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    元スレ京太郎「俺が三年生?」ネリー「手、つないでもいい?」

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    155 :

    やっと追いついたー
    乙です
    きちんと下げられてる?

    157 :

    >>155
    ようこそー

    新刊明日発売かぁ……まぁ、地方だから遅れますけども
    また多々買いが始まりますね

    それはともかく風呂入ったら始めます

    158 :

    んじゃ、やります

    159 :

    舞ってた

    160 = 1 :



    ・三年、夏、向かい風


    恒子『次鋒戦っ、終了――!』


    「ふむふむ、スミレもやるね!」

    「私も部長相手だと負け越すしなぁ」

    「あんなに鳴いてると窮屈だよねー」

    「お前は容赦ないなー……」


    「戻った」


    「おつかれ」

    「今日はお前が稼いだ分、減らさなかったぞ」

    「うん、ありがとう」

    「……なんだかお前にお礼を言われると落ち着かないな」

    「むっ」

    「ふっ、冗談だ」

    161 = 1 :



    「私もそろそろ……」


    「ああ、頼む。あと清澄には気をつけるように」

    「わかりました」

    「尭深」

    「はい?」

    「あの女には負けないで」

    「はぁ」


    「なんか先輩、ピリピリしてないか?」

    「そう? 私と話してる時と似た感じだけど」

    「それってつまりアウトじゃないか……」


    162 = 1 :




    「ただいまぁ」


    「あ、お姉ちゃんおかえりなさい」

    「おつかれ」

    「みんな、ごめんなさい……点棒減らしてきちゃった」

    「お、落ち込まないでお姉ちゃん」

    「玄に比べたらまだマシな方ですよ」

    「灼ちゃんひどいっ」


    晴絵「宥、おつかれ」

    「先生……」

    晴絵「まぁ、今回は相手の成長が誤算だったかな。清澄に関してはちょっと情報も足りなかったし」

    「……はい」

    穏乃「そんな落ち込まないでよ、宥さん」

    「そうそう、まだ私たちがいるから」

    穏乃「みんなで100速ぐらいまで加速すればきっと大丈夫だよ!」

    晴絵「二人の言うとおりこれはチーム戦だからね。まだどうとでもなるよ」

    「それに宥姉はこれが初のマイナスじゃない」

    「……」


    (そう、だから私が……)グッ


    穏乃「憧?」

    「もう行くね」

    穏乃「うん、いってらー」


    163 = 1 :




    ハオ「ふぅ……」

    明華「お疲れ様です」

    ハオ「強敵、でした」

    明華「アレ、すごかったですねぇ」

    ハオ「まさかああも簡単に振り込んでしまうとは……」

    明華「さすがは決勝……という感じですね」

    ハオ「そして智葉が認めた相手、です」


    ハオ「ともかく次、よろしくお願いします」

    明華「はい。減った分も含めてしっかり稼いできますから」

    ハオ「うっ……」

    明華「まぁまぁ、そんな顔しないで。私、今回は歌いますから」

    ハオ「風神の本気が見られるわけですね」

    明華「……前々から思ってたんですけど、こっちのその呼び名、どうにかなりませんかね?」

    ハオ「はい?」

    明華「だってほら、ここらで風神といえば風神雷神の風神じゃないですか」

    ハオ「はぁ」

    明華「それって私のイメージに合ってないと思うんですよ。もっとふわっと可愛らしいのはないんですかね?」

    ハオ「……」

    164 = 1 :



    ハオ(先の試合で有珠山を飛ばしにかかったあなたにはぴったりだと思うのですが……)


    明華「どうかしました?」

    ハオ「いえ、気をつけてください。中堅卓にはあの人がいます」

    明華「智葉さんが認めたもう一人……」

    ハオ「竹井久……あなたは一度打っているからわかっているとは思いますが」

    明華「でもこの前は蚊帳の外でしたからねぇ」

    ハオ「今回は違う、そうでしょう?」

    明華「おやぁ? そうなると楽しみになってきましたね」


    165 = 1 :




