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    元スレ魔王「勇者よ、ここで終わりだ!」勇者「ちいぃッ……!」

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    タグ : - 勇者 ×2+ - 魔王 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    魔王「無謀で稚拙で不甲斐なき傀儡よ…我輩の情けだ、一撃で終いにしてやろう!!」

    勇者(私もここまでか………ッ!)ギュッ


    魔王「[ピーーー]えええええ!!!!!!!」ブワッ

    勇者「………クッ」



    ガチャ


    「あれ、お父様なにやってるんです」



    魔王・勇者「!?」



    魔王「朝っぱらから騒がしいですよ…もう……」ぷりてぃー

    勇者「……」

    勇者「……えっ」



    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1338120631(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)

    2 = 1 :

    訂正

    魔王「無謀で稚拙で不甲斐なき傀儡よ…我輩の情けだ、一撃で終いにしてやろう!!」

    勇者(私もここまでか………ッ!)ギュッ


    魔王「死ねえええええ!!!!!!!」ブワッ

    勇者「………クッ」



    ガチャ


    「あれ、お父様なにやってるんです」



    魔王勇者「!?」



    魔王「朝っぱらから騒がしいですよ…もう……」ぷりてぃー

    勇者「……」

    勇者「……えっ」

    3 = 1 :

    魔王「我が娘よ、下がれ!今は……」あたふた

    魔王「いや、お父様うるさいですよって言ってんじゃないですか。日曜日なんですからね、静かにしてくださいよ」

    魔王「いや、だからだな」

    魔王「うっせんだよクソジジイ」

    魔王「…ごめん」


    勇者(う…うわ……)

    4 = 1 :

    魔王「とりあえずおはようございます、お父様」

    魔王「お……おはよう…」

    魔王「で、この方は」

    魔王「ゆ…勇者……私を倒しにきた……だよね?」

    勇者「あ……ああ……まぁ」

    魔王「その様子じゃ勝ったんですか…」チッ

    魔王「ちょ、ちょっとひどいよ…パパン泣いちゃうよ…?」

    勇者「あ……あの…大丈夫か……」

    魔王「貴様は黙っておれ!」ぐわっ

    勇者「……はい」

    5 = 1 :

    魔王「あのね、パパンは今仕事中なんだよね、あとね、ちょっとこれからね、そのね、お前の教育上あんまりよろしくないからね、パパンとしてはお部屋にまだいてて欲しいっていうか」

    魔王「……」ジーッ

    勇者「……」

    魔王「き……聞いてる?」

    魔王「………いけめん」

    魔王「えっ」

    魔王「この勇者さま、すごくイケメンですお父様!」パアァ

    勇者「えっ」

    魔王「えっ」

    6 = 1 :

    魔王「やだ、すごいカッコいい、すごい男前」

    勇者「……えっ、あの」

    魔王「ああ、素敵です勇者さま!ああんその……困った表情も///」

    魔王「いや、しかしだな」

    魔王「お黙りになって!」

    魔王「………はい」

    魔王「好きです勇者さま……」ポッ

    勇者「えっ、えっ」

    魔王「付き合ってください勇者さま!!!キャッ!」

    勇者「ちょ……えっ?えっ?」

    魔王「ちょっと、ひ、人が死ぬってのに冗談は……」

    魔王「だまれジジイ」

    魔王「………」

    7 = 1 :

    魔王「冗談ではありませんわ!私は本気です勇者さま!」

    勇者「いや……しかしだな、そのだな、君はまだ……幼いだろうに。残念ながら私に少女趣味は」

    魔王「今年120になりました!むしろ、あたしのが年上です勇者さま!」

    勇者「………そうなのか」

    勇者「………」チラッ

    魔王「  」

    勇者(ああ……)

    魔王「ってなわけでお父様、勇者さまは私が貰うんで殺さないでね!んじゃ行きましょ勇者さま!」

    勇者「いや……しかし……」

    魔王「お父様なら無言の同意をしてくださってますわ!行きましょう!」ガシッ

    勇者(ぬわっ!ぬわぁんだというのだこの馬鹿力!馬鹿力!)ズルズルズルズル……



    魔王「 」



    ▼そんなこんなで、勇者と魔王国のお姫様の奇妙な日常が始まった……


    魔王「 」

    8 = 1 :

