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元スレ【らき☆すた】新ジャンル?「ヤンデレこなた」Part11【(=ω=.)】
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それから何日か経った。
俺とこなたとみゆきさんの“図書館デート”はあれから続いていて、こなたとみゆきさんの仲もそれなりに仲良くなった。
無論俺とみゆきさんも仲良くなった…と思う。
夏休みもあと一週間で終わりとなった日、俺は“準備”の第一段階が終わった事を感じた。
そして“準備”を第二段階にすべく、俺は次の作戦を開始した。
男「父さん、母さん、話があるんだけど。」
男父「ん?どうした?」
男「ちょっと真面目な話なんだ…。」
男母「…?」
その日の夕食の後、俺は両親に『核心』を突いた。
こなたの母親のこと。
俺が父さんの日記を見て、その事を知ったこと。
“いつか”のために俺が勉強したこと。
俺が『未来から来た』なんて言ったって親たちは信じないだろう。
でも『高良』と戦うためには、俺が舞台に上がらなければならないのだから。
舞台に上がらなかった未来で、俺たちは『悲劇』を迎えた。
俺が話し終わったとこで、父さんは神妙な面持ちになった。
母さんも不安そうな顔つきをしている。
男父「………知ってしまったか……。」
男母「あなた…」
男父「いや…最近男の様子がおかしいと思ってたんだ…妙に落ち着いてるというか…」
男「父さん、母さん、…しようとしてる事は大体想像がつく。何年か掛けて証拠を探す、そしてマスコミなんかに発表する、ちょうどこなたの父親は作家だ。ノンフィクションとして…」
男父「男…分かった。全てを話す…。」
男母「あなた…!」
男父「大丈夫だ。男は…私達が思ってる以上に賢い。」
俺とこなたとみゆきさんの“図書館デート”はあれから続いていて、こなたとみゆきさんの仲もそれなりに仲良くなった。
無論俺とみゆきさんも仲良くなった…と思う。
夏休みもあと一週間で終わりとなった日、俺は“準備”の第一段階が終わった事を感じた。
そして“準備”を第二段階にすべく、俺は次の作戦を開始した。
男「父さん、母さん、話があるんだけど。」
男父「ん?どうした?」
男「ちょっと真面目な話なんだ…。」
男母「…?」
その日の夕食の後、俺は両親に『核心』を突いた。
こなたの母親のこと。
俺が父さんの日記を見て、その事を知ったこと。
“いつか”のために俺が勉強したこと。
俺が『未来から来た』なんて言ったって親たちは信じないだろう。
でも『高良』と戦うためには、俺が舞台に上がらなければならないのだから。
舞台に上がらなかった未来で、俺たちは『悲劇』を迎えた。
俺が話し終わったとこで、父さんは神妙な面持ちになった。
母さんも不安そうな顔つきをしている。
男父「………知ってしまったか……。」
男母「あなた…」
男父「いや…最近男の様子がおかしいと思ってたんだ…妙に落ち着いてるというか…」
男「父さん、母さん、…しようとしてる事は大体想像がつく。何年か掛けて証拠を探す、そしてマスコミなんかに発表する、ちょうどこなたの父親は作家だ。ノンフィクションとして…」
男父「男…分かった。全てを話す…。」
男母「あなた…!」
男父「大丈夫だ。男は…私達が思ってる以上に賢い。」
父さんは喋った。
俺の知ってる“未来”を。
でもそれじゃだめだ…。
男父「…と言う訳だ。…できればお前や、こなたちゃんは巻き込みたくない。」
男「父さん…父さんがそう思っててもきっと俺やこなたは巻き込まれるよ。」
男父「……そう、思うか?」
男「うん。」
男父「…そうか…そうだよな…。」
男「…なあ…俺に作戦があるんだ。」
男父「…?何だって?」
男「実は最近友達になったんだ。」
男母「誰と?」
男「……高良…みゆきさんと。」
男父・男母「…!!」
俺が話し始めてから一時間ほどが経った。
男「…と言う訳で、俺がみゆきさんを説得する。だから、危険を冒す様な作戦は止めない?」
男父・男母「…」
男「父さん、母さん…」
男父「…正直お前の話がうまくいくなら、マスコミに発表するよりも確実だと思う。…マスコミに言う事はある意味でケンカを売ることだからな…。」
男「…どちらにしろ、まだ十分な証拠とかはないんでしょ?…せめてそれまで俺の作戦に賛同してくれない?」
俺の知ってる“未来”を。
でもそれじゃだめだ…。
男父「…と言う訳だ。…できればお前や、こなたちゃんは巻き込みたくない。」
男「父さん…父さんがそう思っててもきっと俺やこなたは巻き込まれるよ。」
男父「……そう、思うか?」
男「うん。」
男父「…そうか…そうだよな…。」
男「…なあ…俺に作戦があるんだ。」
男父「…?何だって?」
男「実は最近友達になったんだ。」
男母「誰と?」
男「……高良…みゆきさんと。」
男父・男母「…!!」
俺が話し始めてから一時間ほどが経った。
男「…と言う訳で、俺がみゆきさんを説得する。だから、危険を冒す様な作戦は止めない?」
男父・男母「…」
男「父さん、母さん…」
男父「…正直お前の話がうまくいくなら、マスコミに発表するよりも確実だと思う。…マスコミに言う事はある意味でケンカを売ることだからな…。」
男「…どちらにしろ、まだ十分な証拠とかはないんでしょ?…せめてそれまで俺の作戦に賛同してくれない?」
長い沈黙の後、父さんと母さんは首を縦に振った。
その後俺は付け加えた。
出来る事なら、誰も傷つく結末は迎えたくないと。
『家族会議』が終わるころ、時計の針は11時を指していた。
男父「…さて、もう遅いから男はもう寝なさい。」
男「うん。…父さん、母さん…俺の言う事賛同してくれてありがと。」
男父「…信じるさ、自分の息子のことだからな。」
そう言う父さんの言葉を聞いて、母さんは少し伏し目がちになった気がした。
そして母さんは何か言いかけたが、おそらくそれを止めて言った。
男母「…お休み、男。」
第二段階に入った。
男はそう思った。
未来を見てきた男にとっては大きなアドバンテージがあり、それを男はうまく使った。
おそらく、時間は可能な限りうまく進んでる。
しかし、新しい選択は、さらに新しい選択肢を産む。
男が寝静まった夜に男の両親が話していた。
男母「…あなた。」
男父「…分かってる。」
男母「でも…まだ危険じゃないかしら…」
男父「俺もそう思ってた…でも男の言う事が本当なら…」
男母「でもあの子は…何も知らない…」
男父「だからこそだ。…いつか男の言うように、俺たちの作戦が失敗して、俺も、お前も、そうじろうさんも、男も、こなたちゃんも死んで…あの子だけ残されたらどうなる?」
男母「…それは……」
男父「あの子にもちゃんと話そう。あの子はもう大人だ。…きっと分かってくれる。」
男母「…わかりました。あなたと…男の考えに、私も賛成します。」
男父「…うん…ありがとう…かなたさんの無念はきっと晴らすよ。」
男母「…うん。」
男父はそう言うと、立ち上がりどこかに電話をかけ始めた。
男父「……もしもし、夜分にすいません、黒井伯父さんのお宅ですか?」
その後俺は付け加えた。
出来る事なら、誰も傷つく結末は迎えたくないと。
『家族会議』が終わるころ、時計の針は11時を指していた。
男父「…さて、もう遅いから男はもう寝なさい。」
男「うん。…父さん、母さん…俺の言う事賛同してくれてありがと。」
男父「…信じるさ、自分の息子のことだからな。」
そう言う父さんの言葉を聞いて、母さんは少し伏し目がちになった気がした。
そして母さんは何か言いかけたが、おそらくそれを止めて言った。
男母「…お休み、男。」
第二段階に入った。
男はそう思った。
未来を見てきた男にとっては大きなアドバンテージがあり、それを男はうまく使った。
