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元スレ提督「おいクソレズ」 大井「なによ能無し」
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大井「……あ、そっか」
提督「?」
大井「どうせあれでしょ? 他の艦娘にもとっくに渡してるんでしょ?」
大井「確かジュウコン用の指輪も用意されてるのよね」
提督「……そうだな」
大井「やっぱり! ああビックリした…」
提督「でも、まだ他の艦娘には渡してねえよ」
大井「!」
提督「お前が一番最初だ」
提督「ジュウコン用じゃなく、このケッコン用の指輪は、お前に渡したかった」
大井「!!」
大井「そ……それって……」
提督「つまりそういうことだ」
大井「……」カァァ
提督「普段はキツい態度をとっちまうけど」
提督「なんだかんだ、お前を一番に信用してるから」
提督「だから……大井。指輪を受け取ってくれ」
大井「……」
大井「……はい」
提督「!」
大井「ケッコンお引き受けします、提督」ポロポロ
提督「……何で泣いてんだよ」
大井「な、泣いてない」ゴシゴシ
提督「いや思いっきり泣いてるだろそれ」
大井「泣いてない!」
提督「嘘つけ! 泣いて…」
ガラガラ
北上「あーはいはいそこまで!」
電「せっかくの余韻が台無しになるのです!」
提督「は? お、お前ら何で……」
大淀「三人で聞き耳を立ててたんですよ」
提督「大淀まで……!」
電「大井さん、おめでとうなのです!」
北上「やっと正式に夫婦になったねー」
提督「は!? なんだよ夫婦って!」
提督「いいか? これは練度の限界を突破するための儀式であって…」
電「司令官さん顔が真っ赤なのです」
北上「照れなくてもいいのにねー」
電「ねー、なのです」
提督「こ、この……!!」
提督「おい大井、お前もこいつらに言ってやれ!」
大井「……」
提督「……大井?」
大井「っ! な、なによ?」
提督「いや、だから……」
電(指輪を見つめてて聞いてなかったのです)
北上(よっぽど嬉しかったんだねー)
大淀「コホン」
大淀「提督、大井さんに指輪を」
提督「あ?」
大淀「あ? じゃなくて指輪です。提督ご自身が、艦娘の指に指輪を嵌めるんです」
大淀「それも儀式の一環なんですよ」
提督「……マジかよ」
ここまで何番煎じも良いとこな流れだが無駄にひっぱるからにはオチは期待できるんだろうな
>>64 何番煎じの展開しか思いつかないですが、見てくださると嬉しいです
大淀「さあ早く」
提督「急かさなくてもいいっての。大井、指輪貸してくれ」
大井「……」スッ
提督(すっかり大人しくなってんな)
提督「指をこっちに」
大井「はい」スッ
提督「嵌めるぞ」
北上(淡々としてるねー)
電(ドキドキなのです)
提督「…………。ん?」
大井「な……何で……?」
大淀「提督、どうされました?」
提督「いや……指輪がな」
大井「入らないんです、私の指に」
北上・電「!?」
大淀「入らない? そんなはずは……」
提督「お前もしかして太ってる?」
大井「失礼ね! 毎日欠かさず体型維持に努めてるわよ!」
大淀「いえ、体型は関係ありませんよ」
大淀「その指輪はどの艦娘の指にも嵌められるようになってますから」
北上「じゃあ何でだろうね」
電「嵌められない理由が、大井さんにあるのです?」
大淀「……まさか……」
提督「何か心当たりがあるのか?」
大淀「ええ……でも、そんなことが……」
大井「教えてください大淀さん!」
大淀「これはあくまで予想に過ぎませんけど」
大淀「指輪が嵌められない理由があるとすれば、たった一つなんです。それは……」
大淀「艦娘の練度が最大まで達していない状態の時」
大井「!!」
提督「はあ? んなわけあるかよ」
電「そうなのです!」
北上「大井っちは、この鎮守府で一番早く練度最大になったんだよ?」
大淀「知っています。でもそれ以外に考えられません」
提督「いや……ありえねえって。指輪がおかしいんだろきっと」
大淀「そんな無茶苦茶な……」
大井「」スタタタッ
ガラガラ!