    【魔王娘の部屋】

    魔王「………」

    勇者「………」

    勇者「あの……」

    魔王「キャッ!いやだ、勇者さまったらそんな……まだ早いですってば!」

    勇者「……は?」

    魔王「でもでも、私勇者さまの為なら、…がんばっちゃいますわっ!勇者さまチュー」チュー

    勇者「い、いや、だから私は少女趣味では……」

    魔王「まっ、安心して勇者さまったら……むしろ、ロリコンは私のほうで・す・わ///95歳差の恋愛とかキャー!キャー!」グルングルン

    勇者(………まるで話が)

    9 = 1 :

    魔王「ごめんなさい。私ったらはしたない……きゃっ///」

    魔王「なにはともあれ、勇者さまとあたしの気持ちが一緒でうれしいですわ」

    勇者「いやだな、それはだな」

    魔王「えっ、勇者さまのが私のこと大好き?キャー!キャー!キャー!」

    勇者「……」

    魔王「とにかく、勇者さまは私に恩を売られてるわけです。誰のおかげでアホ面ひっさげてベッドの上に座ってられると思ってるんです?」

    勇者「ああ、それなんだが、さっきから聞こうと……何故私達はこんなところで」

    魔王「いけません?」

    勇者「ソファーのほうが会話すべき環境なのではないかと……」

    魔王「やだ勇者さまったら、そういうシチュエーションが好きなんですのっ///」
    勇者「……何をいってるんだ君は」

    魔王「キャー!キャー!」ぐるりんぐるりん

    勇者「……」

    10 = 1 :

    勇者(…しかしこの娘、相当な妖気を感じる)

    勇者(表面はこんな感じだが…侮れん。一体皮の下はどうなっている。偽る為自らを傀儡にしようとも、この私には通用せんよ!)

    魔王「……勇者さま、あたし、本心を言えば…しっ、してもいいんです」

    勇者「………へっ」

    魔王「だから、そのですね、若者風に言うとですね、や、や、や、や、『やっても』いいんです勇者さまなら………///」

    勇者「なっ……!」

    勇者(『殺っても』……いい……だと?)

    魔王「で、でも誰でもじゃないです!その……やったこと……ないから……うまく言えないな」

    勇者(私をオーディンの宮殿へ誘うつもりだな!ちいっ、手軽なウォーミングアップというわけか!)

    魔王「ストレートにいえば結婚を望みます」

    勇者(けっ……)

    勇者(血痕………!やはり血をすすり足りないと!)

    11 :

    勇者は何歳なんだ

    12 = 1 :

    魔王「で、でもやっぱダメです!緊張しちゃいます……///」

    勇者「………」

    魔王「こ……今度でもいいですか?」

    勇者「……そうしてくれると私もありがたい。身辺整理も必要だからな。ワルキューレへの土産もある」

    魔王「真剣に考えてくれてるんですね……うれしい」

    勇者「人生に関わることだ。致し方ない」

    魔王「……でも、できれば式は早くしたいなーって。ツバつけとくって意味でも……」

    勇者「『死期』!?」

    魔王「そうです。早めがいいです」

    勇者「い…いつくらい?」

    13 = 1 :

    >>11
    勇者25さい

    14 = 1 :

    魔王「まあ積極的……///でも準備とかやっぱりありますから……特にわたし、ケーキカットとかド派手にしたいですし」

    勇者(景気カット!?なんだ、という事は私を殺す前に人間の経済システムを崩壊させ、徐々に破滅する人々の姿の前で何も出来ずに無力な我が身を呪わせながらなぶり殺しにするというのか下郎!)

    勇者(精神と肉体…二度の殺戮を望むのか……この野蛮は!)

    魔王「で……でもでも、やっぱり死期まではダメですよね。一緒に寝るのは…きっと過ちとか起きちゃいます!キャー」

    15 = 1 :

    ガチャッ

    魔王娘・勇者「?!」


    「なぁに、やってんですかぁ!」

    魔王「……!」びくぅっ

    「もっ、殿下ったら結婚前ですのよっ!はしたないっ」

    魔王「で、でもメイド長、あたしは……」

    メイド長「でももデーモンもありません。はしたないです。全く見ず知らずの殿方と……」ギロッ

    勇者「えっ、いや、私は……」

    魔王「結婚を約束したんだから、いいじゃないですか……」ぽそっ

    メイド長「ああん?」ギロッ

    魔王「……ごめんです」

    16 = 1 :

