男「ッ！？」

男「よ、よく見たら…女の首筋にファスナーがついてるッ！？」

男「まさかあのファスナーをあけたら実はきぐるみで中身は人間じゃないとか…？」

男「ま、まさかなッ！？はははっんなわけないよなー」

男「………」

男「いやいやいやっ！気のせいだってっ！
　　もし仮にそうだとしてもあんなに分かりやすいきぐるみはないだろッ！？
　　　ははっははははははッ！い、悪戯だよな、女の！」

～　～　～

女「やっぱりファスナー式は目立つよねぇ…はやく乾かないかな、いつものやつ」

中身が気になるところです

男「宇宙、スペース、ナンバーワン」
女「！？」

女（隠し通していたのにお見通しだったというの！？）

男「昨日のテレビで」

女（正体がばれたら極刑は免れない。ならばいっそのこと男くんを）

男「なんでだかわからないけど頭に残っててさ」

女（いやいや、ここで手を下したら何故かわからないけど後悔する気が）

男「実際見たことないけどね」
女「私はどうすればいいのか！？」
男「はい？」

哀しいかな

女「！…んー、なんかいいにおいー」
男「おい、どこにいく」

店「へいらっしゃい…」
女「わーぁ、やきそばパン屋さんだー」
男「ちがう。やきそば屋さんだ」
女「…？」
男「………なんだ、その不思議そうな顔は…おっちゃん、やきそば二つ」
店「…へい、おまち…６００えんだよ…まいどぉ…」
女「？」

男「…ほら」
女「えと…中身だけを食べるの？」
男「いや、そうじゃなく」
女「あーそういえば、カレーパンも中身をごはんにかけたりするもんねー」
男「ちがうから」
女「ん？」

女「あーおいしかったー。ありがとう、男くん」
男「いや、ま、いいよ」
女「パンに挟んでるのもおいしいけど、こうやって、お肉とか野菜が入ってるのも
　栄養バランスいいよね」
男「…まぁ」
女（報告書に書いておかなくちゃ…）
男「お前さぁ、その、なんていうか、モノ知らなすぎじゃないか」
女「えっ…そ、それは…そんなことは………ほ、ほらっ、私、ここに来て、期間が短いしっ」
男「…帰国子女…か。………お前ってさ、宇宙人だったりする？」
女「―――！？」

女「な、なにを…」
男「いや、男友とかがさ、怪しいって…普通じゃないって」
女「ふつう…じゃない？」
男「ああ。…俺は、そこまで変だとは思わないけど」
女「…うん」
男「…で、どうなんだ？」
女「そんなわけないじゃん」
男「だよなぁ…」
女「………うん」

追いついてしまった…
現行だとここからがつらいぜ…

女「ねぇ…男くんはさ、どうなの？」
男「は？…俺は、普通に地球人だけど」
女「…そうじゃなくて…えと………男くんは昔、宇宙人と…その…性交渉したいって思ってたのよね？」
男「ぬぁっ！？…い、いつ、俺がそんなことを言ったっ！！」
女「え？…八本足の宇宙人と…したかったって」
男「違う！結婚！てか結婚よりNASAがメイン！！」
女「…結婚したら、性交渉…せっくす、するんでしょ？そういう契約なんでしょ？」
男「そ、それは…そう、かもしれませんが…つーか、俺は八本足の宇宙人に会いたいだけで…」
女「…で、さ、私が、宇宙人だったらどうなの？」
男「………どうなのと申されましても…」
女「…どう、するの？………きゅ、求婚する？」

