のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,062,857人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレ国王「さあ勇者よ!いざ、旅立t「で、伝令!魔王が攻めてきました!!」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - 勇者 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    251 = 1 :


    魔王「………」

    盗賊「お、避けたのか。やっぱりラスボスは、簡単にはいかねーってか」

    魔王「あなた…今…」

    魔王(………魔弓だ)

    魔王(間違いない。彼は今、いとも簡単に魔弓を真似てみせた)

    盗賊「何か、文句言いたそうな眼だねぇ?」

    魔王「………あなたこそ、つらそうよ」

    盗賊「…鋭いねえ、ホント。顔色を変えない演技に関しちゃ、自信があったんだけどな」

    魔王「力の負荷に、肉体も精神も押し潰されそうなのね。力をもて余してる」

    魔王「あなたには、与えられるべくして与えられた力ではないわ」

    盗賊「ま、そうなんだろうな。俺の身の丈にゃ合わねーよ、どう考えてもな」

    盗賊「いいトシこいて背中から翼なんざ生やしてよ。勘弁してくれってんだ、こいつをデザインした野郎はどんな趣味してんだろーな?」

    魔王「思い当たらないわけではないわ」

    魔王「………女神教会、ね?」

    盗賊「…」

    252 = 1 :


    盗賊「確かに、この力は教会の荷から手に入れたもんだ。大層な護送してやがるから、どんなお宝かと思えば、光の力と来たもんだ」

    盗賊「…ちょーっとばかり王国を困らせてやろうって手ぇ出したはずなのにさ、オカシイと思ったんだよなぁ」

    魔王「やはり…」

    魔王(女神教会。…確か、女神を唯一神とする人間の教団)

    魔王(人のほとんどは宗教として女神を信じているから、膨大な権力を持っているはず)

    盗賊「あの時の王国の慌てようは想像以上だったが…それ以上に反王国勢力から俺は戦乱の主役に担ぎあげられて」

    盗賊「力を使えば…奇跡を起こす英雄として祭り上げられた」

    魔王(…勇者に与えられるがごとき女神の力を使えば、確かに人にとって英雄となりうるだろう。でも…)

    魔王「奇跡は、そう易々と起こしていいものじゃないわ」

    盗賊「…へえ? 奇跡の塊みたいな力をもった魔族四天王の、ボスがそれを言うなんてねぇ?」

    魔王「あなたの力は、存在自体に大きな矛盾を孕んでる」

    魔王「この世に本来あるべきじゃない、捻れを…違和感を感じる。力の所有者であるあなたは、何も感じないの?」

    盗賊「ああ、おかしいと思うね。奇跡の力だってんなら、使うたんびに俺の体を蝕まないでくれ、てさ」

    盗賊「…何度も思ったよ」ツー

    魔王(…血が)

    盗賊「いい迷惑さ。起こしたくて起こしたわけじゃない奇跡も沢山ある。英雄だとか言って、多くの人間を戦乱に導いて、死なせてきた」

    盗賊「力を封じて、役目も捨てて、何度戦いをほっぽり出しちまおうと思ったことか。…けどよ、今さら、そうもいかねぇんだ」

    盗賊「こーんなダメな俺を…時には引っ張り回して、時にはケツを叩いて、側にいてくれたあいつらが居るからな」

    盗賊「捻れた奇跡だって、起こさなきゃならねぇのさ」

    253 = 1 :


    魔王「あなたの歯車は、もう、止まらないのね」

    盗賊「そゆこと。でもさ、俺は運命の為すがままに流されていたんじゃねーよ」

    盗賊「俺は自由でありたかった。最初からな。そのために剣を取った」

    盗賊「あんたと相対している今も、それはひとつも変わらないんだ」

    魔王「………そう」

    魔王(何かが起こっているんだ…何だろう、嫌な感じがする)

    魔王(駄目だ。立ち止まって考える暇はないんだ。私は…)

    魔王「私は、勇者を倒さなければならない。ここで倒されるわけにはいかないの」

    盗賊「…そーかい」

    盗賊(迷いのない眼だ。射抜くように、真っ直ぐな)

    盗賊「こんな圧倒的に不利な状況で、そうきっぱり断言されちゃあたまんないぜ」

    盗賊「肝っ玉の座ったねえちゃんだよ。魔王じゃなかったら、口説いてたかもなあ。あんた、魔族ってわりに美人だしな」

    魔王「変わった人ね、あなた。でも、分かってるんでしょう?」

    盗賊「ああ。…俺たちは殺し合わなきゃならない。名残惜しいけど、そろそろ始めるとすっか」

    魔王「いつでも、どうぞ」

    盗賊「言っとくけど俺マージで強いぜ、今」

    魔王「…そう。楽しみね」



    盗賊「女を泣かすのは趣味じゃねぇが」


    ――「ねぇ…その真の力を解放したとき、貴方はどうなるの?」

    ――「生きて、帰ってきてくれる…?」


    盗賊「…俺が負けても、泣く女がいるんでね」


    盗賊「恨むなよ」





    魔王「………私が」


    魔王「解放してあげるわ」

    254 = 1 :



