元スレ都城王土「ほう…学園都市か。 なるほどこの俺を迎えるに相応しい」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×5
601 = 312 :
ここでも上条さんの出番じゃないのかwww
602 :
王土△
マジかっけぇー
603 = 519 :
そう何事もあらんと言わんばかりに言葉を口にして、ゆっくりとと白井黒子の側まで歩み寄る都城王土。
「どら、いい加減その格好を見続けるのはもう飽きた。 どうせおまえもだろう白黒? 俺が手伝ってやるから気にするな」
そう言って都城王土は白井黒子の上に山のように積み重なったテーブルをただの一蹴りで吹き飛ばした。
直接テーブルがその身体に触ることはなかったものの、衝撃の振動で傷が刺激されて白井黒子の顔が痛みに歪む。
しかし都城王土はそれも気にせず白井黒子の腕を掴むとグイと乱暴に引き上げた。
ロマンチックな持ち方では決して無い。
空のワイン瓶を掲げるようなその扱い方に、白井黒子が思わず嫌味を口にする。
「都城さん? …前々から思ってたのですけど …レディの扱いがちょっと乱暴すぎるのではなくて?」
そんな白井黒子の憎まれ口を聞いてクツクツと都城王土が笑った。
「ハッ どの口でレディなどというか。 それだけ軽口が叩けるのだ。 問題はなかろう」
とはいえ、事態は未だ悪化の一途を辿っている。
未だ演算は出来そうもなく、都城王土の造った柱のような盾もあと少しで超重量に圧し負けるだろう。
だから白井黒子はこれで充分と言わんばかりに微笑んで
「ありがとうございますの。 けれどもう結構ですのよ? 貴方一人でどうぞお逃げなさってくださいな」
淑女の見本のような美しい一礼で以て“殿方”の退出を促した。
604 :
王土△
605 = 519 :
だがしかし。 それでも都城王土は動かない。
「何…で…?」
“御坂美琴”は自分のことを“大バカ”といったが。
冗談ではない。
目の前にいるこの大胆不敵な金髪紅眼の男こそが“大莫迦者”だ。
このままでは、ふたり仲良く死んでしまうだけ。
だから白井黒子は意味が判らず、混乱した頭で都城王土に訴える。
先程の淑女だどうだのはもう知ったことか。
「何でですの!? 私達はただの他人でしょう!? お人好しにも程がありますの!!」
そんな白井黒子の言葉を聞いて面白そうに都城王土が頬を歪めた。
「お人好しだと? 違うぞ白黒。 お人好しというのはだな」
その時、都城王土の言葉に合わせたように雷鳴を伴う圧倒的な破壊力が床から天井へと突き抜けた。
白井黒子は知っている。
この雷鳴の唸りと共に疾るものが何であるか。
この風穴を開けたのは。
ゲコ太というマスコットキャラクターの貯金箱に入っている何の変哲もないゲームセンターのメダルだ。
そしてそれはその子供らしいファンシーな趣味をもつ少女を白井黒子は知っている。
忘れるはずもない。
「こんだけ風通しを良くしてやりゃあ、まだ間に合うでしょ」
その声を聞いた瞬間。 嬉しさのあまり白井黒子の眼から涙がこぼれた。
606 :
美琴△
607 = 312 :
他のメンツがまだ来てないってことは、王土さんは壁歩きでここまで来たのかな?
608 = 377 :
壁歩き万能だな
609 :
美琴Δ
610 = 519 :
.
「悔しいけど私の出番はここまで。後はアンタに任せるわ」
そう言って少女は。 “超電磁砲”は。 御坂美琴はバトンタッチする。
その言葉を聞いて、確かにバトンを受け取ったと言わんばかりに駈け出したのはツンツン頭の少年だった。
白井黒子はその少年にも見覚えがある。
上条当麻。
白井黒子は知るよしもないが、『幻想殺し《イマジンブレイカー》』という異能を殺す異能をもつ少年だ。
右の拳を岩のように固く握りしめて少年が駆ける。
その姿を見て都城王土が面白そうに笑った。
「そら お人好しとはああいった輩のことを言うのだ」
その都城王土の言葉を全身で体現し肯定するように、少年が走り、跳び、異能の中心点に迫る。
眼前に迫る超重量の瓦礫が迫っても上条当麻は微塵も恐怖を見せはしない。
質量4520kgの巨重をまとめて押し返さんと。
歯を食いしばった少年が、上条当麻がその拳を空間に叩きつけた。
凄まじい轟音と共に見えざる何かを殴り飛ばした上条当麻を見て都城王土は満足そうに笑う。
「なるほどいい拳だ。 さすがの俺も感服したぞ」
そして、たわんだ空間はまるで少年の気迫に押し負けたように自らの使命を完遂することなく。
幻想は打ち飛ばされて消し飛ばされて、殺された。
611 = 606 :
上条さんもかっけー
612 = 519 :
ちょっと誤字が酷くなったんで休憩保守いらず
613 = 376 :
お疲れ様!
