元スレ佐天「学園都市に『鬼』が出るらしいよ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
51 = 35 :
早く続けるんだ!!
52 = 1 :
【9月6日月曜日 二日目】
――宿舎
鬼塚「よし。そろそろ行くとすっかな」
キンッ シュボ パチン
鬼塚「ふぅー。昨日は散々な目に逢ったからな。今日こそ女子高性と……
たしか、今日は……っと。公立の学校の見学だったよな。
常盤台とかって女子『高』は木曜からかー。まあ、お楽しみは残しておくか」
53 = 1 :
――柵川中学 職員室
鬼塚「あのー? 吉祥学園から来た鬼塚ってモンなんすけど」
教員「あ! 鬼塚先生ですね! お話は伺ってます! なんでも非行問題の権威だとか」
鬼塚「け、け、権威ぃ!? ――は、はい! 私、鬼塚英吉22歳独身!
今まで数々の非行生徒と心を通わせ、様々な問題を解決し――」
教員「まあまあ、そんなに固くならないでください。普段通りにしてくださいね」
鬼塚「はぁ、まあ、そういうことでしたら……
っつーかさぁ、この街どうなってんすか? 真面目そうなガキばっかかと思ったら
なんか変なガキのチームもあるし、能力者だとかジャージャーメンだとか……」
教員「ああ、風紀委員ですね。簡単に言ってしまえば、
能力者の生徒達による風紀委員――自警団みたいなものですよ」
54 = 1 :
鬼塚「カーッ! なんだか、偉そうな名前なんですねぇ……
んで、能力者っつーのは何なんすか? サイコメトラーEIJIみたいな? ははっ」
教員「サイコメトリーも能力の一つですね。というか、能力についてご存知ないんですか?」
鬼塚「って!! マジっすか!? マジでサイコメトラーがいるんすか!?」
教員「ええ、はい。能力についての資料はお渡ししてあるって聞いているんですが……」
鬼塚「あ、あー、はいはい! 資料ですね! はい!
(やべーな。資料なんか最初の方読んだだけだからな……)」
教員「まったく、鬼塚先生は冗談がお上手なんですから」
鬼塚「あ、あはは……(おいおい、冗談じゃねーぞ。なんだよ超能力ってよぉ……)」
教員「とりあえず、今日はこの街に慣れて頂くために、街の説明と
明日明後日は我が校で教鞭を取って頂く事になります」
55 = 1 :
鬼塚「はぁ。んで、普通に授業すればいいんすかね?」
教員「授業自体は、鬼塚先生のやり方でやって頂ければ結構です。
ただ、放課後の方を重視して頂きたいと思いますので……」
鬼塚「(放課後!? おいおい、マジかよ!? 中坊と放課後の……
さすが学園都市だ。中坊と教師の放課後課外授業を認めるとはよぉ!?)」
教員「あの、鬼塚先生?」
鬼塚「あ、はいはい! この教育界のヒーローこと、鬼塚英吉にお任せください! ハッハッハ!」
教員「よろしくお願いしますね(――ちょっと不安になってきた……)」
56 :
エイジとか懐かしいな
58 = 1 :
――夕方
教員「では、この街と学園の説明はこんなところです。明日からよろしくお願いしますね」
鬼塚「はい! 任せてください! (やべーな、ほとんど覚えちゃいねーや)」
キンッ シュボ パチン
鬼塚「ふぅー。一仕事終えた後の煙草は美味ぇなぁ。
とりあえず、することもねーしなぁ……街でもぶらついてみっかな」
――イヤアアアアア!
