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    元スレ仗助「艦隊これくしょんンンン~~~~?」

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    851 :

    そもそも英国生まれなら帰国子女じゃないしな
    英国で生まれた日系人の金剛デース!

    852 = 849 :

    それを言ったら、英国で産まれた帰化人の金剛デースやろが!

    853 :

    もう意味がわかんねぇ

    854 :

    帝国軍の公文書偽装疑惑

    855 :

    生まれ=発案ならワンチャン…

    858 :

    マジで艦これがスマホでできるようになるとは

    859 :

    まさか過ぎる

    860 :

    後は右手で物体とかを削り取れるスタンド能力持った友人に艦これについて紹介してもらえば鎮守府に行けるようになるな!

    861 :

    まずは変……げふっげふん……かっこいい髪型にしてからだな

    862 :

    >>1、予言を司るスタンドだったとはな……

    863 :

    iOSはこの先生きのこることはできるのだろうか

    867 :

    『今夜』だ……

    新月の時を待て……

    868 :

    >>867
    待ってた

    869 :

    フタフタフタマル状況開始

    870 :

    ずっと待ってた!

    871 = 1 :


     早速顔を合わせた二人は和やかな雰囲気。

     初夏を思わせる緑の髪を二つに結んだ瑞鶴は、勝ち気そうな顔で快活さと明朗さを露にした艦娘。

     一方、派手で奇抜なリーゼントヘアーとは裏腹に柔和で人の良い東方仗助。普段から、女性とは和気藹々と会話する程度に交流がある。

     髪型からは想像ができない性格の良さで交流の我が広い彼と、物怖じしない彼女の雰囲気が悪くなる理由はなかった。

     二人で連れ立って歩き出すそこ――「あ、その前に」と一言。


    「どうしようかな……」

    「どぉーしたんスか?」

    「えっと、なんて呼べばいいかな……と思って。ほら、確かに提督さんだけど……うちとは違う艦隊だし」

    「そーッスよね。あくまで瑞鶴さんとこの提督は承太郎さんッスから」


     承太郎さん――空条承太郎。

     何故だか己同様の年齢ほどまで若返っている彼を前に、仗助も果たして何と呼ぶべきかと迷っていたが……。

     結局は「承太郎さん」と、これまで通りの呼び方で決定した。今さら変える理由も特には思い当たらなかったのだ。凄味は以前以上であるし。

    872 = 1 :


    「まぁ、好きに呼んでくれていーっすよ? 気にはしねーしよぉ~」

    「そっか……ふんふん、好きに呼んでいい、と」


     それから顎に指を当てて逡巡した瑞鶴は、何か思い付いたとばかりに手を打ち鳴らしてそのまま右手を一つ。


    「それじゃあ――よろしくね、仗助♪」


     ごく自然に同年代の友人にそうするように、闊達に笑って見せた。

     応じて仗助も、差し出された手を握る。

     あの戦場で直接肩を並べた訳ではないが、瑞鶴の援護――――そして深海棲艦という共通の敵。二人は戦友同然だ。

     何よりも、年の頃が近いというのがあるのかも知れない。


    「それじゃ、行こっ! ほら、早く早く!」

    「ちょ、引っ張らなくても大丈夫ッスよ!」

    「いいからいいから! ほらほら」


     花が咲き誇るように瑞鶴は笑うと、何の気なしにそのまま仗助の手を握って駆けだした。

     余程早く、自分たちの街を案内しよう――そんなつもりなのだろう。仗助も、彼女の思いのほかの馬力に引きずられるようにまた、小走に。

    873 = 1 :


     そこで――――。


    『――――――』


     ――ぶつん。

     切れた……決定的な何かが…………切れた。

     無論それは、この場で歩きながら歓談する二人ではない。二人は気付かない。

     ただ、おおよそ二十メートルほどの後方――仗助のスタンドの射程距離の遙か外での話だ。

     そう、だから彼らの位置からでは映らない景色。

     ……あまりにも凄惨過ぎて映すには支障があるので、音声のみに纏めるとしたらこうなる。


    『……ねーさま。判りました。「ブッ殺す」と心の中で思ったその時には、スデに夾叉は完了しているのですね……』

    『そんな話、聞いた事も無いっぴょん!? どんな凄腕の射撃ぃぃぃ!?』

    『北上さん……今日の私は、阿修羅をも凌駕する存在になっても……いいですよね?』

    『よくないよくないよくないよくないっぴょん! ちょっとぉ!?』

    『……頭にきました』

    『さっきから頭以外の場所に来てないっぴょぉぉぉぉぉ~~~~~~~~~~ん!?』


     ――艦娘殺すべし慈悲はない。

     とばかりに血気盛んな三隻と、巻き込まれた一隻の悲鳴。

     なお天龍はその頃鎮守府で、刀を片手に“スタンドを出せるときになったらする決めポーズ”の練習をしていた。

    874 :

    『天国(投下)』の時はついに来たッ!

