元スレ佐天「学園都市に『鬼』が出るらしいよ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
301 = 280 :
鬼塚とアンチスキルのメガネが格ゲー勝負したらどうなるのっと
302 = 123 :
――鬼塚は夢を見ていた。
真夜中の国道、生温い風。
耳をつんざくような爆音、先を行くテールランプ。
湘南、ではない。三多摩。龍二と二人で流れた先でも結局『族』だった。
白い三多摩連合の特攻服。特攻一番機。
ロケットカウル。三段シート。木刀。
視線の先からはヘッドライトの嵐。
先を行くテールランプが点滅した。ブレーキランプの合図。そして――
鬼塚「うおぉぉぉっ! ぶっ殺せぇええぇええええ!!!!」
ガバッ!
佐天「きゃぁあぁっ!」
303 = 288 :
鬼塚より格ゲー強い内気な子って名前なんだっけ
304 = 123 :
ガラガラガラッ
初春「さ、佐天さん! どうかしたんですか!? って……」
鬼塚「はぁはぁはぁ……」
佐天「先生? 先生が起きた!」
初春「あ! 私、お医者さん呼んできますね!」
バタバタバタッ
佐天「先生……心配したよ……ほんと、本当に……(ぐすっ)」
鬼塚「おー、佐天、大丈夫だったかぁ?
それより、ここはどこだ? っつーか、煙草持ってねーか? 」
305 = 280 :
吉川だっけ?
306 = 287 :
>>303
吉川だな
後からやたらイケメンになる
307 = 123 :
>>303
鬼塚「おめーが言ってんのは、『吉川ノボル』のことかぁ?
あのヤロー、童貞で包茎でオタクでゲーマーでいじめられっ子のチビのくせに
杏とイチャイチャしやがってよぉ? いつかぶっ殺してやんぜ!?」
308 = 123 :
佐天「ここは病院です…… 先生、さっき倒れて……それで……(ぐすっ)」
鬼塚「あー! わかったわかった! だから泣くなって。んで、煙草ねーか?」
佐天「持ってるわけないじゃないですか! このバカ鬼塚!」
ボフッ!
鬼塚「ちょ、おま、おい、やめろ! こっちは怪我人なんだぞ! って痛ぇ!」
佐天「人がせっかく!(ガスッ) 心配!(ボフッ) してるのに!(バンバンバン!)
なんで、第一声が『煙草持ってねーか?』なの! 持ってるわけないし!」
鬼塚「おめー、ちょっと、いや、いくら枕でも……痛ぇ! おい!」
佐天「バカ! アホ! ヘンタイ! 死んじゃえば良かったのに!」
ボフッ! ボフッ!
??「やれやれ、あれだけの怪我をしたって言うのに、随分と元気なんだね?」
309 = 287 :
>>307
杏じゃなくて杏子だカスが
310 :
俺と同じ苗字なのになんでそこまでちがうんだ
てか禁書にも芳川っていたよな
311 :
>>309
鬼塚「てめー、人の間違いにイチイチ突っ込むんじゃねぇ!」
312 = 311 :
初春「佐天さん! 鬼塚先生! お医者の先生を連れてきましたよ」
鬼塚「医者だぁ? って、カエルじゃねーか!?」
佐天「ちょっと、先生、それはさすがに失礼ですよ」
医師「はっはっは。随分と元気の良い先生だね? 調子はどうだね?」
鬼塚「あー、痛いんすけど、それよりも、このガキにやられた傷が……うぅっ」
佐天「ちょっと! 先生!」
医師「その様子なら大丈夫みたいだね? 本当にその身体はどうなってるんだい?」
鬼塚「なんすか? どっか悪いんすか?」
313 = 311 :
医師「悪いどころか、良すぎて異常とも言えるね。脅威的な回復力だよ」
鬼塚「まぁ、身体が資本っつーか――」
佐天「単細胞なんで細胞分裂が得意なんですよねー?」
鬼塚「おー、そうなんだっ、て、てめぇ!(こいつ、なんで俺のあだ名を知ってやがるんだ?)」
医師「以前からかなりの大怪我を繰り返してるね? 銃創や刃傷もたくさんあるみたいだね」
鬼塚「まー、教師っつーんは、たまにはヤクザとも闘わなきゃなんねー事もありますからねぇ」
医師「そうかい。まぁ、それだけ元気があるなら、いつでも退院していいよ」
鬼塚「お! それじゃ、こんなところはさっさと……って、あれ」
医師「ああ、そうだ。まだ麻酔効いてるかもしれないから、もう少し横になってた方がいいね」
鬼塚「そうっすか。んじゃ、適当に帰らせてもらいますんで」
医師「また何かあったら来なさい。じゃ」
トコトコトコトコ
315 = 311 :
鬼塚「麻酔っつーのはどんくらいで切れるもんなんかねぇ……」