鬼塚「あん? 何か叫び声のような……あっちか?」
誰かの叫び声を聞いた気がした鬼塚は、路地裏を覗いて見た。
すると、三人の男が、制服姿の女の子を無理矢理連れて行こうとしているところだった。
鬼塚「おいおい、あれは、ちぃっとばかし剣呑な雰囲気じゃねーか」
男達の様子を怪しいと思った鬼塚は、その後を追った。
そして、ワンボックスカーに連れ込まれる佐天を目撃し、再び事件に巻き込まれるのだった……
59 = 1 :
――
ホジホジ フーッ
鬼塚「おいおい、マジかよ。ったく、この忙しいのによ……(ビール飲みてぇな)」
鬼塚「こんなの見ちまったら……」
鬼塚「見過ごせねーよなー……『漢』として……」
鬼塚「――いや、『一教師』としてなぁ!?」
――
60 = 1 :
鬼塚「とは言ったものの、足がねーと見失っちまうぞ!?」
ブンブン ブン
鬼塚「お、いいところに。おい、ちょっとお前こいつ貸りるぞ!」
学生「え? って、ちょっと、うわっ!」バタン
鬼塚「ワリーな!」
ブンブンブン ブーーーーーーーーーーン
学生「ちょっと待て! 泥棒!」
――
61 = 1 :
ブィーーーーーーーーーーーン
鬼塚「しっかし、また誘拐かよ。どうなってやがんだこの街はよぉ!?」
鬼塚「おっと、あのワンボックスだな。どうすっかなぁ……
とりあえず前に出て無理矢理止めちまえばいいよな」
ブンブン ブィーーーーーーーーーーーン
そして鬼塚は、佐天を連れ去ったワンボックスに体当たりをし、見事車を止める事に成功した。
――
62 = 1 :
ザザッ コチラアンチスキル ゲンジョウハ……
初春「佐天さん!」
佐天「あっ、初春!」
初春「良かった。無事だったんですね! 事故があったって連絡聞いて……
佐天さんの名前が出た時は心臓が止まるかと思いましたよ」
佐天「あはは。初春ごめんよ。でも、もう大丈夫!」
黒子「一体どういう事ですの? なぜ佐天さんがこんな車に……
それにあそこで怪我をしている彼ら。見たところスキルアウトのようですが」
佐天「実は、私誘拐されちゃって。えへっ」
初黒「えええええええっ!!!」
63 = 1 :
佐天「それで誰か助けてーって思ったら、車が止まって、男の人達が降りていって……」
黒子「ちょっと佐天さん! その説明じゃ要領が掴めませんの!
もっと順を追って説明して頂きませんと、調査も何もできませんのよ」
初春「とりあえず、支部に戻って、そこで固法先輩も一緒に」
黒子「それがいいですわね。それでは、佐天さん。支部でゆっくり聞かせてもらいますのよ!」
佐天「あはは。ごめんなさい。それじゃあ、支部で――」
――
64 = 1 :
――第一七七支部
固法「はい、ホットミルク」
佐天「ありがとうございます! 固法先輩」
固法「とりあえず、事情はわかったんだけど、その男の人は一体何者かしら」
黒子「走っている車にバイクをぶつけて止めるなんて……野蛮過ぎますの」
初春「野蛮というより、人間技じゃないですよね。それにスキルアウトの人達を一瞬で……
しかもフロントガラスを破るなんて、きっとゴリラのような人ですね」
佐天「私も見たわけじゃなくて、声が聞こえただけなんだよね。
静かになって、ドアが開いたと思ったら、西日のせいで顔が見えなかったし……」
初春「でも、声は聞いたんですよね?」
佐天「うん。特徴のある喋り方だったし、もう一度声さえ聞けばわかると思うんだけど」
黒子「声だけですと、今のところ調べようがありませんの」
65 = 1 :
固法「とりあえず、今日のところはもう良いわ。佐天さんありがとう。
初春さんも今日はもう上がっていいわよ。佐天さんを送ってあげて」
初春「はい! それじゃあ、お先に失礼しますね」
佐天「それじゃおつかれさまでしたー! ――初春、お腹減ったよー」
バタバタ
黒子「まったく……あんな事件に巻き込まれたばかりだっていうのに、
佐天さんは本当に元気ですこと。まあ、落ち込まれてしまうのも困りますけど」
固法「たぶんみんなに心配かけないようにしてるんだと思うわ。
この前の事件もあったしね……だから本当は今も怖くて仕方ないと思うの」
黒子「なるほど……だから初春を付けたのですのね。
さすが固法先輩ですの。私、そこまで気がまわりませんでしたわ」
固法「よーし、それじゃ私たちは、例のスキルアウトの身辺調査をするわよ!」
黒子「はいですの!」
――
66 = 1 :
――鬼塚の宿舎
鬼塚「ったくよぉ……昨日といい、今日といい、この街はなんだぁ?