    875 = 1 :



     通りをそのまま西に進む二人。半島と半島の間に流れた内湾に沿った海岸線。

     鎮守府の港湾が覗き、それに伝ったコンクリートの岸壁。

     視線を遠く――遥か半島の向こうには煙突が数本、海面から顔を出す。

     いつの間にか走る事をやめ、なんの気なしに繋いでいた手を離した二人は海を眺めつつ談笑する。


    「――それで結局、あのレ級は海の底にでも行ってるんじゃあねーッスか?」

    「あの後、そんな事があったんだ……」

    「卯月の野郎が気転利かさなきゃあって話だし、山城さんがいなかったらどーなるかってとこだし…………天龍も、加賀さんも、大井さんも」

    「いい艦隊なんだ?」

    「まぁ、控え目に言ってグレートな艦隊ッスよ。演習ばっかりは負けちまったッスけどよォ~~~~~~~」

    「あはは」


     なおその頃――現在、卯月は駆逐艦の矮躯に見会わぬほどの奮戦を見せていた。

     具体的には重機関車の如く敵選手を幾人も体に引き付けて進むラガーマンめいて。体に気を付けて欲しいものだ。

    876 = 1 :


    「ところでそっちはどーなんすか? 言っちゃあ悪いけど承太郎さんは言葉が少ないタイプだから――」

    「――そうなのよアイツ! 口数少ないし! いつも怒ってるみたいに黙ってるし! 話しかけても無視するし! 怒鳴るし! 本当にもう……!」


     怒り心頭、と眦を攣り上げて身振り手振りで表現する瑞鶴。

     「島風とか比叡には怒らないのに私には――!」「利根には甘いし――!」「那珂の執務室ライブの所為で機嫌悪くなるし――!」「やれ、うっとおしいだ――!」。

     ……矢継ぎ早に飛び出す承太郎への文句。

     正直、仗助と出会ってからの年相応に落ち着きや深みを見せ始めた空条承太郎とは違って――謂わば全盛期の彼は――。

     相当にハードな男らしい。少なくとも、瑞鶴と何度も衝突する程度には。


    「まぁ、そーゆーところが承太郎さんだと思って上手く付き合ってくしかねーぜ……こればっかりはよぉ~~~」

    「……はあ。自信なくなりそう。船にも詳しいし……戦法にも詳しいし……ずっと冷静だし……」

    「愚痴ぐらいなら、俺で良かったら聞ける範囲は聞くけどよぉ」

    「……ありがとね。どうしようもなくなったらお願いしちゃうかも」

    「構わねーっすよ、俺ぁよぉ~」

    877 = 1 :


     等と雑談を交えて、海岸線を北上する二人は喫茶店に入った。

     オープンカフェテラス。

     大きなガラス窓の向こう、店内には客の影がないが――二人はそれでもオープン席を選択した。

     通りに面した広場には、木製のテーブルと椅子のセット。そのどれにも日除けのパラソルが。

     その、白い円形のテーブルに向かうと……やおら仗助は、空を――抜けるような青空を仰いで、それから漸く確信めいた思いとなった疑問を一つ。


    「……ところで瑞鶴さん、聞いてもいいッスか?」

    「何? どうかした?」

    「さっきからどぉ~~~~~~~~~にも変な感じがしてた、っつーか……違和感がバリバリあったっつーかよぉ~~~~~~」


     建物は整っている。街並みも揃えられている。決して獣道が続く荒野でもなければ、氷に閉ざされた極圏でもない。

     だが。

     だが、ここには……。


    「……なんで今まで、俺たち以外の人間が居ねーんスか? どこにもよぉ……」


     人の姿や気配というものが、ただの一つとして存在していなかった。

     あたかも、入念に手入れがされた映画のセットの如く――――舗装されたその道路などとは裏腹に。

     この喫茶店に来るまで、ただの一人として見かける事はなかったのだ。自転車も、バスも、タクシーさえも通ってはいない。

    878 = 1 :


