私的良スレ書庫
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元スレ姫「こんにちはー!」魔王「……は?」
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魔王「それとも、何か不都合でも?」
王「……私は、私は……」 カタカタ…
姫「……いっそ、伝えたたらどうです、お父様。わだかまりを残したままでは、和解など成功しないでしょう」
王「姫……だが…」 チラッ
魔王「どうぞ。何か言いたいことがあるのならば、存分にお話ください」
王「……」
王「……私は、私は……」 カタカタ…
姫「……いっそ、伝えたたらどうです、お父様。わだかまりを残したままでは、和解など成功しないでしょう」
王「姫……だが…」 チラッ
魔王「どうぞ。何か言いたいことがあるのならば、存分にお話ください」
王「……」
王「わ、私は……」 グッ
王「私は魔王が、怖い…!」
魔王「……」
王「あなたは覚えているのだろう!? 私の父が、そのときの勇者が、魔族にしてきたことを……!
なのに、何故その話題に触れぬのじゃ…! 何か腹に一物を抱えているとしか思えぬ!」
魔王「……覚えていますよ。昨日あったことのように、鮮明にね」
王「……!」 ビクッ
魔王「…王様、あなたは私を怖いと仰った。ですがそれは私も同じなのです」
王「何…?」
魔王「私だって、怖い。数百年前のように、また魔族が裏切られることになるのではないかと」
魔王「だから和解など、彼女に頼まれたときも、考えることなく断ってしまった」
魔王「私は弱いのです。今だって、落ち着いてるように見せているけれども、体中冷たい汗が流れている」
王「では、何故……何があなたに勇気を与えたのだ」
魔王「はは、勇気なんてそんな大層なものじゃあありません。ただ私は、本当の平和が欲しくなった。忌まわしい過去に、終止符を打ちたかったのです。それは、勇気からじゃない。弱さからだ」
王「弱さ、から…」
魔王「ですが、考えさせてくれる機会を与えてくれたのは、彼女ですね。そして、私の話を親身になって聞いてくれた側近だ」
姫「魔王様……」
側近「……ふふ」
魔王「だから和解など、彼女に頼まれたときも、考えることなく断ってしまった」
魔王「私は弱いのです。今だって、落ち着いてるように見せているけれども、体中冷たい汗が流れている」
王「では、何故……何があなたに勇気を与えたのだ」
魔王「はは、勇気なんてそんな大層なものじゃあありません。ただ私は、本当の平和が欲しくなった。忌まわしい過去に、終止符を打ちたかったのです。それは、勇気からじゃない。弱さからだ」
王「弱さ、から…」
魔王「ですが、考えさせてくれる機会を与えてくれたのは、彼女ですね。そして、私の話を親身になって聞いてくれた側近だ」
姫「魔王様……」
側近「……ふふ」
王「恨んでは、おらぬのですか……! あんなこと、許せることではないでしょう!?復讐しようとは思わないのですか!?」
魔王「…恨み…ですか。当然、恨みましたよ。こちらはただ和解を望んでいたのに、成功したと思ったのに、裏切られ、父や兄や家来を殺され…その上…」
姫「……この剣の、飾りの一部にされた」
魔王「腹ただしかった、殺してやりたかった。すぐに戦争でも何でもして、あなたの国を滅ぼしてやろうと思ったこともありました
王「……」
魔王「でも、考えたんです。私が戦争をすると言えば、確かに魔界のものは喜んで手伝ってくれるでしょう。しかし、自分の憎しみを優先して、魔界のものを巻き込むのが、国を統べる者として、本当に正しいのかと。
戦争になれば、魔界の者だって何人も命を落とすことになる。私怨で他人の命をどうこうできるほど、果たして私は偉いのかと」
魔王「それに、もう誰かを失う悲しみは、知りたくないし、誰かに味合わせたくもないんだ…」
