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    元スレキョン「世界でたった一人だ」

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    みんなの評価 : ★★
    タグ : - ゆがんだ + - キョン + - シリアス + - 涼宮ハルヒの憂鬱 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    102 = 68 :



    長門でさえ解析を断念するほどの閉鎖空間、んなデンジャー地帯で、古泉は神人相手に立ち回ってたってのか。

    神人を狩っても狩っても消滅しない、不毛の閉鎖空間で、ただ進行を遅らせて、俺を終末に間に合わせるためだけに――。


    俺は、拳を握った。力む腕を床に垂直に保ち、震えを押さえ込む。


    「古泉が、ハルヒの居場所に心当たりがあるらしいって話を聞いた。長門は、その場所を知ってるか?」

    「――古泉一樹の自我が保たれていたとき、受け取っている」

    103 = 68 :



    長門が見下ろす先で、無邪気に笑み此方を見上げている古泉一樹は、容姿こそ古泉の爽やかフェイスだが、雰囲気はまるっきり別人だ。
    それこそ、アリとキリギリスくらいの差異がある。しきりに眼球を動かし、落ち着きなく、突拍子もない独り言を呟く。喋る内容は支離滅裂で、わけのわからない解説を得手にしていた以前の古泉以上のわけのわからなさだ。

    こんなになるまで、俺の復活を信じて戦い続けた古泉の覚悟を、俺は無為にするわけにはいかない。

    ……絶対にだ。




    「―――教えてくれ、長門」



    俺の要請を、長門は一拍と置かずして、受諾した。


    104 = 67 :

    ワクワクが止まらない

    105 = 101 :

    ドキドキも止まらない

    106 :

    古泉イケメン杉

    107 = 68 :


    ・ ・ ・





    ………閉鎖空間内に、更に生じた小型の閉鎖空間が確認されている。

    云わば、二層の閉鎖空間の形成。

    拡大を続けているのは外側の閉鎖空間であり、内側の閉鎖空間は現在に至るまで大きさを変化させていない。

    外側の閉鎖空間であれば超能力者も出入りが可能だが、内側の閉鎖空間は侵入不可能である。

    また、内側の閉鎖空間周辺には神人が複数常駐しており、突破するのは容易ではない。

    ――涼宮ハルヒが在留しているとしたら、『内側の閉鎖空間』の中である可能性が高いと、古泉一樹は踏んだ。

    そして、『内側の閉鎖空間』に入り込むことを涼宮ハルヒに赦される者は、あなたしかいないと古泉一樹は考えている。

    108 = 101 :

    あれか

    閉鎖的閉鎖空間

    109 = 79 :

    >>108
    それなんて約束www

    110 :

    >>109
    わかるやつがいたか

    111 :

    寝るから保守よろしくな

    112 :

    >>108
    実は元ネタなんだ、すまない


    長門の簡潔な説明を受け、俺は古泉の説の妥当性を吟味した。

    確かに、モロに怪しい。閉鎖空間内に閉鎖空間が出来たなんて話は初耳だ。古泉たちにとっても、今回が初体験だったに違いない。

    ハルヒの失踪に合わせて、今までになかった「内側の閉鎖空間」が生じたのなら、そこにアイツがいる確率は高そうだ。

    問題は、本当に俺がその「内側の閉鎖空間」に侵入できるのかどうか。それに、「外側の閉鎖空間」を突破するにも超能力者の協力は必須だろうが、こんな状態にある古泉に俺の誘導役を任せるわけにはいかないだろう。
    他に使えそうな超能力者を確保しなきゃならんということだ。



    「他にも問題はある」

    長門はいたって平静な双眼を俺に向け、条件に付け加えを行った。

    「閉鎖空間内は、涼宮ハルヒの狂気に侵食された領域。超能力者ではないあなたが生身で入り込めば、あなたの精神が崩壊する危険性がある」

    「……そいつは、どうすればいいんだ?」

    「防壁の展開が必要。わたしの力を最大値まで抽出すれば、展開自体は可能。ただし、長時間の維持は難しい。わたし個人の能力では五分の維持が限界」

    113 = 110 :

    >>112
    見てる

    支援

    114 :

    >>110
    おうさ  その単語を見るまでに1ヶ月くらいかかったがなwww

    115 :