    「いきなり試合なんて変な感じね」

    京太郎「今まで中堅戦は昼休みの後だったからな」

    「午前の五位決定戦はどうなったのかな」

    京太郎「さぁな、最後の方は寝てて見てないし」

    「ま、それは後でってことね」


    まこ「なんじゃ、二人して出迎えか」


    「&バトンタッチ、はい」スッ

    まこ「はいはい」パシッ

    京太郎「ご苦労さん」

    まこ「まぁ、トップとの差を考えればまだまだじゃがの」

    「それでも順位は上げてくれたじゃない」

    まこ「本当はもちっと稼ぐつもりだったがの……」

    「見事に狙い撃たれたわねぇ」

    京太郎「まこっちゃんでもわからなかったのか?」

    まこ「見事に引っかけられたわ……思えばうちの部長に似たあくどいやり方じゃな」

    「ちょっと、あくどいってどういうことよ」

    京太郎「弘世も色々吸収してるってことか」

    まこ「敵の成長はいたしいのぉ」

    「だからあくどいって」

    京太郎「ま、しっかり稼いできたから後は久ちゃんに任せようぜ」

    まこ「そうじゃな」

    166 = 1 :



    「あーもう! 60000ぐらい稼いでこればいいんでしょ!」


    「じゃ、行ってくる」

    京太郎「おう」


    まこ「なんで60000」

    京太郎「それはまぁ……」


    京太郎(ホント、誰に対抗してんだか)


    京太郎「さ、戻るか」

    まこ「わしはトイレ寄ってく」

    京太郎「付き添おうか?」

    まこ「アホ」


    167 = 1 :




    京太郎「さて、まこっちゃんに振られたことだし戻るか」


    「……」


    京太郎「ん、あれは……おーい」


    「え、あ……なにしてるんですか?」

    京太郎「言っておくけど不審者じゃないからな?」

    「わかってますよ、もう……いじめないでください」

    京太郎「はは、これから試合だよな」

    「清澄にも負けませんから」

    京太郎「にも、か。やる気満々だな」

    「和と当たるのが灼さんっていうのがなんとも……って感じですけど」

    京太郎「まぁ、もう諦めろ。今年はオーダー変更効かないし」

    「オーダーが合わなくて直接打つことはできませんけど、その分頑張らなきゃって思いますから」

    京太郎「そうか……あいつも口には出さないけど喜んでんじゃないかな」

    「あ、そういえば先輩ってどうやって和と仲良くなったんですか?」

    京太郎「どうやってって……同じ部だしな」

    168 = 1 :



    京太郎(そもそも俺に対しては割と最初から好意的だったような気もするけど)


    「ホントにそれだけ?」

    京太郎「うーん、悩み事聞いたりとか人間関係の仲裁とか……?」

    「なるほど……」

    京太郎「いやに聞きたがるな」

    「なにかの参考になればいいと思って……ほら、和も男の人からちょっと引いたとこあったから」

    京太郎「つまり新子は男子と仲良くしたいと」

    「そこまでじゃ……ただ、普通に話せる程度にはしときたいかなって」

    京太郎「ならもう大丈夫だろ。ほら、俺と話してるし」

    「え……」


    「ふきゅっ」

    169 = 1 :



    京太郎「どうした、いきなり顔赤くして」

    「な、なんでもないです」

    京太郎「まぁ、意識したら恥ずかしくなっちゃったってパターンだろうけど」

    「わ、わかってるなら言わないでくださいよ!」

    京太郎「悪い悪い……で、少しは緊張解けたか?」

    「そういえば……って、もしかしてそのために?」

    京太郎「そこらへんはそっちの想像に任せるよ」

    「そういう言い方ってズルいと思います」

    京太郎「相手がガチガチじゃ久ちゃんも楽しめないだろうしな」

    「……お礼、言いませんから」

    京太郎「ま、大したことはしてないからな」

    「ホント、ズルいんだ……」


    「それじゃあ」


    京太郎「……さて、今度こそ戻るか」


    170 = 1 :




    「……ついに来てしまったわね」

    「個人戦には出てないから、これが私の最後の試合……」


    明華「物思いにふけってるところ悪いんですけど、一曲歌ってもいいですか?」


    「まだ時間もあるしいいんじゃない?」

    明華「では――」


    明華「~~♪」


    (フランスの世界ランカー)