いよいよだな

男「きゅ…きゅうこんっていうと…あの…」
女「球状の地下茎もしくは根っこのことじゃなくて…ぷろぽーずの方」
男「…ぷ、ぷろぽーずの方ですか？」
女「…う、うん」
男「あ、え、う」
女「えっと…」
男「…と、とりあえず、だ。お前が宇宙人かどうかは置いといて」
女「…その手振りはなに？」
男「お前の育った国がどうなのかは知らんが、
　日本には伝統的かつトラディショナルなプロポーズまでの道のりがある」
女「…語意いっしょだよ？」
男「まぁ、聞け。まずは告白だ」
女「こくはく………って、それくらいなら知ってるもんっ！！」
男「…もん？」
女「…アレでしょ？夕陽を背に受けながら、波の打ちつける岬の先端で」
男「？」
女「『ああ、そうだよ、俺があいつを殺したんだ』…とか若女将に言うやつでしょ？」
男「違う。それも告白って言うけど、根本的に今の話の流れから行けば違う」

男「まぁ、告白というのはだ」
女「あ、ごめん…長くなる？メモとっていい？」
男「ああ、そうした方がいいな。…つまり、告白っていうのはな、気になる異性、いや同性でも特に問題はないが、
　平たく言えば好きになった人にその気持ちを隠さず伝えることだ」
女「それって、求婚じゃないの？」
男「違う。いや、結婚を前提とした告白もあるが…その、俺たちまだ、法律で、な？」
女「あ、そっか。ここの法律じゃ、男の子が１８歳にならないと結婚できないんだっけ？」
男「そう。まぁ、基本そうだ」
女「ふむ。子どもができたりしない限りだよね」
男「…どうして、そういうことは知ってるんだ？」
女「それは、来る前にちゃんとデータを………っで、告白したらどうなるの？」
男「？…まぁ、告白することで、恋人という関係になる」
女「あ、それ聞いたことある」
男「で、その、関係を深めていくわけで」
女「？」
男「つ、つまり、お互いをよく知り合う、理解しあうようになるわけだ」
女「そっか…結婚前にお互いをより深く理解することで、本当に自分のつがいとしてふさわしいか見極めるのかぁ」
男「………つがい？」

男「ま、いいや。…で、お互いを理解したいわけだが、住んでるところも違うし、会える時間も少ない」
女「ふむ」
男「そこで交換日記とい手法を用いて、相互理解を達成するわけだ」
女「ふむふむ…コウカンニッキ…めもめも」
男「そう、日替わりで、その日あったこと、思ったことを書いていく」
女「…でも、虚偽…ウソ書いたりするかもよ？」
男「まぁ、そんなこともある」
女「うーん」
男「まぁ、半年くらい日記を続けることで、ようやく恋人達は手をつなげるくらいになる」
女「おー…一次接触までに半年…」
男「そうだ。そして、その３ヵ月後くらいに…そ、その…アレだ」
女「あれ？」
男「………というか、なんでこんな話を俺はしてるんだ？」
女「…なんでだっけ？」
男「………つまり、そういうことだ」
女「ちょ、ちょっと待って、アレってなに？」
男「…アレは…アレだ」
女「………………性交渉？…あ、でも違うな、結婚前だし…」
男「すいません…ためらいなく性交渉言うの止めてくれますか」
女「………………………子作りを伴わない性交渉？」
男「ごめんなさい。俺が悪かったんです…今の話は全部、忘れてください…」

女「じゃさ、コウカンニッキしよう」
男「………なんで？」
女「なんでって…あ、そっか」
男（お、おい…それってもしかしてもしかすると）
女「あのねっ…私、男くんのこと…15年前から…初めてあの公園で会ったときから、ずっと…好きだったの…」
男「いや、15年前って…お前と会ってなくないか？たぶん」
女「…あれ？」

女「あーごめん…ちがった」
男「あの…」
女「えっと…たしか………お兄ちゃんになら、なにされてもいいの…大丈夫、今日、安全日だから…」
男「………」
女「男くん？」
男「…いや、待ってよ。俺って、お前と兄妹だったのか？…生き別れの妹？…親父の隠し子？」
女「そういえば違うね…」
男「…びっくりさせるなよ」
女「えっと…アーカイブには、あとなにがあったっけ…」

