせて貰おう。
妹……まさにナンセンスだな。
順番に家族の顔を思い浮かべたが我が家でこのアニメを所有しているに足る人物が居ない事に気付く。
思案にくれながら私はケースを開いた。
「なっ!!まさか他にもDVDが有ったとは……聞いていないぞメルルっ!!」」
更なる衝撃が私を襲う。
【妹と恋しよ♪】
結論から言えばこのメルルのDVDケースに収められていたのは
『ほしくず☆ういっちメルル』では無くR18と表記されたゲームであった。
つまりこの所有者は『メルル』と『妹と恋しよ♪』の2本を確実に持っている事になる。
我が家に落ちていた以上は、所有者は私・父・母・妹の4人に間違い無いのだろうが……
果たしてこの2本を持っていて一番違和感が無いのが……
「『魔法の少尉ブラスターマリ』と『ガンダム(少年)と恋しよ♪』ならば確実に私なのだがな」
もちろん冗談だ。
父上……いや、彼がこういった物を所有する事は有り得ないだろう。
まさに堅物である父がこういった物を購入するとは思えない。
声だけで言えば持っていてもおかしくないマダオなのだがね。
では母か!……これもまた有り得ない妄想だと言わせて貰おう。
妹……まさにナンセンスだな。
順番に家族の顔を思い浮かべたが我が家でこのアニメを所有しているに足る人物が居ない事に気付く。
思案にくれながら私はケースを開いた。
「なっ!!まさか他にもDVDが有ったとは……聞いていないぞメルルっ!!」」
更なる衝撃が私を襲う。
【妹と恋しよ♪】
結論から言えばこのメルルのDVDケースに収められていたのは
『ほしくず☆ういっちメルル』では無くR18と表記されたゲームであった。
つまりこの所有者は『メルル』と『妹と恋しよ♪』の2本を確実に持っている事になる。
我が家に落ちていた以上は、所有者は私・父・母・妹の4人に間違い無いのだろうが……
果たしてこの2本を持っていて一番違和感が無いのが……
「『魔法の少尉ブラスターマリ』と『ガンダム(少年)と恋しよ♪』ならば確実に私なのだがな」
もちろん冗談だ。
考えれば考えるほど判らなくなる。
しかし、既に私の好奇心はこのブツに対して興味以上の物を抱いてしまっている。
ならば、見つけ出さねばなるまい。どのような手段を取ったとしても。
「ここにグラハム・エーカーが宣誓しよう。このゲームの所有者を必ず見つけ出すと!」
その日の夕方。
私が夕食を得るためにリビングに向かうと
玄関の近くに帰って来た桐乃の姿を発見した。
呆然と佇んでいる姿は可憐では有ったが、生気を感じない。
「おかえりなさいだな!桐乃!」
取り敢えず挨拶をしてみるが
「………は?」
まさに阿修羅のような顔で睨まれてしまった。
どうやら我が妹はご機嫌斜めなようだ。
フッ、だがその反応……答えは見えたかもしれないな。
もっとも確証を得るには足りない。
私の信条では無いが、少し策を弄する事も必要だろう。
しかし、既に私の好奇心はこのブツに対して興味以上の物を抱いてしまっている。
ならば、見つけ出さねばなるまい。どのような手段を取ったとしても。
「ここにグラハム・エーカーが宣誓しよう。このゲームの所有者を必ず見つけ出すと!」
その日の夕方。
私が夕食を得るためにリビングに向かうと
玄関の近くに帰って来た桐乃の姿を発見した。
呆然と佇んでいる姿は可憐では有ったが、生気を感じない。
「おかえりなさいだな!桐乃!」
取り敢えず挨拶をしてみるが
「………は?」
まさに阿修羅のような顔で睨まれてしまった。
どうやら我が妹はご機嫌斜めなようだ。
フッ、だがその反応……答えは見えたかもしれないな。
もっとも確証を得るには足りない。
私の信条では無いが、少し策を弄する事も必要だろう。
今夜の夕食はカレーであった。
ララァ・スン少尉の好物(?)とは、流石だな母上。
それは置いておいて作戦を始めよう。多少強引な作戦ではあるが
そうでなくては、この件の犯人は口説けまい。
「私は食事が終わった後に、コンビニへと向かうつもりだが、何かあるかね?」
「じゃあ、アイスお願い」
何でもない母上との会話を挟みながら私切り出す。
「そう言えば、頼りになる友であるカタギリが、最近女児向けアニメに嵌っているらしいのだが……」
正確に言えばカタギリが嵌っていたのは、ソレスタルビーイングの戦術予報士と声がそっくりな少女が
出てくる「ふたりはプリなんちゃら」であったが大差はあるまい。その名借りさせて貰うぞカタギリ!!
