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元スレ小鳥「今日は皆さんに」 ちひろ「殺し合いをしてもらいます」
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春香「あ、そうだ! その前に、私みんなに教えてくるね!」
千早「ま、待って春香!」
声を弾ませ中へ戻ろうとする春香を、千早は慌てて止めた。
そして振り返った春香に引き止めた理由を話そうとしたが、
その前に響が嬉しそうに春香に問いかけた。
響「ま、まだ中に居るのか!? 誰が居るの!?」
春香「律子さんと、それから346プロの人達も三人居るんだ!
美波さんと、アーニャちゃんと、莉嘉ちゃん!」
響の問いに春香もまた嬉しそうに答える。
しかしそれを聞いた響の表情は一瞬強ばった。
響だけではなく、やよいと小鳥もまた同様であった。
千早「ま、待って春香!」
声を弾ませ中へ戻ろうとする春香を、千早は慌てて止めた。
そして振り返った春香に引き止めた理由を話そうとしたが、
その前に響が嬉しそうに春香に問いかけた。
響「ま、まだ中に居るのか!? 誰が居るの!?」
春香「律子さんと、それから346プロの人達も三人居るんだ!
美波さんと、アーニャちゃんと、莉嘉ちゃん!」
響の問いに春香もまた嬉しそうに答える。
しかしそれを聞いた響の表情は一瞬強ばった。
響だけではなく、やよいと小鳥もまた同様であった。
春香「? どうしたの、響ちゃん」
響「あ、いや……。な、なんでもない!
346プロの人が一緒って聞いてちょっとびっくりしちゃっただけだぞ!
えっと、みんなで協力してるってことでいいんだよね!」
春香「もちろん! みんなすっごく優しくていい人達だよ!」
笑いながらそう言う春香を見て
上手く誤魔化せた、と響は心の中で胸をなで下ろした。
千早もまた、特に不審がることなく納得してくれたらしい。
響「そ、そっか。それじゃあ……」
と、ここで響はチラと後ろを振り返る。
その先に居るのは貴音と小鳥。
響の視線を受けて、貴音は静かに口を開いた。
貴音「双方で協力し合えることは真、よきことです。
私たちもその輪へ加わることと致しましょう」
響「あ、いや……。な、なんでもない!
346プロの人が一緒って聞いてちょっとびっくりしちゃっただけだぞ!
えっと、みんなで協力してるってことでいいんだよね!」
春香「もちろん! みんなすっごく優しくていい人達だよ!」
笑いながらそう言う春香を見て
上手く誤魔化せた、と響は心の中で胸をなで下ろした。
千早もまた、特に不審がることなく納得してくれたらしい。
響「そ、そっか。それじゃあ……」
と、ここで響はチラと後ろを振り返る。
その先に居るのは貴音と小鳥。
響の視線を受けて、貴音は静かに口を開いた。
貴音「双方で協力し合えることは真、よきことです。
私たちもその輪へ加わることと致しましょう」
『友好的な346プロの者は殺さない』
『可能であれば協力関係を結ぶ』
それが昨晩、小鳥が響たちと交わした約束だった。
響達が小鳥に頼んだ訳ではなく、小鳥が自らそう言ったのだ。
小鳥がこの約束を口にしたのは、
響とやよいを安心させるために他ならない。
そして実際、二人はこれを聞いて表情に安堵の色を浮かべた。
もちろん既に死者を一人出してしまっているという事実は消えない。
しかしそれでも、これ以上犠牲者は出ないかも知れないという希望は
小鳥の狙い通り響達を少なからず安心させた。
だが小鳥は、本気で約束を守るつもりは無かった。
友好的な346プロは、確かにすぐには殺さない。
その代わり、人質として最大限利用する。
小鳥はそう覚悟を決めていた。
『可能であれば協力関係を結ぶ』
それが昨晩、小鳥が響たちと交わした約束だった。
響達が小鳥に頼んだ訳ではなく、小鳥が自らそう言ったのだ。
小鳥がこの約束を口にしたのは、
響とやよいを安心させるために他ならない。
そして実際、二人はこれを聞いて表情に安堵の色を浮かべた。
もちろん既に死者を一人出してしまっているという事実は消えない。
しかしそれでも、これ以上犠牲者は出ないかも知れないという希望は
小鳥の狙い通り響達を少なからず安心させた。
だが小鳥は、本気で約束を守るつもりは無かった。
友好的な346プロは、確かにすぐには殺さない。
その代わり、人質として最大限利用する。
小鳥はそう覚悟を決めていた。
灯台へ入るまでの数秒間に、小鳥は早鐘を打つ心臓を鎮めることに集中する。
もう間もなく、346プロのアイドル達に出会う。
自分は覚悟を決めた。
そう、既に一人殺してしまったんだ。
もう後戻りはできない。
と、その時、小鳥は隣を歩くやよいが心配そうにこちらを見上げていることに気が付いた。
今の自分の心が顔に表れていたのかも知れない。
小鳥は長く息を吐き、
小鳥「ごめんね、大丈夫よ」
そう言って笑いかけた。
さっき自分はどんな顔をしていたのか。
やよいを安心させるために貼り付けた笑顔の下で、今どんな顔をしているのか。
それは小鳥自身にも、分からなかった。
もう間もなく、346プロのアイドル達に出会う。
自分は覚悟を決めた。
そう、既に一人殺してしまったんだ。
もう後戻りはできない。
と、その時、小鳥は隣を歩くやよいが心配そうにこちらを見上げていることに気が付いた。
今の自分の心が顔に表れていたのかも知れない。
小鳥は長く息を吐き、
小鳥「ごめんね、大丈夫よ」
そう言って笑いかけた。
さっき自分はどんな顔をしていたのか。
やよいを安心させるために貼り付けた笑顔の下で、今どんな顔をしているのか。
それは小鳥自身にも、分からなかった。
・
・
・
律子「えっと、これで私たちからの情報は全部です。
何か気付いたこととか、質問なんかはありますか?」
小鳥「……いいえ、大丈夫です。みんなは何かある?」
貴音「私も特に何もありません」