おそらく、時間は可能な限りうまく進んでる。
しかし、新しい選択は、さらに新しい選択肢を産む。
男が寝静まった夜に男の両親が話していた。
男母「…あなた。」
男父「…分かってる。」
男母「でも…まだ危険じゃないかしら…」
男父「俺もそう思ってた…でも男の言う事が本当なら…」
男母「でもあの子は…何も知らない…」
男父「だからこそだ。…いつか男の言うように、俺たちの作戦が失敗して、俺も、お前も、そうじろうさんも、男も、こなたちゃんも死んで…あの子だけ残されたらどうなる?」
男母「…それは……」
男父「あの子にもちゃんと話そう。あの子はもう大人だ。…きっと分かってくれる。」
男母「…わかりました。あなたと…男の考えに、私も賛成します。」
男父「…うん…ありがとう…かなたさんの無念はきっと晴らすよ。」
男母「…うん。」
男父はそう言うと、立ち上がりどこかに電話をかけ始めた。
男父「……もしもし、夜分にすいません、黒井伯父さんのお宅ですか?」
夏休みが終わる三日前のこと。
俺とこなたとみゆきさんは宿題を終え、3人で市民プールで遊ぶため一旦みゆきさんの家に集合していた。
こなた「あー…」
男「どうした?」
こなた「夏休みも終わりだなーって。」
男「おまえは人一倍遊んだろうが。」
こなた「いやいや、今回は人生で最も勉強した夏休みだよ?!」
男「おま…」
みゆき「うふふ…」
こなた「うおっ?…みゆきさんに笑われた!」
男「当たり前だ!」
みゆき「ふふ…すみません。ただ…二人とも…本当に仲が良いんですね。」
こなた「ふぇ?!」
男「…」
ちょっと赤くなるこなたと、うふふと笑うみゆきさん。
俺は不思議なデジャヴュを感じた。
それを感じる程、俺は頑張らなければならないと思った。
みゆき「あ…そう言えば。」
男「ん?」
みゆき「実は向かいのうちに住んでる子がいるんですが、今日のプール一緒に連れて行ってもいいでしょうか?」
男「うちの学校の子?」
みゆき「はい。学年は二つ下ですが。私にとっては妹みたいな子です。」
男「ふーん…俺は別にいいけど。」
こなた「私も構わないよー。」
みゆき「良かった!じゃあ電話してきますね。」
そう言うとみゆきさんは部屋を出て電話をしに行った。
俺とこなたとみゆきさんは宿題を終え、3人で市民プールで遊ぶため一旦みゆきさんの家に集合していた。
こなた「あー…」
男「どうした?」
こなた「夏休みも終わりだなーって。」
男「おまえは人一倍遊んだろうが。」
こなた「いやいや、今回は人生で最も勉強した夏休みだよ?!」
男「おま…」
みゆき「うふふ…」
こなた「うおっ?…みゆきさんに笑われた!」
男「当たり前だ!」
みゆき「ふふ…すみません。ただ…二人とも…本当に仲が良いんですね。」
こなた「ふぇ?!」
男「…」
ちょっと赤くなるこなたと、うふふと笑うみゆきさん。
俺は不思議なデジャヴュを感じた。
それを感じる程、俺は頑張らなければならないと思った。
みゆき「あ…そう言えば。」
男「ん?」
みゆき「実は向かいのうちに住んでる子がいるんですが、今日のプール一緒に連れて行ってもいいでしょうか?」
男「うちの学校の子?」
みゆき「はい。学年は二つ下ですが。私にとっては妹みたいな子です。」
男「ふーん…俺は別にいいけど。」
こなた「私も構わないよー。」
みゆき「良かった!じゃあ電話してきますね。」
そう言うとみゆきさんは部屋を出て電話をしに行った。
30分程して一人の女の子がみゆきさんに隠れるようにして、俺たちの前に現れた。
みゆき「みなみさん、男君と泉さんよ。」
みなみ「……こ…こんにちは。」
プールではみゆきさんが連れてきた『岩崎みなみ』ちゃんへの質問攻めだった。
…主にこなたが。
こなたに何を和聞かれるたびに、みなみちゃんは少し恥ずかしそうに俯きながら小さく頷いたり、相槌を打つように返事をしていた。
たぶん元々自分から話すような子じゃないんだろう。
みゆきさんがみなみちゃんと子供プールで遊び始めると、俺はこなたをちょっと窘めた。
男「おい、こなた…たぶんみなみちゃん怯えてるぞ。」
こなた「いやー小さい子は可愛いねぇ。私にもさー従妹に二つ下の子がいるんだけど、何て言うか妹キャラって言うのかな?守ってあげたくなるんだよねー」
男「たぶんお前が男で後5年時間が過ぎれば、犯罪者予備軍だぞ。」
こなた「奇遇だな、男もそう思うか。」
男「…」
こなた「そんなことより、せっかくだから泳ごうよ。」
こなたはそう言うと、体をくるっと回して潜水し、とんでもないスピードで突き進んでいく。
アウトドア発言には今も少し違和感を覚えるが、相変わらず運動神経は抜群だ。
夕方まで四人で遊び、みんな少し疲れたのか帰り道は皆口数が少なかった。
みゆきさんとみなみちゃんの家の前まで来た。
みゆき「今日は楽しかったです。また…学校が始まっても一緒に遊びましょうね。」
男「うん」
こなた「おけー!」
少し沈黙の後、みなみちゃんが小さい声で言った。
みなみ「お…お姉ちゃん、お兄ちゃん…今日は…ありがとうございゴニョゴニョ…」
後半は声が小さくなってよく聞こえなかったが、最後にみなみちゃんは俺とこなたの手をぎゅーって握って自分の家に走って行った。
みゆきさんはニコニコ笑って、こなたはほわーんとしていた。
…きっとみなみちゃんは、すごくいい子なんだろうな…そう思った。
みゆき「みなみさん、男君と泉さんよ。」
みなみ「……こ…こんにちは。」
プールではみゆきさんが連れてきた『岩崎みなみ』ちゃんへの質問攻めだった。
…主にこなたが。
こなたに何を和聞かれるたびに、みなみちゃんは少し恥ずかしそうに俯きながら小さく頷いたり、相槌を打つように返事をしていた。
たぶん元々自分から話すような子じゃないんだろう。
みゆきさんがみなみちゃんと子供プールで遊び始めると、俺はこなたをちょっと窘めた。
男「おい、こなた…たぶんみなみちゃん怯えてるぞ。」
こなた「いやー小さい子は可愛いねぇ。私にもさー従妹に二つ下の子がいるんだけど、何て言うか妹キャラって言うのかな?守ってあげたくなるんだよねー」
男「たぶんお前が男で後5年時間が過ぎれば、犯罪者予備軍だぞ。」
こなた「奇遇だな、男もそう思うか。」
男「…」
こなた「そんなことより、せっかくだから泳ごうよ。」
こなたはそう言うと、体をくるっと回して潜水し、とんでもないスピードで突き進んでいく。
アウトドア発言には今も少し違和感を覚えるが、相変わらず運動神経は抜群だ。
夕方まで四人で遊び、みんな少し疲れたのか帰り道は皆口数が少なかった。
みゆきさんとみなみちゃんの家の前まで来た。
みゆき「今日は楽しかったです。また…学校が始まっても一緒に遊びましょうね。」
男「うん」
こなた「おけー!」
少し沈黙の後、みなみちゃんが小さい声で言った。
みなみ「お…お姉ちゃん、お兄ちゃん…今日は…ありがとうございゴニョゴニョ…」
後半は声が小さくなってよく聞こえなかったが、最後にみなみちゃんは俺とこなたの手をぎゅーって握って自分の家に走って行った。
みゆきさんはニコニコ笑って、こなたはほわーんとしていた。
…きっとみなみちゃんは、すごくいい子なんだろうな…そう思った。
俺はこなたとも別れ、自分の家の玄関を開けた。
――もしその日、おみくじを引いていたら間違いなく『新しい出会い』という一節があっただろう。
正直みなみちゃんとの出会いは“向こう側”では無い物であったが、俺の中でそれほど焦るズレでは無かった。
しかし、玄関を開けて俺の目の前に立っていた人の登場は、間違いなく俺の予想の範疇を超えていた。
玄関を開けてそこに立っていたのは、俺が知るよりも若くて、きれいな……黒井先生だった。
ななこ「…男?」
男「……?!!!」
ななこ「あ…あのね…私は怪しい人じゃ無いんや…その…何から説明していいか…」
俺の心臓が速くなるのを無視して、黒井先生は不完全な関西弁でしどろもどろに説明をした。