    (こんなふうに歌ってツキを呼び込むらしいけど、日本のルールじゃ合間にしか歌えない)

    (だからこそ試合前に歌ってるのかしら)

    (……よくよく考えたら対局中ずっと歌ってるってすごい状況ね)


    「……えっと、なにこれ?」

    「さぁ」


    171 = 1 :




    恒子『いつもは昼を挟むけど今日はそのまま続行っ、中堅戦だぁっ!』

    健夜『そもそも昼って時間じゃないしね』

    恒子『早速中堅の顔ぶれの紹介といきましょー!』


    「なんかこれ聞いてるとスポーツか何かの試合に聞こえてくる……」

    優希「実況がそのノリだから仕方ないじぇ」

    「普通はもうちょっとしっかりしてると思うんですけど……」


    京太郎「戻ったぞー」

    まこ「ふむ、ちょうど実況開始か」


    優希「先輩方のお帰りだじぇ」

    「おつかれさまです」

    京太郎「俺はなんもしてないけどな」

    「京ちゃんに言ったわけじゃないでしょ」

    まこ「ほれ、試合が始まるぞ」


    172 = 1 :




    「……」トン

    明華「……」トン

    「……」トン

    尭深「……」トン


    (60000稼ぐとか言ったけど、現実的に考えてかなり厳しい)

    (連荘する必要があるし、もしそうなったら――)


    尭深「……」


    (こっちの子が怖いのよね)

    (しかも今回はラス親だからなおさらね)

    (ここらへんの認識は阿知賀の子も同じだと思うけど)


    「ポン!」

    174 = 1 :



    (狙うは速攻ってところね)

    (そして臨海の動きは……)


    明華「ツモ、2600・1300です」


    (速いわね)

    (自風が集まってくる……一見地味だけど、使い勝手は良さそう)

    (この前はお互いに相手にしてなかったけど、これまたやりにくそうな)


    (上がられたっ)

    (連荘できない以上、子のときにあがらないといけないのに!)

    (仕切り直しね……今度こそ!)


    「ツモ、4000・2000」


    (って言ってるそばから……!)


    175 = 1 :




    尭深『ロン、2000』

    尭深『ツモ、1100オール』


    「たかみー、今日は速いね」

    「今は点数を稼ぐことより局数を稼ぐことが重要だからな」

    「これでスロットはプラス2」

    「でも実際、そんな簡単に上がらせてくれますかね?」

    「この前も前半は上がれなかったしねー」

    「だからこそ、この前よりも連荘を意識するように伝えた」


    (だからといってそれを許してくれるほど相手は甘くなさそうだが)

    (阿知賀は言わずもがな、臨海の風神も攻めに回ればそこそこ速い)

    (素の竹井は速度に優れているわけではないが……)


    「なんにしても、このまま順調に事が進むはずがない」

    「うん」


    176 = 1 :




    『ロン、8600!』


    晴絵「よし、親を流して点数もゲット」

    「中堅戦は早く終わりそうだね」

    穏乃「憧も巻いて打ってるし!」

    晴絵「でも白糸台もこの前以上に速度を意識して打ってるね」

    「しかもラス親……」ブルッ

    「しかもおもち……」ワキワキ

    晴絵「玄の興味は置いとくとして、これで9は確定だ。ラス親の連荘もあるかもね」

    「でも、今更そこまで点を取りに来るのかな……?」

    晴絵「かといって手を緩める理由もない……もう最後だしね」

    「それに、白糸台は前回の失敗が身にしみてると思……」

    穏乃「大丈夫だいじょーぶ! きっと憧がなんとかしてくれる!」

    「穏乃ちゃんはすごいね。私は心配でおもちに集中しないとそわそわしちゃうのに」

    穏乃「だって出るときは緊張してたけど、今は全然だから」


    177 = 1 :




    「ツモ、2000・1000!」


    「ロン、12000」


    明華「ロン、7700です」


    (ついに来た、オーラス……!)

