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    元スレ新ジャンル「高校野球部で自分以外の部員が全員少女」背番号2

    新ジャンル覧 / PC版 /
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    151 = 144 :

    「わぉ、ダイビング……キャッチした?」


    「いてて……(あたし……取っ……)」

    「落球、捕獲」
    「……って……なかった(そんな……そんなぁ)」

    会長「ふぅ、シングルヒットだな」
    「見逃さなかったな……」

    会長「ふん……二球目は実に気の抜けた球だったよ」
    「……やはり(プレッシャーがあったんだろうな、投も)」

    会長「しかし、勝ちは勝ち」


    (そんな……投の球が……あんなにキレイに打たれた……?)
    (あたしのせいで……)

    「会長さん……」
    会長「なんだ?」

    「男君を辞めさせるなんて話は撤回してください」
    会長「捕……」
    「彼は」
    「会長さん!」

    会長「む?」

    「お願いします!男は残してください!」
    「投……」

    「アイツが居ないとダメなんです!あたしっ……アイツじゃないと……」

    「そうだ。投の本調子はあんなもんじゃない。その球を取れるのは」
    「そういう……ことじゃないと思いますよ、キャプテン」

    「む……」
    「男はっ、野球くらいしか取り柄がなくてっ……あたしだって同じでっ……」

    会長「試合でも、点を取られたら泣いて取り消してもらうのか?」

    「うぅっ……グス」
    会長「そうだな……次は捕が投げてみろ」

    「……え?」

    152 = 144 :

    「あい、プレイッ」

    (会長さん……認めてないんじゃなかったのか?)
    (とことん否定しようってのか?とことん潰そうって)
    (投が打たれたのなら私など……)

    会長「どうした」

    (隙がない……打ち取れるイメージが浮かばない)
    (どうすれば……)

    会長「早く投げろ」

    (っ……とりあえず、こんな勝負は終わらせて話を)
    (捕先輩に任せます)

    (……立ち位置がベースに近い……インコースだ)スッ
    (はい)

    会長「よし、来い」

    (私にはストレートしかないんだ。全力でっ)
    (よし、仰け反れっ)ズバァン

    「ストライ~ク(……あのコースを微動だにせず、か)」

    会長「……いい球だ」
    (くっ……なんだ、この見透かされるような感覚)

    (もう一つ内角、低めにっ)

    (またいいコース!)ズバァン

    「ス……?(微妙なんだけどっ)」
    会長「入っていた。ストライクだ」

    (際どかったけど……この人……)

    会長「いい……気迫の籠った、実にいい球だ」

    「会長さん……」
    会長「さぁ、次だ!」

    (どうする……もう一度内に入れるか、外……は会長さんの得意なコースだ)

    (悩んでる……捕先輩は、この人のすごさを……怖さを知っているのか)

    (ダメだ、わからない……男君が決めてくれ)
    (わかりました、じゃあ……)

    153 = 144 :

    (いくぞ)
    (はいっ)
    (徹底してインコース!)

    (っ……さっきより高い!)
    (甘いかっ!?)

    会長「……」ズバァン

    「あら……ストライク。バッターアウト、ですね」

    (見逃し……た?)
    「……どうして振らなかったんですか?」

    会長「……」
    「会長さん……」

    会長「お前が投手として、どれだけ濃密な期間を過ごしてきたか……よく解った」

    「……はい」
    会長「なぜ、俺にはできなかったんだろうな」



    「終わり終わり!練習始めっぞ」
    「そうですね」

    「え~、どうなるの~?」
    「なるようになる」


    「会長さん……どうか認めてほしい。私たちは」
    会長「噂では聞いていた」
    「え?」
    会長「捕がピッチャーに転向した、とな」

    「それならどうして……」

    会長「覚悟を確かめたかっただけだ……それと」チラッ

    「は……い?」

    会長「俺の考えもしなかったことをやってのけた一年坊主への……苛立ちもあったかもな」

    (……なんだそれ)
    「じゃあっ……男はこのまま部にいていいんですね!?」

    会長「……ふむ、君たちとの勝負には勝った訳だが」
    「え゙っ……」
    「そんな……」

    154 = 144 :

    会長「男といったな……お前、キャッチャーというポジションがどういうものなのか、解っているんだろうな?」

    「……はい」

    会長「失点した時、負けた時……全ての責任がふりかかることもある」
    「……」

    会長「それでもお前はやれるのか?残された時間が少ない者たちを率い、まとめることの重さを……本当に解っているんだろうな?」


    「全力を尽くします」

    「会長さん……試合に負けたって、責任なんて誰にも」
    「この磐石なチームが負けるようなことがあれば、それはきっと俺の責任です」

    「男君!?」

    会長「よし、では勝者からの要望だ」

    「……」ゴク


    会長「練習試合は絶対勝て。負けたら退部だ」

    「そんな!?相手は甲子園優勝の……」

    「……わかりました」
    「男!?」

    155 = 144 :

    「会長ちゃん、おつかれっ」

    会長「先……いたのか」
    「最初から居ましたからぁっ」

    「なかなか見応えあったわ」
    会長「マネジ……」

    「ねぇ?さっき何話してたの?……男君は辞めないでいいんだよねぇ?」
    会長「ああ、俺にそんなこと決める権利は無いしな」

    「練習試合で負けたら云々って話は?」
    会長「勝手に承諾したのは男だ」

    「……あの子たち、結構本気にしてるわよ」

    会長「それで士気が高まるなら構わんさ……少々嫉妬するがね」

    「だって、もう居ないと困る存在だからねぇ」

    会長「先……今でも腕は痛むか?」
    「それいつの話~?とっくに完治してるよぉ」

    会長「そうか」
    「元々、たいした投手じゃなかったんだよ、あたしは……」

    「怪我……?初耳なんだけど」
    「中学の頃ちょっと、ね……誰にも言わないでね?別に後遺症とか無いし」

    「ん……」
    会長「すまん……でも」

    「今も頑張ってるよ。少しでも戦力になれるように」

    「それも男君に言われて、ね」
    「いい子だよ~。いつも一生懸命で……若いって感じ」

    会長「……まだ仕事が残ってるから、もう行くな」
    「あ、会長ちゃん」

    会長「ん?」
    「あたしたちは、何も変わってないよ」

    会長「……」

    「昔も今も、野球大好きなヤツの集まりなんだよ」

    会長「解ってる。……じゃあな」

    「またねーっ!」

    156 = 144 :