気がつくと俺は、リビングで黒井先生とお茶を飲みながら話していた。
ななこ「…でね、私はお前が生まれてすぐに黒井伯父さんの家に引き取られたらしいんや。」
男「…じゃあ…その……あなたは…お…お姉ちゃん?」
ななこ「……うん…。」
男「…いつ帰ってきたの?」
ななこ「今日。お前が、外で遊んでるとき。」
男「父さんと母さんは?」
ななこ「たぶん買い物。」
男「…」
俺はこの事実に初めは衝撃を受けたものの、冷静になって考えると違和感が極めて少ない事に気づいた。
“向こう側”での黒井先生の失踪やあの大量のお金、こなた父と話していたのも納得が出来る。
たぶん、“向こう側”では、黒井先生は情報を収集していたんだ。そして何かの核心をついて…消された。
予感を感じた黒井先生は、弟の俺に父から渡されたお金を託した。
…そう考えるとピースは面白いようにはまった。
――もしその日、おみくじを引いていたら間違いなく『新しい出会い』という一節があっただろう。
正直みなみちゃんとの出会いは“向こう側”では無い物であったが、俺の中でそれほど焦るズレでは無かった。
しかし、玄関を開けて俺の目の前に立っていた人の登場は、間違いなく俺の予想の範疇を超えていた。
玄関を開けてそこに立っていたのは、俺が知るよりも若くて、きれいな……黒井先生だった。
ななこ「…男?」
男「……?!!!」
ななこ「あ…あのね…私は怪しい人じゃ無いんや…その…何から説明していいか…」
俺の心臓が速くなるのを無視して、黒井先生は不完全な関西弁でしどろもどろに説明をした。
気がつくと俺は、リビングで黒井先生とお茶を飲みながら話していた。
ななこ「…でね、私はお前が生まれてすぐに黒井伯父さんの家に引き取られたらしいんや。」
男「…じゃあ…その……あなたは…お…お姉ちゃん?」
ななこ「……うん…。」
男「…いつ帰ってきたの?」
ななこ「今日。お前が、外で遊んでるとき。」
男「父さんと母さんは?」
ななこ「たぶん買い物。」
男「…」
俺はこの事実に初めは衝撃を受けたものの、冷静になって考えると違和感が極めて少ない事に気づいた。
“向こう側”での黒井先生の失踪やあの大量のお金、こなた父と話していたのも納得が出来る。
たぶん、“向こう側”では、黒井先生は情報を収集していたんだ。そして何かの核心をついて…消された。
予感を感じた黒井先生は、弟の俺に父から渡されたお金を託した。
…そう考えるとピースは面白いようにはまった。
ななこ「お…男?」
男「ん?…ああ!ごめん」
ななこ「あんなぁ…信じられないのは分かるけどな…」
男「…信じるよ。」
ななこ「え?」
男「信じる。何となくだけどお姉ちゃんの事覚えてる気がするもん。」
ななこ「…おとこ…」
男「…たぶん父さんたちは姉ちゃんに危険が及ばないように伯父さんに預けたんだよ。」
ななこ「…うん」
男「この前、俺が父さんたちと話したこと、聞いたんでしょ?こなたの家の事。」
ななこ「うん。」
男「たぶん俺の話で父さんたちは、お姉ちゃんを呼び戻したんだよね?…なんだかごめんね。」
ななこ「おっ!…男が謝ることはないんやで…むしろホントの事が分かってよかったなーって思うもの。」
そう言って黒井先生――お姉ちゃんは俺の頭に手をのばして撫でた。
男「…やっぱり黒井先生は…優しかったんだな…」
ななこ「えっ?!」
男「何でもないよ!…お姉ちゃん、お腹すいたね。」
お姉ちゃんは一瞬キョトンとしたが、すぐに笑顔になって「そやなー」とか「父さんと母さんは何してるんやー」とか言いながら悪戯っぽく笑った。
……たぶん、そんなに時間はかからない。
俺と、お姉ちゃんの溝が埋まるまでは。
だって、俺は知ってるから。
『黒井ななこ』は母さんと同じ優しさがあって、“向こう側”でも見えないとこから俺を守ってくれてたんだから。
それからまたしばらくして、親達が帰ってきたとき、何も説明していないはずなのに俺とお姉ちゃんが仲良くしている様子を見て、母さんは目を丸くしていた。
そんな様子を見て、俺はお姉ちゃんと目を合わせ、笑いあう。
……ほら、もう溝なんてない。
俺はこなた達の他にもう一人、守らなければいけない人がいたんだという事を実感した。
男「ん?…ああ!ごめん」
ななこ「あんなぁ…信じられないのは分かるけどな…」
男「…信じるよ。」
ななこ「え?」
男「信じる。何となくだけどお姉ちゃんの事覚えてる気がするもん。」
ななこ「…おとこ…」
男「…たぶん父さんたちは姉ちゃんに危険が及ばないように伯父さんに預けたんだよ。」
ななこ「…うん」
男「この前、俺が父さんたちと話したこと、聞いたんでしょ?こなたの家の事。」
ななこ「うん。」
男「たぶん俺の話で父さんたちは、お姉ちゃんを呼び戻したんだよね?…なんだかごめんね。」
ななこ「おっ!…男が謝ることはないんやで…むしろホントの事が分かってよかったなーって思うもの。」
そう言って黒井先生――お姉ちゃんは俺の頭に手をのばして撫でた。
男「…やっぱり黒井先生は…優しかったんだな…」
ななこ「えっ?!」
男「何でもないよ!…お姉ちゃん、お腹すいたね。」
お姉ちゃんは一瞬キョトンとしたが、すぐに笑顔になって「そやなー」とか「父さんと母さんは何してるんやー」とか言いながら悪戯っぽく笑った。
……たぶん、そんなに時間はかからない。
俺と、お姉ちゃんの溝が埋まるまでは。
だって、俺は知ってるから。
『黒井ななこ』は母さんと同じ優しさがあって、“向こう側”でも見えないとこから俺を守ってくれてたんだから。
それからまたしばらくして、親達が帰ってきたとき、何も説明していないはずなのに俺とお姉ちゃんが仲良くしている様子を見て、母さんは目を丸くしていた。
そんな様子を見て、俺はお姉ちゃんと目を合わせ、笑いあう。
……ほら、もう溝なんてない。
俺はこなた達の他にもう一人、守らなければいけない人がいたんだという事を実感した。
家族そろっての夕食の後、俺が風呂に入ろうとするとお姉ちゃんが後ろから抱きついてきた。
ななこ「一緒にはいろーや」
男「なっ!」
待て待て、よく考えたら俺は小学四年生、黒井先生はお姉ちゃん…
俺は出来るだけお姉ちゃんを見ないように一緒に風呂に入った。
そして夜は当然ぬいぐるみにされて眠る。
電気を消したあと、お姉ちゃんは色々と教えてくれた。
今までの人生の事。
そして俺も答えるように自分の事を話した。
記憶は希薄だったが、必死に幼い頃の事を手繰り寄せた。
たぶん話すうちに、俺とお姉ちゃんの距離は、本当の意味での姉弟になったんだと思う。
お姉ちゃんの匂いを感じながら眠りについた。
ラプラスが笑う。
メンバーが揃ったと。
マクスウェルには見守るしかできない。
ラプラス「あはは☆今回はこの四人。誰を選ぶ?」
ラプラス「もう少し先。みんなのフラグが確定したら、安価出すから☆」
ななこ「一緒にはいろーや」
男「なっ!」
待て待て、よく考えたら俺は小学四年生、黒井先生はお姉ちゃん…
俺は出来るだけお姉ちゃんを見ないように一緒に風呂に入った。
そして夜は当然ぬいぐるみにされて眠る。
電気を消したあと、お姉ちゃんは色々と教えてくれた。
今までの人生の事。
そして俺も答えるように自分の事を話した。
記憶は希薄だったが、必死に幼い頃の事を手繰り寄せた。
たぶん話すうちに、俺とお姉ちゃんの距離は、本当の意味での姉弟になったんだと思う。
お姉ちゃんの匂いを感じながら眠りについた。
ラプラスが笑う。
メンバーが揃ったと。
マクスウェルには見守るしかできない。
ラプラス「あはは☆今回はこの四人。誰を選ぶ?」
ラプラス「もう少し先。みんなのフラグが確定したら、安価出すから☆」
今回は…ここまでです…ハアハア…眠い…
ID:ra/XrH20さん、ゆーちゃんの人に期待です!
ID:ra/XrH20さん、ゆーちゃんの人に期待です!
