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    元スレ唯「さばいばる!」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - サバイバル ×2+ - 良スレ + - お漏らし + - かずにゃん + - けいおん! + - たま + - ばいはざ + - ほうかごティタイム + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    301 = 229 :

    鉈やらナイフやらがごろごろと律の足元には転がっていた。
    薬品とかその他という少々分類が投げやりな仕事をこなしながらも、
    薬品はいつまでも見つからなかった。
    軽いフライパンやまだ切れるナイフや包丁は見つかったが、
    薬品だけはどうにも見つかってくれない。

    302 = 229 :

    「ったく、なんで薬箱とかないかなー」

    非常用の薬箱などがどこの家にもなかった。
    ちょっとした消毒薬や風邪薬の類もない。

    「仏壇やマッチ、洋服や乾パンは放置して薬はないのかよ。」

    マッチやろうそくを仏壇から奪いつつ、その違和感が増す。
    まるでわざと薬だけが抜き取られたかのような感覚。

    303 = 257 :

    しえん

    304 :

    りっちゃん死なないかなー

    305 = 292 :

    ざわ…

    306 = 229 :

    「まあ仕方ない。ドクダミを搾ったやつと生の葉、ムギが乾かした葉をもっていこう」

    万能薬ドクダミ、味はまずいしにおいもきついがとても体にいい。
    虫刺されなどにも有効であるから覚えておいて損はない。
    薬にはかなわないところもあるが健康にはとてもいい。
    筆者もドクダミの葉にはとても世話になった。

    フライパンや包丁を厳選して選び、
    臭い液を生の葉から大量に濾して、
    それらを詰めようと鞄をもつ唯のほうへと向かった。

    307 = 257 :

    かきためてないのか?

    308 = 229 :

    まだ熟れきってないトマトもいくつか収穫して、
    くわえてキュウリとナスを袋に詰めてムギも戻ってきた。
    それなりの食糧と服、道具は揃った。

    「食べ物はいっぱい用意があるね」

    「多分、三日から五日は十分持つわ」

    手元に乾パンや塩、野菜を並べてムギがほほ笑む。
    半熟のトマトなどは持って歩いていく途中で
    すっかり赤くなるのを見越してのことで食糧に不備はない。

    「水はどうするんだ?」

    「一リットル入る水筒が十本あったけど……」

    「そんなに持ってくわけにはいかないよなあ……」

    水筒は大きさも重さも探索の邪魔になるのは自明だ。
    水を摂取する必要がある以上は手放せないが多くは持っていけない。

    「何リットル持ってくかが問題だな」

    「一人一本?」

    「もう少しほしいかな」



    「はい、秘策があります!りっちゃん隊長!」

    309 = 229 :

    「じつは鞄をたくさん持っていこうと思ってるんだよ」

    「はぁ?」

    「一人当たり鞄を三個持ってくの!」

    秘策。それはまさに奇策。
    とりあえず鞄をたくさん持っていくという物量作戦。
    服も食糧も水も道具も大量に持っていける。
    すくなくとも物資面では最高の状態だ。
    しかし、それでは

    「馬鹿だなぁ、そんなんじゃ重くてろくに行動できないだろう?」

    パフォーマンスの低下は避けられない。

    「そこで秘策なんだよ」

    「秘策?」

    そう、この秘策は二段構え。

    310 = 229 :

    「かばんをどんどん捨ててくの」

    瞬間、激震が走った。

    「そうか、水筒や使った服を途中でパージして」

    「うん、体力がなくなってからは軽くなったほうがいいよね」

    つまりは活動範囲が広がるたびに身軽になり、
    体力的にも最善が尽くせるというわけだ。

    「つかわなそうな道具は途中に置いていって」

    「必要だったら戻ればいい!」

    まさに名案。この行動方式をとれば、五日は集落に戻らなくてもいい。
    五日もあれば見つかるだろうという律の目論見からすれば十分だ。

    その日三人は乾パンと野菜スープでしっかりと昼と夜を食べて早めに休養した。

    「明日か……」

    ドクダミ臭い手を何度も洗ってから律は深い眠りに就いた。

    311 = 229 :

