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    元スレ唯「あずにゃん、エレベーター動かない…」

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    タグ : - + - アリアンロッド + - エレベーター + - エレベーターあずにゃん + - サトシ + - バイオハザード + - バイハザ + - ポケモン + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    151 = 84 :

    どんだけ狭い世界だよ

    152 :

    一期で唯はあずにゃんにチューしようとしてたし

    153 = 8 :

    最新話でもチューしようとしてたな

    154 :

    唯の本命はわちゃんだけどな
    OPで唯がわちゃんにキスしようとしてたから間違いない

    155 = 1 :

    「憂ちゃんはどうして唯を応援することにしたんだ?」

     話を変えようとする自分が嫌だったけれど、どうしても聞いておきたかった。
     憂ちゃんだって――傍から見ていても、唯に並々ならぬ感情を持っている気がしたからだ。

    「和さんと話し合ったんですよ。お姉ちゃんの気持ちは本当なのか、って」

    「和はなんて言ってたんだ?」

    「……『それよりも憂、唯の気持ちを肯定したらあんたの唯への気持ちも危うくなるんじゃないの?』」

    「って、言ってました」

     うわ……さすがに鋭いな、和は。
     私たちのことまで言われてる気がしたよ。

    「ねぇ、澪さん」

    「何?」


    「……恋愛感情って、なんですか?」

    「……ごめん。答えられない」

     答えられたら、最初から悩んでないよこんなこと。

    156 = 1 :

     日差しが緩まっていることに気づいて、空を見上げた。
     いつのまにか雲がまた空を覆い隠していて、今にも雨が降り出しそうな天気だった。

    「とにかく今はお姉ちゃんたちを探しましょう」

    「そうだな。こう暑いと、唯の身が危ないかもしれないし。早く探さないと」

     それは、私や律の問題先送り宣言にも聞こえた。
     それどころじゃないを言い訳にして、何回逃げてきたんだろう?

    「……とにかく、日差しも弱まってきたしそろそろ行こうか」


     そんな矢先、耳慣れない着信音が聞こえた。
     憂ちゃんの携帯だった。

    157 = 1 :

    「はいもしもし……えっ、純ちゃん? 今どこにいるの? ……ああ、おばあちゃん家だったんだ」


    「……え? 梓ちゃんの行きそうな場所が分かるの?」

     えっ、見つかったのか?

    「……うん、うん。わかった。この街ではあるんだよね? そう、たぶんそのこと言ってたんだと思う!」

     憂ちゃんの目が輝いていく。
     慌ててカバンからノートとペンを取り出し、憂ちゃんに渡す。
     これは……見つけたかもしれない!

    「それじゃあ住所を――え? それは分からないの? あっちょっと電波が…」

     切れてしまったらしい。
     まただ、これじゃあ律の二の舞だ……。

    「ごめんなさい、向こうの携帯だと思います……」

     でも、少しは進展があったみたいだ。
     あとはどうにかして鈴木さんに連絡を取れれば……

    「じゃあ、律たちに伝えとくよ。そろそろ唯たちを助けてやらないといけないしな!」

     そう言って携帯を開こうとしたとき、今度は私にメールが入った。

     ……梓からだった。

    158 :

    廃ビルのエレベーターって動くのか?

    160 :

    管理されてたら動くだろ
    でもそれじゃ廃ビルじゃないな

    161 = 35 :

    うまいこと進んでるのか?

    162 :

    もう時間は諦めて投下すればいいと思うよ

    163 = 101 :

    さっさと投下してほしい
    全裸で待ってるから

    164 = 1 :

    しばらく意識失ってた
    めんぼくねぇ
    最低限、今までの時間表記には矛盾しないように再構成する

    165 = 8 :

    最悪時間表記は気にしないでいいから是非とも完結してくれ

    166 = 1 :


    【2010年08月15日 17:52/Nビル前】

    「澪、このビルだ!」

     数十分前のどしゃ降りが嘘のように晴れ出したころ、二人が閉じ込められてるらしいビルにたどり着いた。
     時々まだ遠くに落ちる雷の音に身をすくめながらもどうにか坂を上りきると、律が手を振っていた。
     律の横にはムギとさわ子先生。入り口に車が止まっているから、みんな先生の車で来たのだろう。

    「言われたものは持ってきたぞ、早く行こう」

    「ねえ、憂ちゃんは?」

    「電波つながりにくいだろ? だから住宅街側で救急車呼んでもらうことにしたんだ。二人を確認次第、私がメールで憂に伝える」

    「とにかく急ごう、梓のメールを見る限りだと結構重傷みたいだぞ」

     私は真っ先にビル構内に入ろうとする――だが変なところでバランスを崩してしまう。

    「……大丈夫かよ、澪ー」

    「二リットルペットボトルとか運んでみろ、誰だってこうなるよ」

     するとムギが「ちょっと貸して」と言うなり私のリュックサックを受け取って、軽々と背負った。

    「さ、急ぎましょ?」

     ムギ、すごいな……。

    167 = 1 :