    軍師「…」

    狩人「…盗賊と魔王、光に包まれて消えた…」

    狩人「使ったんだね…。あの力」

    軍師「…そのようですね」

    狩人「これで良かったの? 軍師さん」

    軍師「………」

    軍師「やめろと言っても、あの人はそうしたでしょう」

    軍師「…それに、実際それに頼らざるを得ない状況に違いはありません。…私の能力の限界です」ギュ…

    狩人「軍師さん…」

    軍師「狩人。魔王が消えたことによる敵の動揺を誘います。ハーピィの術式の援護をしてください」

    軍師「私たちに、出来ることをするのです」

    狩人「そう、だね。分かった」

    狩人「行ってくるよ」バッ

    軍師「…」

    軍師「どうか…生きて帰ってきて…」


    255 = 1 :



    雷帝「…」

    雷帝(魔王様と、人間が光に包まれ消えた…)

    雷帝(人間の自爆? いや、仮にそうだとしても、ここまで塵も残さず魔王様の肉体を消し去るのは不可能だ。あの人間が見せていた能力…転移魔法の一種、と考えるのが妥当だろうが)

    雷帝(どこかに転移をして、魔王様を倒すつもりか? しかし、何処にも魔王様の気を感じられぬのは何故だ?)

    雷帝(まるで、この世界から消え去ってしまったような…こんな事がありうるのか…!?)

    雷帝(くそ…っ! どうなっている!)

    吸血鬼「………ざまぁ…ありません、わね…」

    雷帝「…まだ息があったか」

    吸血鬼「…ふ、ふ…貴方の…そんな、狼狽たえた、 顔が見れる…なんて…長生きは、するものです、わ…」

    雷帝「…」

    256 = 1 :


    雷帝「お前は、あの人間の能力を知っているのか」

    吸血鬼「…知って、いたとして…教えると思い、まして…?」

    雷帝「吐かせるまでだ」グイッ

    吸血鬼「…やって、みな、さいな…」ニィ

    雷帝「! 貴様…その瞳の色…」

    雷帝(なんだ!? 瞳が青く光っている!?)

    吸血鬼「ああ…これ、ですの?」

    吸血鬼「魔力を、送ってるの、ですのよ…ハーピィ、に」

    吸血鬼「私の、記憶を…」

    雷帝「何…?」

    257 = 1 :


    雷帝「お前は、あの人間の能力を知っているのか」

    吸血鬼「…知って、いたとして…教えると思い、まして…?」

    雷帝「吐かせるまでだ」グイッ

    吸血鬼「…やって、みな、さいな…」ニィ

    雷帝「! 貴様…その瞳の色…」

    雷帝(なんだ!? 瞳が青く光っている!?)

    吸血鬼「ああ…これ、ですの?」

    吸血鬼「魔力を、送ってるの、ですのよ…ハーピィ、に」

    吸血鬼「私の、記憶を…」

    雷帝「何…?」

    258 = 1 :


    ハーピィ「吸血鬼さんの魔力を拾えた!」

    ハーピィ「き、記憶を拡散するよ! 召喚術用意っ!」

    「了解!」

    ハーピィ「! こ、これ…」

    狩人「ハーピィ! 行けるなら、やって! こっち押さえるのも限界だっ!」


    ハーピィ「よ、よし! 行くよ!」

    「召喚!! 幻惑の海獣!!」




    剣士「隊列を立て直せッ! 受けに回ったらやられるぞォ!!」

    炎獣「いい加減うざったいぜ! オラァッ!!」

    ドカァンッ!!

    剣士「ちィ、バケモンが…ッ!」

    炎獣「これで終わりだっ!」

    炎獣「炎ぉ――」ゴゴゴゴ

    フワッ

    炎獣(!? な、なんだこれ!? 急に妙な景色が目の前に…!)

    259 = 1 :


    炎獣(敵の幻術か!?)

    炎獣(あれは雷帝…それに、魔王?)




    盗賊『魔王、借りてくぜ』

    魔王『っ!?』

    雷帝『魔王様ッ!!』

    盗賊『我が身に宿る力よ――』

    盗賊『その真の力を示せ』

    ゴァッ――!!

    雷帝『な、なんだ…――この力!! 魔王様ぁッ!』



    炎獣「――!!」

    炎獣「魔王が………消された?」

    260 = 1 :


    氷姫(またハーピィの召喚術ってわけ? …にしても、これ)

    氷姫(只の幻術じゃ、ない! 誰かの記憶を幻として映し出しているんだわ。だとすれば、これは実際に起こった事…!?)

    氷姫(まさか、本当に魔王が…!)



    木竜(姫様が………! 馬鹿な…)

    木竜(しかし、姫様の気が、感じ取れぬ! 本当に、消えたとでも言うのか…!?)