桜の花が舞う季節になった。
2004年の春。
“向こう側”ではこなたが引っ越して行った年だ。
俺はこの一年半、充分過ぎる位準備をしてきたと思う。
四年生のクリスマスイブの日、俺は家族と共にこなたの家で過ごした。
その時、“初めて”こなたの父親と(正確には俺の両親とこなたの父親が)話をした。
こなたの父親は―――当然最初は渋っていたが―――俺とこなたの友達のみゆきさんが、『高良』の娘で、俺が父親たちの思惑を知っていて協力するという事を聞くと、首を縦に振った。
こなたは奥の部屋でずっとゲームをしていた。
こなたの父親が首を縦に振るのを確認したのち、俺とお姉ちゃんはこなたと一緒にゲームを始めた。
…相変わらずこなたは格ゲー強いな…
この場にいて、何も知らないのはこなただけ。
なんだか後ろめたかった。
でも、こなたにはまだ知らせない方がいい―――お姉ちゃんの提案だった。
俺もそう思った。
五年生のクリスマスイブの日、俺とこなたはみゆきさんの家に招かれて一緒にクリスマスパーティーをした。
家にはみなみちゃんもいた。
みなみちゃんは相変わらず無口だけど、あれから何度も遊び(もちろんみゆきさんも交えて)、最初よりは随分と懐いてくれた。
みゆきさんのお母さんにも会った。
優しい人だった。
家に帰るとお姉ちゃんがむくれてた。
「なんで私だけ仲間はずれなのよー!」
仕方ないじゃん、お姉ちゃんとみゆきさんはあんまり面識ないんだから。
それに授業あったんでしょ?大学生。
『黒井先生』はもうすっかり『お姉ちゃん』だ。
お姉ちゃんは、俺と話す時だけは素になって標準語だ。
外でも普通にしゃべればいいじゃん?
「ウチは今までずっと『黒井』だったんや。外ではこれがウチなんやで。」
二人で並んで外を歩いたとき、お姉ちゃんはそう言っていた。
2004年の春。
“向こう側”ではこなたが引っ越して行った年だ。
俺はこの一年半、充分過ぎる位準備をしてきたと思う。
四年生のクリスマスイブの日、俺は家族と共にこなたの家で過ごした。
その時、“初めて”こなたの父親と(正確には俺の両親とこなたの父親が)話をした。
こなたの父親は―――当然最初は渋っていたが―――俺とこなたの友達のみゆきさんが、『高良』の娘で、俺が父親たちの思惑を知っていて協力するという事を聞くと、首を縦に振った。
こなたは奥の部屋でずっとゲームをしていた。
こなたの父親が首を縦に振るのを確認したのち、俺とお姉ちゃんはこなたと一緒にゲームを始めた。
…相変わらずこなたは格ゲー強いな…
この場にいて、何も知らないのはこなただけ。
なんだか後ろめたかった。
でも、こなたにはまだ知らせない方がいい―――お姉ちゃんの提案だった。
俺もそう思った。
五年生のクリスマスイブの日、俺とこなたはみゆきさんの家に招かれて一緒にクリスマスパーティーをした。
家にはみなみちゃんもいた。
みなみちゃんは相変わらず無口だけど、あれから何度も遊び(もちろんみゆきさんも交えて)、最初よりは随分と懐いてくれた。
みゆきさんのお母さんにも会った。
優しい人だった。
家に帰るとお姉ちゃんがむくれてた。
「なんで私だけ仲間はずれなのよー!」
仕方ないじゃん、お姉ちゃんとみゆきさんはあんまり面識ないんだから。
それに授業あったんでしょ?大学生。
『黒井先生』はもうすっかり『お姉ちゃん』だ。
お姉ちゃんは、俺と話す時だけは素になって標準語だ。
外でも普通にしゃべればいいじゃん?
「ウチは今までずっと『黒井』だったんや。外ではこれがウチなんやで。」
二人で並んで外を歩いたとき、お姉ちゃんはそう言っていた。
たぶん、すべては順調だった。
ひとまずはこなたの父親も、俺の親たちも派手な動きはしていない。
こなたの引っ越しは回避できているはずだ…
明後日は六年生としての初めての登校と言う日、父さんが俺に話しかけてきた。
男父「なあ、男。」
男「ん、何父さん。」
男父「…二年前だったか、お前があの子と友達だって言ってきたのは。」
『あの子』とは当然みゆきさんの事だ。
男「そうだね。」
男父「正直あのときは驚いたな。」
男「…俺だって驚いたよ。父さんの日記見た時は。」
男父「…そうか。………お前には感謝しなきゃな。お前のおかげで、より安全な道を歩ける…そして家族みんな一緒で暮らせる…。」
父さんの口調は、凡そ小学生に語る口調じゃない。
俺の言動はたぶん、大人び過ぎているのだろう。
父さんは大学出た後も、普通の会社ではなくずっと研究員として生活している。
そういった人生が父さんを一般的な社会常識から引き離しているんだろう。
でもだからこそ、俺は父さんには、自分が高校生あるいはそれ以上の感覚で接せる。
男「何言ってるの、父さん。まだいろいろ解決した訳じゃないんでしょ?」
男父「まあな…実はここだけの話だが、父さんは……このまま平和にみんなが暮らせるんなら復讐なんてしなくていいんじゃないかって思うんだ。…そうじろうさんには悪いが。」
男「…」
父さんはこなたの母親―――かなたさんとは高校からの友達らしい。
他の三人(母さん、こなたの両親)はもっと昔からの幼馴染だという。
父さんが、『復讐』を止めたいと言ったのはちょっと意外だったが、それを考えると、三人(こなたの父親と俺の両親)の中ではそう言う可能性が一番あり得る人だ。
男父「お前も、高良さんのとこの子と仲良くなったみたいだしな…」
男「…父さん、本当は俺もそう思うよ。…いつかみんながそう思えたらいいね。」
ひとまずはこなたの父親も、俺の親たちも派手な動きはしていない。
こなたの引っ越しは回避できているはずだ…
明後日は六年生としての初めての登校と言う日、父さんが俺に話しかけてきた。
男父「なあ、男。」
男「ん、何父さん。」
男父「…二年前だったか、お前があの子と友達だって言ってきたのは。」
『あの子』とは当然みゆきさんの事だ。
男「そうだね。」
男父「正直あのときは驚いたな。」
男「…俺だって驚いたよ。父さんの日記見た時は。」
男父「…そうか。………お前には感謝しなきゃな。お前のおかげで、より安全な道を歩ける…そして家族みんな一緒で暮らせる…。」
父さんの口調は、凡そ小学生に語る口調じゃない。
俺の言動はたぶん、大人び過ぎているのだろう。
父さんは大学出た後も、普通の会社ではなくずっと研究員として生活している。
そういった人生が父さんを一般的な社会常識から引き離しているんだろう。
でもだからこそ、俺は父さんには、自分が高校生あるいはそれ以上の感覚で接せる。
男「何言ってるの、父さん。まだいろいろ解決した訳じゃないんでしょ?」
男父「まあな…実はここだけの話だが、父さんは……このまま平和にみんなが暮らせるんなら復讐なんてしなくていいんじゃないかって思うんだ。…そうじろうさんには悪いが。」
男「…」
父さんはこなたの母親―――かなたさんとは高校からの友達らしい。
他の三人(母さん、こなたの両親)はもっと昔からの幼馴染だという。
父さんが、『復讐』を止めたいと言ったのはちょっと意外だったが、それを考えると、三人(こなたの父親と俺の両親)の中ではそう言う可能性が一番あり得る人だ。
男父「お前も、高良さんのとこの子と仲良くなったみたいだしな…」
男「…父さん、本当は俺もそう思うよ。…いつかみんながそう思えたらいいね。」
次の日、うちにこなたとみゆきさん、そしてみなみちゃんが来て四人で遊んだ。
こなたがいると相変わらずゲーム。
かわりばんこで対戦をする。
こなた「はっはっはー!無駄無駄無駄ァァァーー!!」
男「お前なんで俺ん家のゲーム俺よりうまいんだ!!」
こなた「それは男に愛が足りないからだよ。」
みゆき「あ…愛…ですか…?!」
男「みゆきさん…こいつの言う事は気にしないでいいよ…」
こなた「そして時は動き出す…」
男「お前だけ設定下げるから。」
こなた「望むところだよ…!」
男「じゃあ次みなみちゃんやってみる?」
みなみ「あ……うん…やってみる。」
男「はい。」
コントローラーを渡す俺。受け取るみなみちゃん。
…固まるみなみちゃん。
男「えと…操作説明する?」
みなみ「………うん。」
男「えっとね…」
…
こなたがいると相変わらずゲーム。
かわりばんこで対戦をする。
こなた「はっはっはー!無駄無駄無駄ァァァーー!!」
男「お前なんで俺ん家のゲーム俺よりうまいんだ!!」
こなた「それは男に愛が足りないからだよ。」
みゆき「あ…愛…ですか…?!」
男「みゆきさん…こいつの言う事は気にしないでいいよ…」
こなた「そして時は動き出す…」
男「お前だけ設定下げるから。」
こなた「望むところだよ…!」
男「じゃあ次みなみちゃんやってみる?」
みなみ「あ……うん…やってみる。」
男「はい。」
コントローラーを渡す俺。受け取るみなみちゃん。
…固まるみなみちゃん。
男「えと…操作説明する?」
みなみ「………うん。」
男「えっとね…」
…
みなみちゃんはペット●ョップを選択する。
それを見て俺はみなみちゃんの耳元に小さな声でアドバイスをする。
男「………。」
みなみ「………うん。」
こなた「ふふふ…ちょっと設定いじった位じゃあ私には勝てないよー!!」
FIGHT!!
