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    元スレ京太郎「俺が三年生?」ネリー「手、つないでもいい?」

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    51 = 1 :



    「ね、キョータローはさ、私のこと嫌い?」


    京太郎「嫌いではないな」

    「一緒にいてつまんない?」

    京太郎「退屈はしてない」

    「じゃあ、私と一緒だね!」


    「キョータローといるとゾクゾクしてドキドキしてあったかくて……なんかもう色々なの」


    「だからさ……んっ――」グイッ

    京太郎「――んっ」

    「私の初めて、おいしかった?」

    京太郎「お前……一体どういうつもりだよ」

    「私のものになってもらおうと思って」

    京太郎「どうしたらそこまで話が飛躍するんだよ……」

    「だってキョータロー、私のこと本気にさせたもん。責任問題ってやつ!」

    京太郎「だからどうしてそういう問題になるっ」

    「あーもー、とにかく私の言うとおりにしてればいいのっ!」ドン

    京太郎「おわっ」

    52 = 1 :



    「ふっふーん、マウントポジションってやつだよね」

    京太郎「で、何する気だ」

    「デートの続き。ここ、私とキョータローの二人きりなんだよ?」

    京太郎「二人きり……まさかお前」

    「初めてだけど私が上になるね。多分うまくできるからだいじょーぶ」


    京太郎(どんだけピンク色してんだよこいつの頭……)

    京太郎(下手に抵抗したら騒がれそうだし)

    京太郎(……あーもう、めんどくせぇな!)


    京太郎「おらっ」ガバッ

    「あわっ!?」


    「もう、なにすんのよ――んむっ」

    京太郎「――なんでお前に主導権握られなきゃいけないんだよ」

    「だって、キョータローは私のものだし……」

    京太郎「まだ言うか」グイッ

    「きゃっ」ボスッ

    53 = 1 :



    「べ、ベッドでするの?」

    京太郎「床はかたいだろ」

    「あわ……」カァァ


    (ムカつくムカつくムカつくっ)

    (キョータローは私のものなのにっ)

    (でもこれ……すっごいドキドキしてゾクゾクする)


    「ぜ、絶対まいったって言わせてやるんだからっ」

    京太郎「じゃあ俺も手加減抜きでいこうかな」

    「は、初めてなんだから優しくしてよね!」

    京太郎「どの口で言ってんだお前は!」

    「あわー!?」


    54 = 1 :




    「あうぅ……バカバカバカバカっ、優しくしてって言ったのにぃ!」

    京太郎「結局まいったって言ったのはお前だったな」

    「言ってないもん! 負けてないもん!」

    京太郎「もうダメぇ……とか言って涙目になってたろ」

    「うぅ……キョータローってばキチクすぎ! 謝罪をよーきゅーする!」

    京太郎「はいはいごめんなー」

    「誠意が足ーりーなーいー」

    京太郎「で、どうしてほしいんだよ」

    「キスして。愛情込めて」

    京太郎「他には?」

    「ギュってして」

    京太郎「じゃあこっち来い」

    「はーい」

    55 = 1 :



    「ん……」

    京太郎「満足したか?」

    「うん……あれ? なんか硬くて熱いのが……」

    京太郎「俺はムラムラしてきた」

    「キョータローが私にメロメロなのはわかるけど、これ以上はさすがに……」

    京太郎「ははは、誘ってきたのはお前だろ?」

    「むぅ……やっぱりキチクだ!」


    「でも、好きって言ったら許してあげてもいいよ?」


    京太郎「……淡」

    「なーに?」

    京太郎「調子乗んなこのバカっ」ビシッ

    「あわっ!?」


    「バカバカバカっ、このキチクっ!」

    京太郎「はいはい、好きだから黙ってような」

    「もっと愛情込めて!」

    京太郎「さ、もう一回戦やるか」

    「キョータローのバカー!」




    つづ……かない

    56 :

    あわいい

    57 :

    続いてもいいのよ

    58 :

    あわええのう

    59 = 1 :

    というわけであわあわとのもしもです
    この後は照と淡の修羅場が激化します

    にしても前スレ1000……
    福与アナとがっつり絡むことになりそう

    それじゃ失礼します

    60 = 58 :

    乙です
    実にあわいかった

    62 :

    そりゃあ自分との約束も忘れたかのように、頭とかいろいろゆるそうな後輩に手を出して、そしてそれを自慢げに話されたら修羅場どころか流血沙汰になってもおかしくはないな

    おつでー

    64 :

    修羅場は?修羅場はどこなの?(笑)
    この続き、みたいです、はいww

    65 :

    ハーレムが許されるif時空がどこかにあるはずだ

    66 :

    (あわいちゃんが)叩き潰される!