響「あ、うん……。自分も大丈夫」
やよい「えっと……私も、ないです」
律子「それじゃあ、これからの方針についても話しますね。
まずは――」
・
・
律子「えっと、これで私たちからの情報は全部です。
何か気付いたこととか、質問なんかはありますか?」
小鳥「……いいえ、大丈夫です。みんなは何かある?」
貴音「私も特に何もありません」
響「あ、うん……。自分も大丈夫」
やよい「えっと……私も、ないです」
律子「それじゃあ、これからの方針についても話しますね。
まずは――」
小鳥達と346プロの三人は挨拶、自己紹介を交わし、
そして灯台組と小鳥達との間で互いに情報の交換をした。
ただし小鳥側は情報を隠した。
卯月の死に関する全てを、小鳥側は一切話さなかった。
何の為に隠したか。
不安にさせないためか、悲しませたくないからか、
協力関係を結べなくなるからか、信用を得られなくなるからか……。
小鳥と貴音、また響とやよい、
それぞれが考える理由に多少の差はあったがいずれにせよ、
今ここに居る人間が、この武器を使って、あなた達の仲間を銃殺しました……
などということをおいそれと話せるはずがない。
どうしても明かさなければならなくなる瞬間まで秘密にしよう、
と四人は昨晩話し合い、そう決めていた。
律子「――説明はこれで全部かしら。美波さん、補足はある?」
美波「いえ、今ので全部だと思います。ありがとうございます、律子さん」
そして灯台組と小鳥達との間で互いに情報の交換をした。
ただし小鳥側は情報を隠した。
卯月の死に関する全てを、小鳥側は一切話さなかった。
何の為に隠したか。
不安にさせないためか、悲しませたくないからか、
協力関係を結べなくなるからか、信用を得られなくなるからか……。
小鳥と貴音、また響とやよい、
それぞれが考える理由に多少の差はあったがいずれにせよ、
今ここに居る人間が、この武器を使って、あなた達の仲間を銃殺しました……
などということをおいそれと話せるはずがない。
どうしても明かさなければならなくなる瞬間まで秘密にしよう、
と四人は昨晩話し合い、そう決めていた。
律子「――説明はこれで全部かしら。美波さん、補足はある?」
美波「いえ、今ので全部だと思います。ありがとうございます、律子さん」
美波は薄く笑って律子に礼を言う。
律子もそれに微笑み返す。
しかしそんな二人の隣で、春香は心配そうな目をして、響とやよいを見つめていた。
卯月の死を知る者達は皆、胸に抱いた事実と感情とを必死に押し隠していた。
だがやはり響とやよいは、
それを完璧に実行できるような性格も器用さも精神力も、持ち合わせては居なかった。
春香「……響ちゃん、やよい……。二人とも、大丈夫?」
二人の様子を見かね、ついに春香は声をかけた。
初めはみんなに会えたことの嬉しさが勝り気付くことができなかったが、
律子の説明の途中から春香は気付き始めていた。
また先に口に出したのは春香だったが、
律子と千早も二人の様子には気が付いていた。
律子もそれに微笑み返す。
しかしそんな二人の隣で、春香は心配そうな目をして、響とやよいを見つめていた。
卯月の死を知る者達は皆、胸に抱いた事実と感情とを必死に押し隠していた。
だがやはり響とやよいは、
それを完璧に実行できるような性格も器用さも精神力も、持ち合わせては居なかった。
春香「……響ちゃん、やよい……。二人とも、大丈夫?」
二人の様子を見かね、ついに春香は声をかけた。
初めはみんなに会えたことの嬉しさが勝り気付くことができなかったが、
律子の説明の途中から春香は気付き始めていた。
また先に口に出したのは春香だったが、
律子と千早も二人の様子には気が付いていた。
しかし当然ながら、何があったのかまで気付いたわけではない。
殺し合いゲームという異常な状況に心が磨り減ってしまっているのだと、
また伊織の件を聞いて心配している、不安になっているのだと、春香達はそう思っていた。
律子「……ごめんなさい。やっぱり、伊織のことは
もう少し慎重に話すべきだったかも知れないわ」
千早「我那覇さんと高槻さんは、少し横になって休んでいた方がいいかも知れないわね……」
やよい「え、あの、えっと……へ、平気です! 私、大丈夫ですから!」
響「そ、そうだぞ! なんくるないさー!」
三人に心配され、響達は慌てて健在を主張する。
様子を変に思われた、隠し事に気付かれるかも知れない、と焦りを感じたのだ。
しかしそんな二人に、今度は貴音がそっと声をかけた。
貴音「二人とも、無理は禁物です。
今は千早の言う通りゆっくりと休んで、心を落ち着けることが肝要です」
殺し合いゲームという異常な状況に心が磨り減ってしまっているのだと、
また伊織の件を聞いて心配している、不安になっているのだと、春香達はそう思っていた。
律子「……ごめんなさい。やっぱり、伊織のことは
もう少し慎重に話すべきだったかも知れないわ」
千早「我那覇さんと高槻さんは、少し横になって休んでいた方がいいかも知れないわね……」
やよい「え、あの、えっと……へ、平気です! 私、大丈夫ですから!」
響「そ、そうだぞ! なんくるないさー!」
三人に心配され、響達は慌てて健在を主張する。
様子を変に思われた、隠し事に気付かれるかも知れない、と焦りを感じたのだ。
しかしそんな二人に、今度は貴音がそっと声をかけた。
貴音「二人とも、無理は禁物です。
今は千早の言う通りゆっくりと休んで、心を落ち着けることが肝要です」
『無理に否定すると不自然に思われる』
『だからここは素直に休んでおこう』
貴音の言葉はもちろん二人を心配しての物でもあったが、
裏には少なからずそのような意図が含まれていた。
響とやよいはその裏の意味まで読み取ったかどうかは分からないが
少し迷った結果、素直に従うことにした。
響「それじゃあ……休むことにするさー」
やよい「ごめんなさい……」
春香「謝ることなんかないよ!
