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元スレ梨子「5年目の悲劇」
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その後、お茶を飲みながら昔話に花を咲かせようとしたのだが、夜から仕事があるからとルビィが部屋を発つのを皮切りに、結局お開きとなった。
私も色々話したいことはあったが、来月まで取っておくことにして、彼女に付き添うことにした。
私も色々話したいことはあったが、来月まで取っておくことにして、彼女に付き添うことにした。
千歌「ねえ、梨子ちゃん」
梨子「どうしたの?」
千歌「あのこと、私は忘れてないからね」
梨子「あのこと?」
千歌「……ううん、なんでもない」
バスに乗る直前に千歌と交わした会話が引っかかったけれど……何のことかは分からなかった。
梨子「どうしたの?」
千歌「あのこと、私は忘れてないからね」
梨子「あのこと?」
千歌「……ううん、なんでもない」
バスに乗る直前に千歌と交わした会話が引っかかったけれど……何のことかは分からなかった。
見送ってくれる6人に手を振り、やがてその姿は見えなくなる。
ルビィ「みんな、色々変わってましたね」
梨子「そうね……」
ルビィ「みんな、色々変わってましたね」
梨子「そうね……」
飛び込み選手を辞めたらしい曜、やけに背の伸びた花丸。
何となく昔のような元気がなくなった果南。昔のキャラを捨てた善子。
大物になっていたダイヤと鞠莉。そして、何とも言えない違和感のある千歌。
みんな、大なり小なり変化があった。
鞠莉は何かしらの形で私たちの再会をテレビに流したいと言っていたが、あの頃のように上手く行くのだろうか。
いつの間にか寝てしまっていたルビィの頭を撫でながら、私は考えた。
何となく昔のような元気がなくなった果南。昔のキャラを捨てた善子。
大物になっていたダイヤと鞠莉。そして、何とも言えない違和感のある千歌。
みんな、大なり小なり変化があった。
鞠莉は何かしらの形で私たちの再会をテレビに流したいと言っていたが、あの頃のように上手く行くのだろうか。
いつの間にか寝てしまっていたルビィの頭を撫でながら、私は考えた。
梨子「あ」
そういえば、公演によく来てもらっていたこともあって、両親に顔を見せるのをすっかり忘れていた。
家は十千万のすぐ隣だったのに、バカをやらかした。
来月内浦に来たときに顔を見せようと強引に結論づけ、私はこの件について考えないことにした。
そういえば、公演によく来てもらっていたこともあって、両親に顔を見せるのをすっかり忘れていた。
家は十千万のすぐ隣だったのに、バカをやらかした。
来月内浦に来たときに顔を見せようと強引に結論づけ、私はこの件について考えないことにした。
……この時は、誰もまだ知らなかった。
再び集まるまでの1か月。
その間に、もっと大きな変化がAqoursに影を落としていたなんて。
再び集まるまでの1か月。
その間に、もっと大きな変化がAqoursに影を落としていたなんて。
「が、くる、し……」
「っ…………」
ただ、”彼女“の首を無言で絞め続ける。
「っ…………」
ただ、”彼女“の首を無言で絞め続ける。
“彼女“は己の首に掛けられたロープを外そうと必死でもがく。
だが、酸欠状態になりつつある身体では碌な抵抗も出来ない。
こういう時、刑事ドラマなら犯人に傷をつけることで真相解明に近づけさせると言うけれど。
それはさせぬと言わんばかりに、ロープにぐぐっと力をこめる。
数分、いや数十分。どのくらいの時間が経っただろう。
気づいた時には、“彼女”の身体は動かなくなっていた。
だが、酸欠状態になりつつある身体では碌な抵抗も出来ない。
こういう時、刑事ドラマなら犯人に傷をつけることで真相解明に近づけさせると言うけれど。
それはさせぬと言わんばかりに、ロープにぐぐっと力をこめる。
数分、いや数十分。どのくらいの時間が経っただろう。
気づいた時には、“彼女”の身体は動かなくなっていた。
「ハァ、ハァ……」
ロープから手を放し、止まらない汗を拭う。
荒ぶっていた呼吸と心臓の鼓動が少しずつ整ってくる。
……殺してしまった。