    木竜「姫様………!!」バサッ


    エルフ「て、敵が引き上げていく…」

    261 = 1 :


    「乗り切った…か…!」

    剣士「作戦は…成功ってかァ…?」

    エルフ「精鋭部隊の突撃は、上手くいったってこと!?」

    狩人「じゃあ、魔王を倒した…!?」

    「まだ、そこまで考えるのは早計じゃ」

    ハーピィ「………」

    剣士「…どうした、ハーピィ」

    ハーピィ「きゅ、吸血鬼さんから受け取った記憶のなかに…倒れている騎士さんと斧使いさんがいたんだ」

    エルフ「えっ!?」

    ハーピィ「ま、魔王の他に、別の四天王の姿もあった…。と、盗賊様たちの突撃は、成功したのかもしれないけど」

    ハーピィ「きゅ、吸血鬼さんたちは、もしかしたら…!」

    剣士「んだとォ…? あんな、殺しても死なねぇような連中が…!!」

    狩人「っ!」バッ

    「どこへ行くんじゃ、狩人!」

    狩人「精鋭部隊、助けに行く…!」パカラッ

    262 = 1 :


    「一人で行くつもりかっ!?」

    狩人「まだ間に合うかもしれない!」

    エルフ「私も行くよっ!」パカラッ

    剣士「くっそッ、俺も…ぐっ!」

    「落ち着け! その傷ではお前が行ったところで足手まといじゃ」

    剣士「くっそがッ…!」

    ハーピィ「う…うぅ…」

    狩人「皆は陣形を整えて軍師さんの指示、待っていて!!」

    狩人(…そこには、四天王が全員揃ってるのかもしれない…)

    狩人(怖い…怖くてどうしようもない…けど)

    狩人(僕に出来ることがあるなら………!)

    パカラッ パカラッ…


    「くっ…援護しようにも、妾たちの魔力も限界が来ておる…」

    魔力(できることは、最早待つことだけか…しかし…)

    (魔法使いの奴め。いつの間にか姿を消しおった)

    (何を企んでおるのじゃ、お前は)


    263 = 1 :


    氷姫「雷帝っ!」スタッ

    雷帝「氷姫…何故お前がここに」

    氷姫「んな事どうだっていいのよ! どういうことよ!? 魔王は何処っ!?」

    雷帝「落ち着け…!」

    氷姫「落ち着けですって!? これが落ち着いていられるもんですかっ!」

    氷姫「答えなさいよ!! 魔王は何処!?」

    雷帝「…っ」

    氷姫「何とか言えっ!」

    雷帝「…私にも分からない」

    氷姫「!」

    氷姫「分からない、ですって!? あんた、それでも――」

    炎獣「待てって、氷姫!」ザ…

    木竜「こりゃ、どういうことじゃ…」バサッ

    雷帝(炎獣、翁まで…)

    264 = 1 :


    炎獣「雷帝に噛みついたってどうにもなんないだろ! 一旦落ち着いて…」

    氷姫「離しなさいよ!」バッ

    炎獣「なっ…」

    氷姫「あんたはなんとも思わないわけ!? あんなに言ってたじゃない! ″魔王を″守るって!!」

    炎獣「…俺だって焦ってるさ…!」

    氷姫「じゃあ、何でこの状況で平気でいられるのよっ!」

    炎獣「平気じゃねえよ! 俺だってなあ…!」

    木竜「よさんかッ!!」

    氷姫「っ!」

    炎獣「…!」

    木竜「…こうしてこちらの混乱を招くこと事態が、敵の目的じゃ」

    木竜「だからわざわざ、ああやって儂らに幻影を見せ、前線から退かせた…そうじゃろう、雷帝」

    雷帝「翁…すみません」

    雷帝「その通りです。これは敵の策の一種。…恐らく敵はこれを機に我々を包囲しにかかります」

    氷姫「あ…」

    炎獣「…くっ」

    木竜「ふむ…かといって、姫様の身に何が起こっているか分からぬ以上、下手に身動きも取れぬ」

    雷帝「…はい」

    265 = 1 :


    吸血鬼「く、ふふ。四天王、が、揃いも揃、って、不様、ですわ」

    雷帝「こざかしいマネを…。どうやら、その浅知恵を働かせている者から排除する必要があるようだな」ギリ…

    吸血鬼「そん、な事を、する前に、貴方たちの、負け、ですわ」

    吸血鬼「魔王、は倒され、る」

    雷帝「………」

    雷帝「あの男の能力は…女神の力の片鱗だな?」

    吸血鬼「!?」

    雷帝「転移魔法の時に発生する白い翼…そして聖なる波動。光の勢力の使う術そのものだ」

    炎獣「お、おい、どういうことだよ。女神の力…て、それ…」

    炎獣「勇者に与えられる力のことだろ!?」

    雷帝「そうだ」

    氷姫「なんなのよ…。つまり、あいつが勇者だったってこと?」

    雷帝「いや…少し違うな。それにしては聖なる波動が不十分だ」

    雷帝「あの者はその断片の力を操っていたに過ぎない。最も、人間どもの目にはそんなものですら超常の力に写っただろうがな」

    266 = 1 :