    67 :



    ・二年、三月二十日、名探偵だよあらたちゃん


    やえ「ふぅ、春休みで部活もない……暇だ」

    やえ「春の大会は目前なのに」

    やえ「いや、休めるときは休むのが大事だ」


    やえ「……そういえば今日誕生日だったっけ」

    やえ「よくよく考えれば、誰からもおめでとうって言われてない……」

    やえ「もしかして私って……」ズーン


    やえ「よし、出かけよう! 今日は自分へのご褒美のために使おう!」


    68 = 1 :




    やえ「とはいえ、なにをしたらいいんだろう」

    やえ「一人で遊びに出ることなんて滅多にないし」

    やえ「この前はあいつと……」

    やえ「そういえば番号とアドレスもらってたっけ」

    やえ「……かけてみようかな」


    やえ「いやいやいや! そんなにわかなことできるかっ」

    やえ「でも、連絡しろよって渡してきたのはむこうだし……」

    やえ「いや、待て! おちょくってやるとか言ってなかったっけ?」

    やえ「でも枯れ木も山の賑わいと言うし……そう、それだ!」

    やえ「これはあくまで暇で暇でしかたなーくにわかなやつに電話をかける……そう、しかたなく!」


    「……なにしてるの?」

    やえ「うわっひゃ!」

    69 = 1 :



    「うわ、ほんとに飛び上がる人は初めて見た……」

    やえ「い、いきにゃり後ろから声をかけてくるやつがあるかっ」

    「少し前からいたけど、気づかなかったの?」

    やえ「なん、だと……?」

    「思い悩んでるようだからそっと見守ってたけど」

    やえ「すぐ声かけてよ!」


    「ところで、なんでそんな上着着てるの?」

    やえ「も、もう三月とはいえ肌寒いし……」

    「そうじゃなくて、全然サイズがあってないように見える」

    やえ「こ、これは……」


    やえ「べ、別にたまたま手に取ったのがこれってだけで!」

    やえ「着てから、むしろ外に出てから初めて気づいたし!」

    やえ「家に戻るのも面倒だからってだけで……そう、しかたなく!」

    やえ「しかたなく袖を通しているだけだから勘違いしないように!」

    70 = 1 :



    やえ「勘違いしないように!」

    「なんで二回言った」

    やえ「大事なことだから!」

    「はぁ……」

    やえ「とにかく、そういうことだから。あいつからもらったとかあいつの匂いとか関係ないから」

    「あいつ?」

    やえ「だ、だれでもいいでしょ」

    「……」


    (そういえば、憧がなにか言ってたような……)

    71 = 1 :



    「なるほど、大体把握した」カッ

    やえ「なにその目怖っ!」


    「今日は暇で、一緒に遊ぶ相手もいない」

    「知り合いと会わないならと、普段着ない上着を着て出かけた」

    「そしてその上着の元持ち主に電話するかどうかで悩んでいたと」


    やえ「にゃ、にゃにを……」プルプル

    「その相手は須賀――」


    やえ「ちっがぁーう!!」




    この後二人は楽しく遊んで
    小走さんが家に帰ったらサプライズパーティーがあったとさ



    72 = 1 :

    というわけで誕生日おめでとう
    タイトルは小走さんのこの字もありませんけども

    8時過ぎぐらいから始めようと思います

    73 = 1 :

    んじゃ、そろそろやります

    74 = 1 :



    ・三年、夏、射手


    優希「大失点だじぇ!」


    京太郎「よし、そこまでわかってるなら反省室行こうか」

    優希「じぇっ!?」

    京太郎「タコス、用意してるからさ」

    優希「そういうことなら!」


    「反省室?」

    「別の場所に連れてくための方便ね。タコスでも買ってあげるんでしょ」

    「……先輩はやっぱり優しいですね」

    「本人に言ったら否定するか大げさに肯定するかのどちらかね」


    (それよりも優希……今回は落ち込んでなかった)