後悔はない、と言えば嘘になる。
けれども、殺さなければならなかった。
ロープから手を放し、止まらない汗を拭う。
荒ぶっていた呼吸と心臓の鼓動が少しずつ整ってくる。
……殺してしまった。
後悔はない、と言えば嘘になる。
けれども、殺さなければならなかった。
「…………」
物言わぬ亡骸を担ぎ、”準備“を始める。
まだ終わっていない。もう後戻りは出来ない。
自分はこの計画を、何としてでも完遂させなければならないのだから。
物言わぬ亡骸を担ぎ、”準備“を始める。
まだ終わっていない。もう後戻りは出来ない。
自分はこの計画を、何としてでも完遂させなければならないのだから。
────7月30日、午前11時。
梨子「集合時間だけど……揃ってないわね」
集合場所であるロープウェイ乗り場に集まっていたのは7人。
鞠莉と善子、2人の姿が見当たらないのだ。
梨子「集合時間だけど……揃ってないわね」
集合場所であるロープウェイ乗り場に集まっていたのは7人。
鞠莉と善子、2人の姿が見当たらないのだ。
自動運転のロープウェイは既に扉を開けて停車しており、時刻表によれば間もなく発車する。
「テレビの人たちと打ち合わせもあるだろうし、リゾートの方で先に待っているのではないか」
誰かが言ったその内容に皆が納得し、それならとロープウェイに乗車する。
ただでさえ雨が降っていて皆相応な荷物を持っているのに、屋根の外に居たくはなかった。
「テレビの人たちと打ち合わせもあるだろうし、リゾートの方で先に待っているのではないか」
誰かが言ったその内容に皆が納得し、それならとロープウェイに乗車する。
ただでさえ雨が降っていて皆相応な荷物を持っているのに、屋根の外に居たくはなかった。
「おーい! 待ってー!」
扉が閉まる寸前、大きなキャリーバッグを抱えた女性が駆け込んで来た。
傘を畳むのも忘れてゼェハァと息を切らせる彼女に、皆揃って呆気に取られる。
扉が閉まる寸前、大きなキャリーバッグを抱えた女性が駆け込んで来た。
傘を畳むのも忘れてゼェハァと息を切らせる彼女に、皆揃って呆気に取られる。
千歌「あのー、あなたは?」
「久しぶりね、Aqoursのみんな」
呼吸を整え、高森と名乗った女性。
後ろで纏めた髪に赤ブチのメガネ、もしかして。
「久しぶりね、Aqoursのみんな」
呼吸を整え、高森と名乗った女性。
後ろで纏めた髪に赤ブチのメガネ、もしかして。
梨子「もしかして、大会でいつもいたレポーターさん?」
千歌「そういえば……!」
高森「そうよ。覚えててくれて嬉しいな」
Aqoursがまだ6人だった頃、東京スクールアイドルワールドで初めて出会った彼女。
忘れもしない『0票』の集計結果を渡されたのは、今となってはいい思い出。
結果として、あの一件がなければAqoursの成長はなかったのかもしれないのだから。
千歌「そういえば……!」
高森「そうよ。覚えててくれて嬉しいな」
Aqoursがまだ6人だった頃、東京スクールアイドルワールドで初めて出会った彼女。
忘れもしない『0票』の集計結果を渡されたのは、今となってはいい思い出。
結果として、あの一件がなければAqoursの成長はなかったのかもしれないのだから。
その後も、最終予選、決勝戦、その他スクールアイドルのイベント……。
彼女はいつも会場にいて、私たちも何度か顔を合わせていた。
Aqoursの優勝インタビューをしたのも、彼女だった筈だ。
彼女はいつも会場にいて、私たちも何度か顔を合わせていた。
Aqoursの優勝インタビューをしたのも、彼女だった筈だ。
花丸「でも、なんでここに?」
高森「頼まれたの、小原さんに」
果南「鞠莉が?」
高森「そう。Aqours再会記念を、リゾート宣伝も兼ねて番組にしてくれないかってね」
……本当に依頼したのか。
昔からいつものことだったが、鞠莉は突拍子のないことでも本当に実行してしまうから恐ろしい。
高森「頼まれたの、小原さんに」
果南「鞠莉が?」
高森「そう。Aqours再会記念を、リゾート宣伝も兼ねて番組にしてくれないかってね」
……本当に依頼したのか。
昔からいつものことだったが、鞠莉は突拍子のないことでも本当に実行してしまうから恐ろしい。