    (中と發が3に白が2……小三元は確定)

    (白を自力でツモられたら大三元確定)

    (その他は一萬……混一か混老かチャンタか、それともなんもなしか)

    (なんにしても連荘だけは阻止しないと……!)


    尭深「ツモ、小三元のみ……4000オール」


    (はっや!)


    尭深「連荘……」

    178 = 1 :



    尭深(滅多にないラス親……ハーベストタイムが最も生かされる状況)

    尭深(蒔いた数に不安はあるけれど、速攻に徹しても満貫以上は確定している……)


    尭深「ポン」

    尭深「ツモ、小三元混一色……6100オール」


    尭深「チー」

    尭深「ツモ、小三元のみ……4200オール」

    179 = 1 :



    (大きい手を狙わずに鳴いて速攻……)

    (それでも、副露しても満貫以上は確定……厄介ってレベルじゃないでしょ!)

    (あわよくばここで試合を終わらせる気だ……とんだ死神ね)

    (でも――)


    「――ポン!」


    明華(おやぁ?)

    (ん、阿知賀の子……)


    「ロン! 8600!」


    (そういう打ち方で遅れを取るわけにはいかないのよっ!)


    180 = 1 :




    恒子「王者白糸台の暴虐を止めたのは阿知賀っ!」

    恒子「阿知賀の新子選手だぁー!」


    恒子「というわけで前半戦終了、休憩に入りまーす」


    恒子「はふぅ……」

    健夜「……なんか落差激しくない?」

    恒子「いやー、あれだけ気合入れてたらさすがに疲れるっていうかさ」

    健夜「あ、まだカメラ回ってる」

    恒子「え、うっそ!」


    181 = 1 :




    智葉「……なんだ今の放送事故は」

    メグ「この国のアナウンサーはフリーダムなんデスネ」

    智葉「十把一絡げにまとめるな」


    「しかし恐ろしいね、白糸台」

    ハオ「去年もうちは決勝で負けたとか」

    メグ「去年どころではなく一昨年もデス……」

    智葉「一昨年と去年は宮永照がクローザーに回っていた」

    「今年の大将も得点力に優れている……攻撃力は随一だね」

    ネリー「あのうるさいの、そんなにすごいの?」

    「結果だけ言うなら、親番で延々と跳満を連発してるね」

    ネリー「ふぅん」

    智葉「いずれにしても一筋縄ではいかないな……さて」

    ネリー「どこ行くの?」

    智葉「明華にのど飴でも渡してくる」


    182 = 1 :




    「熱冷まシート、ありがと」

    京太郎「いけそうか?」

    「みんな急いでるから試合の進行の速いこと」

    京太郎「でもせっかく稼いだ分もオーラスでチャラか」

    「最後の局ねぇ……もうちょっとで来そうだったんだけど」

    京太郎「先に上がられたんだろ?」

    「そ、新子さんだっけ。あの子とも一回打っておけばよかったかな」

    京太郎「まぁ、意地になって打ってるって感じだったな」

    「意地か……バカにできないのよね」

    京太郎「久ちゃんも意地っ張りだしな」

    「そういう茶々は今はいらないわよ」

    京太郎「もう戻るのか?」

    「ぼーっとして頭冷やす」


    京太郎「がんばれよー」

    183 = 1 :



    京太郎(なんか今回、どれだけ速く上がるかって勝負になってるな)

    京太郎(ハーベストタイム……各局の最初の捨て牌がオーラスで戻ってくる)

    京太郎(活かせなきゃそれまでだけど、はまればさっきみたいにヤバイ状況になるか)

    京太郎(臨海とは牽制しあってて、阿知賀も調子づいてきた……点を稼ぎたいのに不都合な状況だな)

    京太郎(いや、だからこそか?)