    「しかし暗いな……どうしたんだ?」

     懐中電灯を握りしめた私たちは三階まで階段で駆けあがり、エレベーターに向かった。
     条件反射的に「開」ボタンを押す――開くはずがない。

    「これですんなり開いたら笑うよな」

    「そんなこと言ってる場合か!」

    「いてっ」

    「ふふっ」

     思わずいつもの調子でつっこみを入れてしまう。
     でも、少し緊張がほぐれた。

    さわ子「あんたたち、時間も気にしなさいよ…」

     キャンプ用電気ランタンをフロアに据えたさわ子先生が、あきれ顔で言った。

    168 = 1 :


     ミーティングは三十秒で終わって、それぞれ位置に着く。
     さわ子先生とムギがドアを力技でこじ開ける。
     そこに小柄な律が入って、通気口から梓に指示を出す。
     私は荷物運びで疲れているからと、律の補助をすることになった。

    「澪、後ろから落とすなよ? ダチョウ倶楽部とかそーいうの求めてないからな?」

    「ふざけてないで準備しろ」

    「わーかってるって」

     律はそういって部室から持ってきた懐中電灯を握りしめた。
     横には長いバールを持ったムギと先生。

    さわ子「ムギちゃんいい? いくわよ」

    「はい!」

     二人が力を加える。
     開かずの扉がこじ開けられた。
     すぐさま律が飛び込む。

    170 = 1 :


     中では入り口三十センチ下の中途半端な位置に停止したゆりかごが一台。

    『いるのか?! 唯、梓、大丈夫か?』

     そう呼びかけたしばらく後、律が私たちの方に叫ぶ。

    「いた! やっぱ唯たちここだった!」

    「そうか! じゃあ二人ともいるんだよな?」

    「ああ、いるいる。早く憂ちゃんに連絡してくれ。早い方がいい」

    「わかった、行ってくる」

     そのまま飛び出そうとして――でも一瞬不安になって――振り返った。

    「なんだよ」

    「律も、気をつけろよ」

    「わーってるって」

     笑顔で即答してくれた。
     私は今度こそ階段を駆け降りて電波の届く範囲に向かった。

    171 = 1 :


     けれども外に向かおうとした矢先、メールが届く。
     電波状態が悪いせいで途中で切れてるものの、憂ちゃんから「救急車呼びました」って内容だとはわかった。
     安心して一息付き、きびすを返してエレベーターホールへと再度向かう。
     憂ちゃんも、いてもたってもいられなかったんだろうな。

    「おい律」

    「うわ、なんだよいきなり?! 行ったんじゃなかったのか?」

    「憂ちゃんもう呼んじゃったらしい、たぶんこっち向かってると思う」

    「お、ラッキーじゃん! あずさー、救急車早く来るってよ?」

    『そうですか、じゃあこっちもそれまでがんばります!』

     今日初めて聞けた梓の、少なくとも無事そうな声。
     ……涙が出そうになった。

    173 :

    話飛んだ?
    支援

    177 :

    寝落ち?

    178 :

    りっちゃんが何をしたって言うんだ

    180 :

    これは気になる

    181 = 1 :


     それからしばらくの間は応急処置も順調だった。
     私が処置内容を律に伝えて、律に照らされた梓が唯に手当てをする。
     停電状態で暗く暑い中だったけれど、律やムギたちと話しながらだったから気にならなかった。

    「ってか澪ってひどいと思わねー?」

    「なんだよいきなり」

    「だって『一番小さいのお前だからお前が入れ』とかって言ったんだぜ」

    「そんなこと言ってる場合か!」

    「じゃあ澪が入れば? あっそれとも澪ちゃん暗闇が怖いとか――いだぃいだい!」

     ふくらはぎをつねってやった。

    182 = 1 :


     憂ちゃんがエレベーターホールに着いたのはその頃だ。

    「みなさん、救急車呼んできました!」

    「おーおかえり憂ちゃん! 今、澪が私の足つぼマッサージを――」

     ぎゅっ。

    「いだいいだいって!! ……悪かったよぉ、みおー」

    「お前はいい加減懲りろ。で、救急車は――」

     憂ちゃんは呼びかけた私にわき目も振らず、エレベーターの中に向かって叫んだ。

    「お姉ちゃん! 大丈夫なの!?」

    183 = 1 :


     私たちの声なんて聞こえもしない様子の憂ちゃんを、潜り込んだ律がどうにか抑える。

    「よしよし、唯は無事だから。っていうか二人入るとエレベーター動いたらヤバいから」

    「あ……すいません」

    「あっ憂ちゃん、救急車の方はどうなった? どのくらいで来るんだ?」

    「それが……さっきの停電のせいで事故があったらしくて、ちょっと時間かかるらしいんです」

     時間が掛かるって……こっちだって、一刻を争う事態なのに!

