私的良スレ書庫
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元スレ梨子「5年目の悲劇」
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高森「状況は芳しくないわね」
曜「……警察、しばらく来られないよ」
外に出ていたらしい曜と高森が、ずぶ濡れの身体で戻ってきた。
すっとタオルを差し出しながら、どういうことだと尋ねる。
曜「……警察、しばらく来られないよ」
外に出ていたらしい曜と高森が、ずぶ濡れの身体で戻ってきた。
すっとタオルを差し出しながら、どういうことだと尋ねる。
高森「ロープウェイを動かす装置がね、壊されてたのよ」
曜「色々試してみたけど、ゴンドラがビクともしなかった」
花丸「で、でも……警察のヘリコプターとかなら」
高森「そう思ったんだけどね……」
ケータイを見て、と促される。
曜「色々試してみたけど、ゴンドラがビクともしなかった」
花丸「で、でも……警察のヘリコプターとかなら」
高森「そう思ったんだけどね……」
ケータイを見て、と促される。
ルビィ「嘘……」
梨子「圏外……」
機械と基地局が何らかの形で繋がっていたせいだろう、誰かがそう推理した。
小原グループCEOが死に、今ここに居るであろう唯一の社員の行方が掴めない以上、機械に関する是非は分からない。
ハッキリと分かるのは、私たちは外部との連絡手段もないまま、揃ってこのリゾートに閉じ込められたこと……ただそれだけだった。
梨子「圏外……」
機械と基地局が何らかの形で繋がっていたせいだろう、誰かがそう推理した。
小原グループCEOが死に、今ここに居るであろう唯一の社員の行方が掴めない以上、機械に関する是非は分からない。
ハッキリと分かるのは、私たちは外部との連絡手段もないまま、揃ってこのリゾートに閉じ込められたこと……ただそれだけだった。
果南「ねえ、まさかだけど」
果南「鞠莉を殺したの、善子なのかな」
ダイヤ「果南さん!」
果南「だってそうでしょ? あの布は善子の持ち物だったし、彼女だけどこにもいないんだよ」
果南「鞠莉を殺したの、善子なのかな」
ダイヤ「果南さん!」
果南「だってそうでしょ? あの布は善子の持ち物だったし、彼女だけどこにもいないんだよ」
花丸「善子ちゃんがそんなことする筈ないずら!」
ダイヤ「そうですわ。Aqoursの一員だった善子さんが、何故鞠莉さんを……」
果南「じゃあ、誰がやったんだろうね」
ゾクリ、と身体が悪寒を感じたのは……気のせいだろうか。
ダイヤ「そうですわ。Aqoursの一員だった善子さんが、何故鞠莉さんを……」
果南「じゃあ、誰がやったんだろうね」
ゾクリ、と身体が悪寒を感じたのは……気のせいだろうか。
果南「ごめん、気分悪くなったから部屋に戻ってる。何かあったら……内線電話でも部屋に直接来るでもいいからさ」
「昼食は要らないから」と言い置き、鍵を持った果南は一人ロビーを去った。
ルビィ「でも、善子ちゃんが犯人じゃないとしても……犯人、まだどこかに居るのかな」
梨子「分からない。例えば、誰かに恨みを買っていた、とか……?」
高森「確かに、大企業の社長ともなれば本人も知らないところで恨みを買うことはおかしくないけれど……」
「昼食は要らないから」と言い置き、鍵を持った果南は一人ロビーを去った。
ルビィ「でも、善子ちゃんが犯人じゃないとしても……犯人、まだどこかに居るのかな」
梨子「分からない。例えば、誰かに恨みを買っていた、とか……?」
高森「確かに、大企業の社長ともなれば本人も知らないところで恨みを買うことはおかしくないけれど……」
グ~~~ッ
「「…………」」
千歌「……ごめん、朝から何も食べてなかったから」