最近じゃ、女の子拉致んのが流行ってんのか?あぶねー街だな」
夕方、幹線道路で三人の男を片付けた後、鬼塚は車の中にいる少女に声をかけた。
怯えていたが、怪我はないようだったため、自分で通報しろよと言って、
その場から立ち去った。「借りた原付」が壊れた以上、このままここにいたら問題になる。
そう判断して、現場から離れ、コンビニで弁当を買い、部屋に戻ったのだった。
鬼塚「確か、学校で聞いた話じゃ、スキルアウトがどうこうって言ってたよな。
ヤンキーみてーなもんだって話だけど、ありゃやりすぎだな」
プシュッ ゴクゴク
鬼塚「ぷはぁー!運動の後のビールってのは、なんでこんなに美味ぇんだろうなぁ。
しかし、あのヤンキー共をなんとかしろったってよ。情報もねーしな……
まあ、とりあえず明日になったらガキ共に聞いてみっかな」
鬼塚「しかし、せっかく出張に来たんだから、何か美味いモンでも食いてぇな。
こんなコンビニ弁当なんかじゃ、いつもと変わんねーしなぁ。
早いとこ女子高生の彼女を作って、手作り弁当でも作ってもらうっきゃねーな!」
モグモグ ゴクゴク
鬼塚「んで、食後のデザートには……ぐふっぐふふっ」
――
67 = 1 :
――佐天の部屋
佐天「うーん、食べた食べた。余は満足じゃー」ポンポン
初春「もう、佐天さん。お行儀悪いですよ!お腹叩いたりして……」
佐天「いいじゃん。初春の作ってくれたご飯がおいしかったんだから!」
初春「はいはい。ありがとうございます」
佐天「あー! なんか適当だなぁ」
初春「そんな事ないです! 全く……」
佐天「……」
初春「佐天さん、どうかしました?」
佐天「え? あ、いや、なんでもな――」
初春「なんでもなく無いです! 佐天さん! 何か隠してますね?」
佐天「隠し事なんて無い無い! あたしと初春の間に隠し事なんてないよー」
68 = 1 :
初春「そんなこと言って……でも、何か言いたい事があるんじゃないですか?
私には佐天さんの悩みとか辛いこととか、何でも言って欲しいんです」
佐天「初春……」
初春「だって、私たち、親友じゃないですか」
佐天「う、う、ういはるぅうぅぅぅう!!」
ガシッ
初春「ちょ、ちょっと佐天さん!? 急にどうしたんですか?」
佐天「本当はね、凄い怖かったの! 能力も無いから何もできないし……
何もできなくて、どうなっちゃうんだろうってずっと思ってて……」
初春「……」
佐天「もしかして、もうみんなに会えないんじゃないかって……」
初春「佐天さん……もう大丈夫ですよ」
初春は、泣きじゃくる佐天の頭を優しく撫でていた。
そして佐天は、初春のその優しさに、ただただ涙が止まらなかった。
【9月6日 二日目終了】
71 = 70 :
さるったのか 連レスしえん
74 = 1 :
【9月7日火曜日 三日目】
――宿舎
鬼塚「ふわぁぁあ・・・ねみーなぁ、おい。
ったくよぉ、なんでこんな朝っぱらから起きなきゃなんねーんだ」
普段は吉祥学園理事長が用意してくれた、「グレートなペントハウス」に住んでいる鬼塚は
かなり遅く起きても、遅刻することはほとんどない。いざとなれば、吉川や菊池達が起こしてくれる。
しかし、今は学園都市が用意した宿舎だ。学校までは距離がある。
鬼塚「とりあえず、飯はコンビニで買えばいいよな」
キンッ シュボ パチン
鬼塚「しっかしよぉ、これからガキの相手するとなると、気が重いぜ」
――
75 = 1 :
――通学路
佐天「うーいーはーるっ!」
バサッ
佐天「えっ! 短パン!」
初春「佐天さん甘いですよ・・・今日の一時間目は体育ですからね。
さっき家に帰った時に履いてきたんですよ」
佐天「そうだった・・・すっかり忘れてたよ。――あ!」
初春「どうかしたんですか?」
佐天「体操服忘れちゃったーえへへ」
76 = 1 :
初春「えへへじゃないですよ!早く取りに戻らないと!」
佐天「もう、めんどくさいなぁ・・・
それじゃ、ひとっ走り行ってきますか! 初春は先に行ってていいよー!」
初春「はーい。佐天さん遅刻しないようにしてくださいね」
佐天「わかってるって。じゃあ、また後でねー!」
トットットット――
初春「まったく佐天さんは・・・でも昨日の事を引き摺ってないみたいでよかったです」
77 = 1 :
――教室
教師「それじゃ、出欠取るぞー。えー」
アカイー ハーイ イズミー ハーイ ウイハルー・・・
初春「(佐天さん遅刻になっちゃいましたね・・・)」
教師「おい、初春いないのかー?」
初春「あ、はい! います!」
教師「ジャッジメントの仕事で疲れてるのかー? ボーっとしてちゃだめだぞ」
初春「す、すみません・・・」
ツギイクゾー エトウー ウイース カキザキー ヘーイ クボター・・・
79 = 1 :
初春「(怒られちゃいました・・・ん? メール? あ、佐天さんからだ)」
『ういはるー・・・もうすぐで教室だけど、出席取り始めてる?』
初春「(『もうすぐ佐天の番で・・・って、今名前呼ばれましたよ・・・』送信、っと)
教師「いないのは佐天だけかー? 仕方ない奴だな・・・
ところで、今日から二日間、『外部』から研修の先生がいらっしゃる。
このクラスの副担任になってくださるから、みんなに紹介しよう。どうぞー」
ガラガラッ! ドン!