    「あっあの、二人はどうなんですか?!」

    「唯はいま梓に介抱してもらってるとこ」

     それでも憂ちゃんは落ち着きを取り戻せずにいた。
     あれだけ大切にしてた姉の一大事だ、無理もない。
     このままではエレベーター内に突入しそうな勢いの憂ちゃんを、律がどうにか諭す。

    「大丈夫。大丈夫だって、私たちがなんとかするから」

    186 :

    紫煙

    187 = 1 :

     憂ちゃんもいったんは引いたものの、やっぱり中が気になってしょうがないようだった。
     何もすることがない、何もしてやれないって状況に耐えられなくて、ずっとそわそわと動いていた。
     携帯電話を開いたり閉じたり、階段の方に向かって救急車を探しては戻ってきて、
     残ったポカリスエットのペットボトルを出したかと思えばしまう、そんな調子だった。

    「梓ちゃん! 聞こえるー?!」

    『全部聞こえてる、いま応急処置してるとこ!』

    「ねえ梓ちゃん、ほんとに大丈夫? 霧吹きは使ってる?あっヒヤロンはタオルに巻いて当ててね、あといきなり――」

    『律先輩から聞いてるよ』

    「……そんな、でも」

     ――大丈夫だから。

     梓はたった一言、憂ちゃんにそう言った。
     水面にぽとりと落ちた滴のように心の中で梓の声が反響する。
     芯の通った、結晶のように透明なその声だけで、たったその一言だけで本当に大丈夫に思えてしまった。

    「……憂、私たちは、大丈夫だから。」

     私はこの梓の声を一生忘れないと思う。
     いつか、歌詞として書きとめようと決めた。

    188 :

    唯に一体何が支援

    190 = 8 :

    寝たのか?

    192 :

    >>1がエレベータに閉じ込められたようだ

    193 :


    かずにゃんはどこじゃああああああ!!!!!

    194 :

    ドキドキしてオナニーどころじゃなくなった

    195 = 1 :

    「で……でも!」

     簡単には不安を消せない様子の憂ちゃんが、なおもすがる。
     唯に似て大きな瞳に浮かんだ涙をこぼさぬように、下唇に力をぎゅっと込めた顔で。
     公園のベンチで話した時もこんなような顔をしていたけれど「お姉ちゃんが見つかるまでは」と気丈に振舞っていた。
     でも……憂ちゃんにはもう限界だったんだと思う。

     律がそんな姿を見かねて、憂ちゃんに言った。

    「憂ちゃん、ここは梓を信じよう」

     伏せられた二つの目から涙があふれ、すぐにしゃくりあげるほどになってしまった。

    「ほら、もう夕方だしさ。これ以上暑くはなんないよ」

    「そう…です、ね」

     涙声になりながらも憂ちゃんは頷いた。
     これ以上暑くならなければいい、心からそう願った。

    197 :

    きてた

    198 = 1 :

    「梓ちゃん、お姉ちゃんを頼んだよ」

     涙声で、でも閉じ込められた梓にも聞こえるように憂ちゃんははっきりと言った。
     非常階段のほうから見える空は赤く染まり、すでに昼間の暑さは過ぎ去っていた。
     熱気を伴って吹いてくる風も、少しだけ涼しく感じる。

     よし、あとは救急隊が来るのを待つだけだ――

     胸をなでおろそうととした時、急に非常口の誘導灯に電気が点った。
     ついで廊下の照明、エレベーターの階数表示、さらには非常階段の照明が次々と瞬き、点いていく。
     これは――停電が直ったってことなのか?

    199 = 13 :

    りっちゃんにげてえええええ

    200 = 1 :

    「わっ……まぶし」

     どうやらエレベーターの室内照明も点いたらしい。
     不意打ちで強い光を浴びた律が目をくらませる。

    「律、停電が直ったみたいだぞ!」

    「う……それはよかった、梓たちも暑さから解放されるのか?」

     えっ……それじゃありっちゃん、そこに居たら危ないんじゃない?
     横でムギがそう言ってたけどそんなこと気にならなかった。

    「じゃあ……もう少ししたら救急車来るんですよね? お姉ちゃん助かるんですね!」

     憂ちゃんが泣き顔のまま、喜びの声を上げる。
     これで――唯も梓も助かる。一安心だ。あとは救急隊に任せよう。
     律も膝を折って身体を引きずるようにして、エレベーターの天井裏から這い出ようとした。

    「じゃあ梓、私はいったん澪のもとにもど

     その瞬間。
     つんざくような破裂音がした。
     とっさに身をすくめ、しゃがみこむ。
     耳を刺すような悲鳴。
     顔を上げると――エレベーターから出た下半身が痙攣を起こしていた。

    「律?! 律、おいどうしたんだよりつうっ!!」


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