突然の腹の虫の音に、どうしようもなく緊張がほぐれる。
幸いにもキッチンに食材が搬入されていたので、軽い昼食を摂ることにした。
……結局皆あまり箸が進まず、胃に無理やり押し込んだせいで料理の味もほとんど分からなかったのだが。
────13時半頃。
ダイヤ「軽くお昼作りましたので、一応置いておきます」
果南『いいって言ったでしょ?』
ダイヤ「ですが……」
果南『……勝手にして』
ダイヤ「軽くお昼作りましたので、一応置いておきます」
果南『いいって言ったでしょ?』
ダイヤ「ですが……」
果南『……勝手にして』
ダイヤ「…………」ハァ
梨子「何だか果南さん、変わりましたね」
ダイヤ「ダイバーショップがなくなってから、果南さんはああです」
梨子「髪を切ったのも、もしかして……」
ダイヤ「ええ。千歌さんとお揃い、と本人は言っていましたが……」
梨子「何だか果南さん、変わりましたね」
ダイヤ「ダイバーショップがなくなってから、果南さんはああです」
梨子「髪を切ったのも、もしかして……」
ダイヤ「ええ。千歌さんとお揃い、と本人は言っていましたが……」
ダイヤ「何より、店がなくなったのは……」ハッ
ダイヤ「……とにかく、私は失礼します」
梨子「……? 施錠はしっかりしてくださいね」
ダイヤ「分かっていますわ」ガチャリ
自室へ戻るダイヤを見送り、私も部屋へ向かった。
ダイヤ「……とにかく、私は失礼します」
梨子「……? 施錠はしっかりしてくださいね」
ダイヤ「分かっていますわ」ガチャリ
自室へ戻るダイヤを見送り、私も部屋へ向かった。
────梨子の部屋。
梨子「んー……」
分からない。この事件は謎が多すぎる。
まず一つ、何故犯人は鞠莉の首を切断したのか。
鞠莉の死体には、首を絞めたような跡がはっきりと残されていたのを確認している。
仮に彼女を殺すだけなら、絞殺死体でも十分なのではないだろうか。
梨子「んー……」
分からない。この事件は謎が多すぎる。
まず一つ、何故犯人は鞠莉の首を切断したのか。
鞠莉の死体には、首を絞めたような跡がはっきりと残されていたのを確認している。
仮に彼女を殺すだけなら、絞殺死体でも十分なのではないだろうか。
二つ。何故犯人は犯行を善子の仕業のように見せかけているのか。
首が狩られていた件についても、かつて善子がハマっていた黒魔術、その類の見立てと考えれば一応辻褄は合う。
現に善子の持ち物である魔法陣の描かれたクロスが使われたのだから、彼女が犯人と考えるのが自然ではある。
首が狩られていた件についても、かつて善子がハマっていた黒魔術、その類の見立てと考えれば一応辻褄は合う。
現に善子の持ち物である魔法陣の描かれたクロスが使われたのだから、彼女が犯人と考えるのが自然ではある。
しかし、もし彼女が犯人ではないと仮定した場合。
犯人はその偽装を、“Aqoursの皆”に見せつけたのだ。
全盛期ならいざ知らず、5年経った今でもその名前を紙に記し、私たちを誘導した。
度の過ぎたファンの仕業か、或いは。
犯人はその偽装を、“Aqoursの皆”に見せつけたのだ。
全盛期ならいざ知らず、5年経った今でもその名前を紙に記し、私たちを誘導した。
度の過ぎたファンの仕業か、或いは。
梨子「まさか」
『私たちの中に、犯人がいる』
あまりしたくない想像を保留として、思考を次へ進める。
『私たちの中に、犯人がいる』
あまりしたくない想像を保留として、思考を次へ進める。
三つ目。何故犯人はロープウェイを使えなくしたのか。
ワープロであんな紙を用意していたことと言い、私たちをここに閉じ込めたことといい。
一連の犯行には、計画性が滲み出ている。
犯人はこの後も誰かを狙っているのだろうか、そんな考えが頭をよぎった。
ワープロであんな紙を用意していたことと言い、私たちをここに閉じ込めたことといい。
