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    元スレ永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」

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    601 = 587 :

    夜また来る

    602 :




    【項垂】



    (……………………)



    【膝行】



    (……………………)



    【吐】



    (……………………)



    【白】







    てゐ「……………………ゲップ」




     ただ――――一つわかるのはだな。
     妖兎はこうして、幾多に連なる苦難を、見事乗り越えてみせたと言う事である。
     その様はまさに役優婆塞が如しであった。
     妖兎が仮に人であったなら、きっと今や、鬼すら使役できる霊力が備わっておる事であろうて。



    【無事】



     いやぁ~にしても、実に良き物を見た。皆もそう思わんか? 
     薬売りと言う巨悪の術策を、御身一つで跳ね返したこの事実は、拍手喝采に値する事請け合いである。



    【完食】



     天晴だ。まことに天晴であった。
     屋号があれば叫んでやりたい気分よの。
     そうだな、合いの手はさしずめ……
     よッ――――【永遠亭】!


    603 = 602 :




    てゐ「…………」



     はは、まるで千両役者みたいだな……と、時に私見であるのだが。
     此度の一部始終、身共からすれば、薬売りの動きが少し意外であったのだ。



    てゐ「…………」



     考えてもみよ……あの不遜・悪鬼・腹黒極まるあの薬売りがだぞ?
     事シロツメクサに関しては”真を述べておった”と言う、この気味の悪さよ。



    てゐ「…………」



     先ほど申した通り、シロツメクサは本来”毒”である。
     薬師からすれば薬草になるやもしれぬが、凡に考えれば、やはり本来は含んではならぬ草よ。
     故にシロツメクサと言う言葉が出た際、身共はてっきり「口から出まかせを吹かし、兎をさらなる窮地へ追いやらん」と言う風に思うておったのだが……
     意外や意外。妖兎がこうして無事「永遠から脱する」事ができたのは、紛れもなく「薬売りの教授」があったが故でもあるのだ。



    てゐ「…………」



     まぁ、最後の方は少しわけがわからなかったがな……
     とにもかくにも、終わりよければなんとやらだ。
     あれほど血に塗れていた体はすっかり元の白を取り戻し、その血の出所たる”古傷”も、すでに塞り終えておる。



    てゐ「…………」



     そう、全ては元に戻ったのだ。
     血も・傷も・痛みも・苦味も――――御身に纏わる、何もかもが。




    てゐ「……………………す」





    ――――砕かれた心でさえも。












    てゐ「―――― ” 殺  ス ” !  」




    604 = 602 :




    てゐ「殺ス――――殺ス! 絶対殺ス! 意地でも殺ス! 是が非でも殺ス!」



    てゐ「殺ス…………殺ス殺ス殺ス殺ォァ”――――ッッスッ!!」



     こうして妖兎は、折角体が癒えたにも関わらず、四つん這いのままピタリと動かなくなってしまった。
     傍から見れば、背以外が食い散らかした草の痕へと向く格好となる。
     その姿勢は意図せず、せっかく癒えた顔を覆い隠す形となった……のだが。
     しかし案ずるなかれ。妖兎が「今どのような表情をしておるか」など、顔が見えずとも、いとも容易く思い浮かべる事ができるのだ。



    【激憤】



    てゐ「肉と言う肉を齧り殺してやる! 四肢の全てを削ぎ殺してやる! 臓物の全てを貪り殺してやる! 生きたまま食い殺してやる!」
     


    【激怒】



    てゐ「ありとあらゆる手段で殺してやる…………ありとあらゆる手段で苦しめてやる…………」



    【激昂】



    てゐ「殺した後でもさらに傷つけてやる…………死骸を延々、玩具のように弄んでやる…………!」



     その怒りの全ては、薬売りただ一人に向けられる物であった。
     所以はもはや、語るまでもないであろう。
     如何に薬売りの助言が一役買ったとて――――そもそもな話、兎を傷つけたのは薬売りの方なのだ。
     


    てゐ「あいつは…………絶対にここから出さない…………」



    てゐ「誰が帰してやるものか…………もう、降参したって…………許してやるものか…………!」



     そう言えばあの折り……あの男は恐れ多くも、蓬莱の薬を「貴方にとっての毒」などとほざいておったの。
     身共からすれば、「お前が言うな」である。
     そりゃそうだ。この場で最も有毒なのは、他でもない”あやつ自身”であろうに……皆もそう思わぬか?