    「まぁ、そういう訳で、練習試合は絶対勝ちましょう」

    「そんな訳も関係なく勝ちに行くに決まってる!」
    「ごもっとも」

    「しかし絶対なんて無い……君は本気で……」
    「俺、頑張りますよ」

    「……そう……だね」
    「闘魂注入されて気合い入ったし」

    「う……ごめん、つい……痛かったか?」スリスリ
    「平気ですよ……投の球に比べたら」

    「……うるさい、バカ」
    「お前、まだ泣いてんの?」

    「うるさいうるさい、うるさーい!(あぁ……勢いで何てことを口走ったんだ、あたし)」

    「安心しろ。俺はどこにも行かねーよ」
    「……当たり前だよ……ここにしか居場所ないくせに」

    「ははっ、確かに……投のおかげでな」
    「そう……だよ(違う……男がいるからあたしは)」

    「でも、いつまでも金魚のフンじゃ情けねぇし……そろそろ引っ張ってやらねぇとな」
    「……言ったね?約束だよ?」

    「おう、二言は無……」投「……なによ」

    「中?大丈夫か?」
    「お、もう一人の泣いてる子に気づいてくれたね」

    「……グス(よかった……辞めないで済んでよかった)」
    「おい、膝……破れて怪我してるじゃん」

    「平気……バカ……グス」

    「泣くほどなのに平気な訳ないだろ」
    「手当てが必要だな。マネジは……向こうで会長と話してるか」

    「救急箱はあったよな……中、行くぞ」ヒョイッ
    「ふぇ?……っ」

    「あら、お姫様抱っこ……」
    投・捕「!?」

    158 = 144 :

    「いいなぁアレ……三ちゃん、あたしにも」
    「なんで!?」


    「は、離して……バカ(うわぁぁぁ……何?何これ?)」ギュウ
    「落としやしないから……そんなにしがみつくなよ」タッタッタッ

    「危ないから……走るな……(あぁ……男君の熱気……汗の匂い……)」ギュウウウ


    「おい、何ボーっとしてんだ。座って足出せ」

    「えっ、あ……はい」カチャカチャ
    「待て待て!脱がなくていいから!裾を捲れ」

    「っ……!?何させるの!バカ」ドカッ
    「俺じゃねぇだろ!蹴るなよ」

    「別に怪我なんて、たいしたこと……」
    「うわ痛そう……傷口に土入ってるな」
    「……洗えば済むから」

    「近くに水道無いし……ちょっとゴメン」チュウゥ レロレロ
    「ひぁっ!?」
    「ぺっ……ちゃんと後で消毒するから」チュパチュパ

    「や、やめて……変態……あ」ビクッ
    「土取らないと」ペロペロ

    「あっ……ダメッ……」ビクッ



    監督「……」

    「うわっ……居たんですか」

    監督「構わん、続けろ」
    「ハァッ……ハァッ……」

    監督「中……いい表情するじゃねぇか」ガコン

    「さぁ、あとは私に任せて練習に戻りなさい」
    「あ、はい……監督が死にかけてますが」

    「気にしなくていいわよ」



    暴走してきたから、この辺で ノシ

    159 :

    乙!
    練習試合楽しみにしてるぜ!

    160 = 144 :

    ちなみに練習試合は俺じゃなくて合宿の人が書くんだぜ

    俺も楽しみにしてる

    161 :

    >>160

    ………

    ………え?
    お、俺が書くんですか!?
    合宿中の試合は書きためてますが、VS教頭&全国制覇戦は貴方が書いてちょーよw

    とりあえず、会長話GJ!面白かったよ。
    もうすぐ合宿の続き投下するから、しばし待たれよ。

    162 :

    ブランクおいて150キロの速球を面白い球で済ますとか何者だよwwww

    163 :

    >>161
    教頭絡みの言い出しっぺはあんたじゃなかったっけ?もう一人の方か?
    俺は前スレでも3回くらいしか投下してない
    補欠のような存在なんだぜ

    >>162
    あまり突っ込まないでwwwwww

    164 :

    >>161
    悪い悪いwwVS教頭&全国制覇戦は俺だww
    近頃忙しくて顔見せれんかった、すまん

    一応ちまちま書いてるから気長に待っててくれ

    165 = 164 :

    今更ながら>>160

    全国制覇戦はゆっくりスローペースで載せるぜ

    166 = 164 :

    ~試合当日~

    「よーし晴天! 絶好の野球日和だぜ」
    「男! 肩作るから受けて!」
    「オーケー任せとけ! 教頭に一泡吹かせるためにも、今日はいくらでも受けてやるぜ!」
    「うん。任せた!」

    「ん? 何だ、この弁当の山は」
    「あ、差し入れです」
    「……誰からのだ?」
    「あれ? そういえば、あれは誰だったかねえ……」
    「まずい、弁当に誰も触れるな!」

    「?」
    「ふぇ?」
    「なんふぇだ?」

    「ちっ、三人嵌ったか……」
    「ど、どういう事何かな! かな!」
    「その弁当にはおそらく下剤が仕込まれている。……試合中は辛いだろうが、諦めてくれ」
    「さすが教頭、姑息だぜ!」
    「マダダイジョウブダガ」
    「大丈夫だよ! よゆーよゆー」
    「……だと良いんだが」