    雷帝「ほんの一部とは言え、伝説と言われる女神の力だ。貴様ら魔族のはぐれ者や、外界を遮断し続けていたような特殊な民族ですら、その奇跡の前に夢を見たのだろう」

    雷帝「そうして出来た特殊な集団は、王国軍とはまた質の異なる勢力を形成していた…それが、貴様らの軍、といったところか」

    吸血鬼(…っ。この短時間で、そこまで見抜くなんて…)

    雷帝「そして、その奇跡の力こそが、貴様らの奥の手だった。魔王様ですら、その力を以てすれば打倒できるはず…と」

    吸血鬼「………」

    雷帝「--…切り札にしては、何とも陳腐だな」

    吸血鬼「なん、ですって…!?」

    雷帝「女神の力の、断片程度で…魔王様を討てると思ったのか?」

    雷帝「あのお方は、全ての魔族の頂点に立つお方」

    雷帝「我々四天王を付き従えるだけの偉大なる力を持ったお方」


    雷帝「――邪神の加護を一身に受けた、我らの救世主だ」

    267 :




    魔王「…」

    魔王「ここまで、ね」

    盗賊「がッ………ごッ………」

    魔王「翼の力…か。勇者以外に聖なる力を使うものが現れるなんて思わなかった」

    盗賊「うッ………ぎぃッ…!!」

    魔王「でも…それでは、私は倒せない」

    盗賊「…く………そ………ッ!!」

    魔王「…さよなら」


    盗賊「………お…れが…」

    盗賊「…ま……ける………わけ…に………」

    盗賊「いか………な…」



    魔王「魔弓」









    ――「どうか…生きて帰ってきて…」


    盗賊「………軍――」



    268 = 1 :



    ゴォッ――


    炎獣「!! なんだ!?」

    氷姫「眩しくて何も見えない…! でも…でもこれって…!」

    木竜「姫様の、気じゃ!」

    雷帝「………魔王様」




    魔王「みんな」スタッ

    魔王「心配かけて、ごめん」ニコ



    炎獣「ま、魔王っ!」

    氷姫「魔王!!」

    木竜「姫様…良かった…!」

    雷帝「魔王様…」




    吸血鬼「そん…な」

    吸血鬼「盗賊…様………」

    269 = 1 :

    あー!年内に投下終わらせられず…
    ってゆーか年内に完結しないのかよ

    クリスマスだろーが大晦日だろーが正月が来ようが土曜日はss
    今後ともよろしくお願いします

    270 :

    あけおめ

    272 :

    来てたか乙&あけおめ

    273 :


    氷姫「良かったっ…! 良かった無事で…!」

    炎獣「魔王! 怪我、してないか? 」

    魔王「ふふ、大丈…夫」ヨロ…

    木竜「姫様!」バッ

    雷帝「…!」

    魔王「ごめん、なさい。少し立ち眩みがしただけよ」

    魔王「聖なる波動にあてられ続けてたから…でも、もう平気」

    炎獣「無理すんなよ!」

    氷姫「そうよ…!」

    雷帝「魔王様。手を見せてください」

    魔王「っ、雷帝、平気だってば」

    雷帝「魔王様」

    魔王「…う、うん」ス…

    木竜「! ひどい痕じゃ…」

    氷姫「これ…!」

    雷帝「魔王様…力を何度か使われたのですね」

    魔王「…」

    274 = 1 :


    魔王「ほんの一部とは言え…女神の加護を受けた力と対峙するには、こうするしかなかったの…」

    雷帝「…」

    炎獣「…魔王、ごめんな」

    炎獣「俺、守るって言ったのに…」

    魔王「謝らないで。私は平気だから」

    雷帝(………私には)

    ――「信じるわ。雷帝」

    雷帝(私には、申し開きをする権利すらありはしない)

    木竜「治療をしますぞ、姫様」

    炎獣「か、肩貸すか? それとも椅子代わりになろうかっ?」

    魔王「くすっ…大丈夫だってば、炎獣」

    雷帝「…」

    氷姫「…変に意地張ってると、本当に蚊帳の外になるわよ」

    雷帝「………なんの話だ」

    氷姫「…馬鹿」

    275 = 1 :


    炎獣「でもよ、まさか人間がこんな手を使ってくるなんて…」

    木竜「女神の力の断片を手にした人間、か。もしそんな者が他にもいるとなると、今後の儂らの動き様も考えねばならんのう」

    魔王「彼は、どういう経緯かは分からないけれど、力を持っていた…」

    魔王「女神の力は、代々選ばれし人間が魔王を倒すために授けられてきたもの。すなわち、勇者にしか与えられない力のはず」

    魔王「それを、勇者以外の人間が手にしていた…」

    氷姫「なんでそんな事が…?」

    雷帝「分からん。が、どうにもきな臭いな」

    雷帝「何者かが、秩序を乱しているように感じる。…いや、もしくは」

    雷帝「…」

    炎獣「? なんだ?」

    魔王「…」

    雷帝「…いや。ともかく、魔王様をお守りしつつ、この戦いを乗りきらなければな」

    木竜「そうじゃな。形勢は、それほどウマくないからのう」

    276 = 1 :



    エルフ「聖水の煌めき…っ!」


    カッ!