     ――ゴーストタウン。

     仗助の頭をよぎったのは、そんな言葉だ。

     生物だけを死滅させる爆弾が爆発したのならば、こんな光景にでもなろうか。


    「……」


     問いかけられた瑞鶴は、沈痛な面持ち。

     余りに悲嘆にくれるその眼差しに仗助も身を引きかけたが、心を取り直して彼女を見やる。

     白いテーブルに肘をついて。瑞鶴は、その深緑の瞳を車道――その向こうの街並みへと向けた。


    「……昔、って言ってもそれほど前じゃないけどね。ここの辺りも、攻撃されたんだ」

    「深海棲艦に……っすか?」

    「……うん。鎮守府が――――軍事施設が近いし、海岸沿いだから……真っ先に狙われた」


     物憂げなその瞳の奥に、何が映っているのか――。

     或いはそれは燃え盛る街並みかも知れないし――、或いはそれは、人々で賑わう往来なのかも知れない。

     彼の目からすれば何の変哲もない(そして人気のない)街角でしかないが、その下には様々な“記憶”が刻まれているのだろう。


    「それから、何とか再建できたけど……当然だよね。そんな危ない場所に、住みたがる人なんて……さ」

    879 = 1 :


    「……じゃあ、建物の管理とかはどーしてるんスか?」


     頬を掻きつつ、瑞鶴の視線に合わせて通りのあちらに目を向ける仗助。

     彼の見たところでは――なるほど、再建されたというだけあって建物は新しい。目立って汚れても居なければ、壊れてもいない。


    (にしても、“綺麗過ぎる”っつーかよぉ~~~~~~~~~~~~)


     これは然る漫画家からの聞きかじりでしかないが――。

     家というのにも、人と同じように恒常性というものが存在する。つまりは周りの影響に関わらず、自分を一定の状態に保とうとする力。

     人間は、暑くなれば汗を掻く。寒さを覚えれば震えて体温を生み出す。

     そんな風に、家にも恒常性というものがあり――――そして。

     家に於けるそんなシステムを司るのは、人間なのだ。

     中に住む人間が、外の寒暖に応じて暖房器具などで“快適である空間”を作り出す。それを行うから、昼間・夜間の寒暖の差が激しくならず家も保守される。

     また、人が住むなら動物などは寄りつきにくい。たとえば家の柱を壊そうとするネズミなども避けられる。

     だからこそ人の住まぬ家というのは思った以上に簡単に崩壊し、そして、長持ちする家屋というのは人が住んでいるという証拠なのだ。

     ……ちなみに。

     そう言った漫画家の彼は、“長年人が住んでいないにも関わらず全く変化がない家屋群”という都市伝説を調べて、その過程で一悶着あったらしい。

     ただ、これは別の話だ。ここで語るものでもないだろう。

    880 = 1 :


    「それは……仗助も知ってる通りだと思う」

    「俺ェ?」


     己を指さして首を傾げる仗助の眼前、テーブルに踊り出す影。

     飛行帽と呼ばれる――長い犬の耳が如く両脇が垂れ下がった帽子。額に付けられたゴーグル。そして身に纏った軍服。

     瑞鶴の肩を伝ってテーブルに降り立ったその影は、着地の衝撃で足でも挫いたのか冷や汗を流しつつ、見事な敬礼を見舞った。

     つまりは――


    「まさか……」

    「そう」

    「まさか……まさかッ」

    「その、まさか!」

    「まさかッ! 妖精さんたちがここの住人って奴ッスかぁ~~~~~~~~~~~~!? マジな話にかよぉ~~~~~!?」


     大げさに飛び退く仗助を前に、腕を組んで首肯する瑞鶴。

     確かに――――改めてよく目を凝らしてみれば。建物の窓の陰に、小さく蠢く存在が見える。

     二階建ての赤い煉瓦のビルも。灰色の雑居ビルも。トタン屋根の車の整備工場も。何の変哲もない民家にも――――。

     そのどれもに、家屋の大きさとは不釣り合いな住人が住んでいるという事だ。

     等身大ドールハウス――なんて言葉が過るほど、あまりにもファンタジーやメルヘンの溢れる光景。

    881 = 1 :