    167 = 164 :

    ~ベンチ~
    教頭「おやおや、逃げはしないようですね野球部諸君」
    「当然でしょう。あなたが私たちの前に跪くのを見ない限りはね」
    教頭「あなた、言葉には気をつけた方が良いですよ?」
    「その忠告、ありがたく受け取っておきますよ。……ところで」
    教頭「なんです?」
    「あなたが差し入れとはどういう風の吹き回しですか? それも下剤入りの特製弁当」
    教頭「……おやおや、それは私ではありませんよ」
    「何?」
    教頭「あなたたちの対戦相手の仕業でしょう。……ええ、あそこの野球部は嫌にキナ臭い噂ばかり立ってますからね」
    (とんでもない相手と当たってしまったな……くそっ)
    教頭「まあ、私は彼らが何をしていたとしても一向に構いません。野球部が潰れればそれで、ね」
    「そうでしたね。それではとっとと消えて下さい」
    教頭「何だと?」
    「当たりますよ、ボール」

    「男、避けろ」
    「りょーかい」

    教頭「な、何ッ!?」
    ガツン!
    「ナイスボール~!」
    「す、少しやり過ぎじゃないかな……?」
    「ま、死にはしないでしょう」

    教頭「お、おのれ野球部め……」

    168 = 164 :

    教頭「ふぅ、やれやれ……」
    全国制覇監督(以下全国「教頭か」
    教頭「酷い目にあった……あれだから野球部はいらないんだ、くそっ!」
    全国「まあ落ち着けよ」
    教頭「はあっ……はあっ……! おい、全国! この試合、勝つ算段は整っているんだろうな!」
    全国「当然だろう。まずは手始めに下剤弁当を仕込んでおいた。その後はまあ、ウチの部員達がやってくれる」

    「……」

    教頭「なるほど、皆狂った目をしているな」
    全国「おいおい、失礼だな。こんなに可愛い目をしてるじゃないか、ふふ……」
    教頭(早いところこいつとも縁を切るべきだな)
    全国「お前ら、今日の試合は勝ち試合だ。……存分に潰してこい」
    「イエス、サー」
    教頭(……軍隊か?)

    169 = 164 :

    「……はぁ」
    「どうしたの、マネ~? 嫌なことでもあったの?」
    「そうよ。凄く嫌なことに気がついたの」
    「どんなこと~?」
    「敵チームの特徴はね、必ずといって良いほど相手選手を負傷させることなの」
    「え……?」
    「この試合も例外じゃなく、負傷者が沢山出る試合になるわ……きっとね」
    「な、何とかならないの!?」
    「何とかなると思う? 私一人じゃ、とてもじゃないけど無理よ……。注意を促すことは出来ても、負傷を防ぐ事なんて」
    「うぅ……何とかならないかなあ……」
    「神とか信じる性質じゃないけど、こればかりは祈るしかないわね」
    「……男君、頑張ってね……」
    「あら、真っ先に心配するのは男君なんだ」
    「ひゃぅ!? そ、それはその……えーと……」
    「別に慌てなくても良いわよ。もうわかりきってることだしね。……投ちゃん、捕ちゃん、中ちゃん、先に、この前の体育倉庫事件以来少しだけ距離の縮まった一……。男君争奪戦の勢いは激しさを増すばかりね」
    「えっ!? ち、違うよ、ボクはそんなのじゃぁ~」
    「顔を真っ赤にして言う言葉じゃないわよ。それにしても、本当に何もないと良いわね……」

    170 = 164 :

    「さっきマネージャーから入った伝言だ。相手との試合では負傷に気をつけろ、だそうだ」
    「負傷?」
    「ケガをするって事ですか……?」
    「さて、な。クロスプレーとかには気をつけた方が良い。特に男。君は、野球部にとっても、私にとってもなくてはならない存在だからな」
    「あ、はい。わかりました」
    「……さりげなく惚気てるねえ、キャプテンは……」
    「……どこまで続くのか、男のハーレム伝説。こうご期待」
    「ってー! 今のは聞き捨てならない台詞ですよキャプテン!」
    「そ、そうですそうです!」
    「こ、これ以上ライバルが増えるのは私としては……有り難く、ないなぁ、と」
    「し、仕方ないだろう。男君、暖かかったんだから」
    「い、一緒に寝たんでしたっけ……」
    「羨ましい……じゃなくて、いけませんよキャプテン!」

    「大丈夫かしら、これで」
    「ミナウワツイテイルガ……アイテハゼンコクセイハノチーム……」
    「簡単に事が運ぶかは、わからない……」

    171 = 164 :

    教頭「む、そろそろ時間か……」
    全国「よし、練習は終わりだ。……並べ」
    「了解」

    「それじゃあ、行こうか」
    「こりゃぁ、負けられねえ試合だぜ!」
    「トリックプレイで攪乱させるみゅ!」
    「ここは、通過点に過ぎないもの! 負けるものですか!」
    「みんな、ケガだけには気をつけてね!」
    「負けられない……!」
    「野球部をなくすわけには行かないんだ……!」
    「……チームの勝利、それが最優先」
    「ヒサシブリニ、ウデガナル」
    「……勝ってみせる」
    「野球部面白いからね~、なくしたくはないよね~」
    「出番があったら、頑張るよっ!」
    「……ふぁい、おっー」
    「熱血って言うのは柄じゃないんだけどねぇ……。簡単に負けるつもりはないさね」
    「さぁ、勝ちに行きましょう!」
    「おおっ!」

    「おい、俺は除け者か?」

    172 = 164 :

    オーダー

    打順・者・守備位置
    一番・中・センター
    二番・遊・ショート
    三番・三・サード
    四番・一・ファースト
    五番・左・レフト
    六番・右・ライト
    七番・男・キャッチャー
    八番・二・セカンド
    九番・投・ピッチャー

    ベンチ

    捕・欠・継・先・走・マ

    173 = 164 :

    「それじゃあ、行ってきます!」
    「中、頑張れよ! 応援してるからな!」
    「ありがとう、しね」

    「死ねって……」
    「ところがねぇ、今の死ねはひらがなだったんだよ……。それが意図するところは?」
    「ひらがなにすることで、親愛の情を表現可能」
    「というわけさ、落ち込むほどの事じゃあないさね」
    「そ、そうかもしれませんが……」

    「プレイボール!」
    「始まったぞ!」

    (……一球目は様子を見る)
    相手エース(以下エ「女か。僕の相手には相応しくないなあ」
    「失礼な……」
    「じゃあ、僕の球が打てるのかいっ?」
    シュッ!
    (ストレート! 速い……あれ?)
    カキーン!