生徒A「うお!」
80 = 1 :
生徒B「って!? 金髪!?」
生徒C「スキルアウト!?」
――ザワザワザワ
ダンッ! シャッシャッシャッ! パンッ!
生徒「(ビクッ!)ちょ、こわい・・・」
教室に入ってきた金髪は、黒板に大きく『GTO』と書いた。
鬼塚「おう、俺が今日からこのクラスの『フクタン』になる、
グレートティーチャー鬼塚英吉だ! おめーらよろしくなぁ!?」
81 :
やっぱ鬼塚いいな
82 = 1 :
初春「(な、なんですか、この人は。どっから見てもスキルアウトじゃ・・・)
教師「あ、あの、鬼塚先生・・・生徒達が・・・」
鬼塚「ん? って、おめーらそんなにびびんなよ・・・」
教師「いや、そうは言っても、その格好は・・・」
鬼塚「ああ、これっすか? アロマーニっすよ、アロマーニ!
アルマーニのパチモンなんすけどね。全然パチモンには見えないでしょ?」
生徒D「・・・ぷっ」
――アハハ ガヤガヤ ナニアレー オモシレーゾー
鬼塚「お、おめーら笑うんじゃねえ! これでもなぁなけなしの五千円でだなぁ……」
初春「(こんな先生で大丈夫かな・・・)」
鬼塚「っつーわけでよ、二日間だけどよろしくなぁ!」
83 = 1 :
――ガラガラッ!
佐天「佐天涙子、ただ今登校しました!」
鬼塚「……」
――シーン
佐天「え? あれ? ……って! スキルアウト!? きゃあああああ!」
――ブンッ! ドン!
鬼塚「ぐはっ! て、てめえ! このグレートティーチャーの鬼塚様に何しやがる!」
佐天「え? ティーチャーって……先生!? このチンピラが!?」
鬼塚「チンピラって、この野郎! って、あれ、おめーよぉ。昨日――」
教師「はいはい。佐天、遅刻だな。早く席につけよ」
佐天「あ、はい!」
教師「おいおい、おめー、このままじゃ――」
佐天「(あれ? この声って……)」
教師「よし、それじゃ、HRはこれで終わりだ。次の授業に遅れないようになー」
――ガヤガヤ ドタドタ
84 = 1 :
>>83
下から4行目ミス
×
教師「おいおい、おめー、このままじゃ――」
○
鬼塚「おいおい、おめー、このままじゃ――」
佐天「(あれ? この声って……)」
教師「よし、それじゃ、HRはこれで終わりだ。次の授業に遅れないようになー」
――ガヤガヤ ドタドタ
85 = 57 :
さるよけ④
86 = 1 :
――着替え中
初春「佐天さん、いきなり鞄投げるなんて驚きましたよ!」
佐天「えへへ、いやぁ、昨日のスキルアウトの仲間かと思って」
初春「私達もみんな驚きましたよ。だって金髪にピアスに白いスーツなんて・・・」
佐天「だよねー。でもさ、あの声、どこかで聞いたことあるような気がしてさ」
初春「えっ? どこで聞いたんですか?」
佐天「うーん、思い出せないんだよね」
初春「しっかりしてくださいよ」
佐天「あはは。ごめんごめんって、早く行かなきゃ!」
初春「あ、佐天さん、待ってくださいよ!」
バタバタバタ
87 :
てっきり響鬼さんスレかと。
88 = 70 :
白スーツwwwwktkr
89 = 1 :
――ガタガタ バンッ
鬼塚「ふっふっふ。あのクソガキ、鬼塚様をなめやがってよー?
しっかりと水色のブラジャー拝ませてもらったぜぇ?しかし発育よかったな……
次の着替えの時間もロッカーに入っておくとすっかな。
いや、それより、ここにビデオを設置した方が……」
バタバタバタ
鬼塚「!? やべぇ、誰か来やがった! クソ! もう一回中に……」
――キョロキョロ
鬼塚「(なんだぁ? あいつ、何してやがんだ?)