    (てっきりまた涙ぐんで帰って来ると思ったんだけど)

    (強がりか、それとも成長か)


    「まこ先輩、いってらっしゃい」

    まこ「おう」

    「まこ、しっかり頼むわ」

    まこ「わかっとるけぇ」


    75 = 1 :




    「ただいまぁ……」


    「あ、おかえり」

    「おつかれ」

    「うん……でも、また失点しちゃった」

    晴絵「中々うまい感じに嵌まってたんじゃないかな?」

    「玄がいなかったら多分、チャンピオンがもっと稼いでた」

    穏乃「片岡さんと辻垣内さんもすごかったよね! ビュって上がっちゃって」

    晴絵「実際、あの二人のスピードがなきゃ止められなかっただろうね」

    「自力で上がれなくて申し訳ないのです……」


    「もう、ネガるの禁止!」


    「わっ」

    「この前より失点少ないんだから!」

    「うん、また追い上げちゃうよ」

    穏乃「そのまま追い越して優勝だ!」

    「できるだけはやる」


    晴絵(とか言ってこの子この前、地和出しちゃってんだよね)


    「ハルちゃんどうかした?」

    晴絵「なんでもないよ。じゃあ宥、次お願い」

    「はい」


    76 = 1 :




    智葉「戻った」


    メグ「おかえりなサイ」

    智葉「すまない、私自身のリベンジも込みで行ったが、あの様だ」

    「かまわないよ。これはチーム戦だ。チャンピオンを抑えて失点もほとんどない……十分じゃないか」

    ハオ「しかし、恐ろしいものですね……ああも連続で」

    明華「智葉さんが抑えに回ってこれですか……」

    ネリー「ネリーも相当集中させないと勝つのは難しいかも」

    ハオ「私の国のルールでやれば勝つのは私ですが」

    明華「おやぁ? 私も自由に歌ってもいいなら勝てそうですね」

    ネリー「ま、ネリーが飛んだらだれも届かないんだけどね」

    メグ「どれだけ負けず嫌いなんデスカ……」

    「諸々の感想は置いておくとして……実際、あのクラスとなると世界を見渡してもそうはいないだろうね」


    「でもさっきも言った通りこれはチーム戦だ。彼女も一人で戦っているわけじゃない」


    智葉「みんな、頼んだ」

    ハオ「わかっています」


    ハオ「それでは……」


    ハオ(臨海の先鋒は日本人で正しかった)

    ハオ(あそこで辻垣内智葉が宮永照を止めたからこそ、勝つことができた)

    ハオ(そんな結果を目指しましょう)


    77 = 1 :




    「あんまり稼げなかった」

    「たしかにいつもに比べたら控えめだったよね」

    「いや、60000くらい稼げば十分なような……」

    「この前は90000稼いで二位抜けだったよね」ズズッ

    「うっ、頭が……」

    「その件に関してはさすがの淡ちゃんも反省だね」

    「……今年で、三回目」

    「三回目ってなんのこと?」

    「インハイ連続優勝記録のことじゃないか?」

    「ああ、それぐらいだったら私に任せてよ! 三連続どころか百連続だってしちゃうんだから!」

    「淡ちゃん、そんなに留年できないよ?」

    「そもそも百年生の時点で何歳だよって話じゃないの?」

    「そういえば菫は?」

    「さっき出てったよ? すれ違わなかった?」

    「そう……」


    78 = 1 :




    「……」


    (結局癖は見つからなかった)

    (そもそもそんなものがあるかどうかも分からない)

    (だが、やるしかない)グッ


    京太郎「弘世じゃん、なにしてんの?」

    「なにしてるもなにも、これから試合だよ」

    京太郎「そうだったな」

    「君がいるということは竹井も?」

    京太郎「人をおまけみたいに扱うな。後輩の付き添いだ」

    「そうか、やっぱりおまけだな」

    京太郎「ちょっ、なんか刺々しくない?」

    「そんなことはないさ」


    「ネト麻で恥ずかしい思いをさせられ言う事を聞かない後輩はいるし迷子になるやつはいるし挙句の果てに一人の男の話題で険悪にもなったりしているが問題ない」


    京太郎「お、おう」

    79 = 1 :



    京太郎(鬱憤が溜まってるようにしか見えない……)