    「まあ……普通の人もいる事はいるけど、前に比べたら……やっぱりあんまりいないかな」

    「ハァ~~~~~~~~~~。ある意味、提督になってから……一番驚いたぜ~~~~~~! こいつぁよぉぉぉ~~~~~~~!」

    「そう? なら、連れてきたかいもあったかもね!」


     へへへ、と笑う瑞鶴。

     しかし、それにも――どことなく力がない。少なくとも彼には、東方仗助にはそう思えた。

     寸暇の後、仗助は口を開く。至って普通の、一切の気負いのない響き。


    「それじゃあ、俺たちのやる事はシンプルに一つだよなぁ」

    「え?」


     さりげなく――足を挫いた妖精に【クレイジー・ダイヤモンド】で触れつつ。


    「ここの人たちが安心して戻って来れるように、平和な海ってのをさっさと取り戻してやらねーとよぉ~~~~~~~」

    「――うん! そうよね!」

    882 = 1 :



     なお……。


    『やる事はシンプル……目標を中央に納めて零距離水平射……目標を中央に納めて零距離水平射……』

    『もーちょっとシンプルじゃあなくて複雑に考えるべきでっす! 本当の本当にぃ! ねえ!?』

    『安心して安眠できるのよ……フフ、この酸素魚雷なら』

    『安心もできないし、それ安眠じゃなくて永眠じゃないかなってうーちゃんは!』

    『……追い風ね。風力が足りないわ』

    『足りたらどぉーするつもりだったっぴょん!? ねえ、ちょっとぉ!?』


     物陰では……。


    『提督、退いて下さい……その空母撃てません……』

    『逃げてぇぇぇえ!? でもしれーかんは逃げないでぇぇぇえ!』

    『大丈夫です……痛みは感じないわ。地獄に行ってから苦しむ事になるだろうけど……ね?』

    『大丈夫さ、どこにも何にもないっぴょん! というか仲間思いだったのは!? ねえ!?』

    『……お腹にきました。そろそろお昼です』

    『戻ろ? 戻るっぴょん! ね? 肉じゃがだよぉ……ね?』


     水上を進む白鳥の水面下のようなやり取りが、繰り広げられていた。

    883 = 1 :



     注文をしてくる――と、瑞鶴は店の中に向かって行った。

     なんでもやはり、艦娘にはある程度心を開いているが、人間に対してはそれほどでもないらしい。

     仗助が注文を頼みに行ったら、居留守を決め込まれるだろう――――との事。

     それは、『店屋としてどうなんだ?』という気がしなくもないが……昔話に出てくる妖精からしてそうなのだ。そういう『ルール』なのだろう。


    「……ここ、いいかい?」


     呼びかけられ、顔を上げる仗助。

     眼前に居たのは――星のマークを散りばめた、頭蓋骨の形にぴったりと嵌ったタイトな帽子。そして、馬の蹄鉄と思しきアクセサリーを額に飾った青年。

     寒色系の衣装から、どことなく青年の冷徹さが強調される。

     外国人……だろう。顔立ちは日本人のそれと異なる。

     見覚えがない人間だ。当然ながらこちらの世界に来てから、空条承太郎を除けば、艦娘としか触れ合っていないのだから。

     しかし、それなのに――。

     どこか――――どこかで会ったような、まるで他人ではない雰囲気を覚える。そんな奇妙な感覚に首を捻りつつ、仗助は応答した。


    「あ、悪いっスっけどそこ……連れがいるんスよ。だから別の席にしちゃあ貰えないっすかぁ~~~~~?」

    884 = 1 :


    「連れ……」


     言われた青年が、首を伸ばした。周囲を見回す彼の目線を代弁するなら――『どこにそんな奴がいるんだ?』と言ったところだろうか。


    「……」


     ある意味無礼ともいえる青年のそんな動きを、仗助は軽く口を開いて見守った。

     確かに引っかかる。だが別に、それぐらいで因縁を付けたり口論に発展させるほど、彼は反発的な男ではない。

     それよりも――やはり。

     どことなく、奇妙な感覚だ。瑞鶴とも、加賀とも違う。

     言うとしたら――承太郎には、近いものがある。まるで外見も違うというのに。(承太郎は偉丈夫だが、青年はそこまで筋骨隆々としていない)

