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元スレ阿良々木「今日は暇だけどさ」
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>>99
それ別の人
それ別の人
「結局、お兄ちゃんはなんだかんだいって火憐ちゃんばかり甘やかすんだね」
しばらく月火は僕等を白い目で見つめ続け、
手に持っていた鉄アレイを玄関に放り投げて(!)
そう呟きながら自室に帰ってしまった。
「……ありゃ、相当キテるな」
「なにがだ?」
「月火ちゃんだよ、仲直りしてまだあまり経っていないけど
こりゃまた月火ちゃんが爆発しそうだ」
「ふぅん? 私が兄ちゃんを独り占めしてるのが気に食わねーのか?」
「それは違うと思う」
学校の無い休日以外はほぼ毎日いまみたいなやりとりをしてるからなぁ、
火憐は好き勝手にやってるだけだし、僕ももう適当に流してるから
月火一人がそういう意味じゃ割り食ってるとも言える。
そもそもとして月火は基本的に当事者じゃないしな。
ううむ。
そういう、一歩引いた立場だからこそ
やっぱり気になって首を突っ込みたくなる気持ちはよくわかる。
お前には関係ないだろ、と言われる立場だからこそ周りがよく見える。
月火は、位置的にはそういう所にいるのだろう。
だからもどかしくて、むず痒いのだろう。
兄としてそれはどうにか解消してあげたいと思うし、
現状を打破しないとまた喧嘩して仲直りして喧嘩してと繰り返してしまうとも思う。
人間関係は、骨と違って折れた後強くなるとは限らない。
何度も繰り返せば愛想を尽かし二度とくっつく無くなる事だってある、
兄妹だから、その耐久が高いだけで。
勘当という、親が子を見捨てる言葉がある中で、
兄と妹が普遍だなんて思うほど僕は正直じゃない。
「兄ちゃんどうした?」
う~ん、羽川さんのお言葉の所為だろうか。
こんなに変に感傷的になってしまうのは、
穿って物を考え過ぎな傾向があるな僕は。
だから今日は普段ならとっくに振り払ってる火憐を
まだ腰にぶら下げたままにしてるんだ。
「世の中ままならねえなぁって」
そんなことを、丁度良い位置にある火憐の頭を撫でながら思った。
―――
月火が相当キテるどころか
来るとこまで来ていた、行く所まで行っていた、という事に気が付いたのは
僕にしては妹に対して殊勝な、
前向きで歩み寄るような、そんな珍しい感情を持った。
その直後と言っても差し支えない、翌々日のことだ。
「もういい加減にしてっ!」
言うは安し、行なうは難し。
感情を持ったところで特に行動を起こせない薄くて弱い僕に、
月火はとうとうぶち切れて、断ち切った。
これまでの空中ブランコしていた僕達の全てを。
この日も避けることも受けることもできず受けた火憐のタックル。
そして月火がやってきて怒り、火憐が反発し、僕が呆れる。
そこまでは確かに同じだったのだ、
月火の手に一昨日よりさらに重量が増した鉄アレイが握られていたのも
まだよくある光景で済んだ。
「まぁまぁ月火ちゃん、言っても聞かないんだからさ。
怒るだけ疲れるぞ? どうせ月火ちゃんには関係のないことなんだからさ」
けれど、僕の台詞がまずかった。
圧倒的に不味くて、絶望的に悪かった。
月火の氷点下にある沸点でずっと煮えていた怒りを、
つついてかき混ぜてしまった。
そして、あの悲鳴にも似た絶叫と共に、
月火は二つ合わせて十六キログラムにもなる鉄の塊を振りかぶって。
・ ・ ・ ・ ・ ・
そして振り下ろした。
こともあろうに、誰よりも側で、誰よりも長く、一緒の時間を過ごしてきた
ファイアーシスターズの相棒。阿良々木火憐の頭頂部に、思い切り、
なんの手加減も無く、なんの躊躇いも無く、なんの衒いも無く。
西尾っぽい雰囲気だな
けどギャグパートは難しいんかね?
前にあららららあぎさんと八九寺たんがけいおんについて話すSSがあったが
二人のやりとりを完璧にコピーできてすごかったな。タイトルなにか知らないが
また見たい
けどギャグパートは難しいんかね?
前にあららららあぎさんと八九寺たんがけいおんについて話すSSがあったが
二人のやりとりを完璧にコピーできてすごかったな。タイトルなにか知らないが
また見たい
>>110
まとめサイトで丁度見てたがコレじゃないかな?