高森「それで、11時頃に出るロープウェイに乗って来てくれませんかって連絡を受けてたんだけど……何だか妙なのよ」
ダイヤ「妙、とは?」
高森「カメラマン何人か連れて来る予定だったんだけど、時間になっても来ないもんだからどうしたものかってね」
高森「電話したら、みんな口を揃えて『小原さんから、翌日にずらして欲しいって連絡があった」なんて言うんだもの」
高森「私はそんな連絡受けてないし、Aqoursのみんなは集まってるし、なんでかなーって」
ダイヤ「妙、とは?」
高森「カメラマン何人か連れて来る予定だったんだけど、時間になっても来ないもんだからどうしたものかってね」
高森「電話したら、みんな口を揃えて『小原さんから、翌日にずらして欲しいって連絡があった」なんて言うんだもの」
高森「私はそんな連絡受けてないし、Aqoursのみんなは集まってるし、なんでかなーって」
ルビィ「そんな筈はないと思うけど……マネージャーさんとは明日までって話をしているのになあ」
高森「まあ、黒澤ちゃんのマネージャーって結構そういうところ厳しいからね」
ルビィ「マネージャーさんと知り合いなんですか?」
高森「ええ。スクールアイドルから芸能人になった人は他にもいるし、そういう人たちのこともよく知ってるわ」
高森「まあ、黒澤ちゃんのマネージャーって結構そういうところ厳しいからね」
ルビィ「マネージャーさんと知り合いなんですか?」
高森「ええ。スクールアイドルから芸能人になった人は他にもいるし、そういう人たちのこともよく知ってるわ」
曜「でも、確かにヘンだよねえ。私たちにもそんな話伝わってないし」
梨子「誰か、善子ちゃんか鞠莉さんに電話した?」
果南「一応してるんだけど……出ないね」
花丸「どうせ二人で何か企んでるずら」
梨子「……」
何とも言えない感覚に、私は肩を震わせる。
悪寒とまではいかないにしても、雨天からくるものでは決してない。
例えるなら、何か良くないことが起こりそうな……そんな予感。
折角のAqours再集結なのに、何故。
そんな私の思いを置き去りにするように、8人を乗せたロープウェイは山を登っていった。
梨子「誰か、善子ちゃんか鞠莉さんに電話した?」
果南「一応してるんだけど……出ないね」
花丸「どうせ二人で何か企んでるずら」
梨子「……」
何とも言えない感覚に、私は肩を震わせる。
悪寒とまではいかないにしても、雨天からくるものでは決してない。
例えるなら、何か良くないことが起こりそうな……そんな予感。
折角のAqours再集結なのに、何故。
そんな私の思いを置き去りにするように、8人を乗せたロープウェイは山を登っていった。
◆
千歌「おー……」
ダイヤ「雨天でなければ完璧でしたわね」
ゴンドラを降りると、そのリゾートは眼前に広がっていた。
手入れの行き届いた洋風庭園に囲まれた、瀟洒な別荘という言葉がピッタリな建築物。
屋外プールも完備しており、各部屋にテラスがついているらしいこともここから窺える。
周囲は鬱蒼とした森林、ロープウェイとヘリポート以外に道らしき道は無い。
けれども、その建物は閉鎖的な印象を全く感じさせなかった。
千歌「おー……」
ダイヤ「雨天でなければ完璧でしたわね」
ゴンドラを降りると、そのリゾートは眼前に広がっていた。
手入れの行き届いた洋風庭園に囲まれた、瀟洒な別荘という言葉がピッタリな建築物。
屋外プールも完備しており、各部屋にテラスがついているらしいこともここから窺える。
周囲は鬱蒼とした森林、ロープウェイとヘリポート以外に道らしき道は無い。
けれども、その建物は閉鎖的な印象を全く感じさせなかった。
曜「外も凄かったけど……」
ルビィ「中も綺麗……」
大理石の床、待合い用の大きなソファ、ガラス張りのテーブル、煌びやかなシャンデリア。
天窓からは、フロストガラスである程度緩和された太陽光が差し込むのだろう。
今は生憎の雨で、明かりの主役はシャンデリアなのだが。
ルビィ「中も綺麗……」
大理石の床、待合い用の大きなソファ、ガラス張りのテーブル、煌びやかなシャンデリア。
天窓からは、フロストガラスである程度緩和された太陽光が差し込むのだろう。
今は生憎の雨で、明かりの主役はシャンデリアなのだが。
高森「……いないわね、小原さん」