ほら、こっち来て! 二階にベッドがあるんだ!」
『だからここは素直に休んでおこう』
貴音の言葉はもちろん二人を心配しての物でもあったが、
裏には少なからずそのような意図が含まれていた。
響とやよいはその裏の意味まで読み取ったかどうかは分からないが
少し迷った結果、素直に従うことにした。
響「それじゃあ……休むことにするさー」
やよい「ごめんなさい……」
春香「謝ることなんかないよ!
ほら、こっち来て! 二階にベッドがあるんだ!」
美波「あ、それじゃあ私、二人の荷物持って上がるね?」
アーニャ「私も、手伝います。えっと……ヤヨイ。荷物、持ちますね」
響「え、あ……ありがとう……」
やよい「あ、ありがとうございます!」
莉嘉「えっと、えっと、あっ! じゃあアタシはドア開ける!」
律子「別に無理に仕事探さなくても……」
昨晩野宿した765プロの者達を慮ってか、
率先して響とやよいの手助けをしようとする346プロの三人。
その優しさを受けて少々困惑気味の響達に、春香はにっこりと微笑みかけた。
春香「大丈夫だよ! 心配な気持ちや不安な気持ちも分かるけど……でもきっと大丈夫!
だって346プロの人達、こんなに優しくて心強いもん!
だから絶対、協力すればみんなで一緒に帰れるよ!」
アーニャ「私も、手伝います。えっと……ヤヨイ。荷物、持ちますね」
響「え、あ……ありがとう……」
やよい「あ、ありがとうございます!」
莉嘉「えっと、えっと、あっ! じゃあアタシはドア開ける!」
律子「別に無理に仕事探さなくても……」
昨晩野宿した765プロの者達を慮ってか、
率先して響とやよいの手助けをしようとする346プロの三人。
その優しさを受けて少々困惑気味の響達に、春香はにっこりと微笑みかけた。
春香「大丈夫だよ! 心配な気持ちや不安な気持ちも分かるけど……でもきっと大丈夫!
だって346プロの人達、こんなに優しくて心強いもん!
だから絶対、協力すればみんなで一緒に帰れるよ!」
そう言っていつものように元気に笑う春香。
その後ろで穏やかな笑みを浮かべる千早と律子。
そしてそんな765プロの皆と同じように笑顔を浮かべる346プロのアイドル達。
そんな彼女達から、小鳥はほとんど無意識に目を逸らした。
そこには、いつもの笑顔があった。
自分が大好きな光景があった。
自分が守りたい、守らなければならないものが、そこにはあった。
……守らなければならないものとは、何だったか。
『あいつらのこと、よろしくお願いします!』
そうだ……みんなのことを、守らなければいけない。
みんなの、何を?
私はみんなの笑顔を、この幸せな光景を、守りたい……。
でも、それは今、ここにある。
みんな裏のない笑顔を、向け合ってる。
346プロの子達と……。
その後ろで穏やかな笑みを浮かべる千早と律子。
そしてそんな765プロの皆と同じように笑顔を浮かべる346プロのアイドル達。
そんな彼女達から、小鳥はほとんど無意識に目を逸らした。
そこには、いつもの笑顔があった。
自分が大好きな光景があった。
自分が守りたい、守らなければならないものが、そこにはあった。
……守らなければならないものとは、何だったか。
『あいつらのこと、よろしくお願いします!』
そうだ……みんなのことを、守らなければいけない。
みんなの、何を?
私はみんなの笑顔を、この幸せな光景を、守りたい……。
でも、それは今、ここにある。
みんな裏のない笑顔を、向け合ってる。
346プロの子達と……。
違う。
命があるから、笑顔があるんだ。
命があるから、幸せがあるんだ。
守るのは命……765プロのみんなの、命を守らなきゃいけないんだ。
殺さない。
……そう、人質だからだ。
人質だから、今はまだ、殺さない。
そう、人質だからだ、人質だから……。
みんなを守るんだ。
守らなきゃいけないんだ。
だからやるんだ、それ以外に方法は無いんだから。
だから私は……。
小鳥は何度も自分に言い聞かせた。
昨日と同じように、何度も、何度も。
命があるから、笑顔があるんだ。
命があるから、幸せがあるんだ。
守るのは命……765プロのみんなの、命を守らなきゃいけないんだ。
殺さない。
……そう、人質だからだ。
人質だから、今はまだ、殺さない。
そう、人質だからだ、人質だから……。
みんなを守るんだ。
守らなきゃいけないんだ。
だからやるんだ、それ以外に方法は無いんだから。
だから私は……。
小鳥は何度も自分に言い聞かせた。
昨日と同じように、何度も、何度も。
今日はこのくらいにしておきます。
続きは多分明日か明後日投下します。
続きは多分明日か明後日投下します。
これ死んだ子の両親にはなんて教えるんだろうな
負けた組が全員死んでその子たちの両親に事故って伝えたとしても怪しまれないんかな
選択肢1生きて帰ってきてくださいの場合は皆殺しルート
選択肢2誰も殺さないでくださいの場合は協力ルート
選択肢3あいつらのことよろしくお願いしますの場合は保留ルートかな?
負けた組が全員死んでその子たちの両親に事故って伝えたとしても怪しまれないんかな
選択肢1生きて帰ってきてくださいの場合は皆殺しルート
選択肢2誰も殺さないでくださいの場合は協力ルート
選択肢3あいつらのことよろしくお願いしますの場合は保留ルートかな?