    メイド長「わかりゃいいんです。さっ、殿方、お出になって」

    勇者「あ……ああ」

    魔王「……」グッ

    メイド長「……」グッ

    勇者「……」

    メイド長「お離しになってください殿下」ググッ

    魔王「……」ググッ

    勇者「い、いたいのだが……」

    魔王「……」ググッ

    メイド長「フンッ!」グググッ

    勇者「ひゃあ!」グイッ

    魔王「……ああっ」

    メイド長「んじゃ、勇者様はいただいてきます。おやすみなさい」



    ガチャン……


    魔王「……むぅ」


    17 = 1 :

    カツ……カツ…

    勇者「……助けてくれたのか」

    メイド長「ごめんなさいね、あの子ったら。まだお子様なので許してくださいまし」

    勇者「あの……」

    メイド長「あなたがあの子に手を出してないことくらい分かります。て言うか、逆でしょう」

    勇者「ああ……」

    メイド長「でも、幸運ですわね。……といっても殿下に目を付けられたのは幸運中の不幸ってやつかしら」クスッ

    勇者(……この女からは妖気がしない)

    勇者(唯一の味方か?いやでも妖気を忍ばせて…いや、でも助けてくれたし…いや、でも油断させるために…いや…)

    18 = 1 :

    メイド長「私から妖気が感じられないのは、元人間ですから。といっても人間の時の記憶はまるでありませんけど」

    勇者「!?」

    メイド長「お顔に書いてありましたわよ?」

    勇者(……読心術か!やはり……いや、しかしだな、それだけで敵だとは)

    メイド長「私はあなたの敵じゃありません。まさか殺しはしませんわよ。それもお顔に書いてあります」

    勇者「……」

    19 = 1 :

    メイド長「あなたはどうしてこちらへ?パーティーも無しとは珍しい方」

    勇者「……政府からの依頼だ。そこそこ名は知れているからな」

    メイド長「しかし…お一人では、流石に旅路は厳しかったことでしょう」

    勇者「政府が言うには人材不足らしい。勇者が帰って来たことはないからな、臆病になるのだろう」

    メイド長「でも、人間国は軍を持ってるんでしょう、ならば勇者様お一人を寄越してわざわざ魔王様を討つような真似をなさらなくとも」


    勇者「出兵に長らく国民が反対しているのだ。魔王国とは睨み合ってはいるが、事実上の衝突がないからだ…と。ならば個人として出るしかなかろう」

    勇者「……期待する割には何もしないのだから、嫌になる」

    メイド長「色々おありなんですのね…そうですわ、お飲みものをお持ちいたします」

    勇者「コーヒーをいただけるかな」

    メイド長「承りましたわ。お持ちしますから少々お待ちを」

    勇者(あの女は……やはり味方か?いや、しかしだな、油断させてだな、しかしだな、)

    勇者(しかしだな……いやしかしだな……)

    20 = 1 :

    ―キッチン―

    メイド長「らーららー♪おきゃくさまーがやってきたー♪」

    警備隊長「こ、こんばんはメイド長殿」

    メイド長「あら隊長さんこんばんは。泥だらけでどうなさったの?」

    警備隊長「どぶさらいをな……」

    メイド長「あら嫌だ、雑務なら私が」

    警備隊長「め、め、メイド長殿の、その真珠の如く白く美しい御指を煩わすわけには……」ゴニョゴニョ

    メイド長「?」

    警備隊長「体力を維持するのも騎士の重要な役目であるからな!良いトレーニングである!」

    メイド長「そうですか。あまり無理なさらないでくださいまし」



    警備隊長「御意!」

    21 = 1 :

    警備隊長「それよりメイド長殿、やけにご機嫌でらっしゃる」

    メイド長「ええ、勇者殿が殿下に見初められて、暫くはこちらでお暮らしになるみたいですのよ」

    警備隊長「なる程、殿下は器が大きくてらっしゃるな。で、何をしているのかな」

    メイド長「コーヒーを所望してらして、お持ちするところです」

    警備隊長「ほう…コーヒーか……」

    メイド長「……怪訝なお顔をしてらっしゃいますけど……何か問題がありました?」

    警備隊長「いやですな、我々の飲んでいるコーヒーと人間のコーヒーは一緒なのかなと」

    メイド長「恐らく、調べましたから……ほら、色はおんなじでしょう?」

    警備隊長「メイド長殿は人間の言葉はお読みになるのかな?」

    メイド長「会話は出来ますが解読までは……ですから作り方は」

    警備隊長「ならば、色が同じだからと言って、これが豆を煎ったものとは限りませんぞ」

    メイド長「確かに…」

    警備隊長「これだけ人間と魔族は相反しているのだから同じ物を食べているわけが」
    メイド長「ありませんわよねぇ……」

    22 = 1 :

