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    元スレ女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」

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    みんなの評価 : ★★
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    151 = 1 :

    兵士B「隊長といや、医師さんとはどういう関係だ? 仲良いみたいだが」

    兵士A「同じ孤児院出身だそうだ」

    兵士B「なん…だと…」

    兵士B「…じゃああれか、そういう関係でも不思議じゃないっていう……」

    兵士A「おいおい、隊長だぞ。 隊長は姫を…」

    兵士B「……それもそうか」

    兵士A「だいたい医師さんだって隊長をどう思っているのやら」

    兵士A「医者と兵士ってのも微妙な関係だよ」


    「二人とも、何を話しているの?」

    兵士B「ああ、はは、お気になさらず」

    152 :

    ええい、変態伯爵の出番はまだか!

    153 = 1 :



    ―――そんなこんなで二週間―――

     

    154 = 1 :

    「騎士、おかえり!」

    騎士「姫。 わざわざお出迎えありがとうございます」

    「もう腕は大丈夫なの?」

    騎士「ええ。 痛みもないので明日から本格的に鍛え直そうかと」

    「頑張ってね」

    「ねぇ、どんな所に行ってきたの? 話、聞かせて」

    騎士「そうですね。 では馬を置いて来てから――」

    兵士A「姫、そろそろ夕食のお時間です。 また明日にしてはどうでしょう」

    「えー」

    騎士「お前……」

    兵士B「隊長、お疲れでしょう。 ゆっくり休んで、また明日」 ボソ

    騎士「…! ……すまんな」 ボソ

    155 :

    死ぬほどつまんないですね

    156 :

    最近百合に目覚めつつある漏れが支援

    157 = 1 :

    騎士(……疲れが顔に出てしまったか?)

     パカッ パカッ パカッ パカッ

    騎士「…それとも、お前を見てああ言ったのかもな」

    騎士「お前もありがとうな。 今日はゆっくり休め」

    騎士「……またいずれ、走ってもらう事になる」

    「ヒヒン」 ハミハミ

    騎士「はは、なんだくすぐったいな」

    医師「微笑ましいねぇ」

    騎士「……」

    医師「おかえりさん」

    騎士「……何故貴様がここに居るのだ」

    医師「けっ、ひどい言われようだなわざわざ会いに来てやったのに」

    158 = 1 :

    騎士「…まぁ良い、どうせそっちには行くつもりだった」

    医師「ん、明日からリハビリか?」

    騎士「ああ」

    医師「はいよ。 なら準備しとく」

    医師「…左腕、無理に動かしたりとかしてないだろうな」

    騎士「もちろんだ。 左腕は使ってない」

    医師「……左腕は、ねぇ。 右腕は何だ、魔物か?」

    騎士「どうでもいいだろう、そんな事」

    医師「よくはない。 …まぁお前に何言っても無駄か」

    騎士「ふん」

    159 = 1 :


    騎士「……」 グググ…

    騎士「……ッ」

    騎士「……はぁ」 ぶらん

    騎士(いかんな…予想以上に筋力が落ちている)


    「騎士、居る?」 ひょこっ

    (患者)たち「!! 姫様っ!」 ビシッ

    「わ、わ。 皆、そんなに畏まらなくてもいいのに」

    騎士「姫! いかがなさいましたか」

    「うん、えっと。 クッキーを焼いてきたの。 食べて!」

    騎士「なんと、姫が。 宜しいのですか?」

    「うん! 皆も食べて!」

    騎士(ちっ…こいつらも食うのか)

    兵士A(今隊長の舌打ちが聞こえた気がした……いや気のせいでも無いだろうが)

    160 = 1 :

    医師「これは何とも……大変おいしゅうございます」

    騎士「甘さもちょうどいいですね、香りも……これは紅茶でしょうか?」

    「そう。 出し殻を乾燥させて入れてみたの」

    騎士「なるほど。 ……王妃様にはもう?」

    「うん。 とても美味しいと言って下さいましたっ」

    「次は何にしようかなー」

    騎士「そうですね……」

    騎士「……」

    161 = 1 :

    雑兵「しかし姫様がいらっしゃるだけで、このむさ苦しい場所が一気に華やかになりますな」

    医師「はは、まったくだ。 紅一点だな」

    「騎士が居るじゃない」

    医師「こいつはメスですが女ではありませんよ」

    「??」

    兵士A「…生物上は雌として分類されますが、精神的には男、ということでしょう」

    「なにそれひどい。 騎士も言い返したらいいのに」

    騎士「私は気にしませんよ」

    「騎士も女でしょ!」 むにゅっ

    騎士「だ、だからやめてくださいっ!」

    雑兵「ちょっくら便所いってくる」

    162 = 55 :