そういえばこれどこからが計画の始まりだったんかな?
合同レッスンをするって企画の段階ですでに計画が始まってたのかな?
もしそうならちひろや小鳥さんはどこで捕まったんかな…
社長はしらないだろうし…
合同レッスンをするって企画の段階ですでに計画が始まってたのかな?
もしそうならちひろや小鳥さんはどこで捕まったんかな…
社長はしらないだろうし…
ふと思ったけど、これ冒頭で
「961」か「876」が謎の活動停止、アイドル雲隠れ中? ってニュースでも流れてたら怖かったな
「961」か「876」が謎の活動停止、アイドル雲隠れ中? ってニュースでも流れてたら怖かったな
読んでて胸がしめつけられる
でも先が気になる
誰とも合流してない雪歩とあずささんが超心配
でも先が気になる
誰とも合流してない雪歩とあずささんが超心配
乙です
初期配置からすぐ近くの海を目指したはずなのに、1日森をさまよってたあずささん
初期配置からすぐ近くの海を目指したはずなのに、1日森をさまよってたあずささん
乙
あずささん実はもういつものスキルでとっくに島脱出してるんじゃと逃避しそうになるな
そして首輪で現実に引き戻される
あずささん実はもういつものスキルでとっくに島脱出してるんじゃと逃避しそうになるな
そして首輪で現実に引き戻される
迷子になって100m区画からなかなか出られず1時間ルールで自滅説
>>618
「876」なら普通に心配だな程度だが「961」だったら超危険を感じる…
「876」なら普通に心配だな程度だが「961」だったら超危険を感じる…
6:45 水瀬伊織
真美「……いおりん……?」
真美は小さな声で呟くように名を呼び、
突然立ち止まった伊織に不安そうな視線を向ける。
しかし伊織は答えず、見開かれたその目は探知機の液晶に釘付けになっている。
少し前に起床し行動を開始した伊織達は今、灯台を目指して歩いていた。
元々今日は初めに灯台へ行ってみるつもりではあった。
とは言っても、それを決めた時点ではまだ明確な目的があったわけではない。
しかし目覚めてすぐ、灯台へ向かうためのこれ以上ない理由ができた。
探知機に表示された四つの点が、灯台へ向かって移動していたのだ。
点の色は、そこに居るのが765プロの者であることを示していた。
真美「……いおりん……?」
真美は小さな声で呟くように名を呼び、
突然立ち止まった伊織に不安そうな視線を向ける。
しかし伊織は答えず、見開かれたその目は探知機の液晶に釘付けになっている。
少し前に起床し行動を開始した伊織達は今、灯台を目指して歩いていた。
元々今日は初めに灯台へ行ってみるつもりではあった。
とは言っても、それを決めた時点ではまだ明確な目的があったわけではない。
しかし目覚めてすぐ、灯台へ向かうためのこれ以上ない理由ができた。
探知機に表示された四つの点が、灯台へ向かって移動していたのだ。
点の色は、そこに居るのが765プロの者であることを示していた。
後を追わない理由がない。
そう思い、仲間と合流すべく二人は予定通り灯台へ向かった。
そして伊織の足が止まったのは、探知機の画面に灯台が表示された時だった。
呼びかけても反応しない伊織を疑問に思い、
真美は伊織の手に握られた探知機へ目を落とす。
が、次の瞬間全身の血液が凍りつく感覚を覚えた。
灯台のある位置に、二種類の色が点滅している。
複数の点は完全に重なり、間違いなくそれらが同じ場所に居ることを示していた。
少しでも詳しい状況を把握するため、伊織は探知機を操作し灯台周辺を拡大する。
すると重なっていた点のそれぞれの細かい位置、また数が分かった。
どうやら、765プロと346プロが三人ずつ居るらしい。
と、そのうち765プロを示す二つが移動し、灯台の外へ出た。
そして初めに探知した四つの点が、
その二つの点に招き入れられるように灯台の中へと入っていった。
そう思い、仲間と合流すべく二人は予定通り灯台へ向かった。
そして伊織の足が止まったのは、探知機の画面に灯台が表示された時だった。
呼びかけても反応しない伊織を疑問に思い、
真美は伊織の手に握られた探知機へ目を落とす。
が、次の瞬間全身の血液が凍りつく感覚を覚えた。
灯台のある位置に、二種類の色が点滅している。
複数の点は完全に重なり、間違いなくそれらが同じ場所に居ることを示していた。
少しでも詳しい状況を把握するため、伊織は探知機を操作し灯台周辺を拡大する。
すると重なっていた点のそれぞれの細かい位置、また数が分かった。
どうやら、765プロと346プロが三人ずつ居るらしい。
と、そのうち765プロを示す二つが移動し、灯台の外へ出た。
そして初めに探知した四つの点が、
その二つの点に招き入れられるように灯台の中へと入っていった。
これを見て伊織は状況を推察した。
灯台の中に居た六人は恐らく、互いに協力し合っている。
どの程度信用し合っているかは分からないが
少なくとも現時点では協力する姿勢を見せている、と。
だがここで、不意に真美が伊織の思考を止めた。
伊織の腕にしがみつき、
真美「た、助けなきゃ……! みんな死んじゃう……殺されちゃう……!」
今にも泣き出しそうな顔で真美はそう言った。
伊織は真美の顔を見つめ、そして震える真美の手を握る。
伊織「……そうね。行きましょう」