     この、金髪碧眼の青年……。


    「まだ……来ていないようだけど」

    「それは……まぁ、そうっすけど……席を外してるっつーか……」

    「なら、待たせて貰えないか? ほんの少しでいい……僕も待ち合わせをしているんだ」

    「はぁ……?」


     外国人特有の強引さであろうか――。

     結局有無を言わさずに腰掛けた青年と、瑞鶴が来たら退いて貰えばいいかと言葉を飲み込んだ仗助。

     奇妙な沈黙が訪れる。

    885 = 1 :


     仗助は頬を掻いて、手持ち無沙汰で街並みを見やった。やはり人影がない景色。

     それから、青年を一瞥。


    (さっき瑞鶴さんが言ってた……『数少ない住んでる人』って奴っすかぁ~~~~~?)


     同じく、数少ない住人――それも見慣れない――仗助を見つけたから、だからこそこうして他にも席は空いているのにわざわざ腰掛けた。

     そんな経緯があるのかもしれない。

     だが、それにしたって不自然に無言だ。

     あれほど遠慮なく席を取ろうとしたのに、その癖、妙な気まずさから仗助に質問しないのか?――――なんだか不思議だ。


    「あの……」

    「……僕の事なら、ジョニィでいいよ」

    「あ、俺は東方仗助ッス」

    「……」


     「ヒガシカタ……」――青年が、飲み含むように小さく呟く。

    886 = 865 :

    ジョニィ!

    887 = 1 :



    「ジョニィさんはここらの人ッスか? 待ち合わせ相手も――」


     仗助には視線を合わせず。

     ジョニィと名乗ったその青年は、酷く遠い目をした。

     ここではないどこかを。街並みから外れてしまった荒野の道を振り返るように。


    「――そうだな。大切な……大切な友人と待ち合わせをしてる。大切な……」


     それ以上、聞けやしない。

     そんな雰囲気が、今の青年の言葉にはあった。亡くしてしまった大切なものを、思い返すほど郷愁に満ちた。

     仗助は無意識に、店内へと目線をやった。

     日光の関係か、今度は反射で窺えないが――――いるであろう瑞鶴に助けを求める。

     少なくとも、初めての外出であり、久し振りの息抜きだ。仗助はそのつもりだった。デートというのが真実かはともかくとして。

     それがいつの間にか、陰気な外国人に絡まれてる。これは一体どんなスタンド能力だ?


    (やっぱり席を移った方がいいよなぁ~~~~~~~~、こーゆー『陰気』なタイプはいきなり何を仕出かすか判ったもんじゃあねーぜ……)


     ――徐に、テーブルに手をついたその時だった。


    「――ジョースケ。君は、『賭け事』なんかやったりするか?」

    888 :

    このジョニィはいつのジョニィなんだろうか
    仗助や承太郎なんかと同じなら、やっぱストーリー終了後?

    889 = 1 :


    「賭けェ? 賭けってあの賭け事ッスかぁ?」


     言われて、仗助は戸惑った。

     それは、逃げ出すのが間に合わずに青年に絡まれてしまったからでもなければ――。

     或いは唐突に、あまりいい思い出のない言葉を突き付けられたからでもない。

     青年が――ジョニィがあまりに自然だったから。

     先程までの、煤けて落ち着いた雰囲気は何処へやら。

     ごく普通の、年相応の青年のような声色になったからだ。


    「そう。ポーカーでもいいし、ルーレットでもいい。ブラックジャックでも、レースでも」

    「……トランプならともかく、それ以外のこーしょーなのとは付き合いはねーッスね」


     どこからどう見ても、東方仗助は学生だ。

     パチンコですら止めがかかるし、ましてやカジノなどという娯楽施設には到底縁がない。あるという方が問題だろう。

     手に入りやすいトランプを使った賭け事なら、仲間内で嗜んだりする程度。


    「でも、あんまりいい思い出はないんスよね~~~……どーにも『邪念』が入るって言うかよぉー」

    「僕もだ。来て欲しくないときに限って来たり、裏目を引いたり……いい思い出はあまりない」

    890 :

    うーちゃんはもうキレていいと思うんだ

    891 = 1 :


     その言葉に――ちょっとばかりの親近感を覚えた。

     この外国人なりに、世間話の話題を探していたのだろう――とか。

     それにしたって、世間話がいきなり賭け事ってのはどうなんだ?――とか。

     或いは、失敗談ってのは受け入れやすいというし、その辺りが関係しているのかも知れない――とか。

     そんな風に心を綻ばせた仗助に、


    「――僕とちょっとした『賭け』でもしないか? 待ち合わせの間だけでいいんだ」


     その警戒の鎧の隙間を縫うように、青年の言葉が突き付けられた。

     敵意や害意は感じない笑み。

     だが、だからこそ――――突飛な物言いなのにあまりにも自然体だからこそ、うすら寒い。


    (おいおいおいおい……やっぱりこのガイジン危ねえやつじゃあねーかよぉ~~~~~~!)