    「おお、打った!」
    「良いぞ中!」

    (どうして簡単に……そうか、いつも投の球を見慣れてるから……)
    「こ、こんな事が……いやいやまさか。まぐれに違いないさ」

    一回表0-0 攻撃 無死一塁 走者:中

    174 = 164 :

    「私の番ね……」
    「ふ、僕が簡単に打たれるわけ、ないんだあああああああ!」
    「……ふっ」
    カーン!
    (しまった、上っ面を叩きすぎた……)
    「ボテボテのゴロじゃないか、ふふ! よいしょっと、セカン!」
    パシッ! セーフ!
    「なにっ!?」
    「伊達に一番、やってないもの」
    「私もセーフよ」


    「なんだ、あれ? 全国制覇が聞いて呆れる……」
    「そうね。でも舐めない方が良いわ。……初回から、必ず何かしかけてくるはず!」

    「よーし、あたしが打ったら早速先制点ってところだな! 来いよ!」
    「く、くそっ! バカにしやがって! 喰らえぇぇぇぇええええええ!」
    「速い……けど、ウチの投に比べれば……っつ!?」
    ブゥン! ストライーク!
    「ふ、どうした?」
    (畜生、腹が……下剤が効いて来やがったか……?)
    「バッターボックスにいる時点で貴様は打者だ! ほほいのほいっと!」
    ストライーク! バッターアウッ!
    「畜生……」
    「気にするな。私が返す」

    一回表0-0 攻撃 一死一、二塁 走者:中・遊

    175 = 164 :

    「くそっ!」
    「先輩、大丈夫ですか?」
    「ああ、畜生め! あいつら、後で吠え面かかせてやる!」
    「うーん、でも、この分だと案外楽勝なんじゃない?」
    「だよなあ……俺たちより守備下手だぞ? それとも攻撃が凄まじいのかな」
    「どうなのかしら……わからないけれど……油断は禁物よ」
    「どーも嫌な予感がするぜ」

    「……打つ」
    「おら、よっ!」
    カーン!
    (三遊間、しまった……!)

    「私の足なら……!」
    「……ニヤリ」
    (相手のショート、ボールを落とした!? ダメだ、このままだとぶつかる!)
    ドン!
    「っつぅ~!」
    「ランナーアウト!」

    「っておい、なんでそうなる!」
    「守備妨害でだろうね」
    「でも、走塁妨害に近くないですかあれ」
    「問題はね、審判が教頭の連れてきた者だって事よ。おそらく私たちが有利になるような判定はないでしょうね。流石にストライクとボールの区別くらいはつくらしいけど」
    「んな無茶苦茶な……」

    一回表0-0 攻撃 二死一、二塁 ランナー:遊・一


    とりあえずここまで。もしかすると小説形式にするかもしれん

    176 = 163 :

    始まってた wwktk

    書き易いやり方でいいだろうさ 台詞だけじゃ限界がある

    177 :

    なんというミスフル・・・


    いいぞもっとやれ

    178 :

    「さて。一つずつ運ぶか…これだけの量は大変だが、仕方ねぇ」
    「監督~先輩たちのバッグ、開けたりしないで下さいよ?」
    「そこまで落ちぶれちゃいねーよ。さて…」
    「(私…何で隠れたんだろう…『私も手伝うね』…って言って出て行けばいいだけなのに…どうしよう…ドキドキが止まらないよ…)」
    「あ。これ…」
    「おい。お前こそ勝手に何やってんだ?」
    「(?…それは…私の荷物…?)」
    「ち、違いますよ。このグローブ」
    「なんだ?」
    「…よく手入れしてるんですよ。三先輩のとは大違いだ」
    「(…男君…)」
    「そりゃ、左中間を一人で守ってるみたいなもんだからな」
    「…そうですね。中の存在は大きいっスよ」
    「…」
    「フッ…分かってるようだな。アイツに一年でレギュラー任せたのは、足じゃねぇ。あの守備範囲に加えた堅実な守備が第一だからな」
    「!?」
    「明日の試合は先先輩が先発ですからね。中には一番働いて貰いますよ」
    「コラ。まずは外野に飛ばさせない組み立て考えろよ?」
    「分かってますって」
    「(そうだ…私は…)」
    「でも、中がマウンドの遠く向こうに見えるから思い切ったリードも出来るってもんです」
    「(私は…野球に夢中で、野球が大好きだったんだ…)」
    「…だってよ。良かったな」
    ・中「え!?」
    「コソコソしてねぇで手伝えや。女手だって惜しい」
    「え?…中!?」
    「えへへ…来ちゃった」
    「え?どうやって?…つーか監督、気づいてたんスか!?」
    「ホレ、早くしろよ。晩飯冷めちまうぞ?」
    「え?あ、はい。あの、えっと…」
    「…それ。ありがとう」
    「…え?…ああ、コレか。ごめん、勝手に」
    「…私、その…が、頑張るから…ね?/////」
    「お…おう。頼りにしてる」
    「お~も~て~ぇ~…!おい、男!」
    「…は、ハイ!手伝います!」
    「(私…野球…頑張るから、ね!見ててね、男くん…)」