    氷姫「! 敵!?」

    炎獣「ちっ! ここに攻めてきたのか!? なめやがって!」

    木竜「しかしこれは…」

    雷帝「単なる目眩まし、か? 」



    エルフ「斧使いはオーケーだよっ!」パカラッ

    狩人「こっちは騎士をつんだ! あとは…!」パカラッ

    吸血鬼「…行きなさいな」

    狩人「何言ってんの!? 吸血鬼も早く乗って!!」

    吸血鬼「誰かが、敵の追跡を、防がねば」

    エルフ「一人で、四天王全員相手にする気!?」

    吸血鬼「誰かがやらなきゃ、振り切れませんわ」

    吸血鬼「それに…」

    吸血鬼「少しでも、あの人の側に居たいんですの…」

    エルフ「!? それって…」

    狩人「………まさか」


    277 = 1 :


    吸血鬼「盗賊様は、帰ってきませんわ」

    エルフ「…っ!!」

    狩人「…嘘、だよね…?」

    吸血鬼「あのメガネ女狐に伝えてくださいな」

    吸血鬼「きっと、仇を討て、と」

    エルフ「盗賊、が…」

    狩人「…嘘だ」

    狩人「嘘だっ! 盗賊がっ! 死んだなんて!!」

    吸血鬼「早く、お行きなさいな!!」

    狩人「嘘だっ!!」

    吸血鬼「エルフ!!」

    エルフ「! くっ…!」ガシッ

    狩人「離して、エルフ!! 盗賊がっ! 吸血鬼まで!!」

    エルフ「行くんだ狩人…!」


    「おい」

    炎獣「奇襲にしちゃ、ずいぶん悠長だなあ!?」バッ

    278 = 1 :


    吸血鬼「盗賊様は、帰ってきませんわ」

    エルフ「…っ!!」

    狩人「…嘘、だよね…?」

    吸血鬼「あのメガネ女狐に伝えてくださいな」

    吸血鬼「きっと、仇を討て、と」

    エルフ「盗賊、が…」

    狩人「…嘘だ」

    狩人「嘘だっ! 盗賊がっ! 死んだなんて!!」

    吸血鬼「早く、お行きなさいな!!」

    狩人「嘘だっ!!」

    吸血鬼「エルフ!!」

    エルフ「! くっ…!」ガシッ

    狩人「離して、エルフ!! 盗賊がっ! 吸血鬼まで!!」

    エルフ「行くんだ狩人…!」


    「おい」

    炎獣「奇襲にしちゃ、ずいぶん悠長だなあ!?」バッ

    279 = 1 :


    吸血鬼「貴方の相手は」ガシ…!

    吸血鬼「わたくしですのよ」

    炎獣「誰だ、お前」

    炎獣「こっちは、気が立ってるんだよ」

    吸血鬼「知ったことでは、ありませんわ…!」



    狩人「離して、離してよエルフっ!!」

    狩人「吸血鬼が、死んじゃうよ!!」

    エルフ(…っ!!)ギュ…






    炎獣「どけ」ゴッ

    吸血鬼「あぐッ」グシャ

    280 = 1 :


    炎獣「逃がさないぞ、人間…!?」グイッ

    吸血鬼「…」ニィ

    炎獣「…お前」

    雷帝「離れろ炎獣! 自爆する気だ!!」

    炎獣「なっ…」

    吸血鬼(…盗賊様………)

    吸血鬼(地獄の果てまでお供します、なんて)

    吸血鬼(…冗談で済めば良かったのですけど)

    吸血鬼(今、お側へ…)


    ドォ…ン!





    狩人「吸血鬼ーッ!!」

    281 :

    炎獣ーッ!!

