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    元スレキョン「世界でたった一人だ」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - ゆがんだ + - キョン + - シリアス + - 涼宮ハルヒの憂鬱 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    301 = 267 :



    「敢えて知らないフリをしているのか、それとも本当に気付いていないだけか?」


    藤原は暗渠のような眼をしていた。


    「世界規模の世界創生。眠りに落ちる人間達。閉鎖空間内に在るだけで精神汚染を被るほどの狂気。……本当にあんたは、涼宮ハルヒを取り戻せると思っているのか? 
    ――主観を脱ぎ捨てて考えてみろ。不可能だ。涼宮ハルヒは完全に力の制御を失っている。どんなアプローチを試みようと、届きはしない。暴走のまま朽ちるだけの宿命だ。


    世界を救う唯一の方法は、―――涼宮ハルヒを殺すことだ」


    302 = 124 :

    消失そんなにいい出来なのか・・・
    調べてみたら近くの映画館全滅してて泣いた

    303 :

    テンポ最悪だろ・・・
    長すぎてgdgdだった

    304 = 129 :

    そうかい?
    俺は時間をまったく気にしないで没頭出来たがな。

    305 = 267 :


    「お前………!」


    俺は信じ難い思いで男を見返した。こいつ……!

    昼食会の時に、青少年らしい感情の振れ幅を見たように思って、ほんの少しだけ見直しかけていたんだが――前言撤回だ。


    「ふざけたことを……! んなもん、やってみなきゃ分からないだろうが!」

    「その意気で涼宮ハルヒにぶつかるのはいい。だが、駄目だった場合はどうする? 見過ごせば現状の世界は消えてなくなる。あんたは世界と共に心中しても悔いはないかもしれないが、あんたにも家族や知人はいるだろう。彼等にも同じ事を強いるのか?」

    藤原は「至って真っ当な提案」の一つとして、俺にハルヒを殺せと言っているのだ。それを理解した瞬間、心の臓が煮えくり返るような熱が、腹の底から噴きあがった。


    藤原の胸倉を掴み上げ、額を寄せる。睨むだけで人を殺せるなら、間違いなく俺は目の前の男を殺している。

    306 = 134 :

    俺なんて不覚にも泣きそうになったぜ

    307 = 117 :

    俺は泣いたよ 感情移入したらもうね…

    それと支援

    308 = 130 :

    みくる(大)のセリフで不覚にも…

    支援。

    309 = 204 :

    アニメで無くとか頭可笑しいんじゃないのこいつらしぇん

    310 = 267 :



    「涼宮ハルヒを殺した後、力は佐々木に譲渡すればいい。後の処理は僕と橘がやる。そうすれば、一時にせよ力は安定し、世界は安寧を取り戻す。
    要は涼宮ハルヒの命を惜しんで世界を崩壊させるか、涼宮ハルヒを殺して世界を救うかだ」


    俺は冷静になれ、冷静になれと言い聞かせながら深呼吸し、―――目鼻の近い男の顔に、思いっきり前頭部を叩き込んだ。


    藤原がよろめく。俺は全身で荒く息を吐きながら、藤原を突き飛ばした。細身の身体はコンクリートの地面に背中から倒れ込んだが、こいつがどうなろうとどうでもいい。


    「黙りやがれこの野郎。これ以上何か言ったらお前をぶん殴る」

    「……」

    「お前の指図を受ける義理はないんでな。俺は俺のやりたいようにやる。――絶対に、ハルヒを俺のやり方で止めてみせる」

    312 :

    こういう展開だと藤原の考えに賛成したくなるのは俺だけじゃないよね?

    驚愕でも思ったけどキョンさんは温厚じゃないと思います

    313 = 111 :

    あ?てめぇにキョンのなにが分かるってんだよ黙ってろや

    314 = 204 :

    黙るのはてめぇだ藤原の考えの方が正しいだろう

    315 = 275 :

    >>314
    まだ居たんだ 早く死ねよ

    支援

    316 = 117 :

    ケンカはやめて!支援

    317 = 111 :

    >>314
    あ?早く死ねよ

    318 = 204 :

    そんなに必死になって何怒ってるの?^^;

    319 = 117 :

    また下げ忘れたでござる

    320 = 267 :



    腫れた鼻梁をそのままに、暫く寝転がっていた藤原は、もう俺を見ることはなかった。

    弾き飛ばされたナイフは路地の脇に転がっていたが、其方の方すら見向きもしない。視線は果てない青空に向かいながら、独り言のように吐き捨てた。


    「――それがあんたの答えか。なら、それでもいいさ。あんたが助言を聞き入れずに後悔することになろうと、僕の知ったことじゃない。好きにするがいい」

    「ああ、そうさせてもらう」


    俺も藤原を見なかった。……それがこいつと会う最期の機会になるとは、思いもせず。





    青い光も収束、防壁の調整も完了。

    俺は不思議そうに俺と藤原のやり取りを眺めていた古泉を呼びつけ、閉鎖空間への侵入を頼む。古泉は二つ返事で了承すると、初めての遠足を楽しみにする子供のように、満面の笑みで俺の両手を取った。

    322 = 227 :

    >>318
    まだいたの?^^;早く死ねカス

    323 = 267 :