魔王「…恨み…ですか。当然、恨みましたよ。こちらはただ和解を望んでいたのに、成功したと思ったのに、裏切られ、父や兄や家来を殺され…その上…」
姫「……この剣の、飾りの一部にされた」
魔王「腹ただしかった、殺してやりたかった。すぐに戦争でも何でもして、あなたの国を滅ぼしてやろうと思ったこともありました
王「……」
魔王「でも、考えたんです。私が戦争をすると言えば、確かに魔界のものは喜んで手伝ってくれるでしょう。しかし、自分の憎しみを優先して、魔界のものを巻き込むのが、国を統べる者として、本当に正しいのかと。
戦争になれば、魔界の者だって何人も命を落とすことになる。私怨で他人の命をどうこうできるほど、果たして私は偉いのかと」
魔王「それに、もう誰かを失う悲しみは、知りたくないし、誰かに味合わせたくもないんだ…」
魔王「だから私は戦争だけは起こさないと誓った。無下に人を殺すこともしないと。そして考えて、平和に近付くための一番良い選択はやはり和解だと思ったため、こちらに参ったのです」
王「…私は、何て愚かなんだ……!」
魔王「……」
王「私は自分のことばかり…いや、自分のことしか考えていなかった! 国民のことはおろか、国のためにと考えてくれた姫の言葉を無視して…自分の意思を優先させた……!」
姫「お父様……」
王「今日だって! あなたが本当に和解をしたいと申しておるのに、疑って、怯えていた!」
王「…私は、何て愚かなんだ……!」
魔王「……」
王「私は自分のことばかり…いや、自分のことしか考えていなかった! 国民のことはおろか、国のためにと考えてくれた姫の言葉を無視して…自分の意思を優先させた……!」
姫「お父様……」
王「今日だって! あなたが本当に和解をしたいと申しておるのに、疑って、怯えていた!」
王「その上、過去のことを謝りもしないで……本当に、申し訳なかった…! 私は自分が恥ずかしくて仕方がない……!」 バッ
魔王「……顔を上げてください、王様。昔のことはもう過ぎたことです。それにあのことは、あなたが関与したことではない。あなたは悪くありません」
王「だが、それでは私の気がすまぬ……! あなたの話を聞き、あなたの懐の大きさと真摯な言葉に感動いたしました! 許していただけるなら、許していただきたい! だが、そのためにも償いをしたいのです…!」
魔王「……償い、ですか…」
王「ええ……! 償いをして、そして魔族との和解をしたい……!」
魔王「……顔を上げてください、王様。昔のことはもう過ぎたことです。それにあのことは、あなたが関与したことではない。あなたは悪くありません」
王「だが、それでは私の気がすまぬ……! あなたの話を聞き、あなたの懐の大きさと真摯な言葉に感動いたしました! 許していただけるなら、許していただきたい! だが、そのためにも償いをしたいのです…!」
魔王「……償い、ですか…」
王「ええ……! 償いをして、そして魔族との和解をしたい……!」
魔王「和解していただけるだけでもありがたいのですが……そうですね…では、3つだけお願いがあります」
王「は!」
魔王「一つは、国民に昔あったことの本当のことを知らせてください。魔族が歩み寄ろうとしたこと。そしてこれは、あなたには酷というものかも知れませんが……当時の王と勇者がしたことを」
王「……!」
魔王「できますか?」
王「必ず……必ずさせていただく!」
魔王「もう一つは、この勇者の剣の飾りになった、私の父と兄の目を返していただきたい」
姫「あ……それもそうよね。お父様、外してもいい?」
王「ああ……とってくれ」
王「は!」
魔王「一つは、国民に昔あったことの本当のことを知らせてください。魔族が歩み寄ろうとしたこと。そしてこれは、あなたには酷というものかも知れませんが……当時の王と勇者がしたことを」
王「……!」
魔王「できますか?」
王「必ず……必ずさせていただく!」
魔王「もう一つは、この勇者の剣の飾りになった、私の父と兄の目を返していただきたい」