    282 = 1 :


    王国軍・砦



    軍師「…信用して頂けませんか」

    将軍「ふん…。貴様ら賊の一団に、人類の命運を握らせるわけにはいかぬ」

    軍師「面子の問題ですか? 王国正規軍の指揮を、辺境連合軍の指揮官に執らせる事が許せないと?」

    軍師「人類の命運がかかっているのなら、尚更そのような事にこだわるべきではないと思いますが?」

    将軍「…。確かにな」

    軍師「ご理解頂けましたか。それでは今後の軍の指揮は、我々辺境連合軍が--」

    将軍「だが、それだけではない。貴様らは信用するに値しない」

    軍師「…将軍。意地を張るのも結構ですが…」

    将軍「貴様らは確かに強い。魔王の手勢を相手取るだけの力と、策がある。しかし」

    将軍「このような時ですら、貴様らは己達の利を考えている。…私の部下の最期を、みすみす貴様らの食い物にされるわけにはいかん」

    軍師「…っ」

    軍師「ですから、それは…!」




    ハーピィ「--あぁ…!」ガタン

    283 = 1 :


    軍師「ハーピィ?」

    ハーピィ「あ…あ…!」

    「どうしたんじゃ、ハーピィ!」

    ハーピィ「吸血鬼さんが…吸血鬼さんが…!」

    軍師「…!」

    ハーピィ「吸血鬼さんが、死んじゃったよぅ…!!」

    「な…!」

    軍師「…」ギリ…!

    「あやつが!? そのような事が本当に…!!」

    「………待て。それでは、精鋭部隊はどうなったのじゃ!?」

    ハーピィ「…きゅ、吸血鬼さんの霊魂が………、え? なあに…? 僕に何か伝えようとしてるの?」

    ハーピィ「分かんないよ…! 行かないでよっ、吸血鬼さん!!」

    「ハーピィ…何か見えておるのか?」

    軍師(…)

    ハーピィ「え…? と、うぞく、さま? 盗賊様が…」





    ハーピィ「盗賊様が…死ん、だ?」









    軍師「--…」


    284 = 1 :






    炎獣「…っぶねー…!」スタ

    氷姫「炎獣、平気?」

    炎獣「直撃したらヤバかったけど、な。平気だ」

    木竜「逃がしたネズミを追うか?」

    雷帝「…いえ」

    雷帝「女神の力を使うものを排除した今、あのような雑兵が生き永らえた所で大した問題にはなりません」

    雷帝「強いて驚異を排除するとしたら…敵の参謀です」

    木竜「うむ。妙に敵がイヤらしい動きをしおるからのう」

    炎獣「なんだかケンカがやりにくいのはそのせいか!」

    氷姫「そいつを先に潰すにしても、こっちだってすぐには身動きを取れないでしょ。魔王の回復を待たないと」

    雷帝「ああ」

    魔王「ごめん、皆」

    氷姫「謝らないでよ。元は、あたしたちが不甲斐なかったからなんだし」

    氷姫(…そう、あたしが、人間なんかに遅れを取ったから)

    氷姫(…)

    285 = 1 :


    氷姫「…究極氷魔法を使うわ」

    炎獣「え?」

    魔王「…!」

    氷姫「そうすれば、敵の軍隊を一手に引き受けられる。その隙に…敵の砦を陥として」

    雷帝「出来るのか? お前に」

    氷姫「………やってやるわよ」

    氷姫「あたしも…口先だけで、終わりたくないの」

    雷帝「…そうか」

    炎獣「おい、ちょっと待てよ。究極氷魔法って、氷姫お前、一度失敗して…」

    氷姫「そうね。確かに、かつて一度負荷に耐えられずに暴走させた事がある」

    木竜「あの時は、ひどい有り様じゃったのう。生きておったのが不思議なくらいじゃった」

    氷姫「あの時のあたしじゃないわ」

    氷姫「やり切ってみせる」

    魔王「氷姫…」

    286 = 1 :


    氷姫「魔王…」

    氷姫「信じて」

    魔王「………」

    魔王「ひとつだけ聞かせて?」

    氷姫「何?」

    魔王「究極氷魔法を使うのは、なんのため?」

    氷姫「…」

    氷姫(なんの、ため…? それは)

    氷姫(人間に対する、怒り? いや、違う。不甲斐ない自分が許せないから…?)

    氷姫(いや…それよりも)

    ――『なんで手出ししたっ!!』

    ――『ふふ…ふ。大丈…夫』ヨロ…

    氷姫(私は…これ以上大事なものが傷つくのを見たくない)

    氷姫(出来るかもしれないことをせずに、指をくわえて見てるなんて、そんなのは)

    氷姫(もう、御免よ)

    氷姫「――勝つため、よ。″皆で″ね」

    氷姫「人間も必死だわ。そのためには、生半可な事じゃ駄目なの」

    氷姫「魔王も。他の皆も。ここを乗りきるために」

    氷姫「あたしも、自分に、勝ちたいの」

    魔王「…」

    287 = 1 :


    魔王「そっか」

    魔王「分かった。お願いします」

    氷姫「…ええ!」

    魔王「私も、爺に力を戻して貰ったら、手伝うから」

    氷姫「そ? その頃には戦う相手はいなくなってると思うけど?」

    木竜「やれやれ、負けん気の強い奴だのお」

    炎獣「じゃあ、砦には俺が…!」

    雷帝「いや、私が行く」

    炎獣「!」

    雷帝「私が、敵の本陣に攻め入り、この軍を指揮している人物…参謀を消す」

    雷帝「今の私なら、それが確実に出来る」

    288 = 1 :