北上「ちょっ、どこ行くの大井っち!」
電「大変なのです! まだ病み上がりなのに……!」
提督「追いかけるぞ!」
スタタタッ
――演習場――
大井「はぁ、はぁ……練度が最大じゃない……?」
大井「そんなはずない……そんなはずは……!」
スタタタッ
大淀「居ました!」
提督「艤装つけて何やってんだ、あのバカ!」
電「的を狙い撃とうとしてるのです!」
大井「――っ!」ドーンッ ドーンッ
ヒュンッ ヒュンッ
大井「くっ……」ドーンッ ドーンッ
ヒュンッ ヒュンッ
北上「……大井っち……」
電「大きく外れてるのです……」
提督「……」
大井「何で? こんな……!」
大井「そうよ、雷撃なら!」シュバッ シュバッ
ドーンッ ドーンッ
大井「まだよ、まだ!」シュバッ シュバッ
ドーンッ ドーンッ
電「……全く違う位置なのです」
北上「あんな分かりやすい的、いつもの大井っちなら目を瞑ってても当てられるのに」
提督「……」
大淀「どうやら、練度が関係していることは間違いないようですね」
電「何でなのです? 何で大井さんは……」
大淀「分かりません。練度が下がったなんて事象、今まで起きたことないですから」
北上「待ってよ! 大井っちは怪我をしてるんだよ?」
北上「完治すればきっと元に戻るって!」
大淀「そうですね……そうだといいんですが……」
提督「とりあえずよ」
大淀・北上・電「!」
提督「練度がどうこうの前に、怪我して間もないあのバカを止めんのが先だろ!」スタタタッ
大淀「提督!?」
電「何をするつもりなのです!?」
提督「言っただろ! バカを止めんだよ!」スタタタッ
北上「でも提督、そのままだと……!」
ドボーン!
提督「ががぼぼぼごぼぼ」
北上「……海に落ちるって言おうとしたのに」
電「大変なのです! 司令官さんカナヅチなのです!」
大淀「はぁ……無鉄砲すぎるわ」
大井「何で! 何でなのよ! 何で当たらないの!?」
大井「今まで通りにやってるつもりなのに、どうして……!」
提督「……大井……がぼぼ」
大井「!」
提督「ごぼぼ……助け……」ガシッ
大井「きゃあぁぁぁぁぁっ!!」ドカッ
提督「ぐふっ」
大井「な、なに今の……深海棲艦!?」
北上「大井っちー!」
大井「あ……北上さん」
大井「まさかあんただとは思わなかったわ……」
提督「げほっ、ごほっ……何にしたって蹴ることはねえだろ」
大井「海中から伸びてきた手に足を掴まれたら、そりゃ危機を感じるわよ」
北上「確かに」
電「でも、無事でよかったのです!」
北上「大井っちを助けるつもりが、逆に助けられるなんてねぇ」
大井「私を助ける?」
大淀「はい。提督は怪我をしてる大井さんの身を案じて、海に飛び込んだんですよ」
大井「……泳げないのに?」
提督「うるせえよ……」
大井「ふふっ、バッカじゃないの?」クスクス
提督「うるせえよ!」
大淀「それよりも、大井さん」
大淀「砲撃や雷撃を放ってみて、何か分かったことがあるのでは?」
大井「……」
大淀「私たちはずっと見てました」
大淀「動きも鈍く、普段のあなたからは似ても似つかないほど劣っている命中率」
大淀「これは……」
大井「その通りみたい」
大淀「!」
大井「変よね、今までどおりの感覚でやったはずなのに」
大井「ことごとく外れちゃった。まるでここに初めて着任した時の私よ」
提督「……」
大井「練度、ホントに下がったみたいね」
提督「……」
電「原因は分からないのです?」
大井「ええ、自分でも何が何だか」
大井「それより謝らないとね。せっかく指輪をもらったのに、こんなことになって」
提督「……」
大井「私には……もう嵌めることができないから。誰か他の…」
提督「今更何言ってんだよ」
大井「!」
提督「オレはお前にこの指輪を渡したんだぞ」
提督「んで、お前は引き受けてくれた。責任持ってしっかり受け取って貰わねえとな」
大井「そ、そんなこと言ったって……!」
大井「見てたんでしょ!? 私は練度が下がったの! どうしようもないじゃない!」
提督「待ってりゃいいだろうが」
大井「え?」
提督「オレが待てばいいだけの話だ。いつまでも待つぞ」
提督「お前がまた元通りの練度になるまでな」
大井「……!」
提督「簡単なことだろ。それよりもな」
提督「今はしっかり怪我を治せ。頭に包帯巻いたまんまじゃ、ろくに練度上げもできねえだろ」
大井「……っ」
北上(言うねぇ提督)
提督「北上、電」
電「は、はいなのです!」
提督「悪いけど、大井を部屋まで送り届けてくれねえか」
北上「おっけー任せといて」
大井「……提督」
提督「ん?」
大井「……ありがとう……」ボソッ
提督「……ああ」
スタスタスタ
提督「さて、オレも仕事に…」
大淀「提督」
提督「」ビクッ
大淀「またケッコンカッコカリを引き延ばすんですか」
提督「いや……だってなぁ……」
提督「仕方ねえって。まさか大井にあんなアクシデントが起きるなんて」
提督「つーかお前はケッコンしろしろ言い過ぎなんだよ、オレの親かよ」
大淀「……私だって、好きで口酸っぱく言ってる訳じゃないんですよ?」
大淀「提督には自由にケッコンを決めていただきたいですし」