    メイド長「同じ釜のなんとかって言いますしねぇ、ちょっと意味違うかもですけど」

    警備隊長「むむっ、しかし豆を煎ったもの以外でこんなに黒い液体を……」

    メイド長「………」ジッ

    警備隊長「………」ジッ

    警備隊長「………いやまさか」

    メイド長「そうですよね、まさか」

    警備隊長・メイド長「………」


    23 = 1 :

    ―10分後―

    コンコン

    メイド長「失礼します」

    勇者「どうぞ」

    ガチャ

    メイド長「お持ちしましたわ勇者様」

    勇者「ああ、ありがとう」

    メイド長「たんとお飲みになってくださいね!」ニコリ

    勇者「ああ……」

    勇者(なんと美しい笑顔だろう)

    勇者(この笑顔に一寸の淀みがあるだろうか?否。彼女は……)

    勇者(いやしかし、そう油断させておいてだな……いやいや……いや……)

    メイド長「勇者さまのお気に召しますように」ニッコリ


    勇者(もう面倒だ!メイド長に悪意はありません!私の味方であります!本当にありがとうございます!)

    24 = 1 :

    勇者「……では戴こう」

    メイド長「どうぞ」



    カチャッ

    ぷぅ~ん……


    勇者「………」

    メイド長「うふふっ、どうぞ」ニコニコ
    勇者「いや…あの……」



    ぷぅ~ん………




    勇者(な、な、な、な、なんなのだこれ!く、く、く、く、臭い!臭いぞ!臭いぞこれは!!!)

    メイド長「あら……お飲みにならないのです?」

    勇者「いや……だってこれドブ」

    メイド長「……お気に召さなかったんですか」シュン

    勇者「……そう言う問題じゃ」

    25 = 1 :

    メイド長「もしや温め具合かしら…いやミルクの……いやそれは完璧だろうし…砂糖が……いや……」あわあわあわあわ

    ▼メイドちょうは こんらん している!

    勇者「………」

    勇者(と、とりあえずメイド長にはすまないが今のうちにひっそり流しに……)

    「………」ジッ

    勇者「ぬぁ!ば、ば、ばけもの!」

    警備隊長(狼形態)「……おっとすまない。興奮のあまり狼形態になってしまっていた」

    勇者「い、い、いつのまに……」

    警備隊長(狼形態)「貴様はそれを流しに捨てようとしているのか」

    勇者「いや……まあ……」

    警備隊長(狼形態)「………」ジャキッ

    勇者「ま、ま、待ちたまえ!待ちたまえ!何故剣を突きつける!なんで!」

    警備隊長(狼形態)「もう一度問おう」

    警備隊長(狼形態)「 捨 て る の か ? 」

    勇者「………ぃぇ」

    26 = 1 :

    フッ

    警備隊長「そうか、やはり私の勘違いだったか!公明正大な勇者殿がそんな!すまなかったな!ハッハッハッハッ」

    警備隊長「メイド長殿、勇者殿は懐かしき郷里の匂いに感極まっていただけのようだぞ!」

    メイド長「あらそれは良かった」

    勇者「…………」

    警備隊長「さあ遠慮なさるな!」

    メイド長「さあ!」

    警備隊長「さあ!」

    メイド長「さあ!」

    勇者「…………」

    27 = 1 :

    勇者「………」ゴクッゴクッゴクッ

    勇者「………」

    メイド長「いかが?」

    警備隊長「美味だろう!美味だろう!」

    勇者「 」フルフルフル

    警備隊長「ほらっ!美味しすぎるあまり白目を向きながら痙攣しているぞ!羨ましいなおい!」


    勇者「 」フルフルフルフルフルフル


    28 = 1 :

    ――――――――



    チュンチュン

    警備隊長「いっち、に!」

    警備隊員A「さんっ、しっ!」

    勇者「………」

    勇者(昨日、あまりにひどい悪夢にうなされた気がする)

