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元スレキョン「ハルヒに暇を出された」

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みんなの評価 : ★★★
タグ : - 涼宮ハルヒの憂鬱 ×2+ - 長門 + - エヴァ + - キョン + - キョン「ハルヒに + - キョン子 + - スネーク + - ツンデレ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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502 :

ほっしゅ

505 :

おはよう

しかし…
なぜ残ってるんだ…

さてどうしよう

506 = 25 :

ひとまず第三章だけはここでやろうかな

では>>473の続きから

507 = 25 :


「どうした古泉?」
「………」

言葉が、なかなか出ない。
しばし森さんを待たせ、僕はゆっくり言葉を紡いだ。

「今現在、閉鎖空間の発生は確認できますか?」

僕は結局、正確な報告を避けた。
それはおそらく、僕自身が涼宮さんのあの言葉を、信じることが出来ないでいたから。

「何?いや、発生していないが…何かあったのか?」

閉鎖空間が発生していない。
すなわち、彼女はなんらストレスも、そして緊張も感じていない。
つまりさっきのことはドッキリとかそういう類のものではないということであり、
そして僕を追い出すことになんの葛藤も、ためらいもなかったということだ。

「…いえ、なんでもありません」
「何だと?どういう…」

そこで電話を切る。

こぼれる一筋の涙には、気づいていた。

508 = 25 :

坂道を下りるのに、こんなに時間がかかったのは初めてのような気がする。
下りきって、道が平坦になるころには、あたりはすっかり暗くなっていた。

さっきまで、おそらく森さんからの着信を受けていたのであろう携帯は、
今はもう、その体を震わせてはいない。

なぜか?
どうしてなのか?
僕が何かしたか?

こんなにも、何かの間違いであって欲しいと思ったのは、生まれて初めてだった。

509 = 491 :

はいはい支援支援

510 :

しえん

511 = 25 :

行き着いた先は、公園の入り口。
一番近くのベンチに、僕は腰掛ける。

これからどうしようか。
機関になんといえばいいのか。

そして何より…彼らと行動をともにすることはもう出来ないのか。

しかし、先のことを考える必要がないことに、僕はすぐ気づくことになる。

512 = 25 :


足の先から、体が消えていく。
さっきよりも、理解は早かった。

ああ、僕は消えるんだ。

自分という存在が消えることよりも、
もう二度とあのメンバーに会えないということが、僕は悲しく、怖かった。

抵抗の意志は、もはやなく、
近づく終わりに目を瞑るつもりもない。


ただ、最後に見た星は、きれいだった。

515 = 25 :

……。


黒。

黒に包まれているのを感じる。


足元から消えていった体。
痛みは伴われず、そしてそれゆえの恐怖に心が固まる。

あたりが黒に包まれて…。

…その後は?

ここは…一体…。

僕は……。



「古泉くん!」


闇の奥の、そのまた奥。
神の声が、聞こえた気がした。

516 = 25 :

私は、どうなったんだろう。

消えてしまったというのなら、ここはどこ?

暗い。

暗い。

誰もいない。

でも…私はいる?

何のために?


私は…。







Case2 朝比奈みくる

517 = 25 :

長い季節にはさまれると、その間の季節の存在感は薄れてしまうような気がする。
前半は夏に、後半は冬に侵食されることの多い秋は、
そういうことでなんだかさみしい季節だと、私は思っている。

暖かい季節を好む私にとって、秋はそれほど好きな季節ではない。
どちらかといえば、春先の方が心が躍る。

とはいえ、涼しいほうがお茶はおいしいかもしれない。
涼宮さんや長門さんは、気に入ってくれるだろうか。
キョンくんや古泉くんは、今日もおいしいと言ってくれるだろうか。

518 = 25 :

全員が揃った部室。
お茶を振るまい、その反応に満足して、椅子に腰掛ける私。
手には編み物。今日中には…編み終わるかな。


綺麗な夕焼け。
沈んでいく太陽の光が、窓からさしてすべてを染める。
いつも通り、長門さんが本を閉じて今日の活動の終わりを告げた。

手元のそれを少し編み残して、私は席を立つ。
その時だった。涼宮さんが窓のほうを向きながら、その言葉を言い放ったのは。

520 = 25 :

固まる部室の空気。
私はただ、涼宮さんの背中と古泉くんの顔を交互に見つめることしか出来なかった。

古泉くんが出て行って。
涼宮さんも出て行って。
キョンくんが声をかけてくれて。

そして私は、涙を流すばかりで。

でも涼宮さんがいつもと違う、それだけは、不思議と分かったような気がした。

帰りの坂道。
強い風。

キョンくんが、私を励まそうとしてくれている。
私もそうであって欲しいと願っている。
でも…

「でも…今日の涼宮さん、何か変でした。何か…」

521 = 491 :

はいはい支援支援
支援するしかないだろっ!