「その名は……ほしくず☆ういっちメルル!」
「なーに突然」
「非常に面白いと勧められたので気になってね」
「やあだー、そういうのってオタクって言うんでしょ。ほら、テレビとかでやってる。
そういう事ばっかやってると38歳童貞とかになっちゃうわよー、ねぇ、お父さん」
「ああ、わざわざ自分から悪影響を受けに行く必要もあるまい」
やはり、そういう認識か。だが友の名誉のために言わせて貰うと
カタギリは伴侶を得たようだ。直接祝福出来なかったのは心残りではあるが。
しかし、この様子から推察するに、母も父もシロなのは間違いあるまい。
ララァ・スン少尉の好物(?)とは、流石だな母上。
それは置いておいて作戦を始めよう。多少強引な作戦ではあるが
そうでなくては、この件の犯人は口説けまい。
「私は食事が終わった後に、コンビニへと向かうつもりだが、何かあるかね?」
「じゃあ、アイスお願い」
何でもない母上との会話を挟みながら私切り出す。
「そう言えば、頼りになる友であるカタギリが、最近女児向けアニメに嵌っているらしいのだが……」
正確に言えばカタギリが嵌っていたのは、ソレスタルビーイングの戦術予報士と声がそっくりな少女が
出てくる「ふたりはプリなんちゃら」であったが大差はあるまい。その名借りさせて貰うぞカタギリ!!
「その名は……ほしくず☆ういっちメルル!」
「なーに突然」
「非常に面白いと勧められたので気になってね」
「やあだー、そういうのってオタクって言うんでしょ。ほら、テレビとかでやってる。
そういう事ばっかやってると38歳童貞とかになっちゃうわよー、ねぇ、お父さん」
「ああ、わざわざ自分から悪影響を受けに行く必要もあるまい」
やはり、そういう認識か。だが友の名誉のために言わせて貰うと
カタギリは伴侶を得たようだ。直接祝福出来なかったのは心残りではあるが。
しかし、この様子から推察するに、母も父もシロなのは間違いあるまい。
私はそっと横にすわっている桐乃に眼を向ける。
「……………………」
桐乃はきつく唇を噛み締めている。手にした箸が震えているのも確認出来た。
「桐乃…?」
妹の異常に母上が呼びかけるも
「ごちそうさま!」
忌々しげに呟くとバタンと強く扉を締め桐乃はリビングから出て行った。
「どうしたのかしら、あの子」
「フッ、あの年頃の子には良く有ることだと認識している」
「そうかしら…」
どうやら私の戦士の第6感は錆びついてはいなかったようだ。
尻尾は掴ませて貰った。しかし、隠し事の出来ない妹には好意すら抱くよ。
もはや9割9分私の中では答えは出ている。
しかし、100%の確信には至っていない。
ならば、ここで畳み掛けさせて貰おう。
【オペレーション・メルル】
5機のガンダムの降下作戦に準え命名した作戦を私は決行した。
作戦内容は、これを読んでいる諸君には説明するまでもあるまい。
私は敢えて妹に聞こえるように部屋の前で叫んだ
「さてと、コンビニへ……グラハム・エーカー!出る!!」
これでは道化だな。少年ほどの演技の才覚は私には無いようだ。
「……………………」
桐乃はきつく唇を噛み締めている。手にした箸が震えているのも確認出来た。
「桐乃…?」
妹の異常に母上が呼びかけるも
「ごちそうさま!」
忌々しげに呟くとバタンと強く扉を締め桐乃はリビングから出て行った。
「どうしたのかしら、あの子」
「フッ、あの年頃の子には良く有ることだと認識している」
「そうかしら…」
どうやら私の戦士の第6感は錆びついてはいなかったようだ。
尻尾は掴ませて貰った。しかし、隠し事の出来ない妹には好意すら抱くよ。
もはや9割9分私の中では答えは出ている。
しかし、100%の確信には至っていない。
ならば、ここで畳み掛けさせて貰おう。
【オペレーション・メルル】
5機のガンダムの降下作戦に準え命名した作戦を私は決行した。