初春「どうなんでしょうか」
佐天「それよりも、先生、一晩くらい入院してた方が……」
鬼塚「入院なんてめんどくせーよ! それに明日は――」
ガラガラッ
??「失礼しますの」
鬼塚「はいはい、どーぞぉ」
初春「白井さん!」
黒子「あら、初春。あなたもここにいたんですの」
初春「はい、さっき先生を呼んで、一緒に戻ってきたんです」
317 = 311 :
黒子「そうでしたの。ところでそちらの……」
鬼塚「あん? って、お前、この前のチンチクリンじゃねーか!」
黒子「んまぁ! 人の事をいきなりチンチクリン呼ばわりなんて――」
佐天「まあまあ、白井さん。落ち着いて(チンチクリン……確かに)」
黒子「失礼、取り乱しましたの」
鬼塚「んでよー、何の用だ? 煙草なら吸ってねーぞ。持ってねーしな」
黒子「そんな事ではありませんわ。今回の事件の事でお話を伺いに参りましたの」
鬼塚「あー、そういうことか。ってこたぁ、ジャッジメントってやつかぁ?」
黒子「ご存知でしたら話が早いですの。で、今回の事件ですが……」
佐天「あ、とりあえず、私からお話しますね」
――
318 = 311 :
黒子「なるほど。そういう事でしたの」
初春「ええ。それで鬼塚先生が庇ってくれて……」
黒子「こちらの殿方は、見かけによらず良い方ですのね。
人を見かけで判断してはいけないとは、よく言ったものですわ」
鬼塚「おめーよぉ……んで、あの溝口ってガキはどうなるんだ?」
黒子「とりあえずアンチスキルが引き取りましたの。
これからしばらくは取り調べなどをして、それから施設に行くと思いますの」
鬼塚「そうか……ったく、後味わりぃなぁ、おい」
黒子「仕方ありませんわ。これだけの事件を起こしたのですから。
直接的な被害者があなただけだったなんて、本当に奇跡だとしか思えませんの」
佐天「……」
320 = 311 :
黒子「しかし、常盤台から転校したとは言え、元生徒があんな事をするなんて……
まったく恥さらしもいいとこですの。常盤台のジャッジメントとしても――」
佐天「あの、白井さん!」
黒子「なんですの?」
佐天「あの……溝口さんのこと、よく調べてあげてください!
きっとあんな風になっちゃうには理由があったと思うんです!」
黒子「佐天さん……」
佐天「きっと、夢を持って、頑張って、常盤台に入って、でも退学して……
あたし、なんとなくですけど、辛かったのかなって……」
黒子「ですが、これだけの事件を起こして、しかもそちらの先生も――」
鬼塚「あー、俺のこの傷はよぉ、あれだ。なんつーか、ガス爆発みてーな?
そうそう、そんな感じだったわけよ! だからあいつは関係ないぜ?」
佐天「鬼塚先生……」
321 :
しえん
322 = 311 :
黒子「あなた、それだけやられておきながら庇うというんですか?」
鬼塚「庇うも何もよ、俺はイタズラが過ぎたガキに説教かましただけだぜ?
んで、たまたまガス爆発に逢っちまったっつーわけよ」
黒子「……まったく、あきれましたの。そんな嘘が通じるはずがありませんの」
初春「白井さん! 私からもお願いします!」
黒子「――ですが、加害者の身辺状況をしっかり調査するのも私達の仕事ですわ」
佐天「白井さんっ!」
黒子「本当に、あなた方には参りましたの」
ガラガラッ
??「失礼するよ」
鬼塚「おいおい、やけに来客が多いじゃねーか」
??「これは失礼。まさか知らない方の病室だったとは思わなかった」
323 = 311 :
初春「木山先生!」
木山「ああ。君達の声が聞こえたもんでね。つい、入ってしまったんだ」
黒子「あらまぁ、これは木山先生。今日はボランティアの日ですの?」
木山「ああ。水曜日はここで生徒達に授業をする日だからね。それで今回はどうして病院なんかに?」
鬼塚「(おい、佐天! このちょっと疲れてるけど、良い感じのねーちゃんは誰だ?)」
佐天「(ああ、木山先生です。えっとこの人は……)」
木山「そちらの男性。突然お邪魔してすまない。見たところ怪我をされているようだが」
鬼塚「え!? あー、はいはい。 そんな事は全然気にしなくていいっすよ! はい!」
佐天「……」
324 = 311 :
木山「そうか。私は木山だ。大脳生理学の研究者だ。専攻はAIM拡散力場。
今は、週に三回程、この病院の院内学級で先生をしているんだ」
鬼塚「おお! 木山先生ってわけですね! 俺は鬼塚英吉22歳独身!