始まった瞬間画面の左上に寄るペット●ョップ。
こなたの表情から笑顔が消えた。
こなた「ま…まさか…。」
こなたの攻撃はすべて当たらない。
こなた「しまった!!」
こなたがそう気づいた時はもう遅い!みなみちゃんは遠隔操作の氷トラップで地道にこなたの体力を削っていく!!
そしてこなたは一撃も与えられないまま時間切れとなった。
みなみ「……勝った。」
こなた「おーとーこー」
男「ふっふっふ…自慢のナイフも当たらないだろう!」
こなた「うー!今後はそのハメ禁止だー!!」
男「攻略法はあるんだけどなー」
こなた「くっ!……男、このゲーム貸して。」
男「えー」
こなた「かーせー!!!」
それを見て俺はみなみちゃんの耳元に小さな声でアドバイスをする。
男「………。」
みなみ「………うん。」
こなた「ふふふ…ちょっと設定いじった位じゃあ私には勝てないよー!!」
FIGHT!!
始まった瞬間画面の左上に寄るペット●ョップ。
こなたの表情から笑顔が消えた。
こなた「ま…まさか…。」
こなたの攻撃はすべて当たらない。
こなた「しまった!!」
こなたがそう気づいた時はもう遅い!みなみちゃんは遠隔操作の氷トラップで地道にこなたの体力を削っていく!!
そしてこなたは一撃も与えられないまま時間切れとなった。
みなみ「……勝った。」
こなた「おーとーこー」
男「ふっふっふ…自慢のナイフも当たらないだろう!」
こなた「うー!今後はそのハメ禁止だー!!」
男「攻略法はあるんだけどなー」
こなた「くっ!……男、このゲーム貸して。」
男「えー」
こなた「かーせー!!!」
夕方になってみんなは家に帰る時間になった。
こなた「じゃ明日は起こしてねー!」
男「自分で起きろ!」
みゆき「ふふふ…じゃあ私が起こしてあげましょうか?」
こなた「うっ…それは悪いので結構デス。」
こなたは俺のゲームを小脇に抱えながら言った。
みなみ「あの……」
みなみちゃんが俺の服の裾を少し引っ張った。
男「ん?どうしたの?」
みなみ「……て………と」
男「え?」
俺はみなみちゃんに耳を近付けた。
みなみ「勝たせてくれて…ありがと…。」
男「うん。」
俺がみなみちゃんの頭を撫でるとみなみちゃんはちょっと俯いて赤くなった。
みゆき「みなみさん、一緒に帰ろう?」
みなみ「あ……………うん。」
三人はそれぞれの家に帰って行った。
それと入れ違いにお姉ちゃんが玄関に滑り込んでくる。
ななこ「ただいまー!おー友達来てたんかー?」
男「うん、おかえり。」
男母「お帰りーななこ。」
俺が自分の部屋に入ると、お姉ちゃんが続いて入ってくる。
…まあ、お姉ちゃんと一緒の部屋だから当然なんだけど。
ななこ「なあ、男?」
男「ん?」
ななこ「モテるのね。」
男「…え?」
こなた「じゃ明日は起こしてねー!」
男「自分で起きろ!」
みゆき「ふふふ…じゃあ私が起こしてあげましょうか?」
こなた「うっ…それは悪いので結構デス。」
こなたは俺のゲームを小脇に抱えながら言った。
みなみ「あの……」
みなみちゃんが俺の服の裾を少し引っ張った。
男「ん?どうしたの?」
みなみ「……て………と」
男「え?」
俺はみなみちゃんに耳を近付けた。
みなみ「勝たせてくれて…ありがと…。」
男「うん。」
俺がみなみちゃんの頭を撫でるとみなみちゃんはちょっと俯いて赤くなった。
みゆき「みなみさん、一緒に帰ろう?」
みなみ「あ……………うん。」
三人はそれぞれの家に帰って行った。
それと入れ違いにお姉ちゃんが玄関に滑り込んでくる。
ななこ「ただいまー!おー友達来てたんかー?」
男「うん、おかえり。」
男母「お帰りーななこ。」
俺が自分の部屋に入ると、お姉ちゃんが続いて入ってくる。
…まあ、お姉ちゃんと一緒の部屋だから当然なんだけど。
ななこ「なあ、男?」
男「ん?」
ななこ「モテるのね。」
男「…え?」
お姉ちゃんの言葉はいつの間にか二人でいる時のだけの『お姉ちゃんモード』になっていたので驚いた。
そしてその言葉は俺をからかってるのかと思ってが、お姉ちゃんの顔は真顔で、なんだかちょっと怖かった。
男「…お姉ちゃん?」
ななこ「もうお風呂入った?」
男「……まだだよ。」
ななこ「じゃあ入ろ?」
男「……うん。」
お姉ちゃんは着替えを出して部屋を出て行った。
リビングの方から声が聞こえる。
ななこ「先お風呂入るわー!男ーおいでー!」
一緒にお風呂入って、母さんと三人でごはん。
父さんは今日も遅いらしい。
いつもの日曜日。
お姉ちゃんはその後はいたって普通。
いつもの明るい、関西弁もどき。
寝る時間が近づいて、お姉ちゃんが俺の腕を少し強く引っ張った。
ななこ「ねよ。」
男「…うん。」
少しだけ感じた違和感。
この感じ、どこかで感じた様な気がする。
どこだっけ?
いつだっけ?
お姉ちゃんは俺のほっぺたに軽くキスをすると俺を抱き枕にして寝息を立て始めた。
…あぁ…思い出した…
…でも…
…お姉ちゃんはお姉ちゃん…
…そんなはずは…
…無い。
眠れない夜は、目を閉じて、明日が来るのを待った。
明日は学校。
そしてその言葉は俺をからかってるのかと思ってが、お姉ちゃんの顔は真顔で、なんだかちょっと怖かった。
男「…お姉ちゃん?」
ななこ「もうお風呂入った?」
男「……まだだよ。」
ななこ「じゃあ入ろ?」
男「……うん。」
お姉ちゃんは着替えを出して部屋を出て行った。
リビングの方から声が聞こえる。
ななこ「先お風呂入るわー!男ーおいでー!」
一緒にお風呂入って、母さんと三人でごはん。
父さんは今日も遅いらしい。
いつもの日曜日。
お姉ちゃんはその後はいたって普通。
いつもの明るい、関西弁もどき。
寝る時間が近づいて、お姉ちゃんが俺の腕を少し強く引っ張った。
ななこ「ねよ。」
男「…うん。」
少しだけ感じた違和感。
この感じ、どこかで感じた様な気がする。
どこだっけ?
いつだっけ?
お姉ちゃんは俺のほっぺたに軽くキスをすると俺を抱き枕にして寝息を立て始めた。
…あぁ…思い出した…
…でも…
…お姉ちゃんはお姉ちゃん…
…そんなはずは…
…無い。
眠れない夜は、目を閉じて、明日が来るのを待った。
明日は学校。
今、書いてます。
明日くらいには投稿できるかと…
また例によって闇化はゆっくりですが
明日くらいには投稿できるかと…
また例によって闇化はゆっくりですが
「どっか行ったー?」
「あっ宿題持ってくるの忘れた!」
教室内にはクラスメートたちの言葉が響く。
俺たちは六年生になった。
みゆき「おはようございます。」
男「あ、おはよ。」
こなた「おはよーみゆきさん、昨日ぶりー。」
五年生のクラス替えのとき、俺とこなたとみゆきさんは同じクラスになった。
俺の記憶の中の“向こう側”では、クラスにこなたが居たのは覚えてる。
だけどみゆきさんは居ただろうか?
俺の記憶があいまいなのか…それとも“こちら側”の事実がもう変わり始めているのか?