    智葉「やはりいたか」


    京太郎「なんだ、お得意の直感か?」

    智葉「いや、そこで竹井とすれ違ったからお前もいると思った」

    京太郎「人をおまけみたいに言うなって」

    智葉「そうは思っていないよ」

    京太郎「弘世にはそれで随分いじめられたからな……」

    智葉「お前がいじめたの間違いじゃないのか?」

    京太郎「だからさ……」

    智葉「冗談だよ。のど飴いるか?」

    京太郎「……なにこれ」

    智葉「だからのど飴。書いてあるだろう」

    184 = 1 :



    『ノンシュガーのど飴 昆布味』


    京太郎「俺の見間違いじゃなきゃ、昆布味とも書いてあるような……」

    智葉「昆布に入っているフコイダンは喉を乾燥から守ってくれるらしい」

    京太郎「だからって味まで昆布にする必用はないんじゃ」

    智葉「結構いけるぞ?」

    京太郎「じゃあ一個」

    智葉「ほら」

    京太郎「いただきます」

    185 = 1 :



    京太郎「……」

    智葉「また微妙な顔を……」

    京太郎「味覚とリンクしてるんだ」

    智葉「明華も同じような顔をしてたな」

    京太郎「そりゃあ言わずもがなだな」

    智葉「そうか、おいしいと思うんだけど……」

    京太郎「大丈夫だ、ジンギスカンキャラメルよりはおいしい」

    智葉「それは比較対象としてどうなんだ?」

    京太郎「長野も虫食うとか色々言われてるけど、あれの方がよっぽどやばい」

    智葉「実際、長野県民は虫を食べるのか?」

    京太郎「地方による」

    智葉「お前は?」

    京太郎「食えるけど」

    智葉「ならなんでこののど飴は受け入れられないんだ」

    京太郎「……なんか熱くなってないか?」

    智葉「うるさい斬るぞ」

    京太郎「なにその理不尽!?」


    186 = 1 :




    恒子『ちょーっと怒られちゃったけど、後半戦いっくぞー!』


    明華(さてさて、ろくな加点がないまま後半戦ですか)

    明華(連荘ができないというのは中々に不便ですねぇ)


    明華「ロン、8000」

    明華「ツモ、6000・3000」


    明華(まぁ、それ以外はきっちり取らせてもらいますけどね)


    (親被り痛い……)

    (臨海、攻めてきたわね)

    (局の合間にちょこちょこ歌ってるけど、その成果はバッチリ出てるみたい)

    (点数稼ぎたいけど、手の速さが求められる状況)

    (臨海は自風で火力も速さも底上げできる……さっきはドラが丸乗りしてたし)

    (阿知賀の子はこういう鳴いて速度を上げることに慣れている……細かくても数を上がられると厄介ね)

    (対して私は速度ではちょっと劣る……せめてもうちょっとわかりやすいピンチがあればね)


    187 = 1 :




    まこ「中々にやりにくそうじゃの」

    「手の進みが少し遅れているように見えますね」

    優希「いわゆる相手が悪いってやつだじぇ」

    まこ「それに状況もじゃな」

    「阿知賀の人も前半より調子良さそう……」

    優希「休憩中にタコスを食べたと見た!」

    「そんな、優希ちゃんじゃないんだから」

    「……」


    (部長を応援すべきなのに、憧が頑張ってるのが嬉しい)

    (自分のことながら複雑ですね……)


    188 = 1 :




    「ロン、7700」


    (これで南場に突入……いい加減なんとかしないとね)


    明華「ツモ、3900・2000」


    (そのためには……)


    明華「……」トン

    「ロン」

    明華「え?」


    「5800……連荘よ」


    189 = 1 :




    「連荘? そんなに大きな手でもないのに」

    「……」

    「なにあれ? バカなのかな?」

    「竹井……」


    (あいつに限ってやけになったなんてことはない)

    (ならここで連荘する意味は……)


    「……そういえば、分の悪い賭けが好きだったな」

    「部長?」

    「あいつは最後の局に賭ける気だ」

    「たかみーのスロット増やしてそれと真っ向勝負するってこと?」

    「そうだ、竹井にとって逆風は望むところだからな」

    「……」


    『六本場だから25800ね。責任払いよね?』


    「去年も……」ギリッ

    「テルー?」

    「なんでもない」


    190 = 1 :




    「ロン、4800は5100」

    「ツモ、1200オール」


    (この人ホントになに考えてるわけ!?)

    (しかも細かく刻んでくれちゃってさ!)

    (いいから止めないと――)


    「――ポン」

    「ロン、1000は1900!」


    (これで後は流して……)

    (って、またツモっちゃったし!)