    藤原にあんなことを言われた所為だろうか。

    手応えのないゼリーに包まれるような、言い様のない感覚に身を浸しながら。俺は目覚める前に見た、夢のことを思い出していた。



    『しょうがないわね、あんたがそう言うなら。……何とか、あんたが来るまでもう一度踏ん張ってみるから』

    あの時ハルヒは泣きそうな顔をしていて、


    『キョン。あたしを―――』


    あの時ハルヒは、




    324 = 129 :

    喧嘩すんな
    譲り合いの精神を大切にな。 な。

    326 = 300 :

    誰か明日の朝まで残しといてくれないか
    お願いしますお願いします

    327 = 117 :

    せっかくの良ssなのにけんかすんなよ…

    329 = 124 :

    >>328
    かわいい

    331 = 312 :

    なんかごめん

    332 = 204 :

    お前ら皆死ねば良いよ

    333 :

    ID変わったら喧嘩やめろよ

    334 :

    平和的にな。支援

    335 :



    「――ようこそワンダーランド。アトラクションはグライダーですか、ウォーターフォールですか!」


    古泉の盛大な歓声に、俺は閉じていた瞼を開く。

    訪れたことは何度かあるから、多少は慣れていたつもりだった。――だが、その閉鎖空間内の光景には、度肝を抜かされた。

    あますところなく、万事が濃灰色で統一された世界。町並みなんてものはなかった。視界に映る限りの総てが瓦礫――山も丘もありゃしねえ。
    神人の群れに平らになるまで叩き潰されたのか、何処も彼処も、凹凸なんてものは無いに等しかった。廃墟すらも破壊し尽くされ塵に紛れた、荒廃の大地だ。



    「終わりの世界、ってやつだな……」


    見上げた先に、威容を誇る青白い神人達がひしめきあっている。……北高校舎の、すぐ周りだ。
    事前に聞いていた通り、紫色のドーム状のものが神人に護られるように備わっており、あれが長門の言う「内側の閉鎖空間」なのだと知れた。

    337 = 333 :

    339 = 335 :


    長門と周防の防壁の効果なのか、特別身体に変異があるということはないが、こっちは時間制限付だ。急がないとな。

    手を繋いだ状態で、酷くはしゃいでいる古泉の腕を引いた。この古泉も笑みがデフォルトなのは変わらないが、表情の質がくるくると入れ替わるので、見ていて複雑な気分だ。
    元の古泉なら、登頂した富士山が急に噴火しても晒しはしないだろう顔を、好きなだけ見せてくれるのだから。


    「――古泉、グライダーだ。終点はあの紫の塊の中。邪魔してくる奴らをよけて、あそこに辿り着かなきゃならん。……いけるか?」

    極秘任務とばかりに息を潜めて囁くと、古泉は邪気のない笑顔で、「やってみせます、ヒーロー」と頼もしい返事をくれた。

    340 :

    やっぱりおもしれーな 

    支援

    342 :

    小泉・・・
    何かなきそうだぜ

    344 :

    誰か明日の夜まで保守してくれ

    345 = 335 :



    ――だが、実際にやってみると、言葉通りとはいかなかった。


    何しろ神人の数が多い。「内側の閉鎖空間」を防護するように囲んでいる奴らだけで、五体はいるのだ。

    そいつらが密集して、腕を無造作に振り回し、脚をばたつかせているのである。

    すぐ傍から歩いて侵入するという戦法を取っていたら、俺は瞬く間に内臓を吐き出した蛙のようになっていただろう。


    突入方法は消去法で空からに絞られたが、其方もまた問題があった。

    俺は赤玉にはなれないので、人間型の古泉に抱えられる形で空を飛ぶしかないのだが、そうするとどうしても飛翔力が落ちる。すると、神人の鞭のような攻撃をかわしきれないのだ。

    俺の場合、高所から落下しただけで致命傷になり得るため、古泉も安易に放り出せない。俺がどうしても足手纏いになっちまう。

    三度の挑戦で敢えなく撃退されるとは、どうしたもんか。こうやって策を練り、試行錯誤を重ねる間にも、俺の持ち時間は刻一刻と減り続けている。

    348 = 333 :

    349 = 335 :



    何かを熟考するような素振りを見せていた古泉は、不意にポンと掌を打った。

    「……何か、思いついたのか?」

    余り期待せずに、しかし藁にも縋る思いで訊ねると、古泉は閃きの電球マークをオプションに加えたような勝ち誇った笑みで、

    「難関ですが、昇るより降りる方が早いですね。時間が入り用なら、急いで飛び込みましょう。賭け事は美味です」

    ……やはり、意味が分からなかった。



    その後、古泉のジェスチャーで、どうやら俺を背負いたがっているらしいと判断し、俺は古泉に後ろから乗り掛かった。
    赤い光に飲み込まれ、古泉が浮上するのに合わせて、俺の決して軽くない身も浮き上がる。

    ……詐欺はここからだ。

    途端、古泉の身体は猛スピードで、天頂でも目指す気なのかと疑うほど高く高くに上り詰めていき、俺は「懸命に」悲鳴を飲み込むはめになった。

    風を切って走る鳥は、こういう視点で空を飛んでるんだな――なんていう感想を抱けるだけの余力があるわけもなく、俺は振り落とされないよう必死で古泉にしがみつくしない。
    地面がみるみる遠くなっていくんだが、高所恐怖症だったら確実に失禁するレベルだぞ。


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