    これは続きが気になる

    116 = 110 :

    >>114
    やりこんでるな

    だがその単語が出るまで三日かからなかったぞ

    117 :

    約束は2章を永遠にループしてたな俺

    118 = 110 :

    >>117
    泣けてくるな

    119 = 112 :


    ―――五分、か。


    神人の包囲網を突き抜けて「内側の閉鎖空間」に潜り込み、ハルヒを見つけ出し、何とかして正気に還すか地上に連れ戻すかするための持ち時間が、たったの五分……。さすがに心許ない。

    最低十五分くらいは欲しいんだが、ないものねだりをしてみたところで、ここで頼りに出来るのは長門くらいだ。

    五分で、やるしかないか。

    どのみち放っておけば世界が終焉を迎え、作り直された新世界に過去総てが塗り変えられることになるのだ。当たって砕けるならそれまでのことだと、俺は腹を括るべきなのかもしれん。




    「閉鎖空間は既にかなり拡張しちまってるんだろ。俺たちに残された時間は、あとどれくらいだ?」

    「計算上では、残り二日と十時間。――七月七日の午後23:59をもって、閉鎖空間の展開は完了する」


    七夕の夜か。今朝の夢といい、つくづく因縁というものは絡み合って繋がるものらしい。
    それとも、これさえもお前のお膳立ての上なのか?


    ――なあ、ハルヒ。

    120 :

    続きが気になるのう

    121 = 114 :

    >>117
    誰もが通る道 下手すりゃ一章ループだww

    最初にクリアしたのは鶴屋さんルートだった
    まさかキャベツとはね…

    あと支援

    123 = 110 :

    >>121
    同じくwwwwwwwwww

    124 :

    名作の予感
    支援

    125 :

    これいつ頃終わる予定?
    寝るに寝られないじゃないか…

    126 = 112 :



    「……あの、長門さん」

    ふと、黙りこくって俺と長門のやり取りを見守っていた朝比奈さんが、応酬が途切れたのを幸いとばかりに口を挟んだ。

    「だれか、来たみたいです。その、ノックの音がさっきから鳴ってますけど……」



    俺は廊下側をばっと振り返る。――かん、かん、と金属のドアを打ち鳴らすような音が、確かに連続して響いていた。会議の方に夢中で、全く意識が行っていなかったようだ。


    「また増えますか。今日は多いですね、土鍋ですかね。僕はトリコロールを愛好しています、美味です」

    「……わたしが出る。あなたたちは此処にいて」


    古泉の外れた声を素通りし、長門は無音歩行で玄関へと向かう。俺は一体誰が訪れたものやらと、長門の前方を注視した。
    朝比奈さんの話では、殆どの人間は眠りに落ちているということだ。ということは、相手はまだ睡魔に侵されておらず、尚且つ長門の家を知る者に限られる。

    心当たりは片手の指で足りる程度だ。

    127 = 112 :

    >>125
    まだかなりかかりそうです
    今で予定の半分くらい

    128 = 124 :

    古泉の言動でディシプリン思い出した

    129 :

    がんばれ

    130 :

    明日までにのこってますように
    がんばってくれ

    131 = 124 :

    明日休みだから保守は任せろー

    132 = 125 :

    >>127
    今日の夕方まで残ってればいいんだが…

    133 = 114 :

    >>131
    うし 任せた 

    じゃあお休み
    最後に支援

    134 :

    >>131
    任せた

    135 = 125 :

    >>131
    じゃあ任せたぞ

    お休み

    136 :

    >>131
    頼んだ

    おれは寝る

    137 :

    >>131
    任せた

    おやすみ

    138 = 124 :

    >>133-136
    任せろ
    15分位に一回レスすれば大丈夫だよな?平日だし

    139 :

    >>131
    ここは任せたぜ

    おやすみ

    140 = 112 :



    「――吹き溜まりだな」


    そうして、その心当たりの中でも『顔を拝むのさえ腹立たしい奴』ナンバー1の声が、朗々と室内に響き渡るに至り、
    俺は漫画の一コマだったならば、間違いなく青筋をこめかみに浮き上がらせているだろう表情で、のっけから無礼な訪問者を睨み据えた。

