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    元スレキョン「なあ、古泉。お前、疲れないのか?」2

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×4
    タグ : - ふんもっふ + - キョン + - + - 古泉 + - 涼宮ハルヒの憂鬱 + - 神スレ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    553 = 342 :

    四年前の……そう、ちょうど今頃。

    僕がまだ二人の優しさを当然のように受け入れて、元気にはしゃぎまわっていた頃。

    お父さんとお母さんに聞かれたのだ。

    妹か弟はいらないか、と。

    それまで僕はお母さんは子供の生む力がなかったのだと。だから、僕が養子として迎えられたのだとそういう風に聞かされていた。

    だから、初めてその話を聞いた時また孤児院から自分のような子を引き取ってくるのだと勝手に思っていた。

    それならいい、楽しくなりそうだと思っていた。

    しかし……実際は違った。

    そんな話をすっかり忘れて油断していたある日、僕は言われたのだ。

    突然に。何の準備もなく。

    お母さんのお腹に手を当てられて「ここにあなたの弟と妹がいるのよ」と。

    どうして、お母さんが妊娠出来たのかは当時そんな話聞こうともしなかったからわからない。

    そして、僕はその言葉を……喜ぶことはできなかった。

    555 = 342 :

    『妹と弟なんていらない!!!』

    『僕だけじゃ駄目なの!?』

    『子供は僕一人じゃいけないの!!?』

    今まで忘れていた……封印していたはずの記憶なのに、その声は酷く鮮明に響いた。

    僕は散々そのようなことを叫んだ。

    物を壊した気もする。

    そしてお母さんを泣かせて……

    お父さんに殴られた。

    『いい加減にしろ、一樹!!!』

    『母さんの気持ちを少しは考えろ!!!!』

    古泉(あれがちょうど………)

    古泉(確か、梅雨の時期だった―――――)

    557 = 342 :

    本当の子供が生まれたら、もう自分はいらなくなるんだとおもった。

    必要とされなくなるんだと思った。

    それが、酷く怖かった。

    もう二度と、捨てられるのは嫌だった。

    そう思いながら、あの日。

    僕は今にも雨が降り出しそうな空のした、あの山の中で……友人達が家に帰った後も一人残ってぼんやりとしていた。

    ――もう、捨てられたくない――

    ――自分にしか、ないものが欲しい――

    ――自分を必要としてくれる、環境が欲しい――

    ――誰か………――

    古泉(誰か僕を……見つけてくれ―――――か)

    そう思った瞬間。

    僕は灰色の世界にいたのだ。

    全くみたこともない、ひどくさびれた世界に立っていたのだ。

    559 = 342 :

    古泉(彼女が作った鳥籠の世界?)

    古泉(鳥籠に進んで入ったのは……僕じゃないか―――)

    酷い話だった。

    僕は自らここを去ることを願い、

    自らここでの生活を捨てることを選び、機関に属し

    そして……彼が言うことが本当なら、自らの力であの能力を手に入れたのだ。

    確かに強制的な部分も多少はあったかもしれない。

    けれど根本の部分でそれを望んでいたのは……

    古泉(紛れもない――――僕自身だ……)

    古泉(それなのに、僕は勝手に疲れて夢の中で彼女を殺すなんて暴挙に出て、勝手に憤って、傷つけて……)

    563 = 550 :

    568 :

    さっきまとめで1から読んできた

    切ない

    569 :

    支援するしかない

    570 = 342 :

    ………とにかく、帰ろう。

    音をたてないように。

    絶対に、ばれないように。

    ゆっくりと慎重に立ち上がる。

    自分がこれからどうするか。その答えは全く出る気配がない。

    しかし、ここにはもう自分の居場所がこれっぽっちも残っていないことだけはよくわかった。

    古泉(二人は―――いや、三人はあんなに幸せそうに暮らしている)

    古泉(もう、あの二人は僕の親でもなんでもない)

    古泉(顔を出すことさえ……僕はしない方が、いいのだ)

    ぱさぱさと小さくお尻を叩き、最後に一度だけ今に向かって頭を下げる。

    古泉(……お二人とも。どうもありあとうございました)

    古泉(今なら、あのいただいた優しさの価値を理解することができます)

    古泉(どうか、お元気で………)

    571 :

    何この切なさ

    573 = 342 :

    頭を上げて、居間に背を向けた………その時だった。

    古泉(……!?なんだ!?)

    空からこちらに何かが飛んでくるのが見えた。
    僕は反射的にその物体を除ける。

    バンッ。

    それは家の壁に当たり、大きな音を立てた。

    古泉(……石!?何故だ……?)

    古泉(……いや、それどころじゃない!早く逃げな―――――)

    そう思った瞬間にはもう遅かった。

    ガラガラと音を立てて窓があく。

    出てきたのは、「なんだなんだ?」といいながら眉を顰めているお父さんだった。

    最初怪訝そうな表情をしていた懐かしい顔は、僕を見つけた瞬間驚愕した。

    「何だ……って、あれ!?お前、一樹じゃないか!!」

    574 :

    一度は去ったスレだけど戻って来てよかった

    577 = 566 :

    wktkが止まらない支援

    578 = 342 :

    数分後。

    僕はついさっき頭を下げて別れたはずの居間に座って、お茶を出されていた。

    古泉(……はぁ――――)

    古泉(……なんでこうなるんだ―――――)