そう言って真美の手を引き、駆け出した。
灯台の中に居た六人は恐らく、互いに協力し合っている。
どの程度信用し合っているかは分からないが
少なくとも現時点では協力する姿勢を見せている、と。
だがここで、不意に真美が伊織の思考を止めた。
伊織の腕にしがみつき、
真美「た、助けなきゃ……! みんな死んじゃう……殺されちゃう……!」
今にも泣き出しそうな顔で真美はそう言った。
伊織は真美の顔を見つめ、そして震える真美の手を握る。
伊織「……そうね。行きましょう」
そう言って真美の手を引き、駆け出した。
その後、二人が灯台へ着くこと自体は早かった。
だがそこからは彼女達にとって最大の慎重さを要した。
今の二人には、まともな武器がない。
真美は杏から逃げる際、唯一の武器である鎌を取り落としていた。
当然亜美のゴルフクラブも同様である。
現時点で彼女たちの持つ武器は、伊織の探知機と音響閃光手榴弾が三つ。
使いようによっては有用だが、
咄嗟に身を守るには心もとないと言わざるを得ない。
だから二人は、可能な限り灯台内部の把握に時間をかけた。
無警戒に中へ入って後悔することだけは避けたい。
真美には灯台の目視を任せ、伊織は液晶に映る点に集中する。
だがそこからは彼女達にとって最大の慎重さを要した。
今の二人には、まともな武器がない。
真美は杏から逃げる際、唯一の武器である鎌を取り落としていた。
当然亜美のゴルフクラブも同様である。
現時点で彼女たちの持つ武器は、伊織の探知機と音響閃光手榴弾が三つ。
使いようによっては有用だが、
咄嗟に身を守るには心もとないと言わざるを得ない。
だから二人は、可能な限り灯台内部の把握に時間をかけた。
無警戒に中へ入って後悔することだけは避けたい。
真美には灯台の目視を任せ、伊織は液晶に映る点に集中する。
二人は音を立てぬよう近付き、聞き耳を立ててみる。
が、壁は厚く、波の音しか聞こえない。
こうなればもう、ノックでもしてみるしかないか……。
と伊織がそう考え始めたその時。
しばらく変化の無かった液晶に、動きがあった。
765プロを示す点の一つが移動を始めたのだ。
伊織は初め、もしかすると外へ出るつもりなのかも知れないと思った。
しかしどうもそうではないらしい。
灯台の中をうろうろと、円を描くように動いている。
それが螺旋階段を昇っているのだと気付いたのは、
頭上から声をかけられるほんの一瞬前だった。
貴音「……伊織と、真美でしたか」
が、壁は厚く、波の音しか聞こえない。
こうなればもう、ノックでもしてみるしかないか……。
と伊織がそう考え始めたその時。
しばらく変化の無かった液晶に、動きがあった。
765プロを示す点の一つが移動を始めたのだ。
伊織は初め、もしかすると外へ出るつもりなのかも知れないと思った。
しかしどうもそうではないらしい。
灯台の中をうろうろと、円を描くように動いている。
それが螺旋階段を昇っているのだと気付いたのは、
頭上から声をかけられるほんの一瞬前だった。
貴音「……伊織と、真美でしたか」
恐らく気配を感じて様子を見に出てきたのだろう。
突然の声に驚いた伊織達が見上げた先には、
屋上から覗き込むようにしてこちらを見下ろす貴音の顔があった。
微かに安堵の色を浮かべていた貴音。
しかし、
真美「お姫ちん!!」
そう名を呼んだ真美を見て、表情を改めた。
そして、努めて落ち着いた声で真美と伊織に声をかける。
貴音「今から降りましょう。入口付近で待っていてください」
二人は指示に従い、入口の扉の前まで移動する。
伊織はその間念の為に探知機を注視していたが、
346プロの者に動きはないようだった。
突然の声に驚いた伊織達が見上げた先には、
屋上から覗き込むようにしてこちらを見下ろす貴音の顔があった。
微かに安堵の色を浮かべていた貴音。
しかし、
真美「お姫ちん!!」
そう名を呼んだ真美を見て、表情を改めた。
そして、努めて落ち着いた声で真美と伊織に声をかける。
貴音「今から降りましょう。入口付近で待っていてください」
二人は指示に従い、入口の扉の前まで移動する。
伊織はその間念の為に探知機を注視していたが、
346プロの者に動きはないようだった。
貴音を示しているであろう点は階段を降りてすぐ扉へと移動し、
それに伴って目の前の扉が開かれる。
そして中から貴音が姿を現すと同時に真美はしがみつき、
声を殺して囁くように叫んだ。
真美「に、逃げなきゃ! 他のみんなも早く呼んで!!
346プロの人居るんでしょ!? 逃げようよ!!
殺されちゃう!! みんな殺されちゃうよ!!」
両手で貴音の服を掴み、必死な形相を浮かべる真美。
そんな真美の様子に貴音は一瞬目を見開いたが、数秒後、
真美の両頬にそっと手を添え、そして目線を合わせて言った。
貴音「……大丈夫ですよ、真美。ここには脅威になる者は居ません」
真美「で、でも、でも……!」
貴音「私は殺されません。ここに居る皆も死にません。
ですから、落ち着いて。私の目を見て深呼吸をしてください」
それに伴って目の前の扉が開かれる。
そして中から貴音が姿を現すと同時に真美はしがみつき、
声を殺して囁くように叫んだ。
真美「に、逃げなきゃ! 他のみんなも早く呼んで!!
346プロの人居るんでしょ!? 逃げようよ!!