    遭難五日目Aパート

    早朝にナスのスープをたっぷり飲んで水分を補給し三人は鞄を持った。
    荷物はずっしりと重かったが、日が昇り切る前に三人は、
    集落からかつて人が浸かったであろう道を進み、出て行った。
    ゴミだらけで唯たちが漂着した砂浜からの探索は厳しい。
    どちらの方角に伸びているかも分からないが、
    集落から伸びている道に従って歩いてみる。
    その道はちょうど浜とは反対側で形としては山登りに近い。
    坂は非常に緩やかであった。
    集落から延びていた道ということはつまり、
    その先にも集落のような生活スペースがあったであろうと推測できる。
    三人は早朝の涼しさが残るうちにずんずん突き進んでいった。

    312 = 229 :

    驚いたことにこの間三人の会話はほぼ全くなく。
    ほとんどジェスチャーだけで行動していた。
    明るくて涼しいこの時間になるべく行動しようという
    暗黙の了解が徹底され、無駄な動きはなかった。

    探索には澪たちの命のみならず三人の生存にも深くかかわる。
    決して生半可な気持ちでやっていいものではないのだ。
    無謀な行動がそれすなわち全体の死となる。
    口にもなにも含まずに三人はせっせと登って行った。

    313 = 229 :

    (暑くなってきたな)

    相当な距離をあるいた気がする。
    実際は勾配が急だったり曲がりくねった道を歩いていたから、
    そんなに歩いたわけではないのかもしれない。

    太陽が完全に姿を見せているのも気になった。
    まだ集落からでてそんなに立っていないはずだが、
    日差しを見たところもう10時近い気もする。

    実際自然の中では時間や距離の感覚がつかみにくい。
    自分がどれだけ疲れているのかもよくわからなかった。
    小休憩をとるべきなのだろうか、判断がつかない。

    周りの風景はどんどん山のそれになっていく。
    木々が日差しを時折遮るが、そこまでカバーしていない。
    髪の毛が日光で熱を持つのを感じていった。

    疲労が浅いからだろう。三人の歩調はいまは揃っていた。
    しかし誰かの疲労がたまりすぎればすぐにでも崩れかねない。
    集団でのサバイバルでは調和が大事な要素である。

    日差しはますます強くなる。

    314 = 229 :

    唯と紬に目でサインを送って休むべきだろうかとサインを送る。
    二人がうなずいた。
    なかなか休むのに適した場所も見つからなかったので、
    休むことは決まったがしばらく歩き続けた。
    休むことが決まると体が早く休息をほしがっているのか、
    パフォーマンスが低下した気もするが三人は歩く。

    (暑いなあ、長袖より半袖のがよかったかなあ?)

    (どのくらい歩いたのかしら……、日がずいぶん高くなっている……)

    紬と律は太陽の高さが気になり、ちらちら見てみる。
    しかし普段から太陽を観察しない限りは細かい時間はわからない。

    (早朝ではないか……)

    しばらく歩くとお堂のようなものが見えてきた。

    315 = 229 :

    修正

    唯と紬に目で合図を送って休むべきだろうかとサインを送る。
    二人がうなずいた。
    なかなか休むのに適した場所も見つからなかったので、
    休むことは決まったがしばらく歩き続けた。
    休むことが決まると体が早く休息をほしがっているのか、
    パフォーマンスが低下した気もするが三人は歩く。

    (暑いなあ、長袖より半袖のがよかったかなあ?)