    勇者(魔王と魔王の娘に殺されかけた挙げ句の果てに、メイドと狼男に無理やりドブ水を飲まされる……)

    メイド長「おはようございます」

    警備隊長「ごー、ろく!」

    警備隊員B「しち、はち!」

    勇者「そう……こんな想像の翼で妄想の宇宙にでも………」

    勇者「………!?!?」ズサササッ

    29 = 1 :

    メイド長「…ご気分は?」

    勇者「……すこぶる悪い」

    警備隊長「もっと汗出せ!」

    警備隊員A・B「はい!」

    メイド長「でしょうね…ごめんなさい、私が素人知識で変なものをお出ししたばっかりに」

    勇者「あの………」

    メイド長「殿下なら縛り付けてありますからご安心くださいね。横になってらして……いま、お飲みものをご用意いたします」

    勇者「……の、飲み物?」

    メイド長「うわごとで、『ホカリスエットがのみたい』ってずっといってらしたから」

    勇者「ま……まあ、水分を吸収するにはそれが一番だが………」

    メイド長「我が国にも『ホカリスエット』なる清涼飲料水が存在しますが、でもまさか人間が我々と同じく水に塩と砂糖を混ぜてイオン分解したそれを飲むわけがないので」

    警備隊長「お待たせした!昨日はすまなかったな!勇者殿!」

    ぷぅ~ん……

    勇者「………えっ」

    警備隊長「我々の汗水だ!」

    メイド長「スエットです。どうぞ」

    勇者「えっ」


    30 = 1 :

    ―――――

    かくかくしかじか

    メイド長「あらやだ、そうでしたの…」

    勇者「ああ、しかし驚いたな、我々と食生活がほぼ同じだとは」

    警備隊長「ハハッ、とんだ偏見というものだったな!すまなかったな、勇者殿!」

    メイド長「でも無駄になっちゃいましたわね、朝食の材料」

    勇者「……と言うと」

    メイド長「丸ごとトマトを煮込んだミネストローネなんて飲むわけがないと思って、丸ごとドブネズミをオークの臓物で煮込んだスープに」


    メイド長「それからピーナッツバターなんてパンに付けるわけがないと思ってオークの脳みそをすりつぶしたものを……」

    勇者「……いい、それ以上はもういい」ウップ




    第1話おわり

    31 :


    面白いぞ

    32 :

    乙ー
    警備隊長とメイド長の偏見わろたww

    33 = 1 :

    【第2話】

    ―――――


    魔王「ゆ・う・し・ゃ・さ・まー♪」スタタッ

    勇者「ゲッ」

    魔王「いきなりキーッス!」チューッ

    勇者「……」サッ

    魔王「えっ」


    ぶちゅー!


    魔王・魔王娘「!!!」ブチューッ

    魔王「いやあああああ!!!生魚の味がするうううう!!!!」

    34 = 1 :

    魔王「50年ぶりだなぁ!もっとパパンとスキンシッp…………」ガスッ

    ▼むすめの きょうれつな はらパン!

    魔王「 」ぶくぶく

    ▼まおうは あわをふいた……


    35 = 1 :

    ―――

    魔王「ってことがあったんですメイド長!」

    メイド長「あらまあ大変。洗濯物干さなくっちゃ」

    魔王「ちょっと真面目にきいてよぅ!」

    メイド長(そりゃ、勇者様だって恐ろしいでしょうねぇ……)

    メイド長(……なんて言ったら殿下のことですからまたややこしいことにしちゃいそうですし)

    36 = 1 :

    勇者「やあメイド長、朝食の皿を戻しに……」

    魔王「キャア勇者様!私に会いに来てくれたんですか!」

    勇者「ゲッ」

    メイド長「勇者様。お皿はそこに置かれて、お部屋にお戻りになってもよくってよ。」

    勇者「あ……ああ!では失礼する」スタターッ

    魔王「……ああ、勇者様!」

    魔王「………勇者様」しょんぼり

    メイド長「………殿下」カチャカチャ

    魔王「あたし、やっぱり勇者様に嫌われてるのかなぁ……」

    メイド長「え…いや……まあ……」

    37 = 1 :

    魔王「でもでも!結婚の約束までしてくれましたし!」

    メイド長(……確実に殿下の勘違いでしょうね)