千歌「善子ちゃんもどこ行ったんだろう」
こういう時、「Ciao~♪」とハイテンションで出迎えるのが鞠莉だった筈なのに。
従業員との打ち合わせ……にしては、私たち以外誰もいないように感じられる。
千歌「善子ちゃんもどこ行ったんだろう」
こういう時、「Ciao~♪」とハイテンションで出迎えるのが鞠莉だった筈なのに。
従業員との打ち合わせ……にしては、私たち以外誰もいないように感じられる。
果南「ねえ、気になったんだけど」
梨子「これは……ルームキー?」
ロビーの中央、一番大きなテーブル。
そこに、8つの鍵が置かれていた。
高海様、渡辺様、桜内様……
全て、鍵の下にワープロ打ちの紙が置かれている。
つまり、この鍵を取れ、ということなのだろう。
梨子「これは……ルームキー?」
ロビーの中央、一番大きなテーブル。
そこに、8つの鍵が置かれていた。
高海様、渡辺様、桜内様……
全て、鍵の下にワープロ打ちの紙が置かれている。
つまり、この鍵を取れ、ということなのだろう。
そして、一緒に置かれていた一枚の手紙。
『Aqoursの皆様、正午になりましたら再度ロビーにお集まりください』
梨子「何だか、かなり凝ったことするのね」
果南「そういうことだったら、大人しく待ってあげよっか」
『Aqoursの皆様、正午になりましたら再度ロビーにお集まりください』
梨子「何だか、かなり凝ったことするのね」
果南「そういうことだったら、大人しく待ってあげよっか」
ダイヤ「……ところで。私とルビィ、どちらがどちらの鍵か分かりかねるのですが」
ルビィ「どっちも『黒澤様』って書いてる……」
果南「んー……部屋番号を見た感じ、片方は私の隣でもう片方はマルの隣みたいだし」
花丸「じゃあ、こっちがルビィちゃんの鍵ずら」
ダイヤ「では、私はこちらを」
ルビィ「どっちも『黒澤様』って書いてる……」
果南「んー……部屋番号を見た感じ、片方は私の隣でもう片方はマルの隣みたいだし」
花丸「じゃあ、こっちがルビィちゃんの鍵ずら」
ダイヤ「では、私はこちらを」
千歌「とりあえず、お部屋に荷物置いて来ようよ」
梨子「そうね。癪だけど鞠莉さんと善子ちゃんの企みに乗ってあげましょう」
私たちは皆、バス停からそこそこ距離のあったロープウェイ乗り場まで雨の中歩かされているのだ。
それに、仕事の関係などで荷物の量が他より多い人もいる。
千歌と私の提案に、反対する者は誰もいなかった。
梨子「そうね。癪だけど鞠莉さんと善子ちゃんの企みに乗ってあげましょう」
私たちは皆、バス停からそこそこ距離のあったロープウェイ乗り場まで雨の中歩かされているのだ。
それに、仕事の関係などで荷物の量が他より多い人もいる。
千歌と私の提案に、反対する者は誰もいなかった。
◆
ガシャリ、グシャリ。
誰にも気づかれないようロープウェイ乗り場へ行き、ハンマーで制御装置を力任せに破壊する。
これで、このリゾートは陸の孤島と化した。
この作業が終わったら、次はあれをロビーに置かねば。
ガシャリ、グシャリ。
誰にも気づかれないようロープウェイ乗り場へ行き、ハンマーで制御装置を力任せに破壊する。
これで、このリゾートは陸の孤島と化した。
この作業が終わったら、次はあれをロビーに置かねば。
◆
外装やフロントが豪華なら、部屋も当然ながら豪華だ。
ベージュのカーペットに、優に3人分の幅はあるベッド。
テラスの向こうは、依然として雨。
こういうテラスで日光を浴びながら優雅に紅茶、と洒落こみたいところだが、今日は出来そうにない。
外装やフロントが豪華なら、部屋も当然ながら豪華だ。
ベージュのカーペットに、優に3人分の幅はあるベッド。
テラスの向こうは、依然として雨。
こういうテラスで日光を浴びながら優雅に紅茶、と洒落こみたいところだが、今日は出来そうにない。
時間まですることもないので、備え付けのテレビを見ながら色々考える。
何故鞠莉と善子は揃って音信不通なのか。
破天荒な2人のことだ。もしかしたら、壮大なドッキリでも仕掛けているのかも知れない。
ドッキリでなくとも、ここまで姿を見せないからには何かがある。
二人揃って電話にも返事がないのはいささか不自然だ。
何故鞠莉と善子は揃って音信不通なのか。