    179 = 178 :

    ~宿舎~
    「ただいま戻りました~!」
    「お帰りなさい…って、あら?中も?」
    「はい。やっぱり手伝いに行っちゃいました」
    「おせぇよ~。みんな揃うまで、晩飯、おあずけだったんだぜ~?」
    「(汗)…みんなの荷物、運んでくれたんですよ~?」
    「まあいい。お前ら、それじゃメシにしよう。食べたらミーティングだ。明日のオーダーも発表するからな」
    一同「やった~!いっただきま~す!!」

    180 = 178 :

    ~宿舎~
    「ただいま戻りました~!」
    「お帰りなさい…って、あら?中も?」
    「はい。やっぱり手伝いに行っちゃいました。へへへ…」
    投・捕・先「(まさか…抜け駆けじゃ…)」
    「おせぇよ~。みんな揃うまで、晩飯、おあずけだったんだぜ~?」
    「(汗)…みんなの荷物、運んでくれたんですよ~?」
    「まあいい。お前ら、それじゃメシにしよう。食べたらミーティングだ。明日のオーダーも発表するからな」
    一同「やった~!いっただきま~す!!」

    181 = 178 :

    連投スマン。セリフ追加しようとしたら携帯バグった。

    183 = 178 :

    ~食堂~
    「それじゃ、明日のスケジュールを渡すわね」
    「各自目を通しながら聞いてくれ」
    「おいおい!6時起きで朝練てマジかよ!?」
    「やかましい。つべこべ禁止な?」
    「シアイノヒノアサ二 ハヤオキヲシテ こんせんとれーしょんヲ タカメルノハ あすりーと トシテノ キホンダロウ」
    「せっかくの合宿なんですから、頑張って起きましょう、三先輩」
    「へ~い…起きれっかな~?」
    「安心なさい。相部屋の私が叩き起こすから」
    「…憂鬱だぜ…」
    「それから、明日はDH制で試合する事になった」
    「でぃーえいち?」
    「守り専門と打撃専門の選手を器用するルールよ。プロだと大体は投手に適用されるけど…高校じゃ珍しいわね」
    「どうしてDH制なんですか?」
    「よく分からんが、相手さんの意向なんだ。まあ、コチラとしては合宿の面倒もみて貰ってるし、グランドも借りるんだ。
    ま、一人多く出られるからな。断る理由もないからOKした」
    「なんだ~…ボク、打ちたかったな~」
    「何言ってる?お前は打つぞ?」
    「そーなの?やったね~」
    「え?それじゃ、DHは?」
    「まあ待て。せっかく機会だから、打順も少々いじってみた。新しい打順のヤツは、それぞれの打順での役割を考えながらプレーすること」
    「はい!」
    「それでは、発表する。一番…」

    184 = 178 :

    「一番、サード、三」
    三・中「え?」
    「二番、ショート、遊。三番…」
    「ちょ、ちょっと待ちやがれ!アタシをクリンナップから外すたぁ、どういう了見だ!?」
    「三!監督には監督の考えがあるの。意見をするのは御法度よ!?」
    「でもよ!」
    「理由は後で話す。そう怒るなよ。別にお前を下げた訳じゃない。代わりに試したい事があるんだ…続けていいか?」
    「…納得出来ない理由だったら、アレをバラすからな…?」
    「アレ?」
    「…ゴホン。では…三番、DH、左」
    「左先輩が三番・DH?」
    「ダゲキ二 センネンカ タマニハ イイ」
    「四番、ファースト、一」
    「はい!」
    「五番…レフト、継」
    一同「え!?」
    「…いやはや…今年一番のびっくりドッキリメカだね~…」
    「六番、センター、中」
    「…了解」
    「七番、ピッチャー、先」
    「は~い!」
    「八番、キャッチャー、男」
    「は、はい!」
    「九番、セカンド、二」
    「は~い♪」
    「…てことは…ライトが?」
    「ああ。ライトは守備専。お前だ、投」
    「あたし!?ですか!?」
    「右先輩は?」
    「それが、コーティングはしたんだけど海水に浸かっちゃったからちょっと大事を取ってね」
    「やっぱり、グランドスラムを助けたあの時に…」
    「メンテナンスすれば大丈夫だ。心配は無用」
    「さぁ、理由とやらを聞かせて貰おうか。なんでアタシが一番なんだ?」
    「お前の一番というか、継を主軸で試したかった。それから、投は継投の時のポジションを経験しておけ」
    「分かりました」
    「納得出来ねぇな~?」
    「…いいか?三・一・左。このクリンナップに共通するのはなんだ?」
    「?」
    「…全員三年、ですか?」
    「そうだ。来年の事を考えてもみろ。お前らがまとめて抜けたら、クリンナップは一から作り直しだぞ?」
    「そりゃそうだがよ」
    「次期四番は遊しかいないと思うが、その前後を固める選手も必要だ。…俺は、継にその可能性を見ている」
    「監督さん…」

    185 = 178 :

    右と中を間違えた…orz
    「…了解」は中の台詞ね

    186 = 178 :

    「打順はこれで行く。全員使うから、準備だけはしておくようにな」
    一同「はい!」
    「それから、先発は先だからな。外野陣は覚悟しておけ!」
    「さっきと言ってる事が…」
    投・中「ひぃ~…」先「ちょっと、どういう意味~?」