    魔王「……男の人ってよくわかんないな。いっそ媚薬とか使っちゃおうかな」

    メイド長「そんなもの、あるんだったら誰も苦労しませんわよ」

    魔王「メイド長はなんでも出来るんだから媚薬くらい作ってよぉー」

    メイド長「無茶いわないんです。ほらほら、これから魔王様のおやつを作るんだから出てった出てった」

    魔王「はーい……」

    バタン

    メイド長(……はぁ、良いんだか悪いんだか。ってあらお砂糖の袋…緑色ね…いつものピンク色のと違うわね)

    メイド長(大臣、新しいメーカーに変えたのかしら……)


    38 = 1 :

    ―――

    魔王の部屋

    大臣「報告いたします」コツ

    魔王「はいはいどうぞ」コツ

    大臣「ただいま、人間国から小規模ながらも、連隊がこちらへやってきているようで」コツ

    魔物「名目は」コツ

    大臣「ええ……偉大なる勇者の追悼ならびに復讐戦であると」コツ

    魔王「偉大なる勇者って……あっいまの手なし」

    大臣「あの男です……なしはなしですぞ」コツ

    魔王「じゃあコテンパにやっちゃっていいよ……ちえっ」コツ

    39 = 1 :

    大臣「しかし魔物部隊を第一次防衛ラインとして投入してますが……まあどうなんでしょうねぇ…」コツッ

    魔王「ああ………」

    大臣「よわっちいので警備隊長を出すまではないですけど…はいチェックメイト」

    魔王「……どうなんだろうなぁ……チッ」
    大臣「魔王さまこそ、チェスよわっちいですなー」

    40 = 1 :

    ホー…ホケキョ…チュンチュン……

    魔王「あー……」

    魔王「勇者死なないかなぁ……」

    大臣「……物騒なこといいますなぁ」

    魔王「しかし我が娘がうるさいのだ。ああ、そうだ大臣、貴様トリカブト買ったとか言ってたな」

    大臣「ええトリカブトは非変化型の魔物達にはご馳走ですからな」

    魔王「くれ」

    41 = 1 :

    大臣「……どうするおつもりですか。料理に混ぜるにもメイド長が許さないでしょうに」

    魔王「ふふふ……我ながら天才的で凶悪な謀略を思いついてしまったのだ…さすが歴代最強の魔王!」


    大臣「って言っても、まだあなたで二代目ですけどね」

    魔王「ふふふ……ふふふふ!ふははははははははははははは!!!」


    大臣(……でましたな、嬉し恥ずかし三段笑い)


    42 = 1 :

    ―魔王娘の部屋―

    魔王「はぁ……超メランコリーです」

    魔王「勇者様に嫌われる要因が見当たりませんよ。容姿性格含めて私はこんなにプリティーで、チャーミングなんですから」

    魔王「力が強いって言っても、ちょっとつついた程度でレンガが吹き飛んじゃうくらいだし、胸以外はグラマラスだし」

    魔王「……やっばクソジジイのせいか」チッ

    コンコン

    魔王「やだ勇者様!?」

    魔王「あ…あの、入っていい?」

    魔王「チッ」

    魔王「……入るよ」

    43 = 1 :

    ガチャ

    魔王「なんですかお父様」ツーン

    魔王「あ……あのだな、娘よ、心して聞くがよい」

    魔王「我が魔王国は約1200年もの間、国を統治し、並びに人間国と対峙し……」

    魔王「………ZZZ」

    魔王「ってパパンが話してるのに寝ないでよぉ!」

    魔王「とどのつまり何がおっしゃりたいんですかお父様」

    魔王「……つまりだ」ゴホン

    魔王「勇者とお前の間をとりもってやろうかなぁとか思ってる」

    魔王「ほんと!」

    魔王「ほ、ほんと」


    44 = 1 :

    魔王「キャーパパン大好きです!」

    魔王「………う、うむ」

    魔王(あれ、ちょっと我輩罪悪感感じてる?)

    魔王「と言うわけでこれは我が家に伝わる媚薬である!」

    ガバッ

    魔王「ってことはこれを使って勇者さまを、いてこませば良いんですね!」グッ

    魔王「い……いてこますって」

    魔王「ぐへへ……勇者様、身ぐるみ剥がしてやりますよぅ………」

    魔王「ってことで行って参ります!」タタッ

    魔王「う……うん」

    45 = 1 :

    バタン!