殺されちゃう!! みんな殺されちゃうよ!!」
両手で貴音の服を掴み、必死な形相を浮かべる真美。
そんな真美の様子に貴音は一瞬目を見開いたが、数秒後、
真美の両頬にそっと手を添え、そして目線を合わせて言った。
貴音「……大丈夫ですよ、真美。ここには脅威になる者は居ません」
真美「で、でも、でも……!」
貴音「私は殺されません。ここに居る皆も死にません。
ですから、落ち着いて。私の目を見て深呼吸をしてください」
目を見てはっきりと断言した貴音の言葉。
この言葉は半ば錯乱状態にあった真美の耳にもしっかりと届いた。
涙目ながらも真美は貴音の言う通り深呼吸をする。
そして真美が落ち着いたのを確認し、貴音は伊織へと顔を向けた。
貴音「他の765プロの者をここへ呼びましょう。
何があったかは、皆で聞きます」
伊織「助かるわ、そうしてちょうだい。……真美」
と伊織は未だ貴音の服を掴み続けている真美を呼び寄せる。
真美は黙って手を離して伊織の元へ戻り、
ここへ来るまでと同じように伊織の袖をきゅっと握った。
伊織より背の高いはずの真美は、一回りも二回りも小さく見える。
一体真美に何があったのか……貴音の脳裏を最悪の予感がよぎる。
そしてその予感が外れていることを祈りながら、
貴音は灯台の中へ入っていった。
この言葉は半ば錯乱状態にあった真美の耳にもしっかりと届いた。
涙目ながらも真美は貴音の言う通り深呼吸をする。
そして真美が落ち着いたのを確認し、貴音は伊織へと顔を向けた。
貴音「他の765プロの者をここへ呼びましょう。
何があったかは、皆で聞きます」
伊織「助かるわ、そうしてちょうだい。……真美」
と伊織は未だ貴音の服を掴み続けている真美を呼び寄せる。
真美は黙って手を離して伊織の元へ戻り、
ここへ来るまでと同じように伊織の袖をきゅっと握った。
伊織より背の高いはずの真美は、一回りも二回りも小さく見える。
一体真美に何があったのか……貴音の脳裏を最悪の予感がよぎる。
そしてその予感が外れていることを祈りながら、
貴音は灯台の中へ入っていった。
それから数分も経たないうちに、中に居た765プロのメンバーが次々と外へ出揃う。
伊織はその中にやよいと小鳥が居るのを見て、思わず目を逸らした。
しかしやよいは伊織と真美の姿を確認するやいなや、
真っ先に駆け寄って嬉しそうに声を弾ませる。
やよい「伊織ちゃん、真美! 良かったぁ……!」
だがそんなやよいとは対照的に、二人の顔は晴れない。
真美はずっと不安そうな表情で伊織の袖を掴み、
伊織はやよいと目を合わせたくないかのように下を向いている。
そしてそんな二人の様子を見てやよいが何か声をかけようとした直前、
最後に灯台から出てきた律子の声が伊織の目線を引き上げた。
律子「伊織! 本当に心配したのよ……!
あなたと美波さんの件を聞いてから、もう心配で心配で……」
伊織はその中にやよいと小鳥が居るのを見て、思わず目を逸らした。
しかしやよいは伊織と真美の姿を確認するやいなや、
真っ先に駆け寄って嬉しそうに声を弾ませる。
やよい「伊織ちゃん、真美! 良かったぁ……!」
だがそんなやよいとは対照的に、二人の顔は晴れない。
真美はずっと不安そうな表情で伊織の袖を掴み、
伊織はやよいと目を合わせたくないかのように下を向いている。
そしてそんな二人の様子を見てやよいが何か声をかけようとした直前、
最後に灯台から出てきた律子の声が伊織の目線を引き上げた。
律子「伊織! 本当に心配したのよ……!
あなたと美波さんの件を聞いてから、もう心配で心配で……」
律子の口から美波の名が出たことで伊織の心臓は一瞬跳ねた。
しかしすぐに事態を把握し、平静を取り戻す。
伊織「それじゃ、中に居るのは新田美波ってことね……。
……間違いなく信用できるの?」
律子「ええ。先に出会ったのは春香達だけど、
この子達の話を聞いてもまず間違いないわ」
律子の言葉に春香は何度も頷く。
伊織は春香を見、そして千早を見た。
その視線を受けて千早も静かに頷く。
伊織「……春香はともかく、千早がそう言うんならその通りなんでしょうね」
律子「それに私達はこの灯台で一晩過ごしてる。
念の為交代で一人ずつ起きてるようにはしてたけど、
346プロの子が起きていて765プロが全員寝てるなんて時間もあった。
もしあの子達に敵意があったとすれば、とっくに襲われてるはずよ」
しかしすぐに事態を把握し、平静を取り戻す。
伊織「それじゃ、中に居るのは新田美波ってことね……。
……間違いなく信用できるの?」
律子「ええ。先に出会ったのは春香達だけど、
この子達の話を聞いてもまず間違いないわ」
律子の言葉に春香は何度も頷く。
伊織は春香を見、そして千早を見た。
その視線を受けて千早も静かに頷く。
伊織「……春香はともかく、千早がそう言うんならその通りなんでしょうね」
律子「それに私達はこの灯台で一晩過ごしてる。
念の為交代で一人ずつ起きてるようにはしてたけど、
346プロの子が起きていて765プロが全員寝てるなんて時間もあった。
もしあの子達に敵意があったとすれば、とっくに襲われてるはずよ」
貴音「私も初めは警戒しておりましたが、
彼女達の目からは一切の敵意も悪意も感じ取れませんでした。
その点に関しては信用して大丈夫かと思われます」
律子の理屈に基づいた言葉と、貴音の感覚に基づいた言葉。
根拠は異なるが、どちらも十分な説得力を持っていると伊織は感じた。
自分の行いが原因で美波が765プロを敵視するというようなことも無かったらしい。
そのことに伊織はほんの少し安堵した。
伊織「……あんた達がそこまで言うなら私も信じるわ。
本当にお互い協力してるのね」
この伊織の言葉に律子達はホッと胸を撫で下ろす。
春香は俄かに顔を明るくし、そして伊織と真美に声をかけた。
春香「そうそう、みんなで協力して解決策を考えてるの!