    【怨毒】

    605 = 602 :





    てゐ「殺ス…………あいつだけは…………」




    てゐ「絶対に…………絶ェェェェッッッ――――対に”ィィィ――――ッ!!!」




     ま、と言うわけで……今一度薬売りへの恨みを募らせた所でだな。
     妖兎はようやっと、重い腰を上げ、その怒れる顔を面へと出したのだ。





    てゐ「殺”ォォォォ――――――――」





     そうなって、初めて……
     妖兎は、ようやく「目を合わせる」事が出来たのだ。





    (ォォォォ――――…………)






     ずっと、傍で――――”自分を見守ってくれていた者”と。






    てゐ「……………………すぇ?」





    【末】















     得てして、この夜通しかけた、永き攻防の末に――――
     これにて、名実共に”誰もいなくなった”のであった。




    【因幡てゐ】×

    606 = 602 :




    【経過】




    【蓬莱山輝夜】×

     神隠し最初の犠牲者。
     永遠亭の真の主であり、その正体はかの有名な「竹取物語」のかぐや姫その人。
     竹取物語の結末とは違い、実は月へと帰らず幻想郷に移り住んでいた。
     薬売りが現れた当初は、永遠亭の新弟子となった薬売りと謁見の予定であったが、しかし直前にモノノ怪の襲撃に合い、謁見は中止。
     そのまま薬売りと会うことなく姿を消してしまった。

     しかし姿を消す直前、『自身のスペルカード』にモノノ怪の正体の示唆を残していた事が判明。
     これは後に永琳経由で薬売りの手に渡る事となる。

    ・姿 不明
    ・真 不明
    ・理 不明




    【藤原妹紅】×

     神隠し二番目の犠牲者
     過去にとある経緯で蓬莱の薬を服用し、輝夜同様不死の身となった炎の術師。
     玉兎曰く、元々はどこにでもいそうな普通の娘だったとの事。
     蓬莱山輝夜とは何らかの因縁(?)があり、その事実から、玉兎に「モノノ怪の正体」として名を挙げられていた。
     しかし妹紅の元へ向かう際、すでにモノノ怪に攫われた後であった為、自動的に容疑者から除外される。

     襲われた際多少の抵抗でもしたか、現場には焦げた竹と、辺りを覆う焦げ臭さが蔓延していた。
     だが薬売りはその匂いの中に、焦げ臭さとは別の『何やら香ばしい香り』を嗅ぎ取った。


    ・姿 不明
    ・真 蓬莱の薬を服用し不老不死となった炎術師
    ・理 不明




    【八意永琳】×

     神隠し三番目の犠牲者
     何かに怯え部屋に閉じこもった玉兎を見かね、強引に錠をこじ開けた所、直後モノノ怪に憑りつかれた。
     実は過去、月の迎えから輝夜を奪い取った張本人である。
     さらにこの時、周りの月人を「皆殺し」にした為、その経緯から人知れず「モノノ怪の正体は自分」と思っていたらしい。
     薬売りも同様、当初は八意永琳こそがモノノ怪の真と睨んでいたが、当の永琳本人がモノノ怪に憑りつかれた為、両者の目論見はあえなく外れる事となる。
     これにより一時は一切の手がかりがなくなったと思われたが、しかしこの時薬売りに「輝夜のスペルカード」を託した事が、薬売りが「モノノ怪の真」を得るキッカケとなった。

     そして薬売りに後を託した直後、皆の目の前で消滅。
     永遠亭の存続を揺るがす一大事にも拘らず、何故だか最後の最後まで『安心しきった』ような表情を浮かべていた。


    ・姿 赤と青に分かれた服を着た白髪の女
    ・真 元・月の賢者 現・月の大罪人
    ・理 不明

    607 = 602 :




    【鈴仙・優曇華院・イナバ】×

     神隠し四番目の犠牲者。
     モノノ怪による神隠しの最中、一人だけ逃亡を図った所を薬売りに妨害され、追及の果てに観念して全てを白状するに至った。
     実は過去に輝夜を地上へ突き落とした張本人であり、八意永琳が「姫強奪事件」を起こすキッカケを作った人物でもある。
     この際、とある理由で「心狂わせる程の恐怖」を植え付けられた為、その恐怖がいつしか、本人すらあずかり知らぬ所で「別人格」として独立していた。