    迷いもなく、泰然とした足取りでリビングに姿を見せた黒い衣裳の男は、俺の呪いを込めた視線など意に介した様子もない。室内を一眺めし、鼻でせせら笑っただけだ。


    古泉がダークサイドに堕ちたらこんな感じだろうか妄想してみたことがあるが、訂正だ。

    こいつはたとえ古泉が不法と不正の蔓延る闇の稼業に転身したとしても、その古泉の二十倍くらいは禍々しい笑みを履いている。よって性格も悪い筈だ。比べるまでもなくこっちの副団長の圧勝だ。未来人勝負なら同じ土俵にも立てやしないさ。

    142 = 124 :

    おまいらおやすみ支援

    143 :

    >>138
    この時間なら一時間に一回で十分
    あっでもサルさんがあるか
    一時間半仮眠とったら戻ってくんぜ

    144 = 124 :

    >>143
    了解
    とりあえず20分おき位に様子見に来るとするよ

    >>1さんは寝ないで最期まで書くのか?

    145 = 112 :

    >>144
    書けるとこまで書いて、(多分午前五時前くらいに力尽きると思うので)
    そこまでで終わらなければ仮眠を取って、昼過ぎくらいから再開できたらと。

    五時前までに終われれば一番なんですが。

    146 = 112 :


    俺はせいぜい嫌悪の表情を繕い、藤原とかいう偽名を名乗っている未来人と向き合った。


    「……何の用だ、藤原。ここはこっちのSOS団の仮アジトだ、お前たちに貸すスペースは置いちゃいないぜ」

    長門も素直にこんな奴を入れなくてもいいぞ。同じ部屋の空気を吸っても不快になるだけだ。

    吐き捨てた俺に、いけすかない未来人野郎はクッ、と皮肉げな笑みを零す。格好つけるような仕草が中々様になっているから、尚腹立たしさも増すというものだ。


    「珍しく意見が合致したな。僕個人としても、この澱んだ空気の中に一秒だって身を置きたくはない。――だが、仕方がないんだ。僕は僕でアンタ達に用がある。おいそれと追い出されるわけにはいかないんでね」


    藤原は元来た道を振り向き、「周防、来い」と短く呼んだ。

    ギョっとしたのは俺の方だ。長門は藤原を招きいれたときからその存在に気付いていたようで、平然としている。敵意が生じた様子もないってことは、長門と周防の間で、何らかのコミュニケーションが交わされた後なのだろうか。

    どうやら玄関先で待機していたらしい、光沢のある大量の黒髪がずるずると這い出、茫洋として揺れた。――ボリュームのある頭髪の真ん中からぼんやりと姿を現すのは、整った瓜実顔だ。

    周防九曜、天蓋領域。

    驚いたことに、その両腕には周防と同程度の身長をした少女が抱えられていた。

    147 = 124 :

    >>145
    了解です
    無理しないで頑張ってください

    148 = 117 :

    おやすみ支援
    >>147
    すまん
    あとは頼んだ

    149 = 124 :

    >>148
    任せろ、おやすみ
    さて、コーヒー用意するか

    150 = 112 :



    「橘さん……!」

    朝比奈さんが叫びを上げ、俺はそこで、少女が橘京子――古泉に対する立場の組織の人間であったことを思い出した。

    特徴的なツインテールが解けて、ただのストレートになっているから、一瞬誰だか判別がつかなかったのだ。

    瞼は閉じられ、傍目からも深い眠りに落ちていることが窺える。……俺は病院で眼にしたマネキンのような男性患者を想起し、息を詰めた。



    「橘も、駄目だったのか」

    現状、涼宮ハルヒの捜していた「不思議」に近しい人間ばかりが残っているのは明白だ。俺は何の力もない平凡代表だが、ハルヒの知り合いであり、「ジョン・スミス」の切り札を持つ点で例外扱いなんだろう。

    橘は佐々木を仰ぐ一派ではあるが、立ち位置としてはSOS団の古泉にあたる。他の誰より早く脱落するとは、予想外だった。


    「――此処に来る途中で『眠った』。橘は特殊な能力を佐々木に関して以外でこれといって持たない、ただの組織人だ。順序としては適当だろう」

    「……それが仲間に対する台詞か?」

    「アンタらがどういう絆を取り結ぼうが勝手だが、僕らの関係に友情ごっこを持ち込まないでくれ。反吐が出る」


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