一連の犯行には、計画性が滲み出ている。
犯人はこの後も誰かを狙っているのだろうか、そんな考えが頭をよぎった。
梨子「そうだ、内線」
果南はあの時、内線電話について触れていた。
当然、この部屋にも備え付けの電話機が設置されている。
薄い期待を胸に受話器をあげ、1、1、0のボタンを押してみる。
果南はあの時、内線電話について触れていた。
当然、この部屋にも備え付けの電話機が設置されている。
薄い期待を胸に受話器をあげ、1、1、0のボタンを押してみる。
梨子「……やっぱりダメか」
繋がらない。外部への連絡手段は全て絶たれている。
夕飯時までベッドで寝転がっていようか。そう思った矢先。
プルルルル、とさっき切ったばかりの室内電話が鳴り出した。
繋がらない。外部への連絡手段は全て絶たれている。
夕飯時までベッドで寝転がっていようか。そう思った矢先。
プルルルル、とさっき切ったばかりの室内電話が鳴り出した。
梨子「もしもし」
果南『もしもし、私。さっきはごめんね』
掛けてきたのは果南だった。別段何かが起こったワケでもないらしい。
梨子「いいですよ、そんな……」
果南『もしもし、私。さっきはごめんね』
掛けてきたのは果南だった。別段何かが起こったワケでもないらしい。
梨子「いいですよ、そんな……」
果南『私ね、梨子ちゃんが羨ましいって思う』
梨子「……?」
果南『鞠莉が死んだ時、梨子ちゃんは私やダイヤを気遣ってくれた』
果南『でも、私自身は鞠莉があんな死に方をしたのに全く悲しめてなくてさ。死んだのか、程度にしか思えなくて』
梨子「果南さん……」
梨子「……?」
果南『鞠莉が死んだ時、梨子ちゃんは私やダイヤを気遣ってくれた』
果南『でも、私自身は鞠莉があんな死に方をしたのに全く悲しめてなくてさ。死んだのか、程度にしか思えなくて』
梨子「果南さん……」
果南『梨子ちゃんも気を付けた方がいいよ。2年で変わらなくたって、5年も経てば人は変わるんだから』
梨子「っ……」
果南『それじゃあ、夕飯の時になったら教えてね』ガチャッ ツー ツー ツー
彼女の言葉に、私は何も言い返すことが出来なかった。
──ねえ、梨子ちゃん。あのこと、私は忘れてないからね。
同時に、何となく千歌のことが気になったが……結局、電話を掛けることも、直接部屋に行くことも出来なかった。
梨子「っ……」
果南『それじゃあ、夕飯の時になったら教えてね』ガチャッ ツー ツー ツー
彼女の言葉に、私は何も言い返すことが出来なかった。
──ねえ、梨子ちゃん。あのこと、私は忘れてないからね。
同時に、何となく千歌のことが気になったが……結局、電話を掛けることも、直接部屋に行くことも出来なかった。
────14時頃、千歌の部屋。
千歌「──うん、多分そういうことだから。じゃあね」 ガチャリ
千歌「……ハァ」
千歌「──うん、多分そういうことだから。じゃあね」 ガチャリ
千歌「……ハァ」
鞠莉の死体を目にした時、「当然だ」という感情しか湧かなかった。
理由はどうあれ、彼女はそういう運命だった。然るべき報いを受けたのだ。
千歌「…………」
いつからだろう。いつからこうなってしまったんだろう。
理由はどうあれ、彼女はそういう運命だった。然るべき報いを受けたのだ。
千歌「…………」
いつからだろう。いつからこうなってしまったんだろう。
千歌「……雨、まだまだやみそうにないね」
カーテンを閉め、ベッドに軽くダイブする。
千歌「まったく、都合が良いんだか悪いんだか」
その呟きを聞く者は、ここにはいなかった。
カーテンを閉め、ベッドに軽くダイブする。
千歌「まったく、都合が良いんだか悪いんだか」
その呟きを聞く者は、ここにはいなかった。
────15時頃、花丸の部屋。