    炎獣「確実にって、どうしてそこまで…」

    木竜「! 雷帝、おぬしまさか魔剣を抜いたのか」

    雷帝「…ええ。魔剣の力があれば、氷姫のテレポートに似た瞬間移動すら可能です」

    炎獣「…雷帝、おまえ」

    氷姫「あんた、それって…」

    雷帝「何も言うな」

    雷帝「全てが終わったとき、魔剣との盟約により我が身は呪いに焼かれる」

    魔王「…」

    雷帝「その時は、翁。宜しくお願いします」

    木竜「…まったく、どいつもこいつも。鷲の治癒能力に頼って無茶ばかりしよる!」

    木竜「魔剣の呪いなんぞ、確実に解ける保証なぞありゃせんぞい!」

    雷帝「信じていますよ」ニ…

    木竜「………はあ」

    木竜「好きにせい」

    289 = 1 :


    炎獣「…」

    雷帝「炎獣。お前は魔王様の護衛を頼む。敵が、どんな手段をうってくるか分からん」

    雷帝「お前が…」

    雷帝(…)

    雷帝「お前が守ってくれれば、安心だ」

    炎獣「で、でもよ。俺…」

    木竜「炎獣。おぬしは、おぬしの戦いをせい」

    炎獣「え…?」

    木竜「守るための戦いは、ただの殺し合いとは、わけが違う」

    木竜「ただ相手を負かす、ということではない」

    木竜「炎獣。お前の本能は、そういう事を求めておる。戦う相手は、そこになるかもしれぬ」

    炎獣「自分の、本能と、戦う…」

    木竜「………雷帝も、氷姫も。どうやら腹をくくったようじゃ」

    木竜「おぬしも、自分と向き合うのじゃ」

    木竜「本当の強さを、見せてみよ」

    炎獣「…!」

    290 = 1 :


    雷帝「…行くぞ」

    氷姫「ええ」

    氷姫「………ねえ」

    雷帝「なんだ?」

    氷姫「重いわね」

    氷姫「信じろ…って」

    雷帝「…そうだな」

    雷帝「だが、今はこうも思う」

    氷姫「?」

    雷帝「″信じる″というのは、悪くない気分だ」

    氷姫「…そ、か」

    雷帝「成功させろよ。究極氷魔法」

    雷帝「信じてるぞ」

    氷姫「…!」

    氷姫「………そっちこそしくじるんじゃないわよ」

    雷帝「ああ」

    氷姫「信じて、やるんだから」

    雷帝「…ふっ」


    291 = 1 :





    エルフ「…」

    狩人「…」


    剣士「おい…マジかよ」

    剣士「マジで言ってんのかよ!?」

    剣士「盗賊が死んだってよッ!!」

    騎士「………」

    騎士「ああ」

    剣士「騎士ッ! てめェが…!」ガッ

    騎士「…っ」

    剣士「てめェがついてて、なんで…!!」

    騎士「………」

    騎士「すまない」

    剣士「っクソがァ!」バキッ

    騎士「ぐっ…」

    エルフ「やめなよ!!」

    「………喚いたところで、盗賊は帰ってこんぞ」

    剣士「…ちッ!!」

    狩人「盗賊………吸血鬼…」

    斧使い「………」

    292 = 1 :


    ハーピィ「ね、ねぇ」

    ハーピィ「…でもさ、僕らなら…な、何とか出来るよね!」

    「…」

    ハーピィ「盗賊様は、消えちゃったけど、し、死んじゃったって決まった訳じゃないし…!」

    騎士「…」

    ハーピィ「吸血鬼さんが…吸血鬼さんがさ。せ、せっかく命懸けで、助けてくれたんだから」

    狩人「…」

    ハーピィ「き、きっと…どうにか、出来るよね! 皆の力を合わせれば、さ!」

    エルフ「…」

    ハーピィ「か、仇、討たなきゃ、だよね! そう、でしょ…?」

    斧使い「…」

    ハーピィ「ね…ねえ。皆………」

    剣士「…」

    294 = 1 :


    剣士「…盗賊の奴が生きてたとして、探しだしようがねェ」

    剣士「そもそも、魔王はほぼ無傷で戻ってきたんじゃ…あのバカが生きてる可能性は低い」

    ハーピィ「…っ!」

    剣士「あいつの力を解放して勝てなかった魔王がいて………四天王は俺たちが全力でやって、一人として倒せねェ」

    剣士「…翼の団も、王国軍も、疲弊してる。王国軍の連中なんざ、俺たちと連携する事を拒んで勝手に先走ってやがる」

    剣士「俺たちも先の戦いで満身創痍だ」

    剣士「吸血鬼は…死んじまった。認めたくはねぇが…あいつは俺たちの中で一番強かった」

    ハーピィ「………」

    剣士「状況は最悪だ。…そうだろうが」

    剣士「何とか言ってみやがれ、軍師」


    軍師「………」

    295 = 1 :