    魔王「………ぐふふ」

    魔王「ぐへへ……」

    魔王「グハハハハハハハハハ!!」

    魔王「我輩だって飲んだらお腹を壊しちゃうトリカブト!勇者が飲めば確実に…」

    魔王「愚かな勇者よ!お前の命日は今日である!!」ビシッ

    魔王「………あれ、なんかさっきの我輩超魔王ぽかったぞ//」


    46 = 1 :

    ―廊下―

    魔王「らーらんらんらー♪勇者さまーとーあんなことやーこんなことぉー♪」

    警備隊長「ご機嫌ですな、殿下」

    魔王「あっ、勇者様にコテンパにやられた警備隊長」

    警備隊長「……腹を下してトイレに行ってる間に先に行かれちゃっただけで、私はコテンパにはやられてません」

    魔王「……うわ、もっとだせぇ」

    警備隊長「しかし勇者殿がお強いことには変わりありませんな。お許しがあれば彼を警備隊の一員に加えたいものであります」

    魔王「オッケーです」

    警備隊長「えっ」

    魔王「ですからオッケーです。警備隊でもなんでもやらせちゃってください。」

    警備隊長「そ、そうですか…まぁ殿下のお許しがあれば…」

    魔王「その代わり条件があります」

    警備隊長「……条件?」


    47 = 1 :

    10分後


    勇者「んぐぅ!んぐぅ!」 モゴモゴ

    警備隊長「殿下の御前だ。静かにしたまえ!」

    魔王「やだ……そんな、そんな既に猿轡の上に縛られてるなんてハレンチですっ///」

    魔王「でも私はむしろ縛られるほうが…ってキャー///」

    勇者「ふぐぅ!ふぐぅ!」モゴモゴ

    魔王「えっ、超チャーミングな私のことが好き過ぎる?もうやだぁーッ」バシィッ

    勇者「ぬぐぅ!?」ボキッ

    48 = 1 :

    魔王「それではええと、手始めに、この水にお父様から頂いた媚薬を溶かしまして……」サラサラー

    魔王「ぐふふ………ぐへへへへへ!!!!!これで勇者さまと私はあんな過激なことや、こんな過激なことを!」

    勇者「ふぐぅ!ふぐぅ!ふぐぅ!」

    魔王「さあ、猿轡をお外しなさい」

    警備隊長「御意!」

    勇者「ぶはっ!…なに!なに!なに!」

    49 = 1 :

    魔王「お飲みになって勇者さま(はぁと)」

    勇者「ぬぇっ……」

    魔王「飲んで!飲んで!飲んで!」ぷりてぃー

    勇者(さ……殺気っ!そうか!)

    勇者「とうとう私を……それで殺る気か……」

    魔王「そんなぁ……ヤる気なんてあからさまですよ……ほらっ、の・ん・で」

    警備隊長「あっそれ!勇者殿のいいとこ見てみたい!」

    魔王「のーんで!のんで!のんで!はいはい!」

    警備隊長・魔王娘「うぇーい!!」

    勇者「否!否!そんな飲み会みたいな雰囲気にしたって、飲まぬものは飲まんと……」

    魔王「どうやって無理矢理飲ませましょうか」

    警備隊長(狼形態)「やはり剣で脅すのが一番じゃありませんかね」 ジャキッ

    勇者「ひぃぃっ!」

    50 = 1 :

    ―――――

    こっそり

    魔王「ぐへへ……いいぞいいぞぉ…そのまま地獄へずり落ちろ勇者ぁ……」

    メイド長「あら、魔王様よだれなんか垂らして、どうかいたしました?」

    魔王「ぎくっ!め、め、メイド長……」

    メイド長「『ぎくっ』ってなんですか魔王様。クッキーが焼き上がりましたわよ。」

    魔王「そ、そう、そうなのだ、我輩クッキーが楽しみで楽しみで仕方なくって思わずよだれをだらりとだな…」

    メイド長「あらあら、じゃあ大臣様もお呼びになってテラスまでいらして下さいな。美味しいお紅茶入れてお待ちしてますわ」

    魔王「う、うむ!楽しみにしておるぞ!」
    魔王「……行ったか」

    魔王「何気にメイド長を怒らせたら結構怖いんだよなぁ………」ぶるぶる

    魔王「でもまぁバレてないみたいだし結果オーライだな。バレたら大臣のせいにすればいいし!」

    魔王「おーい大臣!お茶だよー!一緒に飲もー」タッタッタッ


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