522 = 25 :

分かれた道の先。
一人かもしれないんだ。古泉くんは、今。

どこにいるのか見当もつかないけれど、
でもずっと一人だなんて思わないで欲しいと、
そう、私は思った。


翌日の部室。
何もかもが、昨日と違っている。

古泉くんはいない。
そして涼宮さんに持ちかけられたオセロの勝負。
結果は私の惨敗だったけれど、涼宮さんと普通に話せたことは
少し嬉しかったりもした。

でも、そんな私にも、その時は来た。


「ああそうそう、みくるちゃん、明日から来なくていいわよ」


突然に。なんのためらいも、そこに伴うことなく。

524 = 25 :

言葉を失う。
その表現が比喩にならないほどに、
とにかく声が出なかった。

それきり、何も言わずに出て行く涼宮さん。
キョンくんがその後を追う。
大きな声。
私は座る。
涙は出ない。

またキョンくんが、私に気を使って近くに来てくれる。

「はい…。私は…私はいいんです。私のことはいいんです。
 でも…涼宮さんは…。もしかしたら…」

そこから先は、言えなかった。


昨日と違い、無言で下る坂道。
さしかかる分岐点。
私はそこで、昨日と同じようにキョンくん、そして長門さんと分かれる。
言葉少なに、しかし涙は流さず。

527 = 25 :

分かれた道の先。
一人なんだ。私は、今。

涼宮さん、私のこと嫌いになっちゃったのかな…。
何か私…いけないことしちゃったかのかな…。

ついに流れてきた涙は、後悔のためか、惜別のそれか。

いつだったか、キョンくんに自身が未来人であることを
告白した公園。
なぜここに行き着いたのかは分からないけど、
でも…。

記憶を頼りに、あのベンチを探す。
なぜそこに座りたかったのかはわからないけど、
でも…。

529 = 25 :

座り込む。
冷えた座面。
つい最近、みんなで見た時ほどではないけど、
今日も星がきれい。

気づかぬ間に消え始めていた体。
夜空に集中していたことは、幸か不幸か。


分からない。
分からない。

涼宮さんが、なぜ私を?

とうにしておくべきだった、
未来との連絡を試みる。

通じない。
感じられる、意志の力。

もう逃れられないのかな。

遠い虫の声。
光っている星。


最後に涙を流さないでいられたのが、なぜなのかは分からない。

530 = 510 :

しえん

533 = 25 :

私は、どうなったんだろう。

消えてしまったというのなら、ここはどこ?

暗い。

暗い。

誰もいない。

でも…私はいる?

何のために?


私は…。


「みくるちゃん!」


背面からの声に、落ち始める涙。
まだ振り向いてもいないのに、なぜ流れるのかは分からない。

534 = 486 :

続き来てた!
支援

536 = 25 :

…現状を確認。

座標は不明。

黒。

私は…なぜここに?

……。

……。







Case3 長門有希

537 :

これは久々に面白い


しえん

538 = 469 :

長門パート書くの大変そうだw

539 = 25 :

季節に、私にはあまり興味がない。
だから、衣替えといわれても、彼がいうような「情緒」を感じることはない。
ただ体温の調節にあまり気を使わないでいいという点で、いわゆる春や秋といった、
中間的な気候をその特徴とする季節はありがたいかもしれない。

…今日は少し、寒いけれど。

部室に入る。
誰もいない。

定位置につき、私は本を開く。
涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、そして彼。

入ってくる団員に、私は顔を向けない。
それが、自然な私。

…自然な…?

541 = 25 :

自然なことが、決まってよいとは限らない。
否、私はヒューマノイドインターフェース。
だからそもそも…。

私は余計なエラーを消去する。

今が…楽…しい。
それだけは、事実だから。

少しばかり間を置いて、最後に古泉一樹が入って来る。
全員が揃う。

いつも通りの光景。

542 :

追い付いた

543 = 25 :

その日の夕方、涼宮ハルヒが古泉一樹を事実上解雇した。
原因は不明。

精神状態は正常。
…なぜ?

朝比奈みくると彼が、帰り道で今後のことについて協議している。
私は沈黙を守る。

そのまま二人と別れた私は、念のため古泉一樹の状況を探る。
…異常なし。

………?

544 = 510 :

しえん

546 = 25 :

翌日、再び部室から一人が消える。
今度は朝比奈みくる。
涼宮ハルヒはまたも仲間を追放した。

精神状態の調査。
…変動なし…。

帰り道。
今日は無言だった朝比奈みくる。
代わりに私には、彼に言うべきことがあった。

彼が私に、涼宮ハルヒの精神状態に関して訪ねる。
私は答える。昨日と同じで正常だと。

そして、こう付け加えた。

「でも私は信じたくない」

うまくいえたかわからないけれど、彼には伝わったような気がする。

549 = 25 :

さらに翌日。
昼休みに、彼が私を訪ねてくる。

彼との会話の中で、絡まった糸がほどけていく。
それは、とてもいやなほどけ方で、
そして同時に、私は自分の愚かさを知る。

古泉一樹と朝比奈みくるは、知らぬ間に消えていて、
そしてすでに自分達は、閉鎖空間の中に取り込まれていた。
私の…私のせい…?

「違う!」

彼が、力強くそれを否定する。

「…お前は悪くない。悪いのは…」

…悪いのは?


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