元スレ許嫁「……聞いていない?」
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651 = 1 :
男「……いや」
男「そうか、そうだな」
男「お前の言う通りだ」
男「俺とお前なんて、ただの他人にすぎない」
男「互いの意思に関係なく、たまたま居合わせただけだ」
許嫁「……っ」
男「気持ちなんて慮る必要もない。単純に一緒の生活してるだけ」
男「俺とお前との間になんて何もない」
男「……ごっこ? 笑わせるなよ」
男「ろくに知らない他人と、そんな遊びなんてするわけないだろ?」
652 = 1 :
男「悪かったな」
男「話をしたいと思った俺が馬鹿だったよ」
男「お前と話すことなんて何もなかった」
男「じゃな」ツカツカ
許嫁「……っ!!」
許嫁「何よ、私だって!! ……私だって……」
653 = 1 :
部屋
男(……)
男「くそっ」
男(馬鹿か俺は……)
男(単なる挑発だって分かってたのに)
男(思わず……)
男(けどさっきのは)
男(……)
『あなた……もしかして、』
『「家族ごっこ」でもしたいのかしら?』
654 = 1 :
男「……っ」
男(……)
男(……)
男(……それとも俺はただ、本当に……)
655 = 1 :
男(……)
男(もう、寝よう)
男(そうだ、明日は委員長と出かけなきゃ)
男「……」
男(モヤモヤする)
男(……)
男(……俺はまだ子供だ……)
656 = 1 :
また明日です(願望
657 :
願えばいずれ現実に…
659 :
翌日
駅前
委員長「あ。こっちこっち!」ブンブン
男「あれ、もしかして待たせた?」
委員長「ううん。私が早く着きすぎただけだよ。じゃ、どれ観る? とりあえず映画館行ってから決める?」
男「ああ、そうだな。とりあえず……って違う違う。今日は価格調査だ」
委員長「てへへへ」
男(委員長、テンション高いな)
660 = 1 :
男(……しかし)マジマジ
委員長「? ど、どうしたのかな?」
男「いや、私服の委員長ってなかなか見ることがないからさ」
委員長「そっか。去年は制服だったものね」
男「だから何か新鮮というか」
委員長「そ、そうかな? どう? 頑張り過ぎてない?」クルクル
男「いや、良いと思うぜ。あんまりファッション分からないけどな」
委員長「あ、ありがと。君にそう思ってもらえるんだったら、思い切って頑張って良かった」ニコニコ
661 :
……
男「どれどれ……おっ。こっちの店のがまあまあ安いな」
委員長「えっほんとう?」
男「同じ商品なのに。ほら百円くらい……ん?」
委員長「……これ一桁違うね」
男「うそん!」
662 = 1 :
男「むっ!?」
男(掃除機パックが安い……! 確かウチの予備が切れてたよな)
委員長「どうしたのかな? 商品見つかった?」
男「あ、悪い。関係のないものだった」
委員長「んー? あ。これ安いね? おうちに足りてなかったかな、買っていっちゃおうかな?」
男「あれ、もしかして委員長も家事してるんだ?」
委員長「うん、そうなの。母が忙しい人だからね、私がしなきゃいけないの」
男「そりゃ大変じゃないか?」
委員長「何言ってるんだよー。君だって家事してるんでしょ?」
男「掃除以外はテキトーだよ。その点委員長はしっかりソツなくこなしてそうだ」
委員長「そうかなー。うーん。ちゃんとやるほうではあるけど」
663 = 1 :
商店街
委員長「これで、このエリアは大体見たかな。もう半分以上終わってるよ」
男「このペースだと案外早く終わりそうだな」
委員長「ちょっと残念だね」
男「? 早く終わるに越したことはないんじゃ……ん?」
「ま、ままああああぁぁぁぁぁぁ。ままあああああああ」
男(泣いてる小さな女の子……周りにそれらしき親御さんは見当たらない……)
委員長「あの子、もしかして迷子かな?」
男「みたいだな」
664 = 1 :
男「やっ」
女の子「!?」
男「どうしたんだ? もしかしてママとはぐれちゃったか?」
女の子「……」
男(反応なし。驚いた顔で俺を見つめておられる)
男「あーっと。迷子、かな?」
女の子「……」
男(依然、反応ありません)
委員長「ママ、いなくなっちゃったのかな?」
女の子「……うん」コクリ
委員長「そっか。さっきまで一緒だった?」
女の子「うん」コクリ
男「……」
男(さすが委員長。しかし……)
男(俺って怖そうに見えたりするのか……?)