     当初はこの別人格こそがモノノ怪の正体と思われたが、薬売りは輝夜姫のスペルカードから「玉兎はモノノ怪でない」と知っていた為、退魔の剣を抜かれる事のないまま再度封じられた。 
     そして自らの別人格の存在を認知した後、薬売りによって「モノノ怪ではないから」と見逃され、そのまま竹林を出ようとする。
     しかし、脱する直前で不意に足を止めてしまったが為に「本物のモノノ怪」に追いつかれしてしまい、寸前の所で惜しくも消えた。

     薬売りが現れる直前、『何らかの一報』が届いたらしいが、詳細は不明。


    ・姿 兎耳を生やした長身の女
    ・真 永遠亭から脱走しようとしていた
    ・理 月の追手の目を永遠亭から逸らす為




    【因幡てゐ】×

     神隠し最後の犠牲者。
     当初から不審な行動が多くみられた人物。
     此度の神隠し騒動を徹底的に「見知らぬ素振り」し続けた揚げ句、どころか所々モノノ怪を擁護するかのような言動すらあった。
     薬売りは勿論、身内すら咎める程の我関せず振りであったが、実はその全てが「退魔の剣を奪う為」であったと最後に判明する。

     見知らぬ素振りは策略を張り巡らせていた為であり、その甲斐あって、一時は見事退魔の剣を奪い獲る事に成功。
     しかし直後に「一服盛られた」事を知り、発狂。折角手に入れた退魔の剣を自ら投げ捨て、外に飛び出してしまう。
     そして、意図せぬままに自分からモノノ怪の元へ飛び込んでしまった結果、心半ばにして消えてしまった。

     実は輝夜よりも先にモノノ怪の襲撃を受けた当人。モノノ怪に襲われるのは計二回目となる
     しかし最初の強襲に限り、何故か『掠り傷を負わされただけ』と言う、なんとも半端な被害に終わった。
     

    ・姿 兎耳を生やした小さい女
    ・真 退魔の剣を強奪すべく、裏で策略を練っていた
    ・理 単身で月の追手を退けた後、自らの手でモノノ怪を斬り払い、攫われた仲間を解放する為


    608 = 602 :



    【八雲紫】×(例外)

     無数の目・神隠し・月との因縁と言う経緯から、真っ先にモノノ怪の候補へ名を挙げられていた人物。
     しかし後に「自ら弁明に現れた」事により、晴れて潔白を証明した。
     この時の口ぶりから、薬売りよりも先にモノノ怪の真に辿り着いていたと思われる。
     しかし「自分ならモノノ怪を難なく排除できる」と断言しつつ、「後学」を理由に今後一切手を出さない事を宣言。
     今もどこかの隙間から、一部始終を覗いていると思われる。

     余談ながら、別れ際に土産と称して『朱色のシロツメクサ』を薬売りに送る。
     永遠亭の近くの穴で拾ったと説明したが、実は、永遠亭の誰もが見た事のない品種だったりする。


    ・姿 紫色の服に身を包んだ女
    ・真 幻想郷の創設者
    ・理 薬売りの解決力を今後の異変解決に役立てたい


    609 = 602 :


    【御知らせ】
    またまたまたまた(ry
    とりあえず本年度はここまで。再開は年明けからにします。
    例によって詳細は未定。目途が立ったら言いに来ます。
    なんか予想外に時間かかってますが(99割画像のせい)今度こそほんとうに完結までこぎ着けたいと思います(マジで
    では、よいお年を。

    611 :

    まだかな

    615 :

    待ってるゾ

    618 :

    乙です。絶対絵に時間かかってるw

    621 :

    最初は目目連とか話してたけど、結局どんなモノノ怪なんだ…
    これからも続き期待してやす っ饅頭

    622 :


    【定時報告】

    遅れてる理由=3Dツールに手を出したから

    624 :

    どんだけ気合入れとんねんwwww

    625 :

    何もんだよお前

    626 :

    待ってるから安心して制作に励んでくれ


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