八九寺「阿良々木さんはけいおん!をご存知ですか?」
http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51513800.html
違ったらごめんね
まとめサイトで丁度見てたがコレじゃないかな?
八九寺「阿良々木さんはけいおん!をご存知ですか?」
http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51513800.html
違ったらごめんね
>>111そ れ だ
ありがとう見てくるわ
ありがとう見てくるわ
鈍い、硬い骨と鉄がぶつかる音が、立て続けに二回。
そして僕に抱きついていた腕から力が抜け
火憐の身体が廊下のフローリングにべちゃりと倒れる。
「う、うおっ!? おまっ、なにしてんだ月火ちゃん!」
月火は殴った事で火憐に対する興味を無くしたかの様に
ぽいと一昨日と同様に鉄アレイを放り投げた。
着地したのは、玄関ではなく火憐の倒れた身体の上。
「火憐ちゃんも、お兄ちゃんも」
そこで一拍置き、月火は突然の事態に困惑する僕を尻目に
腰に手を回して手放した鉄アレイの変わりに一度も使われてない
置物となっていたデカいガラスの灰皿を取り出し。
「だいっきらい!」
火憐に続いて僕の頭を思い切り殴打して、
そのまま家をでていってしまった。
「い、……っちー」
素敵に灰皿の角が刺さった側頭部を擦りながら
月火が裸足のままでていった玄関を眺める。
あいつこめかみをストレートに狙いやがったぞ、
僕がちょっとした不死身じゃなかったらどうするつもりだ。
「っと、それより火憐ちゃんだよ!」
じくじくと痛む頭を押さえながら
まだうつ伏せに倒れたまま動かない火憐の肩を掴んで抱き起こす。
灰皿で殴られても卒倒しそうなくらいダメージを受けたんだから、
鉄アレイで二連撃を喰らった火憐はどれ程のものか――。
「あー、痛かった。月火ちゃんもう行った?」
「……まぁある程度は予想してたけどな」
兄の心配は、ものの見事に杞憂で。
火憐は僕は抱き起こしてすぐに目を開いて起き
殴られた後頭部を適当に擦りながら自分の足でまっすぐ立っていた。
「お前、本当に人間か?」
「私が人間だ」
「じゃあ僕は化物でいいよ」
え~、……どこぞの誰かみたいな発言はスルーするとして。
「しっかし、マジでお前大丈夫なのか?
流石にそれは鍛えてるからってレベルじゃないぞ、限界突破しすぎだ」
「私のポニーテイルは天を貫くポニーテイルだ!」
「はいはい格好良い格好良い」
言いつつ僕も立ち上がる。
足もふらつかないし軸もぶれちゃいない、
でもそれはあくまで人間の範囲を超えた能力故であって。
僕よりも破壊力のある攻撃を食らってただの人間である火憐がピンピンしてるってのは、
……解せないにも程がある。
「とりあえず火憐ちゃんこっち向いて屈んでみろ」
「なんだ? キスしてくれるのか?」
「僕とお前の身長差はそこまでじゃねえよ! 屈まれないでもキスできるわ!」
「ほう、本当か?」
「当たり前だ! 三つも年下の妹にそこまで身長差をつけられてたまるか!」
「じゃあやってみてくれよ」
「いいぜ! 火憐ちゃんが屈まなくても全然普通にキスできるって所を見せてやる!」
このアラララさんはもう駄目だ…
月火ちゃんは俺が貰っておこう
月火ちゃんは俺が貰っておこう
――閑話休題。
「そうじゃなくて殴られた所が大丈夫かどうか
確認しようとして屈めって言ったんだよ僕は!」
「しっかりキスした後に気が付くとは流石だな兄ちゃん」
「うるせえ! もう一回屈め!」
「兄ちゃんその台詞は結局微妙に届かなかったという事を暴露してるぜ!」
なんだよ、そんな目で僕を見んな。
「たんこぶができてる位で別に大したことはないっぽいな……」
何事も無かったかのように火憐の髪を引っ張って
無理やり確認してみたが、陥没するどころか
つむじ付近にでけえたんこぶが一つできてるだけで
本当に大したことがないように見える。
「月火ちゃんは最初からこの程度で済むとわかっててぶん殴ったのか?」
「どうだろうな~。確かに月火ちゃんは私の頑丈さをよく知ってるけど
別に重傷になっても構わないって程度に本気で殴ったようにも感じたぜー」