    京太郎(しかもその半分が俺が原因っぽいし)


    「ふぅ……すまない、試合の前で気が立っているみたいだ」

    京太郎「まぁ、気にすんな。苛立つときは誰にでもあるって」

    「そうだな……そういえば、麻雀は少しは上達したのか?」

    京太郎「俺の実力か……個人戦で全国出場――」

    「本当かっ」

    京太郎「――をあと一歩のところで逃したってところかな」

    「……」ジロッ

    京太郎「ほら、眉根にしわ寄せてると美人が台無しだぞー」モミモミ

    「なっ……や、やめろっ」パシッ

    京太郎「悪い悪い」

    「まったく……君はいつもこうなのか」

    京太郎「まあな、常に自然体だ」

    「常にろくでなしってことじゃないか」

    京太郎「人を根っからのろくでなしだと!?」

    「そういえば辻垣内にナンパをしたらしいし」

    京太郎「だからその話は……」

    「女の敵だな」

    京太郎「やっぱお前怒ってるだろ!」

    80 = 1 :



    「だが、上達したことは私としても嬉しいよ」


    京太郎「……いきなり持ち上げるのやめない?」

    「県大会の4位というだけで十分すごい成果だと私は思う。あの頃を思えばな」

    京太郎「……まあ、そうかもな」


    京太郎(別に俺の力じゃないってことは言いにくいな……)


    「……君はその、瑞原プロと知り合いなのか?」

    京太郎「そうだけど」

    「この前テレビに突然現れたものだから驚いてしまったよ」

    京太郎「あー、めっちゃ緊張してたから恥ずかしいな……」


    京太郎(テレビデビューとか俺が予想外だったよ)

    京太郎(にしても)

    81 = 1 :



    「さ、サインとかももらったりしてるのか?」

    京太郎「まぁ、いくつか」

    「そ、そうか」


    京太郎(そういえばこいつ、小鍛冶さんにサインもらって喜んでたっけ)


    京太郎「はやりんのサインがほしいとか」

    「なっ!」ギクッ

    京太郎「なるほどなるほど」

    「か、勘違いするな。私はそんな浮ついた気持ちじゃなくだなっ」

    京太郎「なるほどなるほど」

    「それより! 君は解説のようなこともしていたな」

    京太郎「おいおい、いくらなんでも話題転換が急すぎだろ」

    「していたな!」

    京太郎「わかった、わかったから睨みつけるのはやめようぜ。防御力がさがる」


    「……それでなんだが、私の癖と言われて思い当たることはあるか?」

    京太郎「……あのさ、それを俺に聞くか? いわば敵だぞ?」

    「どうせ当てにしていない。なんでもいいんだ」

    京太郎「まぁ、当てにされても困るけどよ」

    82 = 1 :



    京太郎(いきなり癖って言われても)

    京太郎(顧問とか監督が指摘するとこだろ、普通)


    京太郎「……目つきが鋭い、とか?」

    「それは一体?」

    京太郎「いや、なんとなく」

    「……怒ってもいいか?」

    京太郎「さすがにそれは理不尽だろっ」


    『次鋒戦、まもなく開始です。選手は――』


    京太郎「行ったほうがいいんじゃないか?」

    「わかっている」

    京太郎「うちの二番手は手強いから気をつけろよ」

    「誰であろうと負けるつもりはない」

    京太郎「まーたしわ寄せて……」モミモミ

    「や、やめろっ」パシッ


    83 = 1 :




    恒子「先鋒戦の興奮も冷めやらぬ中っ、次鋒戦開始ですっ!」

    健夜「順位は上から順に白糸台、臨海、阿知賀、清澄ですね」

    恒子「ぶっちゃけもっと宮永選手がラスボスっぷりを見せてくれると思ってたんですけど、そのへんはどうなんでしょうかっ?」

    健夜「話題の投げ方が適当すぎだよ……」


    健夜「先鋒戦の時も解説した通り、準決勝ほど得点が伸びなかったのは速さで対抗されたからでしょう」

    健夜「それに今回も跳満以上の直撃、数えのツモと失点も少なくありませんでしたし」

    健夜「打点の制限のせいで打ちづらそうに見えましたね」


    恒子「さすがすこやん。若手いびりはお手の物だね! 20年前に同じ道を通ったからなのでしょうか?」

    健夜「いびってないし私がインハイに出たのは10年前!」


    84 = 1 :




    「……」


    (いつもと同じようにうちのリードは揺るがない)

    (防御に回るのも決して間違いではない)


    ハオ「ツモ、1600・800」


    (ツモで削られなければ、要所を安手で流せれば順位が覆る危険性はほとんどない)

    (だが、それでいいのか?)