    雑兵ナニをしにいった!wwww

    それとも空気読んだのかwwww

    163 = 138 :

    >>162
    いや、医師がまだいるから間違いなくあれだろ

    165 = 152 :

    でもまあもうちょいペースおとしても大丈夫でしょ

    166 = 76 :

    じゃあ俺もちょっと…

    167 = 1 :


     ギィン キンッ  カァンッ

    騎士「!」

    兵士B(今ッ!) ぶおっ

    騎士(大振り!) コツッ

     くんっ

    兵士B「おっ…!?」 ビリビリッ ぽろっ

    騎士「…」 パシッ

     グイッ  ガシャアァンッッ

    騎士「……」 ギリリ…

    兵士B「あだだだだ! ギブ! ギブギブ!」

    168 = 1 :

    兵士B「っはー……隊長、相変わらずで」

    兵士B「今日から復帰、ですか。 おめでとうございます」

    騎士「うむ」

    兵士B「姫様も随分と楽しみにしていらしてましたよ」

    騎士「! …そ、そうか」


    兵士「隊長、次は私の相手をお願いします」

    騎士「うむ、よし」

    兵士「では」

    169 = 1 :


    騎士「姫、おはようございます」

    「騎士! おかえり!」

    騎士「はは、毎日のように会っていたのにですか?」

    「私が行くのでなく、騎士が来てくれるのが嬉しい」

    騎士「ありがとうございます」

    「…やっぱり、騎士は鎧を着ていたほうが騎士らしいかな」

    騎士「ふふ、そう言って頂けるととても嬉しいです」

    170 = 1 :

    「それで。 じゃんっ」

    騎士「……これは」

    「お祝い! 騎士が復活した記念に! パイ焼いてみましたっ」

    騎士「……私の為に、…ですか?」

    「うん、そう」

    騎士「あ、あ、ありがたき幸せッ!」

    「ふふふー。 あ、でも今仕事中だし、夜にまた」

    騎士「いえ、せっかく出来たてなので、今頂きますよ」

    「いいの?」

    騎士「ええ。 今日は特別です」

    171 = 1 :

    「特別? なら、鎧も……」

    騎士「それは無理です」

    「けち」

    「あ、兵士Bさんも一緒にどう?」

    兵士B「え、あー…」 チラ

    騎士「……」

    兵士B(勿体無いが、食ったら殺されるなこれは…)

    兵士B「…俺は、遠慮しておきます。 隊長の為のものなので」

    「そう?」

    172 = 1 :



    「見てっ! タピストリー、完成したの!」

    騎士「ほー…私はこういったものはよく分からないのですが、素晴らしいと思います」

    騎士「細部も丁寧に施されていて……まさか初めての物だとは誰も思わないでしょう」

    「うふふー。 時間掛ったから」

    「今、包むものを侍女に用意してもらっているから…」

    「包んだら、お母様に持って行こうと」

    騎士「…王妃様、ですか」

    騎士「大変喜ばれることでしょう」

    「だといいなー」

    「ふふふ」 ぎゅっ

    騎士「ああ、皺になってしまいますよ」

    「あっ」

    173 = 1 :

    王妃の近衛「王妃様は現在来客に応じておられます」

    「えっ、そんな」

    「…じゃあ、お客様が御帰りになられてから…」

    近衛「本日、王妃様は一日中接客の予定が入っておりますので、そのような暇は…」

    「うーん」

    近衛「伝言であれば、合間に伝えることは可能ですが…」

    騎士「…姫、また明日の機会に…」

    「ううん、いい。 …近衛さん、これをお母様に渡しておいてもらえる?」

    近衛「これをですか? 承知いたしました」

    174 = 1 :

    騎士「……宜しかったのですか?」

    「何が?」

    騎士「直接お渡ししなくて」

    「うん、いい。 …お母様だって忙しいし」

    「…それに、直接渡すのってなんか恥ずかしいかなって」

    騎士「…そう、ですか」

    騎士「しかし、―――…」 ピク

    騎士「…………」

    「…? どうしたの、騎士」

    騎士「…………いえ…、」

    騎士「…何でも、…ありません」

    175 = 1 :

    騎士「……渡す、と言えば」

    騎士「先日休みを頂いたときに訪れた町で、姫にお土産を買ったのです」

    「!」

    騎士「渡しそびれていました。 少々遅れてしまいましたが、受け取って頂けますか?」

    「もちろんっ」

    騎士「それは私の部屋にあるのですが…」

    「私も行きます」

    騎士「はは、では、行きましょうか」

    騎士「…兵士A、兵士B。 お前たちも来い」

    兵士B「え、部屋に行く程度なら…」

    騎士「いいから、来いと言っている」

    176 = 1 :