女「…私、この戦争が終わったら、故郷の幼馴染と………これも違うよねぇ？」
男「………あのさ」
女「ちょっと待って…えっと、ね…えーっと」
男「つまり、俺に告白しようとしてるのか？」
女「うん。そう。…えっと…雨がひどいから用水路？」
男「………それって、お前が俺を好きだという解釈でいいのか？」
女「あ、うん…べ、べつに、アンタのことなんか」
男「俺もお前のこと好きだ」
女「すっ………………………………」
男「…なんか、耳から汁が出てるぞ？」

女「そ、それはつまり、あれよね？私とこっこ子どもをつくりたいという欲情を提示してると？」
男「落ち着け…ちがうってさっき言っただろ…とりあえず耳汁を拭け」
女「あ、うん、ごめん」
男「…なんなんだ、その汁は」
女「いあ、その、出るんだから仕方ないじゃないっ」
男「そ、うなんだ…」
女「な、なるほど。つまり、男くんも私とコウカンニッキなるものがしてみたいと」
男「…まぁ、そうだな」
女「そして、ゆくゆくは性交渉→受精→妊娠→出産のプロセスを私にさせたいと」
男「………あ、あの」
女「そ、そういうことか…奥が深いね………異文化…報告書…今日は徹夜…」
男「聞いてるか？」

男「…」
女「…そっか…でも異種間交配では………そういうデータって……」
男「…」
女「そもそも…身体構造的には………こういうのも報告あげなきゃなのかな…」
男「…あの」
女「あ、いたんだ、男くん」
男「………そ、それで、つ、付き合うっていうことでいいのですか？」
女「突き合う？なにを？」
男「………………恋人になることを付き合うっていうんだ、慣用表現だ」
女「…難しいよね…日本語」
男「…で、どうなんだよ」
女「………」

女「男くんさ、もし――」
男「ん？」
女「もし、私が、宇宙人で地球を調査してるとか言ったらどうする？」
男「おどろく」
女「…だよねぇ」
男「………まぁ、それでも、女は女だろ？」
女「どういうこと？」
男「いや、帰国子女にしても、宇宙人って言った方がいいくらい変なやつだとは思うんだけどさ」
女「…へん」
男「そこも、おもしろいとこだと思うし。世の中いろんなやつがいて良いと思うしな」
女「…」
男「べつに、変わんないよ。お前が何星人でも。Ｍ78星雲から来たって言っても」
女「…もうちょっと遠い、かな」
男「ん？」
女「そっか――　****　**　*　*****　」
男「…は？今、なんて」
女「…あなたが好きです…って訳になる」
男「………そ、そう、ですか…」
女「うん。私の…故郷の言葉」
男「…発音、難しそうだな」
女「ちょっと、ね」

支援

女「…こうかんにっき、書いてみる」
男「え？」
女「普通のノートでもいいのかな？」
男「あ、ああ…いいのか？」
女「うん。任せてっ！…やってみる！！」

女「お、男くんっ！！」
男「あ、女…おはよ」
女「おはよっ！…その、これっ！！」
男「ああ…」
女「確かに、渡したからっ！！」
男「ああ。…あのさ、女、今日の放課」
女「じゃっ！！」
男「…おーい………逃げられた？」

女「はぁ…はぁ…呼吸器が…」
女友「よ」
女「あ、女友さん」
女友「なになに～？さっきの…なに？告白？ラブレター？」
女「え？こうかんにっき、だけど」
女友「交…換……日…記？」
女「うん」
女友「…なんと古風な………って、あんた達つきあってるの？」
女「…うん。恋人になったという意味なら」
女友「そっか…」
女「？」