当然アルバムなんて手元にはなく、確かめることはできない。
先生が入ってきて、六年生最初の授業が始まった。
六年生の授業は、毎日六時間目までびっしりだ。
とは言っても終わるのは三時半で高校生に比べれば当然時間がある。
それでもこなたには午後の授業は苦痛な様で、春眠暁がなんとやらを貪っていた。
先生「誰か泉を起こしてくれ。」
その声を聞いたこなたの隣の席のみゆきさんが、こなたの肩をぽんぽんとたたく。
こなた「シィィィィィィザァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!………ん?」
寝ぼけたこなたの叫び声にクラスが笑いの渦に包まれる。
みゆきさんも口元を押さえて少し笑っている。
先生は少し困った顔。
………………やれやれだぜ。
放課後になると突然元気になるこなた。
こなた「おっし!!今日はこの間のリベンジだよ!!!」
男「夢に出る程ゲームすんな!!」
みゆき「うふふふふ…」
こなた「とりあえず男には確実に………勝つ!!」
みゆき「あ」
「あっ宿題持ってくるの忘れた!」
教室内にはクラスメートたちの言葉が響く。
俺たちは六年生になった。
みゆき「おはようございます。」
男「あ、おはよ。」
こなた「おはよーみゆきさん、昨日ぶりー。」
五年生のクラス替えのとき、俺とこなたとみゆきさんは同じクラスになった。
俺の記憶の中の“向こう側”では、クラスにこなたが居たのは覚えてる。
だけどみゆきさんは居ただろうか?
俺の記憶があいまいなのか…それとも“こちら側”の事実がもう変わり始めているのか?
当然アルバムなんて手元にはなく、確かめることはできない。
先生が入ってきて、六年生最初の授業が始まった。
六年生の授業は、毎日六時間目までびっしりだ。
とは言っても終わるのは三時半で高校生に比べれば当然時間がある。
それでもこなたには午後の授業は苦痛な様で、春眠暁がなんとやらを貪っていた。
先生「誰か泉を起こしてくれ。」
その声を聞いたこなたの隣の席のみゆきさんが、こなたの肩をぽんぽんとたたく。
こなた「シィィィィィィザァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!………ん?」
寝ぼけたこなたの叫び声にクラスが笑いの渦に包まれる。
みゆきさんも口元を押さえて少し笑っている。
先生は少し困った顔。
………………やれやれだぜ。
放課後になると突然元気になるこなた。
こなた「おっし!!今日はこの間のリベンジだよ!!!」
男「夢に出る程ゲームすんな!!」
みゆき「うふふふふ…」
こなた「とりあえず男には確実に………勝つ!!」
みゆき「あ」
みゆきさんが少し変な声を出したので俺とこなたはみゆきさんの方を向いた。
みゆき「あの…今日はゲームをするんですか?」
男「俺はする気無いよ?」
こなた「しょ…しょんな…」
みゆき「あっ…あの予定があるのでしたら別にいいんですけど…」
男「ないない。」
こなた「うー。」
みゆき「今日はうちで遊びません?」
男「うんそうしよう。」
こなた「おーとーこー」
みゆき「あの…別に無理しないでいいですよ…?」
男「大丈夫、てか何かあるんでしょ?みゆきさんがそういう風に言うってことは。」
みゆき「え…ええ実は。」
男「ほらこなた、ゲームは逃げないんだから今日はみゆきさん家行こうぜ?」
こなた「うーん…しょうがないなぁ。」
みゆき「す…すいません…」
男・こなた「い…いや、みゆきさんは悪くないから!!」
男「でも、何があるの?」
みゆき「えと…お二人はケーキ、好きですか?」
男「うん。」
こなた「うむ。」
みゆき「じ…実は…」
みゆき「あの…今日はゲームをするんですか?」
男「俺はする気無いよ?」
こなた「しょ…しょんな…」
みゆき「あっ…あの予定があるのでしたら別にいいんですけど…」
男「ないない。」
こなた「うー。」
みゆき「今日はうちで遊びません?」
男「うんそうしよう。」
こなた「おーとーこー」
みゆき「あの…別に無理しないでいいですよ…?」
男「大丈夫、てか何かあるんでしょ?みゆきさんがそういう風に言うってことは。」
みゆき「え…ええ実は。」
男「ほらこなた、ゲームは逃げないんだから今日はみゆきさん家行こうぜ?」
こなた「うーん…しょうがないなぁ。」
みゆき「す…すいません…」
男・こなた「い…いや、みゆきさんは悪くないから!!」
男「でも、何があるの?」
みゆき「えと…お二人はケーキ、好きですか?」
男「うん。」
こなた「うむ。」
みゆき「じ…実は…」
―――昨日。
「みゆきちゃん、お母さん突然ケーキ食べたくなっちゃったな。」
みゆき「いいですね。週末でも一緒に買いに行きますか?」
「ううん、お母さん今食べたいの。」
みゆき「えと…もう遅いですけど、コンビニエンスストアに行けば売ってますよ。」
「えーと…あ、あったわ~」
みゆき「?」
「ここに注文しましょう!」
みゆき「…こんな時間にお店空いてるんですか?」
「大丈夫よーお得意様だし~」
みゆき「めっ…迷惑ですよ!!」
「ピッポッパっと♪」
みゆき「はぁ…」
「…みゆきちゃんは何ケーキが良い?」
みゆき「…えっと…チョコレートで…」
「了解♪…じゃあフルーツとチョコをお願いしまーす!」
みゆき「…」
一時間後。
「うーん!おいしいわぁ!!」
みゆき「…」
「みゆきちゃん…さっきから黙って…おいしくないの?」
みゆき「お母さん………なんでホールのケーキが二つもあるんですか…?」
「だってーホールじゃないとお届けしてくれないって言うんだもん。」
みゆき「………」
「みゆきちゃん、お母さん突然ケーキ食べたくなっちゃったな。」
みゆき「いいですね。週末でも一緒に買いに行きますか?」
「ううん、お母さん今食べたいの。」
みゆき「えと…もう遅いですけど、コンビニエンスストアに行けば売ってますよ。」
「えーと…あ、あったわ~」
みゆき「?」
「ここに注文しましょう!」
みゆき「…こんな時間にお店空いてるんですか?」
「大丈夫よーお得意様だし~」
みゆき「めっ…迷惑ですよ!!」
「ピッポッパっと♪」
みゆき「はぁ…」
「…みゆきちゃんは何ケーキが良い?」
みゆき「…えっと…チョコレートで…」
「了解♪…じゃあフルーツとチョコをお願いしまーす!」
みゆき「…」
一時間後。
「うーん!おいしいわぁ!!」
みゆき「…」
「みゆきちゃん…さっきから黙って…おいしくないの?」
みゆき「お母さん………なんでホールのケーキが二つもあるんですか…?」
「だってーホールじゃないとお届けしてくれないって言うんだもん。」
みゆき「………」
みゆき「と言う事がありまして…うちには1ホール半のケーキがありまして…」
男・こなた「………」
俺とこなたがみゆきさんの家に着いてしばらくすると、みなみちゃんもやってきた。
みなみ「あ………こんにちは…。」
俺たちに気づいてちょっと伏し目がちに挨拶するみなみちゃん。
4人で1ホール半のケーキを食べる。
と言ってもみゆきさんは流石に食べ飽きてしまったのか、一切れが限界のようだ。
みゆきさんはみんなの分の紅茶を淹れてくれたり、お母さんの面白話を聞かせてくれたりした。
こなた「いやーみゆきさん最高だよ!」
みゆき「良かったです。」
みゆきさんはにっこり笑って言う。
たぶん本当に良かったんだろう。いろんな意味で。
男「みなみちゃんはチョコのが好きなんだね。」
みなみ「!!!………うん…。」
突然話しかけられてちょっとびっくりさせてしまったみたいだ。
男「おいしい?」
みなみ「……うん………おいしい……ありがとう…みゆきお姉ちゃん。」
みゆき「どういたしまして。」
団欒の中、みゆきさんのお母さんが帰ってきた。
「あらー皆さんこんにちはーゆっくりしていってね。」
皆「おじゃましてます。」