    お茶を、お菓子をと忙しく動き回っていたお母さんは自分のお茶を入れてやっと父さんの隣に、僕の向かいに座った。

    父さんの膝の上にはかつて、自分の妹になるはずだった女の子が、僕の事を不思議な生き物みたいに見ている。

    僕も彼女を不思議な生き物でも見るような目で見ていたから、お互い様だ。

    「一樹ちゃん。本当に久しぶりねぇ」

    口火を切ったのは、お母さんだった。

    古泉「……はい」

    「本当に、大きくなったな。表情も……もう、とても子供とは言えないな」

    古泉「……はい」

    僕は二人と目を合わせることができずに、テーブルの上に置かれたマグカップを見つめる。

    ……気が付くと、それは当時自分の愛用していたものだった。

    古泉(……まだ、とって会ったんだ――――)

    579 = 342 :

    古泉「………ごめんなさい」

    自然と言葉が溢れ出た。

    古泉「本当に………ごめんなさい」

    「一樹ちゃん……」

    「一樹……」

    僕はひたすら頭を垂れて、ごめんなさいと呟く。

    自分は何をあやまっているのだろう。

    何も言わず姿を消したことだろうか?

    のこのこと戻ってきたことだろうか?

    それとも当時、弟や妹をいらないなんていったことだろうか……。

    それ全部な気もするし、全然そんなの関係ない気もした。

    何処まで、自分自身は全く分からない。でも、とりあえず今は謝るべきだと。

    そう、心が認識していた。

    古泉「本当に、色々と……ごめんなさい」

    580 :

    またホモかと思ったらなんか違うみたいで吹いた

    581 = 366 :

    悲しいな
    SOS団に戻ってくる展開は期待できない?

    582 = 358 :

    私怨

    585 = 342 :

    「一樹ちゃん……顔を、あげて?」

    延々と繰り返すその謝罪を止めたのは、お母さんの優しい声だった。

    「一樹ちゃん、あなたは何も謝ることはないのよ?」

    「そうだよ、一樹。悪いのは……お前のことをきちんと考えてあげられなかった、私たちだ」

    古泉「……えっ?」

    その言葉に顔をあげると、二人は微笑んでいた。

    眉間に薄い皺をよせて。

    その顔は微笑んでいるのに……泣きそうにも見えた。

    まだ三歳にならない小さな妹だけがキャハハと楽しそうに笑っている。

    「お前がいなくなってからな……沢山、考えたよ」

    「果たして、自分達は胸を張って家族だったって言えるのか、ってな」

    古泉「お父さん……」

    586 = 345 :

    支援…

    587 = 342 :

    「それを考えるとき……いつも、あの時お前に言った言葉を後悔した」

    「どうして、もっとお前のことを考えてやれなかったのか……って。そう、ばっかり頭に浮かんだんだ」

    「一樹ちゃん……ごめんね?本当に……ごめんね?許してね―――?」

    お父さんは頭を下げて、お母さんはその言葉を呟くとうっすらと、涙を流した。

    そして……言うのだ。それでも、自分達は家族だったよね?と。

    今でも家族だよね?と。

    古泉(今でも、家族………?)

    古泉(僕は、今でも………家族?)

    古泉「……家族?」

    「……一樹?」

    古泉「僕は今でも………二人の家族?」

    「……そうは、思ってくれない?」

    古泉「だって、もう二人には―――――」

    お父さんの膝に絡まる小さな少女を見つめる。僕と違って、二人のちゃんとした血を受けた女の子。

    590 = 342 :

    だから、僕は自分の居場所を探して

    自分だけのものを探して、

    もう、誰にも捨てられることのない自分を求めて――――――

    「一樹は……そんな事を考えていたんだな――――」

    お父さんはそう呟くと、その小さい少女を優しく持ち上げて膝の上に座らせる。

    彼女は僕を見た。

    優しそうな、丸い目をしている。それはお母さんの目だった。

    「ほら、お兄ちゃんに自己紹介してごらん?」

    彼女は丸い目を少し泳がして、父さんの方を見る。

    しかし、すぐに視線を僕に戻して……指をそっと二本出した。

    「ミキです。もちょっとで、三歳です」

    美樹ちゃんと言ったその少女はそれだけ言うと、父さんのお腹に顔を埋めるように抱きついた。

    「……美しい樹と書いて、美樹だよ。一樹。お前の妹だ」

    593 :

    泣けるホッシュ

    594 = 342 :

    父さんがそういうと、美樹ちゃんはもう一度こちらを振り向いて僕を指さして……言った。

    「知ってるーーー!いっきお兄ちゃんでしょー!?ミキ、知ってるーーーー!!」

    そして、彼女は指の方向を違う方向へと変えた。そこは低い本棚だった。

    その本棚の中には一枚の写真が入っている。

    映っているのは……四年前。中学校に入学した時の、僕の写真だった。

    古泉「……あははは。あははは、はは――――――――」

    僕は、右手で首の後ろを掻きながら、俯いた。

    古泉(……あれ?おかしいな。自分はもう、いらないんじゃなかったのか?)

    古泉(彼女がいるから、いらないんじゃ……なかったのか?)

    そう思っていた。あの日から、そう信じて帰る家はもうないと思って……やってきた。

    なのに、どうして彼女は僕の事を知っているんだろう。

    どうして、勝手にいなくなった人間の写真なんていつまでも置いているんだろう。

    596 = 408 :

    とうとう花粉症にかかってしまったみたいだ…
    もう一回顔洗ってくる…

    597 :

    目からパールが……

    598 = 350 :

    古泉、ロリに目覚めるのか・・・(´;ω;`)

    599 = 550 :

    ダメだ。鼻水が酷い
    花粉症にでもかかったかな

    600 :

    エロ要素のないSSなんて見てられブワッ


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