だから伊織、真美! 二人も……」
伊織「嫌よ。私はそんな現実逃避なんて御免だわ」
彼女達の目からは一切の敵意も悪意も感じ取れませんでした。
その点に関しては信用して大丈夫かと思われます」
律子の理屈に基づいた言葉と、貴音の感覚に基づいた言葉。
根拠は異なるが、どちらも十分な説得力を持っていると伊織は感じた。
自分の行いが原因で美波が765プロを敵視するというようなことも無かったらしい。
そのことに伊織はほんの少し安堵した。
伊織「……あんた達がそこまで言うなら私も信じるわ。
本当にお互い協力してるのね」
この伊織の言葉に律子達はホッと胸を撫で下ろす。
春香は俄かに顔を明るくし、そして伊織と真美に声をかけた。
春香「そうそう、みんなで協力して解決策を考えてるの!
だから伊織、真美! 二人も……」
伊織「嫌よ。私はそんな現実逃避なんて御免だわ」
春香の言葉を遮り、伊織はきっぱりと言い切った。
あまりにあからさまに拒絶され、春香は思わず言葉に窮してしまう。
そんな春香に代わって律子が口を開こうとしたが、
それすら遮るように伊織はすぐに続けた。
伊織「あんた達が信用できる相手と一緒に居るなら別に良いわ。
私と真美は別行動を取るけど、そのことに対して文句を言ったりしない。
でも、これだけは覚えておきなさい」
伊織はそこで言葉を区切り、少しの沈黙が生まれる。
その時……律子達は伊織の唇が震え始めたのに気付いた。
それとほぼ同時に、伊織は震えを抑えるように唇を噛む。
そして目を伏せ、震える声を押し殺すようにして、静かに言った。
伊織「346プロの中には……もう、私達を殺す気の奴らが居るわ」
あまりにあからさまに拒絶され、春香は思わず言葉に窮してしまう。
そんな春香に代わって律子が口を開こうとしたが、
それすら遮るように伊織はすぐに続けた。
伊織「あんた達が信用できる相手と一緒に居るなら別に良いわ。
私と真美は別行動を取るけど、そのことに対して文句を言ったりしない。
でも、これだけは覚えておきなさい」
伊織はそこで言葉を区切り、少しの沈黙が生まれる。
その時……律子達は伊織の唇が震え始めたのに気付いた。
それとほぼ同時に、伊織は震えを抑えるように唇を噛む。
そして目を伏せ、震える声を押し殺すようにして、静かに言った。
伊織「346プロの中には……もう、私達を殺す気の奴らが居るわ」
この言葉の直後、伊織へ集中していた視線が、真美へと移った。
突然伊織の肩に額を押し付けるようにして、泣き始めたのだ。
まさか、とその場の数人の頭に浮かんだ最悪の想像は、
涙と共に発された伊織の言葉によって、事実だと告げられた。
伊織「亜美が……亜美が346プロの奴らに、殺されたのよ……!」
その瞬間、伊織と真美を除く全員の頭が一瞬真っ白になった。
真美は改めて事実を聞かされてしまったことで、一際大きな声で泣きじゃくる。
伊織も肩を震わせ俯き、涙を流している。
この二人の様子を見て、一同は呆然と立ち尽くしてしまう。
仲間の死という事実をどう処理するべきか、脳が混乱してしまっているのかも知れない。
しかし辺りに響き渡る真美の泣き声がその脳に、体に、じわじわと染み入ってくる。
だが彼女達はすぐに涙を流すことはなかった。
亜美の死を実感し涙が出てくるより先に、
背後の出入り口から、影が顔を覗かせた。
突然伊織の肩に額を押し付けるようにして、泣き始めたのだ。
まさか、とその場の数人の頭に浮かんだ最悪の想像は、
涙と共に発された伊織の言葉によって、事実だと告げられた。
伊織「亜美が……亜美が346プロの奴らに、殺されたのよ……!」
その瞬間、伊織と真美を除く全員の頭が一瞬真っ白になった。
真美は改めて事実を聞かされてしまったことで、一際大きな声で泣きじゃくる。
伊織も肩を震わせ俯き、涙を流している。
この二人の様子を見て、一同は呆然と立ち尽くしてしまう。
仲間の死という事実をどう処理するべきか、脳が混乱してしまっているのかも知れない。
しかし辺りに響き渡る真美の泣き声がその脳に、体に、じわじわと染み入ってくる。
だが彼女達はすぐに涙を流すことはなかった。
亜美の死を実感し涙が出てくるより先に、
背後の出入り口から、影が顔を覗かせた。
それは346プロのアイドル達だった。
突然聞こえた大きな泣き声に、
何か大変なことがあったのかも知れないと心配になり様子を見に来たのだ。
そんな彼女達に初めに気付いたのは伊織。
次いで伊織の視線を追って、他の765プロの者達も背後に立つ美波達に気が付く。
扉を開けた先に広がっていた異様な雰囲気に、346プロの三人は困惑した。
こちらを睨みつける伊織、その腕にしがみつき泣きじゃくる真美、
また振り向いた協力者達の悲哀に満ちた表情。
美波「な……何があったんですか?」
美波は短く、一番近くに居た小鳥にそう聞いた。
しかしこの質問に真っ先に反応したのは小鳥ではなかった。
俯いて泣きじゃくっていた真美は、耳に入った聞き慣れない声に反射的に顔を上げる。
そして346プロのアイドル達が目に入ったその瞬間、真美の様子が変わった。
突然聞こえた大きな泣き声に、
何か大変なことがあったのかも知れないと心配になり様子を見に来たのだ。
そんな彼女達に初めに気付いたのは伊織。
次いで伊織の視線を追って、他の765プロの者達も背後に立つ美波達に気が付く。
扉を開けた先に広がっていた異様な雰囲気に、346プロの三人は困惑した。
こちらを睨みつける伊織、その腕にしがみつき泣きじゃくる真美、
また振り向いた協力者達の悲哀に満ちた表情。