「あら…みゆきちゃん、おいしそうなケーキねー私も食べたいなー」
みゆき「じゃあいっしょに食べますか?お母さんの分も紅茶入れますね。」
みゆきさんのお母さんも交えて豪華なおやつの時間が過ぎて行った。
男・こなた「………」
俺とこなたがみゆきさんの家に着いてしばらくすると、みなみちゃんもやってきた。
みなみ「あ………こんにちは…。」
俺たちに気づいてちょっと伏し目がちに挨拶するみなみちゃん。
4人で1ホール半のケーキを食べる。
と言ってもみゆきさんは流石に食べ飽きてしまったのか、一切れが限界のようだ。
みゆきさんはみんなの分の紅茶を淹れてくれたり、お母さんの面白話を聞かせてくれたりした。
こなた「いやーみゆきさん最高だよ!」
みゆき「良かったです。」
みゆきさんはにっこり笑って言う。
たぶん本当に良かったんだろう。いろんな意味で。
男「みなみちゃんはチョコのが好きなんだね。」
みなみ「!!!………うん…。」
突然話しかけられてちょっとびっくりさせてしまったみたいだ。
男「おいしい?」
みなみ「……うん………おいしい……ありがとう…みゆきお姉ちゃん。」
みゆき「どういたしまして。」
団欒の中、みゆきさんのお母さんが帰ってきた。
「あらー皆さんこんにちはーゆっくりしていってね。」
皆「おじゃましてます。」
「あら…みゆきちゃん、おいしそうなケーキねー私も食べたいなー」
みゆき「じゃあいっしょに食べますか?お母さんの分も紅茶入れますね。」
みゆきさんのお母さんも交えて豪華なおやつの時間が過ぎて行った。
みゆきさんが片付けをして、こなたはみゆきさんの部屋の本を物色し始めた…読む気はないようだが…。
必然的に俺とみなみちゃんが、そのままの位置で取り残される。
みなみちゃんは何か言いたげに、こっちをチラチラ見る。
たぶん、気まずいから何か話そうとしてるけど、うまくきっかけになる言葉が見つからないのだろう。
何となくそんな空気を感じたので俺はごく自然に話しかける事にした。
男「おいしかったねー?」
みなみ「あ……………うん。」
男「みゆきさんのお母さんて面白い人だね。昔からああなのかな?」
みなみ「うん………そう。」
男「そうなんだ。でもこんな失敗だったらまたやってほしいよね。みゆきさんには悪いけど。」
みなみ「………お兄ちゃんは………ケーキ好きなの……?」
男「うん、甘いものは普通に好きだよ。」
そこで飛び込んできたこなたによって、みなみちゃんとの会話は遮られた。
こなた「なー男!みゆきさんの本棚にはマンガがないよ!!」
男「そんな世界の終りみたいな顔すんな!」
みゆき「どうしました?」
片付けの終わったみゆきさんが入ってきて、四人で少し話した後、もう夕方が近くなっていたのでそれぞれの家に帰ることになった。
男「じゃあ、今日はごちそうさまでした。」
こなた「でしたー!」
みゆき「いえいえ、こちらも助かりました…本当に。」
男「ははは…。」
みなみ「………ごちそうさまでした。」
みゆき「いえいえ、また遊びに来てね?みなみさん。」
みなみ「………うん。」
みゆきさんとみなみちゃんと別れて、こなたと一緒に家に向かった。
みゆきさんとみなみちゃんは、見えなくなるまで手を振っていた。
必然的に俺とみなみちゃんが、そのままの位置で取り残される。
みなみちゃんは何か言いたげに、こっちをチラチラ見る。
たぶん、気まずいから何か話そうとしてるけど、うまくきっかけになる言葉が見つからないのだろう。
何となくそんな空気を感じたので俺はごく自然に話しかける事にした。
男「おいしかったねー?」
みなみ「あ……………うん。」
男「みゆきさんのお母さんて面白い人だね。昔からああなのかな?」
みなみ「うん………そう。」
男「そうなんだ。でもこんな失敗だったらまたやってほしいよね。みゆきさんには悪いけど。」
みなみ「………お兄ちゃんは………ケーキ好きなの……?」
男「うん、甘いものは普通に好きだよ。」
そこで飛び込んできたこなたによって、みなみちゃんとの会話は遮られた。
こなた「なー男!みゆきさんの本棚にはマンガがないよ!!」
男「そんな世界の終りみたいな顔すんな!」
みゆき「どうしました?」
片付けの終わったみゆきさんが入ってきて、四人で少し話した後、もう夕方が近くなっていたのでそれぞれの家に帰ることになった。
男「じゃあ、今日はごちそうさまでした。」
こなた「でしたー!」
みゆき「いえいえ、こちらも助かりました…本当に。」
男「ははは…。」
みなみ「………ごちそうさまでした。」
みゆき「いえいえ、また遊びに来てね?みなみさん。」
みなみ「………うん。」
みゆきさんとみなみちゃんと別れて、こなたと一緒に家に向かった。
みゆきさんとみなみちゃんは、見えなくなるまで手を振っていた。
授業が始まって最初の土曜日。
俺は家でゆっくりしていた。
前の日の放課後、こなたにアキバに誘われた。
なんでも東●国際アニメフェアで買い逃したグッズを買いに行くんだとか。
発案者(と言うより買い逃した張本人)はこなたの父親らしい。
……成程、こうやってこなたは“その手の”エリートへと成長していったのか…
男「俺は遠慮します。」
こなた「せっかく私が男を一流の傭兵にしてあげようと思ったのに…」
男「おじさんと行くんだろ?たまには家でゴロゴロしたいよ。」
こなた「んーそっか。じゃあまた今度と言う事で。」
男「その今度は出来るだけ遠くにしてくれ。」
“向こう側”でこなたとアキバに行った事を思い出す。
…そう言えばあれがあったから、俺は今“こっち側”に居るのかもな…
そんな事を考えていると玄関の方でチャイムが鳴った。
慌てて出ようとすると、母さんの「はーい!」と言う声が階下から聞こえた。
………そっか…今は“こっち側”だったんだ……母さんは…生きてるんだ………。
俺はちょっとだけこなたに着いて行かなかった事を後悔した。
着いて行けば、帰りに変なカード渡されて…
…
…
いや!それは無い!!
俺は一瞬だけよぎった甘えを振り払った。
『次』なんて無い!
これが最後なんだ!!
“ここ”でこなたを幸せにしなければいけないんだ!!!
俺はあの薄暗い部屋でのマクスウェルの言葉を思い出した。
男母「男ー!お客さんよー!!」
俺の考えを遮るように母さんの言葉が耳に届いた。
男「はーい!」
…誰だ?
俺は家でゆっくりしていた。
前の日の放課後、こなたにアキバに誘われた。
なんでも東●国際アニメフェアで買い逃したグッズを買いに行くんだとか。
発案者(と言うより買い逃した張本人)はこなたの父親らしい。
……成程、こうやってこなたは“その手の”エリートへと成長していったのか…
男「俺は遠慮します。」
こなた「せっかく私が男を一流の傭兵にしてあげようと思ったのに…」
男「おじさんと行くんだろ?たまには家でゴロゴロしたいよ。」
こなた「んーそっか。じゃあまた今度と言う事で。」
男「その今度は出来るだけ遠くにしてくれ。」
“向こう側”でこなたとアキバに行った事を思い出す。
…そう言えばあれがあったから、俺は今“こっち側”に居るのかもな…
そんな事を考えていると玄関の方でチャイムが鳴った。
慌てて出ようとすると、母さんの「はーい!」と言う声が階下から聞こえた。
………そっか…今は“こっち側”だったんだ……母さんは…生きてるんだ………。
俺はちょっとだけこなたに着いて行かなかった事を後悔した。
着いて行けば、帰りに変なカード渡されて…
…
…
いや!それは無い!!
俺は一瞬だけよぎった甘えを振り払った。
『次』なんて無い!
これが最後なんだ!!
“ここ”でこなたを幸せにしなければいけないんだ!!!
俺はあの薄暗い部屋でのマクスウェルの言葉を思い出した。
男母「男ー!お客さんよー!!」
俺の考えを遮るように母さんの言葉が耳に届いた。
男「はーい!」
…誰だ?