大淀「大井さんにも幸せになってもらいたいと思ってるんです」
提督「じゃあそれでいいだろ」
大淀「そうは問屋が卸さないんです」
>>81 了解です
>>40ってことでしょ
大淀「大元帥からの指令なんですよ」
大淀「『深海棲艦の力が強まっているため、艦隊の強化に尽力せよ』」
大淀「『練度が最大に達した艦娘には、なるべく期間を開けずに契約を結ぶように』と」
提督「……」
大淀「ここの鎮守府は、他と比べると優れた戦果をあげている方ですけど……そのうち……」
提督「そうだな」
提督「それを考えたら、確かにのんびりしてる場合じゃねえな」
大淀「……はい」
提督「一か月」
大淀「え?」
提督「いや、半月だ」
提督「半月待ってくれ、頼む」
大淀「半月って……もしかして資材をつぎ込むおつもりで?」
提督「……」
大淀「そんなに豊富ではないんですよ?」
提督「オレも怠けずに本腰を入れて仕事するから」
提督「そうすりゃ今までの二倍は固いだろ?」
大淀「それは……そうかもしれませんけど」
提督「よし、そうと決まればさっそく執務室だ」スタスタ
大淀「あっ、提督! 勝手に話を進めないでください!」スタタッ
――翌日・鎮守府通路――
スタスタ
提督「ふぁぁ……眠い」
提督「徹夜なんて久々だな……コーヒーでも飲むか……」
大井「おはよう」スタスタ
提督「おう、おはよ――……ん!?」
提督「おい待て! お前何してんだよ!」
大井「は?」
提督「いやいや、は? じゃなくて……まだ怪我してんだろうが」
大井「ああ、そのことなら」
大井「修復材を使わせてもらったから、もう大丈夫よ?」
提督「修復材? ……そうかなるほど、その手があったか」
提督「って、何勝手に使ってんだよ! ……いや、でも時間がねえし」
大井「? なにブツブツ言ってんの、気持ち悪っ」
提督「なっ……今なんつったコラ」
大井「何も言ってないわよ」
提督「嘘つけ」
大井「それよりも」
提督「流すんじゃねえ」
大井「午後から三十回くらい出撃したいんだけど、編成お願いできる?」
提督「三十!?」
大井「練度が低くても攻略できる海域がいいわ」
大井「頼むわね! 私これから演習行ってくるから!」スタタッ
提督「おいっ! ……行っちまった」
提督「あいつも急いでるんだろうけど、三十回とか正気じゃねえぞ」
提督「……資材、さっそく使いまくることになりそうだな」スタスタ
――演習場――
ドーンッ ドーンッ
大井「まだまだ!」
電「大井さん張り切ってるのです」
北上「そりゃそうだよ、少しでも早く提督とケッコンしたいだろうし」
電「ラブパワーなのです!」ニコニコ
北上「ラブパワー、だね」ニコニコ
大井「……電、それに北上さんも」
大井「さっきから何で、じーっと私を見てるんですか?」
北上「あっ、気が散るよね。ごめんね、続けて」
電「電たちも訓練するのです!」
北上「そだね、邪魔になっちゃうし」
大井「……?」
――午後・出撃中――
ドーンッ ドーンッ
大井「そこよ!」
電「決まったのです! 完全勝利なのです!」
北上「いいねー大井っち♪」
大井「……あの」
北上「ん? どしたの?」
大井「ごめんなさい……私お荷物で」
電「そ、そんなことないのです!」
大井「そんなことないわけないじゃない。だって……」
大井「ここって高難易度の海域よ? 練度が低いの私だけだし」
北上「でも、その方が経験値も多く貯まるしー」
電「何度も攻略してる海域なので、電たちに負担はかからないのです!」
大井(……私も何度も出撃してるんだけどね)
大井(こうして気を使っちゃうから、もっと攻略しやすいところが良かったのに……あのバカ)
大井(……まあそんなこと言ってる余裕もないんだけど……)
長門「大井! 来るぞ!」
大井「は、はい!」
大井(いけないわ。今は戦いに集中よ!)
ドーンッ ドーンッ
――――
――夜・鎮守府食堂――
北上「鳳翔さん、カツカレー二つ分お願い」
鳳翔「あら? 珍しいわね、そんなに食べるなんて」
北上「違うよー、もう一つは……」
大井「」ズーン
電「肩を揉んであげるのです!」モミモミ
大井「……ありがと……きもちいい……」
北上「あそこでテーブルに伏せてる大井っちの分」
鳳翔「な、なるほど」
スタスタ
提督「かなり堪えたんだな。当然っちゃ当然だけどよ」
電「司令官さん!」
提督「ここ座るぞ」ドカッ
大井「……」
提督「無反応かよ」
電「無理もないのです、資材を使ったとはいえ三十回も」
提督「だよなぁ……キツイよな……やっぱ回数減らすか」
大井「それだけはダメ」ガバッ
提督「うお!?」
大井「これくらいがちょうどいいわ。いいえ、これくらいこなさないと……」
大井「今日で改にもなれたし、もっと増やしてもいいくらいよ」
電「それはさすがに多すぎるのです!」
電「というより、司令官さんは『いつまでも待つ』って言ってくれたんですから」
電「本当はもっとペースを落としてもいいのです! ね? 司令官さん!」
提督「あ、ああ……」
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