作戦内容は、これを読んでいる諸君には説明するまでもあるまい。
私は敢えて妹に聞こえるように部屋の前で叫んだ
「さてと、コンビニへ……グラハム・エーカー!出る!!」
これでは道化だな。少年ほどの演技の才覚は私には無いようだ。
家から出ると私は自分の部屋を見上げた。
私は我慢弱い。早く動いてくれる事を所望する。
そんな我慢弱い私であっても、ここまで早く事態が動くとは予想していなかった。
部屋を見上げること数秒、誰もいないはずの私の部屋に明りが点灯したのである。
【オペレーション・メルル】の成功を確信した私は雷すら凌駕する程のスピードで階段を駆け上がる。
そして、勢い良く自分自身の部屋のドアを開ける。
「よもや、こういう形で君に出会おうとはな……」
「……っ………!!」
まさかと思ったが、ここまで素直に動いてくれるとは。
部屋の中心で四つん這いになっていた桐乃は、青ざめた顔で私の方を振り返った。
怯えたように見えるが、その目には私を侮蔑するかのような色が見える。
「感心しないな。君のその行動は」
「……ど、どうだって良いでしょ!」
「感心しないと言った!君が同じことをされたらどう思うか、考えたほうが良い」
「……………」
桐乃は無言で立ち上がると私が背にしている扉の方へ近づいてくる。
怒りのせいかその顔は紅潮し始めている。
「どいて」
「断固拒否する。私の質問に答えて頂くまではな」
私は我慢弱い。早く動いてくれる事を所望する。
そんな我慢弱い私であっても、ここまで早く事態が動くとは予想していなかった。
部屋を見上げること数秒、誰もいないはずの私の部屋に明りが点灯したのである。
【オペレーション・メルル】の成功を確信した私は雷すら凌駕する程のスピードで階段を駆け上がる。
そして、勢い良く自分自身の部屋のドアを開ける。
「よもや、こういう形で君に出会おうとはな……」
「……っ………!!」
まさかと思ったが、ここまで素直に動いてくれるとは。
部屋の中心で四つん這いになっていた桐乃は、青ざめた顔で私の方を振り返った。
怯えたように見えるが、その目には私を侮蔑するかのような色が見える。
「感心しないな。君のその行動は」
「……ど、どうだって良いでしょ!」
「感心しないと言った!君が同じことをされたらどう思うか、考えたほうが良い」
「……………」
桐乃は無言で立ち上がると私が背にしている扉の方へ近づいてくる。
怒りのせいかその顔は紅潮し始めている。
「どいて」
「断固拒否する。私の質問に答えて頂くまではな」
「どいて」
「拒否すると言った。君の捜し物はコレだろう?」
私は懐より『ほしくず☆うぃっメルル』を取り出す。
「そ、それは!」
「当たらんよ!」
何とかソレを取り返そうと物凄い剣幕でつかみ掛ってくる我が妹。
しかし、その程度の機動ではソル・ブレイヴスの精鋭には遠く及ばない!
私は手際よくその攻撃を回避すると、DVDケースを掲げ、逆上している妹に語りかける。
「やはりコレは君の物だったのだな!」
「そんなわけないでしょ!!」
「その言葉ナンセンスだな。君の行動そのものが矛盾している!」
私の言葉を聞いて妹の顔には更に怒りがにじむ
「絶対違う!あたしのじゃない。そ、そんな子供っぽいアニメなんか……あたしが見るわけ……無いでしょ」
なおも必死さを増す妹には憐憫の情を覚えざるを得ない。
「返そう。私はただ所有者に興味が有っただけだ。奪うつもりは無いさ」
「だ、だからあたしのじゃ……」
この後に及んでも否定するか。
ならば彼女には言い訳を与えなければなるまい。
「拒否すると言った。君の捜し物はコレだろう?」
私は懐より『ほしくず☆うぃっメルル』を取り出す。
「そ、それは!」
「当たらんよ!」
何とかソレを取り返そうと物凄い剣幕でつかみ掛ってくる我が妹。
しかし、その程度の機動ではソル・ブレイヴスの精鋭には遠く及ばない!