姫「あ……それもそうよね。お父様、外してもいい?」
王「ああ……とってくれ」
姫「……」 ぐ、ぐ
魔王「……」
姫「はい……」
魔王「……ありがとう」
魔王「……」
魔王「お帰りなさい、お父様……お兄様」
側近(魔王様……あんなに優しい微笑みは…初めて見ました…) じわ…
魔王「……」
姫「はい……」
魔王「……ありがとう」
魔王「……」
魔王「お帰りなさい、お父様……お兄様」
側近(魔王様……あんなに優しい微笑みは…初めて見ました…) じわ…
魔王「最後に一つですが……」 ちらっ
姫「?」
魔王「あなたは素晴らしい姫君をお二人お持ちでいらっしゃる。どうか、お二人とも同じように大事にしてあげてください。彼女達は、この国にとってかけがえのない存在になるでしょう」
姫「ま、魔王様……!」
魔王「……これで、私の願いは終わりです」
王「ほ、本当にそれだけでよいのですか!?」
魔王「ええ。あなたが本当に守ってくれるのならば」
王「それはもちろんですが……そうだ!」
魔王「?」
王「どうぞ、二姫をあなたの妃にしてくださいませ!」
魔王「は……」
二姫「なっ」
姫「えええええええええええええええ!?」
姫「?」
魔王「あなたは素晴らしい姫君をお二人お持ちでいらっしゃる。どうか、お二人とも同じように大事にしてあげてください。彼女達は、この国にとってかけがえのない存在になるでしょう」
姫「ま、魔王様……!」
魔王「……これで、私の願いは終わりです」
王「ほ、本当にそれだけでよいのですか!?」
魔王「ええ。あなたが本当に守ってくれるのならば」
王「それはもちろんですが……そうだ!」
魔王「?」
王「どうぞ、二姫をあなたの妃にしてくださいませ!」
魔王「は……」
二姫「なっ」
姫「えええええええええええええええ!?」
魔王「あ、あの。それはいくらなんでも急な話じゃないかと!?」
王「なに、この二姫はまだまだ若いが器量の良い娘です。親の私が言うのもなんですが、見た目も申し分なく育った」
魔王「それは否定しませんが……! そもそも私は嫁を娶るつもりはないのです!」
王「でも…」
魔王「ああああ!! なれば、私はこちらの姫をいただきたく存じます!」 バッ
姫「!! ままままままま魔王様!?」 カアアアア
側近「おやおや」にこにこ
王「おお、それはいい考えであるの! 姫も年頃じゃ、ちょうど良い」
魔王(…この王は何を考えているんだ……俺は魔物だぞ…!?)
王「なに、この二姫はまだまだ若いが器量の良い娘です。親の私が言うのもなんですが、見た目も申し分なく育った」
魔王「それは否定しませんが……! そもそも私は嫁を娶るつもりはないのです!」
王「でも…」
魔王「ああああ!! なれば、私はこちらの姫をいただきたく存じます!」 バッ
姫「!! ままままままま魔王様!?」 カアアアア
側近「おやおや」にこにこ
王「おお、それはいい考えであるの! 姫も年頃じゃ、ちょうど良い」
魔王(…この王は何を考えているんだ……俺は魔物だぞ…!?)
勇者と魔王の子供ってどうなるんだろうね?
女勇者は女しか産まないってことは…
女勇者は女しか産まないってことは…
魔王「と、とにかく。お互いの意見も一致したことですし、和解はこれで決まりということでよろしいですね…?」
王「ああ。すぐに過去の話を新聞にして配ろう。そして、明日には城の外で国民に謝り、和解の件を話す」
魔王「……これから、どうぞよろしく」 さっ
王「こちらこそ…!」 ぎゅっ
姫「……良かった。本当に…良かった!」
二姫「おめでとうございます!お姉さま……!」
王「ああ。すぐに過去の話を新聞にして配ろう。そして、明日には城の外で国民に謝り、和解の件を話す」
魔王「……これから、どうぞよろしく」 さっ
王「こちらこそ…!」 ぎゅっ
姫「……良かった。本当に…良かった!」
二姫「おめでとうございます!お姉さま……!」
―――…
姫「魔王様、本当にありがとうございました」
魔王「ああ、姫も。よくやった」