花丸「善子ちゃんが犯人なワケ、ない……」
絞り出すように呟いた。
あの状況では善子に疑いが向くのは無理もないだろう。
現に果南は疑っていたし、他の皆もその方向に傾いているかも知れない。
何しろ、彼女の消息は自分にさえ分からないのだ。
けれども津島善子が人殺しをするような人間でないことは、自分が一番分かっている。
花丸「善子ちゃんが犯人なワケ、ない……」
絞り出すように呟いた。
あの状況では善子に疑いが向くのは無理もないだろう。
現に果南は疑っていたし、他の皆もその方向に傾いているかも知れない。
何しろ、彼女の消息は自分にさえ分からないのだ。
けれども津島善子が人殺しをするような人間でないことは、自分が一番分かっている。
善子『ずら丸、私、番号がない……』
花丸『嘘……だって、405、406、よんひゃくは……』
善子『…………』
学科は違っても、一緒の大学に行こう。
そう誓って一緒に勉強したけれど、善子は受験に失敗した。
花丸『嘘……だって、405、406、よんひゃくは……』
善子『…………』
学科は違っても、一緒の大学に行こう。
そう誓って一緒に勉強したけれど、善子は受験に失敗した。
善子『何で私に構うのよ……あんた今日講義あるんでしょ?』
花丸『善子ちゃんが部屋から出るまで、ここにいるずら』
善子母『ごめんなさいね、いつも』
花丸『いえ、お構いなく』
善子『…………』
やがて彼女は、浦の星入学当初のように引き籠ってしまった。
花丸『善子ちゃんが部屋から出るまで、ここにいるずら』
善子母『ごめんなさいね、いつも』
花丸『いえ、お構いなく』
善子『…………』
やがて彼女は、浦の星入学当初のように引き籠ってしまった。
花丸『昨日、ルビィちゃんがテレビに出てたずら』
善子『知ってる。芸能事務所入ったんでしょ』
善子『私もあんな風に、輝いてたのにね……』
善子『あの頃に、戻りたい……』
花丸『…………』
出席日数に影響の出ない範囲で、ずっと善子に構い続けた。
善子『知ってる。芸能事務所入ったんでしょ』
善子『私もあんな風に、輝いてたのにね……』
善子『あの頃に、戻りたい……』
花丸『…………』
出席日数に影響の出ない範囲で、ずっと善子に構い続けた。
善子『ずら丸、今日空いてる?』
花丸『空いてるけど……どうしたの?』
善子『スーツ買いに行くから、付き合って頂戴』
花丸『スーツ……?』
やさぐれていた彼女は、ある日を境に突如活発になった。
花丸『空いてるけど……どうしたの?』
善子『スーツ買いに行くから、付き合って頂戴』
花丸『スーツ……?』
やさぐれていた彼女は、ある日を境に突如活発になった。
善子『この前、マリーが家に来てね。今度社長になるから、何ならウチで働かないかって』
花丸『おぉう……だからってこんな急に変わるものずらか』
善子『何だっていいの。これでニート脱出、リア充への第一歩よ!』
ビフォーアフターっぷりに最初は面食らったが、何はともあれ善子が引き籠りから脱却したことを喜んだ。
そして、彼女を救ってくれた鞠莉に感謝した。
花丸『おぉう……だからってこんな急に変わるものずらか』
善子『何だっていいの。これでニート脱出、リア充への第一歩よ!』
ビフォーアフターっぷりに最初は面食らったが、何はともあれ善子が引き籠りから脱却したことを喜んだ。
そして、彼女を救ってくれた鞠莉に感謝した。
それが、今。
鞠莉が死に、善子がその容疑者だと思われている。
花丸「……」ハァ
こうなってしまうのは仕方ないこと、なのだろう。
鞠莉が死に、善子がその容疑者だと思われている。
花丸「……」ハァ
こうなってしまうのは仕方ないこと、なのだろう。
コンコン。
誰かがドアを叩く音。ルビィだろうか。
「はーい」と返事をし、ドアを開けた。
誰かがドアを叩く音。ルビィだろうか。