    剣士「そうなんだろうが…おい」

    剣士「まだひっくり返せるってか…? 盗賊もいねェ、どいつもこいつもボロボロで」

    剣士「生きているのでやっとだ! 絶望的じゃねェかよ…!!」

    剣士「それとも次は、ケツまくって逃げ出す策か、ぁあ!?」

    軍師「………」


    軍師「盗賊なら」

    軍師「盗賊ならこんな時、何て言ったのか…」

    軍師「それを、考えていました」

    剣士「…ッ! あいつは…!」

    剣士「あいつはもう、居ねェッ!!」

    軍師「居ますよ………此処に」

    剣士「…何ィ?」

    軍師「我々は…翼の団は…」

    軍師「彼の志に共鳴して集まった者達です」

    軍師「強者に虐げられた弱者に手を差し伸べ…自由を得るべく剣をとった人々です」

    軍師「強大な王国の圧力の下で…空を飛ぶ鳥をただ羨んで、地面を這いつくばる事が当たり前だった私たちに」

    軍師「空も飛べるのだと…彼はその障害を軽く飛び越えてみせました」

    296 = 1 :


    軍師「自由を得るための翼は、誰にでもあるのだ、と」

    軍師「それを使わなくしている一番の敵は、王国ではなく、ただ落ちるのを怖がる自分なのだ、と」

    軍師「さも、当たり前のように、彼はそれを言ってのけた」

    軍師「…私たちが夢を見たのは、彼の身に宿る奇跡の力にだけでしょうか」

    軍師「私たちは…いつの間にか、自分達まで空は飛べるのだと、当たり前のように口にしていたはずです」

    軍師「彼の志は…もう」

    軍師「みなの胸のうちに宿っているのではないのですか?」

    剣士「………」

    エルフ「――″絶望的な状況、か″」

    エルフ「″まぁアレだ、やっぱヒーローの定番はピンチからの逆転勝利だろ?″」

    剣士「!」

    エルフ「…なんて。盗賊なら、そう言ったかもね?」

    297 = 1 :


    「″もしダメでも、その時はせいぜい死ぬだけだ″」

    「などと、軽口を叩いてみせたかもしれんの」

    エルフ「ああ、言いそう!」

    狩人「″大丈夫だ、俺、持ってるから!″」

    狩人「なんて、根拠のない強がり、言ったかもね」

    騎士「…ああ。自身も不安でどうしようもなかったとしても」

    騎士「盗賊殿なら、そう言った」

    ハーピィ「…」

    ハーピィ「″弔い合戦なら、派手にやんなきゃ″」

    ハーピィ「″あの世の連中にも見えるように″」

    剣士「…」ハァ

    剣士「″つっても、俺たちがする事って言やァ″」

    剣士「″ただ――″」


    斧使い「″かっさらう事だけ、だ ″」


    298 = 1 :



    剣士「おっ…」

    剣士「斧使い、テメェ普通に口きけたのかよ!?」

    斧使い「…」

    狩人「は、初めて聞いた! ね、オッサンもう一回! もう一回しゃべって!」

    斧使い「…」フルフル

    エルフ「あーっ、斧使い照れてる?」

    斧使い「…」プイッ

    騎士「お、斧使い殿からいつもの覇気がない…」

    「くくくっ、口を滑らせたのう、斧使い!」

    剣士「かっかっかっ! なんだよ斧使いよォ、その顔はっ!」

    ハーピィ「け、剣士さん、笑ったら可哀想…プッ、クスクス」

    斧使い「…」ブン!

    剣士「いてっ!? テッメェ斧使い、怪我人になんてマネしやがるっ!」

    エルフ「もー、よしなよー!」

    299 = 1 :


    軍師(ああ)

    軍師(やはり貴方がいなくては、ダメなのです)

    軍師(何処かへ行ってしまっても…貴方の存在が、皆を救うのです)

    軍師(だから、どうか)

    軍師(どうか、見ていて下さい)



    エルフ「軍師」

    エルフ「…やろう。最後まで足掻こう」

    騎士「これが最後になるならば…もはやそれで構いませぬ」

    騎士「尚のこと、我輩たちらしくありたいと…そう思うのです」

    「勝ちを悠々取りに来る魔王に…手痛いしっぺ返しをくれてやろうではないか」

    狩人「うん…もう、怖くないよ」

    ハーピィ「わ、私は、ちょっと…恐いです、が………でも、頑張るですっ!」

    剣士「…しゃーねェ。ここまで来たら腐れ縁だ」

    剣士「付き合ってやんぜ」

    斧使い「…」コク




    軍師「………そうですね」

    軍師「では、最後の策です」


    300 = 1 :

    今日はここまでです
    長かった盗賊編、来週で終わります(多分)


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - 勇者 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について