男友「今の何だよ…ラブレターか？　ってノート？」
男「ああ。交換日記だ」
男友「交…換……日…記？」
男「…なんか文句あるのか？」
男友「…前から、思ってたけどさ…お前夢見がち過ぎるんだよ…」
男「そ、そんなことはっ」
男友「…せめて、その緩みきった顔をどうにかしてから言い訳しろよ」
男「…そ、そんなに緩んでる？」
男友「ああ。すっげー嬉しそう」
男「………あははははは」
男友「どんなこと書いてあるんだ？…見せてみろよ」
男「だ、ダメだっ！！これは俺が、女と」
男友「いや、最初の方だけ、ちらっとでいいから」
男「やめっ…やめてっ…やっ……見ないでっ」
男友「へっへっへ…口ではそう言っててもカラダは正直だなぁ…奥さん」
男「わ、私には妻と夫と子どもがぁっ」
男友「………いいじゃんよぉ…ちょっとくらい見せてくれたって…」
男「やだっつってんだろーが」
男友「…最初だけ、ちらっとでいいから。幸せ自慢、お前もしたいだろ？」
男「………」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　報　告

○月×日　天候：晴れ　

　本日の報告，以下にその概要をまとめる．

Ａ．時間計画とその結果．
Ｂ．原住民雄性体（識別番号：ＪＡ009）との間に締結した個人間契約とその概要．
Ｃ．帰還途中遭遇した食肉目（Felis silvestris catus）について．
Ｄ．摂取物，また今後の食糧計画について．
Ｅ．今後の見通しについて

――――――――――――――

Ａ．時間計画とその結果．

　　Ａ-1．予定されていた時間計画について（時間表記は現地時間を使用）．

　　　　0700　起床
　　　　0705　朝食

男友「交…換……日…記？」
男「………」
男友「………いや、個性的な？」
男「………」
男友「こ、この…009って、お前のことか？」
男「そうだろうな…」
男友「ふーん…」
男「………ちょっと、想像力を働かせるんだ」
男友「お…？」
男「Ａの項目を見ると『上記の事故のため、計画より登校時間が遅くなった。しかし、これによる問題は発生してない』とある」
男友「ああ」
男「つまりこれは『途中でとらぶっちゃって、遅刻しそうになったけどセーフだったよ、男くんっ』…と解釈できる」
男友「…お前の名前、全然入ってないよな」
男「Ｃの項目も『三毛のネコがいて、すっごくかわいかったよ、男くんっ』…と読める」
男友「………なんか解剖学的な示唆がされてるけどな」
男「…Bの項目なんかもうアレだろ…『男くんと」
男友「…もういいよ。ちょいキモいよ。ノロケるなら壁にでもやってろよ…」
男「いいから聞けって…きっと、これは照れ隠しの」
男友「はいはい。恋は盲目盲目…」

みな寝てしまったか…
明日早いっぽいので、俺も寝ます…明日スレ残ってたらいいなぁ…

>>128
一分でレス返すくらいじっと見てたけどお疲れさま。

乙
疑惑ってレベルじゃねーぞ

男友「なぁ…男」
男「なんだよ」
男友「女ってさ…やっぱり変じゃね？」
男「またか」
男友「いや、だって、交換日記も報告風だし…」
男「ありゃそういうキャラなんだって。
　　だいたい足が2本だから宇宙人じゃないって言っただろ、前に」
男友「でもさぁ」
男「宇宙では多足がスタンダードなんだって。
　　地球みたいに重力低い惑星は少ないから、俺みたいな二足型はレア…
男友「え？」
男「…」パシュッ
男友「あ゛」


女「男友ーどうしたの～？」
男友「あ…あれ？」
女「こんな所で寝るなんて、原住民の不思議な生態をまた発見…いやなんでもない」
男友「貧血…かな…？なんか…記憶が…」
女「なら生肉食べて血液補給しなくちゃ、はいどうぞ」
男友「ああ、ありがと…おかしいな…」
女「じゃ、またねー」
男友「また…」