614 = 602 :
ここまで一人一人キャラが立つとはな
上条さん正直出番ねーかと思っ(ry
615 :
結標は一応巨乳ってことになってる
アニメは微妙なサイズだけど
616 = 312 :
ちゃんとみんなキャラ動いてるよな。
大したものだわ。素直に関心。
617 = 376 :
おっと別スレで遊んでいる名前を消し忘れた。
王土強すぎだろwwめだか倒してこいww
618 :
行橋かわいいよ行橋
619 :
ぬぅ…。
るーまりお、俺はとっても眠いんだ。
ぽー、あとは頼んだよ?
620 :
ガ
ッ
621 :
あからさますぎワロタ
622 :
王土に勝っためだかなら一通さん楽に殺せそう
623 :
>>622
王土さんが自分のアブノーマルを完成に支配したらめだかと互角じゃなかった?
徴税のあれはガチで球磨川ちゃんの大嘘憑きに触れたって可能性高いし。
つまり何が言いたいかと言うと王土△
624 :
『保守』
625 :
627 :
>>625
知られざる英雄ならせめてsageるべきだったな。
628 = 625 :
うっかりしてた
629 :
行橋かわいすぎて辛い
630 :
壁歩きと天井歩きだったらどっちも足の指で壁をつまんでる以上、
腹筋を使う分壁歩きのほうが難易度高そうだよな
631 = 625 :
あれって靴履いてるのに足の指使えるってことは
あの靴は靴底がなくて裸足になってるってことでいいのか
632 :
君は「引力」を信じるか?
633 :
>>631
×靴を履いていては握れる筈がない
○事実握っている
634 :
>>622
めだかなら多分、そういうの関係なく一方通行を完成させて勝てると思う
635 :
王土△
この速度だと多分gep行きだろうけどぜひ続けてほしいです
636 :
>>610
不条理の連続にもはや言葉もない白井黒子の前で。
先程までの気迫は何処へやら、フゥーと額の汗をぬぐいながら上条当麻が振り返った。
「ま、間に合ったぁ… いやー途中で美琴と合流してなかったらどうにもならなかっただろうし…
って都城先輩がそこにいるのはわかるけど何でオマエはそんなにボロボロになってんだぁ!?」
そう驚いた上条当麻の邪気のない顔を見て、眼下では心配そうにこちらを見上げている愛しのお姉様を見て。
白井黒子は嬉しさのあまり、泣き笑いのような顔でフニャフニャと言葉を唇にのせた。
「…バカですの …みんな…みんな 大バカ者じゃないですの…」
そう言ってグスッと鼻をすする白井黒子を見て都城王土が面倒臭そうに眉をひそめた。
「…おい上条」
「えっ?あ、はい、なんでしょか都城先輩?」
そう言って振り返った上条当麻に向かって都城王土は苦笑しながらこう言った。
「涙と鼻水まみれの女など俺はお断りだ。 そら、女で苦労するのには慣れているのだろう? 遠慮せず受け取るがいいぞ」
そう言って。
都城王土はポーイと腕の中の小さな少女を上条当麻に向かって放り投げたのだ。
637 :
めだかちゃんは技食らうか 誰かが能力の解説したら
理解して完成させると思うよ
638 = 636 :
「ちょっ!? 何を考えてるんですのぉーっ!?」
突然の浮遊感に驚いて抗議の声をあげる白井黒子の目に映ったのは面白そうにニヤニヤとした笑っている都城王土だった。
「いやいやいきなりそんなマジっすかぁぁぁああああ!?」
驚愕の声をあげながら緩やかな放物線を描いた少女を慌てて受け止める上条当麻。
そして何とか無事に少女を受け止めることはできたのだが何故か腕の中で白井黒子がプルプルと震えているのに気付く。
「え、えっと…… 大丈夫か?」
何となく声をかけづらい雰囲気のまま、腕の中にいる少女に向かってそう声をかける上条当麻だったが。
腕の中で勢い良く立ち上がった少女にガゴン!と顎を打たれ、上条当麻は「そげぶっ!?」と奇妙な声をあげて悶絶する。
そして当の本人、白井黒子は上条当麻がぶっ倒れたのにも気付かずにムキーと激昂して憤慨していた。
「ちょ…ちょっと…都城さん? いやもうこれはどう考えても酷すぎじゃあないんですの!?」
ツインテールの先っちょまで怒りに身を震わせる白井黒子だがそれは無駄な労力である。