    「まったり出来るとタカをくくってたんだが…難儀だね~…」
    「監督はあなたに投手としては勿論、器用な面にかなり期待してるわ。頑張ってね」
    「やれやれ…マ先輩にそこまで言わせちゃ、奮起しないワケには行かないね~…」
    「…良かったじゃないか。それに、さっき自分で言ってたろ?『補欠からしたら、浮ついたヤツがレギュラーだったら腹が立つ』って」
    「なんだい、欠まで…人が悪いね~」
    投・捕・中「………」
    「仕方ないね。一肌脱ぐとするよ」
    「うむ。先と男は打ち合わせ。他の面々は自由時間にする。では、解散」
    一同「はい!」
    「よっしゃ!待ちに待った自由時間だぜ!おいポチ!花火やんぞ、花火!」
    「わ~い!楽しそ~♪」
    「…あんた(三)って人は…」
    「…」
    「どうしたの、遊?」
    「…!…い、いえ…その…」
    「…ああ『次期四番』か。他にいるかしら?期待してる。頼んだわよ?」
    「キャプテン…」
    「それじゃ、先先輩。俺と監督の部屋に来て下さい。サインの確認からしましょう」
    投・中・捕「!!!」
    「え?…いいの!?」
    「勿論ですよ。監督も交えて再度ミーティングです」
    「…なるほど。『監督も』ね…」
    投・捕・中「………(ホッ)」


    とりあえず今日はここまでにしますノシ

    187 :

    阿部シンノスケみたいな打者が好きです
    変態バッティング

    189 = 178 :

    ~フロントロビー~
    「…男」
    「ん?どうしたのさ?」
    「敵は『相手』擁するチーム…そして謎のDH制…分かるわね?」
    「ああ。ヤツは確実に『多い日』だ」
    『バキッ』
    「…ってーな!何すんだ!?」
    「少しはオブラートに包みなさいよ、ばか!///」
    「お前から振って来たクセに」
    「話はソコじゃなくて!プライドの高いあのコが、そんな状況で考え無しに試合に臨む事はないと思うの」
    「『敵に勝算アリ』…か。任せろ。油断はしねぇからさ」
    「男く~ん!」
    「あ、先輩」
    「それじゃ、ミーティングしようよ!ボクの頭じゃ組み立てなんてチンプンカンプンだから、任せちゃうからね~」
    「マジすか?」
    「男!…分かってるわね?」
    「大丈夫だって。…先先輩だって、お前からエースの座を奪おうと必死に頑張ったんだ。その努力、無駄にはさせない」
    「なに、なに、なあに?なんの話?」
    「なんでもありません。先輩のチェンジアップを中心に、相手をきりきり舞いさせてやりましょう!」
    「ふむぅ~…あんなヘロヘロ球で打ち取れるのかな~??」
    「俺に考えがあります。監督の意見も交えて、準備を整えましょう!部屋に行きますよ?」
    「うん!」
    「(男…頼んだわよ…!)」

    190 = 178 :

    ~翌朝・相手校グランド~
    「…いいかお前ら。この試合は先に自信を付けさせる大事な試合でもある。
    同じ左のアンダースローで、『天才』と呼ばれる相手に投げ勝てば、かなりの自信になるだろう。頼んだぞ!」
    一同「ハイ!」
    ~ブルペン~
    「先輩。ココでは、まだあの球は投げませんよ?取って置きですからね」
    「ええ~…心配だよ~…大丈夫かな~…」
    「では、両軍、整列して!」
    『ぎゅっ』
    「お…男くん…///////」
    投・捕・中「~~~~~!!!!」
    「大丈夫。あの辛かった練習を思い出して下さい。野球の神様は先輩を見捨てませんから。俺のミットだけを見て投げるんです…!」
    「……////……分かった。男くんを信じる…!」
    「では、両軍、礼!」
    一同「お願いします!」
    「………オ…オマエ…ハ……!!!」
    「フフフ…ヒサシブリダナ 左」
    「左、知り合い?」
    「シリアイモ ナニモ コイツハ…」
    「どうやら、彼の恐ろしさを知る人がいるみたいね!御爺様がスカウトして来た助っ人の力、存分に思い知るがいいわ!」
    「ふん!そっちこそ、返り討ちに遭わないようにイブでも飲んでなさい!」
    「お生憎様。今日は体調も万全よ?」
    「な…っ!?」
    「可哀想に。DH制だからって私の身体の心配でもしちゃったワケ?残念ながら、このルールは『彼』の為よ!」
    「ホントウノ すらっがーノチカラ オモイシルガイイ…!」
    「あん?なんだテメーはさっきから!」
    「ヨセ、三 ヤツハ…」
    「?」
    「ヤツハ、ワタシタチ カゾクヲ ステ、めじゃーへ ワタッタ…ワタシノ オトウトダ…!!」
    一同「………ええええええええええええ!!!!!」
    「(ソックリだねぇ…)」

    191 :

    「どこかで見たことあると思ったら…昨年のアリーグ新人王…!」
    「なんですって!?」
    「ホカニモ シッテル ヤツガイタカ…」
    「ねえ。それ、スゴいのかな~♪」
    「あのねぇ………」
    「ヘッ!新人王だか新人類だか知らねーが、吠え面かかせてやんぜ!」
    「イセイダケハ めじゃーキュウダナ」
    「な・ん・だ・と~…今のセリフ、覚えとけよジェロ助!!!」
    「ジェロ助…」
    「(プッ…クスクス)」
    「それにしても…なんてムチャクチャな…」
    「メジャーの新人王って言ったら、何億も貰う人でしょ…?なんで日本なんかに…」
    「しかも高校野球に…」
    「オレハぷろダ カネノヒョウカガ スベテダ ヨリ オオクノ ぎゃらんてぃヲ モトメルノハ トウゼンダ」
    「…(一体いくら積んだんだ…)」
    「私の半年分のお小遣いを我慢して呼んで貰ったのよ?全ては甲子園のマウンドに上がる為!お遊戯で野球をやってる貴女方に、思い知らせてあげる♪」
    一同「………!」
    「………バカなコ」
    「なんですって?」
    「…一旦、火を付けたら誰にも止められない私達に油を注いだわね?」
    「ご託宣はいいのよ!全ては試合が終われば明らかになってるハズなんだから」
    「望む所よ!」
    「あの~…」
    投・相「何よ!?」
    「(シクシク)…試合…始めませんか…?」
    「…し、しまって行くわよ!」
    一同「…お…おおう!!!」