665 = 1 :
委員長「どうしよっか?」
男「一緒に商店街歩いてたら、母親見つかるんじゃないか? そんなに規模が大きいわけじゃないし」
委員長「……ふふふ。そうだね」
男「? 何で嬉しそうなんだ?」
委員長「ううん。前提が違ってたから」
男「前提?」
委員長「いいの。こっちの話。ね、じゃ。お姉ちゃんたちといっしょにお母さん探そうか?」
女の子「……うん」コクリ
666 = 1 :
委員長「わあ。えらいね! よくママのお手伝いするんだ!」
女の子「うん。おそーじ、たのしいよ」
男「ほう。その齢にして、掃除の楽しさを知るか。なかなか見所があるな」
女の子「よわい?」
委員長「このお兄ちゃんもおそうじダイスキなの」
男「ああ。ゴハンよりもオカシよりも好きなんだ」
女の子「それ、すごい――」
男「ハハ! だろう!?」
女の子「へんなひとー」
男「……」
667 = 1 :
女の子「ぜんりょく?」
男「そう、そうなんだ。自分の持てる力ぜんぶで掃除をするんだ」
男「ぜんりょくでぞうきんで拭くし、そうじきで全力ですいとるんだ」
女の子「そうじきまだつかったこと無い」
男「そうか。でも、キミがこのまま、掃除道を精進していけば、すぐに手足のように使えるようになる!」
女の子「そーじみちってなに?」
委員長「子どもに変なこと教えないほうが良いと思うけど?」
男「へ、変なことぉ? これって変なことかなあ?」
女の子「へん。へんだよ-。へんなお兄ちゃんだー。あはははは」
男「俺がか……」ガーン
委員長「ふふふ」
女の子「へんなお兄ちゃんからへんなこと教えてもらったー」
男「……決してそのままお母さんに言ってはダメだよ?」
668 = 1 :
女の子「ねえねえ、お姉ちゃんたちってツキあってる?」
男「え?」
委員長「ううん違うよ」
男(最近の子はマセてるんだなあ)
委員長「ケッコンしてるの」
男「え……」
女の子「え、そうなんだ。すごーい」
委員長「ね、パパ」
男「お、おう」
669 = 1 :
女の子「じゃあいっしょに住んでるの?」
委員長「うん。小さな家だけどね」
女の子「だからそんなに仲良しさんなんだー」
委員長「うふふ。そう見える、かな?」
男(なんだこれ)
委員長「でも、たまにはけんかもしちゃうよね?」
女の子「そうなの?」
男「お、おう」
女の子「ダメだよ。仲良くしないと」
男「すいません」
委員長「あはは。けんかしてもね、仲直りするのが楽しいんだよー」
女の子「そうなの?」
男「あぁ。まあな」
男(……ま、いっか楽しそうだし)
670 = 1 :
男「ん、あれは……」
男(辺りをキョロキョロと探しているような女性が……)
女の子「あ、ママだ!」
「本当に、ご迷惑をおかけしまして……」ペコペコ
男「いえ、僕たちも楽しかったですよ」
委員長「元気で、可愛らしいお嬢さんですね」
「人見知りなところがあると思ってたのですが、良くしていただいたみたいで。本当に、どうもありがとうございました」
女の子「じゃあね! またね! お姉ちゃんとへんなお兄ちゃん!」
男「へんじゃないぞ。バイバイ」
委員長「じゃあね!」バイバイ
671 = 1 :
男「元気な子だったな」
委員長「ええ。可愛かったね」
男「あれくらいの年齢の子と接する機会ないから、実はちょっと緊張した」
委員長「あ、そうなんだ? その割りにはかなり打ち解けてるように見えたけど?」
男「委員長はその点落ち着いたものだったな」
委員長「……うん。それはちょっと自分でも驚いたかな? そういうの、自分には向いていないと思ってたから」
男「そうなのか? 意外だぜ」
委員長「ん。じゃあ、価格調査あとちょっと。パパっと終わらせちゃおうか、パパ?」
男「お、おう……」
委員長「な、なーんて、言ってみたりしましたー。え、えへへへへへ」
672 = 1 :
また明日です(多分)
673 :
ヒロイン登場か…
674 :
許嫁と仲直りはよ
675 :
委員長かわいい
676 :
いきなり結婚宣言って怖くない?怖くない?