美波「な……何があったんですか?」
美波は短く、一番近くに居た小鳥にそう聞いた。
しかしこの質問に真っ先に反応したのは小鳥ではなかった。
俯いて泣きじゃくっていた真美は、耳に入った聞き慣れない声に反射的に顔を上げる。
そして346プロのアイドル達が目に入ったその瞬間、真美の様子が変わった。
真美「ひっ……!」
短い悲鳴を上げて真美は伊織の背中に隠れる。
呼吸は荒く、体は震えている。
先ほどまでの泣き声は完全に収まっている。
しかしそれは泣き止んだのではなく、泣き声を上げることすらできないほど
怯えきっているということは誰の目から見ても明らかだった。
あの子は自分を見て怯えている。
それに気付いた美波は、敵意のないことを示そうと、
美波「だ……大丈夫、私達は何もしないわ。だから安心して、ね?」
笑顔を浮かべ、そして優しい声で話しかけた。
だがその対応は、今の真美にとって完全に逆効果だった。
真美「いっ……嫌ぁあッ! やだぁああ!! やだああぁああああッ!!」
短い悲鳴を上げて真美は伊織の背中に隠れる。
呼吸は荒く、体は震えている。
先ほどまでの泣き声は完全に収まっている。
しかしそれは泣き止んだのではなく、泣き声を上げることすらできないほど
怯えきっているということは誰の目から見ても明らかだった。
あの子は自分を見て怯えている。
それに気付いた美波は、敵意のないことを示そうと、
美波「だ……大丈夫、私達は何もしないわ。だから安心して、ね?」
笑顔を浮かべ、そして優しい声で話しかけた。
だがその対応は、今の真美にとって完全に逆効果だった。
真美「いっ……嫌ぁあッ! やだぁああ!! やだああぁああああッ!!」
伊織「っ……やめなさい! この子に話しかけないで!!」
美波が優しく話しかけた途端、真美は半狂乱になって泣き叫んだ。
その異様な反応と伊織の怒声に、美波は肩を跳ねさせて口をつぐむ。
そして今までより更に濃い困惑の色を浮かべる346プロの三人に、
小鳥は目線を落としたまま言った。
小鳥「あの子の妹の亜美ちゃんが……346プロの子に、殺されたの」
それを聞き、美波達は息を呑んだ。
そして再び真美の方へ見開かれた目を向ける。
伊織はその視線から守るように真美の体を強く抱きしめ、
美波達を睨み返すようにして叫んだ。
伊織「そうよ……亜美はあんた達の仲間に殺された……。
しかもさっきのあんたみたいに、笑顔で近付いて来て……!
この子達が気を許した瞬間、銃で撃って殺したのよ!!」
美波が優しく話しかけた途端、真美は半狂乱になって泣き叫んだ。
その異様な反応と伊織の怒声に、美波は肩を跳ねさせて口をつぐむ。
そして今までより更に濃い困惑の色を浮かべる346プロの三人に、
小鳥は目線を落としたまま言った。
小鳥「あの子の妹の亜美ちゃんが……346プロの子に、殺されたの」
それを聞き、美波達は息を呑んだ。
そして再び真美の方へ見開かれた目を向ける。
伊織はその視線から守るように真美の体を強く抱きしめ、
美波達を睨み返すようにして叫んだ。
伊織「そうよ……亜美はあんた達の仲間に殺された……。
しかもさっきのあんたみたいに、笑顔で近付いて来て……!
この子達が気を許した瞬間、銃で撃って殺したのよ!!」
杏が、敵意のないこと示(すポーズ)してから撃ち殺してるからなぁ……
敵意のない美波から装備を奪い敵意のないみくを撲殺しようとし敵意のない卯月をショットガンでぶちぬいた765勢が言えた義理か?全部先撃ちしてるんだが
卯月の場合は撃つつもりなかったはずなのに急に動くから誤ってトリガーを引いちゃったんじゃね?
これを聞き、346プロと765プロ双方に強い動揺が広がる。
不安や恐怖で思わず殺してしまった、ならばまだ心情的には理解できる。
しかし、そうではないと伊織は言う。
346プロの者が騙し討ちのような手段を用い、殺人を犯した。
そのことは同じ346プロの三人にとっては特に信じがたく、
莉嘉「う、嘘……そ、そんなわけ……」
莉嘉は思わず伊織の言葉を否定したい気持ちを漏らした。
莉嘉がまだ幼いことを差し引いても、
自分の友達が誰かを騙して殺したという事実はそう簡単に受け入れられるものではない。
しかし今の伊織には、莉嘉の心情を慮るだけの余裕は無かった。
伊織「『そんなわけ』……何よ。そんなわけないって言いたいの……?」
そう言い、伊織は莉嘉へと視線を移す。
その目には今まで伊織が抱いたことのない種類の怒りがこもっている。
そしてそれに気付き肩を跳ねさせた莉嘉に追い打ちをかけるように、伊織は大声で怒鳴った。
不安や恐怖で思わず殺してしまった、ならばまだ心情的には理解できる。
しかし、そうではないと伊織は言う。
346プロの者が騙し討ちのような手段を用い、殺人を犯した。
そのことは同じ346プロの三人にとっては特に信じがたく、
莉嘉「う、嘘……そ、そんなわけ……」
莉嘉は思わず伊織の言葉を否定したい気持ちを漏らした。
莉嘉がまだ幼いことを差し引いても、
自分の友達が誰かを騙して殺したという事実はそう簡単に受け入れられるものではない。
しかし今の伊織には、莉嘉の心情を慮るだけの余裕は無かった。
伊織「『そんなわけ』……何よ。そんなわけないって言いたいの……?」
そう言い、伊織は莉嘉へと視線を移す。
その目には今まで伊織が抱いたことのない種類の怒りがこもっている。
そしてそれに気付き肩を跳ねさせた莉嘉に追い打ちをかけるように、伊織は大声で怒鳴った。
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