    (どのくらい歩いたのかしら……、日がずいぶん高くなっている……)

    紬と律は太陽の高さが気になり、ちらちら見てみる。
    しかし普段から太陽を観察しない限りは細かい時間はわからない。

    (早朝ではないか……)

    しばらく歩くと先にお堂のようなものが見えてきた。
    律が二人に指さしてそれを伝える。
    最初の休憩地点は決まった。

    316 :

    さる

    317 :

    318 = 229 :

    「ったく、いま何時くらいなんだろうな……」

    「りっちゃんはどう思う?」

    「11時前後じゃないかなぁと思うんだ。すごい暑いだろ?」

    「私も同感。だけど……」

    「そう、だけど集落から七時間近く歩いた記憶はない」

    クモの巣だらけのお堂で律と紬が相談する。
    キュウリを少しずつかじりながらお堂の外に目をやる。
    太陽はぎらぎらと元気なご様子で、
    だいぶ向こうに集落の屋根らしきものが見えた。
    距離感がいまいちつかめないがそれほど歩いたとは思えない。

    「歩いての感じだとせいぜい四時間ぐらいしか……」

    「そうだな。4時半に出てきたとして8時が妥当なラインかもしれない」

    外の熱さと体力の消耗は大きかった。
    だいぶゆっくりだが荷物を背負って休まず移動するのは体力を使う。
    少なくとも律と紬は暫く歩けそうにない。

    320 = 229 :

    唯はお堂のはじでどの荷物を置いていくかの判断に時間にあたまをやっていた。
    思った以上に歩いて行くのは暑い。
    すでに三人とも衣類は汗まみれである。
    お堂についてすぐにぼろ布でふいて着替えたが、
    このペースでいくと服は案外大量に使うことになるかもしれない。
    だが歩いてみると服は結構重いのだ。

    (こんなときに憂がいてくれたらいいのになあ……)

    三人の使用済みをまとめて、鞄から出した風呂敷で包む。
    とりあえず使った服は置いていこうと決め、
    律と紬の会話に入って行った。

    321 = 247 :

    サンダルで靴擦れしたら最悪だな

    322 = 229 :

    「どの服を置いてくか決まったのか?」

    「とりあえずは使ったものを置いてくよ」

    「思いのほか脱ぎ着するものね」

    食糧はともかくとして、
    律もいくつかの必要のなさそうなものを置いていった。
    出刃包丁や錐などといった使い道がないこともなさそうなものは隅にやる。

    三人はキュウリで水分補給と腹ごなしを終えて、
    (紬は暑いときは火をなるべく使わない生がいいと踏んでいる)
    お堂の中で昼寝休憩をすることにした。
    ちょうど木陰になっていて、風も通るので、
    この快適な環境で熱さをのりきることにしたのだ。

    323 = 275 :

    もっと!もっと!

    324 :

    さわ子先生は無事だったのか…?

    支援

    326 = 275 :

    私怨

    327 = 229 :

    足はサイズもいまいち合わないし歩きにくかたったが、
    三人ともそこまで問題はなく、
    お堂で寝ている間はドクダミを湿布にして保護した。
    このドクダミ湿布は臭気は最悪だがそれなりに効く。

    三人は起きたらお堂付近を少し探索して、
    道が続く限り山を再び登っていくことにした。

    328 = 290 :

    澪梓はいまだに水着なんだっけ?

    329 = 229 :

    遭難五日目Bパート!

    遭難者の朝は早い。澪と梓は起きてすぐにタンポポ茶を入れて、
    蛇苺を錠剤のようにして飲んだ後、タンポポの茎で歯を磨いて
    かまどに殻無しドングリをくべてあくをぬいてから再び煮、
    しっかりあく抜きしたたんぽぽの葉のサラダと一緒に食べる。

    330 = 229 :

    澪と梓にも作業着と安全靴がだんだん板についてきた。
    ストレスやカロリー低下で体はほそくなったが、
    健康食品のようなものばかりを食べているせいか、
    ハングリーさと腹はつよくなったようだ。
    本来なら消化に悪いドングリも、
    しっかりゆでてしっかり噛むことで食べやすくし、
    タンポポの有効成分が胃を強くする。

    蛇苺も、錠剤のようにのむことの効果かはたまたプラシーボか。
    二人の健康状態を好転させているようだ。

    331 :

    >>330
    >>328に対する>>1の優しさが見えました

    332 = 229 :

    「日が昇る前に食糧を補充しに行こうか……」

    ドングリでもさつく口を水で潤しながら澪はドングリの選別を行っている。

    「百合根は取るのやめましょう。数に限りがありますから」

    そのよこではせっせとドングリを網に入れて、梓も水に曝す作業を手伝っている。
    時折、鍋の中の塩の様子を観察しながらドングリを川に持っていく。
    ドングリの選別と水さらしは労力の割に取れる量が少ない。
    塩の生成といっしょにやらなくては割に合わないものだ。