「はーい」と返事をし、ドアを開けた。
────16時頃。
プルルルル プルルルル
梨子「…………ん」
いつの間にか寝てしまっていた私を、電話の音が起こした。
梨子「……もしもし」
寝ぼけ眼を擦りながら、応答する。
プルルルル プルルルル
梨子「…………ん」
いつの間にか寝てしまっていた私を、電話の音が起こした。
梨子「……もしもし」
寝ぼけ眼を擦りながら、応答する。
『────助けて、殺される!』
そのSOSで、私の眠気は霧消した。
……アップローダー側のエラーなのかそれともこちら側に問題があるのか
よく分からないので念のために
http://gyazo.com/64fd497b0bca02c0816f2f469db64ce3
今度こそ今回はここまで。
よく分からないので念のために
http://gyazo.com/64fd497b0bca02c0816f2f469db64ce3
今度こそ今回はここまで。
2年で変わらなくたって~のくだりでゾッとした
マリー何やったんだよ…
マリー何やったんだよ…
梨子「花丸ちゃん、どうしたの!?」
電話の主は花丸だった。だが、様子が明らかにおかしい。
花丸『ダイヤ、さ、やめ……ガハッ!?』ザクッ
梨子「え……?」
花丸『あっ ギっ があ˝Aあア˝っ!!!?』ザシュッ ズシャッ ズチュッ
電話の主は花丸だった。だが、様子が明らかにおかしい。
花丸『ダイヤ、さ、やめ……ガハッ!?』ザクッ
梨子「え……?」
花丸『あっ ギっ があ˝Aあア˝っ!!!?』ザシュッ ズシャッ ズチュッ
何度も何度も、刃物で肉体を刺す生々しいサウンドが耳に入る。
梨子「もしもし、もしもし!?」
『ぁ…………』
『…………』ガチャッ ツー ツー ツー
梨子「もしもし、もしもし!?」
『ぁ…………』
『…………』ガチャッ ツー ツー ツー
梨子「…………」
通話を一方的に切られ、断末魔が物理的に途絶える。
あまりにも一瞬すぎる出来事に、脳の処理が追い付いていない。
花丸が襲われ、恐らく殺された。それだけでも十分すぎることなのに。
私はこの耳で、はっきりと聞き取ったのだ。
『あなたが、鞠莉さんを……!』
彼女を刺す音に混ざるようにして、憎しみの籠った黒澤ダイヤの声を。
通話を一方的に切られ、断末魔が物理的に途絶える。
あまりにも一瞬すぎる出来事に、脳の処理が追い付いていない。
花丸が襲われ、恐らく殺された。それだけでも十分すぎることなのに。
私はこの耳で、はっきりと聞き取ったのだ。
『あなたが、鞠莉さんを……!』
彼女を刺す音に混ざるようにして、憎しみの籠った黒澤ダイヤの声を。
廊下に出ると、間髪入れず曜と鉢合わせした。
曜「あれ、どうしたの? すっごく顔色悪いけど……」
梨子「話はあとよ、3階に急がないと!」
曜「え、ちょっと、何!?」
困惑している曜の手を引いて、エレベーターホールへと駆けた。
曜「あれ、どうしたの? すっごく顔色悪いけど……」
梨子「話はあとよ、3階に急がないと!」
曜「え、ちょっと、何!?」
困惑している曜の手を引いて、エレベーターホールへと駆けた。
────3階。
花丸の客室が位置しているのはエレベーターを降りてすぐ、306号室。
部屋の前には既に、ドアを何度も叩く先客がいた。
ルビィ「花丸ちゃん! ねぇ、花丸ちゃん!?」ドンドン
事情をまだ知らない曜が「どうしたの?」と尋ねる。
ルビィ「花丸ちゃんの部屋からヘンな声が聞こえたから……でも、何度呼んでも出なくて……!」
果南「なんだかうるさいけど……」
高森「何かあったの?」
騒ぎを聞きつけ、高森、果南も廊下へと現れた。
花丸の客室が位置しているのはエレベーターを降りてすぐ、306号室。
部屋の前には既に、ドアを何度も叩く先客がいた。