なんてルートもあり得るよねー

のす

さいごののす

あとはだれかたのむ

今なら言える、開いた当初執拗ロボに通じるものを感じていたんだ

ho

曲解支援投下

それに気づいたのは出会ってすぐの事だった。

「におい」
女「おはよう」
男「あぁ、おはよう」

それは、不思議なにおいだった。

友「よぉ、朝からクラス一の美少女からおはようのあいさつか？うらぁ」
男「寄るな、暑苦しい」
友「でも、声かけられて満更でもないだろ？」
男「別に。」
友「そんなわけないだろ。時々見てるの知ってるぜ。あの小さな姿で文武両道でときどき天然だけどそこが」
男「きもいぞ。お前」
友「いたって普通ですよ！　お前のそういう態度がおかしいんだ」
男「はいはい。ところで」
友「スルーカヨ…なんだ？」
男「あいつって何か香水でもしてるのかな？」
友「お前も興味あるじゃねぇか」
男「そういう意味ではなく。なんか嗅いだ事のないにおいだったから」
友「においフェチですね。わかります。」
男「お前に聞いた俺が悪かった」

「観察」
友が言うように彼女は、クラスのみんなに愛されてる。
授業でわからないところがあれば教え。
どんな頼まれごともそつなくこなす。
その立ち振る舞いは、教師も生徒の手本だと言ってはばからない。

そんな完璧な人間なんているのだろうか？

友「また、見てるのか？」
男「んぁ？」
友「今、熱い視線送ってたろ」
男「送ってない。」
友「はぁぁ。隠すなって俺たちの中だろ」
男「お前の勘違いだ。」
友「そういうことにしておいてやるか。そうだ彼女についてイイネタがあるぜ」
男「なんだよそれ」
友「へへ、興味ありか？」
男「もったいぶるなよ。」

「疑惑」
友「まぁ、取るに足らない噂だけどな」
男「噂？」
友「彼女。実は宇宙人ではないか説」
男「は？　何言っての？」
友「だよな。俺も聞いたとき笑っちまった」
男「ちなみにどんな内容なんだよ」
友「聞いた話だと、彼女は、月で地球を監視している宇宙人の一人で地球人と友好のため学校にやってきたとか」
男「ないな。」
友「だよな。あと校長宇宙人説と繋がるとか。」
男「それたしか、七不思議とかだろ」
友「それ。まぁこんな感じ。」
男「ネタにもならんな」

しかし、このつまらないネタがなぜか自分の中で納得いくような気がしていた。

「好奇心」
俺は時々、彼女を観察してみることにした。
授業の合間、休み時間、お昼、そして、放課後
しかし、特に変わった様子もなく、彼女はいつものように過ごしていた

男「当たり前だよな」
友「ん？なにが当たり前なんだ？」
男「いや、なんでもない。」
友「気になるじゃねぇか。言えよ。」
男「前に、お前から聞いた話…」
友「ん？あーもしかして宇宙人説？」
男「それ。」
友「もしかして、信じたの？」
男「ばーか。違う。ちょっと気になっただけだ」
友「お前ってそういうゴシップ的なの好きなのか？だったらまだいろいろあるぜ」
男「たまたま興味があっただけで・・・」
友「照れんなって、えっと、たしか…」

数々の取るに足らない噂話を聞く羽目になったがその分また彼女に対する噂を聞くことが出来た。
彼女への興味が尽きない。

「弱さ」
友「体育だるいな」
男「そうだな」
友「休んでて言えた義理じゃないけど」
男「そうだな」
友「それにしても熱いな」
男「たしかもうすぐプールだったな」
友「うぉっしゃ！そうだった。わすれてたぜ。」
男「変わり身の早いことで」
友「プールといえば水着だよな！いやっほーう」
男「うるさい。変な目で見られる。やめろ」
友「でも見たくないのか？　彼女の水着姿」
男「別に、興味は」
友「うそつくなよ。白くきらめく彼女の肌見たくねぇ？それでも男か！？」
男「大声で見たいと言えるお前はすごいよ。」