玄関に立っていたのは、年齢の割には背の高い女の子だった。
男「みなみちゃん!どうしたの?」
みなみ「あの………」
男「とりあえず上がりなよ。」
みなみ「………うん。」
みなみちゃんは小さく頷くと俺の後に着いて家に上がってきた。
俺の部屋に着いて、クッションに座るとモジモジしながら言った。
みなみ「お菓子……作ってきたの……上手じゃないけど……。」
みなみちゃんはそう言うと机の上に小さな包みを置いた。
開くとチョコブラウニーが入っていた。
…………そっか……この間『ケーキ好きなの?』って聞いてきたもんな……。
俺はなんだか本当に妹ができたみたいで嬉しかった。
男「ありがとう!今お茶淹れてくるから、一緒に食べよう?」
みなみ「うん……!」
いつもクールで…悪く言えば無表情なみなみちゃんが、本当に心から笑った顔を見たのはこの時が最初だった気がした。
その時は素直に、みなみちゃんの笑顔を『可愛い』と思った。
男「みなみちゃん!どうしたの?」
みなみ「あの………」
男「とりあえず上がりなよ。」
みなみ「………うん。」
みなみちゃんは小さく頷くと俺の後に着いて家に上がってきた。
俺の部屋に着いて、クッションに座るとモジモジしながら言った。
みなみ「お菓子……作ってきたの……上手じゃないけど……。」
みなみちゃんはそう言うと机の上に小さな包みを置いた。
開くとチョコブラウニーが入っていた。
…………そっか……この間『ケーキ好きなの?』って聞いてきたもんな……。
俺はなんだか本当に妹ができたみたいで嬉しかった。
男「ありがとう!今お茶淹れてくるから、一緒に食べよう?」
みなみ「うん……!」
いつもクールで…悪く言えば無表情なみなみちゃんが、本当に心から笑った顔を見たのはこの時が最初だった気がした。
その時は素直に、みなみちゃんの笑顔を『可愛い』と思った。
俺がリビングに行くと母さんが余所行きの服に着替えていた。
男「ん?母さんどっか行くの?」
男母「うん。父さん今日はもう仕事終わりみたいでちょっとデートしてくるの。」
男「ふーん。」
男母「確かみなみちゃんだっけ?ちゃんとお茶くらい出しなさいよ?」
男「うん、今出すよ。」
男母「よろしい。」
男「お姉ちゃんは?」
男母「さあ?今日は友達とご飯食べに行くって言ってたけど…?」
男「そっか。」
男母「それじゃ行ってくるからね。六時には帰るから。」
男「うん、行ってらっしゃい。」
母さんが玄関から出て行ってすぐに、やかんが沸湯を告げた。
ティーパックを入れた二つのコップにお湯を注ぐとそれを持って二階に上がっていった。
男「みなみちゃん、砂糖とかミルクは?」
みなみ「あ……ミルクが…欲しいです。」
男「了解。」
もう一度一階に戻りミルクを持つと再び二階に舞い戻った。
みなみちゃんが焼いたブラウニーはちょうどよい焼き加減で、しっとりとしておいしかった。
男「自分で焼いたんだよね?みなみちゃんはお菓子作り上手なんだね。」
みなみ「あ…///……お母さんに教えてもらって…練習したの…。」
男「そうなんだ。でもきっと才能あるんだよ。」
みなみ「………///」
男「ん?母さんどっか行くの?」
男母「うん。父さん今日はもう仕事終わりみたいでちょっとデートしてくるの。」
男「ふーん。」
男母「確かみなみちゃんだっけ?ちゃんとお茶くらい出しなさいよ?」
男「うん、今出すよ。」
男母「よろしい。」
男「お姉ちゃんは?」
男母「さあ?今日は友達とご飯食べに行くって言ってたけど…?」
男「そっか。」
男母「それじゃ行ってくるからね。六時には帰るから。」
男「うん、行ってらっしゃい。」
母さんが玄関から出て行ってすぐに、やかんが沸湯を告げた。
ティーパックを入れた二つのコップにお湯を注ぐとそれを持って二階に上がっていった。
男「みなみちゃん、砂糖とかミルクは?」
みなみ「あ……ミルクが…欲しいです。」
男「了解。」
もう一度一階に戻りミルクを持つと再び二階に舞い戻った。
みなみちゃんが焼いたブラウニーはちょうどよい焼き加減で、しっとりとしておいしかった。
男「自分で焼いたんだよね?みなみちゃんはお菓子作り上手なんだね。」
みなみ「あ…///……お母さんに教えてもらって…練習したの…。」
男「そうなんだ。でもきっと才能あるんだよ。」
みなみ「………///」
しばらくみなみちゃんと話をした。
…と言ってもみなみちゃんの言葉は1~2小節で終わってしまうのだが。
でも、みなみちゃんはペラペラしゃべるのが苦手なだけで、すごく優しくて、いい子だ。
きっと口下手なせいで、周りの人には“怖い”とか“暗い”とか勘違いされてしまう事もあったかもしれないし、これからあるだろう。
でも、ゆっくり話しかけて、じっくり話しを聞いてあげれば、みなみちゃんはちゃんと言いたいことが言えるし、たくさんの表情を見せてくれるのだ。
みなみ「………お兄ちゃん。」
男「ん?何?」
みなみ「今度………私の家にも………遊びに来て。」
男「……うん!みなみちゃんがそう言ってくれるなら今度おじゃまさせてね。」
みなみ「……うん!」
男「みゆきさんは行った事あるんだよね?こなたは行った事ないからきっと喜ぶよ。」
みなみ「………………………………………………………………………………いや。」
男「え?」
みなみ「……………お兄ちゃんと……二人で遊びたい……。」
男「………みなみちゃん…?」
一度も味わったことがないような、いや、何度も味わったことがあるような、不思議な空気が流れた。
俺は何となく笑う事しかできなかった。
…そうだよ、みゆきさんはきっと何度もみなみちゃんの家に行った事があるんだろうし、こなたは第一印象悪かったからなーははは………。
みなみちゃんの顔を見ると、いつものクールな無表情になっていた。
その顔は、まだ小学生とはいえ、整った顔立ちで、まるで丁寧に作られた人形のようだった。
きっと将来はかなりの美人になるだろう…
その整った顔の真ん中の大きく切れ長な目は、じっと俺の顔を見つめていた。
***
友達と昼食を終えたななこは買ったばかりのバイクで最も安心できる場所に向かっていた。
我が家だから?
ううん、可愛くてしょうがない弟がいるから。
再開した日、十年も会ってなかったのに、まるでつい最近まで一緒に居たような感覚があった。
ずっと会えなかった。
でも今はそばに居る。
失った時間を取り戻すため―――あるいは別の理由のため?
ななこはバイクに鍵をかけると最愛の弟が待つ家の玄関を開けた。
…と言ってもみなみちゃんの言葉は1~2小節で終わってしまうのだが。
でも、みなみちゃんはペラペラしゃべるのが苦手なだけで、すごく優しくて、いい子だ。
きっと口下手なせいで、周りの人には“怖い”とか“暗い”とか勘違いされてしまう事もあったかもしれないし、これからあるだろう。
でも、ゆっくり話しかけて、じっくり話しを聞いてあげれば、みなみちゃんはちゃんと言いたいことが言えるし、たくさんの表情を見せてくれるのだ。
みなみ「………お兄ちゃん。」
男「ん?何?」
みなみ「今度………私の家にも………遊びに来て。」
男「……うん!みなみちゃんがそう言ってくれるなら今度おじゃまさせてね。」
みなみ「……うん!」
男「みゆきさんは行った事あるんだよね?こなたは行った事ないからきっと喜ぶよ。」
みなみ「………………………………………………………………………………いや。」
男「え?」
みなみ「……………お兄ちゃんと……二人で遊びたい……。」
男「………みなみちゃん…?」
一度も味わったことがないような、いや、何度も味わったことがあるような、不思議な空気が流れた。
俺は何となく笑う事しかできなかった。
…そうだよ、みゆきさんはきっと何度もみなみちゃんの家に行った事があるんだろうし、こなたは第一印象悪かったからなーははは………。
みなみちゃんの顔を見ると、いつものクールな無表情になっていた。
その顔は、まだ小学生とはいえ、整った顔立ちで、まるで丁寧に作られた人形のようだった。
きっと将来はかなりの美人になるだろう…
その整った顔の真ん中の大きく切れ長な目は、じっと俺の顔を見つめていた。
***
友達と昼食を終えたななこは買ったばかりのバイクで最も安心できる場所に向かっていた。
我が家だから?
ううん、可愛くてしょうがない弟がいるから。
再開した日、十年も会ってなかったのに、まるでつい最近まで一緒に居たような感覚があった。
ずっと会えなかった。
でも今はそばに居る。
失った時間を取り戻すため―――あるいは別の理由のため?
ななこはバイクに鍵をかけると最愛の弟が待つ家の玄関を開けた。
今日はここまでです。
申し訳ないのですが、私の方はどうしても今のペースが限界です。
私も、新連載、ゆーちゃんの人、その他大勢の書き手さんの投稿をwktkしながら待っています。
それではおやすみなさい。
申し訳ないのですが、私の方はどうしても今のペースが限界です。
私も、新連載、ゆーちゃんの人、その他大勢の書き手さんの投稿をwktkしながら待っています。
それではおやすみなさい。
乙です。
少し病みの前兆が見え始めてきましたね
ご自身の無理の無いペースでのびのび書ける事を願っています
少し病みの前兆が見え始めてきましたね
ご自身の無理の無いペースでのびのび書ける事を願っています
ちょっと忙しくて先週は書けませんでした。
今週末、時間が出来たら投下したいと思います。
今週末、時間が出来たら投下したいと思います。
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