私は手際よくその攻撃を回避すると、DVDケースを掲げ、逆上している妹に語りかける。
「やはりコレは君の物だったのだな!」
「そんなわけないでしょ!!」
「その言葉ナンセンスだな。君の行動そのものが矛盾している!」
私の言葉を聞いて妹の顔には更に怒りがにじむ
「絶対違う!あたしのじゃない。そ、そんな子供っぽいアニメなんか……あたしが見るわけ……無いでしょ」
なおも必死さを増す妹には憐憫の情を覚えざるを得ない。
「返そう。私はただ所有者に興味が有っただけだ。奪うつもりは無いさ」
「だ、だからあたしのじゃ……」
この後に及んでも否定するか。
ならば彼女には言い訳を与えなければなるまい。
「理解した。それでは、この所有者不明のアニメDVDは私が持つに相応しいものでは無い。
出来る事ならば処分したいのだが……私は我慢弱く面倒が嫌いな男だ!
君にこのアニメの処分を頼もう。」
「あ、あんた……ん……別に良いけどさ……
私と言えど空気くらい読む時もある。
私が道を開けると、桐乃は入れ替わりに部屋から出て行く。
世話のかかるお姫様だ。しかし、これだけ彼女と会話したのも久方ぶりだ。
『高坂京介』にとっての来るべき対話の日と言うわけか。
「ね、ねぇ」
まだ居たのか。
「やっぱ……おかしいと思う?」
「その言葉の意図が、私には理解出来ない」
「だから……例えばの話……あたしがこういうの持ってたら……おかしいかって聞いてるの」
「人の趣味趣向に貴賎は無いと私は考えている」
「そう……思う?本当に……?」
「ならばここに宣誓しよう。この私、グラハム・エーカーは
君がどんな趣味・趣向を持っていたとしても、絶対に嘲笑したりしない事を!!」
「何でそんな芝居がかってるのよ……でも……そうなんだ…ふーん…」
私の見事な宣言に安心したのか妹は何度か頷くと
後生大事に「ほしくず☆うぃっちメルル」を打き抱えて自分の部屋に戻っていった。
【オペレーション・メルル】はこうして終わった。
ならば戦士にもしばしの休息が必要である。眠らせて頂く!
出来る事ならば処分したいのだが……私は我慢弱く面倒が嫌いな男だ!
君にこのアニメの処分を頼もう。」
「あ、あんた……ん……別に良いけどさ……
私と言えど空気くらい読む時もある。
私が道を開けると、桐乃は入れ替わりに部屋から出て行く。
世話のかかるお姫様だ。しかし、これだけ彼女と会話したのも久方ぶりだ。
『高坂京介』にとっての来るべき対話の日と言うわけか。
「ね、ねぇ」
まだ居たのか。
「やっぱ……おかしいと思う?」
「その言葉の意図が、私には理解出来ない」
「だから……例えばの話……あたしがこういうの持ってたら……おかしいかって聞いてるの」
「人の趣味趣向に貴賎は無いと私は考えている」
「そう……思う?本当に……?」
「ならばここに宣誓しよう。この私、グラハム・エーカーは
君がどんな趣味・趣向を持っていたとしても、絶対に嘲笑したりしない事を!!」
「何でそんな芝居がかってるのよ……でも……そうなんだ…ふーん…」
私の見事な宣言に安心したのか妹は何度か頷くと
後生大事に「ほしくず☆うぃっちメルル」を打き抱えて自分の部屋に戻っていった。
【オペレーション・メルル】はこうして終わった。
ならば戦士にもしばしの休息が必要である。眠らせて頂く!
「少年……ハァハァ……少年が一人……青年のような少年が一人………メタルな少年が一人……フフフ」
パァン!!
最高の夢を見ていた私の頬に衝撃が走った!
「何者っ!!」
深夜の襲撃者に私は飛び起き迎撃体制を取ろうとする。
しかし、そこにいたのは、襲撃者では無く、久方ぶりに長時間の会話をかわした妹であった。
「静かにして……」
「堪忍袋の緒が切れた!!絶対に許さんぞっ!!」
妹の言葉を無視して私は叫んだ。
何故ならば私は、今世紀最高とも言える夢を邪魔されて
不機嫌にならざるを得ないのだから。
「静かにしろって言ってるでしょ……今何時だと思ってんの?」
「その台詞、慎んでお返ししよう」
何度も言うが私には不機嫌になる理由があるのだ。
何時かと言われれば深夜2時を回っている
そのような時間に実の妹とベッドの上で向い合うなどと!
このシーンだけ取り上げればインモラルな関係すら連想出来るだろうが
生憎にも私にはそういう趣味は無い。
「取り敢えず、降りて頂きたいものだな」
私の怒りを殺した言葉に、桐乃はムッとしながらも従った。
>>1が寝るのかと思った
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