    「じゃあ、何にする?タンポポはすぐにとれるぞ?」

    「澪先輩」

    「何だ?」

    梓が片手に何かを持って澪の隣まで来る。

    「むしって食べれますかね」

    そのてにつかまっていたバッタを見て、澪は卒倒した。

    333 = 234 :

    イナゴは上手いで

    335 :

    梓アグレッシブルだなw

    336 :

    合流はまだか!

    337 :

    そろそろ俺パートか…

    339 = 229 :

    イナゴだとか種類は梓にはわからなかったが。
    水溜りの近くの草むらに目を凝らせばそこらじゅうにいる。
    いままでは気にしていなかったのだが急に美味しそうに見えた。
    何かが急に食べたくなる状態は身体のサインである。
    余談だが、筆者は公園でバッタをたくさん捕まえていた時期がある。


    「それだけはやめろ!」

    「なんでですか?おいしそうですよ」

    「そんな気持ち悪いもの食えるかー!」

    「でもたんぱく質の源になるんじゃないですかこれ?」

    「ダメ!絶対ダメ!無理!キャラ的にもまずいよ!」

    「いまさらキャラとかどうでもいいじゃないですか、私は食べます」

    手につまんでいたバッタを口に持っていく。

    「生はだめえええええええ!」

    340 :

    ごきにゃん、捕食する

    341 = 247 :

    ああ、雑食性だもんな、しょうがないよな

    342 = 234 :

    まさかの生

    343 = 229 :

    とりあえずは梓は後ろ足をとって動きを封じ、
    黙々とフライパンにバッタをぶち込んでいった。
    あまりに大きくて梓でも引くようなもの以外は、
    どんどん捕まえて炒ることにした。

    澪は横で失神していたが、気にせずに作業する。
    香ばしい香りと少しの青臭さがする。
    揚げものをしている時のにおいと少しだけ似ている。
    塩をおおめにまぶして、焦げない程度に炒る。
    さすがの梓も冷静になるとバッタが全部グロいことに気づいたが、
    ここで食べるのをあきらめるわけにもいかない。

    だがフライパンの上のバッタを一匹ずつ食べる勇気はない。
    タンポポの葉をかじって一休みしながら考えをめぐらす。
    タンポポ……、タンポポ……。


    「そうだ!タンポポ!」

    344 :

    友達がバッタ捕まえてはひっこ抜きしてたの思い出した…
    体がゾワゾワする

    345 = 229 :

    香ばしい香りとタンポポ汁の匂いで目を覚ます。
    むこうで梓が昼飯の準備をしてくれている。
    どうして自分は寝ていたのか。
    何も思い出せなかった。

    (いやな夢を見た気がする)

    内容は思い出せないがグロテスクなイメージが頭の中に去来する。

    「おはよう梓」

    「やっと起きてくれましたね、澪先輩」

    「悪い悪い。いいにおいだな」

    「ええ、お昼ごはんできましたよ」

    梓が二人分の汁をよそって、ドングリを二つよこした。
    なんだかとっても腹が減っていたので汁を勢いよく飲む。

    何ともいえぬまろやかさだ。

    346 = 229 :

    芳醇なまろみが口に広がる。
    いままでのそれよりも明らかに美味い。
    出汁のうまさ、あるいは脂のうまさとでもいうのか、雑草料理が華やぐ。
    口のなかのいくつかの固形物を噛む。
    タンポポは心なしか苦みが弱く、噛みやすいように感じた。
    何かはサクサクしていてクルトンのような味わい。
    絶妙の塩味がいい味出している。

    「きょうの汁はうまいな……」

    「ええ、材料が違いますから」

    347 = 234 :

    バッタって美味いのか・・・

    348 = 240 :

    イナゴが食えるんだからバッタだっていけるだろjk

    350 :

    汁物にすれば割と何でも食えるよな


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