    まこ「ポン」


    まこ(点数マイナスからのスタート……こがぁなことは珍しくともなんともない)

    まこ(いつもと違うことといえば、最下位で最終的にトップ目指す必要がある、ということかの)

    まこ(二回戦、準決勝のように2位抜けでは許されんということじゃな)


    まこ「ロン、5200」

    「はい」

    85 = 1 :



    まこ(うちの部長に任せっきりというわけにもいかんわな)

    まこ(さぁ、やったるけぇのぅ)


    「……」


    (染谷さん、私の打ち方に対応してきてる)

    (冬に打ったときは戸惑ってたのに……)

    (ちょっとまずいかも……)ブルッ


    ハオ「チー」


    ハオ(白糸台……攻めて来る気配がない)

    ハオ(狙った相手から直撃を取るというその技術、興味があったのですが)


    ハオ「テンパイ」

    まこ「ノーテン」

    「テンパイです」

    「ノーテン」


    ハオ(自分で引けず、相手も振り込まずですか)

    ハオ(これは私の打ち方に対応してきているということでしょうか?)

    ハオ(特に清澄……準決勝では放銃が多かったはずですが)


    86 = 1 :




    晴絵「清澄の次鋒、厄介だね。宥の戦術に対応してる」

    「えっと、そのことなんですけど……」

    「まぁ、理由は思い当たる」

    晴絵「どういうこと?」

    「この前の冬、遊びに来てたんでしょ。私は打ってないけど」

    晴絵「え、そうだったの?」

    穏乃「山登りは楽しかったです!」

    「それは関係ないと思……」

    晴絵「ちょっとちょっと、聞いてないんだけど」

    「ちょうど部活がない日だったし、言う機会もなかったというか」

    「私は玄に散々恋愛相談されてちょっとうんざりしてたんだけど」

    「あ、あれは別にそんなんじゃっ」アタフタ

    「まったくもってその通り。次会うときに着る服とか聞かれても困る」

    「灼ちゃんまでぇ……」


    晴絵「なんだろう、すごい疎外感……」ショボン

    穏乃「大丈夫だよ先生、京太郎いいやつだからさ!」

    晴絵「いや、そういう問題じゃ……って京太郎? 須賀さんちの?」

    穏乃「うん、その京太郎」

    晴絵「あ、聞き覚えあると思ったらそういうことだったか……」

    穏乃「?」


    87 = 1 :




    優希「戻ったじぇい」

    「あ、おかえり」

    「タコスのチャージは済んだの?」

    優希「先輩の愛がこもったタコスのおかげでバッチシ!」

    「むっ」

    京太郎「俺の愛じゃなくてタコス屋さんの愛だな」

    優希「お金を払ったのは先輩だじぇ」

    京太郎「そういえばそうだったな。よし、今度から請求することにしよう」

    優希「そんな殺生な!」


    「それで、ちゃんと慰めたの?」

    京太郎「俺はタコスを食わせただけだ。トイレの中で泣いて折り合いは付けたみたいだな」

    「そ、ならいいわ」

    88 = 1 :



    京太郎「試合は?」

    「まだそんなに動きはないかな。あ、でもうちは一回あがってるよ」

    京太郎「臨海とも二回目だしな。今度はしっかり稼がなきゃな」

    「最下位からのスタートだし、失点は避けたいわね」

    優希「うーむ、それに関してはなんとも……」

    「……ゆーきは頑張ったと思います」

    優希「あれ? のどちゃんはここら辺で注意してくるかと思ったじぇ」

    「それとこれとは話が別ですから」

    優希「それってつまり、後で注意するってこと?」

    「ええまあ」

    優希「鬼っ、悪魔っ、のどっぱい!」

    「どう言う意味ですか!」


    89 = 1 :




    「ツモ、4000・2000です」


    まこ(阿知賀のツモ和了)

    まこ(引く牌に偏りがある……つまり聴牌もしやすい)

    まこ(一筋縄ではいかんわな)

    まこ(じゃが――)


    まこ「ロン、7700」

    「……はい」


    まこ(うちの部長みたいに意地の悪い打ち方をするわけでもなし)

    まこ(河と読みがうまく噛み合えば直撃も取れる……!)