    (あーもう、しかも結構大きい)

    (うちも点数的にはこころもとないし……)


    「つ、ツモっ、12000!」


    (上がるわよっ、上がればいいんでしょっ!)


    尭深「……」トン


    (でもこれで大三元確定……)

    (やっちゃったかも)


    191 = 1 :




    明華『ロン、5500です』


    「役満は確定……中々にスリリングだね」

    ネリー「前の試合でもポンポン出てたと思うんだけど」

    「最後っていうのが問題だよ。バスケのブザービーターみたいに取り返せないからね」

    ネリー「勝ち逃げってこと」

    ハオ「それもこれも清澄が招いた事態ですが、なにか策でもあるんでしょうか」

    メグ「ピンチの中の逆転の秘策……燃える展開デス!」


    智葉「いや、なにもないだろうな」


    ハオ「は?」

    智葉「それとも窮地こそが策と言うべきか」

    ネリー「そういう状況で流れが寄るタイプなのかな」


    智葉「次で最後だ。嫌でも結果が出るさ」


    192 = 1 :




    明華(オーラス……私の親番)

    明華(もう連荘しても状況は変わらない……考えようによっては攻め時ですかね?)

    明華(問題は特大の爆弾が爆発するまでに上がれるか……)


    明華「……」トン


    (臨海の風神……攻めてきてる?)

    (いつ役満が飛んできてもおかしくないのに……なによそれ)

    (面白いじゃない……!)


    「……」トン


    (なんなのこの人たち、役満怖くないわけっ!?)

    (そりゃあ、先に誰かが上がっちゃえば潰せるけど……)

    (あーもう!)


    「チー!」


    (誰かが上がらなきゃいけないんだったら……私が上がる!)


    「リーチ」


    (さぁ、これで逃げ場もなくなった)

    (来なさい……!)

    193 = 1 :



    (ここは手早く終わらせる場面じゃないわけ!?)

    (もうっ……ここかな)トン


    明華(こんなところでリーチ……)

    明華(こういうのは豪胆、と言うんでしょうか)トン


    尭深(この人には気をつけろと言われてる)

    尭深(でも、ここで今更引くわけにはいかない……!)トン


    「悪いけどこれで終わり……ツモ」

    「メンピン一発ツモチャンタ……裏は2! 8000・4000!」


    明華(上がられちゃいましたか)

    明華(それにしてもこの人……)


    「んー、終わった終わったぁ」


    明華(随分と向かい風が好きなようで……ふふっ)



    194 = 1 :

    ・一年
    入学式、久との再会
    春、美穂子登場
    春、二人のあいだにある壁
    美穂子再び
    初夏、久との対立
    初夏、美穂子への依頼
    初夏、美穂子との特訓
    初夏、決戦前夜
    決戦
    初夏、リスタート
    夏、新たな出会い
    夏、欠けた月
    夏、初めての執事(アルバイト)
    夏、衣の麻雀講座
    今宵、月が満ちるとも
    夏休み、遠征初日
    夏休み、松実姉妹
    夏休み、遠征二日目――鹿児島
    夏休み、眠り姫
    夏休み、遠征三日目――大阪
    夏休み、目覚めぬ未来
    夏休み、遠征四日目――岩手
    夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
    夏休み、遠征最終日――東京
    夏休み、グランドマスター
    夏の始まり
    エピローグ
    その後の美穂子
    秋、バイト執事再び
    秋、衣の誕生日(略してころたん)
    秋、膝枕の日
    秋、祭りの後で
    秋、恋敵?
    十一月十三日、始まりの日
    冬、雪の降り始め
    冬、年の初めに
    冬、画面の向こう側
    冬、節分の前の日
    冬、アラフォー(予備軍)
    三月八日、一年後の誕生日
    三月十五日、好みのタイプは?
    三月十六日、初めてのお出かけ
    三月、おもちと温泉と
    三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

    195 = 1 :