     (こうして近付いて来たのは、お気に召したカモを釣り上げる為かよ)――仗助はそこまで、内心顔を顰めた。

     そんな彼の変化に気付かぬか、それとも見ぬふりを決め込んだのか――更に続ける青年。


    「別に大した賭けじゃあない……ちょっとした暇潰しだ」

    「でも、やっぱりその……金とか賭けるのはちょっとなんつ~~~~かッスねぇ~~~~……」

    「『大金を毟りとる』……? ここで、この状況で?」

    892 = 1 :


     誰も保証人がいないのに?――と、青年は辺りを見回す。

     そして何より、お互いの体だ。

     青年もかなり鍛えている風ではあるが、それは重さを増すというよりは、絞り上げて無駄を削ぎ落とし限界のせめぎ合いをした競技者の風情。

     対する仗助は、空条承太郎ほどではないがやはり筋骨隆々とした偉丈夫。

     腕っぷしがどちらかが上など、見えている。踏み倒そうとすれば、仗助にはそれができるのだ。


    「別に取って喰おうってワケじゃあないし……僕はそこまで金に困ってもいない」

    「じゃあ、なんで賭け事なんて……」

    「『時間潰し』。それに――君、この辺の人じゃあないだろ?」

    「……」

    「ゲームついでに、賭けに勝ったらこの辺の聞きたい事を教えてもいい……そう思っただけだ」


     ――別に、嫌なら嫌で構わないが。

     ジョニィはそんな風に顔を逸らした。興味がなさげな態度。本当の本当に、単なる暇潰しだと。

     確かに――別に仗助には損はない。

     大金を賭けないというなら、本当にただ、奇妙な外国人に付き合うだけの話だ。

    893 = 1 :


    「……本当の本当に、大金とかは賭けないんスよねぇ~~~~~?」

    「保証する」

    「『百万は僕に取って大金じゃあない』とか、そーゆーセコい話は抜きッスよ?」

    「疑り深いな……精々コーヒー二杯分奢って貰うだけでいい」

    「身ぐるみ全部剥がすとか、恥ずかしい写真を取って売るとか――」

    「それ、需要はあるのかい? ……ちょっとした疑問なんだけど」


     淡々と返答する、ジョニィという青年。


    「本当の本当に、おかしな話は『ナシ』っすね?」

    「ああ。……別に無理に暇潰しに付き合って貰う必要はないし、君にこの辺の事を教える必要もない」


     だから、ただのゲームだ――と青年は首を振る。


    「ただ、やるからには本気でやって貰う。ある程度のスリルは必要だ」


     だから――。


    「――始める前に、宣言して貰おうかな。『魂か』『それに近いものを賭ける』……って」

    894 = 1 :










    ←To be continued...

    895 = 1 :


           次 回 予 告


    「カラオケ……流石に気分が高揚します」


    「……なんだか判らねーが、こいつは仕掛けてやがるぜッ! 『イカサマ』って奴を……!」


    「ドーモ、カンムススレイヤーです。……流石のうーちゃんも我慢の限界っぴょん! そこに直れッ、ぴょん!」


    「浜風、浦風が探しとったよ? ……あと潮と照月にも土産買ってかんと」


    「グッド! 気に入った!」


    「……新しい船、ッスか?」



     【五航戦とデートしよう その2】

     

    896 = 1 :

    いつものジョジョ

    この話のオチは決めてるがこのスレに収まりそうにないですね
    次スレに行く可能性は十分にあり得ます

    898 :

    乙乙
    浜風、浦風、潮とか巨乳駆逐艦ばっかりじゃないか、ジョニィ鎮守府。RJさん可哀想です
    …照月?知らない子ですね

    899 :


    突然のジョニィ登場で胸熱

    900 :


    ちなみに状況開始と状況終了は戦闘状況始めと終わりを指すよー
    作戦開始的な使い方は誤用


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
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