ルビィ「花丸ちゃん! ねぇ、花丸ちゃん!?」ドンドン
事情をまだ知らない曜が「どうしたの?」と尋ねる。
ルビィ「花丸ちゃんの部屋からヘンな声が聞こえたから……でも、何度呼んでも出なくて……!」
果南「なんだかうるさいけど……」
高森「何かあったの?」
騒ぎを聞きつけ、高森、果南も廊下へと現れた。
私がかいつまんで事情を話す。
電話があったこと。花丸が襲われたこと。
犯人がダイヤであるらしいことは……言いかけて、結局喉元でつっかえた。
もしそれが真実ならば、目の前にいる赤髪の少女にはあまりにも酷な現実を二ついっぺんに突きつけてしまうことになる。
高森「じゃあ、国木田さんはもう……」
梨子「まだ何とも言えない。けれど、鞠莉さんが殺されてる以上、確認しないワケには……」
曜「私、マスターキー探して来る!」
電話があったこと。花丸が襲われたこと。
犯人がダイヤであるらしいことは……言いかけて、結局喉元でつっかえた。
もしそれが真実ならば、目の前にいる赤髪の少女にはあまりにも酷な現実を二ついっぺんに突きつけてしまうことになる。
高森「じゃあ、国木田さんはもう……」
梨子「まだ何とも言えない。けれど、鞠莉さんが殺されてる以上、確認しないワケには……」
曜「私、マスターキー探して来る!」
千歌「どうしたの? さっき曜ちゃんとすれ違ったけど」
名乗りを上げエレベーターへと急ぐ曜と入れ違いに、千歌が現れた。
梨子「あ、えーと……」
名乗りを上げエレベーターへと急ぐ曜と入れ違いに、千歌が現れた。
梨子「あ、えーと……」
曜「梨子ちゃん、これ!」
千歌に事情説明をしているうちに、マスターキーを手にした曜がフロントから戻ってくる。
パスされた鍵をキャッチし私は、鍵穴へそれを差し込んだ。
ギィィィ。
オートロック式の重たい扉が開かれ、皆一斉に部屋へとなだれ込む。
千歌に事情説明をしているうちに、マスターキーを手にした曜がフロントから戻ってくる。
パスされた鍵をキャッチし私は、鍵穴へそれを差し込んだ。
ギィィィ。
オートロック式の重たい扉が開かれ、皆一斉に部屋へとなだれ込む。
梨子「花丸、ちゃ……」
飛び込んできた光景は、反射的に目を背けたくなるほどに凄惨だった。
真っ赤に染まったベッドの上には、ゴミでも捨てるかのように無造作に置かれた身体が。
滅多刺しにされたということが嫌でも分かるくらいに、衣服にもでかでかと赤い染みを作っている。
飛び込んできた光景は、反射的に目を背けたくなるほどに凄惨だった。
真っ赤に染まったベッドの上には、ゴミでも捨てるかのように無造作に置かれた身体が。
滅多刺しにされたということが嫌でも分かるくらいに、衣服にもでかでかと赤い染みを作っている。
ルビィ「花丸ちゃん、花丸ちゃんが……いやぁぁぁぁぁぁぁ!?」
そして、部屋の隅にあるテーブルには、鞠莉の時と同様に。
血の気の失せた花丸の首が、魔法陣の描かれたクロスに乗せられていたのだ。
そして、部屋の隅にあるテーブルには、鞠莉の時と同様に。
血の気の失せた花丸の首が、魔法陣の描かれたクロスに乗せられていたのだ。
視界の端に、泣き叫ぶルビィと、苦い顔をして彼女を連れ出す曜と果南の姿が映る
私は無意識のうちに唇を噛んでいた。
もし、あのSOSに早く対応出来ていれば、花丸が命を落とすことはなかったのだろうか。
実際には無理だと言われたとしても、一縷でもその可能性があった以上、私は悔しくてたまらなかった。
私は無意識のうちに唇を噛んでいた。
もし、あのSOSに早く対応出来ていれば、花丸が命を落とすことはなかったのだろうか。
実際には無理だと言われたとしても、一縷でもその可能性があった以上、私は悔しくてたまらなかった。
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