姫「……お帰りに、なるのですか?」
魔王「ああ。俺も魔界の者に和解の話をしなければならないからな」
姫「さみしくなりますね」
魔王「なあに、いつでも会えるさ。和解したんだから」
姫「…魔王様」
魔王「うん?」
姫「私、本気で魔王様が好きなの……! さっきの話はうやむやのまま終わったけれども、私は本気なの!」
魔王「姫……」
姫「魔王様は…?さっきの、私をいただくっていうのは……?」
魔王「……」
魔王「姫。駄目なんだ。俺は魔物で、お前は人間だ。…許されない」
姫「そ、そんなの関係ないよ! 大切なのは気持ちじゃないの!?」
魔王「俺は、お前らと違って年をとるのも遅い。死ぬのだって何百年後だ。俺は確かにお前に魅かれているよ。だからこそ、駄目なんだ。分かってくれ」
姫「……私はあきらめないよ! 和解だってできたんだもの! ずっとあきらめない!絶対あなたと結ばれてみせる!」
魔王「……お前ならやりそうで、怖いな」 くすっ
姫「……」
魔王「時間だ…帰らねばならん」
魔王「元気でな。二姫にもよろしく」
姫「魔王様ァ…」 ぐすんっ
魔王「お前の泣き顔は、愛くるしくて困るな…」 ちゅっ
姫「……!」
魔王「じゃあな」 フッ
姫「あ、魔王様…!」
魔王「俺は、お前らと違って年をとるのも遅い。死ぬのだって何百年後だ。俺は確かにお前に魅かれているよ。だからこそ、駄目なんだ。分かってくれ」
姫「……私はあきらめないよ! 和解だってできたんだもの! ずっとあきらめない!絶対あなたと結ばれてみせる!」
魔王「……お前ならやりそうで、怖いな」 くすっ
姫「……」
魔王「時間だ…帰らねばならん」
魔王「元気でな。二姫にもよろしく」
姫「魔王様ァ…」 ぐすんっ
魔王「お前の泣き顔は、愛くるしくて困るな…」 ちゅっ
姫「……!」
魔王「じゃあな」 フッ
姫「あ、魔王様…!」
姫「………」
二姫「…お姉さま? 魔王様は帰られたのですか?」
姫「っ二姫……う、う、うあ…うああああああああああんっ!」ぎゅうっ
二姫「お、お姉さま!?」
姫「魔王様のアホー! ばかあああああ!」 ぐすぐす
二姫「お姉さま…」
―――…
―――…
側近「よろしかったのですか」
魔王「…うん?」
側近「あのまま姫をさらっても、何の問題もなかったでしょうに」
魔王「だから、言ったろ。俺はあいつと違って長く生きるんだ。俺はこれ以上誰かの死で悲しみたくないんだよ」
側近「…本当に弱虫ですね、ちょっとあきれましたよ」
魔王「なんとでも言え。どうせ、すぐに忘れるさ」
魔王「……いい男なんて、五万といるからな」
姫「魔王様ほどの良い人そうそういないよ」 ぬっ
魔王「そんなことは…って、何でいるんだよ!?」
側近「あら、こんにちは姫様」 にこにこ
姫「お、お忘れかしら? 私は魔法学校主席の姫よ! 転移魔法くらいよ、余裕よ」 ぜーはーぜーはー
魔王「言葉と身体があってないぞ」
姫「その言葉はぜひベッドの中でいやらしく言ってもらいたいですね!」
魔王「死ね」
姫「やだもう過激ぃ☆」
魔王「…何しに来たんだよ?」
姫「言ったでしょ、私はあなたをあきらめないと! だから私は今日からここで暮らします!」
魔王「なんだかすごくデジャヴなんだが…」
姫「ふふふ、覚悟してね、魔王様!」
魔王「……手加減してくれよ、お姫さま」 ふっ
end
魔王「言葉と身体があってないぞ」
姫「その言葉はぜひベッドの中でいやらしく言ってもらいたいですね!」
魔王「死ね」
姫「やだもう過激ぃ☆」
魔王「…何しに来たんだよ?」
姫「言ったでしょ、私はあなたをあきらめないと! だから私は今日からここで暮らします!」
魔王「なんだかすごくデジャヴなんだが…」
姫「ふふふ、覚悟してね、魔王様!」
魔王「……手加減してくれよ、お姫さま」 ふっ
end
おもしろかった
>>1乙!
>>1乙!
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