　「どうしたの立ちくらみ？」
女「大丈夫です。少し立ちくらみしただけで」
　「だいじょうぶ？保健室行く？」
　「日射病？先生に診てもらったほうが」
女「ありがとう。休めば大丈夫だから」

友「彼女保健室行くみたいだな」
男「ふーん」

しかし次の体育の時間は、何事もなかったように彼女は過ごしていた

「弱点」
完璧だと思われた彼女にも弱点があるらしい。
「一般常識やサブカルチャー」である。
時々彼女がポロリと出す一般常識のなさからくる行動は一部の男子を虜にする。
一部の女子からは、時折、僻みを交えたものが聞こえるが皆彼女に対しては比較的友好的だ。
そこから「宇宙人説」が始まったのだろう。

　「この前生徒指導のハゲ山浮気してバレタんだって」
　「サイテー。でもいい気味だよね」
女「ハゲ山？」
　「うん。知らない？生徒指導の先生の頭はげちゃってるから禿山」
女「それは、愛称みたいなもの？」
　「んー愛称でいいと思うよ」
女「わかりました。次にあったときに言ってみます」
　「ちょっと。それやばいって」
　「チャレンジャーだなぁ」
　「ねぇ、新作のグロスかわいくない？」
　「超かわいいじゃん」
女「グロス？」
　「え！もしかして化粧とかしないの？」
女「特には」
　「もう！この子は」
　「なんてうらやましい」
女「？」

男「あーいうのがいいのか？」
友「ちょっと天然気味なのが良いんだよ」
男「さっぱりだ。」

「追跡」
彼女を知るたびに興味は深まっていく。
もっと　もっと彼女を知りたい。
その日俺は、彼女の家までついていっていくことに

男「そういえば、彼女どこ住んでいるんだ？」
友「あれ、俺も知らないな」
男「役に立たないな」

　　　（放課後）

ゆらゆらと歩くたびに揺れる髪がまるで人でないもののように感じる
俺は、ばれないように慎重にあとをつけていく。
しかし、小さな体はどんどんと人影のないほうへと進んでゆく
そして、ふと小さな公園に彼女が入ると。

女「だれですか？」
男「な！？」
女「学校からついて来ていらっしゃいませんでしたか？」
男「なんでわかったんだ。」
女「もう、こんなことやめたほうがいいですよ？」

そういう彼女の瞳はまるで夜の闇を写したかのように真っ黒な瞳に敵意をのせて向けてきた。
何もいえなかった。それは、まるで体が凍りついたかのような感覚
彼女は、俺に一瞥し公園を後にした。
あの匂いを残して
体はまだ凍りついたままだ。

「確認」
彼女のあの瞳こそ宇宙人の証だ
彼女が宇宙人ならば、噂どおりに友好のためだろうか？それとも
彼女の正体をちゃんと確かめなければいけない

友「なんか顔色悪くないか？」
男「そうか？」

ばれてはいけない　無関係のこいつを危険な目に合わすわけには行かない

友「保健室行くか？」
男「そ、そうだな」

保健室で考えよう.ちゃんとどうするか。

「狂気」
保「ちょっと空けるわね」
男「はい」
保「あ、そうそう後で誰かにプリント届けさせるわね」
男「別に・・」
保「じゃ」

さてどうやって彼女が宇宙人だと証明すれば良いのか
真正面から？　いやムリだ
どんなことが起こるか、相手ははるかに進んだテクノロジーがあるはず
考えは堂々巡りを繰り返すだけだった。

女「失礼します。プリントを持ってきたんですが」

男（なぜ？彼女がここに？）

そんな考えとともに公園のときの記憶が恐怖とともに蘇る

女「大丈夫ですか？」

男「うわぁぁぁぁぁぁ」

俺はそのときのことは覚えていない

終わりです。すみませんでした。

ほ