    (あったかくない……)

    (クロちゃんが取られた分、取り返さないといけないのに)


    「リーチ、です」


    ハオ「――和……2000オール」


    (リーチ棒、取られちゃった……)


    ハオ「連荘です」


    90 = 1 :




    恒子『後半戦に続くぅ! CM入るけどチャンネルはそのままで!』


    「なんか動き少なくてつまんなーい!」

    「お前みたいにでかいのをバカスカ出すやつばっかじゃないの」

    「えー? たかみーはどう思う?」

    「最後の最後でおっきいのを連発……ならあるんじゃないかな?」

    「尭深のそれも例外でしょ……」

    「菫……」モグモグ


    「あ、お菓子切れた」


    「……買ってこよ」


    「ねー、テルーはどう思う……って、あれ?」

    「どうした……って先輩が消えた!? 部長がいないのに!」

    「見なかったことにしよ……」ズズッ

    「現実逃避!?」


    91 = 1 :




    京太郎「腹減ったな……よし、なんか買いに行くか」

    「あ、私にもお願い」

    京太郎「なにがいい?」

    「お菓子でいいわよ。種類は任せる」

    京太郎「はいよ」

    「私もトイレに行ってきます」

    「京太郎、こっちもお願い」

    京太郎「はいはい」

    「即決!?」



    「ふぅ……」ジャー

    「今日で最後……そう考えると緊張するなぁ」

    「お姉ちゃんと話さないと……会いに、行かなきゃね」

    「でも踏ん切りが――」


    「咲」


    「――え、お姉ちゃん? どうして……」

    「後から入ってきたのは咲の方」

    「あ、うん」


    92 = 1 :




    京太郎「トイレに付き添いか……へへ、あいつもまだまだ子供だな」


    「……うわっ」


    京太郎「出てくるなりなんだ」

    「別に、トイレの前でニヤけてる怪しい人がいるとか思ってないですから」

    京太郎「つまり思ってると」

    「思ってないですってば」

    京太郎「よし、その勘違いを正しておこう」


    京太郎「まず、自分に妹がいたとする」

    京太郎「ちょっと疎遠になってて久しぶりに会ったけど、変わらない部分もあった」


    京太郎「ほら、つい笑っちゃうだろ」

    「よくわからないですけどキモいです」

    京太郎「ぐはっ」

    93 = 1 :



    京太郎「お前……男が苦手じゃなくて男嫌いの間違いじゃないのか?」

    「に、苦手でも嫌いでもないですけど」

    京太郎「……」

    「な、なんですか」

    京太郎「えいっ」ギュッ

    「ふきゅっ!?」


    (ななな、なんでいきなり手を握っちゃってるのよこの人ー!?)

    (でも男の人の手って大きくてゴツゴツしてて……)


    「あうぅ……」カァァ

    京太郎「えっと、なんかごめん」

    「そう思うんなら離してください……」

    京太郎「あ、悪い」パッ

    94 = 1 :



    「ふぅ……」

    京太郎「落ち着いたか?」

    「おかげさまで」ジトッ

    京太郎「悪かったって……本当に苦手なのかなって」

    「はぁ……玄にもこんなことしてるんですか?」

    京太郎「いや、あいつの場合は俺が色々されてる側なんだよ……」

    「……ちょっと納得できるかも」

    京太郎「だろ? あいつ変なとこでドジするから……」


    京太郎(だとしても風呂でなにした、とかは絶対言えないけどなっ)


    「じゃあ小走先輩のことは?」

    京太郎「なんでここであいつの名前が出てくるんだよ」

    「だって二人で街、歩いてませんでした? しかも自分の上着着せて」

    京太郎「あれは俺があいつの上着をダメにしちゃったからだよ。そのままだと寒いだろ」

    「ふーん……そうだったんだ」


    (あれ、この人もしかして意外とまともなんじゃ)

    95 = 1 :