「また他人事みたいに言うなお前は、唐突に殴られて怒ったりしないのか?」
「どんだけ殴られても生きてればそれで万事解決だ」
「火憐さんは本当Mカッケーな」
>>126
「とりあえず火憐ちゃんこっち向いて屈んでみろ」
「なんだ? キスしてくれるのか?」
「僕とお前の身長差はそこまでじゃねえよ! 屈まれないでもキスできるわ!」
「ほう、本当か?」
「当たり前だ! 三つも年下の妹にそこまで身長差をつけられてたまるか!」
「じゃあやってみてくれよ」
「いいぜ! 火憐ちゃんが屈まなくても全然普通にキスできるって所を見せてやる!」
「ただし背伸びはしちゃだめだぜ? そして私は正面を向いてるからな」
「くっ……、やってやる!」
「とりあえず火憐ちゃんこっち向いて屈んでみろ」
「なんだ? キスしてくれるのか?」
「僕とお前の身長差はそこまでじゃねえよ! 屈まれないでもキスできるわ!」
「ほう、本当か?」
「当たり前だ! 三つも年下の妹にそこまで身長差をつけられてたまるか!」
「じゃあやってみてくれよ」
「いいぜ! 火憐ちゃんが屈まなくても全然普通にキスできるって所を見せてやる!」
「ただし背伸びはしちゃだめだぜ? そして私は正面を向いてるからな」
「くっ……、やってやる!」
>>124
トリップで検索してみてください
トリップで検索してみてください
実の妹に頭を殴打されたにも関わらず
ケロッとした顔でそんな発言をできるとは、
本当に器が広いのか神経が太いのか。
「とにかく、いくらお前が大丈夫といっても頭は怖いからな。
お前は部屋に戻って少し休んでろ」
幾ら頑丈でも中身の方はそうでもないのだから、
とりあえずは安静にした方がいいだろう。
僕の方は、もう完治したし。
「兄ちゃんはどうするんだ?」
「僕は少し休んだら月火ちゃんを探しに行くよ。
靴も履かずに飛び出していったから心配だしな」
いいながら月火ちゃんがぷっつんする少し前に脱いだ靴を履きなおす。
制服のままだけど、まぁ大丈夫だろう。
少なくともミニスカ着物の月火よりは良い。
「そっか、じゃあ、うん、兄ちゃんに任せるよ」
「へぇ……」
てっきり自分もついていくと言うと思っていたんだけど。
流石に火憐でも月火が切れた原因を考えたら
僕と二人で探しに行くという選択はとり難いか。
「さて、行ってくるよ」
「万一家に帰ってきたら携帯に電話するからな!」
「わかった。安静にしてるんだぞ」
「合点承知のすけ!」
火憐と手を叩きあって家をでる。
さて、今回はどっちのパターンだろうか。
こうして月火が怒って家をでるのは実の所そう珍しい事じゃない、
小さい頃から度々気に食わない事があると突発的に家から逃げだしたりしていた。
大抵そういう場合は見つけてもらうこと前提で、
ちょっと探せばすぐ見つかるような場所に一人でいじけていたりした。
それは子供らしい些細な反抗と、
自分をそんな風にしか表現できない不器用さと、
どんな形でも良いから自分を見て欲しいという自己顕示欲と、
色んな物が綯交ぜになった感情の結果で。
月火がでていってしまってからも
僕と火憐が存外あっさり、というか冷静なのも
きっと今回もそういう類の物で、近くにわかりやすく佇んでいるのだろうと思っていたからだ。
「……居ないな」
けれど、今回は、もう一つのパターンだったらしく。
僕が自転車を緩いスピードで暗くなった街を徘徊しながら
思い当たる場所を見渡しても月火の姿はなかった。
「忍、おきてるか?」
自転車を一旦公園で止め、
街灯の下で輪郭をはっきりとさせた自分の影に声を落とす。
傍から見れば独り言にしか見えない僕の声を受けて、
僕の影から二本の腕が伸びる。その細く白い手が地面を掴むと
自分の身体を影から引き上げるようにそのか細い体躯がゆっくりと姿を現す。
「ふん。いきなり頭を鈍器で殴られて起きない訳がないじゃろうが」
吸血鬼の成れの果て、僕の主人にして、僕の従者である所の忍野忍は
そんな心の底から不機嫌そうな台詞と共に登場した。
非常に頼みごとをし辛い雰囲気である。
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