破天荒な2人のことだ。もしかしたら、壮大なドッキリでも仕掛けているのかも知れない。
ドッキリでなくとも、ここまで姿を見せないからには何かがある。
二人揃って電話にも返事がないのはいささか不自然だ。
梨子「…………」
気づけば、約束の正午まであと5分。
学生時代に習った5分前行動の精神とやらは身体からそう簡単に抜け出ないもので。
着替えようかとも思ったが、結局そのまま部屋を出た。
気づけば、約束の正午まであと5分。
学生時代に習った5分前行動の精神とやらは身体からそう簡単に抜け出ないもので。
着替えようかとも思ったが、結局そのまま部屋を出た。
────正午、ロビー。
再び集合した8人。
けれど、やはり2人の姿はなかった。
ダイヤ「あの2人は一体何をしているんですの……」
果南「まあまあ落ち着いて」
ダイヤ「全く、果南さんは相変わらず甘いのですね」
再び集合した8人。
けれど、やはり2人の姿はなかった。
ダイヤ「あの2人は一体何をしているんですの……」
果南「まあまあ落ち着いて」
ダイヤ「全く、果南さんは相変わらず甘いのですね」
高森「でも、本当にどうしたのかしら」
ルビィ「んー……あれ、またテーブルに何か……」
大テーブルのど真ん中。
何かが置かれているが、身を乗り出さないと取れないだろう。
ルビィ「んー……あれ、またテーブルに何か……」
大テーブルのど真ん中。
何かが置かれているが、身を乗り出さないと取れないだろう。
千歌「とうっ!」
行儀が悪い、を我先にと実行した千歌が、それを手に取った。
千歌「鍵と紙だね。小原CEO……え?」
鞠莉の部屋の鍵と、それを示す紙……らしいのだが。
行儀が悪い、を我先にと実行した千歌が、それを手に取った。
千歌「鍵と紙だね。小原CEO……え?」
鞠莉の部屋の鍵と、それを示す紙……らしいのだが。
千歌「きゃぁぁっ!?」
何かに驚いたように、千歌はその2つを放り投げた。
梨子「どうしたの?」
千歌「だって、あの紙……」
曜「これ……血じゃないの!?」
何かに驚いたように、千歌はその2つを放り投げた。
梨子「どうしたの?」
千歌「だって、あの紙……」
曜「これ……血じゃないの!?」
梨子「っ!?」
曜が拾ったその紙には、血痕らしき真っ赤な染みが付着していた。
まさか。嫌な予感が一瞬にして湧き上がる。
「「…………」」
誰も言葉を交わさぬまま、鍵が示す部屋へと一斉に駆け出した。
曜が拾ったその紙には、血痕らしき真っ赤な染みが付着していた。
まさか。嫌な予感が一瞬にして湧き上がる。
「「…………」」
誰も言葉を交わさぬまま、鍵が示す部屋へと一斉に駆け出した。
────鞠莉の部屋。
果南「嘘……」
ダイヤ「鞠莉、さん……?」
2人の声を切っ掛けに、悲鳴が廊下に反響する。
果南「嘘……」
ダイヤ「鞠莉、さん……?」
2人の声を切っ掛けに、悲鳴が廊下に反響する。
小原鞠莉は、そこにいた。
いや、あった、という方が正しいだろうか。
床に横たわる身体。
備え付けの小さなテーブルに掛けられた、魔法陣らしきものが描かれた黒い布。
その上に、小原鞠莉の首が乗せられていたのだ。
いや、あった、という方が正しいだろうか。
床に横たわる身体。
備え付けの小さなテーブルに掛けられた、魔法陣らしきものが描かれた黒い布。
その上に、小原鞠莉の首が乗せられていたのだ。
今回はここまで。
アキバレポーターは本名が設定されていないようなので、ここでは中の人から取って高森で行きます。
アキバレポーターは本名が設定されていないようなので、ここでは中の人から取って高森で行きます。
一見すると善子がやったように見えるけど中二卒業してるしなあ
本人の姿が見えないのが気になる
本人の姿が見えないのが気になる
内容に不満があるとかじゃなくて、これからも結構グロイ描写があるなら、Rの方でやった方がいいかもね
────12時半頃、ロビー。
千歌「……ココア入れてきたよ、果南ちゃん」
果南「ありがとう」
梨子「ダイヤさんも、どうぞ」
ダイヤ「……どうも」
千歌「……ココア入れてきたよ、果南ちゃん」
果南「ありがとう」
梨子「ダイヤさんも、どうぞ」
ダイヤ「……どうも」
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