生涯一教師として、今回はこの街に研修に来てるんですよ!」
佐天「……まあ、ただの変態教師なんですけどね」
鬼塚「お、おめー! いきなり変なこと言うんじゃねぇ! 誤解しちまうだろーが!
あ、あはは! 木山先生すいません。 まったく、こいつは……」
佐天「本当のことでーす。ふんっ」
プイッ
初春「(佐天さん、もしかして……)」
黒子「(あらあら。なんですの、最近はこのような類人猿が流行りなんですの?)」
木山「フフ。どうやら君は立派な教師のようだな」
鬼塚「え? まじっすか! やっぱりわかりますかねー、この俺のオーラってのが」
佐天「はいはい」
325 :
木山せんせえええええええええええ
あいしてるうううううううううう
326 :
鬼塚ェ・・・
327 :
まぁ黒子が好きな俺には敵は美琴だけだ
328 :
妹達と一方が好きな俺の敵は・・・いっぱいいるな
329 = 311 :
木山「生徒とこれだけ心を通わせている教師が、ダメな教師なはずがないさ」
鬼塚「……やめてくださいよ。そういうマジなのは、俺にはあんまり似合わねーんすよ」
木山「フッ。君は面白いな。同じ教師として、なかなか興味深い」
ガラガラッ
??「入りますよ」
鬼塚「あー? ったく、なんだぁ、おい?」
??「鬼塚先生、この度は本当にご苦労さまでした」
鬼塚「あぁ? って、アンタ、柵川中学の教頭!?」
教頭「ええ、覚えててもらいましたか」
鬼塚「あ、はぁ、まあ(こりゃやべーな、どう言い訳すっかな……)」
330 = 311 :
教頭「いやー、さすが鬼塚先生! 本校の非行グループを一日で片付けるなんて!
わざわざ来て頂いた甲斐があったと言うものですよ! はっはっは」
鬼塚「……」
教頭「いやぁ、これでやっと内の学校も綺麗になりますよ。
本当にあのクズ共のおかげで、うちの評判が悪かったですからねぇ」
佐天「なっ!ちょっと――」
鬼塚「いやぁ、教頭先生! そこまで褒めて頂けるなんて光栄ですね! よいしょっと」
フラフラッ
鬼塚「おっと」
佐天「ちょっと先生、まだ寝てなきゃ!」
教頭「鬼塚先生大丈夫なんですか? ゆっくり寝ててくださいよ」
鬼塚「いやー、そうも言ってらんねーんですよ……」
331 = 311 :
バキィッ!
教頭「グヘッ!」
一同「えっ!?」
教頭「な、なにをするんだね! 君、私に何をしたかわかってるのか!?」
鬼塚「わかってるよ。ったくよぉ、どこの学校も教頭って奴はこんな奴なのかぁ!?
さっきから黙って聞いてりゃ好き放題言いやがって……」
トコトコ
教頭「ヒッ! な、なにをする! うわっ! やめ――ぐ、ぐるじぃ……」
鬼塚「生徒の事を『クズ』だなんて言う教師がいるから――」
教頭「や、や、やめ――」
鬼塚「つれぇ思いするガキ共がいるんだろーがぁ!?」
バキバキッ!