    兵士A「…どうされたんだ、隊長」 ボソ

    兵士B「分からん。 姫様となら、むしろ二人きりになりたいはずだが」 ボソ

    兵士A「……二人きりではいけない事があるのか?」 ボソ

    兵士B「俺に訊くな俺に」 ボソ

    兵士A「……」

    兵士A(…どことなく、隊長の顔色が優れん気がする)

    兵士A「……」

    178 = 9 :

    おいついたしえん

    179 :

    たまらなくいい

    180 :

    おいついたー しえん

    182 :

    おいついたしえん

    183 = 156 :

    すごくいい支援

    184 :

    >>41

    186 :

    おいついた支援

    189 = 1 :

    騎士「こちらです」 コトン

    「開けていい?」

    騎士「もちろんです」

    「……わぁ…! 指輪!」

    「は、はめてもても、いいかな」

    騎士「ふふ。 私がして差し上げましょう」 ス

    「…素敵……」

    「ね、ねぇ。 これ、本当にもらっていいの?」

    騎士「ええ、もちろんです。 姫の為に用意したものですから」

    「嬉しいっ! ありがとう、騎士っ!」

    190 = 1 :

    「? ねぇこれ、内側に文字のようなものが彫ってある」

    騎士「ああ、それは魔法が刻まれているんだそうです」

    「魔法?」

    騎士「そう。 持ち主を守る魔法を」

    「私を守ってくれるんだ」

    騎士「店主曰く、ですがね」

    「へー。 …騎士みたいに?」

    騎士「え、あー、はは。 どうでしょうか」

    「ふふふ。 とにかく、ありがとう! 大切にするっ」

    騎士「ありがとうございます」

    193 :

    兵士B「あー、あの指輪見たことあんな。 前嫁さんにねだられた」

    兵士A「なんだ、じゃあ姫様とおそろいか? 幸せじゃねえか」

    兵士B「馬鹿言うな、買ってない。 ……あれが、俺が見たものと同じだとしたら、だ」

    兵士B「……金貨10枚は下らんぞ」

    兵士A「じゅっ…!?」

    兵士B「バッカお前、声がでかい」

    兵士A「待て、金だぞ、銀じゃないんだぞ。 …そこまで価値があるようには見えんが」

    兵士B「……話によれば、あれは隣国から流れてきたもんなんだそうだ」

    兵士B「あと俺の嫁さんは魔法は使えんが、魔力を感じることができる、らしい」

    兵士B「曰く、守護の魔法は本物だし魔力もすさまじい、と……」

    兵士A「……」

    194 :

    もしも支援

    195 = 193 :

    兵士A「…よく分からんが、とにかく金貨10枚以上の価値がある、と」

    兵士A「……お前の嫁さんはそんな物をねだったのか。 恐ろしいな」

    兵士B「“貴方が居なかったら誰が私を守ってくれるのっ!”」

    兵士A「のろけかよクソが」

    兵士A「……しかしまぁ、それを惜しげなくポンと渡す隊長も恐ろしいな」

    兵士B「値段じゃないんだろ。 それだけ姫様を愛しているってこった」

    兵士A「叶わぬものと分かっているのにな。 …辛いな」


     カァーン カァーン!   カァーン カァーン!

    兵士A「!」

    兵士B「またか…!」

    196 :

    クライマックス手前な予感

    197 = 193 :

    兵士A「隊長! 魔物です!」

    騎士「ああ、分かっている」

    兵士B「すぐに避難所へ――」

    騎士「待て!」

    騎士「避難所は恐らく危険……このまま、この部屋にいた方がいい」

    「えっ」

    兵士A「隊長、何を――」

    騎士「いいから! お前たちは姫から離れるな!」

    「騎士は! 騎士はどこに行くの!?」

    騎士「離れたところでおびき寄せます。 では」

    「あっ――」

     バタンッ

    198 = 193 :

    兵士A「どういうことだ…」

    兵士B「分からん。 分からんが、隊長の命令だ。 姫様はここでお守りする」

    兵士A「……ああ」


    「……っ」

    「騎士……」 ギュッ

    (…主よ――)

    (どうか、騎士をお守りください――)

    199 = 193 :



    魔物「ガアァァアアアアア!!」

    騎士「フッ!」 ビュオッ

     ギチギチギチッ ブバァッ

    魔物「 」 どしゃ

    騎士「―――ふぅ」

    騎士「……」


    「魔物が撤退したぞォォ!!」

    「「ウオオォォオオオオオッ!!」」


    騎士「……チッ」

    騎士「……戻るか」 グイッ


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