既に都城王土はそこにはいなく、白井黒子の文句は虚空に吸い込まれて消えていく。
都城王土は階段も使わずに10メートルは優にあるであろう半壊した部分から地面に向かって飛び降りていたのだ。
あんにゃろう傷が治ったらしこたま鉄矢ぶちこんでやりますの!と腕まくりをしそうになってふと気が付いた。
「……あぁ。 そうでしたわね。 人の話など聞くような殿方ではないんでしたっけ」
どうせ都城王土に文句を言ってもそれは無視されるか茶化されるだけなんだろうと思って、けれどそれが言うほど嫌なわけではなく。
苦笑してしまう白井黒子の隣にはようやく顎の痛みから回復した上条当麻が立っていた。
639 :
こんな時間まで感謝
640 = 636 :
「アイタタタ… いや、っていうか俺らも降りましょうよ、ね?」
そう話しかけてきた上条当麻に向かってポツリと白井黒子が真顔になってこう問いかけた。
「貴方…怖いとか恐ろしいとか思わないんですの?」
唐突にそう言われキョトンとした顔をする上条当麻だが、それが真剣な質問であると判って顔を引き締めた。
あたりをキョロキョロと見回して誰にも聞かれないように注意をしながら上条当麻は白井黒子の耳元に口を近づける。
「まぁ怖いっちゃ怖いけど…ほら、それがアイツとの約束だしな」
約束?と白井が繰り返すと少年は小さな声で
「そう、約束だ。アイツとアイツの周りの世界を守るって約束したんだよ」
それは上条当麻の記憶。
ヒビわれた仮面の奥からこちらに問いかけるその声は、今でも上条当麻の胸に信念となって刻まれている。
【――守ってもらえますか?】
そう問われて。 上条当麻は頷いて。 約束したのだ。
【いつでもどこでもまるで都合のいいヒーローのように駆けつけて】
名も知らぬ己の生命を狙ってきた敵といえど。
【彼女を守ると――約束してくれますか?】
それは男と男の約束。
641 = 636 :
だから上条当麻は“アイツ”を全力で守る。
守ってみせる。
“御坂美琴”がどこにいてもヒーローのように駆けつけて守りきるのだ。
そう言ってどこか恥ずかしそうに鼻の頭をポリポリと掻きながら上条当麻が白井黒子に恐る恐る問いかけた。
「あー… でさ。 俺は今、そいつとの約束をちゃんと守れてるか?」
その問は。
「えぇ。 ちゃんと守れてますわ。 …半分ほどは」
間髪いれない白井黒子の答えに半分だけ肯定されて、それを聞いた上条当麻は笑った。
「そっか。 それじゃあ残りの半分も守らないとな」
その屈託の無い笑顔を見て白井黒子は思う。
あぁ。確かにこの少年は、都城王土が言ったとおり。
お人好しで大バカ者でそして金髪の男とはまた違う道を歩く男なんだな、と。
642 :
上条さんは上条さんで
ベッタベタな王道を歩いてるよなw
644 = 636 :
――そして地上では。
空から降ってきたこの偉そうな男は誰よ?といった目をしている御坂美琴を完全に無視して都城王土が行橋未造に話しかけていた。
「さて、どうなったのだ行橋? 俺に事情を簡潔に話せ」
「うん☆ 任せてよ王土!」
そう聞かれ行橋未造が待ってましたと言わんばかりに返事をする。
行橋未造にとって都城王土は絶対である。
彼に仕え、補佐し、役に立つことこそが行橋未造の喜びなのだからただ話を聞かれるだけで嬉しいのだ。
「えへへ! えーっとね☆ あのゴーグルをしていた女の子とはもう話がついてるよ☆」
そう言って御坂妹と何らかのコンタクトを取ったことを伝える行橋未造。
勿論自己紹介などしている余裕はなく、王土が名前を知るわけもないが言われてみればこの場にあの青ざめた顔をした少女の姿はない。
けれど。
都城王土はそれを聞いてもフムとだけ頷いて続きを促す。
これ以上考えたりはしないし考える必要もない。
それは都城王土と行橋未造の絆の深さそのものだ。
都城王土にとって行橋未造が何を考えて誰とどんな話をしたかなんてことは関係がない。
だが都城王土は行橋未造の好きにさせる。
そう、行橋未造がすることならば。
それはきっと確実に都城王土の為を思ってのことなのだ。
645 = 637 :
行橋の特技 変身が見られると信じて!