    次回、プレイボール

    194 = 191 :

    試合前に夜のお話追記

    ~宿舎・裏庭~
    「三たん。コレはなぁにぃ~?」
    「ほう。お目が高いなポチ。これは『ロケット花火』という物だ」
    「ろけっと?」
    「…ときに、ポチ。空を飛んでみたくはないか?」
    「え~?ムリだよぉ~…だってわたしたちには翼がないもの~…右ちゃんみたいにジェットも搭載されてないし…」
    「そこでコイツの出番だ!」
    「ふぅむ、ふむ!」
    「まず、コイツを2つ、鼻に詰めます」
    『ぶすぶすっ』
    「三たん。息はろーすれあいいんろ~?」
    「そしておもむろに火を点けると…」
    『しゅう~…』
    「これれ、おそらを…」
    「そうさ。二は今から蝶に…鳥になるんだ…!!」
    『ぱんぱんぱん!!!』

    ………………………

    「ただいま~♪」
    一同「(ギョッ)!?」
    「どうしたの!二!?」
    「一ちゃん!あたし、お空を飛んだよ!?」
    「空…って、アナタ、その顔…」
    「だって…だって、お星様が目の前に…たっっっ…くさん見えたの~!!」

    「………三?ちょっといいかしら?」
    「『人は想像する葦である』…か。いい言葉だよね~…」

    195 :

    男と先の絡みを期待してた

    196 = 191 :

    >>195
    俺は期待に応える男なんだぜ?


    ~16号室~
    「…で、一回り目はチェンジアップは封印しようと思うんですよ」
    「ふんふん」
    「…」
    「俺の考えでは、タイミングを合わせて来た2巡目から…って、監督?聞いてます?」
    「聞いてるよ。うるせーな…ってて…」
    「監督…飲み過ぎ…」
    「監督も酔いつぶれてないで、何か案を…」
    「好きにしろって。どうせ、緩急もクセもなく、あんなヘロヘロ球じゃ初回から大炎上だろーが」
    「がーーーーーーーーーん」
    「ちょ…かんと…」
    「zzz………」
    「…ダメだこりゃ」
    「………」
    「…せ…先輩!こんな酔っ払いの言う事、気にする事ないッスよ!!」
    「ううん…自分で分かってるよ。ボクには投みたいな剛球も、捕ちゃんみたいな精密さも、継ちんみたいな老獪さもないもの…」
    「あわわ…」
    「いいんだ。いっその事、ボッコボコにされて投手を諦められるぐらいの方が…」
    「先輩!!!」
    「な…何よ、いきなり大きな声…って、え???」
    『ギュッ』
    「ちょ…ちょっと男くん…/////」
    「…それだけは言っちゃダメです。試合の一番にマウンドに上がる人が、そのセリフだけは…」
    「男くん…」
    「大丈夫です!俺が先輩の良さを引き出して、完封させますから!」
    「か…完封…って…ムリだぁ~~~…」
    「先発でマウンドに上がるなら、完全試合を目指して下さい!四死球出したら、ノーノー!ヒット打たれたら完封!
    点を取られたら完投!ボッコボコにされても、マウンドは譲らない!!」
    「………」
    「投なら…投は、いつもそう考えてますよ?」
    「………!!」
    「だから、先輩…」
    「…ねぇ」
    「はい?」
    「…手…痛いよ…?」
    「え…!あ!す、スミマセン!!俺熱くなりすぎて…(パッ)」
    「え~…終わりなの~…?」
    「ちょ…どうすりゃいいんスか!?」
    「………(スッ)………ん」
    「そ…それは…////」
    「なんで?一回したじゃん」
    「あ…あれは先輩が無理矢理…」
    「あ~~!!うるせえ!!」
    ・先「うわあ!!!」
    「………zzz」

    197 = 191 :

    「ビックリした…寝て…ますよね?」
    「…じゃあさ」
    「えっ?」
    「完封したら…その…/////」
    「………いや、その…」
    「………ゴメン。なんでもないや。そういうのは、やっぱダメだよね」
    「…そ、そうですよ。好きでもないヤツとそんな事しちゃ…」
    「え?好きだけど…?」
    「…はいぃ?」
    「………まさか、本気で気付かない…の?」
    「………///」
    「………冗談。今日は、明日に備えてもう寝るね?」
    「………」
    「………信頼…してるから」
    『バタン』
    「………ビビった………」
    「しょっぺぇな…この色男が」
    「ぎゃあああ!」
    「バーロ!デケェ声出すな…いてて」
    「監督!起きてたんスか!?」
    「ああ。一部始終をな」
    「うう…///」
    「『信頼してる』…か。………まぁ、なんだ」
    「………」
    「いい事じゃねぇか。捕手にとって、投手に『信頼』されるってのは何よりだ」
    「…監督…」
    「先だけじゃねぇ。アイツら全員の夏の終わりの時は、お前が諦めた時だ」
    「…」
    「…俺もお前を信頼している。だから扇の要を任せた。コレだけは覚えておけ」
    「は…はい!!!」
    「返事はいいが…打撃も磨けよ?唯一の野郎が、下位じゃカッコつかねぇぞ?」
    「…だって、ウチの主軸は化け物だらけじゃないですか…」
    「まあ…なあ…」
    ・監「………」

    198 :