    京太郎「そういや新子は中堅だったよな。うちの部長、よろしくな」

    「こっちこそ……あれ、新子って」

    京太郎「間違ってたか?」

    「そうじゃなくて、初対面の時は名前で……」

    京太郎「ああ、どっかで聞いたことあるって思ってさ。なんだったかなって」

    「もしかして、しずに?」

    京太郎「まぁ、そういうことだ。驚かせたなら謝るよ」

    「あの……ごめんなさい!」

    京太郎「え?」

    「見た目とか第一印象で勘違いしちゃってて、ちょっと誤解してたみたいです。その、男の人と話すのも慣れてないし……」

    京太郎「そ、そうか……」


    京太郎(なんかこれ、みほっちゃんと会ったばっかの時と似てるような……)

    京太郎(もうあこっちゃんとでも呼ぶか? 冗談だけど)

    京太郎(あの時より俺は大人になったはずだ、うん)


    京太郎「俺も用足してくるよ。ツレも中々出てこないしな」

    「じゃあ失礼しますね。あ、和によろしくお願いします」

    京太郎「おう」


    96 = 1 :




    京太郎「ふぅ、スッキリした……」

    「あ、京ちゃん。トイレに入ってたんだ」

    京太郎「待ってる間に催してな」

    「そうなんだ……」

    京太郎「で、お前は何かあったのか? やけに遅かったけど」

    「お姉ちゃんに会っちゃって」

    京太郎「……トイレの中でか?」

    「うん」

    京太郎「それで俺がトイレに入ってる間にいなくなったってか」

    「あはは、すごいニアミスだね」

    京太郎「そうだな……」

    97 = 1 :



    京太郎(もし、ばったり出くわしたらどうすればいいかわからなくなりそうだな)

    京太郎(いや、いっそそのほうがいいのかもしれないけど)


    「お菓子買いにいった帰りだったみたい」

    京太郎「マジか……ほんとにニアミスだな。何か話したか?」

    「うん……主に世間話」

    京太郎「世間話って、それだけか?」

    「いきなりすぎて……ちょっと整理できなかった」

    京太郎「でもまぁ、普通に話せたならよかったんじゃないのか?」


    京太郎(俺は普通に話せるかどうかも怪しいしな……)


    京太郎「さて、俺たちも食料調達に行くか」



    98 = 1 :




    「ツモ、3200・1600」


    (ツモの親被り)


    ハオ「和……5800です」


    (そして放銃……)

    (何をやっているんだ私は)

    (点数を守るどころか減らしているじゃないか……!)

    (狙い撃つか? いや、しかし阿知賀に対策されているのなら他校にも……)

    (……どうすればいい)


    99 = 1 :




    恒子「失点続く王者白糸台、伝家の宝刀は出さないんでしょうかっ」

    健夜「伝家の宝刀……あの狙い撃ちのことですね」

    恒子「そうそう、あのドシュッてやつ」

    健夜「何その擬音」

    恒子「こんなのフィーリングだってば。ささ、いつもの若手いびりをどうぞ!」

    健夜「もう……えっと」


    健夜「弘世さんの狙い撃ちですが、先の試合では阿知賀女子にほぼ完璧に対応されていました」

    健夜「今回はそのことを引きずっているように見えますね」

    健夜「だれでも自分のプレイスタイルに自信がなくなったり、疑問を感じることはあるとは思います」

    健夜「それがこのタイミングだったのは不運か、メンタルの管理ができていないのかという話になっちゃいますけど」


    恒子「さすがすこやん! ダメ出ししかしない女っ!」

    健夜「ダメ出しじゃなくて解説!」

    恒子「というわけでそろそろ試合の方に戻りましょうか」


    健夜(でも、二年前の彼女は私と打っても、どれだけかわされても折れなかった)

    健夜(その心の強さは本物だと思ったんだけどね)


    100 = 1 :




    「部長、調子悪いのかな」

    「なんかショボンって感じに見えるねー。いつもみたいにキッキッてしてればいいのに」


    「た、ただいま……宮永先輩確保してきたぞ」


    「ただいま」

    「あ、お菓子の差し入れー♪」

    「みんなの分もある」

    「なにがあるかなー」


    「試合どうなった?」

    「うちのトップは相変わらずだけど、ちょっと失点が目立ってきてるかな」

    「そっか……部長、大丈夫かな」

    「菫なら心配いらない」


    (だって菫は、ずっと私についてきてくれたから……)



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