677 :
ばれるやつ...
678 :
委員長良い子なのに…
679 :
>>1がこんなに連続更新なんて、こりゃあ急に寒くなったわけだよ
680 :
……
委員長「よし。これで、一応は全部チェックできたね、良かった」
男「思ったより最後は時間かかったな」
委員長「うん。でも今日出来て良かったよ。付き合ってくれてありがとうね」
男「何言ってるんだよ? 元は俺の仕事だったろ?」
委員長「あはは。そっか、そうだったっけ」
681 = 1 :
男「委員長さ」
委員長「? どうかした?」
男「あんまり頑張りすぎないようにな」
委員長「え?」
男「勉強も、クラスのことも、それに家事までやってるなんて。もうちょっと怠けてくれていいくらいだ。ま、頑張りすぎるのが委員長だって知ってるけどな。無理は禁物だ」
委員長「ううん。私、無理、じゃないけど。私は、そうしたいからそうしてるだけで……」
男「そっか。いらないお世話だったかな」
委員長「ううん。ありがと。その気持ちが嬉しいよ」
682 :
男「そんながんばり屋さんの委員長がしたいことなんてあれば言ってくれ。いちクラスメイトとして、できるだけ意に沿うように協力しよう」
委員長「あ……」
男「ん?」
委員長「じゃ、じゃあさ。今日……ご飯、食べていかないかな?」
男「ご飯?」
委員長「うん、夕飯。どこかで一緒に……どう、かな?」
683 = 1 :
男(夕飯か……今日、家の当番は確か……)
男「……」
委員長「あ、その。無理、だったら別にいいんだけど」
男(いや)
男(あいつはあいつで勝手にするだろ……気にすることはないな)
男「いいぜ。どこか行きたいところある?」
684 = 1 :
……
定食屋
男「ふー。食べた食べた。ごちそうさま」
委員長「ごちそうさま。……何か、不思議な感じだね?」
男「? 何が?」
委員長「君と……いえ、クラスメイトと夕食を一緒にするなんて珍しいかなって思って」
男「ああ、そっか。そうだよな。そんな機会ってそうそうないもんな」
男(誰かと一緒に夕食か……)
委員長「新鮮、なのかな?」
男「はは。だな」
685 = 1 :
男「でも、家の人は大丈夫だったのか? 結構遅くなって」
委員長「うん。全然大丈夫だよ? 心配なんて、あんまりしない人だから」
男「そっか。委員長、しっかりしてるもんな」
委員長「え? う、うん。 いえ、そうかな? あんまり、私しっかりしてないと思うけど」
男「委員長がしっかりしてないっていうんなら、ウチのクラスの誰もしっかりしてないことになるぞ」
委員長「それは言いすぎだと思うけど……」
686 = 1 :
委員長「面白いクラスだよね。いろんな人がいて」
男「委員長がまとめるのも一苦労だろ。協調性が著しく欠けている疑いのある人とかいるもんな」
委員長「んー? 誰のことだろ?」
男「それでも文化祭の予定順調なんだろ? ご苦労、お察しします」
委員長「ふふふ。大丈夫だって。みんな協力してくれるから、私の力なんてちょこっとだよ」
男「なんてええ子なんや。五臓六腑に染み渡るで」
委員長「なんで関西弁?」
687 = 1 :
短くてすいません…
明日はもっと長い(といいなあ)
688 :
明日ってかもう今日だけどね
689 :
乙
委員長に闇感じるのは気のせいか
690 :
こういう娘に限って、勝てない戦だと分かり過ぎてしまってるんだよ
それでも一生懸命強気に出ている委員長かわいい
もうちょい頑張れ委員長。超頑張れ
691 :
闇と言うより噛ませ犬だろ
692 :
最初から読み返したけどやっぱ面白い
今のとこ伏線は
・この学校が出来た由来
・諜報部とそれを牽制する友
・男の家柄
とかか
693 :
後輩ちゃんのターン楽しみ
694 :
続きが気になるのー
695 :
後輩ちゃんはまだ本気の片鱗すら出してないしね
696 :
ま、>>1の書く展開だったらどんなでも楽しんで読めるから、そのうち更新しておくれよ
697 :
明日(1ヶ月後)
698 :
もうすぐ12月やで~
699 :
もうエタったで~
700 :
あと500時間もあるじゃないか
余裕ですよ
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