    ~グランド~
    「プレイボール!」
    「…さぁ。格の違いを見せ付けてやるぜ…!!」
    「あら?こんな野蛮女が1番?」
    「(ブチッ)…っるせぇ!サッサと投げやがれ!」
    「…ダメね。1番は冷静じゃないと行けないのに…」
    「三先輩!じっくり見て…」
    「うをりゃあああああああ!!!」
    『ブン・ブン・ブン!!』
    「ストライク!バッターアウト!」
    「…はぁ…」
    「…フン、思う壷ね♪」
    「にゃろ~…変化球ばっか投げやがって~…」
    「スクリュー…よく曲がるわね…ココは…」
    「…あら?」
    「…遊?」
    「これならスクリューも投げづらいでしょう?」
    「左打席…か。ちゃんと考えてるみたいだな。三。お前も少しは頭使え」
    「うるせぇ!!次はレフトスタンドだからな!」
    「…みくびっちゃ困るわ…」『…ヒュッ』
    「…えっ!?」
    「ストライク!」
    「凄い…さっきより大きな曲がりだ…」
    「当てるのが怖い小者ならいざ知らず、私に揺さぶりは通用しないわよ?」
    「…打てない球じゃないわね」
    「なんですって?」
    「もう一度投げてみたら?…私に通用するかしら?」
    「…上等!!」『ヒュヒュッ』『ブン』
    「ストライク!」
    「クッ…(…どこまで曲がるの…?)」
    「口だけね。貴女達♪相手にならないわ…」『シュッ』
    「!?(ストレート…!)」
    「ストライク!バッターアウト!」
    「…遊先輩の三球三振…初めて見た…」
    「手応えないわね~」
    「ふん!いつまで続くかしら?」
    「…すくりゅー…カナラズ シトメル!!」
    「フッ…ドノテイド ジョウタツシタカ ミセテモラオウ」
    「左先輩のリーチなら、外角に逃げるスクリューに届く…!」
    「…なら、こうかしら?」『ヒュッ』
    「ストライク!」
    「かーぶ…」
    「膝元が、がら空きねぇ?そんなにスクリューを投げて欲しいの?」
    「………」
    「…イヤ~よ♪」『ヒュッ』
    「ストライク!」
    「カーブを二球続けた…か。左さんに内角続けるなんて、度胸あるね~」
    「………」
    「…そんなに欲しけりゃ…あげるわ…よっ!!!」『ヒュッ』『ブン!!』
    「ストライク!バッターアウト!!」

    199 = 198 :

    「…ソノテイドカ…ガッカリ ダ」
    「あ ぼ~ん…ね♪」
    「…三者連続三球三振か…」
    「敵さんは絶好調だな。ウチの屈指の強打者三人が子供扱いか………男!」
    「はい!」
    「…分かってるな?」
    「はい。一点もやりません!」
    「スマナイ、男…ツギハ カナラズ…!」
    「さぁ、しまっていくぞ~!!」
    一同「おう!!」
    「…(さぁ…行きますよ、先先輩!)」
    「…(コクッ)」

    ………………………
    『キィンッ!』
    「…セカンド!」
    「はいな~♪」
    「アウト!」
    「ナイスセカン!ツーアウト~!(…次は主将か…)」
    敵将「遅い球だ…エースはどうした?怪我でもしたか?」
    「(ニヤッ)…温存ですよ」
    敵将「バカめ…ナメたマネを…」
    「(まずは内角…真ん中に入ったらダメですよ…?)」
    「…内角か…怖いな~…(ブンブン)ダメダメ!男くんのミットだけを見て………」『ヒュッ』
    「!!…マズい!!」
    『カッキーン!!』
    「…あ!!」
    「(…左中間!)センター!追い付けるぞ!」
    「…くっ…(ムリ…か!?)」
    『ザザー』『ポトッ』
    「ああん、もう!」
    「レフト!カバーしながらサードへ」
    「へいへい…守備ってメンドい…ねっと!」
    敵将「…無駄だ!」
    「セーフ!」
    「…三塁打…そして、次は…」
    「…スコシハ タノシマセテ クレヨ?」
    「監督、どうします…?」
    「………」『スッ』
    「(…敬遠?…いや、ここは…)」
    「………男?」
    「…男クン…立たない?」
    「そうこなくっちゃ!見直したぜ、男!」
    「バカが…(ニヤッ)」
    「(5番は元4番。ランナー貯めたら大量点に…ここで切る!)」
    「…男くん」
    「(大丈夫!行きますよ、先輩!)」

    200 = 198 :

    「(初球は内角にハズします。当てても構わないぐらいで来て下さい!)」
    「(いいけど…当てたら殺されないかな~)」『シュッ』
    「………」
    「ボール」
    「まったく仰け反らない…」
    「…オソスギルナ」
    「(遅いったって、左の下手から向かってくる球なのに…)」
    「あれだけの身長なら、次は低めが有効なんですが…」
    「セオリー通りならな。しかし…」
    『シュッ』
    「(クワッ)」『カッキィィーン』
    先・「!!!!!」
    「……………」
    「ファール!」
    監・マ「………ふぅ…」
    「…飛距離…充分…」
    「…えげつないわね…」
    「(インハイの後のアウトローに迷わず踏み込んで………まさか、配球が読まれてる………?)」
    「…ショセンハ あまちゅあ せおりードオリノ ツマラナイ りーどダ」
    「(…コイツ!!)」
    「男君!アツくならないで!」
    「(捕先輩…)…は、はい!」
    「追い込めば、あるいは…いや、それ自体が無理か…?」
    「………ならば…『ココ』だ!」
    「………え!?………ダメだよ…『ソコ』は………」
    「へっ…若ぇクセに死に急ぎやがって…」
    「ふにゃぁ~…どちらにしても、内野はヒマそうかな~?」
    「気を抜かない!」
    「…分かったよ、男くん…約束、したもんね!心中するんだって…」
    「ココさえ乗り切れば…」
    「…『信じる』よ」『シュッ』
    マ・監「棒玉のド真ん中!?」
    「死んだね、コリャ」
    「………モラッタ!!!」
    『グワラゴワゴキーン』


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