??「これね……まったく、無能力者のくせに生意気なのよ!」
ブチッ! タッタッタ……
――ガタガタガタッ
鬼塚「行ったか。あぶなかったぜ……って、あいつ何してやがったんだぁ?」
91 :
いつのまにか鬼塚より年上の童貞になっていたでござるの巻
92 :
なんか前にも途中まで見た様な気がするんだが建て直し?
93 = 1 :
>>92
建て直しよ
んで、現在続編書き溜め中
投下ペースが思った以上に早かったからストック尽きた
94 :
がんばってー紫煙
96 = 1 :
――一時間目 休み時間
佐天「ふぅ、疲れたぁ」
初春「一時間目からいきなり持久走だなんておかしいですよ……」
佐天「ほんとだよね。なんで一時間目に体育なんだろって、あれ?」
初春「ん?佐天さんどうかしたんですか?」
佐天「へっへー。初春、今日は新しいの履いてるんだねぇ。
ピンクと黒のチェックなんて、初めて見ちゃったよー。おじさん嬉しいなぁ」
初春「ちょ、ちょっと! 佐天さん! 変なこと言わないでください!」
佐天「あはは、ごめんごめん。初春のそれがあまりにも可愛くてさぁ」
初春「もう知りません!」
佐天「ういはる、ごめんってばーって、え? あれ? ない!」
初春「もうひっかかりませんよ!」
97 = 1 :
佐天「違うの! あたしの鞄につけてた、ストラップがないの」
初春「え? もしかして、さっき鞄投げた時に落ちたんじゃ?」
佐天「ううん。着替える時にはあったのに……あれ? これあたしのストラップの紐だ!」
初春「見せてください。これは、引っ張って切れたみたいですね。
どこかに引っ掛けたりしませんでした?」
佐天「いや、そんなはずは……あ、あそこに本体が落ちてる!」
初春「見つかってよかったじゃないですか。 千切れちゃったのは残念ですけど直せますよ!」
佐天「うん、そうだね。でも、なんかついてないなー。遅刻もしちゃうしさー」
初春「そんな時もありますって! さ、もうすぐ授業始まりますよ」
――キーンコーンカーンコーン
??「(――クソッ!)」
鬼塚「(気になって様子見に来たけどよ、ありゃもしかして……)
98 = 1 :
――昼休み
初春「佐天さん、お昼ご飯食べに行きましょう」
佐天「今日はお弁当持って来てないから学食だね」
初春「早く行かないと場所なくなっちゃいますよ!」
佐天「よーし、初春ダッシュでいくよー!」
初春「あ、走ったら怒られますよ! ちょっと、佐天さーん!」
バタバタバタバタ
??「(帰ってくるまでに、次はこれを……)」
99 = 1 :
――学食
鬼塚「うおおおおお! ここの学食うめぇじゃねーかよ!」
佐天「うわ……あのチンピラの周りだけ空いてるなんて」
初春「佐天さん、先生にそんなこと言っちゃだめですよ。
あんな格好してても一応先生なんですから……」
佐天「仕方ないかぁ。せんせー、そこ良いですかー?」
鬼塚「あん? って、てめーは、今朝の鞄女じゃねーか! ここで会ったが百年目……」
佐天「えへ、今朝はすいません! だからここ良いですよね! 良いですね!」
初春「佐天さん、先生に失礼じゃないですか……」
佐天「いいっていいって! だって鬼塚先生だっけ?
見た目はあれでも、悪い人じゃなさそうだしさ!」
鬼塚「見た目があれってなんだよ!? ったく、しゃーねーなぁ。
おっと、そのから揚げもらったぁぁぁぁ!!」
バシッ!
100 = 1 :
鬼塚「なっ! 俺の箸を止めるだとぉ!?」
佐天「ふっふっふ。鬼塚先生甘いですね。このあたしから、から揚げを奪おうなんて百年早いです!」
サッ!
佐天「お返しに、このししゃもフライはもらったぁ!」
鬼塚「てめぇ! 俺が最後まで残しておいたししゃもクンを……
上等じゃねぇか! このししゃもの恨み…… 俺様のさかなクン神拳で!!!」
初春「ふたりとも! お願いですから騒がないでください! 恥ずかしいじゃないですか!」
――チョットー ナニアレー ミナイホウガイイヨー
鬼塚「な! おめーのせいだかんな!」
佐天「ごめんなさーい。まあ、いいじゃないですか。
可愛い女子中学生二人と一緒にご飯が食べれるわけですし!」
鬼塚「ったくよぉ……(まあ、確かにこいつの乳はまあまあだったな)」
みんなの評価 : ★★★
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