332 = 311 :
教頭「ぶぇっ……」
鬼塚「教師っつーのは、生徒の味方だろーがよぉ! あぁ!?」
佐天「ちょ、ちょっと先生! やめて!」
黒子「これ以上やってはいけませんの! 傷害罪になりますのよ!」
教頭「ひ、ひぃ!」
ダダダッダダッダ
鬼塚「クソが! 胸クソわりぃぜ」
初春「鬼塚先生……」
??「おいおい、一体何の騒ぎじゃん?」
333 :
いつも通りの鬼塚で安心した
334 = 311 :
鬼塚「あぁ? 次は誰だよ!?」
??「随分と威勢がいいじゃん?」
黒子「あなたは、アンチスキルの――」
黄泉川「黄泉川じゃん。鬼塚先生だっけ? よろしくじゃん」
鬼塚「あー、はいはい、よろしくさんーって!」
ばいんばいん ばいんばいん
鬼塚「(おいおい、なんだよこりゃ! ありえねーだろあのデカさはよぉ!?)」
黒子「ところでアンチスキルの方がどうしたんですの? 報告は私達から――」
黄泉川「ああ、明日ゆっくり聞くじゃんよ。ただ、こっちも一応顔だけ出しとこうと思ったじゃん」
黒子「そうでしたの」
黄泉川「ってわけで、詳しい話はまたの機会にってことで、鬼塚先生、お大事にするじゃん」
鬼塚「あ、はーい、どうも! 次の機会はゆっくり酒でも飲みながら!」
タッタッタッタ
335 :
さすが生涯教師
336 = 311 :
鬼塚「ふぅ。これでもう誰もこねーよな?」
黒子「ええ、予想外ばかりでしたが、関係しそうな方は、これで全部だと思いますの」
鬼塚「それじゃ、帰るとすっかな! おい、佐天、初春!」
佐天「……」
初春「は、はい!(ちょっと、佐天さん!)」
鬼塚「ありがとよ」
佐天「え? あはは、いやー、そんな」
初春「いえいえ、こちらこそありがとうございました!」
鬼塚「ゆっくり挨拶できなかったけど、柵川中学とはお別れだ」
初春「あ、そうでしたね」
337 = 311 :
鬼塚「まあ、まだしばらくこっちにいっからよ。また会うだろ!」
佐天「先生、痴漢とかして捕まらないでくださいよ!」
鬼塚「な! おめー、コノヤロー! おっと」
フラフラ ガシッ
木山「まだ少しふらついているな。私の車で送ろう」
鬼塚「おぉ! いいんすか!? いやー、ありがとうございます!」
佐天「木山先生! その人変態ですから気をつけてくださいね!」
木山「ああ。大丈夫だ。私の起伏の無い身体に劣情を催す男性など――」
黒子「まったく、騒々しいったらありませんの」
――
338 = 321 :
しえん
339 = 325 :
俺がいますせんせー
340 = 311 :
木山「その怪我では、少し乗り難いかもしれないが、載ってくれたまえ」
鬼塚「って! こいつぁ……ガヤルドじゃねぇかよ!!!!!!!」
木山「ああ。君は車に詳しいのかい?」
鬼塚「詳しいも何も、ランボルギーニなんて、俺らにとっちゃヒーローっつーか……」
木山「そうか。なら、その怪我が治ったら運転してみると良い。
この車も、たまには私以外の人間が運転した方が、癖がわかりやすくなる」
鬼塚「うおおおおぉおぉ! マジっすか!? こんな怪我ささっと治しちまいますよ!」
木山「それは良かった。この車も喜ぶ」
キュルルル ゴウン! ドドッドッドッドッドッド ウォンウォンッ ブォォォ――
341 = 311 :
木山「そういえば、さっきのあれだが」
鬼塚「さっきのあれってなんすか?」
木山「教師が生徒の事をってやつだ」
鬼塚「あー、いやぁ、なんつーか、あーいった教師ってガキの頃から嫌いなんすよね」
木山「そうかい。だが、あの言葉、きっとあの場にいた子達に響いたと思う。
もちろん私の心にも響いた。忘れないでおこうと思う」
鬼塚「いや、そんな、ははっ、照れるじゃないっすか」
――
342 = 311 :
――佐天の部屋
佐天「いやぁ、本当にいろいろあったなぁ……」
佐天は月曜日からの出来事を頭の中で反芻した。
誘拐され、鬼塚に助けらた。
ストラップを千切られ、鬼塚と昼食を食べ、机の中にゴミを詰め込まれた。
下駄箱に落書きをされ、学校から抜け出し、鬼塚に捕まった。
無理矢理牛丼を食べさせられ、公園で重福さんに会って、学校に戻って……
そして――
佐天「溝口さん達、どうなっちゃうのかな……」
佐天「もしかしたら、私がああなっていたのかな……」
――「じ、ジャッジメントです!」
佐天「初春、かっこよかったな……一生懸命あたしの事を守ろうとしてくれて……」
――「よぉ、佐天、かっこいいじゃねーかよ?」
佐天「鬼塚先生……あー!! もう!! むかつく!!!」
ボスッ! ボスッ! ボスッ!
344 = 311 :
――鬼塚の宿舎
キンッ シュボッ パチン
鬼塚「ふぅ……さすがの俺も今日は疲れたぜ」
ゴクゴク
鬼塚「しかしよぉ、なんかやべー匂いがプンプンしてきやがったぜ……」
――「英吉さん!」
鬼塚「あんな夢を見るなんて、ちぃっとばかし、暴れ過ぎかもしれねーなぁ。
とりあえず、今日は何も考えずにさっさと寝るか!
――んで、あの巨乳とスレンダーな木山先生の夢でも見るかな……」
【9月8日水曜日 4日目終了】
345 = 311 :
とりあえず、やっと4日目終了
自分が書きたい小ネタ詰め込みすぎて長くなった
ってわけで、5日目以降もなんとかします
346 = 333 :
おつかれでっしゃ
350 :
面白すぎワロタ
みんなの評価 : ★★★
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