646 = 636 :
そして。
もしもそれが都城王土が知っておかねばならぬことならば、行橋未造は黙っていても全てを伝えているはず。
だから都城王土はそれ以上深く聞くこともせず、ただその小さな頭を撫でた。
「ふむ。 さすがは俺の一番の側近だ。 喜べ。 この俺が褒めてやろう」
やわらかい髪をクシャクシャとかきまわすそのゴツゴツとした手。
小さな頭を撫で回す乱暴な感触にされるがままになりながらも行橋未造が嬉しそうな声を出す。
「えへへ… 今更当たり前じゃないか☆ ボクは王土の語り部でボクは王土の忠臣でボクは王土の臣下なんだからさ☆」
今、行橋未造が仮面の下で満面の笑みを浮かべているということなど都城王土は見なくても判る。
だからほんの少しだけ。
水中を数十時間潜水する巨大な鯨がほんの僅か空気を取り込むだけの僅かな間だけではあるが。
静かな褒賞の時間がその場を支配した。
誰も邪魔が出来ないその儀式のような時間。
そして…都城王土はゆっくりと行橋未造の頭から手を離して遠くを見る。
もう息継ぎの時間は終わりだ。
自分から離れていく都城王土を見て、思わずその背に飛びつきたくなる衝動にかられた行橋未造だが、そういう訳には行かない。
都城王土は絶対者で解析不可能な男なのだ。
だから、ここで彼の足を引っ張ってはいけない。
共に歩くことは自分には出来ないが、それでも彼の後ろについてその背を追うことは出来る。
行橋未造はそう思いながら都城王土を見送るのだ。
647 = 627 :
行橋マジ健気。可愛い。
649 = 636 :
それが意味することそれはつまりこれより再び、都城王土と行橋未造は二手に別れて行動するということ。
「よし。 ならば行橋よ、判っているな? 俺は先に行く。 後の事は任せたぞ」
そう聞かれて行橋未造は己の役回りを思い出して、道化のような仮面をつけたままエヘヘ!と笑う。
「大丈夫に決まってるじゃないか☆ ボクにまかせてよ王土☆」
その言葉を聞いて満足そうに都城王土が笑い、そして次の瞬間、都城王土が大地を蹴った。
純粋な筋力のみで人はこうまで速く動けるのだという事実をその場の全員の目に焼き付けながら都城王土は瞬く間に姿を消したのだ。
都城王土からは逃げられない?
否。
都城王土が追うのではない。
ただ“都城王土が進む先にいる” ただそれだけのことなのだ。
大地を蹴り、重力を無視したように風を裂く都城王土が向かう先はあの赤毛の少女の絶望のように黒くポッカリと口を開けた学園都市の闇。
ならば。闇を照らすのは何なのかなど今更問うまでもないだろう
己は太陽と匹敵すると豪語する都城王土がその闇の中を眩く照らしていく。
…そして当然。
太陽があれば月がある。
金髪紅眼と白髪紅眼。
まるで太陽と月のように対照的な二人の男が再度邂逅を果たすということだ。
650 = 636 :
都城王土のその姿が消えるまでその場に立ってただ見送ることだけに務めていた行橋未造がようやく振り向いた。
そしてこちらを見つめていたままの御坂美琴に向かってトテトテと歩み寄る。
「はいこれ! ケータイ電話ありがとね☆」
そう言ってファンシーな携帯電話を御坂美琴に差し出す行橋未造。
だが、御坂美琴は都城王土と行橋未造の掛け合いがまるでラブシーンのように見えてしまいポーッと頬を染めていた。
「……え!? あ、あぁ別にいいわよ? でも君、携帯電話持ってないの?」
ようやく我に帰り、そう言いながら屈んで行橋未造の頭を撫でようとした御坂美琴だったが。
その手が頭に触れるよりも早く、行橋未造の身体がクルンと宙に浮いてから放った回転蹴りがポコンと御坂美琴の胴体にヒットする。
「お、おぅふ!?」
行橋未造にとっては手加減も手加減、軽ーい一撃ではあったのだが。
それでも御坂美琴は脇腹を抑えてヨヨヨと崩れそうになる。
「……ち、ちょっとアンタ! いきなり蹴っちゃダメでしょ!」
思わずそう子供をたしなめる口調で行橋未造を怒った御坂美琴だが。
「コラー☆ タメ口はダメじゃないか! ボクはこう見えて高校三年生なんだからね! 長幼の序はちゃんと守りましょー☆」
えっへんと胸をはる行橋未造のそのセリフを聞いてぽかんと口を開ける。
なーんかこの台詞聞き覚えあるわー、と思いながらも御坂美琴は仕方なく渋々と言い直した。
「…い、いきなり蹴るのはお止しになってください?」
オッケー☆と言って頷く小さな子供を見て、御坂美琴は疲れたような溜息を吐くしかなかった。
みんなの評価 : ★★★×5
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