    ・二年
    部活動紹介、まこ入部
    春、学食にて
    美穂子との再会
    初夏、ストーカー?
    初夏、池田の逆襲
    初夏、タイムリミット
    初夏、県予選開始
    初夏、団体戦決着
    初夏、縺れた糸
    初夏、まこの苦労日記
    初夏、ライバル
    夏、全国へ
    夏、ワールウィンド
    夏、奈良の王者
    夏、修羅の国のクールビューティー
    夏、大阪の魔物
    夏、大阪の姉妹
    夏、神代の姫
    夏、一番目と二番目
    夏、スリーピングビューティ
    秋、次の目標
    秋、まこの苦労日記その2
    秋、二人と一人
    冬、旅行に行こう
    冬休み、小悪魔
    冬休み、ゆきみだいふく
    冬休み、神社の娘と王者の進路相談
    冬休み、はとこ
    エピローグ
    五月十日、膝枕とおんぶ
    八月二日、パンツの日
    秋、ロッカーの中
    秋、月見の夜に
    九月二十一日、プレゼントの意味
    九月二十四日、お揃い
    秋、キャットチャンバー
    秋、初めての学校祭
    秋、祭りの後と後の祭りは全然違う
    秋、牌のお兄さん
    秋、こどな
    秋、苗字と名前
    冬、記憶と縁
    二月二日、誕生日プレゼント
    冬、王者の休日
    冬、蓼食う虫もなんとやら
    冬、鎖でつなぐもの
    三月、主役のいない旅行
    三月、湯煙大作戦
    三月二十日、名探偵だよあらたちゃん
    三月、ゆきが消える前に

    196 = 1 :

    ・三年
    優希との出会い
    春、和の初恋?
    春、インハイチャンプ
    初夏、最後の一人
    初夏、不和
    和の悩み
    咲との微妙な関係
    優希の好物
    初夏、合宿
    初夏、家庭訪問@原村家
    初夏、最後の県予選
    初夏、鏡
    初夏、見えない彼女の見つけ方
    初夏、決意
    初夏、県予選決勝戦
    初夏、東風とビギナーズラック
    初夏、個人戦9位と卓上の天使
    初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月
    初夏、男子個人戦
    初夏、南風
    初夏、代償
    初夏、いつも傍にあるもの
    初夏、好きこそものの上手なれ
    初夏、お兄ちゃんと一緒
    初夏、将来の夢
    夏、楽しい合同合宿(地獄編)
    夏、楽しい合同合宿(天獄編)
    夏、プライスレスなもの
    夏、ストーカーズ
    夏、ドライブ(と書いて決死行と読む)
    夏、一足先の出立・一番星
    夏、知り合いの多いインターハイ
    夏、クレプスキュール
    夏、鋭い女と時々レジェンド
    夏、大きな彼女とサイン
    夏、お金で買えるものと買えないもの
    夏、絵描きの彼女と金髪と
    夏、スク水巫女とお姫様抱っこ
    夏、失くした記憶のありか
    夏、第二回戦開始
    夏、迷い家に東風――炎が爆ぜて神降る
    夏、描いた夢と揺るがぬ強者
    夏、塞ぎ封じるものと凡人の意地
    夏、勝敗の後に残るもの
    夏、友達の友達が他人ではない場合
    夏、ドラゴン・ドラゴン・スター
    夏、憧れと恋は違うらしい
    夏、一閃
    夏、積み重ねてきたもの
    夏、二度目の邂逅
    夏、ゆずれないもの
    夏、飛翔
    夏、最後の夜
    夏、暴風
    夏、射手
    夏、向かい風
    そのころの阿知賀編
    そのころの阿知賀編その2
    そのころの阿知賀編その3

    ・EX
    小学五年、幼馴染
    小学五年、嫉妬
    小学五年、十月二十七日、憧憬
    小学五年、二月十八日、ケーキのようなパフェのようなプリン
    中学一年、秋、約束
    中学一年、十一月十一日、細長い棒状のお菓子
    中学二年、初夏、ゆみとの出会い
    中学二年、夏、試合観戦
    中学二年、元日、二人の願い
    中学二年、三月、照との別れ
    中学三年、初夏、空白

    197 = 1 :

    というわけで終了

    安価取りたいけど人いますかね?
    大していなかったら寝ます

    199 :

    はい


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